2009年11月23日

郵政300兆円、地方へ 政府・与党、活性化基金を検討

 産経新聞で見かけた記事です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091121-00000048-san-bus_all
 政府・与党は20日、日本郵政グループのゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の約300兆円に上る資金を地方企業への融資などに活用し、地域の活性化に役立てる制度を創設する方向で調整に入った。郵政以外にも政府や地方自治体、地元金融機関が出資してブロック別ファンド(基金)を設立し、地方にお金を還流させる案を軸に検討する。国民新党を中心に議論しており、今後、民主党と詰める。来年の通常国会に基金の設立などを可能にする法案の提出を目指す。
 郵便貯金の約8割、簡易保険の約6割が国債の購入に充てられており、より効率的な運用が課題になっていた。ファンドなどを通じた資金還流で地域経済の活性化に活用するのが狙い。ただ、民業圧迫の懸念があるほか、国債購入の減少で安定発行に支障が出る可能性もある。
 巨額の郵政資金について、鳩山政権は「地域で集めた資金が国債に流れている」(亀井静香郵政改革担当相)と問題視している。小泉政権の民営化でも、収益力強化のための運用多様化が課題となっていたほか、安易な国債引き受けにより、財政規律が緩むと指摘されていた。
 鳩山政権が検討している具体案では、地域活性化を目的としてファンドを地域ごとに設立。民業圧迫を避けるため、地域金融機関にもファンドへの出資を求める。与党では「競合するのではなく、協調しバッティングしないよう進める」(国民新党)としている。
 出融資の対象としては、地場産業などの企業のほか、町づくり、福祉・教育ベンチャー支援などを行う地域に根付いた「ご当地ファンド」と呼ばれる私募ファンドや地元企業の株式を対象とした投資信託などを念頭に置いている。
【以下、略】

 ゆうちょの資金を国債から地方発のファンドに回そうという考え方です。
 いやはや、困ったことです。
 ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険に巨額の資金があることがそもそも日本のあり方をゆがめているわけで、それを直そうというのが郵政民営化の趣旨でした。
 今は、国民新党の主張に基づき、この方向性が逆転して、再び国営になりそうな状態です。
 で、300兆円もの資金を自由に使えることになると、それは国としてもありがたい話でしょうが、基本的には、銀行の預金者や保険の契約者のお金であって、引き出しや解約で資金はいつでも引き上げられる可能性があります。したがって、利息分も含めて堅実な運用をしていかなければならないわけです。国債で運用するというのは、現実的な解の一つでしょう。民間の銀行なども預金として集めた資金の運用先が見つからず、国債に依存する程度がかなり高いのが現状です。
 というわけで、今回はゆうちょ銀行やかんぽ生命が保有する国債を売って、その資金を地方に回そうという発想です。
 日本はデフレということもあって資金の需要がない状態です。国債でも買っておくかというのは、銀行自身が適切な運用ができないことを物語っています。こんな状態で、資金だけを地方に回そうとしても、歪みがひどくなるばかりです。
 乙は、この問題に関する解決策を持っていませんが、役人たちが大規模な資金を運用してもうまくいくわけがありません。
 それにしても、運用先として「ご当地ファンド」が出てくるところは、いかにも思い付きだなあと思います。
 乙は、ご当地ファンドには投資しない方針でやってきました。
2006.9.7 http://otsu.seesaa.net/article/23378665.html
乙の場合は個人の判断ですが、国としての判断でも同じでしょう。ご当地ファンドに投資するべきではありません。
 では、どうするか。そもそも資金をどこに回すかを国が決定するようなこと自体が変なのです。本来は、個人レベルで貯蓄から投資への変化が起こらなければならないはずです。今まで、投資(家)教育に関して国が何もしてこなかったツケが改めて回ってきたのです。
 300兆円といえば、大変な資金量です。これが毀損しないようにしてほしいものです。ゆうちょ・かんぽとも、東京都の中小企業を助けるはずだった(しかし現実的には赤字垂れ流しの)新銀行東京のようにはなってほしくないと思います。
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2009年11月22日

