2006年08月30日

北村慶(2006.4)『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント──ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵』PHP研究所

 乙が読んだ本です。
 とてもまじめな本で、わかりやすく、資産運用をどんなふうに行うかを述べた本です。
 乙は、北村氏の前著2点
http://otsu.seesaa.net/article/22245739.html
http://otsu.seesaa.net/article/22911321.html
を読んだ後だったので、世界の潮流の中で、どうすれば高いリターンが得られるかを述べた本だと思って買いました。読んでみると、大違いでした。真っ当な資産運用のあり方を述べたものだったからです。
 第1章は、日本が格差の大きい社会になりつつあることを説きます。
 第2章は、そういう格差社会の中で資産運用をどう考えるかを述べます。現在の60歳未満の人は年金があてにできないから資産運用が必要だというわけです。
 第3章は、年金は「国営・投資ファンド」だと位置づけて、そのアセット・アロケーションをどう考えたらいいかを説明します。年金の投資先は意外と債券が多いんですね。
 第4章は「負けない資産運用」を説くところで、乙が一番おもしろく読んだところです。ポイントが7つの智恵という形にまとめてあり、いずれもわかりやすいと思います。
 第1の智恵が、「トレーディング(短期売買)」から「インベストメント(長期投資)」へということです。インベストメント自体を「長期投資」とするところもおもしろい見方です。(本書を読めば、その見方に納得します。)「長期」ということで、何年くらいを考えるのでしょうか。p.133 によれば25年です。乙は15年しか余裕がないので、その意味では長期投資ができないということになるかもしれません。(実は、15年経った後も死ぬまで投資を継続するのですが。)その意味で、この本は20代から30代の人に読んでもらいたい本ということになります。
 第2の智恵が、「アルファ戦略」(アクティブ運用)と「ベータ戦略」(パッシブ運用)です。平均的投資家は市場の平均には勝てないという話です。これに関して、北村氏は「マーケットの平均を上回るようなリターンを継続的に上げ続けることはむずかしいが、チャンスはある」という見解を示しています。穏当な見方です。パッシブ運用を中心にするのは当然でしょう。
 第3の智恵が、複利効果と時間分散です。普通の市民でもプロに勝てるのは投資の時間が長いからだと説きます。
 第4の智恵が、ポートフォリオ理論です。乙は、p.188 からの自前「株式ファンド」の作り方の話がおもしろかったです。アクティブ運用で株に投資するときの正しいやり方を説明しています。このやり方で分散投資になっています。納得できます。
 第5の智恵が、持ち家プレミアムです。p.195 では、同じ立地で同じ作りの賃貸用物件ならば4000万円で買えるのに、持ち家用物件になると5000万円で売られているというわけです。この差1000万円が持ち家プレミアムです。自宅を所有することで安心感はありますが、それが果たして1000万円の価値があるでしょうか。こういう観点は乙には大変新鮮に響きました。p.202 には、住宅ローンがなければ、お金が貯まるまでは賃貸に住むのが当然で、しかも住宅ローンという制度は1962年以降に導入されたものにすぎないということも書いてあり、若い人には、(収入が多い人は問題ないのですが)住宅ローンの恐さをしっかり知ってほしいと思いました。ただし、住宅ローンの記述は橘玲氏の本
http://otsu.seesaa.net/article/20748838.html
にも書いてあったことです。
 第6の智恵が、国際分散投資です。北村氏は MSCI-KOKUSAI に追随するインデックスファンドを勧めています。また、BRICs 投資でも、分散投資を勧めるべきだとし、特定の国に投資するよりは多くのエマージング・マーケットに投資する商品を選ぶべきだと述べます。いずれももっともな話です。
 第7の智恵が、運用ポリシーの一貫性とリバランスです。乙は、本書でリバランスの意味をきちんと理解できたと思います。
 全体を読んで、すばらしい本だと思いました。乙は、今までの自分勝手な投資方針を順次改めようかと思うようになりました。ヘッジファンドや BRICs 投資も(ハイリターンということで)いいけれど、15年の投資を成功させるためには、やはりそれなりの取り組みが必要だと思います。乙の今までのやり方をすぐに変える必要はありません。せっかく投資したものをすぐに解約するのは、手数料がかかったりして、かえって利益が少なくなります。しかし、乙がこれから投資する金融商品を選ぶときに、今までとはやや方針を変えようと思いますし、今後は、運用方針を見直して、ポートフォリオをだんだん望ましい方向に変えていこうと思いました。
 本書は、特に若い人にお勧めできる良書だと思います。

posted by 乙 at 00:03| Comment(2) | TrackBack(1) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月29日

Forsyth Partners Ltd. --- Forsyth Global Commodity Fund

 乙が8月になってから購入したファンドです。
 会社のホームページは次のところです。
http://www.forsythpartners.com/
 ファンドのホームページは次のところです。
http://www.forsythpartners.com/funds/alternative_funds/commodity_fund.php
 ファクトシートを見れば、ファンドの概要がわかります。
http://www.forsythpartners.com/view.php?path=/Public/Monthly_Factsheets/International_Factsheets/Global_Commodity_Japanese.pdf
日本語版が用意されているということは、それだけ日本人のアクセスが多いということでしょう。

 運用開始は、米ドルクラスが 2004年12月、ユーロクラスが 2005年3月ということであまり歴史がありません。乙の運用資産全体の中ではユーロの比率が少な目なので、ユーロクラスを選びました。
 手数料ですが、申込手数料はゼロです。信託報酬が年率2%かかります。解約する場合は手数料がかかり、購入後1年未満の場合 3%、購入後2年未満の場合 2%、購入後3年未満の場合 1%、3年以上保有した場合はありません。乙の基準では2年以上保有するべきファンドだということになります。
 運用資産は、US$ 34.9 m で、比較的小粒です。

 このファンドは各種の commodity(商品)に投資するファンドに再投資を行うファンド・オブ・ファンズです。2006年7月現在の組み入れ銘柄は以下の通りです。

1.JPMF natural Resources Fund          19.3%
2.First State Global Resources Fund       17.8%
3.Merill Lynch IIF World Mining Fund      15.3%
4.Investec GSF Global Energy Fund        15.2%
5.Clariden Energy Equity Fund          14.8%
6.Craton Capital Precious Metals Fund      8.0%
7.Merril Lynch Natural Resources Hedge fund   7.6%
8.First State Global Resources Long Short Fund  2.0%

 投資先は、資源 62%、エネルギー 30%、金(ゴールド)8% という比率です。
 過去のパフォーマンスですが、米ドル建ての2005年1年間のパフォーマンスは33.20%、ユーロ建ての運用開始以来1年5ヶ月のリターンは 38.3% となっています。
 統計値をみると、年平均リターンが 32.64%、標準偏差 21.18%、最大下落(月単位)-6.68%、ベータ 0.84、シャープレシオ 1.28 となっています。ハイリスク・ハイリターンの典型です。しかも、歴史が浅いのですから、こんなところに集中投資するものではありません。場合によっては大幅な損失が出る可能性もあります。
 手数料が安いように見えても、ファンド・オブ・ファンズでは、二重の手数料がかかる(親ファンドの手数料と、見えないけれども子ファンドの手数料がかかる)ので、手数料がどうしても高くなります。
 調べてみると、8個の子ファンドの過去の成績はすばらしいものです。だったら、子ファンドのそれぞれに申し込むという手もあるかもしれません。でも、それはそれで面倒くさいですね。
続きを読む
posted by 乙 at 04:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外ファンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月28日

北村慶(2006.8)『投資ファンドとは何か──知っておきたい仕組みと手法』(PHPビジネス新書)PHP研究所

 乙が読んだ本です。
 第1章は「不動産投資ファンド」、第2章は「ヘッジファンド」、第3章は「企業投資ファンド」を解説したものです。第4章で「投資ファンドの未来」、つまり今後の展望を述べます。
 乙は、不動産投資ファンドも購入していますが、ごくわずかな額ですから、どうということはありません。また J-REIT はしばらく投資する予定もありません。pp.51-55 では、J-REIT の破綻の可能性について議論しており、興味深く読みました。
 p.62 では、世界の大手年金基金のアセット・アロケーションを示し、日本では、債券と株式を中心に運用しているのに対し、欧米では、それ以外の不動産・REIT、ヘッジファンド、プライベート・エクイティなどの「オルタナティブ投資」にも資金を投じていることがわかります。
 第2章のヘッジファンドに関する解説は乙が一番関心を持って読んだところです。
 p.84 には、クレディ・スイス証券の資料からの引用ですが、ヘッジファンドのパフォーマンスが、従来の伝統的な「株式」や「債券」よりもローリスク・ハイリターンになっていることが示されます。
 p.111 では、ヘッジファンドの投資戦略別のパフォーマンスが示されます。10種類の戦略では、ショート・セリング戦略だけが悪いのですが、他は1994年以降の年平均で 6-13% のパフォーマンスを示しており、大いに期待されます。
 p.121 では、1998年にヘッジファンドの上位25%の成績を収めたマネージャー201人が、その後どうなったかを追跡調査しています。2001 年まで連続4年上位25%に入った人はたった2人しかいません。浮き沈みが激しいものだということがよくわかります。
 pp.126-127 では、マン・グループが二つのタイプのヘッジファンドを提供するということを述べています。一つは透明性が高い(何をやっているかを投資家にきちんと説明する)がリターンが低いもの、もう一つは透明性が低い(何をやっているか説明しない)がリターンが高いものということです。マンの AHL が後者だということです。パフォーマンスだけを見ても、長年の実績があれば、それはそれでいいようにも思えます。多額の資金を運用する機関投資家ではこういう判断はできないでしょうが、少額資金を運用する個人投資家ならば可能でしょう。
 pp.127-128 では、ヘッジファンドに向かう巨額の投資資金と、ヘッジファンドは運用資金が少額のほうが成績がいいという矛盾点を解決する一つの方策がファンド・オブ・ヘッジファンズだと説明されます。異なる特徴のヘッジファンド複数に分散投資するという考え方は、それはそれで有効かもしれません。個人投資家の出る幕ではありませんが、……。
 p.200 には、個人投資家からみた「投資ファンド」について北村氏の見解が述べられています。一般の個人投資家は、国内外の「株式」と「債券」をポートフォリオの基本に据え、「投資ファンド」への投資は行わない、あるいは、行うとしても限定的な資産配分割合とすべきであるということです。確かに、ファンドマネージャーについてもわからないことが多いし、どのファンドを選ぶべきかに関する情報はきわめて得にくいので、デュー・ディリジェンスなどは個人投資家にはできません。その意味で、慎重に行うべきだとの北村氏の意見はもっともです。しかし、驚異的なパフォーマンスを見せつけられて「あなたもいかがですか」と誘われると、つい投資したくなってしまうのもまた事実です。このあたりのスタンスをどうするべきか、乙には確たる判断が付きません。
 本書は、全体として、おもしろく読みました。なお、本書の記述内容が北村氏の前著
http://otsu.seesaa.net/article/22245739.html
と一部重なるのはしかたがないでしょう。


posted by 乙 at 06:44| Comment(4) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月27日

Friends Provident のアドバイザーと期待利回り

 昨日の話題
http://otsu.seesaa.net/article/22817145.html
の続きです。
 FP 社のファンド・オブ・ファンズは、会社のほうで数千種類のファンドの中から109種類に選択肢を絞ってくれるのですが、一般投資家にとっては、109種類のファンドから実際の投資先として適切なファンド10種類以下を自分で選ぶことさえなかなかむずかしいことでしょう。
 しかし、実は、そこにも日本人のアドバイザーを付けることができます。全体資産(初期口座+貯蓄口座)の 1.5% を年間手数料として払うと、アドバイザーが適切な投資判断をして、ファンドの選択などをしてくれるとのことです。ただし、投資家のそれぞれごとにポートフォリオを変えるのではなく、アドバイザーを依頼する投資家全員が同じポートフォリオを共有することになります。いわゆる一任勘定というヤツです。
 ファンド・オブ・ファンズが手数料の二重取りですから、アドバイザーを付けると手数料の三重取りになって、コストがさらに高くなってしまいます。
 乙の考え方では、(FP 社にファンドの選択眼がないのと同様に)アドバイザーにもファンドの選択眼はないものと思います。しかし、ランダムに子ファンドを選んでも、それなりの利回りが出るでしょうから、適当に運用していても大丈夫です(投資家からは文句が出ません)し、何か事件があったときに、それに応じて今後の成績を予想して対策を取る程度のことをすれば、気がつくのが遅い一般投資家よりは少しは成績が良くなるでしょう。その意味で、投資家サイドから見てもメリットはありますが、それが 1.5% の手数料に値するかどうかはむずかしいところです。乙の考えでは、そんなに価値はないものと思います。逆にいうと、こういうアドバイザーはおいしい商売だということになります。
 某ブローカーの計算のように、15年先の 4400 万円を自己年金のタネ銭にしようという人がいれば、毎年 4400万×1.5%=66万円をアドバイザーに払うことになります。こういう顧客が20人もいれば、アドバイザーは年収1320万円になります。そう考えると、むしろ乙がアドバイザーをやりたいですね。
 考えてみれば、1.5% の手数料を払う人は、それを払うことで「安心感」を買っているのでしょうね。それにしても「安心料」は高いものです。
 ところで、アドバイザーの年間固定手数料 1.5% ですが、これは成功報酬制を選ぶこともできます。その場合、手数料は総資産の増額分の 20% という計算になります。ハイ・ウォーター・マーク(HWM)方式の計算であるのは当然です。
 投資家がどちらでも選べるということは、アドバイザー側から見れば、両者が等価であることを意味します。これに基づいてちょっと計算してみましょう。
 固定報酬制では、1.5% をもらうことになりますから、成功報酬制で増額分の20%が全体額の 1.5% になるためには、増額分が全体額の 7.5% でなければなりません。つまり、このアドバイザーは、FP 社のファンドの平均利回りを 7.5% と見込んでいることになります。
 16% の利回りを想定しているブローカーは、大アマです。(実は、ブローカーもわかっていて、架空の数字で計算書を書いたのでしょう。今後の利回りは誰も保証していないのですから、これでも許されると思います。)アドバイザーは、正直に、FP 社の期待利回りは 7.5% だと教えてくれました。その程度の利回りならば、充分あり得る話です。というか、自分で適当に運用しても達成できる利回りです。7.5% の利回りから 1.5% の手数料を払って自分が 6% を受け取るというのは、あまりおいしい話ではありません。
 以上の検討により、乙は、FP 社のファンド・オブ・ファンズには申し込まず、自分で直接運用する(といってもファンドですが)ほうがいいという結論に到りました。乙の場合、FP 社では、毎月積立はもちろんのこと、一括投資もしないということです。
 今回のファンドセミナーは、乙にとって大変いい勉強になりました。FP 社の期待利回りをアドバイザーから教えてもらったことだけでも参加費を払う価値があったと思っています。これで乙は自分なりに FP 社のファンド・オブ・ファンズのしくみが充分に理解できました。
 安い料金で参加できる各種セミナーは、今後も歓迎します。次はどこに参加しようかな。乙みたいな人間は、開催者側から見れば、手間だけかかって売り上げに結びつかないから、迷惑なだけでしょうが。
 あ、しかし、乙はセミナー会場でここに書いたようなことを発言し会場を混乱させることはありませんので、業者さんはご安心ください。
posted by 乙 at 03:45| Comment(8) | TrackBack(0) | 海外ファンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月26日

