2006年06月30日

藤井厳喜(2004.12)『「国家破産」以後の世界』光文社

 乙が読んだ本です。
 乙は、すでに藤井氏の著書を3冊読んだことがあります。
藤井厳喜(2005.12)『這い上がれない未来』光文社
http://otsu.seesaa.net/article/16101932.html
藤井厳喜(2004.5)『新円切替----国家破産で円が紙くずになる日』光文社
http://otsu.seesaa.net/article/14475013.html
藤井厳喜(2005.6)『「破綻国家」希望の戦略』ビジネス社
http://otsu.seesaa.net/article/12902166.html
 この本は、これらの中間の時期に書かれたものになります。
 藤井氏は、2008年に日本は国家破産すると予測しています。そればかりか、2010 年には北朝鮮から日本に核ミサイルが撃ち込まれ、2022 年には中華人民共和国が日本を併合するというのです。(pp.006-009) まあ、これは「悪夢」ということですから、現実になってほしくはないですが、藤井氏はこういうスタンスでこの本を書いています。
 Part 1 では、日本の現在の国債発行や低金利の異常ぶりを描きます。Part 2 では、国家破産までは「心理ゲームだ」としています。いつかは確実に破産するけれども、それがいつなのかをあてる心理ゲームが今行われているというわけです。サドンデス(突然死)シナリオでは、p.074 で、2008 年までに国家破産が起こるとしています。それを乗り切っても、2010 年以降に持ち越されるだけだというわけです。p.085 から、三つの近未来のシナリオが描かれます。第1はアメリカの経済植民地、第2は中国の属国、第3は海洋アジアの小国です。いずれも暗い未来です。藤井氏は第3のシナリオをもっとも妥当と考えているようです。
 Part 3 では、破産国家の例を述べ、pp.126-127 で、国家破産では中流の人間が一番ダメージが大きいことを指摘しています。pp.154- では、日本のデフォールトがどう起こるかを予測しています。いよいよ身につまされます。Part 4 では、「日本再占領」と題して、アメリカがどのように日本を「占領」しようとしているかを描きます。
 Part 5 では、ブリックスをどう見るべきかが述べられます。pp.268- によれば、BRICs は数十年単位で考えれば投資先としておトクだということです。乙は、そんなに長く生きられませんから、こういう予測を述べてもらっても意味はありませんが。
 全体として、国家破綻(政府破綻)が国民に悲惨な生活を味わわせることを述べた本です。こうなりたくはありませんが、しかし、今の政府のやり方(財政再建を議論していても、ちっとも進まない)を見ていると、もしかしてこうなるかもしれないと思わせます。
 こんなことも頭の隅に入れつつ投資を考えるべきだというところでしょうかね。


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2006年06月29日

HSBC Global Investment Funds - BRIC Freestyle (Class M2C)

 乙が HSBC 香港で購入したファンド(Unit Trust)について、書いておきましょう。
 まずは、何といっても今の流れを象徴しているという点で BRICs でしょう。
 HSBC Global Investment Funds - BRIC Freestyle (Class M2C) は、BRICs の4ヵ国に投資するものです。
 http://www.hsbc.com.hk/data/hk/personal/invest/unit/pdf/ut_fs_43515_en.pdf によると、投資先は、ロシア29%、中国27%、ブラジル24%、インド11%、現金9%という配分です。純資産額は US$3,928 million(2006年5月現在)ですから、充分な大きさです。最近、純資産額がとみに大きくなっているようです。ちなみに、ミリオンドルは 100 万ドルで、だいたい1億円にあたりますから、m$ で表示されているとだいたい「億円」に置き換えて計算すればいいことになります。
 乙は、2005年7月に購入しました。申込手数料は 5.25%、信託報酬 1%、それに 成功報酬として、基準価額が5%以上増加した時にその 20% がかかります。手数料は、まあこんなものでしょう。申込み手数料が高いのは、HSBC 香港の全般的な傾向のようで、5% もありますから、乙の基準でいうと、5年以上継続することを意味します。できたら、乙は15年後までこのままにしておきたいと思っていますが、さて、そんな先のことは何ともわかりませんね。
 HSBC 香港で扱っているファンドで、BRICs 4ヵ国に投資するものは、これだけのようで、他のファンドハウスのものを調べてみても見つかりませんでした。
 投資期間は約1年ですが、これも好成績で、乙の場合、すでに 35% アップです。先日までの調子のいいときは 50% 以上まで上昇したのですが、5月から6月にかけての世界的な株価の下落で、だいぶ基準価額が下がってしまいました。しかし、乙は、解約しないで待っています。5年間はじっと我慢するつもりでいます。
 こういう分散投資型のファンドは、比較的安定したリターンを生み出すと思います。4ヵ国のそれぞれに対する投資を考えなくても、ファンド会社のほうで適当な配分で投資してくれるわけですし、どこかの国の経済がおかしくなるとかいうことがあれば、それから撤退して(他の3ヵ国に配分して)くれるものと思います。その意味もあって、割と安心して任せておいていいのではないでしょうか。
 安易な投資を考える場合には、有力な選択肢だと思います。
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ラベル:BRIC Freestyle
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2006年06月28日

山崎元(2002.7)『山崎元のオトナのマネー運用塾』ダイヤモンド社

 乙が読んだ本です。
 末尾には、「本書は『週刊ダイヤモンド』の連載(2000.4.8-2002.2.23)および LOOP 掲載の文章に加筆・修正したものです。」とありますから、実際に書かれたのは、さらに古いというわけです。
 一部の記述は、確かに古いところがあります。しかし、いい本は数年経ってもいい本ですから、そんなに気にすることはありません。
 山崎氏はファンドマネージャーを長くやっていた人なので、そういう目でものを見ています。元が週刊誌の連載だったということもあり、短い記事が続いていく印象を持ちました。
 以下、乙がおもしろいと思ったことをいくつか抜き書きしておきます。
 p.19 では、運用ではコストが最重要という話が出て来ます。これをひとことでいえば「売り手側の儲けが大きいものには投資するな」(p.21)です。乙は、オプション・マスターでそれを痛感しました。
http://otsu.seesaa.net/article/17568213.html
 pp.46-48 でも運用のコストの話が再度出てきます。
 p.23 では、「初心者向けの運用商品などない」という話が語られます。これも、乙が感じていることをはっきりと指摘してくれました。
 pp.48-55 では、ファイナンシャル・プランナーへの不信感が語られます。p.51 では、旧来型のマネー・プランは役に立たないと断言しています。乙がうすうす感じていたこと
http://otsu.seesaa.net/article/19537879.html
を山崎氏は明確に書いています。
 p.87 では、パッシブ運用の三つのメリットが挙げられています。@コストが安いこと、Aキャッシュ・ポジションが小さいこと、B中身がわかりやすいこと、の三つです。キャッシュ・ポジションについては、乙も感じていました。アクティブに株式取引をしようとすると、どうしてもある程度の現金をおいておかないといけません。でないと、株価が下がったときに買いに行けません。しかし、これは資金全体としてみれば(遊んでいる金を持っていることになりますから)運用面で不利に働きます。パッシブ運用ならば、手元の現金の全額を株に投じることができます。
 p.94 では、PBR 1倍割れの銘柄を、それだけを根拠に買うことはよくないと述べています。それにはそれなりの事情があるからだというわけです。しかし、乙は、そんなに気にすることもあるまいと気楽に考えています。株価はあらゆることを盛り込んだ結果ですから、PBR 1.0 以下の株を複数買って、ある程度の期間保持していれば、平均的な(TOPIX 程度の)運用よりはよくなるのではないでしょうか。(乙は、単純すぎるでしょうか。気になる人は、このブログの「オール投資徹底検証」の記事カテゴリの記述をご覧下さい。)
 p.110 では、投資のしかたの吟味方法として「この方法が永遠に有効だとしたら何が起こるか」「この方法を他人も利用したときに何が起こるか」と考えるように述べています。時間と空間を広げて考えるというのはとてもいい方法です。ただし、思考実験程度ではなかなかわからない(判断が付かない)ことも多いように思いますが……。乙は、実際に試してみることもあっていいように思います。
 pp.127-130 では、個人投資家にとってアナリストのコメントは役に立たないという話が出て来ます。そんなものでしょう。橘玲氏
http://otsu.seesaa.net/article/19337369.html
が論じている株式評論家の話と同じことだと理解します。
 p.142 では、株の期待リターンは 11-13% くらいだという話が書いてあります。機関投資家の期待値だそうです。かなり高いですが、乙がいろいろな人(機関投資家ではなくて単なる個人ですが、銀行関係者など、業界に関係している人を含みます)と話をした感じでは、株のリターンといえば、だいたい 10% くらいを考えている人が多いようです。p.143 では、この期待リターンは高すぎるという山崎氏のコメントが書いてあり、まあ、あまり期待しないほうがいいようですが。
 pp.190-191 では、アクティブファンドで、必要な人件費などのコストを考えると、運用額は 1000 億円くらいがちょうどいいと述べています。現実には、こんな大きいファンドは少ないと思いますが、ということは、ファンド会社が儲からず、きちんとした投資ができないということで投資家にもよくないということになってきます。乙は、20億円くらいをファンドの運用額の下限と考えていました
http://otsu.seesaa.net/article/12678037.html
が、現実の下限はそれよりずっと大きいと見るべきかもしれません。
 p.193 では、投資信託の場合、1.5% の信託報酬は高すぎるとのことです。となると、最近は 1.5% くらいの信託報酬の投資信託が多いので、なかなか投資信託を選べなくなりそうです。p.236 では、投資信託のコストについて、ベンチマークを運用報酬の2倍分上回る利回りが目標となるといっています。1.5% の報酬を受けるファンドであれば、ベンチマークを 3% 上回るということになります。これはなかなかむずかしいでしょうね。というわけで、p.194 にあるように、山崎氏は ETF によるパッシブ運用を勧めることになります。乙も、だいぶこの考え方に傾いてきました。
 p.238 では、ファンドの成績を見るのに5年では短すぎるといっています。実際は、3年とか5年で見る人が多いし、各種データもそういうのしか用意されていないので、山崎氏の発言は理想論になってしまっています。しかし、あるべき姿を知ることも意味があると思いました。
 この本は、全体として、まじめな本であり、お勧めできると思います。自分のわずかばかりの投資の経験と山崎氏の指摘をあわせて考えると、うなずけるところがたくさんあります。


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2006年06月27日

カナダドルへの両替

 乙がカナダドルを e-kawase
http://otsu.seesaa.net/article/19378324.html
経由で海外口座に出金したとき、1万ドルあたり 8,700 円の送金手数料がかかりました。これはずいぶんと高いですね。ちょっと驚きました。米ドルやユーロの場合は、送金手数料が 3,500 円なんですから。
 取扱量が少ない通貨は、手数料が高くなるということでしょう。
 というわけで、日本円を基準にして、e-kawase 経由で HSBC 香港の自分の口座に1万カナダドルを送金すると、両替手数料 1,000 円を加えて、9,700 円かかることになります。
 ところで、米ドルで HSBC 香港に送り、そちらでカナダドルに両替する手もあります。
 乙の計算では、1 カナダドルあたりに換算すると、HKD から CAD への両替手数料は片道 37 銭です。
 すると、HSBC 香港で1万米ドルをカナダドルに両替するときは、(0.18+0.37)×10,000=5,500 円程度かかることになります。
 e-kawase による米ドルの送金手数料は、1万ドルあたりで 3,500+1,000=4,500 円ですから、HSBC 香港で両替すると、4,500+5,500=10,000 円かかることになり、e-kawase 経由のカナダドルの送金(8,700+1,000=9,700)とほぼ同じです。
 これらの計算から、e-kawase でカナダドルを送金するときの手数料は、e-kawase で米ドルを送金し、香港でさらにカナダドルに両替する(実質は、米ドルから香港ドルに両替し、それをさらにカナダドルに両替する)場合と同じということになります。後者は何回も両替を重ねているので、手数料が高くなるのはわかりますが、それと同じ手数料が1回の送金でかかるというのはまいります。
 何か、安い方法はないものでしょうか。
 もっとも、乙はしばらくカナダドルによる投資の予定はないのですが。
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2006年06月26日