浅川夏樹(2009.8)『ETF』パンローリング

 乙が読んだ本です。「世界を舞台にした金融商品」という副題が付いています。
 本書をひとことでいえば、ETF の総合解説書です。今まで、こんな詳しい解説書は見たことがありません。
 ただし、日本で購入できないものも多数含まれているので、海外で口座を開き、そこで購入するしかないような場合も多いと思います。本書中には、そのような海外口座の開設法も説明されています。
 こういう多彩な投資手段がある世界(日本の国外)を見ると、日本国内で限られた投資手段しか提供されない現状が実に嘆かわしく感じられてしまいます。
 p.60 からは景気循環型ということで、セクターローテーションを取り入れている ETF の紹介があります。乙はこんなアクティブ・ファンドみたいな ETF があるとは知りませんでした。
 他にも、ファンド・オブ・ファンズ型の ETF やら、CDS に連動する ETF やら、VIX に連動する ETF まで解説されています。
 今後もさまざまなタイプの ETF が登場してくると考えられます。純粋にインデックス投資を行う場合には、現状でも十分かもしれませんが、少しは投資を楽しみたい人にはこういう選択肢も考えておいていいのではないでしょうか。
 世界に対する目を開かせてくれる1冊だと思います。
 もっとも、本書で紹介されている ETF を実際に買うかどうかは別問題で、悩ましい問題であることは事実ですが。
 自分自身で投資を実践してきた人らしく、具体的な記述にあふれる本です。その辺の投資本とは一線を画します。

タグ:浅川夏樹 ETF
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2009年11月21日

味彩せいじファンド

 乙は日経ビジネスONLINE の記事で知りました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20091111/209494/
 「味彩せいじファンド」というのは、みんなで出資したお金で日本料理店を運営しようという話です。
http://www.zen-food.jp/project/
に説明があります。1口5万円で、850万円が最大募集額です。5年間の出資になります。
 出資者は、お食事優待券だけでも、毎年出資金額の10%、5年合計で50%を受け取ることができます。それに加えて、いくつかのイベントにも優先的に参加できます。
 ファンドの申し込みは、music securities のほうで行います。
http://www.musicsecurities.com/communityfund/details.php?st=i&fid=126
 わざわざ白金まで魚を食べに行くことがあるかといわれれば、普段ならそんなことはしないわけで、こういう出資はしないほうがいいのかもしれません。
 でも、何だか夢があります。自分のお金が出資金として日本の社会に出回っていく感じです。
 料理人「平原成二」氏を応援しようという意味で、乙としては出資してもよさそうに思いました。ホームページに書かれている内容には共感します。出資額は5万円ですから、これまた寄付みたいなものです。
 一方、リスクは大きそうです。お店が潰れれば何も返ってこないでしょう。赤字が続けば、出資金は償還時には大きく欠けてしまうでしょう。5年間、ちゃんと営業していけるか、まったくわかりません。飲食店は水物ですから。分配シミュレーションによれば、毎月 200 万円ほどの売り上げがあればトントンで、それ以上あれば出資額を上回る分配があり、下回れば出資額が毀損されるとのことです。
 「味彩せいじ」は11月7日にオープンしたとのことですから、滑り出しはうまくいっているといえます。
 24席の店ですが、毎日15人の客が来て 5,000 円使うとすれば、売り上げ 7.5 万円。1ヵ月で 187.5 万円程度と計算できます。これでは 200 万円に届きません。さて、平日を含めて、そんなに客が来るでしょうか。
 食べログにはすでに登録されていました。(写真1枚ですが。)
http://r.tabelog.com/tokyo/A1316/A131602/13099756/
ブログでも言及されています。
http://d.hatena.ne.jp/Jenesaispas/20091111

 というわけで、いろいろ悩みましたが、1口申し込んでみました。
posted by 乙 at 05:39| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月20日