Friends Provident 毎月積立ファンド

 乙は、2006年8月に《ファンドセミナー》というのに参加してみました。参加費はごくわずかでした。
 海外を含む投資一般の話の後に、香港のブローカー(に勤務する日本人)から Friends Provident 社(以下、FP 社と略称)の紹介がありました。日本の会社は、こういう「営業」をしてはいけないとのことで、だから香港の会社の人が話すんですね。
 今回紹介されたのは、毎月定額の積立タイプでした。決まった名前があるわけではないようで、「ファンド管理口座を利用した自己年金」と紹介されていました。満期は25年ないし75歳までということです。
 一括払い方式
http://otsu.seesaa.net/article/22779114.html
と同じく、多数のファンドから自分で投資先を選ぶ形のファンド・オブ・ファンズです。
 手数料は、(配布資料には「安価」と書いてありましたが)乙が見るところ、かなり高いです。毎月 US$250(約3万円)を積み立てた場合を見てみましょう。18ヶ月までの $4500 が初期口座に入ります。19ヶ月目以降の分は貯蓄口座に入ります。手数料は、初期口座から4半期ごとに 1.5% がかかりますから、年6%に相当します。これは、初期口座の分が運用益を得て大きくなってもその全体の 6% ということです。その他に口座管理料が毎月 $6 かかり、年間で $72 です。資産がまったく増えないとすれば、これは 72/4500=1.6% に相当します。貯蓄口座の分には手数料がかからないということは、このファンドは、長期に継続積立することを前提にしています。積立を継続すれば、初期口座の分の資金は貯蓄口座に比べて相対的に小さくなり、手数料も安くなると考えられます。しかし、毎月積立方式だからこそ、手数料がどれくらい高いのか、投資家からは見えにくくなっていると思います。
 貯蓄口座からは随時引き出しが可能だそうですが、事務手数料として $100 かかります。毎月引き出すようにセットすれば、手数料は一度だけの支払いですから、大したことないという見方もできますが、それにしても $100 は相当に高いと思います。自分の金を自分の口座から引き出すのに1万2千円かかるわけですからね。
 このように、まるで、手数料の固まりのようなファンドです。こんなにも高い手数料を払って、いったい、どれくらいのリターンが望めるのでしょうか。
 ブローカーの資料では、15年にわたって毎月6万円を積み立て、年利16%で運用できると、初期口座400万円、貯蓄口座4000万円になるので、この段階で積立をやめ、4000万円を6%で運用すれば毎年240万円の自己年金が実現できると説明されました。こんなにうまくいくなら、4000万円を6%で運用するより、16%で運用したほうがいいに決まっているのに、なぜそうしないのでしょうか。それはリスクがあるからです。逆にいうと、16% の運用を15年継続するのは困難だとブローカーも認めているのです。つまり、この自己年金は机上の計算にすぎません。(一応の目安として、利回り 6% が安定運用と見ているわけですから、FP 社のファンド・オブ・ファンズの利回りの期待値はそれ以上になるものと思われます。)
 一緒にもらった FP 社の109種類の子ファンド一覧を見ると、それぞれの1年、3年、5年のパフォーマンスが数十%になっており、ブローカーのいうように、16% くらいのリターンは楽々達成できそうに思えます。FP 社はファンドの選択眼(数千種類のファンドから100種類くらいを選ぶ力)があるようです。
 この資料は、以下のURLで、
http://www.fpinternational.com/fund_prices/ManPrices.htm
WWW でも見ることができます。
 しかし、乙は、ここに若干の「ごまかし」があると思います。
 ファンドの運用の良し悪しは、事前にはわからないといえます。もしも事前にあるファンドの利回りが高くなることがわかるならば、みんながそこに投資すればいいし、もしも悪くなるのがわかるならそれを解約すればいいというだけの話です。現実にそういうことは起こっていないので、ファンドの成績は事前に予測できないと考えるべきでしょう。
 また、それまで成績の良かったファンドでも、次の年に突然成績が急降下することはよくあることです。各種統計を見ても、良好なパフォーマンスを長期的に継続しているファンドはほとんどありません。ですから、好成績の109種のリストを見て、自分がこれから購入する子ファンドもこうなると思ってはいけません。
 FP 社のファンド選択眼が、仮にまったくないものとしましょう。それでも、各ファンドの過去のパフォーマンスはわかるので、過去のパフォーマンスが良かったものだけを子ファンドのリストに入れるようにします。また、過去の子ファンドのリストの中から、成績の悪かったものを落とすようにします。それだけで、リストには好成績のファンドがずらりと並び、あら不思議、FP 社はまるでファンドの選択眼があるように見えてしまいます。
 FP 社のファンドの過去のパフォーマンスを実際に示すには、過去のある時点にリストに入れたファンド全体について、現在までのパフォーマンスを示さなければなりません。あるいは、個々の顧客ごとの過去のパフォーマンスを計算し、その平均を示すのでもいいでしょう。それが FP 社の選択眼の反映です。そのパフォーマンスが 16% もあるでしょうか。乙はないと思います。しかし、そういう数字はまったく示されませんでした。「各投資家ごとにまったくちがったファンドを選択するから、過去の成績を示すことができない」と FP 社が主張するなら、それは言い訳に過ぎないということになります。全投資家の平均値を示せば充分なんですから。
 現在の子ファンド一覧の資料自体は、ウソや間違いを含んでいるわけではありません。今、現にそれらのファンドを選ぶことができるのですから、正しい資料です。こう考えてみると、FP 社は実に宣伝上手だということになります。
 FP 社のファンドに申し込む人は、16% の利回りを期待してはいけません。もっとずっと低いのが当たり前なのです。では、一体、期待利回りは何%なのでしょうか。これについては、できれば明日書きます。
 なお、一応、この金融商品をファンドということで見てきましたが、実際は、生命保険の形をとります。契約者が死ぬとその段階の資産額の 101% が支払われるとのことです。生命保険という形を取ることで、マン島の契約者保護制度が利用できて、ファンド会社(FP 社)がつぶれても、資金の 90% までは保証されるとのことです。このあたりの設計も巧みですね。
 乙は、毎月積立はしない主義
http://otsu.seesaa.net/article/22320551.html
ですから、この「ファンド管理口座を利用した自己年金」も申し込むことはありません。
続きを読む
posted by 乙 at 00:06| Comment(9) | TrackBack(0) | 海外ファンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月25日

Friends Provident International --- International Investment Account

 Friends Provident International 社の International Investment Account というのがあります。
 乙は、2005年6月に某ブローカーから勧められたのですが、これには投資しないことにしました。
 このファンドは、基本的に、AVIVA 社
http://otsu.seesaa.net/article/22115815.html
と同じタイプの自己選択型のファンド・オブ・ファンズです。
 いろいろ手数料がかかります。Establishment Charge(申込手数料)は、4半期ごとに 0.5% で6回かかりますから、合計で 3% です。Administration Fee (信託報酬)が毎年 1.2% かかります。それ以外に Account Fee というのが、最初の5年間に毎年 0.8% ずつかかります。合計で 4% です。申込手数料とあわせて考えれば、7% ですから、手数料は相当に高いということになります。また、解約手数料が、最初の年が 7.5%、その後、毎年、1.5% ずつ下がっていくものの、5年間にわたってかかりますから、中途解約は相当に大きな損失になります。
 25 のファンドハウスの 90 種類ものファンドから10種類を選べるといったって、そもそもこの段階で手数料が取られ、それぞれの子ファンドで手数料がまたとられるのですから、必然的に手数料が高くなります。ファンド・オブ・ファンズは高い手数料を払うだけの価値があるのかどうか、乙にはわかりません。(その意味では、アビバ社のファンドも問題があるわけですが。)
 ファンド・オブ・ファンズは、アビバ社の1種類だけで充分です。フレンズプロビデント社と合わせて似たようなもの2種類にそれぞれ投資するのは変な気がします。(分散投資の効果はあるかもしれませんが。)

 WWW では、次のところにこのファンドの説明があります。
http://www.fpinternational.com/common/layouts/subSectionLayout.jhtml?pageId=fpint%2FSitePageSimple%3Asavings_international_investment_account
 しかし、この説明は、乙がもらった紙の資料とはちがうようです。上の記述は、紙のパンフレットによりました。
続きを読む
posted by 乙 at 05:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外ファンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月24日

今井澂・大井幸子(2005.12)『ヘッジファンドで増やす時代』東洋経済新報社

 乙が読んだ本です。
 本書の内容を一言でいえば、ヘッジファンドバンザイということです。本書のタイトルが内容をよく表しています。
 今井氏の書いた第1部のほうは、大井氏の書いた第2部よりもさらに明るい調子で書かれています。
 p.31 では、すでに日本の機関投資家の4割がヘッジファンドに投資しているということです。こんなにも一般化しているんですね。
 pp.61-66 では、今後の日本について、インフレ・円安を予想しています。今井氏は 2008-2010 年くらいからこうなるといっています。だから外国籍投信に投資しようという論法ですが、これは浅井隆氏などの論理と同じです。数年先の予想を述べるところも共通しています。こんなことを言ってしまっていいのでしょうか。
 p.91 では、「いまは「大手ファンドの破綻」危機はない」と断言しています。「100% 近くの確率でありえない」と確信を持って言っていますが、その確信の根拠が示されていません。「大手」とはどの範囲かも明示されていません。「破綻」の定義も書いてありません。投資額の1%を投資家に償還して解散したファンドがあった場合、これは「破綻」なのでしょうか、そうでないのでしょうか。せっかく本を書くなら、単に主張するのでなく、もう少し丁寧に説明してほしいところです。
 大井氏の書いた第2部のほうがずっとおもしろいと思います。
 pp.138-139 では、米国での 2000-2002 年の株価低迷のため、年金などの大手機関投資家がオルタナティブ投資分野へ資金を分散させ始めたとあります。p.140 では、大手機関投資家は運用資金を従来の債券中心の運用からヘッジファンドにシフトしたとあります。p.144 では、年金などの機関投資家はヘッジファンドを全体のポートフォリオの 5-10% 程度組み入れるとのことです。いやはや、ヘッジファンドへのシフトはもう大きな流れになっているんですね。ただし、5-10% というと、比率としてはかなり低い方でしょう。やはり機関投資家はヘッジファンドはリスクが高いと見ているのでしょう。
 pp.159-166 では、ヘッジファンドのベンチマークの話が出て来ます。こうしてヘッジファンドを評価しようということです。年金の資金などが入ってくることで、こんな傾向になるんですね。p.166 では、年金の運用機関は、受託責任を担うから、ヘッジファンドなどの運用の透明性を要求し、発言力を強めているとあります。これは、機関投資家に好都合なだけでなく、年金を受け取る一般の人にも、投資家にも好都合だし、ヘッジファンドにとってもかえって好都合な話でしょう。ヘッジファンドの将来はさらに明るいと予想されます。
 pp.188-193 は、アメリカの大学基金がヘッジファンドを活用しているという話です。p.192 では、大学基金の 1/3 がヘッジファンドに投資しているとあります。さすがにアメリカですね。
 pp.193-194 では、インターネットと投資の話が出て来ます。インターネットで商品を探し、比較し、仲間同士で情報を交換し、安くてサービスが良いところから買うことが一般化していますが、投資の場合も同じだということです。今後の金融業界は、さらに投資家にあった商品開発をするようになるでしょう。