加藤康之(2006.6)『資産運用、投資のプロはこう考えている』東洋経済新報社

 乙が読んだ本です。
 著者の加藤氏は、野村證券株式会社執行役であり、金融経済研究所金融工学研究センター長でもあります。そこで、本書中には、金融工学研究センターが作成した図表類がふんだんに使われ、個人のファイナンシャル・プランナーが書いた本とはだいぶ違った様相を示します。
 この本は、投資のプロ=機関投資家(年金基金など)の資産運用手法をベースにして、個人投資家の中長期的な資産運用の方法について解説したものです。その意味で、スタンダードなやり方であり、失敗しないやり方とも言えるでしょう。乙はおもしろく読みました。
 p.80 では、資産クラスを分類しています。まず、リスク資産と安全資産に分け、リスク資産を国内株式、国内債券、外国株式、外国債券、オルタナティブに5分しています。ここでオルタナティブが登場してくるあたり、資産運用の現状をよく反映しています。
 p.86 では、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券、短期資産の5クラスのリターンとリスクをグラフで表示しています。こういう資料は大変おもしろいです。基になったのは p.49 にあるデータですが、20年から35年程度を通算した結果とのこと。そこでは、年率リターンを、短期金利 4.56%、国内債券 6.62%、国内株式 8.80%、外国債券 6.08%、外国株式 9.11%、そしてインフレ率を 3.28% としています。今の日本の低金利を基準に考えると、とてもじゃないけれど考えられないリターンです。でも、一般論でいえば、このくらいの数字が達成されるんですね。
 問題は、過去数十年間ではこうだったけれども、これが今後も続くのかということです。それは、日本の異常な低金利がいつ解除されるかということとも絡みます。乙の予想では、低金利はそう簡単に解除されないのではないかと思います。だって、金利が 4% とかになったら、国債や借入金などの合計額 827 兆円(2006年3月末現在、財務省)
出典=http://www.mof.go.jp/gbb/1803.htm
の利息が33兆円にもなってしまうので、日本の税収入だけでは払いきれなくなるからです。
 ということで、日本の低金利が続くとすると、本書のリターンの数字も(国内のところは)あてにならないのではないかと思います。
 p.89 では、いろいろなヘッジファンドの運用戦略ごとのリスク/リターンのグラフを載せています。1994年から2004年の結果だそうですが、これも大変おもしろいです。ショート・セリングだけがマイナスで、あとはだいたい 11% 程度のリターンを達成しています。ヘッジファンド全体のリスクは 8% 程度であり、乙が思っていたほど高くありませんでした。ただし、もしかして、多数のヘッジファンドを平均したために一見リスクが小さくなっているように見えるだけかもしれませんが。
 p.102 には、日本の企業年金の資産配分のグラフが出ています。国内債券 22%、国内株式 27%、外国債券 12%、外国株式 17%、一般勘定 8%、その他 7%、短期資産 7%ということです。乙の印象では、国内資産が多いんだなあと思いました。加藤氏は、特にこのアセットアロケーションを個人にも勧めているわけではありません。あくまで、参考のために示すということです。確かに、個人投資家と比べれば、機関投資家は運用額がはるかに大きく、また期間もはるかに長くなります。限られた資金を限られた期間(たとえば15年)運用する個人では、考え方も違ってくると思います。
 pp.109-120 では、コアポートフォリオ(資産運用の中心)としてパッシブ運用を用い、サテライトポートフォリオ(資産運用の一部)としてアクティブ運用を導入する考え方が解説されます。乙は、今までいろいろ試行錯誤してきましたが、どうもこの考え方が一番いいようだと考えるようになってきました。この考え方は、朝倉智也(2006.3)『投資信託選びでいちばん知りたいこと』ランダムハウス講談社
http://otsu.seesaa.net/article/17479870.html
でも説明されています。
 pp.153-154 では、長期的な資産配分「戦略的資産配分=SAA=Strategic Asset Allocation」とは別に、それをちょっとだけ(短期的に)変更する「戦術的資産配分=TAA=Tactical Asset Allocation」という考え方が示されます。これは、資産配分のリバランスとは違った考え方であり、ちょっとした遊びのようなものだと理解しました。加藤氏は資産配分の数%程度の変更を想定しているようです。
 第12章(pp.155-166)では、人生設計が大事だとといています。それによってリスクが取れるかどうかが決まるからです。また、p.183 では、なぜ利食いは早く損切りは遅くなるかを行動ファイナンス理論から説明しています。このような話題の広がりは、とても有意義です。

 ところで、この本が想定している個人資産家は、運用資産いくらくらいの人なのでしょうか。pp.14-15 の年金や退職金の記述を見てみると、数千万円程度を想定しているようです。実際、この本の記述はそれくらいの資産で実行可能だと思います。その意味で、本書は多くの人に読まれてもいいのではないでしょうか。


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2006年06月25日

e-kawase の使い方と外貨の送金の実際

 乙は、豊商事の e-kawase という外国為替証拠金取引(FX)を利用して、海外の口座に外貨を送金しています。
http://otsu.seesaa.net/article/19378324.html
 そのときの乙の流儀を書いておきましょう。
 FX に対する乙の基本的態度として、ポイントが二つあります。第1に、ドル/円のレートは、ある範囲を行き来していると見ています。あまり一方向に行くと、適当な圧力なり、どこかの政府の介入なりで、元のレートに戻るようなことになります。したがって、円高のときには(ドルを送金するしないとは別に)ドルを買って保持しておくことがよいと言えます。
 第2に、ドルを買うのは、基本的に海外に送金するためです。したがって、円安になったからといって買い持ちしているドルを売ることはしません。(本来、FX は円安時にドルを売って利益を上げるものなんですけれど……。)
 このようなポイントを考慮すると、FX の利用はドルを買う段階と、ドルを送金する段階に分けて利用のしかたを説明するのがよさそうです。
 まず、ドルを買う段階です。
 普段から、円高になったらドルを買うようにします。そのためには、今の(ドルを買おうと思った)レートから2円くらいの円高水準のレートで1万ドル買う注文を出します。注文の時点で証拠金5万円が必要になります。注文のしかたは GTC(キャンセルしない限りずっと有効)にします。で、そのままじっと待ちます。1〜2ヶ月のうちにレートが円高になって、買えたらOKです。最初に買おうと思ったときよりも2円安く買えたのですからトクした気分です。(1万ドル単位の話ですから、2万円トクしたことになります。)このような買い方(注文のしかた)をしていると、現在のレートよりも5円も円高のレートで注文してあるような場合もあります。それでも、とにかく、ほうっておきます。注文レートと現在レートがあまりにかけ離れてきたら、注文をキャンセルして、そのときのレートに近いレートで再注文してもいいでしょう。このように、やや円高のレートで注文しておき、ずっと待っているのがドルを買うときの基本です。
 ドルが買えた場合、(手持ちのドルが3万ドル程度を越えなければ)さらに2円の円高レートで買い注文を出します。買ったドルはそのまま保持します。ドルを保持しているとスワップポイントが付きますので、少しおトクです。
 こんなことで、いつも、FX で1万〜3万ドル程度を買い持ちしているとともに、やや円高レートで1万ドルを注文中という状態を継続することになります。証拠金として<買い持ち分+注文分>の1万ドルあたり5万円が必要になりますから、FX の口座はいつも数十万円が入っているようにします。
 3万ドルを買い持ちしているときに、さらに円高になったらどうするか。今までのところ、乙は(FX 歴が短くて)そういう経験をしていませんので、わかりません。そうなるまえに、為替レートが反転して円安方向になりました。もしも本当にそうなったら、たぶん、証拠金を積み増してドルを追加買いするだろうと思います。
 次にドルを送金する段階です。
 ドルを送金する必要ができたときは、それまでに買い持ちしているドルのレートと送金時のレートを比べます。円安に振れている場合は(同じ程度のレートの場合でも)、買い持ちしているドルを現受け・送金します。逆に、円高に振れている場合は、その時点で買い持ちのドルをそのままにして、新たに1万ドルを買い、現受け・送金します。
 現受け・送金で手持ちのドルがなくなるようなときには、そのときのレートよりも2円の円高レートでドルの買い注文を出すことになります。
 円高のときにドルを買うことは、(その後の送金を考えれば)いわば、そのときのレートで両替する権利を獲得したようなものです。その後、円安に振れた場合、現受けして送金すると、買ったときのレートが適用されるような計算になります。
 手持ちのドルがない状態で(ドル買い注文がなかなか成立せずに)、ドルを送金する必要があるときは、しかたがないから、2円の円高を予定した注文はそのままにして、新たにそのときのレートに近いレートを指定して1万ドルの買い注文を出し、それを現受け・送金します。
 こんなやり方がどれくらい有効か、きちんと計算したわけではありませんが、基本方針は、円高のときにドルを買うようにすることだけです。ドルを買うタイミングとドルを送金するタイミングがずれることで、少しはトクになるかなといった程度の使い方です。
 乙は、今後しばらく、年間数万ドルの送金を予定しています。
http://otsu.seesaa.net/article/12800956.html
1回の送金は1万ドル単位です。それを前提に、上のような方針をとっています。したがって、このやり方はもっと多額の送金をするときには当てはまらないでしょう。(乙には関係ない話なので、考えもしません。)もっと少額の送金の場合もよくわかりません。まあ、タイミングのズレを利用しても、さほど利益が出るわけでもありませんから、考えたり工夫したりするだけ手間がかかって面倒なように思います。
 また、FX の利用自体、乙の経験は1年程度しかなく、超円高や超円安、あるいは継続的な円高などを経験したわけではありませんので、上の方針が今後もずっと当てはめられると思っているわけではありません。今は、試行錯誤しつつ、とりあえずはこんなやり方かなといえるほどに固まってきたところです。
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2006年06月24日

神戸孝(2003.3)『幸せな老後を呼びこむ ほんとうに真っ当な資産運用』朝日新聞社

 乙が読んだ本です。
 著者には申し訳ないけれど、一読して、何も新しいことがないなあと思いました。この本に書かれていることは、乙にとってほぼすべてすでに知っていることでした。「真っ当なもの」というのは、つまりは「当たり前のもの」であり「平凡なもの」ということなのでしょう。
 この手の本は昔からたくさんありました。本屋さんで手にとって立ち読みすれば、だいたいの内容がわかりますから、買う必要はないと判断できるはずです。
 乙は、ネットの古本屋でタイトルだけを見て購入しました。値段は忘れましたが、とにかく安かったので、あまり損した気分はありません。(自分の時間を損した気分はあります。)
 資産運用に関する本をまったく読んだことのない人が1冊目として読むにはいいかもしれませんが、それだけです。自分で投資を実践している人は、読む必要はありません。ただし、間違ったことが書いてあるわけではありませんから、批判することもありません。当たり前のことが当たり前に書いてあります。
 なぜ、ファイナンシャル・プランナーがこのような「平々凡々な」(乙はあえていいます)本を書き、また出版社が出版するのでしょうか。類書がたくさんあるのですから、多くの著者・出版社がこういう本を手がけているのです。乙は、むしろこちらの「なぜ」のほうに興味を持ちました。
 「入門書」の必要性は乙も認めますが、だとしたら、その旨をタイトルなり表紙になりに明記してほしいと思います。まあ、ある程度慣れてくれば、タイトルを見ただけで読む価値がないことを見抜けるようになるのでしょうが。
 ちょっとおもしろいといえば、第5章の外貨建て商品のところでしょうか。p.178 で国内のインフレ対応のために外貨を持つべきだという意見はおもしろいと思います。神戸氏は、国債残高の急増ぶりに対して解決策はインフレしかないだろうという意見を述べています。乙もそう思っています。また、p.193 で中国株を薦めていますが、買った銘柄の大部分が紙くずになってしまったとしても、一銘柄だけでも何十倍かになっていれば充分元は取れるという考え方などは一つの意見として、おもしろく受け取りました。
 しかし、全体として、乙は残念な読後感を持ちました。