NY株と連動 投資信託東証へ上場

 19日の朝、テレビを何とはなしに(クルマの運転中だったので)聞いていたら、NHK のニュースで、ニューヨーク株に連動する投資信託が東証に上場するという話をやっていました。
 その語、検索してみると、確かに NHK のサイトに掲載されています。
http://www3.nhk.or.jp/news/k10013879751000.html
 さっそくいくつかのブログで取り上げられていました。
http://renny.jugem.jp/?eid=1247
http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-1238.html
http://fund.jugem.jp/?eid=1234
http://pension.blog88.fc2.com/blog-entry-372.html
http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-cb5b.html
 NHK の記事でも、「19日に東証の承認を受けて来月10日に上場される予定」としていますので、20日くらいからあちこちで話題になるのでしょう。
 東証からはニュースの形で公表されています。
http://www.tse.or.jp/news/200911/091119_a.html
 さて、「「ダウ・ジョーンズ工業株30種平均」に連動する投資信託」とは、何でしょう。
 乙が購入した DIAMONDS TRUST SERIES I (DIA)
2007.6.8 http://otsu.seesaa.net/article/44165419.html
のことでしょうか。
 いいえ、それとは別物のようです。
 では、購入するべきか、否か。
 かなり迷いますが、今は買うまでもないように思います。いくつか問題点を感じます。
 第1に、上場されたあとで、実績がどうであるかという問題です。あまりに取引量が少なければ、上場廃止にもなりかねませんし、指数との乖離も大きくなりそうで、ETF らしくなくなってしまう可能性があります。そのあたりは、上場後しばらくようすを見てみなければなりません。
 第2に、東証での(前場・後場の)取引時間とニューヨーク証券取引所での取引時間の差の問題です。ダウ・ジョーンズ工業株30種は、すべてニューヨークで取引されるのが基本です。すると、ニューヨークがクローズしてから東証がオープンしても、理論的には取引時間帯には ETF の価格が変動しません。実際は、人気やら各種事件やら何やらである程度価格が変動すると思いますが、そのような価格変動は本来あってはいけないはずのものです。(これを利用した裁定取引が行われる可能性もあります。)東証がクローズしてからニューヨークがオープンし、株価の変動が起こることになります。そんなことを考えると、ニューヨーク株の ETF が東証に上場というのは、ETF らしくないともいえます。
 第3に、信託報酬が高いことです。0.6075% は高いですね。DIA は 0.18% です。これが世界標準です。
 一方、今までのアメリカ株の ETF と比べると、いろいろなメリットがあります。何といっても、東証で日本円で売買できるというのは日本の投資家にとってメリットでしょう。ドル/円の為替レートの影響はあるにせよ、今まで高い手数料を払ってドルに両替し、購入時にも割高の手数料を払っていた人にとっては、朗報になります。しかし、乙の場合、アメリカの証券会社に口座を開設して、ドルで ETF を売買しているので、特に日本円で購入したいということはありません。
 しばらくようすをみることにします。
posted by 乙 at 05:19| Comment(7) | TrackBack(0) | ETF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月19日

マカオのカジノの現状

 日経ビジネス ONLINE に、熊野信一郎氏が「アジアで始まる「カジノ大競争」」という記事がありました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20091028/208270/
今やシンガポールもカジノが開業するという話です。
 ASEAN 以東の主要国でカジノを持たないのはタイとインドネシア、日本だけということで、それだけアジアでカジノが盛んになっているということでしょう。
 カジノといえばマカオです。上記の記事によれば、こちらも元気になったきたとのこと。マカオに投資している乙としては、うれしい話です。
 それにしても、マカオは中国政府に振り回されているみたいで、安心していいのか、心配するべきか、迷ってしまいます。
 こういう投資は早いところ足を洗ってしまいたい気分です。

参考記事:マカオは不動産バブルだったのか
2008.12.7 http://otsu.seesaa.net/article/110818084.html
UWマカオ・プロジェクト投資事業匿名組合
2009.5.31 http://otsu.seesaa.net/article/120527273.html
posted by 乙 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月18日

