2007年01月31日

ピーター・バーンスタイン(2001.8)『リスク(上・下)』(日経ビジネス人文庫)日本経済新聞社

 乙が読んだ本です。「神々への反逆」という副題が付いています。でも、オリジナルの題名は「Against the Gods -- The Remarkable Story of Risk」なんですね。日本語訳は正副逆にしたというわけです。文庫本2冊で、各 280 ページあります。相当に長いです。もともとは、1998 年に単行本として刊行されたものです。
 文庫版では上下2冊に分かれていますが、それぞれで内容がかなり違う印象を受けました。
 上巻は、人間がリスクをどう発見してきたかといったことですが、確率・統計・数学の歴史のような内容です。1200 年以前、1200-1700 年、1700-1900 年の3部構成です。一部、死亡率の問題や保険との関わりが述べられますが、どちらかというと学問の歴史の記述が中心です。いろいろな人が登場します。著者は相当詳しく調べたようです。
 p.16 「はじめに」にあるように、リスク・マネジメントが大事であり、現代の経済社会の基礎になっているというのはその通りでしょう。しかし、だからといって、ここまで書くのは詳しすぎるように感じました。
 p.214 では、リスクを損失の可能性と定義した最初の研究は、1711 年のド・モアヴルだとしています。現代に通じる考え方ですが、逆にいうと、このころまで、リスクとは何かが明確ではなかったということなんですね。リスクの研究は意外に短いと思いました。
 下巻になると、いきなり投資の話になります。一部 1700-1900 年について述べていますが、1900-1960 年と「未来へ」の2部構成です。乙としては、下巻だけ読めば十分かなと思いました。それだけでも読めるようになっていますし。
 p.194 行動ファイナンスの話がおもしろいと思います。行動ファイナンスは、人間をモデルにしており、それまでの人間不在の経済の流れと大きく異なります。行動ファイナンスでは、人間は合理的でないことが示されます。ということは、合理的な人間が集まって、合理的な判断を下すということを前提にした経済のモデルが崩れてしまうということです。
 p.199 では、なぜ企業は配当を払うのかという問題を論じています。当たり前だと思っていたことを改めて考えてみると、なかなか難しい問題なんですね。
 p.208 では、日本の投資家はアメリカ株式市場のわずか1%強しか保有せず、一方、アメリカの投資家は東京市場の1%未満しか保有していないことを述べ、なぜ国境を越えて投資しないのかを問題にしています。確かにそうで、合理的判断をするならば、お互いの国境を越えた投資がもっと多くなっていいと思います。
 pp.280-282 に「訳者あとがき」がありますが、これを読んで、この本の基本的性格が理解できました。本書は単なる「投資の本」を越えています。そういう性格の本なのです。
 乙は、投資家がここまで心得ておくべきだろうかという疑問を持ちました。読み終わった感想は「ああ疲れた」です。



posted by 乙 at 05:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月30日

アクティブファンドのパフォーマンス

 日経新聞 2007.1.27「株主とは」欄にたいへん興味深い記事が掲載されていました。一部引用します。
 「カリブ海に浮かぶ常夏の島国、グレナダ。佐渡島の半分ほどの島には欧州有力ヘッジファンド、スーパーファンドの「電子頭脳」がある。24時間休みなく動き続けるコンピューターが株、債券、商品など 100 を超す世界の先物を監視。価格変動の傾向を読み取るや否や、即座に売り買いの指示を出す。取引は完全に自動化され、人間の意思が入り込む余地はない。
 自動投資は極東の島国、日本の株価指数先物にも及ぶ。「人間には恐怖や欲望などの感情がつきまとう。冷静さが求められる運用の世界で、ヒトはコンピュータに勝てない」。日本法人社長のマーカス・ビュッヘル(40)は断言する。感情なき売買に徹する電子頭脳の平均収益率は年 20% に達した。」
 いやはや驚きます。我々が株を買った売ったといっている相手は実はコンピュータだったんですね。アルゴリズムを忠実に実行するという意味では、コンピュータは人間の忠実なるしもべです。乙は、こういうのを相手にして(同等の機能を持たない)個人投資家が勝てるわけはないと思います。
 ではどうするか。
 ここで道は二つに分かれます。
 一つは、こういうコンピュータに運用を任せることです。乙は、資金の一部をスーパーファンドに振り向けていますが、
http://otsu.seesaa.net/article/20948293.html
確かに、年率 20% とまではいかなくとも、それに近い成績を上げるようです。(将来的にずっとその成績を上げ続けるかどうかはわかりませんが。)
 もう一つは、こういうコンピュータと競争しても勝てるわけはないとあきらめてしまうことで、つまり、インデックス・ファンド(パッシブ・ファンド)を購入することです。
 何とか勝とうという個人投資家の努力(自力で個別株を選んでそれに投資すること)は、きわめて厳しいのではないでしょうか。そういう作戦を乙は一概に否定するものではありませんが、このようなコンピュータに打ち勝つための努力というのはどんなものなのでしょうか。乙には、とうていこなしきれないと思います。そんな努力をするくらいなら、本業の仕事に打ち込む方が、人生を豊かに生きることができると信じます。
 というわけで、乙は、個別株投資には見切りを付けて、順次売却し、その分の資産を ETF あるいはインデックス・ファンドにだんだんシフトしていきたいと思います。日本株も、外国株も同じことだと思います。
posted by 乙 at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月29日

ブログ開設から1年

 早いもので、乙がブログを開設してから1年が経ちました。ある意味で今日は誕生日のようなものです。誰もお祝いしてくれるわけではありませんが、乙が自分勝手に一人で祝杯を挙げることにしました。
 何といっても、1年もよく書くことがあったなあというのがいつわらざる感想です。
 1年とはいえ、その少し前の経験も含めて、パソコン内に書き留めておいた各種の記録などを整理しつつブログに書いてきました。乙は記録魔なのです。そんなわけで、ブログのネタはいくらでもあって、書くネタに困ることはありませんでした。
 1年目の誕生日を迎えるにあたって、「プロフィール」欄にある「15年」を「14年」に書き換えようかと思いました。毎年1年ずつ数字が小さくなっていき、退職するときには、ゼロになる。まるで超ゆっくり動く砂時計を見ているようで、そういうのもすてきです。
 しかし、本当に15年先までこのブログが続くかどうか、わからないし、しかも毎年1年ずつ減らしていくと、投資計画として全体で15年計画だということがどこかに消えてしまうので、ここはそのままにしようと思います。
 乙は、ブログを書くことで、いろいろな人に励まされているような気がしています。
 もともとは、自分が死んだときに備えて、家族にもろもろの情報を書き残しておくためにこのブログを書きはじめました。
http://otsu.seesaa.net/article/14732420.html
しかし、実際に書き始めてみると、さまざまな人がブログの内容を読んでくださるし、またコメントをくださったり、トラックバックしてくださったりします。こうして、乙と見知らぬ方々とのコミュニケーションの和が広がりました。
 乙は、ブログを書くことで、日々新たな経験をしているような、そんな気分です。言い換えれば、毎日大きな楽しみをいただいています。
 乙は、ブログを読んでくださる皆さんに大変感謝しています。
 今後は、機会を見て、ブログそのものについてもいくつか書き留めておきたいと思います。
 これからも投資日記を書き続けていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

posted by 乙 at 04:12| Comment(9) | TrackBack(0) | ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月28日

海外送金の手数料(続)

 昨日述べたように
http://otsu.seesaa.net/article/32209181.html
HSBC 香港からの送金手数料が約 4000 円とすると、乙の今までの海外送金のしかたを変えたほうがいいかもしれません。
 e-kawase を通じて、海外口座に出金すると、1万ドル単位の両替と送金ができるので、一番コストが安いと思っていました。具体的には、まず、米ドルを買う段階で 1000 円(それに為替のスプレッド数百円?)、次に海外送金段階で 3500 円です。合計で 4500 円+α程度です。
 しかし、この方法では、出金先が自分名義の口座に限られます。したがって、海外の適当な口座に送金するには、一度 HSBC 香港に出金して、そこから改めて海外の適当な口座に送金することになります。つまり、海外送金を2回やっており、送金手数料の二度払いになっているわけです。HSBC 香港からの送金コストを 4000 円とすると、先の金額と合わせて 8,500 円+αで両替と送金を行っていることになります。
 こういう計算をしてみると、日本から直接先方の口座に送金する方が結果的に手数料が安くて済むかもしれません。しかし、両替手数料を含めて計算すると、どっこいどっこいでしょうか。
 e-kawase を通じて送金するのは、HSBC 香港で直接ファンドや株を買うときに限定したほうがいいのかもしれません。
 何だか、最初から海外送金のしかたを考え直すかのような気分になってきました。
posted by 乙 at 00:08| Comment(7) | TrackBack(0) | 海外送金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月27日

海外送金の手数料

 乙は、海外に送金するとき、日本からは e-kawase を利用して HSBC 香港に送金し、そこから世界の各地に送金するようにしています。
http://otsu.seesaa.net/article/19378324.html
 その理由の一つは、HSBC 香港からの送金手数料が安いことです。これについては、
http://otsu.seesaa.net/article/19245512.html
に書きました。
 普通は、日本の銀行から海外に送金すると、4000-5000 円程度の送金手数料を取られるはずです。
 一方、HSBC では、100 香港ドル(約 1500 円)の手数料で世界中に送金できます。
 しかし、実は、この説明は間違っているのではないかと思います。
 HSBC 香港から送金するとき、確かに、直接の手数料は 100 香港ドルなのですが、コルレスチャージ(中継銀行の手数料)がかかります。これを送金側(HSBC 香港の自分の口座)で負担することもできるし、着金側(送金先)に負担させることもできます。この手数料は、どう中継するかによっても変わってくると思いますが、先日、乙がアメリカの E*TRADE 証券に送金したときは、入金額から 20 米ドルが差し引かれていました。
 そこで、この 20 米ドルも送金手数料と考えれば、HSBC 香港からの1回の海外送金には約 4000 円がかかることになります。日本の銀行からの海外への送金手数料は、コルレスチャージを含んでいるのではないでしょうか。(乙は、銀行から送金したことがないので、わかりません。)だとすると、HSBC 香港からの送金も、日本の銀行からの送金も、あまり手数料は変わらないことになります。
 これについては、乙はずっと(2年も!)勘違いしていました。
 今までは、ファンド会社などに送金していたものですから、実際の着金額には注意が行かなかったのです。ファンド会社からは、送金した金額から売買手数料を数%引かれて、そのときの基準価額で割り算されて、何口分の購入だと連絡がきます。このとき、売買手数料が大きいですから、コルレスチャージのことまでは気が付きませんでした。たぶん、ファンド会社の計算のときにもしっかりコルレスチャージが引かれていたのでしょう。しかし、わずかな金額なので、見過ごしていました。
 今回の送金は、E*TRADE 証券あてであり、そこの自分の口座で受け取りますから、しっかり 20 米ドルが差し引かれていることが確認できました。