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2006年06月23日

ネットバンキングの安全性とパスワード

 乙は、最近、ネットバンキングを多用するようになってきました。何といっても便利ですからねえ。
 しかし、ネットで振込の操作ができるということは、パスワードを他人に知られたりしたら、自分の口座の金を盗まれてしまうわけで、大損害になります。そのため、銀行によっては、いくつもパスワードを入れるようにしているところもあります。問題は、利用者がパスワードをいくつも覚えていられないということです。
 カナ漢字変換の辞書に各種パスワードを適当な読みで登録しておいて数タッチで長いパスワードを入力するというアイディアも考えられますが、その辞書を他人に見られたら危ないし、そもそも、銀行側でパスワード入力時にはカナ漢字変換をオフにしてしまう(これも安全性のためでしょう)ところも多く、実用的ではありません。
 また、キーロガーなどのソフトが組み込まれることで、利用者のキー操作を全部記録することができますので、これとウィルスを組み合わせれば、自分の知らないうちにパスワードが他人に知られてしまうこともあり得るということになります。
 ネットバンキングで利便性と安全性を両立させるのは、なかなかむずかしいと思っています。
 乙が一番利用しているのは新生銀行ですが、ここでは、セキュリティーキーボードが使えます。画面上に出てくる仮想キーボードでパスワードを入力することで、キーロガーではパスワードが検出できないようにしているわけです。しかし、これでは、パスワード入力に時間がかかり、ずいぶん不便な気がします。使い慣れたキーボードならば、パスワードの入力はササッですが、マウスでセキュリティーキーボードを操作するのでは何秒もかかり、いらいらします。そこで、乙は、いつもセキュリティーキーボードを利用しないようにしていますが、そのための動作だけでも、チェックをはずし「OK」をクリックするという2回の手間(マウスによる指定)が必要です。
 さらに、新生銀行ではパスワードは90日ごとに変更が強制されます。新パスワードとして、6〜12桁の英数字を登録するのですが、直前のパスワードと同じものは当然受け付けません。前の前のパスワードもダメです。前の前の前のパスワードもダメだったように思います。いくつだったか忘れましたが、最近使ったパスワード数個は使えません。これってけっこうきついです。ネット上でいろいろなところにパスワードを指定しますが、そのたびごとに変えていたら、とてもではないけれど、全部覚えきれないし、テキストファイルに書いておいても、探すのが面倒になるでしょう。だから、乙は、数種類のパスワードをいろいろなところで使い回しています。たぶん、そんな人が多いのではないでしょうか。その場合、新生銀行のやり方だと、その数種類のストックでは足りなくなってしまいます。
 新しいパスワードを指定するたびに、パスワードを忘れそうで心配です。毎日使うようなものなら、パスワードも覚えていられますが、そんなに頻繁にアクセスするようなものでなければ、覚えていられません。銀行口座は、そんなものの一つです。結局、乙は、テキストファイルに書き留めていますが、これはこれで危険です。
 乙の場合、万が一の事態(乙の死亡のことです)があったときに、家族が代理でネットにアクセスしてお金を自由に使えるように、パスワードを知らせるようにしています。しかし、90日ごとにパスワードを変えられてしまったら、この処理も面倒になります。普段はパスワードを家族にも知られないようにしているので、万が一のときに開ける封筒を家族に渡しておきます。そこには、「どこそこの紙を見るように」と書いておき、そのマル秘の場所の紙に書かれたパスワードを書き換えることになりますが、うっかり忘れそうです。
 ワンタイムパスワードについては、乙は HSBC 香港で使わされていますが、これも使い勝手がよくありません。
http://otsu.seesaa.net/article/19290491.html
 乙の使用感としては、イーバンク銀行の「IPアドレス制限方式」がいいのではないかと思っています。銀行口座にアクセスできるパソコンの IPアドレスを制限してしまうという方法です。これで自宅と勤務先のアドレスを登録しておけば、たいていは間に合いそうです。
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2006年06月22日

山村剛人(2005.10)『ラブホテルは今日も満室!!』ゴマブックス

 乙が読んだ本です。
 怪しげなタイトルですが、レジャーホテル・ファンドについて書かれています。
 乙は、すでに自分が投資しているレジャーホテル・ファンドについて、ブログに書きました。
http://otsu.seesaa.net/article/15111327.html
 この本は、1,300 円の定価が付いていますが、実際は、乙が運営会社のG.F.S.主催の(リニューアル後の)レジャーホテルの内覧会に出向いたときに係りの人から無料でもらいました。内容は、レジャーホテル・ファンド「HOPE α」シリーズの宣伝であり、ファンドのパンフレットみたいなものです。基本的には、レジャーホテル・ファンドの有利性を述べている本であり、欠点はまったく書いてありません。この手の本は、執筆者がファンド会社と別にいても、実際はファンド会社と一体になった人が書いており、ファンド運営会社に都合のいい話しか書いてありませんから、記述を 100% 信用してはいけないものです。眉にツバを付けながら読むくらいでいいでしょう。
 この本の内容についてうんぬんするということは、実はファンドそのものについてうんぬんすることになります。そのつもりで以下をお読みください。
 さて、このファンドのいいところは、8.4% の利回りが予定されているところです。上限は 12% という話ですから、なかなかのものです。今の日本ではとてもおいしい話です。しかし、投資話で、高利回りをうたっているところは、必ず何か隠された秘密があります。
 橘玲氏が『臆病者のための株入門』
http://otsu.seesaa.net/article/19337369.html の第7章で述べているように、ホントに安全で有利な投資話であれば、金融機関が、もっと低利でいくらでも資金を貸してくれるでしょう。今の日本のような金余りの社会では、相当な低利率で借りられるはずです。そういう状況の中で、ファンド会社が手間暇をかけて(しかも高利回りをうたいつつ)個人投資家を募っているということは、金融機関が融資してくれないわけで、つまりそれはそれなりのリスクがあると金融機関が判断しているということです。
 ですから、この手の本を読むとき、一番のポイントは「なぜ、金融機関から低利の融資を受けずに、個人投資家から高利で資金を集めるのか」という点です。この点が納得できなければなりません。
 山村氏は、p.64 から、誰でもが参入できないからこそ、レジャーホテル・ファンドの魅力があると述べています。金融機関が運用会社に融資しないのは、レジャーホテル・ファンドに融資すると金融機関のイメージが傷つくからだというわけです。p.133 以降にも同様の記述があります。
 乙が、この論理にしたがえない部分は、「金融機関がイメージ悪化を恐れて融資しない」といいながら、pp.176-183 で、このファンドがノンリコースローンを導入して高収益を挙げると書いている部分です。p.177 では、このノンリコースローンとして、金融機関から 2% の金利で融資を受ける話が書いてあります。これが可能なら、ファンド全体として(というよりも、会社として)、8.4% の予定利率を示して個人投資家を募るよりも、金融機関から 2% の利率で資金を融資してもらうほうがいいに決まっています。
 そもそも、金融機関が「イメージ悪化」ということでレジャーホテルに対する融資を断るなんてことがあるのでしょうか。違法行為をするわけでもなく、きちんと利益を上げている会社があるならば、積極的に融資するものではないでしょうか。銀行は、法律的にグレーゾーンの行為(ある見方では違法行為です)をしている消費者金融にも融資をするくらいなんですから、レジャーホテルだからといって融資をしないとは考えられません。
 p.135 では、今、新生銀行と東京スター銀行がレジャーホテルをビジネスとしてとらえようとしている話が書いてあります。山村氏は、だから個人投資家は早いうちにこのファンドに投資しなさいといいたいようです。しかし、本当にこのファンドに魅力があるなら、金融機関が G.F.S. にそういう融資をするはずです。さらには、金融機関の直接参入がどんどん起こるはずです。そうならないのは、やはり、著者が語っていない何か隠されたリスクがあるからだと乙は思います。
 では、どんなリスクがあるのでしょうか。
 乙は、この業界のことはまったくわかりませんから、以下は、単なる憶測で書きます。
 乙が思うに、一つの問題は、レジャーホテルをリニューアルして、高収益体質にしたとして、それが5年間も続くのだろうかということです。このファンドは、インカムゲイン(つまり利用客が払う代金)に依存していますから、5年経たないうちに利用者が減ってしまえば、利益が出ず、配当が下がります。
 もう一つの問題は、(こちらのほうが大きな問題だと思いますが)しかるべき配当を出して運用した後、出口戦略をどうするのかという問題です。リニューアル時に計算された資産価値を5年後も保つことができるでしょうか。こればかりはわかりません。管理保守がどのように行われるかでも相当に違ってきます。5年後にふたたびリニューアルするということで、その後また収益が上がることになったとしましょうか。そのまま投資を継続して10年後まで建物が持つのでしょうか。20年後は? 40年後は? 乙は、いつかは資産価値がなくなると思いますが、その時点で損失をどう扱うのでしょうか。それを考慮した場合に、今現在の資産価値をどう考えればいいのでしょうか。会計上の減価償却はしているにしても、実際に長期の運用をする場合は、減価償却とは別の「何か」が必要なのではないでしょうか。山村氏は、この問題に触れずに、5年間の運用で利益が出るようにいっていますが、いざ、5年後に償還することになったとき、それまでの配当金はインカムゲインに基づき 8.4% の計算で出たとしても、キャピタルゲインがなく、それどころか、多額のキャピタルロスが発生し、大幅な元本割れが起きないとは言えません。
 もちろん、キャピタルロスが発生すれば、劣後出資している G.F.S. が全損を被ることになります。それでいいのでしょうか。HOPE α3 でいえば、投資家の優先出資6億4千万円に対して、G.F.S. の劣後出資額は9千万円で、出資総額は7億3千万円です。利益は、最も低く見積もっても毎年 15% くらいはありそうですから、1億円程度です。8.4% は 15% の約半分になりますから、1億円の利益の半分は投資家に配分します。すると、G.F.S. は5千万円程度の利益になります。これが5年間続けば、会社の利益は2億5千万円ですから、償還時に劣後出資額9千万円を全損してもいいという判断はあり得ます。
 繰り返しますが、以上は乙の勝手な憶測です。
 これらの二つの問題を考慮すると、やはり、投資した後、5年の運用期間を経験し、償還まで一通り見てみないと、ホントに有利な話かどうかは何ともいえません。最も早い場合でも、HOPE α1 の償還を見なければ、実績は何ともわかりません。
 乙は、HOPE α3 に投資していますが、完全に信頼して投資しているわけではありません。語られていないリスクの存在(上述の二つは乙の憶測にすぎず、それらだけが問題だというわけではありません)を考慮すると、この手の話に資金を集中するのは危険だと思います。
 p.194 では、HOPE α2 で 300 万円を投資し、きちんと運用されることに安心したのか、HOPE α3に 3000 万円を投資した投資家の話が出て来ます。仮にこの投資家が3億円を運用していたとしても、10% もの比率でこの話に加わるのは比率が高すぎるように思います。しかも、HOPE α2(2005.1 開始) と HOPE α3(2005.7 開始)では、半年しか離れておらず、実績は何とも判断しようがないものです。人様のことですから、乙とは関係ありませんが、世の中にはそういう人もいるんだなあと乙は感心しました。
 p.194 によれば、投資家の平均投資額は、一人あたり500万円だそうです。皆さん、すごいんですね。
 乙は、出資額を最低額の50万円だけにして、5年間ようすを見ようと思っています。あ、すでに1年経ったからあと4年ですが。無事償還されたら、その次はもう少し集中させてもいいかもしれません。それでも、500万円まではいかないと思います。


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2006年06月21日

JPM US Technology

 乙が HSBC 香港で、アメリカ株のファンドを探していたときに、すごいファンドを見つけました。JPM US Technology といいます。
http://www.hsbc.com.hk/data/hk/personal/invest/unit/pdf/ut_fs_61163_en.pdf
 何がすごいか。運用実績のグラフを見てみてください。
 2000年10月13日開始で、2年ほどで、何と基準価額を 1/10 にまで減らしてしまったファンドがあるんですね。アメリカではこのころITバブルの崩壊がありましたからね。
 はっきりいって恐いです。
 過去3年のパフォーマンスを見ると、+88.3% で、すごくいいように受け止める人もいるかもしれませんが、開始時から見ると、いまだに -82.3% ですからねえ。いやはや、はじめからこのファンドを買った人の気持ちはどんなものなんでしょうか。
 過去の実績がこうだとすると、これから買う場合も同様で、こんな暴落もあり得ると思うと、それなりの覚悟が必要ですね。
 なお、償還せずに、今でもこのファンドを販売していることは、かえって良心的で、信頼感があるように思います。日本だったら、こんな成績の悪いファンドは、さっさと償還してしまって、顧客に見えないように隠してしまうのが普通ではないかと思います。
 できたら、純資産額の推移もグラフ化してあったらよかったのにと思いました。
posted by 乙 at 05:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外ファンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月20日