水野和夫(2007.3)『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか』日本経済新聞出版社

 乙が読んだ本です。
 本文は 300 ページほどですが、その後ろに巻末の注記が 62 ページも付いています。参考文献も 11 ページにおよび、本格的研究書になっています。
 ただし、実のところ、読みにくかったです。注が巻末にあり、しかもかなりの数の注が付いているということで、注まできちんと読もうとすると、本文の流れが断ち切られるし、しかも注の位置を探すのも大変になります。
 本書でおもしろいのは、きわめて長期の視点で経済を見渡しているところです。ざっと 500 年を見据えて議論していきます。こんな超長期のデータはどれくらいきちんと揃っているのか、疑問に思う面もないわけではないのですが、一応、著者の姿勢は一貫しており、乙はかなり信頼できると見ました。
 p.72 では、アジアの近代化を「収斂仮説」で説明しています。簡単にいえば、生活水準の低い国は豊かな国よりも平均して早く成長し、最終的には先進国の生活水準の7割から9割に収斂していくとのことです。過去 500 年の歴史で当てはまってきた考え方だというわけです。1600 年当時の先進国イタリア・スペインに対して、貧しい国・アメリカやオーストラリアがそうなっていきました。他にもたくさんの例が挙がっています。歴史は繰り返すといいますが、乙は、こんな長期的視点は持っていなかったので、驚きました。
 p.113 では、グローバル経済圏企業(IT企業、鉄鋼、輸送用機器)とドメスティック経済圏企業(情報通信と電力以外の非製造業)にわけ、前者が一人あたり GDP できわめて大きく(つまり生産性が高く)、後者はそうでないことを示します。今の日本でドメスティック経済圏企業(中小企業のかなりがこれに該当しそうです)が成長せず、各種の問題の原因になっていると指摘します。この二つを区分する見方も新鮮でした。現代日本の状況をわかりやすく説明してくれます。読んでいて腑に落ちます。
 p.182 では、インターネットの登場によって、それまでの国境線で区切られた「土地」という富の源泉を変えてしまったとしています。したがって、現在の成長物語は、pp.185-6 で述べられるように、小さな政府によってのみ達成可能になっているとしています。ここの記述も現代日本を考える上で重要な見方です。
 pp.194-5 で述べられる3回の歴史的断絶(1回目は紀元前 8000 年の新石器革命、2回目は16世紀の大不況を中心とする(ヨーロッパの)経済変動、そして3回目が現在のIT革命)の話もおもしろかったです。今が3回目なのかどうかは、もっと時間が経ってから検証するべきでしょうが、そういう見方があるということ自体が興味深いのでした。
 p.264 では、日本の就学援助率(生活保護を受ける家庭並みで、修学旅行費や給食費などが支給されるのが就学援助)を見ると、全国平均よりも高い地域として東京と大阪があるそうです。地方では職がないため、就職の機会が多い都会に若い人が集まり、最初は家賃の安い地区に住むことになります。東京のある区では就学援助率が 43.1% になるとのことで、驚きます。この区は足立区でしょう。
http://www002.upp.so-net.ne.jp/kyoiku-gifu/gakushukai-siryo9.pdf
このように、日本社会の中で二極化が起こりつつあるということです。
 いくつか、乙がおもしろいと思ったところを抜き出しましたが、まだ他にもあります。本書は図表をかなりたくさん使い、数値などの裏付けを持って語っていきます。その意味で、信頼性がある本です。今の日本をどう眺めたらいいかを考える上での好材料であるともいえるでしょう。
 直接投資に関わることではありませんが、視野を広げる意味では読んでも損はないように感じました。

タグ:水野和夫
posted by 乙 at 05:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月17日

国民年金基金の破綻?