 こういう本を読むと、自分もヘッジファンドに投資しようという気になります。しかし、残念なことに、多くのヘッジファンドは最低投資金額が高いので、ゴミ投資家は手が出せません。逆に言うと、この本は富裕層向けに書かれているということになります。本書のあちこちに、そういうニュアンスのところがあります。
 一般人にとっては、ま、こういう世界があるということを知るだけでも興味深いと思います。


posted by 乙 at 00:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月23日

海外ファンド購入時のパスポートの認証

 海外ファンドに申し込むときに、パスポートの認証がむずかしそうだと思う人もいるかもしれません。
 マネーロンダリングの防止のために、今は、海外ファンドを申し込むときに、身元を明らかにしなければなりません。
 普通はパスポートや運転免許証、場合によっては公共料金(電話・電気・ガス・水道など)の領収書(で住所が記載されているもの)のコピーを用意するわけですが、ファンドの目論見書(prospectus)を見ると、単なるコピーでなく「certified copy」と書いてあります。これが認証付きのコピーということで、コピーが正しい(元の書類をきちんと複写したものだという)ことを証明する必要があるわけです。
 証明するのは、弁護士などが行うわけですが、英語で書かなければならないし、場合によっては海外から問い合わせがあるかもしれませんから、証明する人もそれなりの覚悟が要ります。また、一生弁護士とは無縁の生活を送ることが多い日本人としては、身近に弁護士なんていない人が大半でしょう。こんなことで弁護士を頼むのかと思うかもしれません。弁護士に頼むとすれば、もちろん、手数料が発生するわけで、これまた安価に済ませたいところです。いったいいくらかかるんだろうと思う人もいるでしょうね。
 ところで、いくつかの海外ファンドを購入した乙の経験では、目論見書にこう書いてあっても、実は、今まで認証などは一度もしたことがありません。
 海外ファンドはブローカー経由で申し込むことが多いのですが、乙は、ブローカーが証明してくれているものとばかり思っていました。コピーをブローカーに送ると、それにブローカー側が(認証の言葉を)適当に書き込み、それをファンド会社に送るというようなことです。
 しかし、どうもそうではなさそうに思えてきました。某ファンド会社に直接申し込んだときに、メールで(もちろん英語でですが)聞いてみたことがあります。乙には弁護士の知り合いがいないから認証は無理だといいました。すると、認証は不要だという返事が返ってきたのです。自分で書類をコピーするだけなら、コンビニで10円でできますから、乙は普段からパスポートと運転免許証のコピーを10枚くらい用意しています。
 パスポートは英語で書いてありますから、読めるでしょうが、運転免許証も公共料金領収書も日本語で書いてありますから、欧米では読めないのではないかと思います。きっと誰か(日本人?)が読むことになっているのでしょうね。
 もしも、本当に認証が必要になった場合は、どうするといいでしょうか。
http://bankabroad.netfirms.com/certify.html
が大変詳しく説明しています。2000円で認証してもらえるんですね。乙は知りませんでした。
 以上の経験は、あくまで乙の個人的な経験ですから、一般に当てはまるとはいえません。
 海外ファンドを購入するときは、ご確認ください。
posted by 乙 at 00:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外ファンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月22日

リチャード・ホロデック、上中淳行(1999.9)『スマートインベスターのためのオフショア投資とヘッジファンド──心構えから、設立、運用まで──』ダイヤモンド社

 乙が読んだ本です。
 今となっては、ちょっと古くなった感じもしますが、金融ビッグバンの結果、日本人もオフショア投資ができるようになって、さっそく書かれた本と言えましょう。弁護士のホロデック氏がセミナーで話した内容をもとにオフショア金融センターを利用する日本人投資家のための実用的なガイドブックとしてまとめられました。
 第1章は「オフショア金融センター入門」です。オフショアがどんなところかが説明されます。
 第2章は「オフショア金融センターへの投資の実際」ということで、オフショア銀行に口座を作ってオフショアファンドを購入するまでが説明されます。
 p.66 では、オフショアに自分の銀行を作る(!)話まで書いてあって、ずいぶん本格的な投資話が展開されます。
 p.78 には、ヘッジファンドの運用成績が書いてあって、乙は興味を持ちました。Van HFA という出典とともに、1993-1997 年の結果ですが、次のようになっています。ファンドは 5000 万ドル以上のものだけを取り上げているとのことです。

VAN ヘッジファンドインデックス
1) アメリカのファンド  21.5%
2) オフショアのファンド 18.3%
株式投資信託平均   14.9%
債券投資信託平均    6.2%
S&P500指数       20.3%

 なるほど。ヘッジファンドの中でもアメリカのファンドは特に好成績なんですね。
 第3章は「オフショア金融センターへの投資形態」ということで、ファンドを中心に、直接型と間接型をわけ、さらに、それぞれを投資勘定型、法人型、信託型、パートナーシップ型に区分して、それぞれの特徴を述べます。とても詳しい記述です。
 第4章は「オフショア金融センターの利用と税金」で、第3章の分類を踏まえて、それぞれの税金面が詳しく述べられます。投資家の居住国、ヘッジファンドの所在地、ファンドの運用先の所在地を組み合わせて説明するところなどはかなり念のいった記述です。
 第5章は「ヘッジファンド投資を検討する」ということで、ヘッジファンドへの投資方法を述べます。
 p.197 では、Tremont Advisers という出典を示した上で、1993-1997 のパフォーマンスの比較がなされます。p.78 と似ています。

ヘッジファンド
22.08% マーケットオリエンテッド
15.09% 債券投資型
17.76% 復活期待型
21.78% エマージングマーケット
20.52% マーケットニュートラル
21.35% グローバルマクロ
20.38% 先物

14.80% 代表的ミューチュアルファンド
20.21% S&P500指数

 どの手法でも、5年の平均で年率約20%ということですから、やっぱりすごい成績です。ミューチュアルファンドは、平均指数に負けていますが、ヘッジファンドならそれ以上の成績が期待できます。
 ところで、こうやってみると、平均指数による運用はバカにできませんね。インデックスファンドを買う意味はここにあることが理解できます。ヘッジファンド投資と同レベルのパフォーマンスなんですから。

 本書は、全体として、サラリーマン投資家のための本ではなく、オフショアに会社を作って投資する人のための本と言えるように思います。本格的な投資とはこういうものだということがわかります。しかし、サラリーマン投資家の乙には違和感がありました。
 ただし、ヘッジファンドが実際にミューチュアルファンドよりもずっと好成績であることで、そういう投資を考える意味があることがわかったという点で興味深かったです。

posted by 乙 at 00:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月21日

海外ファンドのブローカー

 乙のブログを読んでくださった読者の方から、海外投資をしたいのだが、ファンド会社に直接申し込むのか、あるいは、ブローカー経由ならば乙が使っているブローカーはどこかという質問メールをいただきました。
 ブローカーについては、なかなかいい情報がないようです。
 そもそも、ブローカーという言葉自体、悪徳商人のような響きを感じる人もいるかもしれません。しかし、ブローカー=仲介者・仲買人・代理店ということですから、それ自体に悪い意味はありません。
 海外ファンドは、受け付け方でいくつかに分かれます。ファンド会社が直接受け付けるようになっているところもあります。また、直接申し込みでも、ブローカー経由の間接申し込みでもいいというところもあります。ただし、その場合でも、申込手数料などは変わらないと思います。
 ブローカーに対して投資家が手数料を払う必要はありません。全部無料です。ファンドの購入が決まれば、ファンド会社がブローカーに対して一定の手数料を払うことになっているからです。ですから、海外ファンドの購入を勧めながら、投資家から「会費」などの名目でお金を取っているところには、乙は連絡しないようにしています。余計なコストがかかるからというだけの理由ですが、乙には重要な理由です。
 ファンド会社への直接申し込みは、ファンド会社と投資家の間で細かい連絡が必要になり、ファンド会社がめんどうに思うのでしょうか、両方とも可能な場合は、一般には、ブローカーを通して申し込むようにいわれることが多いと思います。
 乙は、複数のブローカーと連絡を取っています。乙は、アセット・アロケーションを含め、投資先の判断は自分でするようにしていますが、ブローカーは、投資家といわば独占契約をしたいのか、資産全体の運用計画を含めて相談に乗りたいというようなことをいってくる例があります。中には、収入や資産の状況を細かく伝えないと相手にしてくれないようなところもあります。乙は、当初、このあたりの状況をよく知らなかったので、聞かれたら、素直に答えていましたが、そんなことを知らせなくても海外ファンドの仲介をしてくれる業者がたくさんあることがわかりましたから、最近は、自分の購入したいファンドを先に決め、それを扱っているブローカーをあとからネットで探すようにしています。
 一度何かの海外ファンドをブローカー経由で申し込むと、別のファンドを購入するように勧めてくる例が多いのですが、乙の場合、そういう個別の商品情報は、単に無視せずに、ネットで調べてみたりします。
http://otsu.seesaa.net/article/22356510.html
結果的に購入しないと判断する場合もありますが、その例はブログ中に書きました。
 海外ファンドでは、詐欺に遭う可能性もあるということで、心配する人も多いと思います。悪徳ブローカーの場合、○○ファンドを購入するように勧め、投資家から資金を預かり、そのまま消えてしまう例もあると聞きます。しかし、これは、投資家のほうにも問題があります。乙の経験では、すべての海外ファンドにおいて、送金先はブローカーではなく、ファンド(会社)の名前の入った銀行口座でした。ですから、ブローカーに資金をだまし取られる可能性はきわめて少ないと思います。(銀行口座を設置するときは、会社の登記簿などが必要になるので、詐欺師がもっともらしい名前で銀行口座を作ることはむずかしいと思います。)
 また、ブローカーと連絡がとれなくなることを心配する向きもあるかもしれませんが、申し込み時にはブローカーのお世話になるとしても、その後はファンド会社から定期的に運用レポートが送られてくるのであり、解約するときもファンド会社に直接連絡すれば大丈夫なので、ブローカーが倒産したり夜逃げしたりして、連絡がとれなくなったりしても、心配は不要です。
 どんなブローカーがあるかという情報については、
http://www.kaigaigyousha.com/gyousya.htm
が詳しいと思います。乙が取引している業者も、このリストの中に入っています。
 日本語のメールで連絡できるところは、たとえその業者の所在地が海外だったとしても、とても身近に感じます。特に、メールで返事がすぐ来るところは信頼感が高まります。
 乙が取引しているブローカーが一般的に「いい」業者だとは限りませんし、乙がブローカーに期待するのは、単なる連絡だけですから、その意味では「いい」も「悪い」もありません。そんなわけで、具体的な名前をここに出すことはしないことにします。お菓子を買うとき、メーカー名にこだわる人はいても、どの店で買うかにこだわる人はいないと思います。どこで買っても同じことです。海外ファンドのブローカーもそれと同じにすぎません。
posted by 乙 at 06:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融機関 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月20日

オーレン・ロース(2005.5)『個人投資の楽園 オフショア入門 完全マニュアル』講談社

 乙が読んだ本です。
 全体を一言でいえば、海外口座を作ってオフショアファンドに投資しようという趣旨の本です。
 第2章「海外口座を開こう」が非常に詳しく書いてありました。70ページ以上あります。必要な英語の書類の書き方まで書いてあり、非常に徹底しているという感じです。ここまで書かなくてもいいのではないかという意味で、詳しすぎると思うくらいです。これさえあれば、海外口座の開設はむずかしいことではありません。(それ以上に、口座開設者本人の英語能力が大事になりそうですけれど。)
 これに比べると、第4章「オフショアファンドに投資しよう」が簡単すぎます。たった25ページです。たとえば、どうやってオフショアファンドを探すのか、どこのどういう人に相談すればいいのか、何も書いてありません。
 投資家にとって、オフショアの銀行口座の開設は1回だけの話ですが、オフショアファンドへの投資は複数回行うものです。どちらかといえば、後者のほうが大事ではないでしょうか。そういう面から見ると、本書はバランスを欠いているように思いました。
 p.169 には、こんなことが書いてあります。
ローリスク(保守的)  年利8〜12%
ミディアムリスク(積極的)  年利10〜18%
ハイリスク(アクティブ)  年利12〜35%
 この数字は、同じ著者の『億万長者だけが知っている雨の日の傘の借り方』
http://otsu.seesaa.net/article/22485262.html
の p.125 と比べると、かなり違っています。
 本書では「ある銀行では、このように定めています。」ということで、ロース氏の意見ではないことを明示していますが、それにしても、単純にこう引用するということは、これでいいとロース氏が考えているということです。とすると、2冊の本で値が大きく違っているのは問題があるように思いました。
 本書全体として、乙は、あまり読む価値はないように思いました。


posted by 乙 at 05:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月19日

オフショア投資はマイナーでしょうか

 http://www.kaigaigyousha.com/riyuu.htm を見ると、オフショア投資がマイナーな理由が書かれています。
 このHPの管理人の個人の意見だとのことですが、乙は、大変おもしろいと思いました。
 そこでは、オフショア投資がメジャーになっては困る人がいるということで、4種類の人たちを挙げています。(以下、一部省略しながらの引用です。)
(1)税務当局
海外資産の補足は難しいので課税が困難になるでしょう。

(2)国内の投信関係業者
規制の厳しい国内ではヘッジファンドのような自由なファンドを組成しにくく、認可も下りにくいです。

(3)郵便局や銀行
安全で元金保証が売りですが、利息はほとんどつきません。例えば海外には元金150%保証ファンドなどがあることが一般に知られたら預ける人が激減するでしょう。