田中徹郎(2005.8)『50歳からの30年!! ゆうゆう生きるお金学』こう書房

 乙が読んだ本です。
 題名から自分にぴったりの本だと思って買いました。
 ファイナンシャルプランナーが、タイトル通り、50歳からの30年をどう生きるかをお金の面から書いた本です。
 第1章は、「30年たてばこれだけ世の中変わる」で、30年前の状況を述べ、今といろいろ違っていたことを説明しています。したがって、今から30年後も、今は何ともいえず、状況はまったくわからないというわけです。このあとの記述の序論のような章です。これで20ページもかかるのはかなり冗長な感じです。
 第2章は、「長生き対策としての資産運用、資産防衛の必要性」で、ひとことでいうと、自分自身の(50歳から30〜40年間の)ライフプランを作成しようということです。収入(平均的な年金収入)と支出(高齢者の普通の支出金額)の予定を明示し、今いくら必要なのか、今後、年何%くらいで運用していけば死ぬまで大丈夫(資産残高が赤字にならない)かを計算しています。そして、数千万円の退職金を得る普通のサラリーマンにとっては、今後2%/年程度のインフレ率を考慮すると、7%/年程度の資産運用が必要だということになります。この章までで1冊の本の半分を占めます。乙の感じでは、この章も、かなり冗長なように思えます。もっと端的に書けるのではないでしょうか。まあ、具体的な(資産の増減の)シミュレーションの結果を示しながら書くスタイルになっていますから、わかりやすいといえばわかりやすいのですが。
 第3章は、「さあ、資産運用を始めましょう」ということで、個人投資家にとっては、ここから読み始めてもいいのではないかと思います。(読む量が半分で済みます!)ここで書かれているのは、アセットアロケーションの話です。p.106 では、ローリスク資産は年率2.5%程度、ミドルリスク資産は年率4.5%程度、ハイリスク資産は年率8%程度のリターンを考えるとよいと書いてあります。で、これを組み合わせてたとえば年率5%の収益率になるようにアセットアロケーションを決めることになるのですが、ここ、なぜ5%なのか、よくわかりません。30年間の生活を考えて、資産がいくらあって、年率何%で運用すれば充分かを考えれば、個人ごとの適切な収益率が求められると思いますが、単純に個人投資家のことを考えると、収益率は5%よりは7%のほうがいいと思います。(それではリスクが大きくなりすぎていけないのですが、そういう話が出てきません。)また、p.114 では、日本株を30年保有すれば年率3%程度の収益になり、このように保有期間が長ければ長いほど、ある収益率に収斂するということがわかるようになっています。それはそうなのですが、では、p.106 でハイリスク資産(株など)のリターンを8%と考えていることと矛盾しないのでしょうか。
 p.122 から、日本株、外国株、国内債券、外国債券の伝統的な4分類はもう古いということで、商品ファンド、不動産投資信託(REIT)、ヘッジファンドなどのその他資産を(これまた日本国内と外国に二分して)組み込んで、6分類で考えるべきだという話になります。pp.128-129 では、通貨の種類、リスクの高低と組み合わせてこの6分類を位置づけ、マトリックス・アロケーションというのが提示されますが、乙としては、あくまで例示として見たほうがいいように思います。変額年金保険などがあちこちに現れますが、乙は、こういうのはまったく考慮に値しないと思うからです。
 第4章は、具体的な金融商品の選び方を示しています。pp.139-141 で、株式投信は手数料が高くて、買う側には意味がないということが書いてあります。pp.142-144 では、変額年金保険を取り上げて、原商品を組み合わせたものだから、余計なコストがかかるということが書いてあります。だとしたら、p.128 で変額年金保険を組み込んだ案を提示していていいのでしょうか。
 第5章では、「この商品は検討に値する!」と題して、商品ファンド、ヘッジファンド、SMA(ラップ口座のこと)を紹介しています。類書にはあまり紹介されないので、この本の独自性があるところだと思われます。最初の商品ファンドですが、pp.158-161 にはオプション・マスターが取り上げられています。乙は、これを購入し、最近、解約しました。
http://otsu.seesaa.net/article/13068411.html
http://otsu.seesaa.net/article/17568213.html
オプション・マスターは、毎年 5.25% という手数料が高すぎて、投資家サイドから考えると、割に合わないように思います。ヘッジファンドについても、pp.170-188 に書かれているように、田中氏は積極派です。乙は、よくわからないというのが本音です。(そうはいいつつ、一部の資金を運用していますが。)SMA(ラップ口座)については、乙はそんなに資産があるわけではないので、はじめから考慮の対象外です。というわけで、第5章も、乙にはあまり有意義な感じがしませんでした。
 この本をひとことでいうと、個人がこの本を参考にして資産運用をすることはどだい無理であり、適当なファイナンシャル・プランナーに(できれば、著者の田中氏、つまり銀座なみきFP事務所に)相談しつつ資産運用方針を決めてほしいというスタンスで書かれているように思います。
 まあそれはそれで理解できますが、乙は、やはり、資産運用は個人の判断で行うべきだと思います。乙は、FPに相談したくありません。だって、FPといっても考え方がさまざまで、いろいろな本を読んでみるとおすすめのアセットアロケーションにしたってばらばらなんですから、自分が相談したFPが自分に最適な設計をしてくれるなんて期待できないと思います。
 この本は、あくまで一人のFPがこういう意見を語っていたというスタンスで読むのがいいのではないでしょうか。

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2006年06月19日

円高と円安

 乙は、資産の一部を外貨(主として米ドル)で運用しています。しかし、日本で生活している人間としては、最終的には円に替えて消費することになります。
 外貨による資産運用のことになると、為替リスクがよく問題になります。ここでは、それに対する乙の考え方を示します。
 今、1ドル120円前後ですね。しかし、しばらくすると、円とドルの為替レートが動いてしまいます。今から15年後、為替レートはどれくらいになっているでしょうか。
 1985年のプラザ合意のころ、1ドルは 235 円でした。それが1年後には1ドル 120 円くらいまで円高が進みました。では、15年後には、もっと大幅に動いてしまうのでしょうか。乙はそうでもないと思います。アメリカで生活してみると(あるいは旅行でもいいですが)、お店で買い物をしたりするときの生活実感(物価水準)として1ドル 100 円くらいではないでしょうか。プラザ合意後の円高は、本来あるべき水準になっただけのように思います。つまり、それ以前が円安にすぎたのです。ざっと考えて、為替レートは20年で2倍くらい動くものだということになります。
 ところで、過去最高の円高は1995年4月19日につけた79円75銭です。そのあとの円安は1998年8月11日の147円64銭です。この両者は過去約10年間の高値と安値でもあり、高値と安値の間で2倍程度の変動はあり得るということです。
 では、15年後の為替レートを具体的にどれくらいの幅で推定すればいいでしょうか。乙はざっと2倍だろうと予想します。円安に振れれば1ドル 240 円くらいだろうし、円高に振れれば1ドル 60 円くらいだろうと思います。3倍だと、それぞれ 360 円、40 円になりますが、日米での生活実感から考えて、これはかなり不合理なレートのように感じます。
 ついでですが、為替レートには、マイナスの値ということはあり得ませんから、為替レートの変動は足し算・引き算(プラスマイナス60円など)で考えるべきではなく、かけ算(何倍とか、何分の一とか)で考えるべきです。特に大幅な変動を考える場合はかけ算にしないといけません。
 さて、1万ドルを運用しようと思うと、まずは120万円を用意して、それをドルに両替します。その後、円安になって1ドル 240 円になると、1万ドルは 240 万円になりますから、日本で生活するものにとってはめでたしめでたしで、この点では特に問題にはなりません。円高になって1ドル 60 円になると、1万ドルは60万円にしかなりませんので、非常に大きな損失になると考えられます。
 しかし、1万ドルがそのままであるわけではなく、それを運用しています。乙は、15年にわたって7%で運用することを目指しています。すると、単純計算によれば、元本は15年後に 1.07**15=2.76 倍になってしまうのです。1万ドルは 27,600 ドルになっています。ですから、円高でレートが1ドル 60 円になっているとしても、27,600×60=1,656,000 円に相当し、120万円の元本から考えれば38%増なんです。つまり、15年で2倍くらいの円高は、そんなに困るものではないということになります。
 今後、円高になると、円で給料をもらっている人としては、もらう給料の価値が上がるわけで(世界中から安い値段で物資が買えますから)、ある意味で嬉しい話です。乙の場合でも、今、ドルで運用している金額よりも、これから(円で)もらう給料のほうがはるかに多いわけですから、その意味からも円高は悪いことではありません。
 というわけで、外貨での運用は、(特に長期的視野から見れば)為替レートの上下を心配してもしかたがないように思います。つまり、外貨での運用は、為替レートの変動が大きいという意味では確かにハイリスクですが、15年後を見据えてみれば、そんなに大きな問題ではないということです。
 もちろん、世界戦争とか、アメリカの財政破綻とか、関東大震災や原発の大事故とかの大きな事件があって、為替レートが通常と大きく異なるようなことになれば、ここでの話はあてはまりませんが、そんなことを考えてもしかたがないですからねえ。まあ今の世の中が15年後もそのまま続いていると考えておくのが常識的な見方でしょう。
posted by 乙 at 04:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月18日

藤巻健史(2003.10)『藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義』(光文社新書)光文社

 乙が読んだ本です。
 末尾には「本書は『藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義』上、下の2冊を合本とし加筆修正したものです」とありますから、実際に書かれたのはもう少し古いのでしょう。
 最初に「この講義録は、6日間に亘り3時間ずつ講義したものを本にまとめたものです。」とあります。本文を読んでも、それが感じられます。これがいいか悪いかはともかく、乙は、やや読みにくいように思いました。録音文字化した講義内容に手を入れたのでしょうが、もう少し本格的に手を入れてしまった方が、読む人間にはわかりやすかったのではないかと思われます。
 しかし、内容は濃く、為替、短期金融、長期国債、金利スワップ、オプションのそれぞれについて、実際にトレーディングしてきた人の立場から徹底的に実践的に解説されています。今までにないスタイルの本のように思います。こういう本が書ける藤巻氏はものすごい人だと思いました。
 本書の内容を簡単にまとめることはとうていできません。実際に読んでみるしかないと思います。
 その中で、乙がおもしろいと思ったことを3点だけ抜き出しておきます。
 p.255 で、日本政府の大きな財政赤字に言及していますが、藤巻氏は「国が破産するとか、徳政令をやるとは私も思っていません」と断言し、その代わりに超インフレを起こすだろうと予想しています。乙も、たぶんこれが現実的な政策だろうと思っていましたが、伝説のトレーダーがこう判断しているということで、心強く思いました。
 pp.367-371 では、住宅金融公庫や郵便局の定額貯金は、利用者にオプションを与えていることと同じだという話が出て来ます。これは、乙には新しい見方で、刺激的でした。なぜこれらの商品が有利なのかを見事に説明しきっています。(今は、状況が違ってきていますから、必ずしも当てはまるわけではありませんが、説明としては今でも有効です。)
 pp.406-423 では、ヘッジファンドの話が出て来ます。ヘッジファンドは、運用者の儲けが大きく、やりたい(投資したいのでなく運用したい)人が多いということです。それはそうでしょう。それに加えて、ヘッジファンドは運用者が自分の金を入れて運用するのが普通だということです。さもないと、資金が集まらないのだそうです。まあそれもそうでしょうね。ですから、その点に関していえば、ヘッジファンドは、どういうやり方であろうとも、儲けることを主眼とすることになります。この点は、投資家にとっては魅力となります。しかし、運用者が一時的に儲かればいい(あとは退職するだけ)という場合は、話が違ってきます。乙は、ヘッジファンドでは、運用マネージャーが頻繁に交代するという話を聞いたことがあります。とすると、自分の金を投入しているからといって安心はできないことになります。p.409 では、ヘッジファンドがなぜ情報を外に出したがらないかが説明されます。外部に情報を出すと、「宣伝」とみなされ、「私募」でなくなってしまうんですね。だから、個人がヘッジファンドの情報を集めようと思っても、なかなかわかりにくいということになるわけです。ヘッジファンドは何をどう運用しているのか、簡単にはわからないことが多いのですね。一長一短というところでしょうか。

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2006年06月17日

外国為替証拠金取引(FX)---豊商事のe-kawase

 乙は、外国為替証拠金取引、いわゆるFXもやっています。
 為替は、結局、お互いの通貨の両替をするだけですから、本質的には何も利益を生み出しません。したがって、基本的に利益が出る仕組みがある株や債券とは違います。
 円高の時にドルを買って、円安の時に売るということをすれば儲けが出ますが、円高になるか、円安になるかはギャンブルと同じで予測はできません。したがって、乙は、これに本格的にはまりこむのは危険だと思います。
 そうはいいつつも、乙は、豊商事の e-kawase というFXをやっています。
 では、なぜやっているか。その理由を書いておきましょう。

(1) ある程度、円安の見通しが立つときがある
 今後円安になるだろうと、ある程度予測ができるときがあります。そのとき、ドルを買います。
 それはどんなときか。一番の典型は、円高が進んだときです。普段のレート(そんなものがあるかどうか疑問ですが)から2円くらい円高に振れると、「極端な円高」だと思いますが、そういうときは、その後円安になることが多いように思います。ですからドルを買います。
 e-kawase では、5万円の証拠金で1万ドルが買えます。ですから、その後2円の円安になると、2万円の儲けになります。(売買手数料が往復で 2000 円ほどかかりますが。)
 いつもねらえるわけではありませんが、GTC (Good Till Cancel=キャンセルまでずっと有効) という注文ができますので、今の為替レートから2円ほど円高のレートでドル買いを注文しておき、ずっと待っています。