 国民年金基金というのがあります。国民年金の加入者で、国民年金だけでは年金の額が十分でないと考える人向けに、2階建て方式で追加して年金を支給しようという仕組みです。
http://www.npfa.or.jp/about/shikumi/index.html
 それはいいのですが、国民年金基金は、破綻することなく、ちゃんと年金を支給してくれるでしょうか。
 国民年金基金の財政を見てみると、
http://www.npfa.or.jp/jigyo/finance/index.html
「平成20年度は運用環境が厳しかったことから、運用利回りがマイナス21%となり、責任準備金に対する積立不足額の割合も約20%増加し、38%程になっております。」と書いてあります。
 「年金財政の推移」を見ると、平成20年度末の給付確保事業について、こう書いてあります。
  資産額=9,735 億円、責任準備金=1兆 5,584 億円、実質過不足=5,948 億円
 5,948÷15,584×100=38.2% ということです。
 つまり、今まで積み立ててきた年金の資金があるわけですが、この時点で国民年金基金を解散して、加入者に積立金を返そうとすると、1兆5千億円必要なのだけれど、今は9千億円しかなく、6千億円が不足しているというわけです。これは膨大な含み損といえるでしょう。民間企業でいえば債務超過みたいなものといえばいいでしょうか。
 基金2口目以降についても同様の数字が並んでいます。
 国民年金基金は、運営理念として積立方式を念頭において運営されてきたはずですが、こんなにも含み損が多いと、実質的に若い世代が老年層を支える賦課方式になっているようなものです。
 将来的に、この含み損は解消されるのでしょうか。乙の見方では、かなり悲観的です。9千億円を1兆5千億円にするには、6割増の運用をしなければなりません。これはなかなか大変です。
 国民年金基金の長期的資産構成割合(基本ポートフォリオ)を見ると、
http://www.npfa.or.jp/org/unyo.html
国内債券 25%、外国債券(円ヘッジ)10%、国内株式 25%、外国債券 12%、外国株式 28% だそうです。
 先日紹介した岡本和久『100歳までの長期投資』
2009.11.15 http://otsu.seesaa.net/article/132857250.html
の資産クラスごとのリターンを使うと、外国債券(円ヘッジ)は国内債券と同じリターンとして計算することで、ポートフォリオ全体のリターンは 5.27% となります。
 毎年 5.27% の運用を継続したとして、資産が6割増になるには、9年かかります。
 けっこうなリターンをねらっているともいえますが、逆にリスクも相当に大きそうです。今後、株式市場の低迷などによって、さらに運用が悪化するかもしれません。
 ということで、国民年金基金は破綻するかもしれません。しかし、今は年金の解散などの破綻処理をするわけにも行かず、このままの仕組みを継続していくしかありません。
 何でこうなったのかといえば、年金の予定利回りが高く設定されてきたのに、実際はかなり低い運用しかできなかったからでしょう。運用の失敗というわけです。
 日本航空OBの高額年金が問題になっていますが、一つのアイディアとして、企業年金の積立不足を解消するために企業年金を解散したらどうかという話があります。他の企業でも同様の話があることでしょう。個々の企業年金の財政状態にもよるので、一概には言えませんが、年金の運用がうまくいっていれば解散も選択肢の一つですが、なかなかそういっていない例が多いのではないでしょうか。企業年金が解散したら積立不足は企業の負担になるので、解散しにくいでしょうね。
 国民年金基金もそのような「うまくいっていない例」の一つです。
 もしかして、国民年金基金が破綻することになったら、……国民負担(つまりは税金で尻ぬぐい)になるのでしょうか。そうならないために、年金一元化(厚生年金への吸収)を考えているのでしょうか。その場合、厚生年金側は、たかられるばかりで、いい迷惑です。いや、厚生年金もむしられてばかりだから、意外とたかるべきものがなかったりするのでしょうか。
 何だか、日本の将来を暗示するような感じがしてきました。
posted by 乙 at 04:16| Comment(5) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月16日

ワタミ

 乙は、ワタミの株を買うことにしました。
 半分は株主優待ねらいです。あと半分は社長のことばが気に入ってといったところでしょうか。
 乙は、いくつか、飲食業の会社の株を持っていますが、すべて株主優待ねらいです。
 ワタミの場合、17万円ほどで 100 株を買うと、半年に1回、1000 円の割引券が6枚送られてくるというわけです。
 割引券が全部使い切れるかどうかですが、乙の場合、平日の夜にも飲みに行くことがあるので、使い切れるように思っています。わたみん家、あるいは和み亭に行きます。
 もしそうならば、12,000 円の優待になるわけで、年率7%に該当し、これはかなり大きいです。
 買ったら、すぐに株価が下がりましたが、そんなことは気にせずに、10年くらいは保有してみようと思っています。

 割引券はひとり1回につき1枚しか使えません。このあたりが微妙です。飲み代として、ひとり1回あたり数千円使うことになるので、割引券だけで飲食するわけではないから、割引券を使うことでワタミグループの売り上げにも貢献することになります。
posted by 乙 at 05:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 株式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月15日