(4)既に海外投資をしている富裕層と呼ばれる人たち
情報を遮蔽して既得権益を守りたいのかもしれません。
あるいはオフショアを利用して脱税してきた人もいるのかもしれません。
(以上、引用です。)
 これに加えて、「(オフショア金融商品の)業者は宣伝・営業することが認められていません。表向きは消費者保護という事かもしれませんが、実際は国内業者の保護としか感じられないのは自分だけではないでしょう。」と書いています。
 乙は、この意見に対して、三つのコメントを述べたいと思います。
 第1に、オフショア投資はすでにマイナーではないと思います。多くの個人投資家がすでに実践していることです。理由はさまざまでしょうが、国内の株や債券、不動産(それらに基づく投資信託)とはちがったおもしろい金融商品が多数あります。個人投資家にとって、有力な選択肢だと思っています。乙のポートフォリオを考えれば、すでにオフショア投資はかなりの重みがありますから、少なくとも、乙個人にとってはオフショア投資がマイナーではなくなっています。
 第2に、オフショア投資について機関投資家がどう考えているかを知りたいということです。確かに、オフショア投資の運用金額は、まだまだ相対的には低いかもしれません。だからマイナーだというわけです。それは、オフショア投資をしているのが個人投資家ばかりで、機関投資家が本格的に乗り出していないからでしょう。それはなぜなんでしょうか。機関投資家がオフショア投資を危険だと考えていて乗り出せない(乗り出さない)のか、それとも、機関投資家が多額の資金を持っているために、税務当局などに目を付けられていて、やりたくてもやれないのか、オフショア投資は、表面的にハイリターンのように見えるけれども、何かと手数料がかかって、実際はそうでもないと考えているのか、はたまた何か他の理由があるのでしょうか。このあたり、機関投資家のホンネを聞いてみたいものです。(ちなみに欧米の機関投資家はすでに乗り出しています。)
 第3に、乙がオフショア投資を行っている人間の一人として考えた場合でも、オフショア投資がメジャーになって何も困らないと思います。乙は、富裕層ではなく、単なるゴミ投資家なので、本当の富裕層の考え方を知りませんが、既得権益は何もないと考えています。乙は脱税もしていませんが、すでに脱税している人から見ると、メジャーになることは過去の悪事の露出につながりますから、知られたくないのでしょうかね。
 乙は、上記の(4)の人たちの考え方を代弁することはできませんが、乙の知らない何かいい話があるのでしょうか。ぜひ知りたいものです。
posted by 乙 at 05:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月18日

オーレン・ロース(2003.9)『億万長者だけが知っている雨の日の傘の借り方』講談社

 乙が読んだ本です。
 全体は、第1部100ページと第2部150ページ、付録13ページに分かれています。
 第1部は、人生設計のような話で、抽象的であり、あまりおもしろくないように思いました。
 第5章で登場する PTMC(複数通貨および多重国居住による、移動可能な職業)が、この本の主題です。億万長者になったら、こういう生き方をしようということです。では、こういう職業は、どんなものでしょうか。p.71 の表にありますが、作家、作詞家、作曲家、通訳、プロスポーツ選手、投資家、などであり、サラリーマンや国家資格をもとにする職の人(医師、弁護士、税理士など)はなれません。乙は、ここまで読んで、がっかりしました。ごく一部の人を対象に書かれた本だったからです。乙のようなサラリーマンは PTMC ではありえません。したがって、この本を読んでも、あまり役に立ちません。
 第2部は「明日からできる、実践・海外個人投資」ということで、乙が期待して読んだところです。
 特に第8章「オフショアファンドの秘密」をおもしろく読みました。
 p.125 では、ローリスクファンドが年間5%のリターンで、5.1%〜6.5% がモデレートファンド、6.5%以上がハイリスクファンドと分類しています。ほう、なるほど。このあたりで区分するんですか。日本の低金利になれてしまった頭には新鮮に響きます。
 p.126 では、なぜオフショアファンドの成績がいいかを説明しています。金融のプロだとか、優れたマネーエンジニアリングが存在するからだなどという理由が述べられますが、どうも、あまり説得的ではありません。ここに書いてあるようなことなら、オフショアでなくても実行できそうな話です。
 p.127 では、日本の銀行もオフショアに投資しているということが述べられます。あ、そうですか。オフショアファンドがなぜいい成績を挙げるかは説明されていなくても、日本の銀行がそういうことをやっているなら、いい話に間違いありません。だったら、個人も乗り出しましょう。
 この本の中心部分は、第11章「スイス銀行に口座を開く」、第12章「プライベートバンクの世界」、第13章「お金持ちが眺める世界の景色」(PTMC の話)です。乙のようなサラリーマンとはまったく別の世界が描かれます。ヨーロッパのお金持ちってすごいんですね。
 全体を読み終えて、億万長者の生き方がかいま見えたような感想を持ちましたが、それと同時に、サラリーマンには無縁の本だなあと思いました。知識を広げる(お金持ちの世界を知る)という意味ではおもしろいのですが、これが「明日からできる、実践・海外個人投資」といわれると、「う〜ん、だいぶ違うのではないか」と思います。サラリーマンにはとうていできないことですが、お金持ちは、こういうことが簡単にできなければならないのでしょうね。

posted by 乙 at 04:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月17日

グローバル・ソブリン・オープンを解約しました。

 乙は、ブログで「グローバル・ソブリン・オープンはおトクです」と述べたことがありました。
http://otsu.seesaa.net/article/12540315.html
 しかし、山崎元(2006.4)『「投資バカ」につける薬』講談社
http://otsu.seesaa.net/article/22402936.html
を読むと、p.162 からこのファンドが批判されています。本当は損だというわけです。
 山崎氏の挙げる「損」の理由は、次の3点です。
1. 毎月分配型は毎月課税されるから損である。
2. 手数料、特に継続的にかかる信託報酬が高い。
3. 為替リスクや金利と債券価格について顧客が理解していないが、それらを考えるとハイリスクだ。

 1. については、乙も頭では理解していましたが、それがどれくらいの影響なのか、今ひとつ実感がありませんでした。
 グロソブの運用会社の国際投信投資顧問のホームページから、グロソブの毎月決算型・3ヶ月決算型・1年決算型の基準価額のグラフを見ることができます。
http://www.kokusai-am.co.jp/cgi/cgi-bin/fl_frame.cgi
 比べてみると、毎月決算型・3ヶ月決算型の基準価額はこの3年あまりほとんど変化していませんが、1年決算型は、大幅な上昇を見せています。なるほど、こんなにも違ってくるんですね。実感しました。
 2. についても乙は理解していました。いろいろな投資信託を調べて比較検討してみた後では、債券で 1.3125% というのは高いと思います。しかし、類似の商品を調べると、みんな手数料が高いんです。お互いを比べ合って「高値安定」なんですかね。本来、先進各国の債券の利回りは3〜5%くらいだろうと思います。それで運用しながら 1.3125% を手数料として取るということは、投資家から見れば、得られた利益の3割から4割くらいファンドに持って行かれるということです。高いです。
 3. は、若干の説明が必要です。山崎氏によれば、グローバルな為替・金利市場では、外国の債券で運用しても、円での債券運用と期待リターンはそう変わらないはずだということです。(金利が低いから)低いリターンなのに、それに比べると手数料が相対的に高いということになります。
 さて、グロソブに対するこれらの批判は、乙が購入を決めた2004年10月にも聞こえていました。しかし、実際に買って経験してみなければ、金融商品を理解することはできないという面もあるように思って、乙は買ってみました。
 乙が前回ブログで書いた2006年1月末段階
http://otsu.seesaa.net/article/12540315.html
では、(2004年10月の購入時と比べて)1.077 倍の上昇率でしたが、7月末段階では 1.085 倍になっています。最近半年はあまり成績が良くなく、1%程度しか上がっていません。なぜでしょうか。
 グロソブの運用報告書を見ると、運用のようすがわかります。
http://www.kokusai-am.co.jp/fund/pdf/unyou/148013.pdf
 これは、第96期(2005.12.19決算)から第101期(2006.5.17決算)までの分です。この半年で基準価額は253円下がっているのですが、その要因は、債券要因が55円、為替要因が149円、信託報酬52円です。(解約要因は3円のプラスです。これは、信託財産留保額、つまり解約時に払う手数料のことですから必ずプラスになります。)
 債券要因は、世界の金利がやや上昇して、債券価格が下落したということですし、為替要因は、円高になって円での評価額が下がったということです。まさに、山崎氏が述べている 3. の要因が効いていることになります。
 特に大きいのは、アメリカの為替要因(194円のマイナス)ですから、ドルに対する円高が効いていることになります。
 今から思えば、乙が2004年10月に購入してから「グローバル・ソブリン・オープンはおトクです」と述べた時期(2006年1月)までは、基本的に円安傾向にあったので、円表示の海外債券ファンドとしては成績がいいように見えただけだったということになりましょうか。
 実のところ、年4%くらいの利回りでは、乙は満足できないのです。目標は年7%です。新生銀行で同時期に購入したファンド類を並べてみると、グロソブの成績は他のファンドよりも相当に低いのです。
 乙がグロソブを買った新生銀行では、申込手数料 1.575%、信託財産留保額 0.5% ですから、合わせると約2%となりますので、乙の基準(申込手数料1%あたり1年以上継続することとする)では2年以上の運用期間になります。2004年10月から2年というと、2006年10月ですから、その点からもそろそろ解約を考えてもいいでしょう。
 今後のグロソブの見通しは、よくわかりませんが、経済のシロートである乙の勝手な予測では、欧米においてやや金利が上昇し、債券価格が下落するのではないか、また、欧米と日本の金利差があるので、為替はやや円高になっていくのではないかと思います。両方ともグロソブのパフォーマンスにはマイナスの影響を及ぼします。
 これらのことを考えて、乙は(ちょっと早いのですが)先日、グロソブを解約しました。
 精算金額を投資金額と比べると、1.0828 倍になっていました。すべての手数料と税金を引かれたあとの正味(乙の銀行口座に戻された金額)でも、2年間で 8%(年平均で 4%)の利回りがあったということで、乙としては、やや不満ながらもこんなものかと思っています。
 グロソブのウィークリーレポートを見ると、
http://www.kokusai-am.co.jp/fund/pdf/weekly/148013.pdf
2006年8月10日現在のファンドの騰落率(課税前分配金を再投資した場合)は、6ヶ月で 0.5%、1年で 5.6%、3年で 13.5% となっていますから、乙の2年間の経験(税引き後8%)はこんなものでしょう。
 グロソブの評価は、いいという人と悪いという人で二分されると思います。
 一つは、結果的に、預貯金の利率を大きく上回る運用結果だったのだから、グロソブはおトクだったという見方です。ウィークリーレポートその他で分配金込みの基準価額の推移を見ると、2000年くらいからずっと安定的に上昇しています。債券で運用するのですから、為替変動がない限り、安定的な運用ができて当たり前ですが、それにしても、4%-5% の利回りというのは預貯金と比べれば圧倒的に有利な利回りだということができます。以前は(1月段階では)乙は単純にそう思っていました。グロソブが5兆円を超える超大型ファンドになっているのは、たぶん、こう考える人が多いからでしょう。
 もう一つは、グロソブの持ついくつかの特徴を考慮すると、金融商品としてはあまり魅力的なものではないという意見です。今の乙はどちらかというと、こちらの意見です。

 ちなみに、日経新聞8月15日朝刊の記事で、「マネー商品のなぞ」欄(金融欄)に「グロソブの信託報酬の一部が販売した金融機関に流れるが、販売残高が多くなるとその金融機関への配分率が上がる」という記事が出ていました。グロソブのこういう仕組みは気が付きませんでしたが、こうして、金融機関への手数料を増やして販売を奨励する方針を見ると、国際投信投資顧問の目が顧客に向いておらず、販売する金融機関に向いていることがわかります。
posted by 乙 at 04:43| Comment(3) | TrackBack(1) | 国内投資信託 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月16日

山崎元(2006.4)『「投資バカ」につける薬』講談社

 乙が読んだ本です。とても痛快な本です。
 しかし、乙は必ずしも賛成できないところがあり、そこを中心に意見を述べます。
 p.40 から、投資信託は手数料が高いから買うべきでないという話が出て来ます。ETF も銘柄変更で損をします。その代わりに、日本株では数銘柄に分散投資するのがよいとのことです。山崎氏は、投信の手数料を 0.5% くらいにできるとしています(p.234)。乙としても、もしも、そういうのがあったら、実際に投資してみたいと思いますが、現状では存在しません。では、どうしたらいいのでしょうか。待っていても、これから誕生するとは思えません。これからできるくらいなら、すでに始まっているでしょう。それとも、山崎氏が独自のファンドを立ち上げますか。それが「手数料を 0.5% にできる」と断言する山崎氏の責任の取り方だと思います。
 ところで、乙が投資信託を買っている中心部分は、日本株以外の運用を考える場合です。外国株などは、自分で情報を集めるのにも苦労しますし、自分で直接買うのは(うまく判断できずに)危険すぎるし、取引を開始するための手間などが無視できないように思います。どうやればコストを下げられるかも難しい問題ですし、株を売って退却するときの判断はさらにむずかしくなるでしょう。したがって、投信に頼るのがよいと思っています。海外のファンドを買えば、自分でいろいろ調べなくて済むということにメリットがあることになります。
 p.143 では、山崎氏は、外貨建て資産への投資はいずれも手数料が高く、適当なものがないから国際分散投資をする必要はないとしています。あ、なるほど。乙の疑問(日本株以外の投資信託をどう考えるか)に対する回答が書いてありました。一切手を出さないというわけです。それはそれで一つの考え方ですが、円建て資産だけで運用することのリスクを考えないでいいのかどうか、乙は疑問に思います。
 p.142 日経平均のパッシブファンドの場合、銘柄入れ替えで投資家は損をするわけですが、それが数十ベイシス(0.数%)に達するということです。かなり大きな割合で、無視できません。そして、TOPIX でも、同様の問題があるというわけですが、さて、それはどれくらいの影響を与えるものなんでしょうか。TOPIX は、日経平均よりも基準となる会社の数がはるかに大きいのですから、パッシブファンドの損失はそれだけ少ないように思いますが、それがどれくらいか示してほしかったと思います。
 ちなみに、日経新聞の8月15日夕刊に東証2部から東証1部に指定が変わる企業の株価の話が出ていました。これらの企業は、インデックスファンドの買いが入るために株価が上昇しやすいとのことですが、記事自体を読むと、あまり大きな上昇ではなさそうです。2005年9月1日に指定日を迎えた13社の株価を8月1日と9月末で比べると、対TOPIX 以上に上昇したのは半数しかないとか、1部指定発表日前後に上昇する例と、指定日の月末にかけて上昇する例がある一方、株価上昇が見られないケースもあるということでは、個人投資家がこれを利用して儲けることは無理でしょう。大規模な運用をする場合は、少しはいい成績になりそうですが。
 というわけで、TOPIX インデックスファンドに投資する場合の投資家の損の程度について知りたいと思いました。
 pp.176-184では、ドルコスト平均法に対する批判が述べられています。世間一般の常識に反するかもしれませんが、乙も同感であり、すでにこのことはブログに書きました。
http://otsu.seesaa.net/article/22320551.html
 p.188 から、個人向けヘッジファンドに対する批判が書いてあります。成功報酬型の手数料は、実は高いのだというわけです。乙は、いくつかのヘッジファンドに投資していますので、ここが本書で一番おもしろかったところです。
 ヘッジファンドの定義は、p.190 によると、
1. オフショア籍である
2. デリバティブを活用し、絶対的な利益を追求する
3. 私募投信である
4. 成功報酬制である
5. レバレッジを活用している
の5点です。
 さて、p.192 では、「成功報酬型なら、儲からなかった場合は運用報酬を払う必要がないからいいかもしれない」という考えを批判しています。しかし、乙は、ちょっと考え方が違うと思います。「儲かった場合に、2割の成功報酬を払うのは特に高いと思わない」ということです。
 p.195 では、成功報酬制度は、値上がり分に比例した額の報酬を受け取ることなので、コールオプションと同じだと説かれます。いわれてはっとしましたが、その通りです。そして、p.197 でコールオプションの価値を計算し、リスクを年率20%とすると、コールオプションの価値は8%程度になるので、20%の成功報酬の価値は、1.6% になるとしています。この考え方は大変おもしろかったです。リスクを高くすればするほど、コールオプションの価値は上がりますから、ファンドマネージャーはハイリスクな運用をするということになります。
 以上のような検討を通じて、p.199 では、成功報酬型のヘッジファンドを合法的金融詐欺と断じています。
 成功報酬型のファンドの手数料が相対的に高くなるのは当然ですが、しかし、なお、多くのヘッジファンドはかなりの高利回りを実現してきています。これが単なる偶然か、理由のあることなのかが乙にはわかりません。山崎氏の見方では、これは単なる偶然だということになるでしょう。しかし、実際に何年も高利回りを実現しているという過去の実績を見ると、乙は、単なる偶然ではなく、何かもっともな理由があるのではないか、したがって、こういうファンドに投資していれば、将来的に高利回りが実現できるのではないかと思えます。
 乙の見込みが正しいか間違っているかは、実際に投資して、経験してみるのが一番でしょう。その意味で、ヘッジファンドに運用資産の大部分を預けるような危険なことをせずに、分散投資の一部に組み込むというようなことで考えればいいのではないでしょうか。
 p.210 では、株式投資に関して「売値を事前に決めておくルール」が有害であることを述べています。いわゆる「損切り=ロスカット」も有害とのことです。マルキール氏の著書
http://otsu.seesaa.net/article/21985368.html
でも書いてあったことですが、これが常識なんですね。

 ところで、乙は、本書のタイトルが気になりました。「投資バカ」というのは、山崎氏によれば、「投資について知らない人」ではなくて、「投資に関心があり、意識が高いけれども、実はバカを見ている人」のことです。間違った投資をしている人を山崎氏は「投資バカ」と呼ぶのですが、投資に「間違った投資」があるのでしょうか。乙はないと思います。乙は、株のデイトレードを儲からないやり方だと見て、自分ではしません。同様の理由で、宝くじも買いませんし、パチンコもやりません。しかし、乙は、それらをしている人を「バカ」と呼ぶことはしません。それは、その人なりの考え方・やり方なのであって、個人は(法を犯さないなどのルールに従う限り)何をやってもいいのではないでしょうか。山崎氏は、そういう人たちを「バカ」と呼ぶことで、実は呼んでいる自分の品格を下げていると思います。このタイトルのつけ方は(山崎氏にとって)損だと思います。そういいたい気持はよくわかるのですが。


posted by 乙 at 08:37| Comment(1) | TrackBack(1) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月15日

乙の投資スタイル(3)最初の出会いから投資の判断に到るまで

 乙が、今、投資しようと思っている金融商品は、数種類あります。
 広告やウェブサイト、メルマガなどを見ていると、いかにもおいしそうな話が見つかります。セミナーなどに参加することもあります。そういう話はメモに残します。乙はゴミ投資家で、投資に回せるお金がそうたくさんはありませんので、そのうち投資しようと考えます。普段から数種類の商品がメモしてあります。
 メモを見ながら、時たま WWW で検索して各種サイトをのぞいてみたり、いろいろ他人の評判を聞いたりしています。時には、販売(仲介)業者に問い合わせることもします。目論見書を一読するにしても、海外の場合は英語ですから、そんなに簡単に読み切れません。こんなことをしながら、金融商品は、いきなり購入するのでなく、数ヶ月考えてから投資するといいと思います。これは、特に高額のもの・海外のものに当てはまります。「今すぐ買わなければならない」ような金融商品は絶対にありません。それは販売側のいうことであり、投資家としては、急がずにゆっくり考えることです。乙には本業の仕事もありますから、毎日金融商品ばかり調べているわけにもいきませんが、気になるものはメモしておいて、土日など、時間の余裕があるときにそれについて調べたりすればいいのです。
 こうして、乙は、メモ(投資予定一覧)を見ながら、ときおり調べて考えるというスタイルを用いています。そして、今までに購入したものを見ながら、投資先のバランスを考えたりして、次の購入にふさわしいものを選びます。
 決心が付いたら、いざ購入に進みます。実際は、お金がなくて、購入できないこともあります。しかし、それはただ待てばいいのです。乙はサラリーマンですから、給与という定期収入があります。また、他の投資が償還されることもあるし、臨時収入があったりもします。そういうときに、メモを見て、そこまでで一番ふさわしいと思った金融商品に投資します。
 しかし、検討した結果、最終的に投資しないと判断する金融商品もあります。このブログでは、その一部を取り上げて、乙がなぜ投資しないと判断したかを書いてきました。必ずしも、悪徳商品だと主張するものではありません。そのときの乙の考えでは、投資するのは不要だと考えただけです。
 投資決定に時間がかかり、申込の締切を過ぎたりして投資時期を逃してしまっても、それは失敗でも何でもありません。もしも本当にいい商品ならば、また投資できる機会が回ってくるものです。そういう機会が回ってこなかったら、縁がなかったんだとあきらめて、別の商品を探せばいいのです。「これしかない」というような金融商品はありません。これがダメなら別のがあるさ。この考え方でいきましょう。モットーは、あわてず、あせらずです。
 乙の実例では、最初に金融商品の説明を受けてから、最終的に投資(購入)の決心をするまで、最長のケースで8ヶ月かかった例もあります。
 購入のタイミングは無視しています。結果としてのパフォーマンスに影響するのは事実ですが、購入時にはその後のことは予想できません。長期投資を基本と考えれば、購入タイミングが数ヶ月くらい早くても遅くても、何も差がないようなものです。
 乙は、自分がこんな投資スタイルを取っていることを、最近意識するようになってきました。
posted by 乙 at 02:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月14日

乙の投資スタイル(2)ドルコスト平均法は採用しない

 乙の投資スタイルとして、追加投資をしない
http://otsu.seesaa.net/article/22281508.html
ということは、ドルコスト平均法は採用しないということを意味します。また、毎月積立のような金融商品は購入しないということになります。
 なぜか。
 第1に、ドルコスト平均法では、資金の効率が悪くなるということです。
 たとえば、手元に100万円があって、それを投資する場合であれば、何も10ヶ月に分割して10万円ずつ投資するという必要はありません。株への投資を考える場合、バイ・アンド・ホールドを原則にするならば、一般に株価が上昇していく時期に投資するべきで、そうでない時期には休むべきです。(株価が上がろうが下がろうが、超長期にわたってずっと保持し続けるという考え方は、それはそれとしてもちろん有効ですが、ここでは、そうでない例を考えています。)ドルコスト平均法は、株価が下落する(ことがある)時期には有効な考え方ですが、上昇する時期には不利な考え方です。株に投資すると決めた時点で、今後は株価が上昇すると見込んでいるでしょうから、最初に全額を投資するべきです。10ヶ月に分割して10万円ずつ投資するということは、遊んでいるお金を抱えていることと同じで、運用としては効率が悪い方法です。最初の月などは、90万円を寝かせておくことになります。
 ファンドの場合でも話は同じです。基準価額が上昇することを前提に購入するべきです。
 今後、価格が上昇するか下降するかわからない(変動することは確実だ)という場合は、ドルコスト平均法もそれなりに意味があるかと思いますが、乙だったら、そういう場合は投資しないでしょう。
 第2に、ドルコスト平均法は、同じ投資先への集中投資になり、分散投資という原則に反します。
 もしも採用するときは、本当にわずかの金額で始めるべきでしょう。しかし、そんなにわずかの金額を継続的に投資することにどれだけ意味があるのか、疑問に思います。それよりは、そのときどきのダイナミックな運用を心がけたいと思います。
 第3に、海外ファンドの場合に当てはまりますが、少額の両替・送金はコストが高いということがあります。
 毎月の定期収入の一部を少しずつ両替して海外に送金すると、送金額が少なくなり、コストの比率がかなり大きくなります。乙は、両替・送金のコストを下げるために、FXを利用して両替・送金していますが、
http://otsu.seesaa.net/article/19814060.html
1回の両替単位は、1万米ドル、1万ユーロになりますから、毎月両替すると1年で1500万円程度になります。隔月の送金でも 700-800 万円になります。乙の給料ではそれは無理です。というわけで、海外ファンドでは、ドルコスト平均法は採用しないことになります。

 というようなわけで、いくつかの理由から、乙は(自分の投資に関して)ドルコスト平均法は採用しないことにしました。
posted by 乙 at 05:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月13日

乙の投資スタイル(1)追加投資をしない

 乙はいろいろな金融商品に分散投資していますから、それを一通り解説するだけで何ヶ月もかかってしまいます。ところで、それらを一覧すると、乙の特徴がわかります。それは、同じ金融商品を同じ金融機関で2回購入したことはないということです。(株は別です。)
 なぜか。
 二つの理由があります。
 一つは、乙が分散投資を心がけたからです。同じ商品を2回購入するくらいなら、別の商品を探すようにしてきました。その結果、必然的にこうなったというわけです。
 もう一つは、乙が、すべての金融商品をそれぞれ分けて、自分の購入した金融商品の騰落率をきちんと把握したいと思ったからです。同じ金融商品を2回以上購入すると、購入単価・購入時期とも把握しにくくなります。そういうのはきらいなのです。
 なお、乙が妻の50万円の運用を請け負っている
http://otsu.seesaa.net/article/17248232.html
という事情もこの投資スタイルに影響を与えています。
 騰落率の把握は、投資信託の場合の手数料の明確化とも関連します。投資信託では、手数料の高低によって運用成績がかなり変わってきます。したがって、手数料には敏感にならなければなりません。たった 1% の信託報酬でも、10年も続ければ 10% が運用資産から引き算されるのですから、影響が大きいのです。同じ商品を何回も購入していては、手数料がどれくらいかかっているか、意識しにくくなってしまい、よくないと考えます。
 同じ金融商品を2回買う場合は、買う金融機関を変えるようにしています。HSBC インドオープンは、その例です。
http://otsu.seesaa.net/article/15832140.html
 乙のスタイルでは、したがって、保有する金融商品の種類が多くなり、管理が大変になるわけですが、まあこれはしかたがありません。今のところ、月1回のペースで、全部の投資先の運用状況(時価)を確認して記録しています。

 ただし、今後は、同じ金融商品を2度購入することがあると思います。追加投資ということになるわけです。ある程度経験を積むことで、それまでの運用成績がわかりますし、独立系のファンドでは、どんな報告書をどれくらいの頻度で送ってくるかなどを通して、顧客対応のようすなどもわかりますので、「いい」ところに追加資金を回すようにするのがいいと(単純ですが)思います。
posted by 乙 at 04:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月12日

北村慶(2005.10)『外資ファンド 利回り20%超のからくり』PHP研究所

 乙の読んだ本です。
 タイトルに引かれて買ってしまいました。
 第1章では「企業買収ファンド」の仕組みを解説しています。第2章は「企業再生ファンド」の話です。第3章は「不動産ファンド」を扱います。いずれも、個人のゴミ投資家が手を出せるものではないので、話を知っていれば充分です。それにしても、こんなことで年利20%超が達成できるんですね。
 第4章は「ヘッジファンド」ですが、ここは、個人も投資できるようになってきたので、注意深く読みました。
 第5章「歪み」、第6章「レバレッジ」、第7章「分散効果」、そして第8章「ファンド・カルチャー」で、投資ファンドがなぜ高利回りを実現できるのか、そのテクニックを具体的に説明しています。
 第9章と第10章は、「ファンド資本主義」の話題で、投資ファンドが大きな影響力を持ち始めたことで、社会が変わっていくのではないかという話です。
 乙は、ヘッジファンド関連の話題に一番興味がありました。いろいろ興味深いことが書いてあります。
 p.13 今や、年金基金などもオルタナティブ投資に乗り出しているんですね。まったく同じ意味で、個人投資家も、自分のポートフォリオにヘッジファンドなどを組み込んだ方がいいのではないかと思います。
 p.113 ヘッジファンドの定義が出てきます。(1)レバレッジを活用していること、(2)私募(プライベート)な組織形態、(3)成功報酬制、の三つです。妥当な線でしょう。
 p.121 年間に数百というヘッジファンドが破綻あるいは解散し、1000本近いヘッジファンドが新たに生まれる世界だとのことです。浅川さんの本
http://otsu.seesaa.net/article/22071367.html
にも出ていましたが、すごい話です。
 p.123 ファンドマネージャーも、ずっと利益を出し続けることはできないということです。だからファンドマネージャーの入れ替わりが激しくなります。ずっと生き残れるファンドマネージャーはいないのではないでしょうか。厳しい世界です。
 p.200 ファンドマネージャーと投資家との出会いが重要だという話です。お互いに信頼できることが必要だからです。ということは、ヘッジファンドなどは、もともとゴミ投資家には無縁の世界であり、一部の富裕層だけがまともに相手してもらえる存在だということになります。
 p.232 小規模の資産運用会社のほうが好成績を残すという話です。ということは、大規模な会社に資金を預けても、あまり成績は良くないということになります。
 p.237 今や年金基金・銀行・生保などがオフショアの「投資ファンド」に流れているという話です。

 全体にわかりやすい本でした。統計学的な説明もとても丁寧にしてありました。
 ただ、高利回りの「投資ファンド」が、富裕層だけを相手にしていて、クチコミでしかそういう話が伝わっていかないという話はちょっとショッキングでした。それでは、ゴミ投資家は何もするすべがないではありませんか。ただ、悔しいといって歯ぎしりするだけになってしまいます。ということでは、ゴミ投資家でも投資できるような最低投資金額のファンドには、もう少し積極的になってもいいかななどと考えてしまいました。
 ともあれ、ヘッジファンドがどうやって儲けているのかをきちんと知りたい人にはお勧めできる本だと思います。
 北村慶氏のサイトも訪問してみるといいかもしれません。
http://kitamurakei.jugem.jp/


posted by 乙 at 04:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月11日

乙が運用する外貨の比率

 乙が外貨で運用している分を通貨別に集計してみると、
米ドル     68.4%
香港ドル    11.7%
ユーロ     11.6%
カナダドル   4.6%
南アフリカランド 3.6%
となります。
 自分の保有する資産に関して、通貨の配分をどう考えるべきかは何ともいいがたい問題です。
 浅川夏樹氏によると、
http://blog.business-i.jp/asakawa/2006/07/post_f01a.html
国際通貨基金(IMF)が発表した2006年3月現在の世界各国の外貨準備の構成比率は、米ドル66.3%、ユーロ24.8%、ポンド4.0%、円3.4%、その他1.5%という比率だそうですから、このあたりが目安になりそうです。
 これと比べると、乙の保有資産では、ユーロが少ないように思いますので、今後はユーロによる投資を増やそうと思います。
 香港ドルが多いのは、乙が中国株に投資しているからです。自分でわかってやっていることですから、多すぎるということではなく、これはこれでいいと思います。
 昨日のブログで述べたように、
http://otsu.seesaa.net/article/22159344.html
乙は保有資産の中で外国債券が少な目です。したがって、これから通貨配分を考えてユーロの比率を増やそうとすれば、ユーロで外国債券を購入するのがいいということになります。たとえば、ドイツかフランスあたりの国債を買うのがよさそうです。
posted by 乙 at 06:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月10日

乙のポートフォリオ

 昨日までの段階で、現在の乙の投資先について、一通りの解説が終わりました。
 この時点で、乙のポートフォリオがどうなっているかを示しましょう。例によってワンルームマンションは無視しています。2006年7月末の段階です。

単位は%   円  外貨  合計
──────────────────
預貯金    9.0   0.6   9.6
ファンド  11.6  45.1  56.7
 (日本株)   1.6   0.0   1.6
 (外国株)   3.8  19.5  23.3
 (外国債券)  0.7   8.3   9.0
 (外国不動産) 0.9   7.1   8.0
 (外国商品)  0.0  10.2  10.2
 (その他)   4.6   0.0   4.6
株式    14.4   5.7  20.1
債券     0.0   1.9   1.9
不動産    7.5   0.0   7.5
その他    4.2   0.0   4.2
──────────────────
合計    46.7  53.3  100.0%

 海外での運用はすべて外貨建てですが、国内の運用は円建てと外貨建てがあります。上の表では、運用先の所在地としての国内・海外の区分でなく、円・外貨の区分にしましたが、外貨建て運用の大部分は海外での運用です。
 ただし、上の表では、日本株のETFは(ファンドではなく)国内の株に入れてあります。ランド・バンキングは不動産でなくファンド(の中の外国不動産)に含めました。
 円での運用額よりも外貨のほうが多くなっているのは、最近の傾向です。今は、国内の投資で償還されたものは海外で運用するようにしていますので、
http://otsu.seesaa.net/article/12800956.html
今後ともこの傾向が続くでしょう。

 上の表を、投資対象の伝統的な分類に従ってまとめ直せば、次のようになります。
預貯金  9.6%
日本株  16.0%
外国株  29.0%
外国債券 10.9%
不動産  15.5%
その他  19.0%
 日本の債券がゼロなのは、日本の金利が低いためです。外国債券も少な目です。外国株はやや多めで、その他 19% もやや多めかもしれません。マネージド・フューチャーズなどのオルタナティブ投資が多いということを意味しており、全体に、ハイリスク・ハイリターンを志向するポートフォリオになっていると思います。
 乙の場合、必ずしも、事前にアセット・アロケーションを考えていたわけではありません。
 おもしろそうな金融商品を探し求めて購入していたら、結果的にこんな比率になりました。
 なお、マルキール氏
http://otsu.seesaa.net/article/21985368.html
が勧めている年齢別比率で、乙の実年齢に比較的近い50代半ばの投資家のところを見ると、株式 45%、債券 37.5%、不動産 12.5%、現金 5% とあります。これを基準に比べてみると、乙は債券が少なすぎ、「その他」が多すぎることになります。しかし、わかってやっていることですから、まあいいでしょう。
続きを読む
posted by 乙 at 04:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月09日

AVIVA Global Investment Account

 乙は、香港のブローカー BMI 社
http://www.bmintelligence.com/
を通じて、AVIVA 社
http://www.aviva.com.hk/
の Global Investment Account
http://hk.aviva-asia.com/index.cfm?pageid=221
にも投資しています。ただし、このページには詳しい情報が掲載されていません。
 これは、ファンド・オブ・ファンズです。その仕組みの一部は、(AVIVA 社の名前は出しませんでしたが)すでにブログに書きました。
http://otsu.seesaa.net/article/13011763.html
にある「自己選択型」のファンド・オブ・ファンズというのが AVIVA 社のものだったのです。
 投資先として選べるファンドは73種類ありました。一つのファンドの投資金額は全体の 10% 以上を占めるようにしますので、選択できるのは最大10個になります。乙の場合は、当初は九つのファンドを選びました。
 このファンドの申込手数料にあたる部分は、最初の3年間に、4半期ごとに 0.63% ずつ引かれます。一見割安ですが、3年分を合計すると 7.56% になり、非常に高くなります。
 管理報酬(Management Fee)は、4半期ごとに 0.3% ですから、年率 1.2% かかります。これに加えて信託報酬(Annual Management Charge) 3.5% 以内がかかることになっています。これがそれぞれの子ファンドの信託報酬ということになります。一覧表を見ると、実際は 1〜2% くらいが多いようです。ファンド・オブ・ファンズとしては手数料が高いと思います。しかし、ファンドのスイッチおよびそのためのスイッチ対象の提案など、サポートがあると考えれば、こんなものかもしれません。
 最初の5年のうちに解約すると、解約手数料がかかります。1年以内 7.5%、2年以内 5%、3年以内 2.5%、4年以内 2%、5年以内 1% ということで、解約手数料が非常に高いですから、このファンドは長期でずっと運用するべきものでしょう。
 こういう自己選択型のファンド・オブ・ファンズは、運用成績を云々することがむずかしくなります。顧客ごとにまったく違ったファンドを選んでいるからです。したがって、パフォーマンスも、あくまで乙が選んだ子ファンドで運用した結果こうなったということだけがわかります。
 乙は、2005年6月に申し込みました。その後、2006年4月の段階では、2割ほどの上昇を見せていましたが、7月10日現在では、やや値下がりし、13.2% ほどの上昇になってしまいました。5月から6月にかけての世界的な株安の影響でしょう。1年でこの程度の上昇率であれば充分満足できます。
 乙が選んでいる9種類の子ファンドは、全部、基準価額が購入当時を上回っており、順調に運用されていることがわかります。
 もともと、個人ごとに運用成績が郵送されてくるようになっているのですが、(船便によるということもあるのでしょうが)連絡が遅いです。7月10日現在の報告書が7月12日に発送され、乙が見たのが8月7日ですからね。長期で運用することを考えると、まあそれでもいいのかもしれませんが、今なら、WWW 経由でID+パスワードを指定して簡単に運用成績が調べられるようになっていてほしいものです。
 気になるのは、これからの運用のパフォーマンスです。これは、アビバ社のファンドの選択眼がどれくらいあるかにかかってくるように思います。こんなにも高い手数料に見合うだけの成果が上げられるのでしょうか。乙は、一方では疑問に思いつつも、一方では可能かもしれないと思います。スイッチングは無料ですから、適宜、保有する子ファンドを入れ替えていくことができます。さて、そうすることによって、一体どれくらいの運用成績が挙げられるでしょうか。楽しみな反面、不安もあります。
 なお、スイッチングは、ある子ファンドを売って別の子ファンドを買うことと同じことのように見えますが、そうではありません。スイッチングは、あくまでアビバ社の一つのファンドの中の話です。ファンドを売ると、利益が出ていればそれが確定し、課税対象になりますが、アビバ社の仕組みは利益が確定したとはみなされません。最後(償還時)には課税されますが、運用の途中で課税されないというだけでも、利回りは課税されたときより良くなるはずです。
 アビバ社は、もともと生命保険会社です。会社名は Aviva Life Insurence Company Limited です。
 http://hk.aviva-asia.com/index.cfm?pageid=83 によれば、世界第6位の保険会社で、英国の最大手だそうです。管理している資金が US$ 524 billion ですから、60兆円ということで、非常に大きいです。

 さて、BMI 社は、2006年2月はじめころ、いくつかのファンドのスイッチングを提案してきました。今年のオススメという感じです。そこで、乙は、自分の手持ちのファンド類のことも考慮して、提案されてきたものを一部変更して、自分なりの案を BMI 社に送りました。ところが、そのようなスイッチングができないようなのです。ある子ファンドに投資している分をそっくり別の子ファンドに切り替える場合は可能なのですが、新たな比率で、子ファンドAを10%、子ファンドBを10%、というような指定はできないようです。しかし、それはちょっと変です。ファンドの一部解約は可能でしょうから、ある時点でのそれぞれの子ファンドの価格を計算して、子ファンドXを45%解約し、それで子ファンドAを購入し、子ファンドYを32%解約し、それで子ファンドBを購入するというようなことをすれば、任意の比率に変更できると思います。ちょっと計算がめんどうですが、しかし、大した計算ではありません。(乙が自分で計算してもいいです。)一定の金額以下の少額解約は認めないということであれば、こういうことはできなくなりますが。

 本当の問題は、その後の対応です。2月にスイッチングの提案があったあと、半年経つのに、BMI 社からは今後どうするかに関する連絡がありません。スイッチングをしないならば、このファンド・オブ・ファンズに投資している意味はあまりないことになります。スイッチングをするならば、すでに2月に提案をしているのですから、そのままずるずると以前の状態を継続することは、顧客に対して誠実ではありません。乙としては、スイッチングをどのようにしたらいいか、どのようなスイッチングならば可能なのかを早めに知らせてほしいと思います。
 というわけで、AVIVA 社の問題ではなく、仲介している BMI 社のサポート上の問題があるということになります。
 仮にスイッチングが遅れたとしても、現有のそれぞれの子ファンドはそれなりの成績を挙げていますし、数ヶ月でパフォーマンスが激変するというようなこともないでしょうから、大きな問題ではないという見方も可能です。しかし、このままスイッチングが長期にわたって行われないとしたら大変な問題になってしまいます。
 この問題は、もう少し時間をかけて成り行きを見守る必要があるように思います。
 乙は、申込手数料7%以上ということを考慮して、7年以上投資するつもりでいますが、こういうことがあると、今後が心配になってしまいます。現状では、追加投資はできませんし、他の人にもお勧めできないと思っています。
続きを読む
posted by 乙 at 03:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外ファンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月08日