(2) スワップポイントをねらう
 米ドルを持っていると、スワップポイントというのが1日あたり150円ほど付きます。この金額は日米の金利差を反映して細かく変わりますが、ここのところ、日本の低金利が継続していますので、だいたいこんなものです。
 そこで、5万円の証拠金で1万ドルを買って、ずっと持っていると、それだけで、大きな金利が付くのと同じことになります。1日150円ということは、1年365日で54,750円ですから、5万円が1年で2倍にも増えることになります。為替相場が円高傾向でなければ、このスワップポイントをねらって長期にドルを持っていてもいいのではないかと思います。
 ただし、円高が進むと大きな損失が出ます(5円の円高で5万円が吹っ飛びます)から、注意が必要です。為替では1年で10円くらいの上下は普通にあることですから、普段からレートをチェックする習慣を持たないと痛い目に遭うかもしれません。

(3) 円と外貨の両替手段として利用する
 e-kawase では、「現受け」といって、米ドルを、それに相当する日本円で直接買うことができます。120 万円ほどを口座に入れて、現受けの注文を出します。通常は1日で1万ドルが口座に入金されます。
 e-kawase では、こうして入った米ドルを海外の自分名義の口座に出金することができます。この段階で 3500 円の手数料がかかります。乙は、HSBC 香港まで送金しています。この方法によれば、日本円から1万米ドルを海外送金して 4500 円の手数料ということになりますから、かなりおトクです。
 日本の銀行経由で1万ドルを海外に送金すると、両替手数料で1万円、送金手数料で 5000 円ほどかかりますから、相当な手数料が取られてしまいます。
 e-kawase では、海外のドルから日本の円への送金・両替もできます。海外のドル資金を日本の e-kawase のドル口座に入金し、「ドル売り(円買い)」の注文を出し、「現渡し」をすれば、日本円になりますので、それを日本の銀行口座に出金します。e-kawase の口座から国内の銀行に円を出金する場合は手数料がかかりません。たぶん、海外のドルを日本の円に送金・両替する一番安い方法だと思います。
 注意事項としては、この方法では1万ドル単位でしか両替できないということです。それ以下の端数については、e-kawase では「コマーシャルディール」というやり方で両替ができますが、手数料は1万ドル単位に比べると高くなります。それでも、1ドルあたり30-50銭程度で、銀行の両替手数料(1円)よりはずっと安いわけですが。

 以上のようなことで、e-kawase は必要な範囲で利用するのがいいと思います。
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2006年06月16日

橘玲(2006.4)『臆病者のための株入門』(文春新書)文藝春秋

 乙が読んだ本です。
 今まで乙が読んだ投資関連本の中で一番お薦めできる本です。750円の新書でここまで書いてあるとは、恐れ入ります。特に株関連の話題が多く、普段から疑問に思っていることが明快に論じられています。とても読み応えがありました。
 乙がいろいろ金融商品を買う前にこういう本にめぐりあっていたら、相当に違った行動をしていたことでしょう。いや、やはり、自分で迷い、間違わなければ、橘氏の書いていることはなかなか信じられなかったかもしれません。
 第1章は「株で100万円が100億円になるのはなぜか?」を説明した章です。p.18 では20代無職の男性が「金融のプロ」を天文学的なレベルで上回る成績を上げたということは、株が(スポーツや将棋の)プロの競技でなく、ギャンブル(つまり偶然のゲーム)であることを証明していると述べています。株の本質がこれでわかります。すごい説明です。そして、pp.24-30 では、実際に複利とレバレッジを効かせればお金を1万倍に増やすことは現実的に可能だということを示しています。この説明にも乙は納得しました。p.36 では、ジェイコム株で20億円を儲けた男が27歳無職であったことは当然だと述べています。失うものがないからこそ、大きなリスクがとれるというわけです。金融のプロではできないことだし、自分の仕事を持っている一般の投資家にもできないことだと言われ、「う〜ん、確かに」と納得してしまいました。
 第2章は「ホリエモンに学ぶ株式投資」で、ホリエモン事件を詳しくかつわかりやすく述べています。乙は、ホリエモンのやったことをここまで簡単に説明してしまった橘氏の力量に感服します。
 第3章は「デイトレードはライフスタイル」という章です。p.74 では、なぜデイトレードが儲かるように見えるか、それはテレビや雑誌やネットには「成功したトレーダー」しか登場しないからで、その裏には損をして退場していった多数の人々がいるということを述べています。橘氏は、まさに、見えないところを見ていますね。p.77 では、なぜ株価のチャートの読み方を知ると儲かるような気がしてくるかを説明しています。「講師は都合のいいチャートを探してきて、それにもっともらしい説明を加えているだけだ」ということです。これにも乙は納得します。今までにも、乙自身がそういう本を何冊か読みましたから、理解できます。p.85 では、なぜニートの若者や退職したサラリーマンがデイトレードにはまるのかを説明しています。普通に働けないからだというわけです。1000万円を運用して、毎年2割の利益を上げても、たった200万円にしかならないということで、この説明にも納得します。
 第4章は「株式投資はどういうゲームか」という章で、p.96 には「株式市場とは、損を広く分散させるためのシステムだ」ということが述べられています。これまたすごい卓見です。この一言で株の本質を表してしまいます。
 第5章は「株で富を創造する方法」です。pp.114-127 の前半では、バフェット流のファンダメンタル分析に基づく長期投資がいかに有利かを述べています。pp.128-139 の後半では、株式評論家が薦める株がなぜあたらないか、そうでありながら、なぜそういう人がいるのか(実は投資家に安心を売るためだ)を説明しています。乙は、今までこんなに明快に株式評論家を位置づけた論説を読んだことがありません。
 p.138 では、「日本が××年に破綻する」などの予言をする人について、なぜそういう言説が広まるかを説明しています。予言が当たればそれでよかったということになるし、あたらなければ悪いことが起こらなかったのだから問題になることはないということです。乙は、こういうことがないようにしたいと思います。たとえば、株式評論家の言ったことを1〜数年後に検証するなどということは、誰かがやらなければならないことです。一部、乙もやりましたし、これからも愚直にやりたいと思っていますが、橘氏に「そんなことはやってもムダだよ」と先回りして言われてしまったような気がしています。
 第6章は「経済学的にもっとも正しい投資法」です。投資家は一番最初に読むべきところでしょう。結論は「インデックスファンドを買え」なのですが、橘氏はなぜそれが一番いい選択なのかをきちんと述べています。ここまできちんと説明されては、もうこの主張に従わざるを得ないという気分になります。
 第7章は、「金融リテラシーが不自由なひとたち」です。pp.170-171 では、平成電電への投資がなぜダメなのかを見事に説明しています。この説明は納得できます。ということは、今の日本で数%以上の確定利回りをうたう投資話はほぼ全部ダメになってしまいそうです。それはそれで一理あります。乙も資金の一部をそういうところで運用していますが、心配になってきました。
 pp.182-185 では、ヘッジファンドがなぜ危ないかを説明しています。乙は、ヘッジファンドが危ない理由を初めて知りました。なるほど「池の中のクジラ」だったんですね。ま、自己資金の全額をヘッジファンドに預けているわけでもないので、乙としては、もう少しようすを見ようと思いますが。
 第8章は「ど素人のための投資法」で、ここも投資家必読の箇所です。p.196 には「最大の資産は自分自身である」ということで、給料をもらっていることを○○円の資産があるものとみなして生活全般を見直そうとしています。pp.200-206 は、国際分散投資の話ですが、ここでも結論は簡単です。MSCIインデックスに投資すればいいということです。pp.201-202 では、中国やインドに投資するのではよくないという理由を述べています。新興諸国に資金が集中すると、すぐに多く集まりすぎる事態になり、バブルがはじけるような状態になるというわけです。これはこれで納得できます。乙は、BRICs 諸国への投資もしていますが、適当な時期に逃げ出すことを考慮しなければなりません。これが難問です。今は、どうしたらいいか、回答が見つからない感じです。
 pp.208-210 では、金融資産の85%を外貨で運用するのがもっとも正しい態度だという話が出て来ます。この論理には納得します。特に今は日本が破綻しそうだとか考えるまでもなく、もともと外貨での投資を考えておかなければならなかったんですね。こういう視点は乙にはありませんでしたし、円と外貨の妥当な投資比率を考えたこともありませんでした。こういう話は目からウロコでした。
 pp.211-214 では「トーシロ投資」と称して、トレーディング(デイトレードを含む)、個別株長期投資(バフェット流)、インデックス投資の3種を取り上げて、それぞれの長所・短所を述べています。乙のようなサラリーマンは、インデックス投資がベストな選択であるように思えます。
 pp.217-218 には小さなミスがあります。1802年からの2世紀を「2世代」と呼んでいます。1世代は、普通30年と考えるべきところでしょう。
 pp.218-220 では、プライベートバンクよりも、インデックス投資のほうが優れていることを示しています。こうなると、プライベートバンクの存在意義が問われることになります。
 ともあれ、乙が読んだ投資関連の本の中で、この本が一番の良書であることは間違いありません。出版社の在庫が一時的になくなったりするほどの売れ行きのようですが、それはわかります。みんながこういう知識を持っていれば、お互い、もう少し幸せになれるように思います。
 すべての投資家が一読するべきだと思います。


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2006年06月15日

海外の銀行のデメリット----HSBC 香港

 さて、前回は、HSBC 香港のメリットを書きましたが、デメリットもあります。こちらも書いておきましょう。
 乙の経験では4点ほどデメリットがあります。

(1) 口座残高が少ないと口座管理料がかかる
 http://www.hsbc.com.hk/hk/personal/bank/power/feature.htm#a05 に明記されていますが、口座残高が 10,000 香港ドル未満の場合に毎月 80 香港ドル、10,000-99,999 香港ドルの場合に毎月 20 香港ドルの管理手数料がかかります。100,000 香港ドル以上の場合、管理手数料が無料となります。80香港ドルは約 1200 円ですから、これは絶対に避けなければなりません。20香港ドル(300円)でも、年間3600円を払うことことになると考えると、もったいないです。ですから、HSBC 香港を利用する場合は、ずっと10万香港ドル(約150万円)以上の口座残高を保つようにするべきでしょう。HSBC 香港が販売するファンドを買うと、それは口座残高に含めて計算されますから、ファンドをいくつか買っておくのがいいと思います。
 HSBC 香港が提供するファンドの多くは 1000 米ドルから買えますから、15種類のファンドを 1000 米ドルずつ買えば、10万香港ドルの基準をだいたいクリアーできることになります。(もっとも、ファンドの価値が下がってしまうと、10万香港ドルを割り込むことがありますから、余裕を見ておいた方がいいと思いますが。)
 日本では、口座管理料を取る銀行は少ないですが、こういうところは、海外の銀行はシビアだなと思います。「お金のない人は当行を使わないように」と言っているようなものです。
 乙は、しかるべき金額を運用しているので、ほとんどデメリットと感じることはありませんが。

(2) Security Device の利用がちょっと面倒
 インターネットで自分の口座にアクセスして、送金やファンドの購入の手続きをする際、Security Device という小さなキーが必要です。いわゆる、ワンタイムパスワード
http://otsu.seesaa.net/article/16146755.html
です。HSBC 香港では、無料で配布されました。
 ボタンを押すと6桁の数字が表示されますので、それを WWW の窓に入力して認証します。Security Device を普段持ち歩くと大変だし、紛失の可能性もあります。乙は自宅に置きっぱなしにしていますが、ということは、HSBC 香港の口座は自宅からしか使えないということになります。
 ネットで何でもできる時代に、安全性と利便性を両立させることはなかなかむずかしい問題です。Security Device は(安全ですが)使い勝手があまりよくないと思います。

(3) メールでの連絡が不完全
 乙は、銀行に対して何か質問があるとき、以前は、口座開設時の担当者にメールしていました。もらった名刺にアドレスが書いてあったからです。しかし、気が付くと、HSBC 香港の WWW にアクセスして、ログインすると、右上にメールのアイコンがあるではありませんか。そこをクリックすると、WWW 上で HSBC 香港あてのメールが送れます。適当な時間で、誰か適当な人から返事が来ます。
 ただし、この方式が不便なのは、HSBC 香港からのメールを読むときです。いちいち WWW にアクセスして、Security Device のパスワードを入れなければなりません。乙のメアドに直接メールが届けば、(しょっちゅうメールチェックをしているので)一番早く答えがもらえることになるのですが。
 また、日本語でのメールは受け付けてもらえませんが、ま、これはしかたないですね。