岡本和久(2007.6)『100歳までの長期投資』日本経済新聞社出版局

 乙が読んだ本です。「コア・サテライト戦略のすすめ」という副題が付いています。
 内容は、スタンダードな投資入門書といったところでしょうか。
 対象読者は団塊の世代です。p.80 では、団塊世代用の本だと明記されています。60歳前後の人にお薦めの本です。たとえば、本書中に登場する架空の投資家はちょうど60歳。退職金を得て、6150 万円を運用しようとしています。大変身近な例であり、退職者としてはちょうどピッタリの例なのではないでしょうか。
 p.13 では、人生を30歳と60歳で区切って3段階に分けて考えるとよいとしています。学校を卒業するのは20代前半としても、就職した後は、まずは仕事を覚える時期があり、30歳くらいで一人前になるという考え方です。妥当な考え方です。そして、60歳は退職時で、これは当然でしょう。60歳を過ぎた時期がサード・エイジというわけです。これを 100 歳まで生きると仮定して人生を設計するのがよいというわけです。
 p.68 には、資産クラスごとのリターンとリスクが書かれています。
資産クラスリターンリスク
国内債券
2.50
5.00
国内株式
7.50
21.00
海外債券
3.50
12.50
海外株式
7.50
19.50

 データの出所は企業年金連合会のホームページで、1970 年以降のデータに基づいた円建てによる計算結果だそうです。
 以前だったら、「ふうん」という感じで、こういうデータを見ても当たり前のように感じて、通り過ぎていたでしょう。
 しかし、今は、この数値が違って見えます。
 海外債券が 3.5%、海外株式が 7.5% と国内並み(あるいはそれ以上)の成績を残していますが、これが円建てによる計算ということに注目するべきです。
 ドル/円の為替レートを考えると、1970年ころは、1ドルが 360 円でした。2007年ころは1ドルが 120 円でした。37年間で3倍の円高になったわけで、年率に換算すると、ざっと 3% 程度の円高です。つまり、現地通貨建てだと債券が 6.6% (1.035×1.03×100-100)のリターン、株式が 10.7% のリターンということになります。
 もちろん、米ドルだけが通貨ではなく、他の通貨と円の為替レートも考慮するべきですが、世界の経済のかなりの部分をアメリカが占めていることを考えれば、ドルだけを考えても、まあまあの線になるでしょう。
 つまり、円建てで見ると、海外の債券も株式も、国内のものと同様に見えるのですが、海外の視点で見ると、実はかなり高いリターンがあったのです。円高でそれが相殺されて見えているのです。
 海外から日本株を見ても同様で、単純な株価の上昇に加えて、円高もありましたから、日本株に投資しておくことで大きなプラスになったものと思われます。(実際、1970 年ころに外資が自由に日本株の売買ができたのかどうか知りません。たぶん規制があってできなかったのではないかと思います。)
 p.183-184 では、人気のある投信を買うのはまずいということが述べられています。乙は、以前、人気のあるものを買ったりしたのですが、それではダメだというのは自分の経験で痛感しました。本を読んで失敗を避けるのもいいでしょう。失敗を経験して痛みとともに学ぶのもいいでしょう。自分の失敗がないと、こういう本を読んでもなかなか納得できないのではないかと思います。
 巻末には索引が付いています。しかし、参考文献は挙がっていません。ちょっとだけちぐはぐな感じがしました。
 投資の入門書としては良書だと思います。乙は団塊の世代ではないのですが、割と近い年齢なので、本書は親しみを持って読むことができました。

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2009年11月14日

イーバンク銀行からSBI証券に入金

 乙はしばらく気がついていなかったのですが、ネット操作で無料でイーバンク銀行からSBI証券に入金できます。
 今まで、乙は、いつもSBI 証券のサイトでみずほ銀行の口座から入金するような指示を出していました。これも無料でできます。
 乙の場合は、イーバンク銀行がメインバンクなので、ここから無料で資金が移動できるようになっていると一番便利なのです。
 ずっと前に変わったのかもしれませんが、最近は、あまり SBI 証券を使っていないので、気がつくのが遅れました。
 SBI証券では、無料で都市銀行3グループやネット銀行各社などいろいろな銀行から即時入金ができるようになっており、たいていの場合、まずは十分な体制だと思います。ゆうちょ銀行からも(即時ではないようですが)振替入金が可能です。
 こんなところで余計なお金は使いたくないものです。
posted by 乙 at 05:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融機関 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする