2007年09月15日

なぜ、新興国のアクティブ・ファンドは成績がよいか

 すでに、昨日のブログ
2007.9.14 http://otsu.seesaa.net/article/55102773.html
で見たように、新興国のアクティブ・ファンドは成績がいい場合が多いのですが、問題は、なぜ、このような結果になるかということです。
 「さすがにプロだ」という説明で納得してしまってもいいのですが(それが一番幸せです)、そういう説明では、先進諸国のアクティブ・ファンドがインデックス・ファンドに勝てないことが説明できません。
 乙は、新興国の場合には、市場に非効率な部分があるためだと考えていました。
2007.8.18 http://otsu.seesaa.net/article/51767669.html
 しかし、最近、VMax さんのブログ
http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/etf_12bd.html
を読み、この説明が事態を見事に言い当てているように思いました。
 VMax さんがいう「ベータ値が高い株に集中投資する」ことは、いわば、レバレッジを効かした投資を行っているようなものです。
 新興国は、一般に成績がいいときが多いと思いますが、そういう場合、アクティブ・ファンドの成績がさらによくなるということです。しかし、下げ相場は、逆に大変です。
 というわけで、こういうアクティブ・ファンドを持っている場合は、全体の成績が下がり始めたころに売るのが最適だということになります。もちろん、いつが最適か(本当に下がり始めたのかどうか)は非常に難しい問題で、それがきちんとわかれば誰も苦労はしないのですが、……。
 ですから、アクティブ・ファンドを保有していくときは、定期的な運用状況の確認が欠かせません。

 インデックス投資の考え方でいけば、それぞれの企業が活動し、利益を得ていくこと(その全体)が、すなわち投資家の利益の源泉と見るわけですが、これを敷衍すると、一般には(超長期で見れば)株価は上がっていくものだということになります。インデックス投資は、株価が超長期には上昇することを前提にして成り立つ考え方です。だとしたら、レバレッジを効かせることは、一般には有利になることが多く、逆風の吹くケースのほうが少ないと思われます。つまり、レバレッジ戦略は、通常のインデックス投資よりも有利なことになりそうだということになります。(もちろん、手数料が安ければの話ですが。)株式投資でいえば、信用買いをすればいいということです。このような超ハイリスクの投資は、長期にわたって行ってはいけません。いつかは大きくやられてしまうからです。しかし、比較的短期の場合は、「あり」ではないかと思うのです。今は、(そして過去数年も)新興国株が上昇した時期でした。その限りにおいて、アクティブ・ファンドも存在価値があったといえるように思います。
posted by 乙 at 05:00| Comment(2) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする