2006年07月31日

木戸次郎(2005.3)『木戸次郎の大化け株』宝島社

 乙が読んだ本です。
 表紙に大きな文字で「勝率8割!」と書いてあります。タイトルとあわせて考えれば、この本で紹介されている銘柄を買えば、8割の確率で大化けすると読めます。こういう本は、内容の正しさについて(1年以上経ってから)ぜひ検証しなければなりません。
 奥付には「※銘柄紹介ページのデータは2005年2月3日現在のものです。」と書いてあります。そこで、この日に株を買ったとして、その後の推移を見てみましょう。(本当は、本が書店に並ぶ日を基準にするべきなのでしょうが。)
 本書に掲載されている木戸銘柄はその後どうなったでしょうか。2005年2月3日の株価を2割下回ったら損切りしたものとして見ていきます。×は損切りしたもの、△は今まで保有が継続しているもの、○は木戸氏の目標株価に届いたものです。

2802 味の素 1234円
△木戸氏の予想(p.84)=目標株価1800円以上
6807 日本航空電子工業 1001円
○木戸氏の予想(p.87)=目標株価1150円以上
6594 日本電産 12230円
○木戸氏の予想(p.91)=目標株価15000円以上
7122 近畿車輛 350円
×木戸氏の予想(p.94)=目標株価500円以上
 2005.5 に 266 円まで下げた。
 損切りせずにこれに耐えられれば、500円以上になった。
7404 昭和飛行機工業 780円
○木戸氏の予想(p.97)=目標株価1000円以上
5805 昭和電線電纜 142円
○木戸氏の予想(p.99)=目標株価230円以上
5996 新立川航空機 1867円
○木戸氏の予想(p.101)=目標株価3000円以上
6365 電業社機械製作所 4630円
△木戸氏の予想(p.104)=目標株価7000円以上
6294 オカダアイヨン 468円
○木戸氏の予想(p.107)=目標株価600円以上
6704 岩崎通信機 240円
○木戸氏の予想(p.111)=目標株価350円以上
6460 セガサミーホールディングス 6480円
△木戸氏の予想(p.114)=目標株価10000円以上
6386 扶桑レクセル 824円
○木戸氏の予想(p.145)=目標株価1000円以上
5816 オーナンバ 545円
○木戸氏の予想(p.148)=目標株価800円以上
9107 川崎汽船 713円
△木戸氏の予想(p.152)=目標株価1000円以上
2109 新三井製糖 306円
○木戸氏の予想(p.154)=目標株価500円以上
6366 千代田化工建設 859円
○木戸氏の予想(p.157)=目標株価1200円以上
6023 ダイハツディーゼル 267円
○木戸氏の予想(p.160)=目標株価550円以上
6945 富士通フロンテック 1555円
×木戸氏の予想(p.164)=目標株価2000円以上
1893 五洋建設 186円
○木戸氏の予想(p.168)=目標株価250円以上
3315 三井鉱山 424円
×木戸氏の予想(p.172)=目標株価500円以上
4028 石原産業 244円
×木戸氏の予想(p.176)=目標株価300円以上

 ということで、13/21=62% の勝率です。半分を越えていますから、まあまあの成績といったところでしょうか。乙が事前に予想していたよりはあたっていました。2005年は後半に株価が全体に上昇しましたから、その影響だろうと思います。
 この本の表紙にある勝率8割というのは結果的にウソでした。
 では、なぜ木戸氏はこのようなウソをついたのか。未来のことだからテキトーに書いたといわれればそれまでですが、実は、本書の p.11 にその根拠が書いてあります。ちょっとそれを見てみましょう。以前、木戸氏が週刊現代で紹介した65銘柄中、2週間以内に高値を付けたのが29銘柄あったのだそうです。そこに勝率 83% と書いてあります。木戸氏のいう「勝率」は「株価の値上がり率」(しかも上昇したものだけを取り出して?)のことなんでしょうかね。変な計算です。普通は、勝率といえば、推薦した全銘柄中、何銘柄が上昇したかということですから、29/65=45% と計算するものです。
 株価は上下に変動しますから、仮にランダムに上下するものと仮定すると、その後ある時点で上がっている銘柄が半分、下がっている銘柄が半分です。
 また、ある日を基準にして、その後2週間までに高値を付けたものを数えれば、ランダムに上下すると仮定しても、大部分が該当することになります。(安値を付けたものも大部分のはずです。)
 ちょっと確率を計算してみましょう。ある基準日から考えて、その後2週間では(土日を除いて)10日間の取引日があります。それぞれの終値が基準日の価格から上がっているか、下がっているかが確率 50% で起こるとしましょう。(「同じ」日もあるので、厳密にいえばこの仮定は成り立たないのですが、ここでは計算の簡略さのため、これを仮定します。)ここで、10日間のうち1日でも基準価格を越える確率はどれくらいあるでしょうか。それを求めるには、10日間にわたって安値が続いた場合の確率を求め、それを1(100%)から引けばいいのです。10日間連続して安値になる確率は (1/2)**10=0.00098=0.098% ですから、結果は 99.9% です。つまり、ランダムに個別銘柄を買った場合、2週間以内に高値を付ける確率は 99% 以上ということです。安値を付ける確率も同じです。
 こう考えると、2週間以内に高値を付けたものが 45% というのは、いいかげんな予測を相当下回ったということであり、けっして威張れる数値ではありません。それどころか、実は、ありえない結果だと言えます。
 この本では「2週間以内に高値を付ける」という短い説明しか書いてなかったので、乙は基準価格よりも高い価格になったことを「高値を付けた」と考えて計算しました。この定義が違っているのかもしれません。もう少しきちんと状況を説明してくれれば、確率の計算も正しく行えるかもしれませんが、……。
 ちなみに、この本では、2005年末の日経平均株価2万円の予測をしています。見事に外れたわけですが、このことは、すでに乙のブログで述べました。
http://otsu.seesaa.net/article/20346672.html
 以上のような検討から、木戸氏の言説の信頼性が低いことが明らかになりました。


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2006年07月30日

Ashmore Emerging Markets Liquid Investment Portfolio

 乙が投資している海外のファンドでは、Ashmore Investment Management 社の Emerging Markets Liquid Investment Portfolio というのがあります。略称は EMLIP です。
 会社のHPは、http://www.ashmoregroup.com/ です。アシュモア社は、1992年設立の若い会社ですが、すでに100億ドルを運用しています。
 ファンド情報は、以下のところに記載されています。
http://www.ashmoregroup.com/info/home/
 このファンドは、会社の設立と同時に運用を開始していることがわかります。一番大事なパフォーマンスは、以下のところにあります。
http://www.ashmoregroup.com/info/performance/index_02.phtml
 このファンドの過去の平均リターンは 20%、標準偏差 15% で、充分満足できるファンドです。レバレッジは 1.5 倍で運用しています。
 投資先は、Russia Brazil Venezuela Mexico ……の債券で、ラテンアメリカが多いようです。中国は含まれておらず、インドはごくわずかです。
 申込手数料は 5%ですが、乙は某ブローカー経由で申込み、手数料を 2% に割引してもらいました。このブローカーは、たぶん全員に対してそうしているのでしょう。ということは、ブローカーごとに申込手数料が変わってくるということです。となれば、なるべく安いところで申し込みたいところですが、それを見極めるのはなかなかむずかしいと思います。特定の金融商品について複数のブローカーの申込手数料を比べるのは面倒です。
 信託報酬は 1.25%+0.25%=1.5%、成功報酬は 15%以上のリターンのときに、その25% ということで、高めの報酬体系です。
 乙は、2006年2月に投資開始ですので、まったく成績はわかりません。上がってもいないけれど、下がってもいない状態です。乙は、今後を楽しみにしています。当然、長期運用のつもりです。

 さて、7月下旬になって、乙のところにファンド会社から手紙(7月21日付け)が来て、報酬を2006年12月1日から変更するとのことです。信託報酬が 1.5% から 1.75% になり、成功報酬は 6% 以上のリターンのときにその 20% となる予定です。単純に見れば報酬が増えると言っていいでしょう。過去の平均のように、毎年 20% のリターンを出したとすれば、成功報酬は、今までの計算法では (20-15)×0.25=1.25% ですが、新しい計算法では (20-6)×0.2=2.8% となります。固定手数料部分の信託報酬の増額と合わせて、全体としてかなり大幅な増額といえるでしょう。
 報酬の増額の理由が(以下、英語の手紙の乙による訳ですが)「他のファンドとの相対的なパフォーマンスと比べて、市場で充分競争できるためには、ファンドマネージャーの金額がずっと低いままではまずい」ということです。報酬が低いままではファンドマネージャーが逃げ出してしまい、優秀な人材が確保できないというわけですが、どうもあまりふさわしい理由ではありません。「他のファンドが高い報酬を取っているから我々も同様に取りますよ」というだけです。
 乙の見方では、「計画では、毎年 15% 以上のリターンがあると見込んで、それを越えたときに成功報酬が高くなるように計算法を決めたが、運用してみると、とてもそんなには到達できないことも多く、6% 以上ならば達成できるから、成功報酬を安定的にもらえるようにハードルを下げた」ということです。つまり、過去の平均 20% のリターンというのは、これからしばらくは達成できないとファンド会社が認めたようなものです。
 乙は、このことを理由に現在このファンドを解約するつもりはありませんが、今回の変更によって、このファンドの投資家サイドから見たパフォーマンスが低下するのは明らかですから、注意して見守りたいと思います。このファンドは、リスク(標準偏差)も比較的大きいので、たとえば2年連続して好成績が挙げられなかった場合は解約するというような方針でもいいかもしれません。申込手数料が2%だったことは、結果的に解約しやすいことにつながり、ありがたい話でした。
 ちなみに、報酬の変更は、8月14日開催のファンドの参加者の臨時総会(extraordinary general meeting)によって決められるとのことで、欠席者は委任状(form of proxy)を書くようにという連絡がありました。投資金額とチャネル諸島のガーンジー島までの旅費を比べれば、会議に出席するのはコストがかかりすぎますから(一部の多額投資家を除いて、世界中の投資家のほとんどがそうだと思いますが)、会議には欠席することになるでしょう。しかし、すなおに委任状を書くかどうか、判断がむずかしいところです。乙は迷っています。
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2006年07月29日

北浜流一郎(2004.8)『でっかく儲ける!! 日本株100選』(にちぶんMOOK)日本文芸社(その2)

 昨日に引き続いて、本書中の成長銘柄と飛翔銘柄を検証しておきましょう。

成長銘柄26
銘柄コード 銘柄 2004.6.11終値 売りゾーン 結果 売却時期
4755 楽天      85100円 102000-107000円 ○ 2004.12
3722 日本ベリサイン490500円 59万-61万円   ○ 2004.6
4824 メディアシーク277666円 33.3万-35万円  ○ 2004.6
4779 ソフトブレーン 82900円 99000-104000円  × 2004.9
8798 アドバンスクリ204000円 24.5万-26万円  ○ 2004.6
9427 イー・アクセス101800円 122000-128000円 ○ 2004.7
4835 インデックス 140000円 167500-175000円 × 2004.8
2387 ヴァリック   36万円 43万-45万円   ○ 2004.6
2374 セントケア  185333円 22万-23.3万円  × 2004.7
2759 テレウェイヴ 142500円 170000-177500円 ○ 2004.7
4644 イマジニア   1275円 1525-1600円   × 2004.7
4823 サイバード  164000円 196667-206667円 ○ 2004.7
2371 カカクコム  309000円 366667-400000円 ○ 2004.7
3724 ベリサーブ   139万円 165万-175万円  ○ 2004.7
4751 サーバーエージ217750円 262500-275000円 ○ 2004.6
4753 ライブドア(データなし)
4759 バリュークリックジャパン(データなし)
4839 WOWOW     223000円 265000-280000円 × 2004.8
8626 マネックス証券(データなし)
8925 アルデプロ   48000円 58000-60000円  × 2004.8
2317 システムプロ 149666円 180000-186667円 × 2004.7
2337 アセットマネー116000円 140000-145000円 ○ 2004.7
2362 夢真       298円 357-375円    ○ 2004.7
2656 ベクター   294000円 35万-37万円   × 2004.10
4296 ゼンテックテク390000円 47万-49万円   × 2004.9
7873 アーク(データなし)

 成長銘柄26は株価上昇銘柄が6割でまあまあといえます。ただし、ライブドアなどが含まれているので、危険な香りが漂います。(でも、これは今だから言えることですが。)
 成長銘柄は、本来は1年〜数年くらい後で見るべきでしょうが、上のデータで見るように決着がついたのが早かったように思います。2004年8月1日発行の MOOK ですが、現実的にいつ売られたのか、わかりません。書店で見かけたときには、すでに株価が上昇した後だったというような感じだったかもしれません。

飛翔銘柄28
銘柄コード 銘柄 2004.6.11終値 売りゾーン 結果 売却時期
6594 日本電産    5535円 6750-7000円   ○ 2005.11
3116 豊田紡織    1771円 2120-2200円   ○ 2004.8
9861 吉野家ディー 176000円 21万-22万円   ○ 2005.11
4204 積水化学工業   885円 1060-1100円   × 2004.10
7459 クラヤ三星堂  1603円 1920-2000円   × 2004.10
4696 ワタベウェディン2260円 2700-2800円   ○ 2004.7
5991 ニッパツ     708円 850-900円    ○ 2005.5
9375 近鉄エクスプレス2425円 2900-3000円   × 2004.10
3941 レンゴー     543円 650-680円    ○ 2005.11
6135 牧野フライス製作 735円 880-920円    × 2004.10
6798 SMK       481円 570-600円    ○ 2005.7
3591 ワコール    1152円 1400-1450円   ○ 2005.3
8234 大丸       991円 1190-1240円   × 2004.10
6973 協栄産業     380円 460-480円    ○ 2006.6
8830 住友不動産   1247円 1500-1560円   ○ 2005.9
8860 フジ住宅     480円 580-600円    ○ 2004.7
6498 キッツ      465円 560-580円    ○ 2004.8
1983 東芝プラントシス 551円 660-690円    ○ 2005.12
6586 マキタ     1618円 1940-2000円   ○ 2005.2
8018 三共生興     475円 570-600円    ○ 2005.8
6768 タムラ製作所   609円 730-760円    × 2004.8
2678 アスクル    3345円 4000-4200円   × 2006.6
4543 テルモ     2625円 3150-3300円   ○ 2005.2
6789 ローランド   2300円 2750-2900円   ○ 2004.7
6849 日本光電    1500円 1800-1900円   × 2004.9
6869 シスメックス  1565円 1900-2000円   ○ 2004.8
2784 アルフレッサ  5990円 7200-7500円   × 2004.9
3001 片倉工業    1156円 1400-1450円   ○ 2005.3

 飛翔銘柄は7割で、まあ合格点といえるでしょう。

 というわけで、全体を四つにわけていろいろな銘柄を推薦しているわけですが、全体として、北浜氏の推奨銘柄は、まあまあといったところでしょう。
 乙は、損切りラインは買値の2割減として見てきましたが、これを1割減にしたら、いうまでもなく、もっと「×」が増えます。
 http://www.enjyuku.com/v_kabukita2.html にある北浜氏の紹介によれば「その推奨銘柄の的中率の高さから「当たり屋」として知られる。株式評論家としては媒体露出がもっとも多く、一般投資家の絶大な人気を誇る。」のだそうです。絶大な人気を誇る「当たり屋」でも、この程度の的中率なんですね。
 いい勉強になりました。


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2006年07月28日

北浜流一郎(2004.8)『でっかく儲ける!! 日本株100選』(にちぶんMOOK)日本文芸社(その1)

 乙が見た本です。(あえて「読んだ」とはいいません。)
 古本屋で100円で売っていたので、買ってきました。乙が何に興味があったかというと、北浜氏の推奨する株を買うと、ホントに儲かるのだろうかということを知りたいと思ったからです。
 この本は、2004年6月11日現在の株価を示し、100銘柄の買いを推薦するという安易な投資本です。売りゾーンまで明示してあって、この株価に達したら売ればよいとのことです。
 そこで、挙げられた銘柄がその後どうなったかを検証することで、北浜氏の目の正しさがわかります。基準として、2004年6月11日の終値を使います。また、買値よりも2割下がった場合に損切りするものとします。
 結果の判断は次の通りです。
 ×=損切り
  「売りゾーン」の安値に達することなく、買値から2割下がり、損切りしたと考えられる場合
 ○=利益確定
  損切りラインに下がることなく、「売りゾーン」の安値を越えた場合
 △=保持継続
  損切りラインに下がることなく、「売りゾーン」の安値も越えなかった場合
 本書の刊行後、現在までに株式分割や株式統合が行われた場合は、本書中の株価でなく、分割・統合後の株価に書き換えてあります。

王道銘柄21
銘柄コード 銘柄 2004.6.11終値 売りゾーン 結果 売却時期
7203 トヨタ自動車  4160円 4900-5200円   ○ 2005.9
6758 ソニー     4060円 4800-5100円   ○ 2005.12
8628 松井証券    1169円 1367-1467円   × 2004.10
8306 三菱東京FG   96万円 115万-120万円  ○ 2005.9
5401 新日本製鐵    222円 265-275円    ○ 2004.10
8058 三菱商事    1077円 1290-1340円   ○ 2004.12
7751 キヤノン    3793円 4733-4967円   ○ 2006.1
8802 三菱地所    1366円 1640-1700円   ○ 2005.10
3402 東レ       517円 620-645円    ○ 2005.10
1803 清水建設     481円 580-600円    ○ 2005.8
1911 住友林業    1187円 1440-1500円   × 2004.11
2502 アサヒビール  1194円 1430-1500円   ○ 2005.10
2282 日本ハム    1205円 1450-1500円   ○ 2005.3
4613 関西ペイント   633円 760-800円    ○ 2005.11
2802 味の素     1235円 1500-1550円   △
3105 日清紡      819円 980-1020円    ○ 2005.10
6752 松下電器産業  1518円 1800-1900円   ○ 2005.7
6753 シャープ    1735円 2000-2200円   ○ 2006.1
6702 富士通      752円 900-970円    × 2005.5
8766 ミレアH    159万円 190万-198万円  ○ 2005.10
9501 東京電力    2420円 2900-3100円   ○ 2006.2

再生銘柄25
銘柄コード 銘柄 2004.6.11終値 売りゾーン 結果 売却時期
8307 UFJホールディングス(データなし)
7261 マツダ      360円 430-450円    ○ 2005.7
1808 長谷工コーポ   289円 345-360円    × 2004.8
7757 三協精機    1134円 1350-1400円   × 2005.1
8583 日本信販     421円 500-530円    × 2004.9
9984 ソフトバンク  1530円 1833-1900円   ○ 2005.9
7211 三菱自動車    200円 240-250円    × 2004.7
2262 雪印乳業     365円 435-460円    ○ 2005.9
2768 双日       568円 680-710円    × 2004.7
9435 光通信     4630円 5500-5800円   ○ 2004.10
8263 ダイエー    3500円 4200-4400円   × 2004.7
8308 りそなH   197000円 235000-245000円 ○ 2005.9
3102 カネボウ(データなし)
8840 大京       227円 270-285円    × 2004.8
1861 熊谷組      253円 300-315円    ○ 2005.3
3529 アツギ      126円 150-160円    ○ 2005.9
8003 トーメン(データなし)
1722 ミサワホーム  3390円 4050-4250円   × 2004.8
9983 ファーストリテ 8660円 10500-11000円  × 2005.2
3606 レナウンダーバン1745円 2000-2200円   × 2004.10
7453 良品計画    5050円 6000-6300円   ○ 2005.8
4686 ジャストシステム 788円 950-980円    × 2004.9
8564 武富士     7740円 9200-9700円   △
6720 プリヴェチューリ 870円 1050-1100円   ○ 2004.7
7964 セガ(データなし)

 ここまでで本書の半分を見たことになります。
 結果は、王道銘柄21は株価上昇銘柄が8割と比較的成績がよかったのですが、再生銘柄25は4割とさんざんな成績でした。
 王道銘柄は、実績がある国際優良企業群であり、わざわざ北浜氏に教えてもらわなくても、こういう銘柄に投資する人はたくさんいたと思われます。また、王道銘柄が売りゾーンに達した時期を見ればわかるように、多くは2005年後半の日本の株価上昇期に売りゾーンに達しています。このことは、北浜氏の予測能力が優れていたというよりは、「その時期になったら、株価が勝手に上がってしまって、結果的にいい成績になった」ということを意味しているようです。
 続きは、また明日に。


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2006年07月27日

日経新聞社員がインサイダー取引容疑で逮捕されました

 今や、あちこちで報じられている経済事件です。
 日経新聞が一番大きく報道しているのは、自社の事件だからでしょうか。
http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt100/index20060725AS1G2502825072006.html
 もちろん、こういうことはあってはいけないことですし、新聞社としても今後こういうことが起きないような努力は必要でしょう。しかし、この事件はそれだけではないように思います。
 第1に、乙は金額の大きさに驚きました。
http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt100/20060725AS1G2502A25072006.html
によれば、「夏以降は取引に拍車がかかり、1日の売買回数が100回以上のこともあった。大半は信用取引。開設していた証券口座は15あり、主に取引していたのは3つのインターネット証券会社の口座で、法定公告を悪用したインサイダー取引はこうした膨大な取引の一部だった。」とあります。
http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt100/20060725AS1G2502R25072006.html
によれば、各社の株式計9万4000株を約2億4000万円で不正に購入し、売却益は約3000万円だったとのことです。信用取引は証拠金の3倍まで株が買えるという話ですが、(乙はやっていないのでわかりませんが)それにしても、すごい金額です。ただし、いちどきに2億4000万円の株を買ったわけではなく、容疑者は順次売ったり買ったりして、それらを合計するとその金額になるようですから、8000万円の現金を用意して株を買ったわけではありません。それでも、31歳の若者が多額の資金をどのように工面したのか、疑問が残ります。インサイダー取引を継続してここまで増やしたのでしょうか。だとしたら、不当利益は3000万円どころではなくなります。そして、容疑者は、かなりの期間にわたって継続的にインサイダー取引をしてきたということになります。それがずっと見逃されてきたわけです。
 第2に、乙はなぜこの事件が発覚したかを知りたいと思いました。上述の記事によれば、「特捜部は笹原容疑者の単独の犯行とみている。」や「株取引は本人や親族名義でインターネットを通じて行われ、」などの記述があります。個人がこっそりとインサイダー取引を行って、誰にもそのことをいわなければ、たぶん発覚しないのではないでしょうか。
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20060726/K2006072507100.html
によれば「実際、社内調査でも、同僚を含めてだれも不正取引に気づいていなかった」ということです。
 この容疑者が1日に100回も売買している中で、その一部にインサイダー取引のものを含めるようにしたら、なかなかばれないもののように思えます。(容疑者も、そう考えてインサイダー取引を継続的に行っていたのでしょう。)
 なぜ発覚したかは、今後の類似事件の防止とも関わるため、公表されないのだと思いますが、ニュースでは一番大事な(知りたい)点がぼかされているように思います。
 第3に、乙は類例がもっともっとありそうな気がします。日経新聞の社内でIDとパスワードを共用していたとすれば、社内で他にも同様のことをやっていた人がいても不思議ではありません。そしてそれは(上述の記事で明らかなように)社内調査ではわかりません。すべては闇の中で行われています。

 投資の問題と絡めていうと、こういうインサイダー取引で儲ける人がいる分だけ、一般の株主は(一人ずつで考えればわずかですが)損失を被っているわけです。日本市場が公正かどうかは、投資家全員にかかわる大問題でもあります。
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2006年07月26日

REIST不動産投資ファンドブリッジ型1号(愛称:M・R・D六本木)

 http://otsu.seesaa.net/article/15227398.html で述べたように、乙は、REIST不動産投資ファンドブリッジ型1号(愛称:M・R・D六本木)に投資していました。
 このファンドは、7月25日に無事償還されました。当初の予定よりも5ヶ月伸びたことになります。
 予想利回りは 8.875% でしたが、実際の利回りは、8.898% でした。16ヶ月運用した結果ですから、年率換算では、8.898×12÷16=6.6735% になります。
 乙の目標7%には届きませんでしたが、今の日本でのこの成績は、まあありがたいと言えるのではないでしょうか。
 しかし、税金を考えると、8.898%×0.8=7.1184% の利回りになったわけです。
 こういうとき、運用益の2割が税金として差し引かれると、なかなか大きな負担だなあと感じます。国はいいですねえ。民がいろいろ工夫して稼いでいるときに、国は何もしなくてもその2割を取り上げることができるのですからねえ。しかも、民が損失を出したときは、知らん顔できるんです。う〜む。どうにもずるいような気がします。
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2006年07月25日

ピーター・リンチ、ジョン・ロスチャイルド(2001.3)『新版 ピーター・リンチの株で勝つ』ダイヤモンド社

 乙が読んだ本です。
 ピーター・リンチ氏は、マゼラン・ファンドのマネージャーでしたが、マゼランファンドを大きく成長させたことで知られる有名人です。1977年から1990年までで2000万ドルを140億ドルにしたと聞けば、誰でもびっくりするはずです。
 この本は、全体として、リンチ氏がどういう考えで株の取引を行ってきたかを述べた本です。
 全体を読んだ上での乙の感想は2点あります。
 第1に、アメリカの話であり、この本に出てくるいろいろな銘柄について、乙は実感を持って知っているわけではないので、どうも話がわかりにくかったということです。アメリカ事情に通じている人なら、きっとおもしろかったでしょう。乙にはそんなにおもしろいと思えませんでした。
 第2に、銘柄の発掘や調査など、ファンドの運営には膨大な手間をかけているんだということです。どういうところに注意してどんな考え方をして株の売買を行うか、この本でその一部は述べられていますが、個人投資家がリンチ氏のマネをすることは絶対にできません。ですから、この本は個人投資家には役に立ちません。株のプロが読む本だと言えるのではないでしょうか。
 この本の各所で、10倍株(テンバガー)という言い方がでてきます。株はそんなにも大きく伸びるものなんですね。そういうのを事前に買っておけたら、何と幸せなことなんでしょう。乙も1回くらいは経験したいものです。しかし、それには、いい会社を見つけて、しかも超長期にわたってフォローしていくことが必要です。ただ時間が過ぎるのを待つだけではダメで、その間、会社がどうなっているかを定期的にチェックし続けなければなりません。ここが大変です。
 この本の中から、乙がおもしろいと思った部分をいくつか抜き出しておきます。
 p.6 大勝ち銘柄は、結果が出るまでに3年から10年以上かかっているとのこと。いやはや長いものですね。普通はなかなかこんなには保有しきれないように思います。
 pp.15-16 ランチやディナーのスピーチで、聴衆に「あなたは長期投資家ですか」と尋ねると、全員がそうだと答えるそうです。デイ・トレーダーも含めてです。みんなそう思っているんですね。
 p.30 プロのいうことに惑わされるな、ピーター・リンチのマネをするなとのことです。プロとアマは違うからというわけですが、それにしても、こういう言い方は強烈なショックです。リンチ氏の本を読む人は、リンチ氏のマネをしようと思って読むものでしょうに。
 pp.71-72 大きなファンドになると、いろいろ制約があって、あまり儲けられないということです。そうはいいつつ、90億ドルの巨大マゼラン・ファンドは好成績を出しているのですから、いうこととしてきたことがずれています。
 p.95 株で儲けるときに市場全体の予測をする必要はないとのことです。乙は意外でした。リンチ氏は、自分がこれだと思った会社には断固として投資する信念の人なんでしょうね。
 p.273 株を保有し続ける人のほうが頻繁に売買を繰り返す人よりもはるかに優れているということです。これは、株の売買には手数料がかかるために、売買を繰り返したら確実に手数料分を失うからです。本書では、売買には1〜2%の手数料がかかるといっていて、今の日本のネット証券とはだいぶ違います。ネット証券では、手数料が 0.1% 以下になってしまいましたから、リンチ氏の主張は必ずしも当てはまらないように思います。
 本書は、全体として、リンチ氏の経験を通して個別株投資の醍醐味を語る本ではありますが、それだけに、乙は(自分とはまったく違うということで)距離を感じてしまいました。



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2006年07月24日

Thames River Global Emerging Markets Fund

 乙は、テムズリバー社で、もう一つ、新興国の株式に投資するファンド Global Emerging Markets Fund にも投資しています。
 http://www.thamesrivercapital.com/pdf/brochures/gem_brochure.pdf
にパンフレットがありますので、参照できます。
 こちらのファンドも、申込手数料 5%、信託報酬 1.75%、成功報酬 HWM 20% ということで、手数料は高めです。しかし、今までの年平均リターンは 39% ですし、リスク(標準偏差)は17%しかなく、とてもいい成績だと思います。純資産総額は4億ドルと妥当な規模です。
 乙は、2005年12月投資開始なので、まだ実績云々をいうには早すぎます。6月は、世界の株安の影響があって、今のところはマイナスのリターンです。
 このファンドも長期に保有するつもりでいます。今後の成長が楽しみです。
 7月に送られてきた3月末時点の報告書によると、Global Emerging Markets Fund は、2005.4.1 から 2006.3.31 までで 50.8% という驚異的なリターンを出しています。ちょうど株価の上昇時期だったので、それをうまくとらえたからでしょうが、それにしてもすごい成績です。
 このファンドも、投資先がとても細かく分散されています。意外とアメリカの ADR が多いように思いました。個別の国の企業に現地通貨で投資するよりも便利だからなのでしょうか。
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2006年07月23日

南山宏治(2006.7)『7戦7勝 10万円から始める南山式 ETF(上場投信)投資術』あっぷる出版社

 乙が読んだ本です。
 ETF について、まとまったことが書かれた本として、珍しいと思います。
 これ1冊で ETF のことがいろいろわかります。特にアメリカ市場の ETF の話は、乙が知識がなかったためだと思いますが、おもしろく読みました。
 そうはいいつつ、ETF について書くだけで190ページもかける必要はあるのだろうかというのが乙の率直な感想です。これで1500円+税はかなり高い感じです。3章の南山氏の具体的な ETF 売買の結果などはカットしてもいいのではないかと思います。
 2章では、ETF 投資法について、長期の視点から「ヒラメ戦術」、数日間の短期投資の視点から「オーバーナイト法」、中長期投資の視点から「長期投資準備法」、さらには「定時定数買付け法」の4つを提示しています。そして、3章がそれぞれの運用結果となるわけですが、乙には、「長期投資準備法」がよく理解できませんでした。今後上昇すると考えられる業種があったらそれに投資するということなんでしょうか。これからの株価の上昇がわかるくらいなら、(その業種の最大手の)個別株に投資する方がいいのではないかと思います。
 乙は、ETF の性質から考えて、ETF 投資は長期投資家向けかと思っていましたが、そうでない考え方も可能だということはおもしろく思いました。(乙は、そうするつもりはありませんが。)
 p.94- では、投資のタイミングも重要だということを述べています。乙も同感です。しかし、そのタイミングをあてることがむずかしいのが現実なんですよね。タイミングは、投資の結果から見れば重要なのだけれども、投資開始時点では確実なことは言えないので、何とも分からないものではないでしょうか。
 p.134 では、ETF もボラティリティはかなり大きく、個別銘柄のボラティリティと遜色ないという言い方をしています。乙の経験では、やはり、個別銘柄のほうがボラティリティが大きいと思うし、平均値は、その算出の基になった個別データの中頃の値であることから、理論上も個別の値よりも平均値のほうがボラティリティは小さくなるはずだと思います。ここは南山氏の勘違いではないでしょうか。
 ともあれ、ETF について一通りの知識が得られる本だと思います。


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2006年07月22日

Thames River High Income Fund

 乙は、Thames River Capital 社の債券ファンド High Income Fund にも投資しています。
http://www.thamesrivercapital.com/pdf/brochures/high_income_brochure.pdf
にパンフレットがあります。
http://www.thamesrivercapital.com/pdf/factsheets/high_income.pdf
にファクトシートがあります。
 このファンドは新興諸国の債券を買って保持するスタイル(long only)で、過去のパフォーマンスを見ると、比較的リスク(標準偏差)が低く(年平均 5.8%)、年平均 16% のリターンを上げてきています。すばらしい実績です。運用している資産総額は11億ドルとのことで、こちらも充分なサイズです。
 新興諸国の債券というと、高利回りですが、一方ではデフォールトが起きる可能性も高いということになります。そういうものに投資しながら、着実に利回りを確保するためには、「分散投資」しかありません。分散投資を徹底することで、一部の債券がデフォールトを起こしても、全体としては高利回りであるということになります。
 このファンドは、申込手数料 5%、信託報酬 1.5%、成功報酬 HWM 15% と手数料がやや高めです。また、1年以内の解約手数料が 5% と、これまた高く、長期に投資する人だけが購入するべきです。ちなみに、解約時の送金手数料として45ドルかかります。これも高いです。(日本の銀行からの海外送金の手数料以上です。)
 テムズリバー社は、
http://www.thamesriver.co.uk/home.htm あるいは
http://www.thamesrivercapital.com/home.htm によると、1998 年設立ということで、まだ若い会社です。しかし、ヨーロッパの投資会社で働いていた人たちが集まって作った会社で、イギリスの登録業者ですし、信頼できる会社だと思われます。
 乙の投資開始は 2005年12月ですから、現在価値としては申込手数料分の減少といった段階であり、まだ実績はわかりません。今後に大いに期待しています。
 7月になって、3月末時点での運用報告書が送られてきました。船便のようで、ずいぶん遅いです。テムズリバー社が運営する8種類のファンドの全部の成績が載っています。その中には、High Income Fund の構成債券銘柄が記載されていました。実に細かく、いろいろな国に分散投資されているようすがわかりました。こんなにも多彩なところに分散投資されているから、少しくらいデフォールトがあっても大丈夫なのでしょう。
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2006年07月21日

浅井隆(2006.7)『小泉首相が死んでも本当のことを言わない理由(下)』第二海援隊

 乙が読んだ本です。
 上巻 http://otsu.seesaa.net/article/12849175.html に続いて、ようやく下巻が出ました。
 200 ページ以上ある本にしては、さっと読めます。それもそのはずで、比較的大きな活字で、1ページが15行、1行が38字で組んであります。しかも、章ごとに1ページとって、章のタイトルだけのページをおきます。記述内容は小さな記事単位に分け、見出しが数ページごとに細かく入っています。そのたびに数行分のスペースがとられます。結果として、目次なんか、それだけで9ページにも及びます。本書には不要な図がたくさんあります。p.15, p.23, p.25, p.37, p.52, pp.54-55, p.67, p.73, p.125, p.129, p.135, p.155, p.159, p.167, pp.170-171, pp.180-181(p.163 と同じ), p.193, p.195, p.197, p.198, p.200 は、カットしてもいいでしょう。特に、p.25 なんかは、書いてあることは「預金封鎖はあるとしても10年以上先」だけですからね。これだけで1ページを使うというのはどういう心境でしょう。乙の印象としては、「無理矢理水増しして何とか1冊分に引き延ばした」といったところでしょうか。
 本書の内容は、国家破綻の可能性を述べ、その対策として海外ファンドを買いなさいということです。1行で紹介が済んでしまいます。
 浅井隆氏の今後の予測ですが、p.83 では、2007年後半から2008年に国家破産現象が出現するといいます。そして、2010-2012 年に国家破産に伴う大不況と混乱が始まるとしています。2025-2030 年には年金も政府もボロボロになるとのことです。今までの何冊かの浅井氏の本よりは、長期の予測をしています。こういう予測は当たらないでしょうね。今までの浅井氏の多数の著書が証明しています。
 ファンドの運用ノウハウとして、浅井氏は p.128 で三つのポイントを挙げていますが、その第2は「コンピュータを使っていること」です。乙は、目を疑いました。出版年代が30年も違っているのかと思ったのです。この書き方では、コンピュータを使っていれば優れたファンドだといわんばかりで、乙は思わず笑ってしまいました。比喩的にいえば、浅井氏の書いたこの本だって、執筆時にコンピュータを(ワープロとして、かつ資料収集のための WWW の検索に)使い、製版時にもコンピュータを(製版システムとして)使い、出版社から流通に流すときにもコンピュータを使って流通管理や精算処理をしているから、きっといい本なんでしょう(笑)。
 海外のファンドに投資するという考え方は、わからないでもありません。乙も自分自身で海外に投資していますから、同様に考える部分はあります。しかし、浅井氏が pp.188-202 で推薦する運用方法(これが本書の結論です)は、資産の大部分を数種類のヘッジファンドに差し向けるという考え方であり、乙は、このやり方はリスクが非常に大きいと思います。
 pp.130-133 では銀行預金よりも安全なファンドがあると述べています。基準の取り方にもよりますが、こう簡単に断言してはいけないのは投資の常識だと思います。
 具体的な運用方法として、p.192 では、余裕資金が400万円から900万円の人は、全額をマン社の 2XL に投入することを勧めています。数千万円の投資を考えている人に対しても、わずか数種類のファンドに集中的に資金を振り向けるように書いてあります。もしも本当にそうしていたら、万が一そのファンドが破綻でもした場合に大損害になります。こういう集中投資がどのように危険かを浅井氏が知らないなら、それはそれで問題ですし、浅井氏が知っていて勧めているなら、なおさら問題です。
 乙も、マン社の AP 2XL に投資していますが、
http://otsu.seesaa.net/article/20801211.html
投資を決断するまでは、いろいろと調べ、考え、比較検討し、迷いました。結果的にこの金融商品を購入したという意味では、浅井氏の本を読んですぐ購入した場合と変わりませんが、乙の(調べ、迷った)経験は有意義だったと思っています。
 こういう本1冊を読んでいきなり数百万円の資金をマン社に送金するような人はいないと思いますが、この本を素直に読むと、そうすることがベストだと読めます。このあたりは、浅井氏がもっとページ数を割いて、きちんと説明するべきところでしょう。それを省略して、海外ファンドの過去のすぐれた実績だけを示して、読者を海外ファンドに安易に勧誘している態度を見ると、他人事ながら(この本の読者のことを)心配してしまいます。
 巻末では、海外投資をするために、おなじみの「自分年金クラブ」や「ロイヤル資産クラブ」への入会を勧誘しています。乙は、すでにブログに書いたように
http://otsu.seesaa.net/article/13495488.html
こういう会費の高いクラブへの勧誘は、問題だと思います。
 乙としては、この本は1400円+税のお金を出すほどの価値はないと思います。


posted by 乙 at 04:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月20日

中古ワンルームマンションが売れる可能性あり?