 どなたか、このあたりの事情に詳しい方がいらしたら、ブログのコメント欄を通してでも教えていただけませんか。
続きを読む
posted by 乙 at 13:34| Comment(4) | TrackBack(0) | 海外送金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月26日

HSBC 香港で送金限度額を高く設定する方法

 乙は、HSBC 香港に口座を持っています。HSBC 香港のデメリットの一つとして、ネット送金の限度額を高く設定するとき、香港から英語で電話がかかってくることを述べました。
http://otsu.seesaa.net/article/19290491.html
 最近、それを回避する方法がわかりましたので、ここに書いておきましょう。(英語の電話が苦手な人、日中の電話に出にくい人には、この方法をおすすめします。)
 HSBC 香港では、サイトで LOG ON すると、右上に「Email」ボタンが現れます。これを使うことで、自分が誰であるかを明確にして(LOG ON のあとですから)銀行にメールを送ることができます。一般のメールと違って、「なりすまし」はあり得ません。
 そこで、送金限度額を高く設定する書類を郵送してから1週間ほどした後で、この仕組みを使って「これこれの郵便を送ったので、登録してほしい」と(英語で)伝えればいいのです。メールですから、手元で推敲しながら書けます。最後に文面が確定してからサイトにアクセスして(コピー&ペーストして)メールを送ればいいのです。一度うまくいったら、あとはその文面を保存しておいて、今後再利用すればいいでしょう。
 これで、香港からの電話に悩まされることがなくなりました。電話による英語の聞き取りに苦労する乙にとっては非常に楽な方法です。それに、電話がかかってくるのが香港の HSBC の営業時間内で、その時間帯に自宅にいなければ電話は受けられない(電話に出なければ、送金限度額が高く設定できず、事実上送金できない)わけですが、メールならば24時間いつでも送れます。これもありがたいです。
 乙が書いた HSBC 香港のデメリットのひとつは、これで解消されたことになります。
 乙は、WWW を通した、このようなメール(本来の意味でのメールではありませんが)は、他人に読まれることがなく安全だという意味で、これはこれで便利だと思うようになりました。つまり、以前のブログ記事
http://otsu.seesaa.net/article/19290491.html
に書いたもう一つのデメリットも、さほど問題ではないということになります。
 さらに、Security Device の利用についても、使い慣れてみると、さほど不便とも思わなくなりました。
 というわけで、上述の HSBC 香港に関するデメリット記事は全部取り消してもいいかなとさえ思います。
続きを読む
タグ:HSBC香港
posted by 乙 at 04:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融機関 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月25日

E*TRADE で購入するエージェンシー債を選ぶ

 いろいろ検討した結果、乙は、アメリカの E*TRADE 証券で、ゼロクーポンのエージェンシー債を10単位ずつ購入することにしました。
http://otsu.seesaa.net/article/31873777.html
 ところで、ゼロクーポン債を中途売却するときの税金についても考えておかなければなりません。売却益が1年に50万円を越えると税金がかかってきます。
 5120 ドルでゼロクーポン債を買ったとしましょう。償還日が近づいて売却する時には約1万ドルになりますから、4880 ドルの売却益になります。1ドル120円とすると、585,600 円となり、税金がかかってきます。
 税金のことを考慮すると、10単位で 6500 ドルくらいのものを買えばいいことになります。売却益は 3500[ドル]×120[円/ドル為替レート]=42万円ということで、50万円以内に収まります。為替レートが多少上下しても大丈夫でしょう。
 税金については、毎年の(1年単位の)売却益が問題になりますから、1年に1回償還できるようにします。つまり、複数の債券の償還日を相互に1年くらいずらしておきます。
 これらの諸条件を考慮すると、たとえば、次の三つを買うくらいがいいのではないでしょうか。
  償還日  価格  利回り
  2014/8/15 $6763.4 5.237%
  2015/5/1  $6581.5 5.123%
  2016/5/11 $6244.2 5.13%
 これで合計約2万ドルの投資ということになります。
 アメリカの債券についても、最初に口座開設を申し込んでから実際の購入まで2ヶ月ほどかかっています。けっこう手間がかかりますが、そういう手間を楽しむようなつもりでないとやってられません。やっぱり投資は乙の「趣味」でしょうか。
続きを読む
posted by 乙 at 05:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 債券 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月24日

浜島昭平(2004.7)『ネット投資家の戦い方』明日香出版社

 乙が読んだ本です。
 ネットトレーダーがどんなふうな考え方をするのか、知ろうと思って、タイトルだけを見て買ったのですが、中身はデイトレードの本でした。タイトルからそうだと気が付くべきでした。
 乙は、デイトレードをしないので、ムダな買物をしたように思っています。
 いくつか、感想を述べます。
 p.13 浜島氏流のケチのススメが書いてあります。新聞は買わずにネットですませるし、本も買わずに図書館から借りるそうです。それはいいのですが、「この本は別として」とわざわざ書いて、読者に対してこの本は買って読むようにと書いてあります。明らかな矛盾です。この本も買わずに図書館から借りましょう。それが正しい態度です。
 p.46 米国債を買うなら、アメリカの E*TRADE や Ameritrade を使う方が、日本での買い付けよりも手数料が安いと書いてあります。最近、乙はそのあたりを調べていましたので、このことには同意します。(Ameritrade は、今は米国非居住者の口座開設を受け付けていないのですよね。)
 pp.74-75 買いは奇数、売りは偶数という流儀をそのまま書いています。買うときは、1000株、3000株、5000株というように単位株の奇数倍を買い、売るときは、2000株、4000株、6000株というように単位株の偶数倍を売るというのです。もちろん、こんなことに意味はありませんが、そういう話をそのまま書いてしまうところがおもしろいです。著者が何かの科学的基準で株の売買をやっているわけではないことが明確に語られています。
 p.86 具体的な売買の記録が出てきます。1日で 55,836 円の利益を上げているというわけですが、乙が驚いたのは、この表の諸費用(売買手数料)のところです。14,163 円かかっています。ということは、ホントの利益は 69,999 円だったわけで、諸費用が利益の2割以上を占めていることになります。これがデイトレードの実態でしょう。成功報酬ではないところで、2割もの手数料を払って儲け続けるというのは、乙には信じられません。
 p.150 利益率でなく、利幅で考えるように主張しています。何%の利益というのではなく、1円の利幅が大事だという話です。以下、p.154 まで、利幅主義について書いていますが、基本的に間違っています。
 1円の値幅をとるという戦略だから、低位株で勝負するといっています。200 円の低位株だから1円の利幅でいいのであって、400 円の中位株では1円の利幅ではあまり儲からないというのです。しかし、株価が2倍の中位株なら、値幅は2円と考えなければなりません。これはつまり 0.5% の利益率ということなのですが。
 著者は1円の値幅を絶対視しすぎています。利幅主義も利益率主義も、ほとんど差はありません。
 p.180 損切りの目安も値幅で考えるべきだとしています。そして、取る予定の値幅の2倍を損切りラインとすることを主張しています。プラス1円を目標とするなら、マイナス2円が損切りラインというわけです。これについては、そのうち、乙としても、きちんと述べますが、実は理由がある話です。浜島氏は、なぜそのようにするかという根拠を示さず、自分のやり方を述べているだけです。それでは、単なる経験談に過ぎません。
 この本は全体として自分のやり方を述べているだけで、その裏付けについてはまったく書いていません。ですから、この本を信じる人は、それはそれでいいのでしょうが、この本を信じない人(乙はその一人です)に対する「説得力」はまったくありません。
 というわけで、この本はオススメではありません。

 浜島氏のブログがあります。気になる方はどうぞ。
http://pob.ameblo.jp/


続きを読む
posted by 乙 at 00:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月23日

ユーロ建て債券

 日経新聞の1月22日7面の記事(WWW でも次の URL で一部が見られます)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070122AT2M2100L21012007.html
によれば、2006 年末の世界の債券の発行残高(10兆ドル)の中では、45%がユーロで、ドルは36%にしかすぎないとのことです。
 2002年末のときには、ドルが48%を占めており、ユーロは31%しかなかったとのことですから、債券は4年間にドルからユーロへとシフトしていることがわかります。
 記事には、国際資本市場協会が出典だと書いてあります。調べてみると、これは、スイスにある ICMA という組織のことです。
 ICMA のサイトを見てみると、この資料については、
http://www.icma-group.org/news1/press.Par.0079.ParDownLoadFile.tmp/ICMA0701%20-%20ICMA%20figures%20show%20international%20bond%20market%20size%20now%20stands%20at%20over%20US$%2010.5%20trillion.pdf
に短いニュースがあります。
 それはともかく、乙はユーロが債券市場でずいぶん比率を高めていることに驚きました。新聞では、ICMA の分析を引用して「外為市場のドル安・ユーロ高を見てアジアや中東の投資家がドル建て運用の一部をユーロに切り替え、ユーロ債の運用需要が高まった」と述べていますが、それにしても、世界の動きは相当に大きいものなんですね。
 乙もまじめにユーロ建て債券への投資を考えたほうがいいような気がしてきました。
 新聞記事では、債券の発行残高について、他に、英ポンド9%、円1%、スイスフラン1%、その他8% などと書いてありましたが、これらは比率が低いですから無視してもいいと思います。
 ところで、円が1%を占めるというと、10兆ドルの1%=1000億ドルで約12兆円となりますが、日本の国債の発行残高は、それよりもはるかに大きいです。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/saimukanri/2006/saimu02b_04.pdf
によれば、2006年末で 541.8兆円に達するとのことです。それに、財投債残高 140.5兆円があるし、さらに加えて各種の地方債や社債もあります。ICMA の統計の信頼性はどうなんでしょうか。
 ユーロ建て債券については、
http://otsu.seesaa.net/article/23106205.html
で述べたことがありますが、当面、野村證券でユーロの BST を買っておき、金利が高くなったころを見計らって、BST の資金でフランス国債やドイツ国債のゼロクーポン債を購入するようなことが考えられます。
 しかし、米ドル建て債券をあれこれ調べて、結局、アメリカの E*TRADE 証券で購入するのが一番いいという結論に至ったように、ユーロ建てのフランス国債やドイツ国債であれば、フランスやドイツの証券会社に口座を開設して、そこで購入するのが一番いいのではないかと思います。当然ながら、その証券会社ではネットで債券の売買や海外送金ができるようになっていなければなりません。
 乙は、フランス語もドイツ語も、債券の購入ができるほどの言語運用能力がありません。辞書を引きながら読むくらいはできるかと思いますが、実用性はないでしょう。ということは、英語でコミュニケーションすることになります。
 こんな条件でも大丈夫な証券会社があるでしょうか。
 さて、どうやって調べたらいいのでしょうか。
 海外投資の一部にはユーロ建ての債券があると思いますが、なぜこういうことを扱った本がないのでしょうか。乙が読んだ本の範囲でいうと、海外投資のほとんどは株やファンドの話だけです。海外で購入する債券や REIT の話はなかなか聞くことがありません。
 WWW の記事でも調べてみるしかないのでしょうか。
posted by 乙 at 05:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 債券 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月22日