(4) 多額の送金先の登録で電話がかかってくる
 HSBC 香港から電話がかかってくることがあります。乙が経験するのは、ネット送金の場合です。一般に、ネット送金は5万香港ドル(約75万円)までしかできません。これを超える金額を送金するときは、事前に送金先を登録して送金限度額を高く設定する必要があります。海外のファンドは、だいたい最低投資金額が1万米ドル以上ですから、この制限に引っかかってしまいます。そのため、送金の時は、送金先の口座番号を大口送金先として登録して、送金限度額を高く設定することになります。それ用の書類をネットでダウンロードして、記入し、サインして郵送します。そのあと、口座の所有者の意思を確認するため、HSBC 香港から電話で連絡があるのが普通です。これが、乙の場合、かなり苦労します。
 香港からの国際電話の音質はあまりいいとはいえず、しかも英語で話さなければなりません。電話はこちらの都合と関係なくいきなりかかってきますからねえ。メールならば、時間をかけて(辞書を引いて)読むこともできますが、電話ではその場で答えなければなりません。電話をしてくる人の英語はかなり上手ですが、それでも、乙の英語力では聞き取りがうまくできないことがあります。この間は manager という単語が聞き取れず、何回も「Pardon?」を繰り返してしまいました。簡単な単語でもこのありさまですからねえ。こちらの意思を英語で話す方が楽です。ブロークンでも、相手の英語力が高いので、きちんと聞き取ってくれますから。
 自宅の電話は留守番電話になっているので、録音された英語のメッセージを聞くこともあります。これもなかなか大変です。「香港の何番に電話してほしい」と言っているのはわかっても、早口だし、何回聞いても肝心の番号が聞き取れません。数字は10種類しかないので、その中のどれかのはずなんですが、……(汗)。
 しかたなく、WWW のメールで「何日の何時ころと何日の何時ころにそちらから留守番電話にメッセージがあった。事前登録送金先の確認のはずだが、それは私の意思である」という旨を書き込みました。それでも、電話がかかってきました。いやはや。
 いつも HSBC 香港からの電話には緊張してしまいます。お金に関する話ですから、間違えないようにしないといけません。相手は「Please feel free to call me.」(気楽に電話して)と言いますが、こちらとしては全然 free ではありません。
 こういうやりとりがメールで全部できるようになるとありがたいのですが、これも安全性とのかねあいでむずかしいのでしょうね。メールは簡単に「なりすまし」が可能ですから。
 なお、HSBC 香港の中の口座を大口送金先として指定する場合には、電話確認なしでいきなり登録してもらえるようです。ま、当然ですが。

 というわけで、海外の銀行は、そのメリットとデメリットを勘案して使うべきです。
 乙は、使う価値があると判断しています。
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2006年06月14日

海外の銀行のメリット----HSBC 香港

 乙は、海外の銀行にも口座を持っています。HSBC 香港です。Hongkong and Shanghai Banking Corporation が正式名称です。
 http://www.hsbc.com.hk/hk/home/ がホームページです。
 海外口座を一つ持つと、いろいろと有効に使えます。
 乙が HSBC 香港に口座を開設した理由(つまり日本の銀行に比べた場合のメリット)はいくつかあります。乙の感じているメリットを以下6点ほど書きましょう。

(1) 外貨を外貨のまま管理できる
 日本円を基準に考えていると、外貨で運用した後、日本円に両替しなければならないような錯覚に陥りますが、そんなことはありません。むしろ、そういうことをすると、両替のたびに為替手数料がかかりますから、不利です。外貨は外貨のまま管理運用するべきで、日本円に戻すのは、最後の最後に何かを買うことになったときだけです。
 日本の一部の金融機関では、外貨建ての商品であっても、売却すると自動的に円に両替されて口座に入金するようになっているものがありますが、これは非常に不利になります。日本では、為替手数料がかなり高いことを忘れてはいけません。
 HSBC で、普通に口座を開くと、マルチカレンシー口座になり、いろいろな通貨(日本円を含む)が預け入れられます。
 日本では新生銀行がこのようにしていますが、多くの銀行では外貨の扱いが別になっているのではないでしょうか。そもそも日本の銀行で外貨預金をしていても、外貨のまま外国に送金できない場合もありそうです。(乙は国内の銀行で外貨預金をしていないので知りませんが。)
 世界各地への送金を含むさまざまな手続きは、インターネットを利用して簡単にできます。
 乙は、今のところ、米ドルと香港ドルしか持っていませんが、今後はユーロやカナダドルなどを増やす(つまりユーロやカナダドルで投資する)ことを考えています。

(2) 海外への送金手数料が安い
 日本の銀行から海外に送金すると、1回あたり 5000 円程度の送金手数料を取られるのではないでしょうか。実に高いと思います。
 HSBC では、扱っているどの通貨でも(インターネットで)100 香港ドル(約 1500 円)の手数料で送れます。
 送金用紙にサインして、それを HSBC に郵送して送金してもらうことも可能ですが、こちらは 20 米ドル(約 2300 円)かかりますから、それよりはネット送金のほうがいいと思います。

(3) 投資信託が買える
 最近は、日本の銀行でも投資信託が買えるようになったので、あまり大きなメリットではないかもしれません。しかし、HSBC では非常にたくさんの投資信託が用意されており、乙の目には魅力的に思われます。
 HSBC では、中国株(香港株)も買えますが、乙は買っていないので、メリットを感じていません。

(4) 安全である
 資金量が豊富で、日本の銀行よりも格付けが高く、銀行がつぶれる心配がほとんどありません。日本の銀行はどうなんでしょうか。破綻したらペイオフで、1000万円以上の預金残高があると、預金はカットされてしまいます。乙は、ペイオフを心配するほどお金を銀行に預けているわけではありませんが、もしもそんなことになったら、しばらくの間(顧客を名寄せして個人ごとの引き出し額を確定させる間)、お金が引き出せないことになりますから、ペイオフは避けたいです。しかし、日本の銀行の接客態度を見ていると、心配になります。
 国内の銀行の場合、銀行の破綻とは別に、万が一にも、日本政府が預金封鎖や財産税(預金に対する課税)の徴収などをするかもしれません。各種パニック本が警告している事態ですね。海外の銀行ならば、それは心配ありません。
 仮に日本で預金封鎖があった場合、日本にいると、香港の銀行にある預金でも、いったん国内の銀行に送金してから引き出すので、ある程度の期間は香港にある自分の預金を引き出せなくなりますが、いざとなれば、香港まで行けば確実に現金が入手できます。
 ちなみに、日本の銀行の外貨預金は、ペイオフの対象外ですから、預金額が1000万円以下でもまったく保全されません。また、預金封鎖があれば、外貨預金はその対象になります。

(5) 源泉徴収がない
 日本の銀行では、利子や配当に対して 20% の源泉徴収がありますが、香港にはありません。それだけ利回りがよくなる可能性があります。ただし、利子収入などは日本で確定申告しなければなりません。海外の銀行での収入は、雑所得に分類されますから、サラリーマンの場合は、他の雑所得と合わせて20万円以下ならば申告する必要がありません。
 銀行預金の利子は、毎年付きますが、海外のファンドなどは、配当(分配)をしないのが多く、つまり帳簿上の金額が増えるだけという場合がよくあります。その場合、15年後(定年退職後)にファンドを解約するならば、その時点で利益が確定して日本で税金を払うことになりますが、それまでずっと税金を払わずに資金を複利で運用できることになりますから有利です。また、定年後、自分の収入が少なくなったときに税金を払うことになりますので、定期収入のあった現役時代と比べて支払う税金が少なくなります。

(6) 両替手数料が(日本よりは)安い
 日本円と米ドルの両替を考えましょう。
 HSBC 香港では、香港ドルが基準通貨ですから、日本円から米ドルに両替するときは、一度香港ドルを経由します。
 さて、香港ドルからの両替の場合、乙の計算では、1米ドルあたり手数料(売りと買いの為替レートの差)は、日本円で片道 47 銭、米ドルで 18 銭になります。したがって、日本円から米ドルの場合は、片道 47+18=65 銭となります。
 日本の銀行は普通1円ですから、それよりはずいぶん安いですが、しかし、圧倒的に安いわけではありません。外国為替証拠金取引(FX)を使う方がずっと安くできると思います。
 FX では、1万ドル単位で両替しますから、端数が余ることがあります。細かい両替が必要な場合は、銀行で行うことになりますから、両替手数料が安いことは利用者にはありがたいことです。
 誰でもできる操作として、HSBC のマルチカレンシー口座にある外貨をすべて円に両替して、日本の銀行に送金すれば、身近な銀行で日本円としておろせることになります。
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2006年06月13日

藤巻健史(2003.11)『タイヤキのしっぽはマーケットにくれてやる!』日経ビジネス人文庫

 乙が読んだ本です。
 藤巻氏は、以前乙が読んだ著書がおもしろかったし、これが文庫本で安かったこともあり、買ってみようという気になりました。
 この本は、2001年9月に刊行された単行本を一部書き直して文庫に収録したものです。
 帯には「カリスマディーラーの爆笑エッセイ」とあります。実際、楽しい本だとは思いますし、藤巻氏の人となりを知っている人ならば、特におもしろく読めるでしょうが、藤巻氏の他の本を読まずに、いきなりこれを読む人は、たぶん、おもしろさは半減でしょう。(読む人は、「おもしろさ半減」は実感できないでしょうから、「つまらない」と感じて終わりでしょう。)
 著者の藤巻氏は、伝説のディーラーとして名をはせた人ですから、金融関係の話があちこちに出て来ます。しかも、適切なコメントで有意義です。個人投資家としても知っておくべき意見がたくさんあります。しかし、このあたりは、藤巻氏の他の著書でも同様のことが書いてありますから、特にこの本で読むべきものではありません。
 この本は、今となっては、内容的に古い部分もありますので、これから買って読もうとする人には、あまりおすすめではないと思います。それよりは、藤巻氏の新しい著書を読みましょう。


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2006年06月12日

がん保険も解約するつもりです

 乙は、アメリカンファミリー生命保険のがん保険に入っています。これは、14年前に入ったままで、ずっと継続しています。
 乙が死ぬときは、死因はたぶん「がん」だろうと思っています。なぜならば、日本人の死因のトップが「がん」だからです。
http://www.toy-hoken.co.jp/dr_goto/backnum_pc/vol14.php
http://www.seiwa-bussan.co.jp/siin.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~CY3Y-IKD/siin.html
http://www.h2.dion.ne.jp/~moduec/nihonjin%20siin.htm
 そんなことを考えて、がん保険を継続しているのですが、あとから考えてみると、払った保険料をうまく運用していれば、がん保険が適用されるときに支払われる保険金くらいはカバーできていたんですね。若いころには、そういう考えがなかったからがん保険に入ったのだろうと思います。
 すでに長期にわたって保険料を払ってきてしまった保険を解約するべきかどうかは難しい問題です。今を基準に考えれば相対的に安い保険料で保険に加入していられるわけですから。
 生命保険一般と同様の論理で、がん保険も解約したほうがいいのかもしれませんが、自分ががんで死ぬだろう(その確率が一番高い)と思っているときにがん保険を解約するのはちょっと勇気が要ります。しかし、がんにかかる確率を考えれば、相当に低いと言えます。
 試しに金額面の計算をしてみましょう。
 乙は、1992年から毎月 6080 円をがん保険の保険料として払ってきましたから、今年いっぱいで14年になり、掛け金の総額は 102 万円になります。
 しかし、積立金には利息が付きます。これを 7% と仮定して(今の日本では 7% は、ちと欲張りですかね)
http://homepage2.nifty.com/urajijou/chokin/iroirohukuri2.html
で複利計算してみると、14年で 1,760,453 円にもなります。
 乙が入っているがん保険では、がんと診断されたときに 200 万円、がんによる死亡では 300 万円がもらえるわけですから、ざっと 500 万円くらいもらえるものと考えられます。(実は、家族ががんになったときにも別途保険金が出ますので、もっと「実入り」がいいのですが、それは考えないことにしましょう。)
 このがん保険は、ある年齢以上になると補償額が半額になってしまいます。まあ年を取るほどがんになりやすくなると思いますが、そのときは充分に補償されないというわけです。実は、こういう契約になっていることに今気が付きました。普段、保険証書などは読まないものですから。
 そこで、これからがん保険をさらに12年継続するものとしましょう。すると、6080 円を全部で26年間払い込むことになるので、それを 7% で運用したと仮定すれば、5,361,380 円にもなります。
 普通に生きていられれば、当然のことながら、保険料の分を投資に回した方が、最終的にはリターンが大きくなります。
 乙が、あと12年以内にがんになるか。う〜ん、まったくわかりませんが、ならないような気がしています。15年は生きて、ハッピーリタイアメントを迎えたいという計画ですから。
 高齢になってがんにかかっても、補償金はわずかしかなく、あまり意味のない金額でしかありません。
 他の生命保険を解約してしまったことと同じ理由で、乙にはこのがん保険も不要だと考えて解約することにしましょう。
 家内は、これまた解約反対です。自分が保険料を負担してもいいといっています。しかし、保険の内容をよく知らないまま、主観的にそう主張しているにすぎません。乙の場合、今年から契約を月払いから年払いに変更しましたから、12月いっぱいに継続の手続きをしなければ、自動的に解約されてしまいます。家内がそれを覚えていて、本当に7万円を出す気があるのか、注意していましょう。