 http://www.grosscreate.com/download/20060718.pdf によれば、最近、東京・山手線の内側の中古ワンルームマンションが売れているとのことです。
 これを読んで乙は驚きました。
 乙は、自分自身でワンルームマンションを買って、賃貸していますが、まさかこういうのを買おうとする人がいるとは思えなかったのです。乙は、投資先として考えた場合に、基本的にワンルームマンションは失敗だったと思っています。このことは以下に書きました。
http://otsu.seesaa.net/article/14879201.html
 上の記事によれば、購入希望者は女性で、自分が住むための物件を探しているのだそうです。ほほう、そんなに購入希望者が増えているんですか。なるほど、ワンルームマンションは、単身者なら充分住めるようにできていますからね。
 購入希望者が多いのは、1800万円前後で、山手線の内側で地下鉄の駅から5分以内の物件ということですから、乙の所有する物件なら、当てはまります。ただし、今は「ブランド・ワンルームマンション」に人気があるとのことで、乙の所有する物件はこの点は当てはまりません。
 乙は、ワンルームマンションに関しては、ずっと賃貸を続けようと思っていましたが、そんなに値下がりしていない価格が提示されれば、売ってしまいたい気分です。その売却分を別の投資に回して20年運用するほうが、最終的に資産が増えていると予想します。
 ただし、自分が住むという人の希望にかなうためには、賃借人がいる状態ではまずいですね。今の賃借人が出ていった時点で可能になるわけですから、数年先を期待しましょう。
 ともあれ、この話を聞いて、空室リスクがなくなったような気分です。空室になると、家賃が入ってこなくなり、投資としての利回りが低下しますから、賃貸マンションではすぐに次の賃借人を見つける必要があります。しかし、空室のままであれば、むしろ自分が住もうとする人に「売却」できる可能性があるというわけです。有力な選択肢の一つだと思います。
 どこかから「ワンルームマンション売却しませんか」というDMが来ることを期待しつつ待っていましょう。DMを捨てずにとっておいて、賃借人が出た時点でDMの業者に連絡するのがよさそうです。
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2006年07月19日

橘玲(2004.9)『雨の降る日曜は幸福について考えよう』幻冬舎

 乙が読んだ本です。
 帯に書いてある「“黄金の羽根”のエッセンス!!」というコピーが本書の性格を物語っています。
 全体の7割を占める Part 1「幸福の法則」は、もちろん、橘流のおもしろい視点はあちこちにありますが、橘氏の以前の著作と似たようなことが述べられており、あまり新鮮味はありません。
 乙がおもしろいと思ったところをいくつか抜き出しておきましょう。
 p.30 不安が最大の娯楽だということが書いてあります。橘氏は、日本国の経済破綻の類がなぜ騒がれるのか(なぜそういうテーマの本が売れるのか)、この一言で説明してしまいました。
 p.52 では、保険会社、不動産会社などを「不安産業」と呼んでいます。日本の年金問題がいつまでも解決しないことは、不安産業を支援していることになっているという見方が述べられます。おもしろい見方です。
 p.61 では、日本で人間用の病院よりも動物病院が豪華な理由を、自由診療だからだと喝破しています。とてもスジが通った説明です。
 pp.161-163 では、2000年に行われた日経平均銘柄の大幅入れ替えや、2001年の中国B株の中国人への開放をローリスク・ハイリターンの投資機会ととらえています。だからこそ、そういうことを本に書くことはせずに、それを生かした行動に出るというわけです。後から言われれば、なるほどと思いますが、問題は、そういうことに事前に気付いたかどうかです。乙は、そのころは投資などとは無縁の生活をしていましたから、何ともいえませんが、今後、絶好のチャンスがめぐってきたときに、それに気付くかどうかが問われています。ファイナンシャル・リテラシーが試されるわけですね。
 p.192 介護保険は、その仕組み上、必ず破綻すると予言しています。
 p.205 では、障害者を積極的に公務員として雇うべきだという主張が展開されます。これまた一理ある意見です。
 全体として、他の橘氏の著作物を読んでいる人には、物足りない感じがしただろうと思います。Part 1は、2003年に日経新聞日曜版に連載したものが元になっているそうです。たぶん、新聞掲載時に分量の制約があったのでしょうが、本としてまとめて読んでみると、どうも主張が充分展開されないうちに論述が終わってしまうような、やや中途半端な印象を受けました。企画段階から、柳の下の二匹目のドジョウを狙ったものだったのかもしれません。
 乙としては、この本よりは橘氏の他の著作を読むべきだと思います。


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2006年07月18日

Quadriga superfund B

 乙は、Quadriga 社の superfund B も購入しています。
http://www.superfund.com/db/AboutQuadriga.asp?Id=395&sid=835&Menu=1&etr=0
によると、superfund B は、年平均28%のリターンを目指します。
 いずれにせよ、すごいリターンで、目がくらみます。
 しかも、これが単に目論見書に書いてあるだけでなく、過去の実績がすごいのです。
http://www.superfund.com/db/start.asp?InitVal=1&initetr=1&country=RW&lg=EN
 superfund B は、2000.1.4 開始で年平均26.8%の実績です。
 最近は、ちょっと振るわないようですが、過去の実績がこうならば、長期にわたってここに投資しておけば、いつかはこのリターンが達成できる可能性があります。ホントにそうなるかどうかはわかりませんが。
 手数料は非常に高いです。販売手数料は 4.5%で、購入金額に上乗せします。superfund B の場合ならば、最低投資金額は 10,450 米ドルになります。マネージメントフィー3%、アドバイザリーフィー3%、インセンティブフィーが HWM 25〜35%ということですから、今までに見たこともないくらいの手数料の高さです。
 クアドリガ社(現在はスーパーファンド社といったほうがいいでしょう)が運用する資産は2000億円程度と思われます。充分な規模です。この会社も、ヘッジファンド業界では超有名です。何といっても過去の実績がすごいですからね。
 乙は、2005年11月に申し込みましたので、まだ成績云々を言うには早いと思いますが、すでに販売手数料分は取り戻したといったところでしょうか。
 15年先まで、ずっとこのままにしておくべきファンドだと思っています。
 ハイリターンであるファンドは、ハイリスクでもあるわけで、あるとき基準価額が何割も下がるようなことがあるかもしれないし、さらには破綻する可能性だってあります。こういうファンドに集中投資するような愚は避けなければなりません。アセットアロケーションを考えて、ごく一部に組み込む程度にとどめるべきです。
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2006年07月16日

橘玲(2002.12)『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』幻冬舎

 乙が読んだ本です。
 これまたとてもおもしろい本でした。
 ただし、橘氏の他の著作を読んだあとでは、記述の重なりがあるところも目立ちます。そういうところは、スキップして読んでもいいと思います。
 いくつか、おもしろいと思ったところを抜き出しておきます。
 pp.110-116 では、失業保険給付の実態が描かれます。乙にはまったく縁がない世界ですが、いざ、自分が失業する羽目にでもなれば、こういう記述は大いに参考にするべきでしょう。
 pp.156-173 では、法人を作って資産運用をするといいという話が出て来ます。乙は、そこまでやるつもりはありませんが、定年後は、どうせ資産運用が唯一の収入源になるので、会社を作る手もあるなあと思いました。ここに描かれた例は、非常に興味深いものばかりです。
 pp.194-204 は裏金論であり、会社を経営していると、裏金ができていくものだということがわかります。
 pp.205-219 では、税務署の実態が描かれます。裏の事情がわかってみると、「なあんだ」という話がたくさんありますね。
 pp.235-241 は海外投資の税金の話です。特に、p.238 で、オフショア籍のファンドの多くが契約型であり、したがって譲渡益は非課税だと書いてあります。乙はこれを知りませんでした。p.241 にあるように、税務署によっては別の処理がなされる可能性がありますが、こういう考え方は知っておいた方がいいでしょう。
 全体として、とても有益な本でした。日本社会の仕組みをよく知ることは、黄金の羽根を見つけることに等しいということがよくわかりました。
 それにしても、こういう本が書ける橘氏は、すごい人物だと改めて思いました。

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2006年07月15日

Man AP 2XL

 乙が HSBC 香港以外で運用している海外のファンドについても順次記しておきましょう。
 まずは、Man Investments 社の AP 2XL USD-Class C Shares というファンドです。乙は、2005年9月に申し込みました。
 USD-Class C Shares は、米ドル建ての投資で、申込手数料がかからない代わりに、解約すると解約手数料がかかります。乙は、長期投資を考えていますから、当然これを選びました。解約手数料は、2年以内:4%、4年以内:3%、6年以内:1% となっています。
 その他の手数料として、マネージメント・フィーが毎月0.25%、つまり3%/年かかります。また、パフォーマンス・フィーとして、過去の収益を越えた部分について最大20%(月次)が取られます。それに、アドミニストレーション・フィーが 年率0.375%かかりますから、全体として手数料は高いです。
 https://www.maninvestments.com/multimedia/pdf/products/apx_pis.pdf
にあるように、このファンドは年18-20% のリターンを目指します。ボラティリティは 12-14% ということですから、この通りに運用できれば、手数料が高くても、いうことなしです。
 このファンドは、ヘッジファンドの五つのスタイル(アービトラージ、ディレクショナル、イクイティヘッジ、ロング/ショート、マネージド・フューチャーズ)を採用するということです。これらがどういうものであるかは、別途ヘッジファンドに関する本を読まなければなりません。
 このファンドはレバレッジを2倍効かせてあり、各スタイルの採用率は、マネージド・フューチャーズ 90%、ディレクショナル 45%、イクイティヘッジ 30%、アービトラージ 20%、ロング/ショート 15%となっているようです。
 純資産額は、米ドルで 24,459,474 ドルですから、約30億円です。意外と小ぶりです。
 このファンドがスタートしてからまだ1年弱ですが、
https://www.maninvestments.com/products/funds/apx3fund/performance/performance.jhtml
によれば、8% ほどのリターンということです。
 乙は、なぜこのファンドを選んだか。WWW で調べると、マンインベストメンツ社は、この世界では何といっても超有名企業で、長い伝統とすばらしい実績があります。現在、12ヵ国で1100人もの社員を抱えて運営しているということですから、相当な規模です。まずは、「寄らば大樹の陰」ではないでしょうか。乙の安易な考え方がわかってしまいますが。
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2006年07月14日