E*TRADE で債券を買う場合のコスト

 アメリカの E*TRADE 証券で債券を買う場合、
https://us.etrade.com/e/t/estation/commissions?id=1206010100
に明記してありますが、次のような手数料がかかります。
Treasury bills $40 ($0 for 20 or more bills)
Treasury bonds, notes, and STRIPS $40 ($0 for 20 or more bonds, notes and/or STRIPS)
Municipal, corporate, and agency bonds $40 ($0 for 10 or more bonds)
 40ドルといえば約5000円です。このようなコストは絶対に避けなければなりません。
 大事なのは()の中です。エージェンシー債でいえば、10単位以上購入すれば売買手数料がかかりません。
 1単位がいくらかということは、サイトを見ていても、なかなかわからないのですが、買い注文をする段階でわかります。
 ゼロクーポンでいうと、Price が 100 ドルを基準にして表されますが、Price=51.172ドルと表示されている債券を10単位購入すると、5117.2 ドルが購入代金ということになります。これなら、手数料無料で購入できるわけです。
 http://otsu.seesaa.net/article/31798393.html
で示したように、ある程度の金額を運用することで口座管理料を無料にして、エージェンシー債を10単位ずつ購入することで売買手数料も無料にする。これが E*TRADE 証券におけるベストな債券投資法だと思います。
 ちなみに、米国債は、上述のように、20 単位以上買わないと売買手数料が無料になりませんから、その意味でも(10 単位で済む)エージェンシー債のほうが米国債よりも有利です。
続きを読む
posted by 乙 at 06:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 債券 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月21日

HSBC 香港の米国債と E*TRADE の米国債

 HSBC 香港での米国債(US Treasury)の販売リストを見てみました。
http://www.banking.hsbc.com.hk/hk/personal/invest/bond/default.htm
そこから、償還日(Maturity Date)と利率(Coupon)を抜き出し、それをアメリカの E*TRADE 証券の米国債と比べてみました。すると、以下のようになります。

償還日  HSBC 香港 E*TRADE
2031/02/15 5.375% 5.375%
2013/05/15 3.625% 3.625%
2012/02/15 4.875% 4.875%
2010/04/15 4.000% 4.000%
2009/02/15 4.500% 4.500%
2008/05/15 2.625% 2.625% 3.750% 5.625%(3種類ある)
2008/02/15 3.375% 3.375% 3.000%(2種類ある)
2007/05/15 4.375% 4.375% 3.125%(2種類ある)
2007/04/30 3.625% 3.625%

というわけで、HSBC 香港と E*TRADE では同じものが並んでいます。両方で同じものが買えるというわけです。
 ところで、上の結果では利率がさまざまなものがあり、利率は必ずしも償還日ごとに並んでいません。
 HSBC 香港のサイトでは、これ以上の情報がなくて、なぜなんだろうということになってしまいます。(この点に関しては、下の方の乙のコメントを参照してください。)
 しかし、E*TRADE のほうは、上記の Coupon に加えて、Price が明示してあり、たとえば、2007/04/30 の場合だと、99.47828516 となっています。100 のものを、やや安く売っていることになります。というわけで、Yield(利回り)が 4.94% となります。Yield で比べれば、ほぼ償還日で高低が決まってきます。
 E*TRADE と比べると、HSBC 香港のほうは情報量が少なくて、不完全ということになります。乙の勝手な推測では、HSBC 香港で米国債を買う人が少なく、情報をアップデートしていくコストをかけられないのだろうと思います。債券価格も毎日微妙に変わるわけですから、きちんとフォローしてサイトを更新していくのは結構大変です。表面利率(Coupon)は、ずっと変わらないわけですから、それを記載する分には、はじめの1回だけで済みます。あとは、購入の申込をした人が銀行側と直接相談すれば、たいていは間に合ってしまいます。(でも、それって WWW を見ても情報が不足しているという状態であり、好ましいものではないと思います。)
 HSBC 香港での米国債投資は、
http://otsu.seesaa.net/article/12496477.html
でも述べましたが、最低が3万ドルと敷居が高く、しかも、口座管理料が半年ごとに 150 香港ドル(約2250円)かかります。E*TRADE では、口座開設後1年以内は口座管理料はかからず、その後も、1万ドル以上の口座残高があれば、口座管理料はかかりません。
 やっぱり、アメリカでの債券投資は E*TRADE 証券がおトクです。ただし、あくまで、E*TRADE 証券を日本の証券会社や HSBC 香港と比べた場合の話です。アメリカ国内では、もっと有利な証券会社があるのかもしれませんが、そういうのを調べるのってけっこうめんどうですよね。ま、乙は E*TRADE 証券で満足です。

2007.1.21 追記
 PALCOM さんからのコメントによって、この記載が間違いであることがわかりました。
 本文を訂正します。
posted by 乙 at 03:46| Comment(3) | TrackBack(0) | 債券 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月20日

HSBC 香港への中国株の移管の後日談

 乙は、ユナイテッドワールド証券から HSBC 香港に中国株の移管をしました。
http://otsu.seesaa.net/article/31320494.html
 最近、HSBC 香港から郵便がきました。14通の封書が一束になっていました。株式の移管の話だろうけれど、それにしても早いなあと思って開封すると、用件は、次のようなものでした。
 We shall cancel this long outstanding trade on 09Jan07 unless you advise us the trade is still valid.
 乙は驚きました。さっそく、HSBC 香港の自分の口座を見て、15種の株が並んでいるのを確認して、安心しました。
 香港から日本へエアメールで10日もかかるんですね。香港は近いところだと思っていましたが、……。
 乙の株式移管の申込が11月15日で、実際の移管の実行まで2ヶ月近くかかっています。まあ、HSBC 香港が警告を発するくらい長い時間がかかったということです。この件に関しては、ユナイテッドワールド証券の処理の遅さが原因だと思います。
 ところで、乙は15種類の株式を移管したのですが、手紙は「14通」しかありませんでした。これも不思議でした。
 1日待ってみたら、今度は2通、同様の文面の手紙が来ました。合計で16通になってしまいました。気になってチェックしてみると、1種類の株だけ2通発送されていました。コンピュータ処理でも、こういうことがあるのですね。まあ、二重に警告しても間違いではないのですが、……。いや、もしかして、手作業で発送しているのでしょうか。
 コンピュータ処理(印刷→自動封入)なら、複数枚を同封するのは不可能でしょう。手作業で発送しているなら、15通の手紙をまとめて1通にしたほうが郵送料がかからないだろうにと思いました。
 こういう郵便の発送が手作業なのか、コンピュータ処理なのか、乙は気になりました。
続きを読む
posted by 乙 at 05:05| Comment(12) | TrackBack(0) | 金融機関 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月19日

アイザワ証券「フェイム−アイザワ トラスト ベトナムファンド」その3

 乙は、アイザワ証券「フェイム−アイザワ トラスト ベトナムファンド」を購入する決心をしました。
 まずは、昨日のブログで書いた問題点ですが、結局、メールでの返事がなかったので、電話で聞き、乙の解釈でいいということがわかりました。
 アイザワ証券の電話での応対は親切でした。でも、メールで聞いて返事がなく、電話だとすぐに親切に教えてくれるというのは、アイザワ証券が、実はネット対応型の証券会社ではなくて、旧来型(伝統型)の証券会社だということを物語っています。
 さて、実際の購入手続きに、どれくらいの時間がかかったでしょうか。実は、けっこう長かったのです。
 途中に正月休みが入ったこともあるのでしょうが、それにしても、こんなにも大変なのでしょうか。
12月22日:WWW で口座開設を申し込みました。
12月28日:申込書類が届きました。記入して即日発送しました。
 1月 9日:口座が開設できたという手紙が来ました。
 1月12日:口座番号などが書かれた手紙が来ました。さっそく目論見書を請求しました。
 1月16日:目論見書が届きました。
 1月17日:購入を申し込みました。
 1月19日:約定予定です。
 乙は記録魔ですから、それぞれの日付を記録しておいたのです。
 う〜む。たった一つのファンドを購入するのに、(口座開設からだと)1ヶ月かかるんです。あまりに長すぎて、今どこまで進んだか、忘れてしまいそうです。投資話はこれだけではなく、あっちへ送金、こっちで口座開設とやっているのですからね。
 アイザワ証券では、目論見書を読んだかどうかのチェックも厳密でした。目論見書そのものは WWW 上で全部読めるのですが、それでは不十分で、紙の目論見書の表紙に貼ってあるシールの番号を伝えないと、ファンドの購入ができないのです。
 まあ、規則なので、やむを得ませんが、もう少し手続きが簡略化されるとありがたいと思います。
続きを読む
posted by 乙 at 05:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内投資信託 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月18日

アイザワ証券「フェイム−アイザワ トラスト ベトナムファンド」その2

 このファンドについてネットで情報を収集してみると、ちょっと気になることがありました。
 このファンドの目論見書
http://www.aizawabtc.com/upfiles/invest_pdf/plan_up/115/393.pdf
を読むと、成功報酬(HWM)が上昇分の 15% かかると書いてあります(正確には「投資運用会社は、各暦四半期末に計算され、後払いで支払われる成功報酬を受領する権利を有します。」という文面です)が、販売用HPや販売用資料には「運用会社には成功報酬が支払われることがあります。」という書き方がされているだけで、パーセンテージすら書かれていません。これは不親切です。この文面では、成功報酬を支払うこともあるし、支払わないこともあると読めます。こういうところははっきりさせるべきでしょう。
 たとえば、目論見書には、0.8% の投資運用報酬についても「投資運用会社は、(中略)純資産価額の0.8%に相当する報酬を、毎月後払いで受領する権利を有します。」となっています。まさか、この報酬について運用会社が「権利はあるけれど、受け取らないことにしよう」などと言うことはないでしょう。だとすれば、成功報酬も同じです。同じような書き方がされている以上、確実に成功報酬もかかると読むべきです。
 また、販売用資料
http://www.aizawabtc.com/toushin_details/115.html
には、「外国籍投信(当該ファンドは外国口座の設定が必要になります。)」と書いてあります。この記載は、アイザワ証券が販売している他のいくつかの外国株のファンドにも共通に書かれています。「外国口座の設定」とは、どういうことなんでしょうか。乙には意味不明です。
 乙は、Google で「外国口座 site:www.aizawabtc.com」とやって、アイザワ証券のサイトの中で「外国口座」に関してどんな説明がされているのか、検索してみましたが、わかりませんでした。
 そもそも、Google で「"外国口座の設定"」というフレーズ検索を指定すると、出てくるのはアイザワ証券が扱っているファンドだけです。つまり、それくらい特殊な用語だということです。
 もしかして、外国口座を設定するということは外国株式口座を開設するということと同じことなのでしょうか。
 約款
http://www.aizawabtc.com/31yakkan/pdf/02yakkan_doc.pdf
によれば、外国証券取引口座を開設すると、口座管理料がかかると書いてあります。しかし、これがいくらかかるのか、書いてありません。これも不親切です。
 http://www.aizawabtc.com/12goriyo/051.html
では、ブルーコールで外国株式取引口座の口座管理料は無料と書いてあります。
 http://www.aizawabtc.com/02goriyo/051.html
では、ブルートレードで外国株式取引口座の口座管理料は無料と書いてあります。
 約款では口座管理料がかかるように書いておき、運用上は口座管理料をゼロ円としておくというわけです。アイザワ証券としては、約款の改定をせずに、口座管理料が必要だと思ったらすぐに徴収できるようにすることを考えているのでしょう。約款の書き方はこうなるものでしょうかね。それにしてもわかりにくいものです。
 ファンドを購入したら口座管理料がかかるというのは、乙は寡聞にして耳にしたことがありません。何とも不思議な記載でした。
 ところで、こういう問題点は、乙はすぐにメールで聞くようにしています。
 1月12日にメールでアイザワ証券に尋ねたのですが、(17日には再度尋ねたのですが)18日朝の時点では回答がありません。このあたり、個人投資家としてはちょっと(というかかなり、いや大変)心配になります。たくさんの問い合わせメールがあって、回答できないくらいならば、そもそもホームページにアドレスを載せるべきではありません。アドレスを載せるならば、それに対する問い合わせにはきちんとメールで回答してもらいたいものです。
posted by 乙 at 05:53| Comment(2) | TrackBack(0) | 国内投資信託 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月17日