浅川夏樹(2004.8)『わたし、かわいいお金を海外投資でふやしました。−銀座ホステスの華麗なる資産形成術−』実業之日本社

 乙が読んだ本です。
 表紙(のカバー)には色っぽいイラストが描いてあり、帯には「花のいのちは短くて──。」などと書いてあります。「ホステスの書いた本だから、遊びの本かな。」などと思ってはいけません。読み始めると、びっくりします。本格的な投資の本です。「ホステス」というのは、偽の姿で、本当は証券マンが匿名で書いているのではないかと思うくらいに、浅川氏はいろいろ調べ、投資を実践し、その経験に基づいてこの本を書いています。浅川氏は、ホステスでありながら、一方では自分のお店を持ち、その運営のために自分で法人を設立して、その代表者を務めているという多才な方です。
 第1章では、浅川氏が総合的に活躍している人なんだということがわかります。今までの失敗談を含めて「来し方」を描いています。
 第2章では不動産投資について述べます。不動産投資は(J-REIT を含めて)個人では行わず、法人の事業として行うようです。この方針決定の裏には、浅川氏の冷静な判断があります。
 第3章は、さまざまな金融商品について述べます。浅川氏はさわかみファンドへの投資や株のオプション取引まで行っています。p.82 には、浅川氏のポートフォリオが出ていますが、分散投資のようすがよくわかり、参考になります。
 第4章は、エマージング投資ということで、中国株・インド株・ロシア株のおもしろさについて語ります。
 ページ数ではここまでで約半分ですが、まだ海外投資の話ではありません。
 第5章で、やっとオフショア投資の話になります。オフショアに口座を作り、さまざまな商品に投資します。pp.168-169 のヘッジファンドの注意点はおもしろかったです。2002年には300のヘッジファンドが解散し、新たに1200が設立されたなどと聞くと、なかなか大変なんだなあと思います。乙の知らないところで、解散・破綻があるんですね。人気が出たヘッジファンドのパフォーマンスが下がることはよくあるとのことですから、乙のように大きくて有名なところに投資するようではダメなんですかね。
 第6章は、「おいしい話には裏がある」と題する章で、乙はここが本書中で一番おもしろく思いました。pp.194-198 では、無料のサービスではいいものに巡りあわないから、自分で調べるか、専門のスタッフを雇って時間と能力への代償を払うべきだというようなことが述べられます。耳が痛い話です。成功者とはどういう人か、考えさせられます。
 第7章は、「わたしを支えてくれる人たち」という章で、浅川氏の人脈をいろいろ書いています。実に広い人脈をお持ちで、うらやましい限りです。ホステスならではの人脈なんでしょうね。
 タイトルとちがって、半分は海外投資の話ではありませんが、しかし、海外投資をするには、やはりその前に国内での投資を経験しておく必要があると思います。その意味で、本書の前半はけっして不要なものではなく、むしろ付いていることが望ましい部分です。タイトルは編集者のほうで付けたのですかね。副題のほうがむしろ本書の内容を一言で表しています。

 読み終わった感想を一言で述べれば、浅川氏は本当に頭のいい方であり、また努力家です。ホステスという立場を生かしてすばらしい人生を歩んでいる方だと思います。
 乙は、一度実際にお目にかかって、海外投資の話をうかがいたいものだと思いました。もっとも、安サラリーマンとしては、とうてい銀座のクラブには行けませんけれど。
 なお、乙は、本書を1年ほど前に購入して読んだのですが、そのときはすごい本だと思いました。今回、改めて読み直してみたら、そんな印象は持ちませんでした。たぶん、乙の側の知識が増えたためだろうと思います。となると、ここからは一般論ですが、本の感想を述べることはむずかしいことになります。客観的な感想なんてありえません。すべては、読んだときの読み手の知識や考え方によって、変わって受け止められるということです。当たり前のことですが、実感しました。
 興味のある方は、浅川氏のサイト
http://kaigaitoushi.com も訪問してみるといいでしょう。メールマガジンなどもあります。
 http://blog.business-i.jp/asakawa/ は、浅川氏のブログです。


posted by 乙 at 04:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月07日

Walton International Group Inc. ランド・バンキング

 カナダのランド・バンキングです。
 http://www.waltoninternational.com/ に説明がありますが、この説明は概略だけです。
 乙は、2006年6月に New Tecumseth Phase 014 というのに投資しました。
http://www.waltoninternational.com/asia/project_details.asp?ARTID=160
 今は振込金の受領書が送られてきた段階です。
 Walton 社は、ネットで何でも公開する主義ではないようです。ネットで情報が得られるようにすると、宣伝・広告している形になり、それを嫌っているのでしょうか。もしかすると、何らかの規制に引っかかるのかもしれません。そのため、Walton 社のランド・バンキングの詳細は、会社に問い合わせをした上で、紹介される担当者(日本人です)と個人的に相談しながら知るしかありません。今のネット時代にこういう対応でいいのかどうか、乙は疑問に思います。
 ランド・バンキングというのは、将来の需要を見越して土地を買って、所有しておき、後日販売して、そこから収益を上げる資産運用手法です。Walton 社は建物類の建築などはせず、土地の区画整備までを行うようです。ランド・バンキングは、カナダではさかんなようで、Walton 社以外にも複数の会社が手がけています。(ネットで調べるといろいろ見つかります。)
 各投資家は、Walton 社が設けた共同体に参加することになります。まあ、土地を共有していると考えればいいでしょう。投資家には、土地所有権証が発行されるとのことです。乙のところにもそのうち送られてくるでしょう。
 Walton 社は26年のキャリアを持つ、カナダでNo1のランド・バンキングの会社で、現在保有中の不動産は 14,000エーカー(約17百万坪)で、世界各国におよそ2万名の投資家がいるとのことです。
 過去の実績は、必ずしも全部わかっているわけではありませんが、だいたい数年程度経過したら土地を売却するようです。共有の土地をどういうタイミングで売却するかは、その時点での所有者全員の合議によるとのことで、6割以上の所有者から賛成が得られたときに償還するのだそうです。
 結果的には年率換算で数%程度の利回りになることが多いようですが、さて、果たして乙の場合はどうなんでしょうか。乙としては、7%程度の利回りがあれば投資してもいいと思いますが、事前には何とも予想できません。
 この投資では、カナダ政府に相当たくさんの税金(固定資産税など)を払うことになります。出資者は非居住者ですから、税金も高くなるのは当然です。しかし、それを払った後でも、年率数%のリターンになるとすれば、投資も考慮する価値があるように思います。
 ただし、乙としては、この仕組みを全面的に信頼しているわけではありません。ランド・バンキングをしても、出資者は特に手数料を取られるわけでもないというのは不思議です。Walton 社が手数料を徴収しないなら、手間をかけて個人投資家をかき集めるよりも、銀行か何かにその分の融資を頼んだ方が簡単でいいのではないかと思います。
 また、こんなにも次々と投資案件を出していって、それらが数年先に全部売却できるものかどうかも疑問に思うところです。
 Walton 社が倒産した場合は、土地を処分するのに手間がかかります。土地の所有権登記(に相当するもの)があるので、出資した金額が全損失になることはないと思いますが、万が一、土地の評価額を Walton 社があえて高く設定しているような場合は、市場価額で売却しようとすると大幅な損失になることがありえます。
 そういう疑問はありながら、乙は「自己資金のごく一部ならば、ま、いいか」的な感覚で投資を決断しました。あまり多額の金額を投資するのは危険だと思います。今のところ、乙は、数年(最長10年?)先に償還されたら、それを再投資にあてたいと考えています。(それまでには Walton 社の対応などもわかりますし。)

 なお、乙は、タイの Royal Siam Trust のランド・バンキングには投資しないことにしました。
http://otsu.seesaa.net/article/15658158.html
 タイに比べると、カナダのほうが先進国で政治も経済も安定していますし、Walton 社の場合は、当該物件の説明がある程度詳しくHPに書かれている点もいい印象を持ちました。
続きを読む
posted by 乙 at 05:07| Comment(5) | TrackBack(0) | 不動産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月06日

バートン・マルキール(2004.4)『ウォール街のランダム・ウォーカー(新版)』日本経済新聞社

 乙が読んだ本です。467ページにも及ぶもので、中身がぎっしりと詰まっており、読み応えがありました。単に分量が多いだけでなく、中身が濃いということです。経済学者の書いたものですので、それだけ研究書に近いということでしょうか。
 内容を一言で言えば、株式投資にはインデックス・ファンドを買うのが一番良いということです。マルキール氏の本で提案されてインデックス・ファンドが実際に作られたというのも興味深いことでした。
 原著はミリオンセラーだそうで、帯には「全米No.1テキスト!」と書いてあります。副題は「株式投資の不滅の真理」となっています。しかし、本当は、p.23 にあるように「ゆっくりと、しかし確実に金持ちになる本」という副題がむいていると思います。
 本書では、テクニカル分析やファンダメンタル分析をはじめ、株式投資のいろいろな考え方が登場しますが、それらがどれも「市場平均」よりも継続的に優れているわけではないということで、結論としてインデックス・ファンドのススメということになるわけです。
 p.97 では、新規公開株を買うときはよくよく注意するべきだと書いてあります。乙は、「へえ」と思いました。IPO のブームがあるように思いますが、全体としてはあまり儲からないのでしょうね。
 pp.206-207 には「フィルター法」というテクニカル手法が出てきます。直近の下値からたとえば5%以上上がったら、上昇トレンドにあるということで買い、高値から5%下がった時点で売るというような手法です。「損切り」というアイディアも同じ考え方をしています。しかし、この手法はバイ・アンド・ホールド戦略のパフォーマンスを継続的に上回ることはないということで、否定されています。ということは、損切りについても否定されているわけです。乙は不思議な気がしました。損切りは常識だと思っていましたが、そうではないのですね。
 pp.232-233 では、バイ・アンド・ホールド戦略は、税金面で有利だということが書いてあります。確かに、株を売ると利益が出ていれば税金が取られますが、ずっと保持していれば税金がかからないわけですから、そのほうが望ましいということになります。長期保有を目指したいものです。
 p.272 では、効率的市場理論が出て来ますが、それによれば、ファンダメンタル分析もインデックス・ファンドを上回れないとのことです。これには、乙も驚きました。
 p.341 では、期初の株価収益率(PER)と実現総リターンの関係を調べ、株安の場合はリターンが高く、株高の場合はリターンが低いという結果を示しています。だから、低PERの銘柄に投資するほうがリターンが高くなるということになります。pp.349-351 でも同様の話が出て来ます。p.350 の図4は、これをはっきり示しています。このことは、効率的市場理論と真っ向からぶつかります。しかし、マルキール氏は、p.341 でこういう実証研究が効率的市場理論とまったく整合的かもしれないと述べています。乙にはここが理解できませんでした。低PERの銘柄のリターンが平均よりも高ければ、市場平均に投資するよりは、PERの値で全銘柄を二分し、低PERのほうの銘柄に分散投資すればいいはずです。
 pp.342-346 では、「逆張り」戦略が出てきます。「リターン・リバーサル」現象というのだそうですが、過去3年間でひどい結果に終わった銘柄を買えば、次の3年間は平均以上のリターンになるという考え方です。予測可能パターンのうちもっとも信頼性が高いものとしていますが、p.345 では、マルキール氏はこれに対しても否定しています。
 p.351 では、低PBRの銘柄の投資リターンは高くなるという他の人の研究を紹介しています。しかし、p.352 では、バリュー株ファンドがグロース株ファンドを上回ったのは例外的な期間における現象だとして否定しています。しかし、乙は、80年にわたる傾向を基準にして、30年の現象を「例外」とする見方は、まずいのではないかと思います。数年の現象ならば「例外」扱いでもいいですが、30年も続くものは、そういう説明では納得できないでしょう。
 pp.356-360 では、生存者バイアスについて述べています。さまざまなファンドがありますが、失敗したファンドは生き延びられないために、残ったファンドの平均を見ると一見好成績を示しているように見えるということです。このことから、積極運用のファンドは市場平均を上回れないとしています。
 結論は単純ですが、なかなか奥行きのあることを言っていることになります。マルキール氏の言説を信じれば、すべてのアクティブ・ファンドは否定されてしまうし、個人投資家が個別銘柄の株に投資することも否定されてしまいます。う〜む。乙は発想の転換を迫られた気がしました。
 なお、p.409 の投資家の年齢別のアセット・ミックス(アセット・アロケーションのこと)というのはおもしろかったです。
 本書は、内容的にはお勧めできる本ですが、読むのにある程度時間がかかりますので、その覚悟をして読みましょう。


posted by 乙 at 04:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月05日

JF Asset Management -- JPM Eastern Europe

 2006年7月に、乙が HSBC 香港で購入したファンドです。
http://www.hsbc.com.hk/data/hk/personal/invest/unit/pdf/ut_fs_61154_en.pdf
に説明があります。東ヨーロッパの株式に投資するファンドです。実際は、ロシア60%、ハンガリー 13%、ポーランド 9%などに投資します。
 運用資金は USD 1992million ということですから、相当に大規模です。運用資金が米ドルで表示されているので、米ドルで購入するのかと思っていましたが、実際にはユーロで購入するようになっていました。
 申込手数料 5%、信託報酬 1.5%、解約手数料 0.5% です。手数料は、まあこんなものでしょう。その後、HSBC 香港から Contract Note が送られてきましたが、それによると、申込手数料は 2.5% 割引で、2.5% になっていました。たまたまキャンペーン期間中だったのでしょうか。
 このファンドは、最近、非常に好調のようで、1年で6割もの上昇を記録しています。この傾向が今後も続くかどうか、よくわかりませんが、ロシアは BRICs の一角として、また資源保有国として有望な国ですし、東ヨーロッパにはこれから発展していく国が多いように考えていますので、乙としては期待しています。
 乙が以前に HSBC 香港で購入した MLIIF Emerging Europe Fund
http://otsu.seesaa.net/article/20188792.html
と似た性格のファンドです。
posted by 乙 at 05:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外ファンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月04日