橘玲+海外投資を楽しむ会(2003.11)『世界に一つしかない「黄金の人生設計」』(講談社+α文庫)講談社

 乙が読んだ本です。
 これまた、目が覚めるような本です。人生を左右するいくつかの問題について、投資の観点から日本社会を眺め、その仕組みを解き明かし、どこに問題があるかを指摘しています。乙は、大変おもしろく読みました。若いときにこういう本を読んでいたら、その後の人生が大きく変わったかもしれません。
 この本は文庫本ということで、たった 800 円で買えますが、非常におトクです。
 末尾には、この本が(1999.11)『ゴミ投資家のための人生設計入門』メディアワークス を再編集したものだと書いてあります。
 第1部は「不動産は人生にとってほんとうに必要か」です。
 pp.34-35 では、不動産を買ってよかったという感想は、支払った代償の大きさが自分の判断を正当化するからだという説明がなされます。自己開発セミナーの料金が高い(100万円!!)のも、そのほうが参加者が満足するからだそうです。すごい説明です。投資関係でも高い会費を取る会員制のクラブがあります
http://otsu.seesaa.net/article/13495488.html
が、それも、同じ考え方で説明できるでしょう。
 p.55 では、住宅ローンがレバレッジを高めているのだという説明がなされます。これまた重要な指摘です。こうして、住宅ローンの意味は完全に解き明かされました。
 pp.86-89 では、戦後の日本で「土地神話」がなぜ成立したのかを説明しています。@地価と株価、A為替、Cインフレ率 の3点で説明すれば完璧です。しかし、p.88 で述べられるように、今はこれが当てはまりません。
 こうして、第1部としては賃貸住宅のすばらしさを説いて終わります。親から独立して、アパートでも借りるころに、あるいは結婚するころに、この本に出会っていれば、人生設計が変わるでしょう。若い人にオススメの章です。
 第2部は「6歳の子どもでもわかる生命保険」です。
 p.187 では、保険会社がいかにボロ儲けをしているかが説明されます。つまり生命保険は高コストということであり、(人生の一時期をのぞいて)入る必要はありません。
 第2部は、生命保険に入ろうとする前に、ぜひ読んでおきたい章です。これまた若い人にオススメの部分です。
 第3部は「ニッポン国の運命」です。年金・健康保険・財政赤字などの話です。
 p.236 では、年金のドンブリ勘定ぶりが描かれます。こうして、なぜ、どんな問題が起こっているか、十分に説明しきっています。
 pp.295-296 では、財政赤字の解決のために、増税とハイパーインフレを考えています。もっとも、ハイパーインフレについては「陰謀論」と呼んでいますので、橘氏等が本当に起こると考えているのかどうかはわかりません。
 pp.299-301 では、個人資産 1200 兆円というのは日本の財政再建には役に立たないという考え方を示します。p.302 では、ニッポンを株式会社としてみる図式が示されており、これまた興味深いものでした。
 第3部の結論は、p.310 にあるように、公的部門を縮小せよということになります。橘氏等の主張は理解できますが、実際、この政策がどれくらい受け入れられるでしょうか。日本(特に政治家や官僚)の現状を見ると、実現はきわめて困難でしょう。ということは、それに対応した生き方を考えなければなりません。この章は、すべての年齢層の人に読んでほしいと思います。
 第4部は「自立した自由な人生に向けて」です。高額な教育費・少子化・PT (Perpetual Traveler) などについて述べられており、乙は同感を持って読みました。p.321- の学校崩壊がなぜ起こるかの説明も納得できます。
 p.334 には、本書で最も重要なことが述べられます。「子どものいる夫婦は家を買ってはいけません。」ずいぶん極端な主張に思われるかもしれませんが、お金の面から考えると当然の結論のように思えます。乙の場合は、子ども2人がいながらマンションを買ったのですが、それは、夫婦共働きだったからです。乙も子育てに積極的に関わり、妻は仕事を継続することができました。住宅ローンを組みましたが、繰上返済を急ぎ、比較的短期間で返済を終えてしまいました。しかし、今から思うと、賃貸の方がよかったかもしれません。居住していたマンションの売却で大きな損失を出してしまったからです。
http://otsu.seesaa.net/article/14879201.html
若い人(これから結婚し子育てをする人)は、賃貸のほうがいいと思います。特に、子供が生まれたときに共働きが続けられないような夫婦は、収入がそれだけ少ないわけですから、賃貸にしなければなりません。そして、家賃を払いながら、ローンを借りたつもりになって、ローンの返済額と家賃の差額分を少しずつでも投資するようにすれば、結果的に現金で家が買えるほどの資産を作ることができます。
 この本は、全体として、日本社会の仕組みを基本から説明してしまったと言えます。乙は、頭の中が整理され、すっきりしたという読後感を持ちました。多くの人にこの本を読んでもらい、価値観を共有したいと思いました。


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2006年07月13日

TOPIX連動型上場投資信託(TOPIX の ETF)

 乙は、橘玲氏の著書
http://otsu.seesaa.net/article/19337369.html
を読んで、日本株の ETF あるいはインデックスファンドを購入しようと思いました。
 どうせなら、幅広い株式をカバーしているということで、日経平均型よりは TOPIX 連動型がいいだろうと思いました。
 それに加えて、日経平均型では、銘柄の入れ替えのたびに若干の損をすると考えられます。このことについては、すでにブログで述べたことがあります。
http://otsu.seesaa.net/article/15981395.html
 ETF とインデックスファンドを比べるときは、次のサイトが参考になります。
http://www.sscom.co.jp/m-plus/2005/databox/d_etf.html
http://www.cmc.ne.jp/qa/pdf/c014.pdf
これらによれば、ETF のほうが手数料が安いので、ベターです。
 ETF の唯一の問題点は、ETF のほうが最低購入金額が高いということです。インデックスファンドは1万円から買えますが、ETF は16万円くらいからです。しかし、16万円くらいはどうということはありません。適切な金額だと思いました。
 さて、イー・トレード証券で探してみると、TOPIX の ETF は3種類が販売されていました。
 その中で、1種類は1000単位での購入で、160万円必要となるので、これははずし、あと二つ(いずれも 100 単位で購入可能)の中から、出来高が多い野村アセット・マネジメントの「TOPIX連動型上場投資信託」にすることにしました。信託報酬は 0.1155% ということで、確かに安いです。
 ちなみに、もう一つの「ダイワ上場投信−トピックス」のほうは、信託報酬が約0.2% とやや高くなります。16万円に対して 0.1% は 160 円ですから、まあ、手数料の差を気にしていてもしようがないように思いますが、それでも「手数料が安い」ということで野村を選ぶべきかもしれません。もしかすると、この差があるから出来高がダイワよりも多いのかもしれません。
 で、6月の株安のときに ETF を買おうと思いましたが、指値のつけ方を間違えて、結局買い場を逃し、7月10日になって、1560 円で買いました。
 せっかく指し値注文できるのですから、現在値から数十円安い値段で買い注文を出して、しばらく待っているのがいいのではないでしょうか。そこまで下がってくれば買えることになりますし、そうでなければ、買い逃すわけですが、そのときは、改めてその段階で指値を考えればいいと思います。乙は実際そうやりました。最初は、1500 円で買い注文を出したのですが、買えずに、1520 円、1560 円と3度目の注文で買うことができました。
 買ったその日から利益が出ています。しかし、デイトレードをするわけではありませんので、こういうことは関係ありません。
 買った以上は、そのまま数ヶ月〜数年以上置いておいて、日本の景気が悪くなる兆候でも出て来たら、株価が下がると考えて売ればいいだろうと思います。個別株と違って、何らかの突発的な出来事による株価の急変動ということはありませんから、ゆったりとした気持で投資できるのが ETF の良さです。本業の仕事を抱えているサラリーマンには、こういう投資が向いているようです。
 今後とも、株価の値下がりがあったら、それに合わせて買い増しを進めるという方針で行こうかと考えています。
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2006年07月12日

橘玲+海外投資を楽しむ会(2004.8)『「黄金の羽根」を手に入れる自由と奴隷の人生設計』(講談社+α文庫)講談社

 乙が読んだ本です。
 まえがきには、「本書の親本は、2001年7月にメディアワークスから刊行された『ゴミ投資家のための人生設計入門[借金編]』であり、その後、前半部分(人生設計編)は『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』、後半部分(ファイナンス編)は『得する生活』へと展開された」とあります。乙が自宅の本棚を見たら『ゴミ投資家のための人生設計入門[借金編]』もありましたが、これは読む必要がないということです。(1600 円もしたのに。)前著は横書きだったので、そちらのほうが読みやすかったのですが。
 内容は、人生設計編とファイナンス編に分かれ、それぞれに充実した記述がなされています。
 pp.14-34 では、サラリーマンは給与所得控除があるから恵まれているということと日本の税金が安いことを述べます。日本の税金が安いというのは乙には意外な事実でした。
 pp.35-55 では、サラリーマンが年金と健康保険で略奪されていることを述べ、サラリーマンが個人で法人化すれば自営業者の節税策をサラリーマンも利用できると説いています。日本の今の制度を巧みに利用したおもしろい議論です。しかし、個人の力ではなかなかこうはできないでしょうね。
 pp.56-67 では、国民年金や健康保険を廃止し、所得税は憲法違反だからやめようと主張します。その上で、郵便事業も、郵便貯金も、年金も、医療保険も、公立学校も、治安維持も、公共事業も、全部民営化できるといいます。いわゆる小さな政府論ですが、これで税金が安くなれば、それはそれで日本が住みやすい国になりそうです。(現状では、反対勢力が強すぎて、実現はほぼ不可能でしょうが。)
 pp.68-80 では、お金持ちになる方法を説明しています。支出を減らせばいいのですが、それに関連して、パラサイトシングルがいかに恵まれているかを明確に論じています。確かにそうですよね。
 pp.81-118 では、人生における大きな買いものとして、教育(子育て)と不動産(住宅)と生命保険が語られます。ついでにクルマの購入やリースの話も出て来ます。ワンルームマンションの話もあります。みんなうなずける議論です。
 pp.118-139 は、インフレとデフレの話で、特にインフレ対策が重要です。
 pp.139-155 では、経済的な独立を議論します。一生暮らしていくためには1億円あればいいという話です。これに合わせて、脱サラして農業をはじめる場合や、PT として海外で暮らす場合などもお金の面から考えています。
 これらの議論はいずれもおもしろく、説得力があると思います。乙は、この本を読んで、自分の人生設計を見直そうと思いました。でも、やっぱりやめました。今のサラリーマン生活でも、それなりにうまく動いていますし、新しいことをはじめるには、それなりの努力と実行力が必要です。若いころならまだしも、最近はこのような新しい努力は乙にはきついと感じるようになってきました。
 p.158 からはファイナンス編ということで、借金の話になります。融資と借金は同じことを別の面から見ているわけですから、投資を考える上では、借金の話も重要です。本書では、各種レンタル業と金融業を同列に並べて論じるなど、これまたユニークな議論が展開されます。
 pp.226-229 では、債権回収の汚い話が展開されますが、いずれも乙が知らなかった話で、大変おもしろかったです。
 p.243 では、なぜプロのトレーダーが金融先物や商品先物でプレイしているかが説明されます。p.239 の表にあるように、金利がゼロでお金が用意でき、高いレバレッジがかけられるからなんですね。納得しました。
 p.260 からは、国の教育ローンが金利が安いので、200万円を借りて、投資に回したらいいという話が出て来ます。これを知っても(大学生の子供がいる乙として考えましたが)、理屈としてはそうなのですが、たった200万円のために、そこまでやるかといった気持です。利回り7%で4年運用すれば(複利計算で)80万円ほどのリターンが得られます。そうはいっても、たった80万円です。他人に頭を下げて(いわれるがままに書類を用意して)200万円しか工面できないのでは、あまり意味がなさそうです。「あの人は200万円が払えなくて借金している」と見られているだけで、プライドが傷つく気分です。このようなことを考える人間では、正しい人生設計はできないのでしょう。わかっちゃいるけど……という感じです。
 ファイナンス編では、とにかく、今の日本の諸制度を徹底的に見直し、その中でどのようにして人生設計をし、借金をするかを議論しています。何といっても、ここまで書くことができる橘玲氏および海外投資を楽しむ会には脱帽するしかありません。
 そんなわけで、全体として大変わかりやすく、オススメの1冊といえるでしょう。


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2006年07月11日

世界の株に投資するファンド

 乙は、HSBC 香港で 2006年3月に世界の各国の株に投資するファンドを5種類購入しました。
MLIIF US Opportunities Fund (Class A2)
http://www.hsbc.com.hk/data/hk/personal/invest/unit/pdf/ut_fs_61093_en.pdf
 投資対象は、7割がアメリカの小型株です。申込手数料 5%、信託報酬 1.5%、純資産 US$143m です。2003年くらいからはいい成績を上げています。
HSBC Korean Equity Fund
http://www.hsbc.com.hk/data/hk/personal/invest/unit/pdf/ut_fs_61639_en.pdf
 投資対象は韓国株です。申込手数料 5.25%、信託報酬 1.5%、純資産 US$81m ですが、2005年9月開始で実績がありません。
HSBC Singapore Equity Fund (Class PD)
http://www.hsbc.com.hk/data/hk/personal/invest/unit/pdf/ut_fs_40119_en.pdf
 投資対象はシンガポール株です。申込手数料 5.25%、信託報酬 1%、純資産 US$21m です。2003 年からよい成績を上げています。
HSBC Hong Kong Equity Fund (Class PD)
http://www.hsbc.com.hk/data/hk/personal/invest/unit/pdf/ut_fs_40098_en.pdf
 投資対象は香港株です。申込手数料 5.25%、信託報酬 1%、純資産 US$177m です。2000-2002 は毎年2割のマイナスでしたが、2003 年からは調子がいいようです。
HSBC GIF - Thai Equity (Class AD)
http://www.hsbc.com.hk/data/hk/personal/invest/unit/pdf/ut_fs_43442_en.pdf
 投資対象はタイ株です。申込手数料 5.25%、信託報酬 1%、純資産 US$209m です。2000 年は -52.7%、2003 年は 170.8% と変動がきわめて大きく、2004-5 年の実績は振るわないようです。