アイザワ証券「フェイム−アイザワ トラスト ベトナムファンド」

 乙は、ベトナム投資を考えています。
 その中で、アイザワ証券の「フェイム−アイザワ トラスト ベトナムファンド」に注目しています。
 このファンドの月報(マンスリー・レポート)が WWW に掲載されています。
 10月分は、
http://www.aizawabtc.com/upfiles/invest_pdf/repo_up/115/5614.pdf
です。2006.10.31 のものが、2006.11.6 付けで 2006.11.15 に掲載です。
 11月分は、
http://www.aizawabtc.com/upfiles/invest_pdf/repo_up/115/5707.pdf
に掲載されています。2006.11.30 のものが 2006.12.6 付けで 2006.12.15 に掲載です。
 12月分は、
http://www.aizawabtc.com/upfiles/invest_pdf/repo_up/115/5782.pdf
です。2006.12.29 のものが 2007.1.4 付けで 2007.1.13 に掲載です。
 マンスリーレポートを読むことで、ファンドの現状がかなりよくわかります。目論見書は、今後のことを予想して書いているだけですが、マンスリーレポートは、ファンドの現実を反映します。
 以下、マンスリーレポートの記述を利用しながら、ベトナム株投資について乙の考え方を述べます。
 ベトナム証券市場では、上場株式銘柄数が約60、時価総額が約53億ドルと小さいですから、「フェイム−アイザワ トラスト ベトナムファンド」の純資産総額 3868万ドルは 0.7% を占めるということになります。ベトナム証券市場が小さいとは聞いていましたが、これほどとは思いませんでした。単純に考えて、世界中から投資マネーが集まりつつあるけれど、市場が小さすぎてこなしきれないといったところでしょう。
 ちなみに、純資産総額ですが、10月は 1947万ドル、11月は 2803万ドルでしたから、このファンドにジャンジャンお金が集まってくる状態です。毎月1000万ドル(12億円)を集めているのですから、大変なものです。
 このファンドの資産構成を見ると、12月段階で、株式が 32.6%、現金が 67.4%です。11月段階では、株式が 30%、現金が 70% でしたから、実は株式ファンドとしてはあまり機能していないとも言えます。現金を持てあましている感じでしょうか。信託報酬は、現金を預けている分にもかかってくるわけですから、個人投資家の側から見れば複雑な心境です。ちなみに、10月段階では、株式は 10% しかなく、現金が 90% もあったんですね。ファンドを立ち上げたばかりだったので、こんな状況でも理解できます。
 もっとも、このような方針(現金比率が高いこと)が悪いわけではありません。小規模市場で金余り状態が発生すれば、株は異常な値上がりをします。今がそれかもしれません。ということは、逆にいえば、これから大暴落があり得ます。そのときこそファンドの出番です。70% 近くもの現金を貯め込んでいれば、「それっ」とばかりに買い出動できます。このあたりの運用力に期待したいところです。個人投資家の場合は、買いのタイミングの読みがむずかしいですが、プロならば、ある程度は期待できるでしょう。
 株式の国別資産配分を見ると、12月段階でベトナム 21.14%、タイ 3.58%、マレーシア 3.30%、フィリピン 2.93%、シンガポール 1.63%(合計で32.6%)となっています。ベトナム株に投資するといっても、ベトナム以外の ASEAN 各国(のベトナム関連企業)にも投資していることがわかります。一応、ベトナム中心ですから、問題はないと思います。
 ネット内を探すと、このファンドを買ったという話が2件ほど出てきます。
http://plaza.rakuten.co.jp/sekifumi/diary/200610090000/
http://plaza.rakuten.co.jp/yakkomama/diary/200610060000/
 乙も、そろそろ投資してもいいような気がしてきました。もっとも、ベトナムは、多くの人が注目していますから、数ヶ月〜1年くらい待つと、さらに有利な投資信託が登場するかもしれません。これが悩ましいところです。
 また、前述のように、もしかして数年以内にベトナム株の過熱から大暴落があるかもしれません。そんなときに投資すれば、安値で買えて最高のパフォーマンスが得られるように思います。しかし、それをねらっていけるかどうかも悩ましいところです。どんなタイミングでどれくらい下落するのか、事前にはわかりませんからねえ。
posted by 乙 at 03:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内投資信託 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月16日

ベトナム株のファンド

 2006年11月のベトナムの WTO 加盟決定とともに、最近は、ポスト BRICs の一角としてベトナムへの投資が盛んになりつつあります。
 ベトナムの証券会社に口座を開いて、直接ベトナム株に投資することも考えられないわけではありませんが、乙は、そんなに多額の資金があるわけでもありませんから、とりあえずは投資信託を買うことを考えるのが自然でしょう。
 ちょっと気になって、ベトナム株のファンドについて調べてみました。
http://www.online-sp.com/vietnam.htm
の中の「ベトナムファンド情報」には、2006.12.9現在で、いろいろなベトナムファンドがあると書いてあって、参考になります。
 これに従って、WWW を順次見ていきましょう。

(1)アイザワ証券[フェイム−アイザワ トラスト ベトナムファンド]
 日本初のオープンエンド型ファンドというふれこみです。
http://www.aizawabtc.com/TopMenu/vietnam_fund.html
http://www.aizawabtc.com/zinvest_detail.html?serial=115&category1=26&a=0
http://www.aizawabtc.com/toushin_details/115.html
が販売用HPです。
http://www.aizawabtc.com/upfiles/press_up/146/attach1.pdf
http://www.aizawabtc.com/upfiles/invest_pdf/repo_up/115/5403.pdf
に販売用資料があります。2点とも同内容です。これを見ると、ベトナム株はとてもボラティリティが大きいようで、2001から2003にかけて 1/4 ほどに下落していることがわかります。
http://www.aizawabtc.com/upfiles/invest_pdf/plan_up/115/393.pdf
に目論見書があります。
 申込手数料は 3.15%です。それに、毎年かかるものとして、管理報酬 0.09%、運用会社報酬 0.80%、代行協会員報酬 0.20%、販売会社報酬 0.50%、受託報酬 0.06%、保管および管理事務代行 0.11%、ということで、合計 1.76% がかかります。

(2)東洋証券[ベトナムファンド 2006-11](募集終了)
http://www.toyo-sec.co.jp/contents/fund/html/vietnam0611.html
に資料があります。運用会社は、三井住友アセットマネジメントとのことです。
 申込手数料 3.15%、信託報酬は 1.68%、その他に成功報酬(HWM)が上昇分の 10.5% かかります。

(3)ユナイテッドワールド証券[ベトナム民営化ファンド]
 これについては、乙はすでにブログで述べたことがあります。
http://otsu.seesaa.net/article/12631047.html
信託報酬が 5% を越えており、それ以外に成功報酬(HWM)が上昇分の 20% かかって、乙としてはコストが高すぎるという判断です。

(4)グローバルリンクインベストメント[ベトナム株ノーロードファンド]
http://www.gladv.co.jp/gli/noload/index.html
を見てみると、途中売却ができないことに加えて、信託報酬 1.75%と、成功報酬(HWM)15%がかかります。ノーロードとはいえ、手数料が高めです。

(5)キャピタル・パートナーズ証券[ベトナム・ドラゴン・ファンド(VDF)]
 クローズド・エンド(会社型)のファンドです。
http://capital.jp/invest/vietnam.html
がベトナム投資情報で、いくつかのファンドなどの紹介があります。
http://capital.jp/invest/vdf-pros.pdf
が目論見書(の一部)です。しかし、詳しい内容がわかりません。特に、各種手数料が明記されていないのでは、情報開示として明らかに不十分です。
 ネット内を検索してみると、
http://www.ace-sec.co.jp/products/toshin/os_vdfl.html
に各種手数料が書いてありました。これによると、運用報酬 2.5% と成功報酬(5%を超える額の20%)がかかるとのことです。

(6)岡三証券[(仮)ベトナムファンド]
http://asia-web.jp/
を見てみましたが、現在は扱っていないようで、情報がありませんでした。

(7)エフエーキャピタル
http://www.fadvisers.com/con1_3.html
には、ベトナムファンドがあるようですが、ホントにファンドがあるのかどうか、よくわかりません。ベトナムについては何も書かれていません。

(8)Vina Capital[Vietnam Opportunity Fund (VOF)]
 海外ですが、
http://www.vinacapital.com/?nav1=services&nav2=vof
を見てみました。
 信託報酬 2%、成功報酬 (8%を越える額の20%)がかかるということです。

(9)他の海外のファンド
いろいろ見てみましたが、以下のものについては、ベトナムファンドを扱っていないのか、情報がありませんでした。
*JF Asset [Vietnam fund]
http://www.jfam.com/cgi-bin/jffundhk/JFAsset/web/t1_whereyoulive.jsp
*PRUDENTIAL Asset Management [Prudential's Vietnam Fund]
http://www.prudential.co.uk/prudential-plc/
*DWS [DWS Vietnam fund]
http://info.dws.de/dws/int/nav_info.nsf/frameset/GGRF-5VCMMW?OpenDocument

 こうしてみると、ベトナム株のファンドはどれもこれも手数料が高めです。ユナイテッドワールド証券のものは、その中でも特に高くなっています。
 東洋証券のベトナムファンドが大変な人気を集めて短期間で募集終了になったのは、コストが安かったからでしょうかね。
 それぞれのファンドを見てみると、アイザワ証券のファンドが、手数料が安そうでよさそうです。
posted by 乙 at 05:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内投資信託 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月15日