 ここまで書いてきて感じたことですが、今回の話は、乙がブログに書くために、自分の保険の見直しをしたようなものです。ブログが日記であれば、自分が自分に対して語るようなものですから、「書くことで考える」ことになるのですね。
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2006年06月11日

生命保険は解約しました

 乙は、現在、生命保険に入っていません。これから入るつもりもありません。
 生命保険は、もしも自分が死んだときに家族が路頭に迷わないようにするためのものです。
 しかし、乙の場合、妻も働いていますし、子供はすでに大きくなってしまって、仮に乙が今死んでも特に問題になりそうなこともありません。そこで、それまでの生命保険の契約は解約してしまいました。
 生命保険は、若いころ(子供が小さいころ)の一時期に入れば充分であって、ずっと入っている必要はありません。毎月払うタイプの保険料は、一見安いように見えますが、よく考えてみると、かなり高いように思います。そもそも保険料が安いか高いかをきちんと判断するための材料が保険会社から提示されません。
 乙は、自分で投資するようになって、お金の運用にうるさくなりましたが、そういう目で生命保険を見てみると、基本的な情報が開示されていないように思います。日本人の各年齢別の死亡率がどれくらいで、保険会社はどういうコストを負担し、顧客にはどれくらいバック(保険金の支払い)をしているのか、保険会社はどういう儲けを出しているのか、など、何もわからないままです。
 今、投資を経験してみると、数年継続してそれなりに資産を増やすことができれば、生命保険はまったく不要だ(生命保険でカバーされる金額くらいは投資でカバーできる)と思います。
 昔のことを思いおこすと、乙は、なぜ生命保険に入るのか、入ることでどういうトクがあるのか、そういう自覚がないままに、何となく生命保険に入ってしまったように思います。
 今は、それなりに自覚ができたので、生命保険に入らないという判断をしています。
 家内は、乙の生命保険の解約に反対しましたが、それは当然の反応かもしれません。しかし、損得をよく考えれば、当然の結論のように思います。そうやって納得してもらいました。
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2006年06月10日

藤巻健史(2004.7)『藤巻健史の「個人資産倍増」法』講談社+α文庫

 乙が読んだ本です。
 乙が以前読んだ、藤巻健史(2005.11)『直伝 藤巻流「私の個人資産」運用法』講談社
http://otsu.seesaa.net/article/16834359.html の前に書かれたものですが、それぞれにおもしろく読みました。ただし、一部の記述が重なっていますが、これはやむを得ないでしょう。
 第1章「日本経済の未来は非常に明るい」では、藤巻氏の楽観的予想が書いてあります。もちろん、単なる予想ではなく、根拠を持った予想ですが、読んでいていい気分になります。p.37 には、ドル建ての日本国債を発行するべきだということが書かれます。乙はこの発想に驚きました。言われてみると、なるほどという面があります。
 第2章「為替が日本の国際競争力を左右する」で、日本の経済を考えるときに、いかに為替が大事かということが説かれます。まさに同感です。
 第3章では、「自分で考えるための情報収集&分析ポイント」ということで、10個のポイントについて説明されます。その3番目ですが、「信頼できると思う人のコメントを継続フォローする」とあります。確かにいえます。そして、p.66 では「もっぱら過去の分析ばかりしている人は、追っかけの対象からはずしてしまうことが必要だ。」とあります。乙は、「オール投資」をはじめ、過去の分析が好きなのですが、そういう人は藤巻氏から信頼できないと言われてしまったような気がして、残念です。
 第4章「マーケットは誤解に満ちている」では、為替・日本経済・海外経済に分けて、それぞれでよくいわれる「誤解」を正しています。ここは、乙が一番おもしろいと思ったところです。p.95 では、p.37 と同じく、「ドル建て短期日本国債」の発行が説かれます。
 第5章「よくわかる経済・金融の基礎知識」は、他の書籍との重なりがあるところですので、藤巻氏の著書を読んでいる人なら、スキップしてかまいません。
 第6章「資産運用の大原則13ヵ条」は、投資家に対する具体的なアドバイスになっています。p.190 からの第9条では「個人投資家はマーケットリスクのみを取れ」ということで、アルゼンチン国債のようなケースがあるから、個人はけっして信用リスクの高いものに手を出すべきではないといいます。これを敷衍すると、海外ファンドなどは、信用リスクが高い(どれくらい安全確実か、見極めることはほとんど不可能)ですから、手を出すべきではないという結論になりそうです。(乙は手を出しているので、藤巻氏の言説に反しています。)
 また、p.195 から第10条で「仕組みが簡単な商品ほどよい」ということが述べられています。満期まで一切の解約ができない、流動性リスクが高い金融商品も、個人は避けた方がよいということです。マーケットが崩れ始めたので逃げようと思っても売れないわけです。先物取引やオプション取引を組み込んだ複雑な仕組みの金融商品は、中途換金ができないものが多いということで、手を出さないほうがいいということです。確かにそうかもしれません。乙は、数年満期の金融商品をいくつか買っていますが、万が一、大きな経済変動があったときなど、損失が出ると思います。しかし、乙の考えでは、資産のごく一部であれば、あまり問題にならないのではないかと思います。
 ともあれ、とても読み応えのある文庫本でした。


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2006年06月09日

イー・トレード証券と楽天証券

 乙が日本株の売買を行っているのは、主としてイー・トレード証券です。
 楽天証券も一時使いましたが、今は取引内容が投資信託だけになっており、日本株の取引には使っていません。なぜかを説明しましょう。
 まず、ログインした後の画面の見やすさです。乙の感覚では楽天証券よりもイー・トレード証券のほうがずっと見やすいと思います。
 次に、楽天証券は、2005年にシステム上のトラブルが何回か起こりました。特に気にするほどのこともないと思いますが、こういうことがあると、自分の保有する株が「いつでも売れる」状態にないということになり、流動性リスクが高くなります。
 さらに、楽天証券では、株式の売買手数料を値下げするという予告話があり、それが延期されるということが何回か続きました。これもいやな話です。決めたことはずばり行わなければなりません。そうでなければ、事前に予定を公表してはいけません。
 楽天証券では、15:00-16:30 は株の売買ができません。この時間帯がかなり長く思えます。イー・トレード証券でも、同様の注文不可能時間帯がありますが、各市場の大引け後15分間程度です。
 自分の保有株を2社に分散していても、資金効率が悪くなるだけで、あまりいいことがないという事情もあります。まとめたほうがいいと思います。
 複数のところに口座を持つ理由として、一方でトラブルがあったときに、他方で取引するということがありそうですが、イー・トレード証券を使ってきた限りの経験では、そういうトラブルはめったなことではありませんし、イー・トレード証券のサイトにはバックアップサイトがありますから、いざという事態になっても、まあ何とかなるのではないでしょうか。それに、これは株を買うときには有効であっても、売るときには(信用取引をしていなければ)当該の(現物株を預けている)証券会社を使うしかないわけですから、意味がありません。
 中には、2社でそれぞれ株を運用するスタイルが違うという人もいると聞きます。一方ではデイトレード、他方では長期投資というような使い分けです。しかし、乙はデイトレードはやりませんし、中期投資と長期投資では区別はムダだと思います。中期投資を継続して長期投資になるものであって、両者はつながっています。
 そういういろいろなことを考えて、今は、乙の株取引は1社に絞っています。
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2006年06月08日

長尾数馬(2005.2)『あなたの資産 ここを変えればもっとふやせる!』実業之日本社

 乙が読んだ本です。タイトルに引かれて買ってしまいました。
 プロローグでは、これからの日本経済に対して悲観的に考えるか、楽観的に考えるか、両者の中間で現実的に考えるかで資産運用がこのように変わるという話が出てきます。もちろん、長尾氏が一番有力と考えるのは「現実的」シナリオですが、その場合、モデルポートフォリオは以下の通りです(p.29):預貯金 5%、MMF/MRF 10%、公社債 20%、株式投資信託 10%、個別株式 20%、外貨MMF/外貨預金/外国国債 35%。
 う〜ん、他の本で推奨しているポートフォリオとはずいぶん違います。
 株式投資信託は、さらに細分されて、TOPIX連動日本株70、MSCI連動外国株20、リート10になります。
 外貨MMF/外貨預金/外国国債 は、通貨別に細分されて、ユーロ30、米ドル35、豪ドル15、カナダ10、英ポンド5、中国元<香港ドル>5 になります。
 ここまで細分できるということは、全体の金額がかなり大きいことを想定しているようです。単純に考えて、長尾氏の推奨ポートフォリオによれば、リートはポートフォリオ全体の1%ということになりますが、リートは最低投資金額が50万円くらいですから、全体の資産が5000万円くらいの人を念頭においていることになります。これなら、外貨MMF/外貨預金/外国国債の英ポンドや中国元<香港ドル>が 87.5 万円相当ということで、納得できます。
 第1章は、「日本と世界の経済・金融事情」ということで、日本の現状を正確に把握することが第一歩だとして、少子化現象とともに、日本の株、日本の債券、外国為替などの現状を述べ、ユーロがこれからの世界の基軸通貨になるかもしれないと述べています。また、投資する国の将来性は資源・食糧自給率でわかるとしています。ここは、乙は、ちょっと違うのではないかと思いました。安心度を測るにはこういう指標でいいでしょうが、経済はそれだけではないと思います。日本の食糧自給率が低いのはその通りですが、「日本には食料が回ってこなくなる」(p.48)はホントでしょうか。今だって、日本は世界中から金の力で食料を買いあさって輸入しているわけで、むしろ食料輸出国が飢餓に苦しむようなことすら起こっています。ということは、これからも同じで、経済が発展していれば、(倫理上の問題は残るにしても)世界中から食料の輸入ができるのではないでしょうか。
 pp.51-52 では、個人投資家が中国へ直接投資するのはリスクが高すぎると述べられています。それよりは「中国ビジネスにうまく参入している日本、欧米の多国籍企業へ間接的に投資をすればよい」というわけです。乙は、こう思いません。中国投資がずっと大丈夫だとはいいませんが、今までの流れを見ていると、(あと数年は)状況が大きく変わることは少なく、個人投資家が中国に投資してもいいと思います。
 第2章は、「資産運用の今までの常識はここが間違い」と題して、12個のポイントが示されます。乙から見ると、ここで述べられている「今までの常識」は、あまり常識でもなさそうに思えます。
 ポイントの一つですが、p.72 では「長期分散投資でなぜ損をするのか」と題して、過去15年の日本株の動きを基に、平均株価に分散投資する投資信託の考え方を否定しています。しかし、ここは長尾氏が誤解しています。日本株だけに集中していては「分散投資」になりません。日本株だけでなく外国株も見るべきです。債券や不動産も考慮するべきです。分散投資はそういうものでなければなりません。また、過去の特定の期間を取り上げて、「ほうら見よ。だからうまくいかないのだ」と後からいうことは誰でもできます。我々は、今後どうなるかわからない「現在」に生きているのですから、そういう中で最適な判断をしなければなりません。それを考慮したら、長尾氏の論は成り立たないと思います。
 第4章では、「人気の金融商品を徹底分析する」と題して、個別の商品に対する考え方を述べています。長尾氏は p.98「長期投資は単独株式投資が基本」と考えており、国際優良銘柄の株を長期保有することを主眼に置いていて、投資信託を否定しています。p.124 で述べるように投資信託の手数料が高すぎるからということです。ここも乙と考え方が違うところで、乙は両者ともそれぞれ長所・短所があると思っています。乙は、そのあたりを具体的に見極めたいと考えて、とりあえずは、現物株も投資信託も購入してみました。実地に考え、実行し、反省することで、もっと学ぶことができます。乙には、最終的にどういう態度が望ましいかはまだわかりませんが、長尾氏の考え方は、やや単純すぎるように思います。
 p.114 では、個人変動国債を勧めています。しかし、乙はまったく購入していません。それは、長尾氏がいうように「日本が破綻するから国債を買うべきではない」という理由ではなく、単に、国債の利回りが低すぎるからです。長尾氏の議論は、だいぶずれているように思います。
 この本の内容は、一人の金融コンサルタントの意見として読めば、おもしろい本だと思いますが、乙は内容を全面的に信じる気にはなれません。
 あ、乙はこの本を古本屋で半額で買いました。


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2006年06月07日

ネットにはあやしい広告もあります。

 ネットを見ていると、いろいろな広告にぶつかります。
 乙が見たもので、驚いたものといえば、次のようなものがあります。
 http://www.be-emotion.com/x/cash/
 http://www.be-emotion.com/x/
 いくらなんでもあやしいですね。
 http://www.be-emotion.com/ を見ようとしても、ムダです。
 ネズミ講でしょうか。利益が出る仕組みがわかりません。
 常識で考えても、こんなに利回りがいいはずがないのです。
 連絡先もきちんと書いてないのに、クレジットで決済するなんて、危険すぎます。
 ネットには何でもあるといういい見本です。
 乙は、もちろん、こういうものを購入することはありません。
 乙は、こういう「広告」を見て、買う気になる人の気持ちが理解できません。
 閲覧者のごく一部でも、たまたま引っかかる人がいれば、会社としては儲かるのでしょうね。
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2006年06月06日