 これらの五つのファンドは、実をいうと、最低投資金額(US$1000)だけ購入してみたものです。いざ暴落したら、0になってもいいような金額ということです。投資対象を個別の国の株にしたのは、それぞれの国の動きに敏感になりたい(勉強したい)というつもりがあってのことです。(アメリカ小型株以外は)いずれも成長著しいところですから、今から5年はほうっておくつもりでいます。申込手数料 5% は、乙の基準では5年間継続するべきだという意味です。
 5000 米ドルをアジア株全体をカバーするファンドに投資することと、五つのファンドに 1000 米ドルずつ投資することは、それぞれに意味があると思います。前者は、ファンド会社の判断でどこかの株式市場から撤退することが可能です。経済的な異変が起きたときなどは、運用会社の判断によるダイナミックな運用を期待したいところです。
 後者は、特定の国の株に投資しますから、そこの経済状況が悪くなって逃げ出すときには、ファンドを解約することになりますが、それは投資家の判断で行うことになります。その意味で、投資家もたえず投資先の状況に注意を払っている必要があります。乙は、これが「勉強」だと思うのです。ちょっと大変ですが、個別の株の銘柄を研究するよりははるかに楽です。
 たとえば、タイの情勢についていえば、
http://ml.investor.reuters.co.jp/editorial/EditorialContent.asp?edid=120060323
のような記事を読むと、タイの政情不安に関するレポートがあり、タイ株への投資は危ないかななどと思いますよね。これが大事で、ホントにタイ株が危ないかどうかよりも、そういうことに関心を持つことが重要かと思います。こんなことに気をつけながら生活していると、自分の金が世界中に回っている気がして、何となく優越感が味わえます。(ごくわずかの金額なんですけれど。)
 世界の株に分散投資するようなファンドだったら、ある程度の金額を集中して投資してもいいかもしれません。一方、個別の国の株に投資するファンドだったら、一つのファンドに対する投資金額はなるべく少額にして、投資先を分散する(多種類のファンドを買う)ほうがいいでしょう。それがリスクを小さくするコツです。
 そんなことを考えて、乙は、両方の戦略を採用することにしました。(両方のタイプのファンドを購入するということです。)
 これらのファンドは、いずれも5月から6月にかけて厳しい値下がりに見舞われましたが、その後はある程度回復しています。現在価額は次の通りです。
MLIIF US Opportunities Fund $915
HSBC Korean Equity Fund $962
HSBC Singapore Equity Fund $937
HSBC Hong Kong Equity Fund $993
HSBC GIF - Thai Equity $880
 いずれもマイナスですが、乙は、今後を楽しみにして、長期保有するつもりです。
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2006年07月10日

澤上篤人(2004.7)『新版 あなたも「長期投資家」になろう』実業之日本社

 乙が読んだ本です。
 例によって、澤上流の主張が一貫して語られますが、この本では、かなり具体的に長期投資家になるための方法論(つまりは長期投資家の考え方)が説かれています。
 株の売買に関して、いくつもおもしろいことが語られます。
 p.94 では、アセット・アロケーションをダイナミックに変えていくべきだという話が登場します。乙も同感です。この点では、乙は固定的なアセット・アロケーションを説く投資本にはむしろ反発を覚えます。一見、株(それも日本株)ばかりを扱っているように見える澤上氏ですが、それは、今の状況が日本株に向いていると判断してのことでしょう。澤上氏がこういう判断をしていることを大変おもしろく思いました。
 pp.128-133 では、株価の底と天井はなかなかあてられないということが書いてあります。乙も、わずかばかりの株取引の経験から、底で買って天井で売るという話は簡単でも、実際はなかなかそうはできないことを痛感していました。株のプロである澤上氏もそう言っているのですから、「底」と「天井」を目指すのではなく、「底付近」と「天井付近」を狙うようにしましょう。とはいえ、実際はそれすらむずかしいのですが。
 pp.134-142 では、日本株の投資家は順張り主義が多いということが述べられます。長期投資家とはずいぶん観点が違います。しかし、事実は事実ですから、そういう日本株の動きを前提にして、うまく立ち回るようにしなければなりません。このあたり、乙ももう少し研究してみたいと思います。
 p.141 には、個人投資家の場合、自分の好きな5〜10銘柄に限って暴落時に買うというパターンを採用してみるのもよいといっています。確かにそうでしょう。しかし、本業の仕事を持っている人間の場合、自分が保有しない個別株の暴落を察知するのもなかなか面倒なものです。たえず株価に注意を払っていくにはどうしたらいいのでしょうか。乙は、仮に、5〜10銘柄の最低売買単位だけ株を買っておく手がありそうに思います。自分が株を保有していれば、その分の株価の変動は、比較的わかりやすいです。たとえば、イートレード証券ならば、自分の保有する株価はいつでも一覧できますし、チャートへのアクセスも簡単です。株価の動きを追いかけつつ、下がったところで追加買いをし、上がったところで最低売買単位を残して売るというようなやり方はどうでしょうか。
 p.157 から株購入の対象銘柄を探る話が出て来ます。ここで、経済全体の流れを読むのが5割、ビジネス環境のチェックが3割、そして、その企業の分析が2割だと説かれます。この話も興味深いものです。株価は、単に個別企業の成績だけでは決まらないことは、乙も経験的に感じていました。銘柄リサーチに関する澤上氏の主観的な配分比は、なるほどと思わせられます。
 p.198 から「ハイテク株は儲からない」という話になります。なぜそうなのかは本書を読んでください。乙は澤上氏の説明に納得しました。
 さて、最後まで読んだ後で、ふと疑問に思いました。この本を読んで実践すれば、「長期投資家」になれるでしょうか。残念ながら、乙の場合はなれそうにありません。個別銘柄の選択にしても、かなり手間がかかりそうです。能力的に不可能だとは思いませんが、時間的に厳しいです。
 ということで、乙がこの本を読んで思ったことは、二つあります。
 一つは、自分で長期投資するのはむずかしそうだから、代理人に頼もうということです。つまり、さわかみファンド
http://otsu.seesaa.net/article/14016027.html
に投資すればいいということです。
 もう一つは、勉強すればするほど、株取引の難しさがわかってきたということです。そう簡単に儲かる手段なんてありません。ということで、個別銘柄について勉強しないで済むインデックスファンドあるいは ETF で運用する方がはるかに楽だということです。

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2006年07月09日

Lyxor Asset Management ----- Reverso USD Guaranteed Fund

 乙は、HSBC 香港で 2005 年7月に元本確保型のファンドに申し込みました。
 Lyxor Asset Management 社が運用する Reverso USD Guaranteed Fund というものです。
http://www.hsbc.com.hk/data/hk/personal/invest/unit/pdf/ut_fs_61623_en.pdf
 ファンド会社が説明している資料が以下にあります。
http://www.sgcib.com/net/sdp/sdp.nsf/2A40D9B17A686ED8C12570290031933F/$file/Reverso_22Jun05_Eng.pdf
 元本確保の仕組みはいろいろあるようですが、どんな仕組みにせよ、元本を確保すれば、それだけローリスクになりますが、同時に低いリターンしか望めません。だから、元本を確保しながらハイリターンであるわけはないのです。日本人向けでは、なぜ元本確保型がはやるのでしょうか。やっぱり、金融商品が元本割れして虎の子のお金を失うのが恐いからなんでしょうか。乙は、ハイリスク・ハイリターンのものを複数購入(分散投資)する方がずっとおもしろいと思います。
 とはいいながら、実は、乙も元本確保型のファンドを一つ買ってしまったのでした。それがこのファンドです。金融商品が(購入当時)よくわかっていなかったというべきでしょう。今なら買わないと思います。
 純資産は US$ 55m とかなり小ぶりです。申込手数料は 0%、信託報酬は 0.1%、解約手数料は 3.6% かかります。2009年7月償還予定です。解約手数料は、投資開始の時点で引かれてしまい、償還時にはその分が戻されることになっています。したがって、運用成績はマイナス 3.6% で始まりますので、いつも成績が悪い感じに見えます。
 このファンドは、購入後6ヶ月で 4% の利息、1年後にも 4% の利息が付きます。確かに、乙にも2006年2月に 4% 相当分が振り込まれました。しかし、その分、ファンドの基準価額が下がり、いわば元本が取り崩されていることと同じであり、何もいいことはありません。
 このファンドは世界の株で運用するのですが、実際はアメリカ4割、ヨーロッパ4割、日本2割という配分です。上記資料を見ると保有する株15銘柄が並んでいます。
 購入時のパンフレットによると、株価が下落しても上昇しても基準価額が上がるような仕組みになっているとのことです。きっとデリバティブなどを活用しているのでしょう。このあたりの仕組みをきちんと確かめずに購入するとは、投資家としてかなり甘いです。それを確認しておけば、逆に、利益が出ない場合がどれくらいあるかを考えることができたはずです。今は反省しています。
 で、運用状況ですが、基準価額は元本割れがずっと続いています。2005年8月からスタートして、6月末で(4%の利息分を含めても)マイナス 3.4% という結果です。ちょうど解約手数料分の値下がりに該当します。何のことはない。投資家側から見ると、現金をそのまま持っていたことと同じことです。ファンド会社としては、この間、資金を運用できたので、儲かっていることでしょう。直接の手数料(信託報酬)は安くても、その周辺に儲けのタネはたくさん転がっていますからね。
 早く解約するとペナルティ=解約手数料(3.6%)を取られますので、解約しようにも解約しにくい感じです。
 4年経って(あと3年ですが)、満期になって、元本が確保されたら、少なくとも 8% 分の利息は付いているのですから、4年に渡る運用期間を考えれば、年 2% のリターンがあったと考えていいのではないでしょうか。つまり、このファンドは4年間じっとしているのが最適という形です。乙が目標とする年 7% にはほど遠いという点で、大いに不満ですが、ま、中にはこういうのがあってもいいでしょう。
 いい勉強になりました。
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2006年07月08日

龍崎翔(2004.11)『株の「パターン買い」ですぐに儲かる本』ダイヤモンド社

 乙が、本棚の整理をしていて、見つけた本です。そういえば、2005年のはじめころにこんな本を買って読んでいたことを思い出しました。
 この本の趣旨は簡単です。株価には、上がったり下がったりするパターンがあるから、それにしたがって、下がったときに株を買い、上がったところでそれを売れば、簡単に儲かるということです。
 全5章のうちの第2章「これはオススメ! 「パターン買い」銘柄 55」が本の大半を占め、そこで、個別の銘柄を挙げてこういう株をこういう値段で買い、こういう値段で売ればいいと書いてあります。
 今や、出版後1年半以上がすぎ、充分検証ができるようになりました。さっそくそれぞれの株価の推移を見てみましょう。仮に 2004年12月にこの本を買ったとして、それにしたがって株の売買をしたとしてみましょう。(ネットで適当な株価のグラフを見ながら、以下をお読みください。)
 2108 日本甜菜精糖 160 円で買って 210 円で売る
  結果×:160 円に下がることはなかった。
 2109 新三井製糖 180 円で買って 260 円で売る
  結果×:180 円に下がることはなかった。
 2533 オエノンH 200 円で買って 330 円で売る
  結果×:200 円に下がることはなかった。
 2694 平禄(現在はジー・テイスト) 500 円で買って 550 円で売る
  (2005.11 1→2に株式分割)
  結果×:500 円に下がることはなかった。
   2005年8月までは鳴かず飛ばずであり、その後、2倍程度に急騰した。
 2801 キッコーマン 700 円で買って 900 円で売る
  結果×:700 円に下がることはなかった。
 2802 味の素 1100 円で買って 1400 円で売る
  結果○:2005年8月1日に 1100 円を割り、2006年4月に1400 円を越えた
 2873 加ト吉 1500 円で買って 2700 円で売る(2005.5 1→3に株式分割)
  結果×:1500 円(分割後 500 円)に下がることはなかった。
 2897 日清食品 2200 円で買って 3000 円で売る
  結果×:2200 円に下がることはなかった。
 3404 三菱レイヨン 270 円で買って 300 円で売る
  結果×:270 円に下がることはなかった。
 3861 王子製紙 500 円で買って 700 円で売る
  結果×:500 円に下がることはなかった。
 3864 三菱製紙 100 円で買って 200 円で売る
  結果×:100 円に下がることはなかった。
 4010 三菱化学 (データなし)
  2005年10月、三菱ケミカルホールディングスに統合される
 4062 イビデン 1300 円で買って 2300 円で売る
  結果×:1300 円に下がることはなかった。
 4063 信越化学工業 3500 円で押し目買い
  結果×:3500 円に下がることはなかった。

 もう、疲れたので、やめます。本書中に掲載された全銘柄55のうち、はじめの 1/4 程度を見ただけです。しかし、結論は出ました。龍崎氏の主張するパターン買いは、まったく成績を残せませんでした。龍崎氏が自分の書いた本に従って株の売買をしていたら、まったく儲けられなかったはずです。パターン買いの考え方は、実際のデータに当てはめてみると、全然あてはまらないことが明らかになりました。
 なぜ、パターン買いはあたらないのか。
 基本的に、パターン買いはチャートによる手法であり、テクニカル分析の1種と考えられます。そして、テクニカル分析は、基本的に、いい成績が残せません。したがって、はじめからこの種の著書は検討する必要もありません。(しかし、乙は、そういうこともわからずに、2005年のはじめころにこんな本を買って読んでいたのでした。)
 ま、しかし、そう言ってしまっては身も蓋もないので、龍崎氏がどういうところで間違えたのか、そこを考えてみましょう。
 一番大きな問題は、過去の株価の変動は未来を予測させるものではないということです。パターン買いは、過去十数年の株価の変動を見て、上がったり下がったりする株を発見することが必要です。ということは、日本の株価が行きつ戻りつしているときには、もしかすると、このパターン買いに当てはまる銘柄を探すことができるかもしれませんが、そうでないときは、この考え方はまったくダメになってしまいます。結果的とはいえ、2005年の後半には日本株の株価が大幅に上昇しました。この時点でパターン買いの前提が崩れてしまったのです。
 次に、龍崎氏が推薦する個別銘柄の買値(これから買うべき価格)と売値(買ったものを売るべき価格)が、上の一覧表でもわかるように、あまり開いていません。株価の上下のパターンがあるといっても、ごくわずかの差しかありません。しかし、株価はもともと上下が激しいものであり、その中では、このような1割くらいの株価の変動は偶然でいくらでも起こりうるのです。つまり、偶然起こった株価の上下の変動の中に龍崎氏は規則的なパターンを見つけてしまったのです。
 また、龍崎氏のいうパターン買いは、ごくわずかのリターンを狙う形になっています。上に示した買値と売値の差(利幅)を見てください。利幅が小さい銘柄が多いです。時期を選べば、個別銘柄の株価が2倍〜3倍になってもふしぎはないわけですが、そういう流れを考えず、小幅な儲けを狙おうとしたところにそもそも基本的な方針の誤りがあったといえるでしょう。こう考えると、パターン買いは、デイトレードと同様の手法と言えると思います。
 龍崎氏は、日本株の大きな方向性を考えることなく、十数年続いてきたことが今後も続くはずだという前提で株価データを見ていったのでしょう。ここがそもそもの間違いでした。2005年(以降)は、それまでの「パターン」とはまったく違った株価パターンを描いたのです。パターン買いは、そのような株価の特性を無視して提案されたものです。大局的に見れば、こういう考え方が有効であるわけがありません。
 そもそも、パターンがあるはずだという思いこみを持って株価のデータを見ていけば、多数の銘柄を調べるうちにそれらしきものが見えると思います。この本に掲載された株価のチャートを見ると、買う時期と売る時期に○が付いています。しかし、それは、株価の変動が終わった後に振り返って考えればそうなるということであって、変化のまっただ中にいるときに、売買の判断がチャートでできるとは思えません。
 火星に運河はありませんが、地上からの望遠鏡で火星の観察を続けていたローウェルは、火星の表面に規則的なパターンを「発見」し、それを「運河」と呼びました。乙が思うに、龍崎氏も、同様の経験をしたのでしょう。本来、株価の変動にはパターンなんてあるわけないのに、それを「発見」してしまったのです。しかも、全部の株価データを見る必要はなく、それが当てはまる(ように見える)ごく一部の株(数千社中の数十社)だけ抽出できれば、そのパターンは強固なものとして描き出せます。あとは、なぜそのようなパターンがあるかをもっともらしく説明すれば一丁上がりです。
 今でも、数千社の株価データを丹念に見ていって、パターン買いのための株を選定すれば、それはそれでできるでしょう。銘柄は龍崎氏の挙げたものとまったく別でしょうが、ある条件に当てはまる株は、確かに存在するのです。それだけを見ていて、今後もそのパターンが続くのだと推測すれば、同様の趣旨の本が1冊書けます。でも、それってウソです。今後の株価の変動(パターン)をあてることは誰にもできません。
 乙が推測するに、龍崎氏は直観的に(あるいは何らかの理由で)「パターン買い」が有効だと思い至り、数千社の株価のチャートの中からそれを立証するために都合のいいチャートを選んでいったのです。
 巻末の経歴を見ると、龍崎氏は外資系を数社渡り歩き、株式のディーラーやエクイティ・デリバティブ・セールスなどを経験したとのことです。龍崎氏は明らかに株式のプロです。プロといえどもこの程度のことしか考えていないということを知り、乙は嘆かわしく思いました。
 乙は、昔の(といってもそんなに古くはありませんが)本を本棚から引っ張り出して読むのが好きです。この本も、大変いい勉強になりました。


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2006年07月07日

JF Eastern Smaller Companies

 乙は、HSBC 香港で、アジア株にも投資しています。2005年7月に JF Eastern Smaller Companies というファンドを買いました。
 http://www.hsbc.com.hk/data/hk/personal/invest/unit/pdf/ut_fs_74349_en.pdf にもあるように、このファンドは、香港 23.7%、韓国 17.2%、シンガポール 14.3%、タイ 12.4%、台湾 8.7% など、アジア各国に幅広く投資しています。
 申込手数料は 5.0%、信託報酬 1.5%、解約手数料 0.5% ということで、手数料はまあこんなものでしょう。
 US$ 282m という運用額ですから、金額も充分です。
 2006年4月には2割増までいったのですが、その後の世界的な株安の影響で、基準価額を大きく下げ、今は振り出しに戻ってしまいました。ということは、手数料分上がったとも言えるわけですが。
 東洋の中小企業に投資するというスタイルは、いかにもハイリスク・ハイリターンです。しかし、資産運用の選択肢の中にはこういうのがあってもいいのではないでしょうか。
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2006年07月06日

木戸次郎氏の株価予測の信頼性

 乙は、木戸次郎(2005.7)『世界の成功者に学ぶ投資の極意』SPICE について、すでにブログに書きました
http://otsu.seesaa.net/article/13948002.html
が、その時点では、十分書けなかったことがあります。
 この本で木戸氏は推薦株6銘柄を挙げているのですが、それが実際どうなったかを検証するには、ブログに書いた時点では時間が短すぎたのです。現在は、この本の刊行後1年経ったので、その検証ができる状態になりました。
 株式評論家を名乗る(本の表紙にそう書いてあります)木戸次郎氏の株価予測は、どれくらい信頼できるものでしょうか。
 p.25 では、「私は、2005年、日経平均2万円ということにずっとこだわりを持ってきて唱えてきた」と書いてあります。以前から木戸氏はこう唱えていたのですね。結果は、2006年の今から見れば明らかです。木戸氏の予想は外れました。これについては、木戸氏は p.37 でお詫びしていますが、ここでも2006年には日経平均が2万円になるという予想を(改めて)しています。これについては、2006年末まで待ってみなければ何ともいえませんが、乙の予想では2万円にはならないでしょう。(実は、なってくれれば、ありがたいのですが。)
 さて、この本の p.64 から推奨株が6銘柄出てきます。帯にも「倍増必至! 目から“ウロコ”の6銘柄」という宣伝文句がでかでかと書いてあります。これに引かれて本書を買った人もいたことでしょう。
 本書執筆時の2005年5月(この時期については、p.73 に書かれています)を基準として、それぞれの銘柄の株価がどうなったかを検証してみましょう。(ネットで適当な株価のグラフを見ながら以下をお読みください。)

 推薦株@ 9435 光通信
 2005.5当時の株価=6,600 円
 木戸氏の予想:「1年後には1万円を軽く超している」(p.68)
 実際:2005.12.21 に最高値 11,900 円を付けるが、その後大幅に下落し、2006.7現在 約 6000 円。

 推薦株A 6784 プラネックスコミュニケーションズ
 2005.5当時の株価=16万円
 木戸氏の予想:「私が絶対的な自信を持って注目している銘柄」(p.69)「2006年以降は新興市場の銘柄というのは間違いなく二極化が進み【中略】プラネックスコミュニケーションズこそ私の考える勝ち組候補株なのである。」(p.72)
 実際:2005.7.23 に最高値 233,000 円、2005.11.25 に 232,000 円を付けるが、その後大幅に下落し、2006.6.2 に最安値 26,500 円を記録し、2006.7現在4万円程度。

 推薦株B 4813 ACCESS
 2005.5当時の株価=200万円(その後、2006年2月に 1→3 に株式分割)
 木戸氏の予想:「株価目標は1年以内に300万円を超すと自信を持ってお伝えしておこう。」(p.76)
 実際:2006.4.13 に最高値 118 万円を記録(株式分割後なので、以前の354万円に相当)、その後、下がり、2006.7現在は83万円前後。

 推薦株C 8088 岩谷産業
 2005.5当時の株価=290 円
 木戸氏の予想:「1年後には500円を目指すこととなるであろう」(p.83)
 実際:2006.1.11 に最高値 502 円を記録するが、その後下がり、2006.7現在は 380 円程度。

 推薦株D 6466 トウアバルブグループ
 2005.5当時の株価=(激しく上下していた時期だが)約30万円
 木戸氏の予想:「目標はずばり60万円としておこう。」(p.85)
 実際:2006.1.10 に最高値 35 万円を記録、その後下がり続け、2006.6.8 には185,000 まで下がる。その後上昇し、2006.7現在 25 万円。

 推薦株E 1723 日本電技
 2005.5当時の株価=720 円
 木戸氏の予想:「今後の目標は1年間の長期投資でズバリ1500円を目指すと見ている。」(p.86)
 実際:2005.10.24 に最高値 1155 円を記録、その後下がり続け、2006.7現在 830 円。

 さて、どうでしょうか。木戸氏の予想がかろうじてあたったといえるのはBの ACCESS だけです。
 @の光通信とCの岩谷産業は、最高値を見ればあたっているように見えますが、実際上、株を最高値で売り抜けるのは至難の業ですし、木戸氏が「1年後には〜」といっている以上、最高値を記録した時点で売るよりは、さらに上昇すると予想して保有し続けるのが普通だろうと思います。結果的に株価の下落に見舞われたはずです。仮に「最高値から1割下がったところで売る」というような戦略を採用していれば、何とか成績を残すことができたかもしれません。
 ところで、2005年5月を基準に考えると、その後、(結果論ではありますが)年末にかけて日本の株価は全体的に上昇しました。そのことを考慮すると、木戸氏の予想は(出版後1年程度で上がる株を予想しているわけですが)あたって当たり前ではないでしょうか。こんなにもはずしてしまったにも関わらず、株式評論家を名乗っていていいのでしょうか。乙だったら、恥ずかしくて、世間に顔向けできず、とうてい「株式評論家」とは名乗れない気分です。
 上に記したように、各銘柄が最高値を記録した時期は、だいたい平均株価が急上昇した時期です。つまり木戸氏の予想が、一見あたっているように見えるところでも、単に連れ高しているだけと見ることができます。本書では、この6銘柄がなぜ推薦できるのか、延々と理由を述べていますが、結果的にそれらの記述はほとんど無関係だったと言えます。
 すでに、橘玲氏が喝破したように
http://otsu.seesaa.net/article/19337369.html
株式評論家のいうことはまったくあてにできないということですが、乙が検証してみても、それを裏付ける結果になりました。
 木戸氏は、本書の p.25 で「もし、あなたが本書に巡りあうのが1年遅かったら必ず後悔するということを断言しておきたい。」と述べています。乙は、出版後約1年たってから再度読み返しましたが、後悔どころか、1年遅くてたいへんすばらしい経験をしたといえるでしょう。木戸氏の言説の信頼性が低いことがとてもよくわかったからです。


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2006年07月05日

ブラジル株と中国株

 乙の BRICs 投資については、このブログですでに述べたように、BRICs の4ヵ国に投資するファンドと、インド株・ロシア株に投資するファンドを購入しました。
http://otsu.seesaa.net/article/19997784.html
http://otsu.seesaa.net/article/20082261.html
http://otsu.seesaa.net/article/20188792.html
 乙の場合は、別途、(日本で)中国株の現物に投資しています。
http://otsu.seesaa.net/article/16667817.html
それにファンドも購入しています。
http://otsu.seesaa.net/article/16709943.html
つまり、アセットアロケーションの中で中国株が占める割合が大きいのです。そこで、HSBC 香港では中国株ファンドを購入しようとは思いませんでした。
 残るは、ブラジル株です。
 ブラジル株については、なかなかいい投資信託が探せませんでしたが、HSBC 香港の扱うファンドを探すと、Merrill Lynch Latin American Fund というのがそれに該当することがわかりました。これまたわかりにくい名前でした。
 http://www.hsbc.com.hk/data/hk/personal/invest/unit/pdf/ut_fs_42858_en.pdf によれば、ブラジル61%、メキシコ28%などを含むファンドです。申込手数料 5%、信託報酬 1.75% ということで、やや手数料が高いです。純資産額は2006年4月段階で US$3592m ということです。純資産額は、最近急増しています。(乙が購入を決めた)2006年3月段階では US$2034m でした。(基準の日付は1月か2月だったかもしれません。控えておかなかったもので……。)
 乙は、2006年3月に HSBC 香港で購入しましたが、その後、世界的な株安に見舞われ、現在は、18% ほどのマイナスになっています。しかし、乙はあまり気にしていません。5年先を見ることにしていますから。
 なお、上述の URL で見ることができるこのファンドのパンフレット(fs=Fact Sheet)ですが、4月末の状態のまま、更新されていません。その後の株価の下落があったので、カッコワルイとか考えているのでしょうか。しかし、毎月末を基準として定期的に更新してほしいと思います。いいも悪いも、全部の情報を公開する姿勢が大事であることはいうまでもありません。
http://www.mliminternational.com/shared/pdfs/mliif/mliif-latam-fs-uk.pdf
を見れば、5月末での運用成績を見ることができます。
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2006年07月04日

太田晴雄(1998.1)『預金封鎖』オーエス出版

 乙が読んだ本です。
 副島隆彦(2004.9)『老人税----国は「相続」と「貯蓄」で毟り取る』祥伝社
http://otsu.seesaa.net/article/20136536.html
を読んだあと、国会図書館の蔵書検索をして気になっていたのですが、何と、この本そのものを近くの古本屋で発見!! たった 300 円で買うことができました。まったく偶然でした。
 さっそく読んでみましたが、内容は、題名から想像できるとおりでした。以下に目次を示します。

 第1章 円が紙くずになる日
  200X年 預金封鎖
  限界を超えた日本の財政
  経済政策はなぜ功を奏しないか
  ビッグバンは邦銀の死を早める劇薬
  政府が個人資産を狙う
 第2章 預金封鎖の時代
  歴史は繰り返す
  昭和2年「モラトリアム発令」
  昭和21年「預金封鎖」
  預金封鎖そして新円発行
  資産の捕捉から没収へ
  あの時代、うまくやった人、うまくやれなかった人
  海外でも預金封鎖は珍しくない
 第3章 200X年恐怖のシナリオ
  預金封鎖、今度はこうなる
  国民データの収集を強化しはじめたら気をつけろ
  デノミそして新税登場
  混乱に乗ずるチャンスの生かし方
  その時あなたはどうする
  官僚の行動パターンを読んで行動しろ
 第4章 資産を外国に一時疎開させよ
  カントリーリスクがいっぱいのニッポン
  資産防衛はスイスの「民間防衛」を参考にしろ
  疎開先はやはり国外
  万全を期すならばプライベートバンク
  外国に行って口座を作ろう
 第5章 ドルで持つか円で持つかが貧富の分かれ道
  円で預金した人とドルで預金した人の大きな差
  海外金融商品はこうして選べ
  資産疎開を阻む税法の高い壁
 第6章 自己責任の原則はあなたを賢くする
  勝ち組と負け組の境はコネにある
  価値ある情報とは
  資産家になりたい人の行動原則

 書いてあることは、副島氏の本を読んだ後では、特に目新しいことではないと思います。しかし、この本の出版のほうが副島氏の著作よりもはるかに先なんです。1997年の時点で危機を指摘していたというのは、浅井隆氏の一連の著作とつながる考え方です。
 pp.171-172 では、理想的なポートフォリオについて述べていますが、資産を 1000 万円から5億円までに分けて書いてあります。プライベートバンクが登場するのは1億円以上のところです。このことから、対象読者として数億円の資産がある人を念頭においているような気がします。
 乙は、この本を一読して、ますます副島氏がこの本の真似本を書いたような気がしてきました。乙は、そのこと自体が悪いと言っているわけではありません。副島氏が他者に「自分のマネをするな」と言っていることに対して、その言い方はまずいと言っているだけです。


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2006年07月03日

MLIIF Emerging Europe Fund (Class A2 - USD)

 乙は、HSBC 香港で MLIIF Emerging Europe Fund (Class A2 - USD) にも投資しています。MLIIF というのは、メリル・リンチのファンドということです。
 http://www.hsbc.com.hk/data/hk/personal/invest/unit/pdf/ut_fs_61077_en.pdf にもあるように、このファンドは、実はロシア株が中心です。名前だけではわかりにくいですね。投資先の国は、ロシア51%、トルコ14%、ハンガリー9%、ポーランド8% などです。
 手数料は、申込手数料 5%、信託報酬 1.5% で、HSBC 香港としては、まあこんなものでしょう。このファンドは2006年4月段階で 4,306 ミリオンユーロ(約 6200 億円)を運用しており、安定した成績を残しています。
 乙は、2005年8月に購入しましたが、基準価額は1年弱で 24% 上昇しており、乙としては満足しています。もっとも、5月〜6月の大幅下落の前には5割増を記録していましたから、それに比べると下がっています。
 ロシア株も、確かに BRICs の一部として数えられるだけの価値があるようです。
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2006年07月02日

副島隆彦(2004.9)『老人税----国は「相続」と「貯蓄」で毟り取る』祥伝社

 乙が読んだ本です。
 副島隆彦(2003.9)『預金封鎖---「統制経済」へ向かう日本』祥伝社
http://otsu.seesaa.net/article/13255799.html
 副島隆彦(2003.12)『預金封鎖 実線対策編---資産を守り抜く技術』祥伝社
http://otsu.seesaa.net/article/13302983.html
に続く副島氏の著書です。
 内容は、題名の通りです。題名のように1行でまとめてしまえば、内容は読む必要なしという見方もできますが、国がどのように税金を課そうとしているかを具体的に知るには、やはり一読する必要があります。
 p.42 では、1988年の消費税導入は「日本国民に対する税金教育のための新税だった」という見方が出てきます。なるほどと思わせる視点です。こうして、新しい税金に慣れさせ、これからの大増税を抵抗感なく実施しようという壮大な計画だったというわけです。まあ、当時、政府が本当にそう思っていたかどうかは疑問ですが、結果的に、そのような効果があったということはいえるでしょう。
 p.110 では、副島氏のお得意の「預金封鎖」の話が出てきますが、その時期は、「2〜3年先」となっています。刊行の時期からすると、2006-2007年というわけです。今が 2006 年ですから、さあ、もうすぐ預金封鎖ですよ。(ホントにそうなるのでしょうか。乙はそうならないと思います。)
 p.197 からの第5章では、「2005年春、世界経済の変動が始まる」と題して、大胆な予測が出てきます。日米の国債の暴落とドルの大暴落を予測し、p.234 では、1ドル40円という超々円高が 2007-2008 年に現れるかもしれないと述べています。しかし、この根拠は、1990年4月の160円35銭と1995年4月の79円75銭の値幅である80円60銭分だけ円高方向に進むと考えて、2003年9月17日の117円20銭から引き算して36円60銭ということです。乙は、為替レートについて(特に、大幅な変動を論じるときに)加減算をすることは間違いだと思います。乗除算をするべきです。ここは、レートが半分になることがあるから、117.2/2=58.6円になるだろうと書かなければなりません。その根拠は以前
http://otsu.seesaa.net/article/19489254.html
に書きました。
 p.254 では、本吉正雄『元日銀マンが教える預金封鎖』
http://otsu.seesaa.net/article/16392565.html
や藤井厳喜『新円切替』
http://otsu.seesaa.net/article/14475013.html
が自分の書いた本の真似本だと断定して、「もう二度とこういうことをするな」と断じています。
 これらは、真似本といえば真似本かもしれませんが、しかし、似たような主張をしても、そのこと自体は問題ではありません。そんなのは世の中にごまんとあります。
 しかも、副島氏以前にも預金封鎖に関する本はたくさん書かれています。国会図書館で「預金封鎖」を指定して図書を検索した結果から、2003年3月(副島氏が『預金封鎖』を執筆した時期)以前に刊行されたものをあげれば、以下の通りです。

預金封鎖 / 太田晴雄. -- オーエス出版, 1998.1
あなたの預金が消えていく! / 宮尾攻. -- 小学館, 2001.12. -- (小学館文庫)
「銀行預金」封鎖 / 太田晴雄. -- オーエス出版, 2002.2
預金封鎖であなたの資産が消滅する / 堀篤. -- ガイア出版, 2002.4
預金封鎖 / 荒和雄. -- 講談社, 2003.3

 乙は、これらを読んで中身を確認したわけではありませんが、たぶん、副島氏と似た話を書いていると思います。
 これらの本が先にあったという事実から、副島氏が真似本を書いていると批判される可能性もあるのではないでしょうか。(乙はそう主張するつもりはありませんが。)乙の考えでは、副島氏の主張は強すぎると思います。まさに「天に唾する」ようなものです。
 この本全体として、日本がアメリカの属国になっていることを述べ、そういう体制のもとで、政治家たちのありさまや考え方を中心に税金問題をとらえるという観点で書かれています。ちょっと偏った見方でもありますが、これで一貫した説明をされると、そういうものかなとも思えてきます。
 なお、乙は、この本の対象読者をどういうものとして想定しているかが気になりました。どうも、単なる老人ではなく、金融資産が数億円以上あるお金持ちで、特に企業の経営者を念頭において書かれているようです。pp.134-138 あたりの記述でそう思いました。


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2006年07月01日

HSBC Indian Equity Fund (Class AD)

 乙は BRICs に興味を持っていますが、中でも特にインド株に注目していて、2005年7月には HSBC 香港で HSBC Indian Equity Fund (Class AD) を購入しました。
 HSBC 香港(こちらは銀行ですね)で扱っているインド株のファンドは、HSBC(こちらはファンドハウス=投信運用会社ですね)の他に Fidelity とか、Franklin、INVESCO、JF など、いろいろありますが、どれも手数料は同じようなもので、差が付きませんでしたので、乙としては、HSBC という名前に親しみを感じて、これを選びました。
 申込手数料 5.25%、信託報酬 1.5% で、HSBC 香港としては、まあ普通の手数料です。
 http://www.hsbc.com.hk/data/hk/personal/invest/unit/pdf/ut_fs_40088_en.pdf でわかるように、運用純資産は US$ 6308 million(2006年5月現在) です。ざっと7000億円以上あり、充分な大きさのファンドです。いや、むしろ大きすぎる感じさえします。しかも、今もどんどん大きくなっています。何といっても確かな成績なので、資金の流入が続くのでしょう。
 乙の場合も、すでに 5.25% の申込手数料はカバーしてしまい、現在、15% ほどの増加となっています。先日の大幅下落以前は基準価額が4割ほどの上昇を記録しており、大変ホクホクでしたが、今は、インドの株価の大幅下落によって、運用成績は「ややホクホク」程度になりました。
 最近2ヶ月ほどのインド株の値下がりは厳しかったですね。こういう時に(さらには高値の時に)ファンドを解約できる人はエライと思います。乙は、5年以上の投資を予定していることもあって、値下がりしているという理由で解約する気は起きませんでした。
 株の値下がりは、何の兆候もなく、突然やってきます。これから逃れることはきわめてむずかしいと思いました。いい経験でした。
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