横田濱夫(2004.4)『ゆとり老後のためのお金の教室』双葉社

 乙が読んだ本です。「老後資金の運用で迷う63の疑問」という副題が付いています。
 この本は、いろいろな金融商品を取り上げて「どっちが得か」というスタンスで解説しています。1冊読めば、一通りの知識が身に付くでしょう。まあ資産運用の入門書といったところでしょうか。
 全体にうなずける記述が多く、入門書としてはいいのではないでしょうか。
 いくつか、疑問に思ったことがあったので、そこを中心に書きます。
 p.016 はクイズで始まります。「こんな2つの投資話があったとしましょう。どちらも投資期間は3ヶ月。一方は、値上がり益30%を狙えるものの、同時に値下がりのリスクも10%あります。もう一方は、利回りは1%と低いけれど、利回りは確実で、さらに元本も保証されています。そのときあなたは、たまたまマンション購入の契約をしていました。購入代金の支払いは、ちょうど3ヶ月後に迫っていて、ギリギリどちらへの投資も可能です。さてあなたは、どちらの投資話を選ぶでしょうか。」
 このクイズでは、一番大事な条件「マンション購入代金の他に資金があるのかないのか」が書いてありません。たぶん、「余裕資金はない」ことを前提にしているのでしょうが、それは明記するべきでしょう。でも、実際上、そんな前提はおかしいのです。3000万円のマンションを買おうという人が3000万円ちょうどしか持っていないということは考えられないわけで、若干は余裕資金があるものです。余裕資金がどれくらいあるかで、投資の判断は変わってきます。このクイズでは、マンション購入代金、余裕資金、それにこの投資話の金額、が書いてありません。
 こういう条件で「迷わず後者を選ぶべきです」といわれても、それは違うのではないかと思いました。
 ところで、このクイズの「値上がり益30%を狙える」ということと「値下がりのリスクも10%あります。」ということは対にして示していいのでしょうか。前者は資金が 1.3 倍になるという意味でしょうが、すると、後者は 0.9 倍になるという意味ととらえられます。その場合、「リスク」はどういう意味でしょうか。
 普通は、「リスク」というと危険性を表すのではないでしょうか。(ばらつき=ボラティリティ=標準偏差という意味もありますが。)だとすると、「値下がりのリスクが10%ある」というと、10%の確率で値下がりがありうるという意味になるのではないでしょうか。もしも、こう考えると、二つを並べても意味が通じません。
 p.017 では、この問題をこう言い換えています。「期待値上がり率が30%に対し、値下がり率の可能性は10%でした。」ここでは、10%が可能性(=確率)だといっていますが、10%の確率で値下がりが起こるとしたら、そのとき、何%の値下がりがあるのでしょうか。
 そもそも、はじめのクイズの「値上がり益30%を狙えるものの、同時に値下がりのリスクも10%あります。」といういい方は、それぞれの起こる確率が半々だということを暗黙のうちに仮定しているようですが、それでいいのでしょうか。
 乙は、このクイズ(およびその解答)がわかりませんでした。
 p.079 「リスク集中」と「リスク分散」ということばが出てきます。ここでは「リスク」は「危険性」という意味で使われています。さて、この「リスク」は、pp.016-017 の「リスク」と同じ意味でしょうか、違う意味でしょうか。
 p.061 老後に日本国内で暮らす場合、基本は為替リスクのない円で運用するべきだと書いてあります。それも一つの意見ですが、乙は別の意見を持っています。「円」がこれからも今までと同じような立場にあるとは限りません。日本で激しいインフレが起こったり、極端な円安になったりすれば、やはり資産は外貨で持っていたほうがいいのです。老後は、外貨を順次円に両替しながら使うことになります。つまり「日本で生活するから円が基本だ」という考えは必ずしも成り立たないのではないかと思います。
 pp.216-217 クレジットカードを捨てて現金払いに徹することを主張しています。しかし、本当にそれでいいでしょうか。日本はこれからますますネット社会になっていくと思われます。その場合、ネットでの買物は現金よりもクレジットカードのほうがはるかに便利です。ここの言説はちょっといただけないなあと思いました。

 横田氏のホームページがあります。よろしければどうぞ。
 http://www.y-hamao.com/


posted by 乙 at 06:16| Comment(1) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月14日

ユナイテッドワールド証券から HSBC 香港に中国株を移管しました(続)

 昨日、日本から香港への中国株の移管の話を書いたところ、ちゃみーさんから、申込書類をどうするのか、質問がありました。
 乙が、ユナイテッドワールド証券にメールで株式移管の希望を伝えたところ、『外国証券会社間移管申込書』というのを送ってきましたので、それに記入しました。
 書類には、移管する株(全部というわけですが)の一覧と、移管先の(HSBC 香港の)口座番号などを書きました。
 あとは、ハンコを押して、郵送して、終わりです。
 ただし、その書類の中に、HSBC 香港の担当者の名前と電話番号・メールアドレスを書く欄がありましたので、何と書けばいいか、メールで HSBC 香港に問い合わせたところ、それも教えてくれました。(個人情報だし、時期によって担当者が変わるかもしれないので、ここでは伏せ字にします。)次のようなメールでした。

Please provide your broker with your account information for the transfer:
Name of Broker: HSBC
Contact Person: ******** (Tel: **** ****)
CCASS Number: C00019
Your name and PowerVantage account number

Then, Please visit your nearest HSBC branch in Hong Kong to complete a "Securities Settlement Instruction Form" for our acknowledgement.

Alternatively, you can provide us with a written instruction stating the full details of your shares including the stock name, stock code, share quantity, and delivery broker's details. Please send your written instruction with signature corresponds to our records to the Custody and Clearing department for processing. Their address is 5/F Tower 1 HSBC Centre, 1 Sham Mong Road, Kowloon, Hong Kong SAR.

 CCASS Number というのは、香港の取引所での登録番号のようなものです。ユナイテッドワールド証券に提出する書類の中にこれを書く欄がありました。
 乙は、株式移管手続きのために、香港まで行くことはありえないので、手紙を書くことにしました。
 次のようなものです。

Custody and Clearing
Hong Kong Office
5/F Tower 1
HSBC Centre
1 Sham Mong Road
Kowloon
Hong Kong SAR
               OTSUKAWA, Otsuhiko
               November, 15th, 2006

I would like to transfer the following Chinese stocks from United World Securities Japan K.K. to my Powervantage account in HSBC. My account number is 502 ****** 833.

code  name of company             No. of stocks
00177 JIANGSU EXPRESSWAY 'H'(江蘇寧滬高速公路)2,000
以下、省略

 HSBC のサイトで株価コードを入れると、それぞれの会社の株の英語表記がわかるので、それを列挙しました。漢字表記だけでもいいとは思いましたが、英語の手紙ですから、念のため英語も添えました。
 あとは、サインして、郵送して、終わりです。
posted by 乙 at 01:22| Comment(6) | TrackBack(0) | 株式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月13日

ユナイテッドワールド証券から HSBC 香港に中国株を移管しました

 乙は、中国の個別株投資を止めて、ETF に投資しようかと考えています。
http://otsu.seesaa.net/article/26796311.html
 そのために、この際だから、ユナイテッドワールド証券の中国個別株を売却して、HSBC 香港で ETF を購入することを考えました。
http://otsu.seesaa.net/article/26912694.html
 しかし、どうしようかと今ひとつ決心が付かない状態でした。
 ところで、乙は、ユナイテッドワールド証券で中国株の保護預かりをしていましたが、これを HSBC 香港に移管するということを思いつきました。日本から香港への移管です。
 石田和靖(2005.10)『15万円からはじめる本気の海外投資完全マニュアル』パンローリング
http://otsu.seesaa.net/article/27000416.html
では、p.117 に日本の証券会社から香港の証券会社への株式の移管はできないと書いてあります。しかし、実はできます。
 乙が、ユナイテッドワールド証券のホームページを見たところ、海外からの株券の入庫はできないと書いてありますが、海外への出庫については、何も触れられていなかったものですから、もしかしたら可能ではないかと思いました。11月ころの話です。
 その後、ユナイテッドワールド証券に尋ね、HSBC 香港にも尋ね、可能だということになりました。乙は、それぞれと書類のやりとりをし、移管手続きをしました。
 最近、移管手続きが終わり、HSBC 香港の乙の口座を見て、中国株が並んでいることを確認しました。
 1銘柄あたりの移管手数料は(ユナイテッドワールド証券に払う手数料が)2,100 円です。売却とほぼ同レベルの手数料です。HSBC 香港では、受取手数料は発生しません。これで、中国株の売却→香港へ送金→中国株(ETF)の購入という複雑な手続きをせずに、中国株が直接 HSBC に移動できました。
 中国株の移管には、いろいろなメリットがあります。一番大きいのは、もしも、中国株を売却すれば、この段階で売却益が出て、税金(所得税)がかかってしまうのに、移管すると、売却ではないから、含み益はそのままにしておけるという点です。次に、中国株の売却→香港へ送金→中国株(ETF)の購入と比べて、為替手数料や送金手数料が大幅に節約できたということがあります。海外への送金は何かとコストがかかるものです。それが移管手数料だけですむことは大きなメリットです。
 ただし、乙が考えていた「個別株を売却して ETF にする」ということは実現していません。単なる株式の移管ですから当然ですが。
 個別株から ETF に乗り換えるかどうかは、もう少し先に考えることにしましょう。その場合は、HSBC 香港の内部での操作ということになってしまいます。
 今回の移管手続きでは、申込から実現まで約2ヶ月かかりました。株式移管に時間がかかるという点がちょっと困ったことです。この間、株がまったく動かせない(売却できない)わけですから。これについては、通常はもう少し短期間で(1ヶ月程度で?)できるのではないかと思います。また、そうであってほしいものです。
続きを読む
posted by 乙 at 05:28| Comment(6) | TrackBack(0) | 株式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月12日

米国債よりもエージェンシー債

 アメリカの E*TRADE 証券では、米国債 Treasury だけでなく、エージェンシー債 Agency も購入できます。こちらは、事実上、米国債と同様に政府保証が付いている債券ですから、買うならこちらのほうがいいでしょう。
 これが債券投資にいいという話は、海外投資を楽しむ会(2000.4)『ゴミ投資家のための インターネット投資術入門』メディアワークス
http://otsu.seesaa.net/article/28646420.html
で知りました。
 アメリカの E*TRADE 証券で買う場合の両者の利回りを比較してみましょう。間接的に野村證券とも比べられるように、前回
http://otsu.seesaa.net/article/31106871.html
と満期日が近いゼロクーポン債にします。

 米国債満期 利回り Agency債満期 利回り
  2017.11.15 4.714% 2017.11.01  5.09%
  2016.02.15 4.597% 2016.02.15  5.236%
  2015.08.15 4.553% 2015.08.12  4.965%
  2013.02.15 4.453% 2013.02.03  4.867%

というわけで、米国債よりもエージェンシー債のほうがさらに高利回りになります。(実際は、どのエージェンシーにするかで若干利回りが違ってきますが。)
 これなら、債券投資をしても充分な利回りのように思います。
 乙は、やっと外国債券の投資先が見つかったような気がしました。ゼロクーポンのエージェンシー債でいきましょう。
posted by 乙 at 00:13| Comment(0) | TrackBack(1) | 債券 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月11日

トヨタの株は上がっています。

 乙は、1年前にトヨタ自動車の株を買いました。
http://otsu.seesaa.net/article/13168549.html
 そのときの株価は 6060 円でした。
 日経新聞の1月3日号に推薦株として書いてあったという理由からで、ま、いいかげんな投資法です。
 2006年1月10日に買ったので、ちょうど1年経ちました。
 今、1月10日の終値でみると、トヨタの株価は 7690 円で、3割ほど上がっていることになります。
 日経平均は、2006.1.10 時点で 16,124 円、2007.1.10 時点で 16,942 円ですから、この期間では、ほとんど動きがなかったわけで、それに比べると、トヨタは上がっていると言えます。
 1割くらい上がっていれば大成功と思っていましたが、予想以上の健闘でした。
 もっとも、乙の場合は、それ以外に、銘柄選びを間違えて、塩漬けにせざるを得ない株がゴロゴロしていますので、乙の日本株運用は全体としてまったく自慢できるものではないのですが。
 なお、トヨタの株価は、さらに上がると思うので、このまま保持します。1万円を越えたら、売ってもいいかなと思いますが、それでもずっと売らないかもしれません。
続きを読む
posted by 乙 at 04:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 株式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月10日

出島昇氏の勝率の秘密(続々)

 このブログに「出島昇氏の勝率の秘密(続)」
http://otsu.seesaa.net/article/31036696.html
を書いたところ、PALCOM さんからさらにコメントをいただきました。
 ポイントは以下の(1)から(3)の三つでした。それぞれに対して、乙の考え方を示します。

(1)相場が動かないときに、仮に株価が5%上昇したら、自動的に売却するようにセットしておけば、楽に儲かりそうです。

 その通りです。株価の上下がランダムに発生するとしたら、儲かる一つの方法はある程度の上昇を確認したらすぐに売却することです。それが5%でもいいでしょう。これが短期売買の考え方であり、そのメリットです。デイトレードなどもこの性質を利用していると考えていいと思います。
 もっとも、株価が下落したときどうするかという悩ましい問題があります。損切りをどうするかということですね。これについては、もう少し別の計算をしてみる必要があります。近日中に、この結果についてもお知らせできるといいと思っています。

(2)出島氏によると、売却後は、どうするのでしょうか?基準値に戻ったら買い戻し、以下売却と買戻しを繰り返すのでしょうか?

 出島氏の本には、これについては何も書いてありません。
 しかし、乙が推測するところでは、出島氏は投資顧問ですから、売却後の資金を寝かせておけば、1週間以内には別の株の推薦があり、それを買えばいいということだと思います。

(3)実際には騰落率が0%であるというのは非現実的であり、騰落率がプラスの傾向が続いた後、騰落率がマイナスの傾向が続くようなパターンが多いはずですが、騰落率がマイナスになると、勝率は極端に下がるように思われます。そうすると、短期の上昇傾向と下降傾向を峻別しなければならなくなりますが、これを実現できる可能性は低いように思います。

 これについては、もしかして PALCOM さんが誤解している面もあるかもしれません。
 乙が示した騰落率は、1万種類の株の3ヶ月後の株価(の平均)を基準時点と比べた場合の騰落率です。したがって、個々の株価は、上がったり下がったりしながら、3ヶ月後には株価全体としてある程度広がった分布になります。その平均値を3ヶ月前と比べると等しいというのが騰落率0%ということです。
 さて、乙が以前に
http://otsu.seesaa.net/article/30915013.html
示した計算では、騰落率が0からプラスの範囲でした。しかし、マイナスの場合も計算してみる必要がありそうです。さっそく、やってみました。
 「勝ち」は(出島氏の考え方に従い)3ヶ月間に株価が10%以上上がることと定義しました。
 結果は、次の通りです。

騰落率=-20.0% 標準偏差=10% 勝ちの数= 232 勝率= 2.3%
 最小値=4095 最大値=12055 平均= 8000 標準偏差= 988.9

騰落率=-20.0% 標準偏差=20% 勝ちの数=3826 勝率=38.3%
 最小値=589 最大値=15765 平均= 8001 標準偏差=1998.0

騰落率=-15.0% 標準偏差=10% 勝ちの数= 511 勝率= 5.1%
 最小値=4362 最大値=12038 平均= 8495 標準偏差= 990.1

騰落率=-15.0% 標準偏差=20% 勝ちの数=4569 勝率=45.7%
 最小値=1075 最大値=16074 平均= 8501 標準偏差=2010.6

騰落率=-10.0% 標準偏差=10% 勝ちの数=1070 勝率=10.7%
 最小値=4842 最大値=12870 平均= 8983 標準偏差=1003.7

騰落率=-10.0% 標準偏差=20% 勝ちの数=5248 勝率=52.5%
 最小値=1339 最大値=16025 平均= 8983 標準偏差=2011.7

騰落率= -5.0% 標準偏差=10% 勝ちの数=2133 勝率=21.3%
 最小値=5440 最大値=13176 平均= 9489 標準偏差= 995.4

騰落率= -5.0% 標準偏差=20% 勝ちの数=5988 勝率=59.9%
 最小値=2448 最大値=17488 平均= 9491 標準偏差=1985.5

騰落率= 0.0% 標準偏差=10% 勝ちの数=3476 勝率=34.8%
 最小値=5882 最大値=13747 平均= 9978 標準偏差=1001.5

騰落率= 0.0% 標準偏差=20% 勝ちの数=6780 勝率=67.8%
 最小値=2050 最大値=17215 平均=10006 標準偏差=2009.3

 この結果を見ると、騰落率が -10% のときでも、標準偏差が 20% あれば勝率が 52.5% もあるんですね。
 乙は、株価の本質が見えてきたような気がしました。騰落率もさることながら、標準偏差が勝率に関係します。つまり、上下の変動ということです。上下の変動が大きい場合は、それをうまくとらえれば、勝率が上がるということです。上下の変動は、まさにリスクそのものです。つまり、リスクがあること、リスクが大きいことがリターンを生み出すのです。
posted by 乙 at 05:33| Comment(1) | TrackBack(0) | 株式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月09日

アメリカの債券を買うとき

 乙はアメリカの E*TRADE 証券に口座開設を申し込みました。
http://otsu.seesaa.net/article/29970176.html
 開設OKのメールがあったのは、12月20日でしたが、その後、1月6日になって、やっと User Name と Password が郵便で送られてきました。正月ということも影響するのでしょうか、連絡がかなり遅い感じです。
 封筒のアドレスを見ると、何と(!)、香港からです。アメリカの証券会社に口座開設したのですが、郵便は香港発なんですね。このほうがたぶん郵送コストが安いからなのでしょう。以前、アメリカの某所から定期的に手紙をもらっていましたが、いつも香港からだった(香港の切手を貼り、香港の住所が書いてあった)ことを思い出しました。アメリカ企業の合理性の一端をかいま見ました。
 さて、E*TRADE 証券では、どんな債券があるのか、ちょっとサイトをのぞいてみました。User Name と Password をもらわないと、こんなことすらできないんですよね。
 一見して驚きました。E*TRADE 証券の扱う債券のバラエティたるや、すごいものです。ウェブサイトには Bond Finder などという検索ソフトまであり、これで各種条件を指定して債券を検索するのです。
 たとえば、2012 年から 2017 年に満期になるゼロクーポンの米国債を指定してみましょう。47件もヒットしました。最も利回りが高いのは 2017年11月15日満期の 4.714% のもので、最も安いものは 2012年5月15日満期の 4.276% のものです。まさによりどりみどりです。
 同じ条件で野村證券(日本国内で最大の米国債の品揃えがあるという話ですが)のサイトを探すとたった4件しかありません。
 その4件の利回りを、野村證券と E*TRADE 証券で比べてみましょう。

 満期    野村證券 E*TRADE
 2017.11.15  4.54%  4.714%
 2016.02.15  4.47%  4.597%
 2015.08.15  4.46%  4.553%
 2013.02.15  4.38%  4.453%

 このように、いずれもアメリカの E*TRADE 証券のほうが高利回りです。それ以外に、口座管理料の問題があるのですが、ここでは省略します。
 この結果を見れば、野村證券で米国債のゼロクーポン債を買う意味はありません。やはり、米国債はアメリカで買うのがよいという当たり前の結論になります。
 唯一、野村證券が優れている点は、日本語でやりとりができることでしょう。乙は、E*TRADE 証券と英語でやりとりするのも楽しいと思いますが、ま、こうなると、趣味の領域でしょうかね。
 ともあれ、野村證券としては(いや、日本の全部の証券会社に当てはまることですが)、アメリカの E*TRADE 証券と競争することになったようなもので、大変なことだと思います。日本語が唯一の武器というのでは、将来は明るくないように思いますが、どうなんでしょうか。
続きを読む
posted by 乙 at 06:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 債券 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月08日

出島昇氏の勝率の秘密(続)

 乙がブログに「出島昇氏の勝率の秘密」
http://otsu.seesaa.net/article/30915013.html
を書いたところ、PALCOM さんからコメント(質問)をいただきました。
 前回は、出島氏のいうように、3ヶ月以内に10%以上値上がりすることを「勝ち」と定義した計算をしたわけですが、これを 5% としたらどうなるかという質問でした。
 プログラムは1箇所だけ変更すれば、そのまま使えます。結果は次の通りでした。

騰落率= 0.0% 標準偏差=10% 勝ちの数=6711 勝率=67.1%
 最小値=6423 最大値=13808 平均=10006 標準偏差=1007.4

騰落率= 0.0% 標準偏差=20% 勝ちの数=8517 勝率=85.2%
 最小値=1631 最大値=17103 平均= 9982 標準偏差=1999.8

騰落率= 5.0% 標準偏差=10% 勝ちの数=7980 勝率=79.8%
 最小値=6370 最大値=14170 平均=10499 標準偏差=1010.2

騰落率= 5.0% 標準偏差=20% 勝ちの数=8890 勝率=88.9%
 最小値=3554 最大値=19621 平均=10489 標準偏差=1998.3

騰落率=10.0% 標準偏差=10% 勝ちの数=9000 勝率=90.0%
 最小値=6985 最大値=14847 平均=11009 標準偏差= 994.3

騰落率=10.0% 標準偏差=20% 勝ちの数=9180 勝率=91.8%
 最小値=3848 最大値=17751 平均=10986 標準偏差=2030.5

騰落率=15.0% 標準偏差=10% 勝ちの数=9593 勝率=95.9%
 最小値=8031 最大値=15483 平均=11505 標準偏差= 981.4

騰落率=15.0% 標準偏差=20% 勝ちの数=9491 勝率=94.9%
 最小値=3918 最大値=19815 平均=11487 標準偏差=2003.7

騰落率=20.0% 標準偏差=10% 勝ちの数=9856 勝率=98.6%
 最小値=8446 最大値=16026 平均=12002 標準偏差= 990.8

騰落率=20.0% 標準偏差=20% 勝ちの数=9650 勝率=96.5%
 最小値=4926 最大値=19227 平均=12026 標準偏差=2008.6

 騰落率が 15% 以上のところではほぼ 95% 以上の勝率になってしまうので、ほとんど意味はありません。
 おもしろいのは、騰落率が 0% ないし 5% の場合でも、相当に高い勝率になるということです。つまり、株価が 5% くらい上がるのは(全体に上昇トレンドがはっきりしない場合でも)よくある話であるということになります。
 前回も今回もそうですが、5% あるいは 10% の上昇といっても、それは最高値を拾う場合ですから、実際の売買では一瞬である可能性があり、そのようなピークに所有する株をうまく売却できるかという問題はあります。パソコン側で、プログラムを走らせておいて、所与の条件になったら自動的に売却するようなことをすればかなり実現できそうですが、それでも、微妙なタイミングで、売却できない可能性があります。

