2007年11月03日

角田康夫(編)(2005.6)『アクティブ運用の復権』金融財政事情研究会

 乙が読んだ本です。
 著者は、「UFJ信託銀行資産運用研究会」ということで、実際には編者を含め5人で書いたものです。
 実のところ、今まで乙が読んだ投資関連本の中で一番むずかしかったように思います。正直にいうと、中身がよく理解できませんでした。専門的な論文のような本です。これを読み解くには、それなりの知識を持っていることが求められます。各種の専門用語が特に説明なしに使われています。読者がそういう用語を知っていることが前提だということです。
 もともと、アクティブ運用の本だということで、乙は「個人でもできる資産運用術」のようなことを期待して購入したのですが、失敗でした。
 立ち読みしてから購入するようにしていれば、こんなむずかしい本は買わなかっただろうと思います。ネットでタイトルだけ見て買ってしまったのが失敗の原因でした。
 本書は、年金の運用などを念頭に置いて書かれたようです。アクティブ運用といっても、そういう世界での話です。本書は、個人投資家とは無縁であり、投資家は読まなくていいと思います。
 それにしても、重要なテーマだと思うので、もう少しわかりやすく書いてもらいたかったように思いました。普通は、本の場合、編集者が最初の読者として読むので、内容がむずかしい場合は、そう指摘してやさしく書き直してもらうものですが、この本は、たぶんそんなことをせずに、著者たちの興味のある話を直接書いてしまったのでしょう。
 p.13 では、Bernstein の論文を紹介しつつ、インデックス投資の問題点を指摘しています。以下の3点です。
@回転率の上昇:S&P 500 のようなインデックスでは入替えが頻繁なのでコストがかかる。そして入替え時のフロントランニングによるコストの上昇
A分散が不十分:時価総額上位銘柄への集中が激しい
Bリスク・プレミアムの低下予想のもとでは、魅力がない

 というわけでインデックス運用は困難だとしています。
 しかし、一方では、「スキルのある運用者を見分けられない顧客は、インデックスで運用するのが無難であろう」とも述べています。
 このような立場から本書が書かれたとすれば、ぜひ、内容を理解したいと思います。
 しかし、先にも述べたように、乙が理解できたのは第1章の中の p.20 くらいまでの「年金運用が抱える問題点」というイントロダクションの部分だけで、恥ずかしながら、残りの部分はほとんどちんぷんかんぷんでした。
 気になって amazon のカスタマレビューを見たら、まだ誰も書いていません。まあ一般受けするような本ではないでしょうが、それにしてもレビューがゼロというのは気になります。
 やっぱりむずかしい本なのでしょうね。


posted by 乙 at 05:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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