前田和彦(2004.8)『借金国家から資産を守る方法』フォレスト出版

 乙が読んだ本です。
 本書は、日本の国家破綻は確実だということで、ではどうしたらいいかを説く本です。
 それはそうなのですが、まず最初に、この本が前提にしていることを明確に書いておかなければ、買う必要のない人までがこの本を買ってしまうでしょう。
 資産が5億円以上(!!)ある人だけがこの本を読む価値があります。
 p.167 には、資産運用に使うアメリカ型プライベート・バンクと資産保全に使うスイス型プライベート・バンクがあり、それぞれ2対8の割合で資産を分散するべきだということが書いてあります。そして、p.168 には、プライベート・バンクに口座を開く場合、最低受入額の目安は 100 万米ドル(約1億円)だと書いてあります。単純に考えれば、2対8に分散して、一方が1億円なんですから、全体で5億円以上ある人でないと、この本に書いてあることを実行できないのです。
 似たような話はあちこちに出てきます。p.169 では、納得のいくポートフォリオを組もうと思ったら2〜3億円ないと、実際にはできないと書いてあります。p.171 では、まともな(つまりはスイス型の)プライベート・バンクは、100万、200万米ドル、あるいは3億円以上ないと口座が開けないということが書いてあります。
 乙の資産はこんなにありませんから、この本で勧めている資産防衛法も何も無意味です。
 170ページ近くも読んできて、これらの記述に出会い、ようやく、この本は自分が読むべきではなかったとわかりました。だったら、こういう大事な情報を本の「はじめに」に明記しておいてください。題名に入れてもいいですよ。
 逆にいえば、5億円以上の資産のある人には、この本は有用かもしれません。日本から海外に資産を移すだけでなく、住むところも海外に移す海外避難(PT)まで考えられているのですから。
 そんなに資産のない人でも、もしかして、5億円以上のお金持ちに対してどんなアドバイスが提案されているのか知りたいという人は、この本を読んでもいいでしょう。著者の前田氏は、プライベート・バンカーだそうですから、プライベート・バンクがどういうものかを知るには、この本が適しているかもしれません。乙は、そういう資産のない人が読めば読むほどこの本は腹立たしくなるだけだろうと思いますが。
 乙は、憤慨しつつ、買ってしまった本を書棚に入れようとしたら、何と同じ本がもう1冊書棚にあることに気づきました。以前にもこの本を買っていて、そのことを忘れて今回もまた買って、合わせて2冊も買ってしまったんですね。つくづく情けなく思いました。
 繰り返しますが、乙のような間違いをする人が出ないように、「5億円以上の資産がある人に」と最初に明記してください。お願いします、フォレスト出版様。
 それを明記すると、そんなに数は売れないと思いますが、しかし、間違って買う人がたくさんいるということは、ある意味で著者および出版社が詐欺を働いているようなものだと言えると思います。そうならないような配慮をお願いします。


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2006年06月05日

雑誌「オール投資」徹底検証(26)ここまでの結論

 ここまで長々と述べてきたように、「オール投資」の5冊分の「低PBRランキング」を調べてみた結果、掲載分の全銘柄を対象にして調べると、成績がよくないことがわかりました。
 言い換えると、低PBRランキングでは、特にPBRが低い一部の銘柄だけがその後株価が上昇すると言っていいのではないでしょうか。
 とすると、2004/12/15 号の成績がよかったのは、このときの低PBRランキングで、相当に PBR が低い銘柄があったためだということになります。

 さて、6月5日発売の「オール投資」2006/6/15 日号の「低PBRランキング」に載っている銘柄の株を買うべきでしょうか。乙は、以前はかなり積極派でした
http://otsu.seesaa.net/article/18239141.html
が、今は、やや消極派になってきました。ただし、相当に PBR が低い銘柄が掲載されていれば、その株を買ってみる手はあります。
 結論からいえば、株の簡単な必勝法はなかなかないのですね。あれば、当然、プロがそこを狙ってくるでしょうから、ないのが当然でしょうけれど。
 乙が、「オール投資」の 2004/12/15 号で、低 PBR の銘柄のその後の好成績を知ったときは、本当にびっくりし、
http://otsu.seesaa.net/article/18012873.html 金の鉱脈を探り当てたように思えて、ある意味で興奮しましたが、その後、丹念に調べてみると、さほどでもないという結論になってきました。
 「オール投資」の徹底検証シリーズは、このあたりで一区切りとしましょう。
 数回で終わると思って書き始めましたが、26回にもなってしまいました。ふう〜。

2006年06月04日

雑誌「オール投資」徹底検証(25)2005/12/15 号の低PBRランキングの全銘柄

 締めくくりに、2005/12/15 号の「低PBRランキング」に載っている全銘柄の株価を見てみましょう。
 方法は雑誌「オール投資」徹底検証(21)
http://otsu.seesaa.net/article/18580803.html と同じです。
 右端の二つの数値は特にPBRが低い17銘柄であり、これは 雑誌「オール投資」徹底検証(19)
http://otsu.seesaa.net/article/18482164.html のときの17銘柄と同じものです。

2005/12/15 号の低PBRランキング

  TO  全株価 全株価 17株価 17株価
週 PIX 平均値 相対値 平均値 相対値
1 1.012  1.022  1.009  1.015  1.003
2 0.995  1.027  1.032  1.054  1.059
3 1.032  1.047  1.015  1.090  1.057
4 1.047  1.074  1.026  1.153  1.101
5 1.038  1.117  1.076  1.243  1.197
6 1.045  1.151  1.101  1.267  1.212
7 0.994  1.070  1.077  1.182  1.189
8 1.067  1.116  1.046  1.236  1.158
9 1.072  1.122  1.047  1.275  1.189
10 1.013  1.087  1.074  1.225  1.210
11 0.984  0.989  1.005  1.067  1.084
12 1.037  1.046  1.009  1.146  1.105
13 1.018  1.021  1.003  1.096  1.076
14 1.048  1.044  0.996  1.144  1.091
15 1.057  1.054  0.998  1.168  1.105
16 1.060  1.059  0.998  1.171  1.104
17 1.098  1.066  0.970  1.208  1.100
18 1.113  1.083  0.973  1.218  1.095
19 1.076  1.059  0.984  1.227  1.140
20 1.071  1.043  0.974  1.203  1.123
21 1.075  1.048  0.975  1.237  1.151
22 1.099  1.043  0.949  1.195  1.088
23 1.053  1.031  0.980  1.194  1.134
24 1.011  1.010  0.999  1.181  1.168

 これまたどうということのない成績です。
 雑誌「オール投資」徹底検証(19)
http://otsu.seesaa.net/article/18482164.html よりも、明らかに成績が落ちています。
 低PBRランキングの全銘柄を見ると、特にPBRが低い17銘柄よりも、成績が悪くなるわけです。

2006年06月02日

雑誌「オール投資」徹底検証(24)2005/9/15 号の低PBRランキングの全銘柄

 次に、2005/9/15 号の「低PBRランキング」に載っている全銘柄の株価ではどうでしょうか。
 方法は雑誌「オール投資」徹底検証(21)
http://otsu.seesaa.net/article/18580803.html と同じです。
 右端の二つの数値は特にPBRが低い19銘柄であり、これは 雑誌「オール投資」徹底検証(18)
http://otsu.seesaa.net/article/18426503.html のときの19銘柄と同じものです。

2005/9/15 号の低PBRランキング

  TO  全株価 全株価 19株価 19株価
週 PIX 平均値 相対値 平均値 相対値
1 1.015  1.002  0.987  1.000  0.985
2 1.048  1.029  0.982  1.027  0.980
3 1.074  1.047  0.975  1.030  0.959
4 1.094  1.039  0.950  1.014  0.927
5 1.089  1.039  0.954  1.011  0.928
6 1.080  1.052  0.975  1.038  0.962
7 1.067  1.064  0.998  1.053  0.987
8 1.119  1.079  0.964  1.089  0.973
9 1.162  1.108  0.954  1.103  0.950
10 1.147  1.112  0.970  1.116  0.973
11 1.184  1.119  0.946  1.141  0.964
12 1.196  1.126  0.942  1.169  0.978
13 1.238  1.158  0.935  1.202  0.971
14 1.253  1.184  0.945  1.252  0.999
15 1.231  1.186  0.963  1.254  1.018
16 1.278  1.205  0.943  1.294  1.013
17 1.296  1.231  0.950  1.363  1.051
18 1.286  1.285  1.000  1.433  1.115
19 1.294  1.318  1.018  1.455  1.124
20 1.230  1.220  0.991  1.329  1.080
21 1.321  1.287  0.975  1.398  1.059
22 1.327  1.297  0.977  1.416  1.067
23 1.254  1.240  0.989  1.373  1.095
24 1.218  1.118  0.918  1.214  0.997
25 1.284  1.194  0.930  1.320  1.028
26 1.260  1.175  0.932  1.310  1.040
27 1.298  1.181  0.910  1.306  1.007
28 1.308  1.194  0.913  1.320  1.009
29 1.312  1.208  0.920  1.357  1.034
30 1.360  1.232  0.906  1.388  1.021
31 1.377  1.244  0.903  1.380  1.002
32 1.332  1.214  0.911  1.372  1.030
33 1.326  1.188  0.896  1.311  0.989
34 1.331  1.194  0.897  1.303  0.980
35 1.360  1.176  0.865  1.336  0.983
36 1.303  1.174  0.901  1.294  0.993
37 1.252  1.148  0.917  1.245  0.994

 株価相対値が TOPIX を上回るのはごく一部であり、はっきりいえば、惨憺たる成績です。
 雑誌「オール投資」徹底検証(18)
http://otsu.seesaa.net/article/18426503.html よりも、明らかに成績が落ちています。
 低PBRランキングの全銘柄を見ると、特にPBRが低い19銘柄よりも、成績が悪くなるわけです。

2006年06月01日

雑誌「オール投資」徹底検証(23)2005/6/15 号の低PBRランキングの全銘柄

 次に、2005/6/15 号の「低PBRランキング」に載っている全銘柄の株価の変動を調べました。
 方法は雑誌「オール投資」徹底検証(21)
http://otsu.seesaa.net/article/18580803.html と同じです。
 右端の二つの数値は特にPBRが低い22銘柄であり、これは 雑誌「オール投資」徹底検証(17)
http://otsu.seesaa.net/article/18382685.html のときの22銘柄と同じものです。

2005/6/15 号の低PBRランキング

  TO  全株価 全株価 22株価 22株価
週 PIX 平均値 相対値 平均値 相対値
1 1.004  1.007  1.003  1.011  1.008
2 1.022  1.024  1.002  1.026  1.004
3 1.014  1.023  1.009  1.037  1.023
4 1.036  1.044  1.009  1.050  1.014
5 1.035  1.065  1.029  1.072  1.037
6 1.040  1.075  1.033  1.107  1.064
7 1.039  1.090  1.049  1.113  1.071
8 1.058  1.103  1.043  1.134  1.072
9 1.041  1.076  1.034  1.098  1.055
10 1.090  1.115  1.022  1.141  1.046
11 1.109  1.140  1.029  1.189  1.072
12 1.099  1.133  1.031  1.162  1.058
13 1.127  1.148  1.019  1.188  1.055
14 1.144  1.143  0.999  1.183  1.035
15 1.181  1.174  0.995  1.215  1.029
16 1.211  1.192  0.984  1.216  1.005
17 1.232  1.199  0.973  1.218  0.989
18 1.228  1.202  0.980  1.226  0.999
19 1.217  1.207  0.992  1.234  1.014
20 1.202  1.209  1.006  1.239  1.031
21 1.261  1.227  0.972  1.275  1.011
22 1.309  1.283  0.981  1.315  1.005
23 1.293  1.275  0.986  1.302  1.007
24 1.334  1.281  0.961  1.319  0.989
25 1.348  1.301  0.965  1.341  0.995
26 1.395  1.322  0.948  1.371  0.983
27 1.412  1.356  0.960  1.417  1.003
28 1.388  1.349  0.972  1.407  1.014
29 1.440  1.385  0.962  1.469  1.021

 いよいよもってはっきりしません。雑誌「オール投資」徹底検証(17)
http://otsu.seesaa.net/article/18382685.html よりも、明らかに成績が落ちています。
 低PBRランキングの全銘柄を見ると、特にPBRが低い22銘柄よりも、成績が悪くなるわけです。