 なお、補足ですが、上の結果の「最小値」と「最大値」は、3ヶ月後の終値の(1万種類の中の)最小値と最大値であって、3ヶ月間を通しての最高値・最安値ではありません。
続きを読む
posted by 乙 at 04:46| Comment(1) | TrackBack(0) | 株式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月07日

BRICs と VISTA

 BRICs という言い方は、非常に有名になりました。最後の「s」は複数形を表すと解釈されていますが、一部には、南アフリカ(South Africa)を指すという解釈もあるようです。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20060517/102233/
南アフリカが BRICs に続く経済成長をするという可能性もあります。
 さて、最近は、VISTA という言い方を耳にします。ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンというわけです。BRICs の次に経済成長が期待される国々なんですね。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20061102/112958/
では、門倉氏が VISTA の命名者だということです。
 乙もそろそろ VISTA への投資を考えてもいいのかもしれません。
 そんなわけで、ネットの中を検索しようとして、困りました。マイクロソフトの新しいOSの名前と同じなので、検索エンジンではうまく検索できません。「VISTA -Windows -OS」などとやっても、あまりいい結果は出てきません。命名は大事ですね。
 VISTA 各国の状況を見てみましょう。
 インドネシアですが、
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/tyousa/indonesia-1.pdf
によると、最近、インドネシアへの直接投資が減少しているとのことです。1997年の通貨危機の影響が残っているのでしょうか。インドネシアへの投資信託としては
http://www.toushin.com/database/data.cgi?DID=1507
があるようですが、直接購入はできないようです。
 南アフリカに関しては、乙はランド建ての債券を購入しています
http://otsu.seesaa.net/article/12436140.html
が、南アフリカ自体を投資対象としては見てきませんでした。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20061222/116151/
では、南アフリカでエイズが問題になっており、あまりに感染者が多いので、平均寿命にも影響を与えるほどだというのです。エイズ孤児も激増しているとのことで、これは深刻な問題です。
http://www.ajf.gr.jp/ja/03/kansensyo/news/2002122201.html
にも同様の記事があります。
 トルコに関しては、すでにオーロラUトルコ投資ファンドというのがあります。マンスリーレポート
http://www.nomura-am.co.jp/fund/monthly1/M1140189.pdf
あるいは運用報告書
http://www.nomura-am.co.jp/fund/annual_gen/R1140189.pdf
を読むと、非常にボラティリティが高いファンドであることがわかります。
 トルコは、EU加盟に関して、ドイツやフランスが反対に回っているとのことで、今後の見通しが今ひとつ不透明です。
 アルゼンチンといえば、2001年に国家破綻したことで有名ですから、ちょっと恐いですね。
 そんなことで、VISTA の中では、ベトナムが浮上してきます。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20061122/114270/
では、ベトナム経済が好調なのは、海外で働く「越僑」たちが本国に送金するからだという説明がなされています。越僑の多くは米国に住んでいるとのことですから、米国からかなりの送金がなされています。推計で50億ドルとのことですから、すごいものです。
 そろそろベトナム投資を考えてもいいかもしれません。
続きを読む
posted by 乙 at 05:25| Comment(2) | TrackBack(0) | その他の投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月06日

出島昇氏の勝率の秘密

 乙は、出島昇(2004.7)『週末「株」で大儲け!』ダイヤモンド社
http://otsu.seesaa.net/article/30847771.html
を読んだとき、勝率 80% 以上という文言に感心してしまいました。
 pp.33-34 に具体的に書いてあります。2002年11月から2003年10月までの推奨銘柄の年間勝率は 83% です。
 これを聞くと、出島氏の推奨銘柄のうち 83%が上がって、17% だけが下がったように聞こえますが、そうではありません。出島氏の勝率の定義は、推奨日から3ヶ月以内に株価が推奨日の終値より10%以上上昇したものを勝ちとするというものです。
 さて、出島氏の推奨の目利きはどれくらい優れているのでしょうか。株価がランダムに(乱数に従って)上下するものと考え、そのときの勝率を計算してみましょう。こういう計算は、望ましい結果を得るために、たくさんの回数のシミュレーションが必要になります。そこで、人手で計算することはせずに、プログラムを作って計算する必要があります。
 まず、1銘柄の株価の変動をシミュレーションします。ある日の基準値として、株価10000円と考えます。これが初期値です。次に、正規分布する乱数(正規乱数)を発生させ、3ヶ月ですから66回足していくことにしました。(証券取引所のオープンしている日ということで、1ヶ月は22日と考えます。)66回目の値を3ヶ月後の株価とみなします。この場合、出てきた乱数を適当な倍率 p で大きくしてやると、3ヶ月後の株価の変動も大きくなります。これが1銘柄の計算です。
 次に、株式銘柄数を10000にして計算することにしました。つまり、上述の1銘柄の計算を1万回行いました。これは、1万種類の推奨銘柄があった場合に該当します。3ヶ月後の株価は、10000円を中心に上下にばらつきます。そこで、3ヶ月後の結果1万個の株価の平均値と標準偏差を求めます。平均値は、ほぼ 10000 になるはずです。標準偏差はどれくらいが妥当か、むずかしいところですが、まあ 10% かなということで、10000 個の(3ヶ月後の)株価の標準偏差を計算して、初期値 10000 ですから、標準偏差の値が 1000 になるように、前述の p の値を決めてやります。標準偏差 20% で計算する場合は、p を2倍にしてやります。
 さらに、3ヶ月間に平均株価が上昇する場合を考えます。たとえば、3ヶ月で平均株価が 1.2 倍になることはあり得る話です。日経平均株価は、2002年10月31日の終値が8640円、2004年1月30日(2003年10月の推奨株が3ヶ月経った場合)の終値が10783円で、2143円の上昇ですから、2143/8640=24.8%の上昇になります。15ヶ月間で約25%の上昇ですから、3ヶ月だと 5% くらい(1.05倍)と考えるべきでしょうが、ま、これはいろいろ考えてみましょう。騰落率を設定する場合は、3ヶ月の上昇分の 1/66 ずつを毎日の株価に足していくことにします。
 「勝ち」は、66回の計算の途中で、株価が1回でも11000以上になった場合とします。ただし、上の計算では、いわば毎日の「終値」を順次計算するようになっていますが、1日の最高値は、終値よりも高いのが普通です。そこで、最高値で勝ちの数を数えることにしましょう。最高値は、もう1回正規乱数を求め、その絶対値を p 倍して、終値に加算したものとします。これで、3ヶ月間の最高値が初期値の1.1倍を越えた場合を「勝ち」とカウントすることができます。
 さて、これで準備ができました。さっそく計算してみましょう。

騰落率= 0.0% 標準偏差=10% 勝ちの数=3526 勝率=35.3%
 最小値=5571 最大値=14205 平均= 9991 標準偏差=1003.1

騰落率= 0.0% 標準偏差=20% 勝ちの数=6812 勝率=68.1%
 最小値=2791 最大値=17951 平均=10048 標準偏差=1982.6

騰落率= 5.0% 標準偏差=10% 勝ちの数=5291 勝率=52.9%
 最小値=6310 最大値=14676 平均=10500 標準偏差= 998.8

騰落率= 5.0% 標準偏差=20% 勝ちの数=7332 勝率=73.3%
 最小値=3934 最大値=17869 平均=10515 標準偏差=1970.5

騰落率=10.0% 標準偏差=10% 勝ちの数=6969 勝率=69.7%
 最小値=7209 最大値=14894 平均=10996 標準偏差=1004.8

騰落率=10.0% 標準偏差=20% 勝ちの数=8047 勝率=80.5%
 最小値=2707 最大値=18845 平均=11010 標準偏差=2009.3

騰落率=15.0% 標準偏差=10% 勝ちの数=8452 勝率=84.5%
 最小値=7847 最大値=15521 平均=11504 標準偏差=1008.4

騰落率=15.0% 標準偏差=20% 勝ちの数=8508 勝率=85.1%
 最小値=4269 最大値=18572 平均=11468 標準偏差=1988.8

騰落率=20.0% 標準偏差=10% 勝ちの数=9305 勝率=93.1%
 最小値=8011 最大値=15926 平均=12005 標準偏差=1006.7

騰落率=20.0% 標準偏差=20% 勝ちの数=8957 勝率=89.6%
 最小値=4560 最大値=19161 平均=12009 標準偏差=1973.6

 この計算は、乱数を使っていますから、再度実行すると上と同じ結果にはなりませんが、毎回、ほぼ似たような結果になります。1万種類の株価を見ていることに該当するので、大数の法則が働き、ほぼ同じ結果になるのです。
 これらの結果から、次のようなことが言えます。
(1)騰落率によって勝率が大きく変わります。出島氏がしつこいくらいに「上昇トレンドのときに株を買え」といっていることの意味がわかります。
(2)騰落率が低いときは、標準偏差によって勝率がかなり変わりますが、騰落率が高いときは、標準偏差の影響は小さくなっています。
(3)出島氏の 80% 以上の勝率は、何ら驚くべきものではありません。上の結果は乱数で計算したものですから、個々の株価は上がるか下がるかまったくわかりません。乱数で上下しているわけです。しかし、騰落率がある程度あれば、80% くらいの勝率は普通に(つまり一切の「分析」なしにランダムに買ったとしても)出せます。
 言い換えるとこういうことです。出島氏の推奨銘柄と同じようなことをランダムにやったとします。くじ引きで推奨銘柄を選んで、それを投資家に知らせるのです。それでも、勝率 80% はむずかしくありません。株価が 15% 以上の上昇トレンドにあれば、簡単に達成できます。
(4)もしも(3)が妥当であれば、それはつまり、柴田罫線に基づくテクニカル分析は無効である(乱数で判断したのと同じ程度の効果しかない)ことを意味しています。
(5)騰落率 5%(出島氏の本に出てくる期間の現実の騰落率)のときの乱数による結果では、勝率が 80% に達しませんが、標準偏差 20% とすれば、勝率 74% であり、ちょっとした差に過ぎません。ですから、これを根拠に出島氏に株を選ぶ能力があると考えるのは間違いだろうと思います。