角山智(2005.11)『株価4倍「割安成長株」で儲ける収益バリュー投資術』秀和システム

 乙が読んだ本です。
 角山氏の前著がおもしろかったので、期待して買ってみました。
 本書の内容を一言でいうと、角山氏の10年の経験に基づき、割安成長株に投資するのがいいということです。
 株価が何倍にもなる銘柄を事前に買えたら、それはすごい話です。角山氏はそれを実践してきています。まえがき(p.3)には、2003年から 46.8%、37.0%、45.2% のパフォーマンスだと書いてあります。ちょうど、日本の株価が上昇した時期になります(平均株価の上昇の影響が角山氏のパフォーマンスの半分を占めます)が、それにしても、なかなかの成績です。
 ただし、気をつけなければならないのは、何倍にもなる銘柄を組み込んだとしても、1年間のトータルなパフォーマンスを見れば、この程度の成績にしかならないということです。経験者ならば、1年で何割もの成果を記録するのがいかにむずかしいかはおわかりでしょう。表紙の帯には、「勝率9割」とうたっています。株価が何倍にもなる銘柄を9割の確率で見つけたとして、年間パフォーマンスは5割に到らないというわけです。何か、マジックでも見ているように思えるかもしれませんが、そうではありません。株価が何倍にもなるには何年間もかかるから、計算すれば年間あたり上昇率は5割以下になるということです。
 p.5 には、バリュー投資には2種類あって、それぞれ「資産バリュー株」投資と「割安成長株」投資と呼ぶことが書かれています。前者は、角山氏の前著
http://otsu.seesaa.net/article/21794517.html
に示されたやり方で、初心者向きだそうです。道理で乙にも理解できました。
 p.24 からバリュー投資の説明が出てきます。一言でいえば、ベンジャミン・グレアムとウォーレン・バフェットが編み出した投資方法のことなんですね。いわば、角山氏は日本のバフェットを目指すというわけです。
 p.33 には、資産バリュー株=低PBR株の投資結果が出て来ます。すばらしい結果です。乙はこういうのが好きです。p.34 にあるように、資産バリュー株に投資すれば、最大 50% 程度のリターンになるわけですから、これで充分です。
 しかし、角山氏は、本流は割安成長株にあるとして、以下、本書の大部分を割いてその投資術を述べています。乙の感想として、「サラリーマンでもここまでできるんだ。すごいなあ」と思いました。徹底した企業分析です。ピーター・リンチのやり方
http://otsu.seesaa.net/article/21354780.html
に似ています。こういう努力には頭が下がります。
 角山氏は、p.109 で、指標によるスクリーニングは使わないと述べています。そして、p.110 で定量分析の結果より、定性判断の結果を尊重するとしています。こういうやり方は、時間と手間がかかるやり方です。
 乙も、将来的にこのようなやり方になるのでしょうか。たぶん、違うような気がしています。こんなにも手間をかけていられないというのが理由です。p.191 には、角山氏の資産残高が掲載されていますが、1993年の 600 万円が 2005 年には 5600 万円ほどになっています。この間、当初資金の 600 万円だけで 5600 万円まで増えたのか、途中で資金の追加があったのかはわかりませんが、このような金額を運用していたら、それなりの手間をかけてもいいのかもしれません。しかし、乙は、株式投資は恐いもの(ハイリスクなもの)と思っていますので、自分で個別銘柄を買うのはほんの少しだけに限定しています。角山氏とは、まさに桁違いです。ですから、乙の資産はあまり伸びていかないのですが、逆に、もしも大暴落があってもあきらめがつく程度です。こういうスタンスの人間には、角山氏のような徹底分析はとうていできないと思います。乙としては、当面は「安易な投資」を心がけたいと思います。
 もっとも、この話は、今の乙の考え方であり、株取引を今後10年も経験すれば、考え方が変わっている可能性はあります。
 本書によって、サラリーマン個人投資家による本格的な株式投資のあり方を学ぶことができました。


posted by 乙 at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月03日

New Europe Properties Fund

 乙が2006年7月に申し込んだファンドです。
 http://www.neweuroproperties.com/ にホームページがあります。
 ここで、会員登録を(無料で)すると、日本語のページが現れます。会社に聞いてみると、それだけ日本人の顧客が多いのだそうです。ただし、メールでは日本語は使えず、英語だけになります。ホームページはプロの翻訳者に頼んできちんとした日本語で作成できますが、個々のメールとなると、翻訳を頼んでもさすがにコストがかかりすぎるというわけでしょう。日本人を雇う場合もコストがかかることでしょうね。
 ここのホームページは、会員だけに詳しい情報を提供するという趣旨ですから、乙がブログでこのファンドについて細かく説明することはできません。
 New Europe Properties は、British Virgin Islands にある会社ですが、アドバイザーや法律顧問としてはチェコの会社が掲げられています。申し込み後3週間ほどで、立派な体裁の Share Certificate (持分証明書)がチェコの New Europe Properties Limited から送られてきました。
 このファンドは、東ヨーロッパ(チェコ、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、ブルガリア)の不動産に投資します。まあ REIT のようなものと考えておけばいいでしょう。
http://japaninc.typepad.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/nep_fund_summary_1.jpg
によると、2005.6.1 の古い情報ですが、ファンドの資産総額が 80 million EUR とあります。また、開始後9ヶ月までの運用成績がわかります。
 このファンドは、2004年9月開始という、比較的新しいファンドですが、毎月の基準価額が安定して伸びており、ボラティリティが非常に小さいという特徴があります。定期的に家賃収入があるイメージです。
 http://kaigaitoushi.com/reit.htm にも、少しだけ日本語による記述があります。
 乙が(英語の)目論見書を読んだ限りでは、きちんと書かれていました。また、会社にメールで問い合わせをしても、返事はすぐありますし、全体として信頼できると思いました。お互いにとって、英語は外国語ですから、むずかしい言い方を使わず、やさしい英語をやりとりすることで、英米人にメールするよりかえって楽です。
 このファンドは、ユーロによる投資が基本ですが、2005年5月から、米ドル、英ポンド、日本円による投資もできるようになりました。投資先の通貨がユーロなのですから、他通貨で投資しても、結局、ユーロで運用し、評価のたびにその時点の為替レートで計算するだけでしょう。どうせならユーロで投資するのがいいと思います。
 目論見書によると、Net Asset Value の 100% までを借り入れできるようになっています。つまりはレバレッジを2倍効かせることができるということです。このくらいならば、そんなに危険なことではないでしょう。
 また、手数料(Management Fee)は、毎年 1% です。これもさほど高いとは思いません。
 このファンドについては、まだよくわからないことだらけですが、乙は最低限の資金だけを投資して、しばらくようすを見ようと思っています。今までのように、定期的な収入があれば、充分満足できます。
 なお、WWW で調べると、New Europe Property という会社が見つかります。
http://www.timweb.co.uk/nep/default.php
しかし、こちらはイギリスの会社で、ハンガリーだけに投資しているようです。きわめてまぎらわしいと思います。
続きを読む
posted by 乙 at 04:53| Comment(11) | TrackBack(0) | 海外ファンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月02日

角山智(2004.12)『超特価バリュー株「福袋銘柄」で儲ける週末投資術』秀和システム

 乙が読んだ本です。
 サラリーマン投資家が10年の経験を基に書いた本ということで、乙も興味を持ちました。書いてあることは大変にまともで、参考になる面がたくさんあります。
 結論を簡単にいうと、株式投資をするならバリュー株(割安株)にしようということです。
 第1章は「バリュー株投資で週末投資家を目指そう!」という章です。
 株式投資には、成長株投資とバリュー株投資という二つの考え方がありますが、成長株投資はうまく行かないことが多いとのことです。なぜか。p.42 で、成長株は株価に今後の成長が織り込まれてしまっているからだと説明しています。
 p.44 では、優良企業が投資先としていいとは限らないという話が出てきます。なるほど。これは重要な指摘です。
 第2章は「バリュー株を見つける「投資指標」の使い方」です。
 p.68 で、バリュー株とは低PBR株のことだと書いてあります。p.83 で、バリュー株指標のパフォーマンスを見ると、どのバリュー株指標もいい結果を残しています。中でも、低PBRが一番いいようです。乙は、雑誌「オール投資」のデータを基に、低PBRがいいという結論に達しました(詳しくは、乙のブログのカテゴリ「雑誌「オール投資」徹底検証」
http://otsu.seesaa.net/category/1483079-1.htmlを参照)。それがもっと長期のデータで裏付けられています。ただし、角山氏は、p.84- で、こういう指標を単独で使うのでなく、組み合わせて使うのがいいと述べています。
 第3章は「究極のバリュー株・「福袋銘柄」の見つけ方」です。
 角山氏は、値段以上の価値がある株のことを「福袋銘柄」と呼び、現預金の多いキャッシュリッチ企業や、所有する有価証券や土地に着目した銘柄選びのコツを説明しています。p.126- では、つまらない企業に着目し、人気銘柄には手を出さないということが書かれています。ピーター・リンチの本
http://otsu.seesaa.net/article/21354780.html
にも同様の記述があったことを思い出しました。
 第4章は「バリュー投資を理論面から検証する」です。ここで、角山氏は、効率市場仮説、行動ファイナンス理論、アノマリー(変則性)など、現代の投資理論の主だったところを解説します。
 第5章は「世界のトップ投資家に学ぶバリュー投資の極意」です。それぞれの投資家の考え方がおもしろいです。その中に、SGターゲット・ジャパン・ファンド(pp.182-187)が挙げられていて、乙は「おや」と思いました。乙もこのファンドを購入しましたが
http://otsu.seesaa.net/article/16412346.html
実は、その後、2006年5月8日に解約したのでした。角山氏がいうように、このファンドは2000年の設定日から2004年くらいまではいい成績だったのですが、2005年は、さほどでもありませんでした。乙は、2005年5月9日からちょうど1年運用し、3割増の好成績を享受しましたが、TOPIX には負ける結果になっています。よかれ悪しかれ、こういう事実がこのファンドの特性を物語っているように思います。
 第6章は、「投資の常識・非常識を知っておこう」という章です。乙は、この章を一番おもしろく読みました。たとえば、次のようなことが書いてあります。
 p.197 日経新聞は初心者向けだから、読まなくていい。
 p.198 アナリスト・レポートは「車のカタログ」のようなもので、販促物にすぎないから、役に立たない。
 p.200 マネー雑誌は役に立たない。広告が多いので、各種金融商品について批判的に書けるわけがない。
 p.204 自社持株会はハイリスクである。
 pp.208-214 投資信託を買ってはいけない。
 p.214 それでも買うなら、ETF とさわかみファンドである。
 これらは、いずれも角山氏のいろいろな経験が活かされた記述になっていると思います。それぞれに納得できる話です。
 なお、角山氏のサイト「パーシャル・オーナー」もアクセスしてみるといいと思います。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~dream3/


posted by 乙 at 00:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月01日

レジャーホテルファンド(HOPE α3)の会計報告書

 乙は、レジャーホテルファンド(HOPE α3)に投資しています。
http://otsu.seesaa.net/article/15111327.html
また、すでにこのファンドの仕組みを書いた本について、コメントしたこともあります。
http://otsu.seesaa.net/article/19651675.html
 最近、乙のところに第1期の会計報告書および監査報告書が送られてきました。
 会計報告書が簡単すぎて、このファンドがこれからも安定的に運営されていくのかどうか、乙には判断できませんでした。ごく簡単な書類で、建物の減価償却がどれくらいかもわかりません。もう少し詳しい書類でもいいのではないかと思いました。ただし、独立監査人の監査報告書が付いていますから、会計の計算を間違えていることはないはずです。
 わかる範囲で、減価償却の計算をやってみましょう。
 会計報告書によれば、売上高1億6千万円から売上原価9千万円と販売費および一般管理費1600万円を差し引いて営業利益が5660万円ほど出ています。となると、ホテルの減価償却分は1600万円の「販売費および一般管理費」の中に含まれると考えられます。
 建物の資産価値は、書類によると5億9千万円ですから、これを建物本体と設備を7:3で按分してみましょう。
 建物本体は、47年で価値が1割になってしまう計算で定額法を採用します。すると、減価償却は
5億9千万×0.7×0.9×0.022=820万円となります。新築の建物でなければ(投資対象物件は、リニューアルしていますので、新築でないことは明らかです)、減価償却の計算期間の47年がもっと短くなりますから、減価償却の額が820万円を上回ります。
 設備は、15年で1割になってしまう計算で定率法を採用します。すると、改装後1年目ですから減価償却は
5億9千万×0.3×0.142=2512万円となります。
 建物本体と設備の減価償却費を合計すると3300万円にもなり、1600万円を大幅に越えてしまいます。ということは、グローバル・ファイナンシャル・サポート株式会社はこれと違う計算をしていると思われます。
 減価償却が充分計算されていないとすると、5年経っていざファンドを償還しようとしたとき、建物(厳密にいえば設備のほうが問題ですが)の価値が予想外に低くなっていることがあり得るわけで、ホテルをどこかに売ろうとすると、売値がかなり低くなるということです。つまり、投資家にとって、満期のときに元本がそっくり返ってくるとは限らないということです。
 損失額は 1700 万円×5年=8500万円くらいになるかもしれません。ただし、ファンド会社が9000万円を劣後出資していますから、8500万円の損失は全部ファンド会社が負担することになり、投資家側は負担がないとも言えます。
 実際、どうなるかは、5年経ってみないと何ともいえません。特に、減価償却の計算とは別に実際の売値が決まることでしょうから、それをどう見込むかで予想は大きく変わってきます。
 減価償却の計算のしかたは、ワンルームマンションを買ったときに、業者の人から教えてもらいました。マンションとホテルでは計算のしかたが違うのかもしれませんが、それでも、だいたいの傾向を知ることはできそうです。
 減価償却の知識がこんなところで役立つとは思いませんでした。

 会計報告書でわかるもう一つの心配は、分配金のことです。
 分配する利益が5660万円ほどありますが、出資者に優先配分で 8.4% の利回りにすると、優先出資6億4千万円に対して、5376万円を配分しますから、9000万円を劣後出資しているファンド会社(グローバル・ファイナンシャル・サポート株式会社)には、分配金が 300 万円弱しかいきません。ということは、ファンド会社としては、3% 強の利回りになってしまいました。
 初年度は、ホテルのリニューアル期間中の営業休止日も多かったし、あまり利益が上がらなくてもしかたがないのかもしれません。2年目からは営業休止もないし、たぶん利益率が改善されるのでしょう。
 ファンド会社も安定的に収入を上げるようでないと、先が思いやられますからね。
続きを読む
posted by 乙 at 04:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 不動産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。