2007年05月24日

ラリー・E・スウェドロー(2002.5)『ウォール街があなたに知られたくないこと』ソフトバンク パブリッシング

 乙が読んだ本です。「インデックス・ファンドに投資して真の富を築くには」という副題がついています。
 ボリュームがあります。460 ページほどあって、一気に読み通せるものではありません。しかし、2520 円ということで納得できる値付けです。
 内容は、インデックス・ファンドのすすめです。類書はいろいろありますが、本書は記述が丁寧で、図表も多く、内容がわかりやすく、乙は非常に好感を持ちました。
 インデックス・ファンドがアクティブ・ファンドよりも優れていることが投資家に知られてしまうと、ウォール街の存在理由がなくなるから、ウォール街としてはそういうことを一般投資家には知らせないようにしているということで、「ウォール街があなたに知られたくないこと」=「投資に関する最も妥当な考え方」ということであり、趣旨はインデックス投資をしなさいということです。
 p.18 ミューチュアル・ファンドを選ぶとき、星の数に基づいてファンドを選んでもダメだ(でも、多くの人はそうやっている)ということを述べています。乙もそうやってきたので、苦笑してしまいました。
 p.69 新興国の株式は売買のコストが高いという話です。ETF などでも、新興国を対象にしたものは手数料が高いのですが、その理由はこんなところにあるのでしょう。
 pp.77-86 アクティブ・ファンドのコストのさまざまについて述べています。こんなにも多くかかるのですねえ。その中で、p.79 に「キャッシュのコスト」という話が出てきます。何と、乙が
2007.4.13 http://otsu.seesaa.net/article/38584050.html
で述べたことが書いてあります。キャッシュを持っていることがコストだという考え方は、わかりにくいかもしれませんが、乙は(自分で考えたことと一致したので)納得しました。
 p.104 銘柄とタイミングを読むことはマイナスだという話が出てきます。インデックス投資の本質を突いています。
 p.112 非アメリカ株の ETF として WEBS というのが出てきます。乙は、こういうのを知らなかったので、web で(検索エンジン経由で)見てみました。いくつかヒットしますが、説明を読んでもどうにもよくわかりません。もしかして、今は別の名前に変わったのでしょうか。有力な投資先だと思ったのですが。
 pp.134-137 ヘッジファンドはインデックスを越えられないという話が出てきます。それはそうかもしれません。しかし、そうであっても、インデックスと相関が低ければ、保有する意味があります。
 pp.196-198 カメの卵の比喩で、なぜ個人が小型株投資をして儲からないかを説明しています。大部分の小型株は失敗であって、ごく一部だけが大成功して大きく儲かるとのことです。今後成功するであろう会社(カメ)を事前にうまく見つけることがきわめて難しいので、結局、個人投資家が小型株を買ってもダメなのだという結論になります。インデックス投資ならば、全体に投資するので、こういう問題は避けられます。
 乙は、自分の経験からも、この話は大いに納得しました。(小型の)個別銘柄の株を買うということは、こういう意味でボラティリティが大きいということになります。
 p.221 セクター・ファンド(一部の業種に投資するファンド)はダメだとのことです。ETF でもセクターに投資するものがいろいろありますが、同じ議論が当てはまりそうです。
 pp.340-341 債券ファンドを避ける理由が二つ書いてあります。債券ファンドには償還期限がないから、金利が上がって債券価格が下がったときにそれを取り戻すことができないという考え方は非常におもしろいと思いました。
 p.350 S&P 500 だけでは分散投資にならないということです。乙もまったく同感です。アメリカ株の場合、いろいろな ETF を買うのがいいと思います。このことは乙のブログ
2007.4.17 http://otsu.seesaa.net/article/38986799.html
にもう書きましたが。
 p.354 EAFE も大型中心の指数なので、国際小型株のインデックス・ファンドを組み入れるべきだという話です。これまた妥当な指摘です。乙もそういう ETF を探しています。
 p.355 投資期間別に、最大の株式アロケーションが示されています。アメリカの本ですから「投資家の年齢」を基準とするなんてことはありません。これから何年投資し続けられるかということが基準になります。乙は、15年を考えていましたが、すでに14年になっています。その場合、80% だそうです。そうですか。株がそんなに多くていい(多いのがいい)とは思いませんでした。

 ともあれ、この本はとてもオススメできる本だと思います。金融機関に資産運用の相談をする前に、こういう本こそ読んでおくべきなのですが、それにしても、あまたある投資本の中で「この1冊」を選ぶのは難しいんですよね。

posted by 乙 at 04:57| Comment(1) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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