 出島氏は毎週2銘柄を推奨するということですが、それでは、銘柄数が少なすぎて、はっきりしたことは言えません。つまり、勝率をきちんと算出するには、件数をもっと多くしなければダメだということです。少ない件数の場合、たまたま出島氏の勝率が高いこともあるでしょう。1万銘柄を推薦するには、100年かかりますので、検証はできませんが、……。

 乙は、この結果に自分なりに納得できました。株式評論家や投資顧問業者の言っていることは、ランダムに銘柄を推奨していることとほぼ同じことだと考えていいでしょう。ただし、もちろん、ランダムな銘柄推奨よりも少しだけ優れているという可能性もあります。どちらを信じるかは投資家次第です。乙はランダム仮説を信じます。
 なお、乙が作成したプログラム(乙の考え方)が本当に正しいかという問題もありますが、まあ、これは正しいものと考えましょう。乙が自分で納得するためにプログラムを作ったのですから、計算ミスがあっても、それは自分の責任というだけのことです。
続きを読む
posted by 乙 at 06:05| Comment(4) | TrackBack(0) | 株式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月05日

出島昇(2004.7)『週末「株」で大儲け!』ダイヤモンド社

 乙が読んだ本です。「1週間に一度の取り組みで着実に資産を増やす方法」という副題が付いています。
 柴田罫線を用いたテクニカル分析を主体として株を売買しようという本です。ウィークリートレードといいます。
 乙は、テクニカル分析を基本的に信頼していないので、読むべきではなかったと思いました。特に第3章(pp.93-156)はテクニカル分析そのものですので、スキップしてかまわないと思います。
 さて、出島氏は、まえがきの p.5 で次のようにいいます。「そこで私はようやく学んだ。今でも最も確率の高いテクニカル分析手法だと確信している柴田罫線をもってしても、「罫線を見ているだけでは、長期にわたり、株で勝つことはできない」という真理を。」
 なかなかまともな話です。では、どうするか。続きに、こう書かれています。「常に、全体相場を見極める必要があるということなのだ。」同様の趣旨は、本書の終わりのころ、p.270 にも現れます。これもある意味で正しいでしょう。一番の問題は「全体相場を見極めることができるか」ということです。乙は、以前は、ある程度可能だと思っていました。しかし、最近は、そうでもないと思うようになってきました。数年にわたる大きな流れのようなものは、把握できると思っていましたが、実際に株の売買をやってみると、それでさえもむずかしいということを感じています。単に乙が素人だからでしょうか。
 また、日経平均がどういう傾向にあるかということと、自分が買っている個別銘柄がどう動くかとは必ずしも関連しないことがあり、個別銘柄の株は個別銘柄の特徴を強く持っています。ますますむずかしいです。(まあ、日経平均を反映するような株を買えばいいということもいえますが。)
 出島氏の主張は、テクニカル分析と相場全体の傾向が不一致のときにどうしたらいいのかという一番肝心なことが書かれていません。ここらあたりが「マル秘」の技術なのでしょう。乙は、これはマル秘の技術ではなく、単にヤマカンに過ぎないと思っていますが。
 p.79 では、株の売買に関して、証券会社が買い一辺倒の推奨をする理由は、証券会社がファンドを顧客に買わせている以上、カラ売りは推奨できないからだということを述べています。なるほど、こういうことだったんですね。業界の内部事情が暴露されたような感じです。
 p.86 株について、長期の値上がりを狙うのはバクチだとしています。乙は、これは違うのではないかと思います。むしろ、長期に持っていれば値上がりする確率が高いのが株なのではないでしょうか。これが資本主義の特徴だといってもいいと思います。数十年単位で見れば、株価は上昇するものでしょう。
 p.148 著者がなぜファンダメンタル分析をしないかが書いてあります。会社のファンダメンタルズ情報は『会社四季報』から得られますが、そもそも『会社四季報』は当該企業のIR、広報情報であって、あまり信頼できないということです。だから、『会社四季報』が出た後で、業績予測を下方修正するということも珍しくないということです。なるほど、そんな読み方ができるんですね。
 p.160 では、柴田罫線で買い転換した銘柄をすべてファンダメンタル分析したと書いてあります。おや、p.148 の記述と矛盾しているようです。
 p.189 では、業績のチェックは株式投資の基本だということで、ファンダメンタル分析を行うように書いています。p.160 の態度と同じですが、p.148 の記述とは矛盾しているように読めます。
 p.272 一番最後のページです。ここでは、トレンドを重視するように主張しています。そのため、柴田法則の影が薄くなっています。

 全体を通読して、わかったようなわからないような気分になりました。
 株の本はむずかしい(内容が理解できない)ものが多いような気がしていますが、それは、乙の頭が悪いからでしょうか。どうも、書く側の頭がすっきりしていないか、少なくとも、わかったことをわかりやすく他人に伝える技術を持たないかではないかという気がしています。
 乙は「真理は単純である」(Truth is simple.)という主義ですが、株の本はそういうのとはだいぶ違うようです。
 なお、出島氏のサイトがあります。
http://www.zubakabu80.com/
興味のある方はどうぞ。


続きを読む
posted by 乙 at 05:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月04日

インド株ファンド

 乙は、HSBC インドオープンというファンドを購入しています。
http://otsu.seesaa.net/article/28220260.html
 これが、他の類似のファンドと比べてどれくらいの成績か、見てみることにしましょう。
http://quote.yahoo.co.jp/
にアクセスして、検索窓に「インド」と入れて出てきた投信一覧を利用しました。
 この一覧に1年の騰落率を加えて示すと、以下のようになります。3年以上運用しているものはなかったので、3年騰落率は「なし」です。

1年 コード  名称
46.03 01312056 野村インド株投資
43.82 0331204C 三菱UFJ/ドイチェインド株式ファンド
----- 06311065 新光ピュア・インド株式ファンド
----- 1731105C JFインド株アクティブ・オープン
43.06 3431104C ドイチェ・インド株式ファンド
----- 4331105C BR・インド株ファンド
45.74 5131104B HSBCインドオープン
----- 57311061 CAりそなインドファンド
----- 79312064 三井住友・インド・中国株オープン
43.83 83311049 PCAインド株式オープン
----- 8331106B PCAインド・インフラ株式ファンド

 どれもこれもあまり差がつきません。たぶんこれらのファンドはインデックス・ファンドみたいな投資方針なのでしょう。
 そんなことを考えていたら、HSBC インドオープンの第2期運用報告書(決算日2006年11月29日)が乙の手元に届きました。どうにも郵便では情報が遅いです。これに比べると、当然ですが、ネット内を見たほうが最新のデータが入手できます。週報は
http://www.hsbc.co.jp/jp/shared/pdf/india_w.pdf
にあります。今は、2006年12月22日現在のものが見られます。
 見てみると、ベンチマーク(S&P/IFC Investable India)とほぼ同じ動きをしていることがわかります。
 他のファンドも同様なのでしょう。だから、どのファンドを買っても同じような成績になるのだろうと思います。ならば、むしろ、インド株の ETF を買うことを考えたほうが(手数料が安くて)いいように思います。
続きを読む
posted by 乙 at 05:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内投資信託 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月02日

寄付の考え方

 乙は、毎年、寄付をしています。日本点字図書館、ユニセフ、日本盲導犬協会などです。いずれも金額的には大したことはありませんが、毎年継続していますので、もう習慣のようになっています。寄付の金額は、トータルしてだいたい年収の1%を目安にしています。退職したら、その時点でやめてもいいと思っています。
 ときどき、単発ものの寄付をしますが、中でもユニークだったのは、熊本城の修復に関するものでした。乙がたまたま熊本にいったときに、熊本城の中のある建物の修復工事が行われており、それに関して寄付の募集をしていたのでした。
http://www.manyou-kumamoto.jp/contents.cfm?id=502
に説明がありますが、寄付者は「城主」と呼ばれ、「城主証」が送られてきます。また、「城主芳名板」が天守閣に掲示されます。乙は、熊本城にいったときに確かにそういうものを見ましたので、末尾に書き加えてもらえるとうれしいなと思って寄付したのでした。その後、自分の名前を見に行く機会がないままなのですが、きっと書いてあることでしょう。
 寄付は、自分の金を自分の考える方向に役立てたいという意思表明です。乙は社会的に有用だと思って寄付をしています。みんながそういう行動をすることで、日本社会が少しでもよくなればいいと思います。
 個人が合計で1万円以上の寄付をすると、寄付金控除が使えて、所得税が少しだけ安くなります。それはありがたいのですが、寄付金控除の対象として扱われる範囲がかなり狭いようです。
http://www.taxanser.nta.go.jp/1152.htm
には、「民法第34条の規定によって設立された法人や公益を目的とする事業を行う法人又は団体に対する寄附金で財務大臣の指定を受けた寄附金」とあります。このあたり、もう少しゆるくして、寄付の習慣が一般化するようにしたほうが、日本をよくすることにつながるのではないでしょうか。
続きを読む
posted by 乙 at 06:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月01日

電車の中で席を譲った話

 乙は電車の中で老人などに席を譲ることはありません。(シルバーシートは別で、そもそも乙はシルバーシートには座りません。)
 電車に乗る以上、込んでいれば立ったままでいるしかなく、本人がそういう条件で切符を買って電車に乗るという判断をしたならば、それは、立ったままの覚悟があってのことです。(ちょっと大げさな言い方に響きますが。)
 したがって、別の乗客が席を譲る必要はないというのが乙の考えです。
 先日、乙が電車に乗っていたら(ロングシートの端のほうに座っていたのですが)杖をついた老人(女性)が乗ってきました。歩き方が遅く、立っているのがちょっと危なっかしい感じがしました。乙は、考える時間もなく、立ち上がりました。そのとき、吊革につかまっていた若い人が乙の座っていたところに座ろうとしたので、それを手で遮りながら、老人に「どうぞ」といって席を譲りました。その老人は、素直に座ってくれました。(最近は、席を譲られて「老人扱いするんじゃない」と怒り出す人もいるという話ですからねえ。)
 ほんのちょっとしたことですが、何だか、自分の心がほんのり温かくなるような気分がしました。
 乙は、自分の信念に反した行為を行ったわけですが、結果的に、そういう気分を感じることでトクをしたような気がします。
 自分の信念がぐらつきました。
 席を譲るのは、他人のためではなくて、自分のためという面もあるのだと実感しました。やっぱりお互いが助け合うような社会がお互いのためになり、住みやすい社会になるのではないかと考え直しました。
 乙は、他人に「老人に席を譲れ」というつもりはありません。考え方は人それぞれです。乙は、あくまで自分で考えて自分で行動する。それだけのことです。
posted by 乙 at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする