2007年07月12日

上地明徳(2006.12)『ダマされたくない人の資産運用術』(青春新書)青春出版社

 乙が読んだ本です。
 200ページの新書(760円+税)ながら、きわめて明解に本格的な資産運用法を説いています。
 p.36 「投機家はラッキーで勝ち、投資家はスキルで勝つ」とあります。投資は長期投資であり、投機は短期取引であることを述べ、デイトレーダーのようなことはしないようにといさめています。
 p.108 日本は少子高齢化しますが、それでも、株式投資を続けて何の問題もないということです。そうかもしれません。しかし、日本経済が(原因は何であれ)めちゃめちゃになって、倒産したり、上場廃止になる企業が相次ぎ、時価総額がどんどん下がるような悲惨な状況になっても、株式投資をしていていいものでしょうか。乙は心配です。少なくとも、著者の上地氏のような楽観論ではすまないように思っています。
 p.114 「正規分布とは、平均を中心に標準偏差の±3倍を超える事象が起き得ない確率分布だ」と明言していますが、ちょっと違うのではないでしょうか。正規分布は、標準偏差の±3倍以内のところに 99.74% は収まりますが、それを越えるところにも、わずかばかり(0.26%ほど)分布しています。理論上は、マイナス無限大からプラス無限大までの値を取り得るのではないでしょうか。説明を簡単にしようという趣旨かもしれませんが、このあたりは簡単にしすぎているように思えます。
 p.135 インデックス・ファンドとアクティブ・ファンドを比べて、必ずしもインデックス・ファンド万歳ではなく、アクティブ・ファンドでもいいのではないかという意見が書かれています。これは普通の投資指南書の主張とは相容れません。優秀なファンド(・マネージャー)を事前に見分けることができると思う人は、ぜひそうするべきでしょう。上地氏はきっとそのタイプなのでしょう。乙は、自分にそういう能力がないと信じていますので、どちらかというとインデックス・ファンド派です。(そうはいいつつも、一部にアクティブ・ファンドを保有しているのですが、それはそれなりの事情があるのです。)
 読了して、新書とは思えない内容の充実ぶりに感心しました。分散投資の本はいろいろありますが、新書1冊でこれほど明解に語ったものは見たことがありません。資産運用を心がける人なら、だれでも一読するべき良書だと思います。


posted by 乙 at 04:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする