乙は、ずっと気が付いていませんでしたが、Seesaa のブログでは、左端の過去ログが20ヵ月しか表示されません。
今でいうと、2006年06月が最古です。しかし、実は、2006年01月から乙のブログがスタートしています。
2006年06月以前の記事を読むときには、(そんな人はほとんどいないと思いますが)2006年06月をクリックして、そこから最上段の
<< 2006年05月 | TOP | 2006年07月 >>
のところの「<< 2006年05月」をクリックする必要があります。以下、同様のクリックを続ければ古い記事も順次読めます。
乙は、自分の書いたブログ記事がすべて相互に関連するものと考えており、全体を記録として保存し、いつでも見られるようにしておきたいと考えているのですが、この点は Seesaa の考え方とずれています。
ちなみに livedoor のブログでは、もっと長い期間のものが表示されます。
さて、20ヵ月しか表示しない Seesaa を使う以上、ブログの書き手として、1年に1回くらい、今までの通しの目次を掲載するとかいうことを考えたほうがいいのかもしれません。目次が掲載されていれば、それを手がかりに(文字列検索をして)記事を探すという手が使えます。
いや、しかし、そんなことをするくらいなら、検索エンジンで
指定文字列 site:otsu.seesaa.net
として検索するほうが早くて便利かもしれません。これなら、目次(表題)だけでなく、本文すべてが(コメントも含めて)検索できます。
ブログの存在価値は、検索エンジンがあることを前提にしているのかもしれません。やはりブログはインターネットの申し子なのでしょうか。
ここまで書いて、再度、考えました。やはり、目次を書いておくことも意味があるように思います。検索エンジンではカバーしきれない部分があります。
ブログのカテゴリーとして「目次」というのを用意して、そこにブログ全体の目次を入れておくというのはいかがでしょうか。
自分の書いたものに対して、自分で責任を取るならば、すべての過去記事に対してアクセスできるようにしておかなければなりません。Seesaa は、その点では、やや不満です。(もっとも、これだけを理由にして Seesaa を止めるつもりはありませんが。)
2008年01月31日
2008年01月30日
週刊東洋経済・臨時増刊(2008.2.6)「投資信託ベストガイド 2008 年版」
乙が読んだ雑誌です。雑誌とはいえ、臨時増刊ですから、むしろ本に近いといえるでしょう。
中身は非常に濃いです。理論面もしっかりしているし、どういうふうに考え、何を買えばいいかについても実践的に書いてあります。A4判で130ページほどですが、図も充実していてわかりやすいし、文章もしっかりしています。投資信託について、現状で知りたいことがほぼ網羅されていると思います。読みごたえがありました。お勧めできる1冊というべきでしょう。
いくつか、気になったところだけを書いておきましょう。
(1)p.30 4段目
投資対象資産間の価格の動きに関する相関係数の説明ですが、次のように書いてあります。
この説明は間違いです。「Aが1に対して、Bの相関係数が 0.5 であれば、」という言い方がそもそもおかしいのです。正しくは「AとBの関連性を見る上で、」と始まらなければなりません。
0.5 という相関係数は、(ごくおおざっぱに説明すれば)Aが上昇するときに、Bも上昇する場合が多く、(ただし上昇の幅はまちまちで)たまにBが下落することもある程度ということです。BがAの半分上昇するのではありません。そもそも、Aの上昇分に対してBがいつも半分だけ上昇するならば、AとBの相関係数は1になってしまいます。
ここの部分では、記者さんの理解が不十分であることを露呈してしまいました。
(2)p.31 イボットソン社による資産クラスの相関係数が一覧されています。
こういうデータを引用するときは、何年分のデータによるのかを明記しなければなりません。相関係数表の下の方には国内リートが含まれているので、意外と短期のデータかもしれないと思いました。
また、たぶん年次データでしょうが、その場合、どこかに「年次データ」であることを書いておくほうがいいでしょう。
ところで、計測期間については、実は p.33 一番上の表で出てきます。だったら、この計測期間は p.31 の注として書いておくべきです。あるいは、p.33 の表を先に示して、それから p.31 の表を示すのでもいいです。
なお、ここから先は、乙としても自信がないのですが、p.33 のように資産クラスによって計測期間が異なる場合(国内株式は 1952年1月から、国内リートは2001年10月から、など)、複数の資産を組み合わせて、たとえば p.29 のように示していいのかどうかという問題があります。
たとえば、相関係数行列を利用して、因子分析の計算を行う場合、全部のデータが揃っていて「欠損値」がないことが前提になります。欠損値があるときに、そこだけを除外して相関係数行列を計算すると、その全体を見て次のステップの計算をしようとすると不都合が生じます。資産クラスによって計測期間が異なる場合は、(最長計測期間を基準に考えれば)欠損値が多数ある場合と同じことになりますので、全体をカバーするような「理論」を考える上でマイナスはないのでしょうか。
p.29 は、2資産の組み合わせを考えており、それぞれで期間を変えていますので、計算上は問題ありません。しかし、これを多数の資産の組み合わせに拡張するときに問題が起こりそうです。こういう考え方で、p.31 の相関係数を利用して、「何かの計算」をしていいいのかという問題です。(これは本書の責任ではありません。)
http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2008/01/2008_79ec.html
では、そういう計算を勧めていますが、大丈夫でしょうか。
(3)ミスプリは、2つ気が付きました。
[1] p.26 4段目 最後から6行目 25%→20%
[2] p.78 表 赤字で表されている ETF の信託報酬と購入手数料が逆になっています。3箇所ともそうなっています。ただし、この表を参照している本文は正しくなっています。
乙が読んで一番おもしろかったのは、p.128(本書の最終ページ)の服部哲也氏の1ページの記事でした。新しい投資信託なんて必要ない、「商品開発部なんかいらない」ということです。
この話に関連しますが、投資信託(およびその業界)の抱える問題点(特に今までの経緯など)を指摘するような記事もあった方がよかったかもしれません。実践的には不要ですが、投資信託の現状を理解するためには知っておいて損はないように思います。まあ、本書で紹介されている「投資力アップに役立つ本」を読めばいいのですけれど。
なお、乙のブログが本書の p.121「インデックス・ETF 投資家必見! 人気ブログ」に紹介されており、そのため、東洋経済新報社から本書を1冊いただきました。ありがたい話でした。
乙のブログが他の人にそんなに役立つとは思えないのですが、「個々のエントリも質・量ともに高水準を維持している希有なブログです。」というのは、ほめすぎです。くすぐったく感じました。
なお、いくつかのブログで、本書が取り上げられています。
http://haisyatosyosyanogame.10.dtiblog.com/blog-entry-525.html
http://renny.jugem.jp/?eid=484
http://kaeru.orio.jp/blog/2008/01/book_8.html
http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-652.html
東洋経済新報社へのリンクを貼っておきます。こちらから本書が購入できます。

水瀬ケンイチさんのコメントにより、アマゾンにもリンクを貼っておきます。
中身は非常に濃いです。理論面もしっかりしているし、どういうふうに考え、何を買えばいいかについても実践的に書いてあります。A4判で130ページほどですが、図も充実していてわかりやすいし、文章もしっかりしています。投資信託について、現状で知りたいことがほぼ網羅されていると思います。読みごたえがありました。お勧めできる1冊というべきでしょう。
いくつか、気になったところだけを書いておきましょう。
(1)p.30 4段目
投資対象資産間の価格の動きに関する相関係数の説明ですが、次のように書いてあります。
たとえばAという資産がプラスの方向に1動いたときに、Bという資産が動く方向と程度を簡単な数字で示すのです。Aが1に対して、Bの相関係数が 0.5 であれば、AとBの動きは同じですが、Aの上昇度に対しBの上昇度は半分になっているということです。
この説明は間違いです。「Aが1に対して、Bの相関係数が 0.5 であれば、」という言い方がそもそもおかしいのです。正しくは「AとBの関連性を見る上で、」と始まらなければなりません。
0.5 という相関係数は、(ごくおおざっぱに説明すれば)Aが上昇するときに、Bも上昇する場合が多く、(ただし上昇の幅はまちまちで)たまにBが下落することもある程度ということです。BがAの半分上昇するのではありません。そもそも、Aの上昇分に対してBがいつも半分だけ上昇するならば、AとBの相関係数は1になってしまいます。
ここの部分では、記者さんの理解が不十分であることを露呈してしまいました。
(2)p.31 イボットソン社による資産クラスの相関係数が一覧されています。
こういうデータを引用するときは、何年分のデータによるのかを明記しなければなりません。相関係数表の下の方には国内リートが含まれているので、意外と短期のデータかもしれないと思いました。
また、たぶん年次データでしょうが、その場合、どこかに「年次データ」であることを書いておくほうがいいでしょう。
ところで、計測期間については、実は p.33 一番上の表で出てきます。だったら、この計測期間は p.31 の注として書いておくべきです。あるいは、p.33 の表を先に示して、それから p.31 の表を示すのでもいいです。
なお、ここから先は、乙としても自信がないのですが、p.33 のように資産クラスによって計測期間が異なる場合(国内株式は 1952年1月から、国内リートは2001年10月から、など)、複数の資産を組み合わせて、たとえば p.29 のように示していいのかどうかという問題があります。
たとえば、相関係数行列を利用して、因子分析の計算を行う場合、全部のデータが揃っていて「欠損値」がないことが前提になります。欠損値があるときに、そこだけを除外して相関係数行列を計算すると、その全体を見て次のステップの計算をしようとすると不都合が生じます。資産クラスによって計測期間が異なる場合は、(最長計測期間を基準に考えれば)欠損値が多数ある場合と同じことになりますので、全体をカバーするような「理論」を考える上でマイナスはないのでしょうか。
p.29 は、2資産の組み合わせを考えており、それぞれで期間を変えていますので、計算上は問題ありません。しかし、これを多数の資産の組み合わせに拡張するときに問題が起こりそうです。こういう考え方で、p.31 の相関係数を利用して、「何かの計算」をしていいいのかという問題です。(これは本書の責任ではありません。)
http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2008/01/2008_79ec.html
では、そういう計算を勧めていますが、大丈夫でしょうか。
(3)ミスプリは、2つ気が付きました。
[1] p.26 4段目 最後から6行目 25%→20%
[2] p.78 表 赤字で表されている ETF の信託報酬と購入手数料が逆になっています。3箇所ともそうなっています。ただし、この表を参照している本文は正しくなっています。
乙が読んで一番おもしろかったのは、p.128(本書の最終ページ)の服部哲也氏の1ページの記事でした。新しい投資信託なんて必要ない、「商品開発部なんかいらない」ということです。
この話に関連しますが、投資信託(およびその業界)の抱える問題点(特に今までの経緯など)を指摘するような記事もあった方がよかったかもしれません。実践的には不要ですが、投資信託の現状を理解するためには知っておいて損はないように思います。まあ、本書で紹介されている「投資力アップに役立つ本」を読めばいいのですけれど。
なお、乙のブログが本書の p.121「インデックス・ETF 投資家必見! 人気ブログ」に紹介されており、そのため、東洋経済新報社から本書を1冊いただきました。ありがたい話でした。
乙のブログが他の人にそんなに役立つとは思えないのですが、「個々のエントリも質・量ともに高水準を維持している希有なブログです。」というのは、ほめすぎです。くすぐったく感じました。
なお、いくつかのブログで、本書が取り上げられています。
http://haisyatosyosyanogame.10.dtiblog.com/blog-entry-525.html
http://renny.jugem.jp/?eid=484
http://kaeru.orio.jp/blog/2008/01/book_8.html
http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-652.html
東洋経済新報社へのリンクを貼っておきます。こちらから本書が購入できます。

水瀬ケンイチさんのコメントにより、アマゾンにもリンクを貼っておきます。
2008年01月29日
アメリカ株への投資意欲
最近は、世界同時株安で、アメリカ株にもヨーロッパ株にも投資意欲がわきません。
乙が持っている ETF などの価格は暴落しており、大きな損失を抱えています。
だから、債券(の ETF)などを買っています。
こういう逆境だからこそ、逆張りの精神でアメリカ株を買うべきだという主張もわかりますし、ドルコスト平均法の考え方で淡々と買い続けるべきだという考え方もわかります。それぞれにごもっともです。
しかし、自分で、この先さらに下がると思っているものを買うのは本当に勇気が要ります。自分の考えは間違っているだろうと思って購入するわけですから、それはそれで大変です。ある意味で自分を偽らなければなりません。あるいは、株価の見通しを持ってはいけないのかもしれません。
しかし、乙は、ここ1〜2ヵ月くらいようすを見て、3月ころからまたアメリカ株を買い増していこうかくらいに考えています。この時期の決定に意味はありません。株価の上下とそのタイミングをあてることができるとは考えていません。しかし、株価はたぶんこの調子で下落し続けるだろうと思うので、今は買いにくいと判断しています。本当に下落すると思うならば、保有している株や ETF を売ってしまえばいいという考え方もありますが、そこまでは考えません。下落する確率が大きいと思いつつも、突然反転上昇することもあるかもしれないと考えているからです。
今の状態では、どこの株を買おうとも似たような状況でしょう。
乙が持っている ETF などの価格は暴落しており、大きな損失を抱えています。
だから、債券(の ETF)などを買っています。
こういう逆境だからこそ、逆張りの精神でアメリカ株を買うべきだという主張もわかりますし、ドルコスト平均法の考え方で淡々と買い続けるべきだという考え方もわかります。それぞれにごもっともです。
しかし、自分で、この先さらに下がると思っているものを買うのは本当に勇気が要ります。自分の考えは間違っているだろうと思って購入するわけですから、それはそれで大変です。ある意味で自分を偽らなければなりません。あるいは、株価の見通しを持ってはいけないのかもしれません。
しかし、乙は、ここ1〜2ヵ月くらいようすを見て、3月ころからまたアメリカ株を買い増していこうかくらいに考えています。この時期の決定に意味はありません。株価の上下とそのタイミングをあてることができるとは考えていません。しかし、株価はたぶんこの調子で下落し続けるだろうと思うので、今は買いにくいと判断しています。本当に下落すると思うならば、保有している株や ETF を売ってしまえばいいという考え方もありますが、そこまでは考えません。下落する確率が大きいと思いつつも、突然反転上昇することもあるかもしれないと考えているからです。
今の状態では、どこの株を買おうとも似たような状況でしょう。
2008年01月28日
ブログ開設から2年
1月28日は乙のブログの誕生日です。とはいえ、2年経ったからといって、特に変わったことは何もないのですけれど。
最初の1年は、ブログを書いたり書かなかったりしていましたが、この1年は、ほぼ毎日ブログを書くようになってきました。朝起きたらブログを更新するのが乙の日課です。我ながら、よくまあ書くネタがあるものだと思っています。
最近は、多くの方々と同じく、世界同時株安で大きな損失を抱えているわけですが、これも気にしていません。こんなところからも、投資に関する自分の考え方が変わってきたなあと感じています。株なんて、上がることもあれば下がることもあるわけで、そんなものなのです。株価の上下を気にしていては、日々の生活(本業の仕事も含めて)がおろそかになりそうな気がします。
乙の場合は、15年先の退職予定を見越して投資をしているわけですが、ということは、15年先の自分にお金をプレゼントするようなものです。今ここで売った買ったの細かいことを考えても始まりません。今後15年の間にはいろいろなことが起こるでしょう。それを乗り越えて15年後に受け取って意味のあるものは何かと考えたわけです。すると、現金をタンスに寝かしておいてもダメ、預貯金として銀行や郵便局に預けて低い利率に甘んじていてもダメだと思いました。株や債券などに形を変えておいて、お金に働いてもらうのが一番いいと思います。その結果として、それぞれの株や債券の価値は、たぶん、現在の価値よりも大きくなっているのではないかと思います。
15年後の自分のために金融商品を「買う」こと、そして「保有し続ける」ことは必要ですが、それだけです。金融商品を「売る」必要性はあまりないことになります。
リバランスが必要になるかもしれませんが、15年間は自分の収入の一部を投資に回すわけですから、投資割合の低い(投資割合を高めたい)ところに投資すればいいのであって、「売る」ことまではする必要がないような気がします。よっぽど、バブルのようになっているものがあったら、それを売る可能性もありますが、たぶん、そんなことはないでしょう。バブルなんて、終わってみなければバブルだと気づかないのではないでしょうか。
15年後からは、収入のある仕事は辞め、年金生活に入りますから、もう資産が増えることはほとんどないはずです。むしろ今度は取り崩しが始まります。そのころは、乙自身のアセットアロケーションを検討し、比率が高くなりすぎているところから少しずつ順に売るようにすれば、自ずとリバランスしながら運用が続けられます。たぶん、債券よりは株を先に売るでしょう。こうして債券の比率を高めていきます。
今はこういう投資生活を描いていますが、こんな単純な方針では、ブログに書くことがなくなりそうな気がしています。まあ、書くことがなくなれば書かなければいいわけです。ブログは無理に書くものでもないので、のんびり継続するつもりでいます。
最初の1年は、ブログを書いたり書かなかったりしていましたが、この1年は、ほぼ毎日ブログを書くようになってきました。朝起きたらブログを更新するのが乙の日課です。我ながら、よくまあ書くネタがあるものだと思っています。
最近は、多くの方々と同じく、世界同時株安で大きな損失を抱えているわけですが、これも気にしていません。こんなところからも、投資に関する自分の考え方が変わってきたなあと感じています。株なんて、上がることもあれば下がることもあるわけで、そんなものなのです。株価の上下を気にしていては、日々の生活(本業の仕事も含めて)がおろそかになりそうな気がします。
乙の場合は、15年先の退職予定を見越して投資をしているわけですが、ということは、15年先の自分にお金をプレゼントするようなものです。今ここで売った買ったの細かいことを考えても始まりません。今後15年の間にはいろいろなことが起こるでしょう。それを乗り越えて15年後に受け取って意味のあるものは何かと考えたわけです。すると、現金をタンスに寝かしておいてもダメ、預貯金として銀行や郵便局に預けて低い利率に甘んじていてもダメだと思いました。株や債券などに形を変えておいて、お金に働いてもらうのが一番いいと思います。その結果として、それぞれの株や債券の価値は、たぶん、現在の価値よりも大きくなっているのではないかと思います。
15年後の自分のために金融商品を「買う」こと、そして「保有し続ける」ことは必要ですが、それだけです。金融商品を「売る」必要性はあまりないことになります。
リバランスが必要になるかもしれませんが、15年間は自分の収入の一部を投資に回すわけですから、投資割合の低い(投資割合を高めたい)ところに投資すればいいのであって、「売る」ことまではする必要がないような気がします。よっぽど、バブルのようになっているものがあったら、それを売る可能性もありますが、たぶん、そんなことはないでしょう。バブルなんて、終わってみなければバブルだと気づかないのではないでしょうか。
15年後からは、収入のある仕事は辞め、年金生活に入りますから、もう資産が増えることはほとんどないはずです。むしろ今度は取り崩しが始まります。そのころは、乙自身のアセットアロケーションを検討し、比率が高くなりすぎているところから少しずつ順に売るようにすれば、自ずとリバランスしながら運用が続けられます。たぶん、債券よりは株を先に売るでしょう。こうして債券の比率を高めていきます。
今はこういう投資生活を描いていますが、こんな単純な方針では、ブログに書くことがなくなりそうな気がしています。まあ、書くことがなくなれば書かなければいいわけです。ブログは無理に書くものでもないので、のんびり継続するつもりでいます。
ラベル:ブログ
2008年01月27日
鈴木雅光(2008.1)『海外投資信託の選び方・買い方』テクスト
乙が読んだ本です。「アメリカ・中国・インド…… 成長する世界に1万円から投資」という副題が付いています。
海外に投資する投資信託をどう選び、どう買うかを述べた本です。これから海外に投資しようと考えている人には親切なガイドブックになるように思いました。
本書の「海外投資信託」は、「海外で」投資するものではなく、「海外に」投資するものを扱っています。
第1章「投資信託で海外投資をはじめよう!」は序論です。海外投資を勧めます。
乙が引っかかったところを書いておきましょう。
(1)p.30 最後から3行目
海外投資信託をどこで買うかという疑問に対して、「お勧めはネット証券会社」としています。その第1の理由として、「自社の商品だけでなく、さまざまな投資信託会社の商品を扱っています。」と述べています。しかし、ここの「自社」はどういう意味でしょうか。ネット証券会社が自分で投資信託を企画し、発売しているでしょうか。全くないとはいいませんが、これは例外であり、ほとんどの投資信託はさまざまな運用会社が売り出したものではないでしょうか。ネット証券会社は、単なる販売会社(仲介業者)に過ぎないことが普通です。
もしかすると、「自社」→「系列会社」とするべきところかもしれません。
(2)p.31 最後の行からp.32 まで
投資信託でわからないところを説明してもらうには窓口のある証券会社で質問するのがよく、その説明に納得したら、ネット証券会社で購入するという方法を紹介しています。まあ、家電製品でも、店頭で説明を聞き、購入するときは kakaku.com で最安店を探すことがありますから、一理ある方法です。しかし、鈴木氏がなぜネット証券会社を勧めるかといえば、p.31 にあるように、金融機関の店舗だと営業時間が日中(9:00-17:00)になっていて、会社勤めをしている人間には足を運びにくいということがあるわけです。だとしたら、ここで「窓口で尋ねよう」というのはちょっと矛盾するように感じます。
窓口で聞くくらいなら、メールで質問するとか、(WWW の問い合わせフォームを使うとか、)電話するとか、いろいろな手段があるものです。まずは、そういう発想をするのが自然なのではないでしょうか。
そもそも、乙の経験では、投資信託の場合、目論見書などをきちんと読めば、かなり細かい説明が載っているので、ほぼ全容がわかるような気がしますし、それでもわからないようなこと(たとえばこの投資信託は期待リスクが何%か)は、窓口で聞いても答えてもらえないのではないでしょうか。(乙は、窓口でそういう質問をしたことがないので、わかりませんが。)
第2章「投資信託の仕組みを完全解剖」は、投資信託の仕組みの説明です。大変わかりやすいです。
(3)p.37 最後の3行を引用します。
この言い方も引っかかります。実は、p.151 にも、「長期保有できる1本を選ぶ」ということで、同じ言い方が出てきます。鈴木氏の言い方では、投資信託は最適な1本を見つければそれでいい(その1本に集中して投資すればいい)と言っているように響きますが、それはホントでしょうか。複数の投資信託を組み合わせるほうがいい場合も多い(というか、むしろそれが普通の)ように思うのですが。
第3章「さまざまな海外投資信託の種類」では、投資先の種類に応じて12種類の投資信託を紹介しています。大変わかりやすい解説です。
第4章「海外投資信託選びはここに注意」では、目論見書や運用報告書をどのように活用するかを述べています。
第5章「海外ETFにもチャレンジしてみよう!」ということで、最近、日本の証券会社で扱いが増えてきている海外 ETF を取り上げて、解説しています。
第6章「買ってはいけない「危ない」海外投資信託」では、海外投資信託詐欺に触れています。この章は、乙にとってちょっと違和感がありました。そもそも、こういう詐欺的海外投資信託というのは、証券会社(販売会社)が運用会社(実態があるかどうか知りません)と一体になって営業しているはずです。だから、名前の知られている(ネット)証券会社であれば、そこで扱っている海外投資信託で詐欺的なものはまずないだろうと思います。逆にいえば、マイナーな証券会社の場合は、扱っている投資信託に変なものが混じっている可能性があります。そういう場合は事前によく調べることが大事です。
全体としてきちんとした本です。1470 円で必要な情報がコンパクトに詰まっている本といえるでしょう。
しかし、ここまで書くなら、国内投資信託についても触れた方がよかったかもしれません。海外投資信託と国内投資信託で共通しているところもたくさんありますから、本書の記述の中でかなりの部分が国内投資信託にあてはまります。(それでは平凡な投資本になってしまうかもしれませんが。)
また、乙は「海外で投資する」場合の投資信託についても言及してほしかった(それを期待した)のですが、それはかないませんでした。まあ、そんなことをするのは少数派なんでしょうね。ホントに意味があるかどうかもわかりませんし。
海外に投資する投資信託をどう選び、どう買うかを述べた本です。これから海外に投資しようと考えている人には親切なガイドブックになるように思いました。
本書の「海外投資信託」は、「海外で」投資するものではなく、「海外に」投資するものを扱っています。
第1章「投資信託で海外投資をはじめよう!」は序論です。海外投資を勧めます。
乙が引っかかったところを書いておきましょう。
(1)p.30 最後から3行目
海外投資信託をどこで買うかという疑問に対して、「お勧めはネット証券会社」としています。その第1の理由として、「自社の商品だけでなく、さまざまな投資信託会社の商品を扱っています。」と述べています。しかし、ここの「自社」はどういう意味でしょうか。ネット証券会社が自分で投資信託を企画し、発売しているでしょうか。全くないとはいいませんが、これは例外であり、ほとんどの投資信託はさまざまな運用会社が売り出したものではないでしょうか。ネット証券会社は、単なる販売会社(仲介業者)に過ぎないことが普通です。
もしかすると、「自社」→「系列会社」とするべきところかもしれません。
(2)p.31 最後の行からp.32 まで
投資信託でわからないところを説明してもらうには窓口のある証券会社で質問するのがよく、その説明に納得したら、ネット証券会社で購入するという方法を紹介しています。まあ、家電製品でも、店頭で説明を聞き、購入するときは kakaku.com で最安店を探すことがありますから、一理ある方法です。しかし、鈴木氏がなぜネット証券会社を勧めるかといえば、p.31 にあるように、金融機関の店舗だと営業時間が日中(9:00-17:00)になっていて、会社勤めをしている人間には足を運びにくいということがあるわけです。だとしたら、ここで「窓口で尋ねよう」というのはちょっと矛盾するように感じます。
窓口で聞くくらいなら、メールで質問するとか、(WWW の問い合わせフォームを使うとか、)電話するとか、いろいろな手段があるものです。まずは、そういう発想をするのが自然なのではないでしょうか。
そもそも、乙の経験では、投資信託の場合、目論見書などをきちんと読めば、かなり細かい説明が載っているので、ほぼ全容がわかるような気がしますし、それでもわからないようなこと(たとえばこの投資信託は期待リスクが何%か)は、窓口で聞いても答えてもらえないのではないでしょうか。(乙は、窓口でそういう質問をしたことがないので、わかりませんが。)
第2章「投資信託の仕組みを完全解剖」は、投資信託の仕組みの説明です。大変わかりやすいです。
(3)p.37 最後の3行を引用します。
中長期的に資産形成を行いたい場合、投資信託は個人にとって、とても有効な投資ツールになります。もちろん、そのためには数ある投資信託の中でも、本当の意味で中長期投資に耐えられる1本を見つける必要があります。
この言い方も引っかかります。実は、p.151 にも、「長期保有できる1本を選ぶ」ということで、同じ言い方が出てきます。鈴木氏の言い方では、投資信託は最適な1本を見つければそれでいい(その1本に集中して投資すればいい)と言っているように響きますが、それはホントでしょうか。複数の投資信託を組み合わせるほうがいい場合も多い(というか、むしろそれが普通の)ように思うのですが。
第3章「さまざまな海外投資信託の種類」では、投資先の種類に応じて12種類の投資信託を紹介しています。大変わかりやすい解説です。
第4章「海外投資信託選びはここに注意」では、目論見書や運用報告書をどのように活用するかを述べています。
第5章「海外ETFにもチャレンジしてみよう!」ということで、最近、日本の証券会社で扱いが増えてきている海外 ETF を取り上げて、解説しています。
第6章「買ってはいけない「危ない」海外投資信託」では、海外投資信託詐欺に触れています。この章は、乙にとってちょっと違和感がありました。そもそも、こういう詐欺的海外投資信託というのは、証券会社(販売会社)が運用会社(実態があるかどうか知りません)と一体になって営業しているはずです。だから、名前の知られている(ネット)証券会社であれば、そこで扱っている海外投資信託で詐欺的なものはまずないだろうと思います。逆にいえば、マイナーな証券会社の場合は、扱っている投資信託に変なものが混じっている可能性があります。そういう場合は事前によく調べることが大事です。
全体としてきちんとした本です。1470 円で必要な情報がコンパクトに詰まっている本といえるでしょう。
しかし、ここまで書くなら、国内投資信託についても触れた方がよかったかもしれません。海外投資信託と国内投資信託で共通しているところもたくさんありますから、本書の記述の中でかなりの部分が国内投資信託にあてはまります。(それでは平凡な投資本になってしまうかもしれませんが。)
また、乙は「海外で投資する」場合の投資信託についても言及してほしかった(それを期待した)のですが、それはかないませんでした。まあ、そんなことをするのは少数派なんでしょうね。ホントに意味があるかどうかもわかりませんし。
2008年01月26日
ISHARES Euro Government Bond 1-3 (IBGS=IBU)
乙が購入した ETF です。ユーロ建てでヨーロッパの国債に投資します。
Expense Ratio は 0.20% と格安です。
Interactive Brokers では、IBGS というティッカーで、フランスの SBF を経由して購入できます。しかし、購入すると、ポジションとしては IBU と表示され、ちょっとまごつきます。
ファクトシート
http://www.euronext.com/trader/factsheet/factsheet-2511-EN-IE00B14X4Q57.html
を見ると、やや簡単すぎです。
あまりにおおざっぱですが、ヨーロッパの債券のカテゴリーに入る ETF だというだけで購入したくなりました。乙の場合、ヨーロッパ債券の投資割合が低いからです。
Expense Ratio は 0.20% と格安です。
Interactive Brokers では、IBGS というティッカーで、フランスの SBF を経由して購入できます。しかし、購入すると、ポジションとしては IBU と表示され、ちょっとまごつきます。
ファクトシート
http://www.euronext.com/trader/factsheet/factsheet-2511-EN-IE00B14X4Q57.html
を見ると、やや簡単すぎです。
あまりにおおざっぱですが、ヨーロッパの債券のカテゴリーに入る ETF だというだけで購入したくなりました。乙の場合、ヨーロッパ債券の投資割合が低いからです。
2008年01月25日
森木亮(2006.2)『日本国破産への最終警告』PHP研究所
乙が読んだ本です。
内容は、タイトルが明示しています。2年前の本ですが、その記述は今に通じるように思います。
日本がまもなく破産するということで、その道筋などを示しています。
序章「日本国破産の読み方」では、なぜ日本が破産に至るかを書いています。国債60年償還ルールなどを読むと、「その通りだなあ」と思わざるを得ません。
第1章「国家破産で甦る日本経済」では、日本の現状ではおかしなことがいろいろあるけれども、一度破産してからでないと、日本経済は甦らないと読めます。厳しい現状認識です。
第2章「いよいよ「2008年」まであと2年」が一番おもしろかったところです。p.90 から、日経新聞が2008年8月8日に郵貯等の不良債権をスクープし、そこからどんな過程で「破産」に至るかが書いてあります。日付は単なる予測に過ぎませんが、しかし、ここに書いてあることは、実際にあり得る話だと思います。
p.97 から、韓国での破産処理について書いてあります。こちらは最近現実に起きたことですから、迫力があります。現在の韓国では、1割が貧困層だということで、経済運営はなかなか大変なようです。これを踏まえて日本に対する予測を書いているので、それなりにもっともらしく思いました。
第3章は「国債の魔力と郵政民営化の落とし穴」で、歴史的に見て日本の国債がどんなふうに出現し、どうなったかを述べています。今に至るまでの歴史を知ると、国債地獄はなかなか抜け出せないものだと思います。さらに、消費税の益税の問題やサラリーマンに対する懲罰税制の問題点を指摘し、所得税は、課税最低限を引き下げ、一律 10% の税率にするというような過激な策も提案されます。今の政治家(およびそれを選挙で選んでいる日本の国民)を見れば、こんなことは通らないと思いますが、興味深い話です。
本書の最後の部分(p.177 以降)は郵政民営化の問題点を述べるところですが、特に p.200 からの「郵政民営化に内包する三つの時限爆弾」がおもしろかったです。いつ爆発するのか、わかりませんが、こういう恐いものを抱え込んでの「民営化」なのですね。郵貯・簡保・郵便のそれぞれが問題を抱えているということが書いてあります。
この本は、日本の今後を財政の観点で考える上で有意義だと思います。ただし、乙は、森木氏が 2008 年にこだわっていることが引っかかります。いつかは起こるにせよ、「いつ起こるのか」は、結局、誰もわからないのではないでしょうか。もっとも、そんなあいまいなことでは本は売れませんから、「執筆時の3年後」というのが、この手の常套文句です。乙は、個人的には、日本国破産は2008 年よりももう少し先の話のように思います。今が 2008 年だから「今を基準に3年後→もう少し先」といっているわけではありませんが、いざ、書いてみると、そんなふうに響きますね。
ともあれ、日本の財政の現状をどう見るべきかを考える上で、大いに参考になる本だと思いました。
内容は、タイトルが明示しています。2年前の本ですが、その記述は今に通じるように思います。
日本がまもなく破産するということで、その道筋などを示しています。
序章「日本国破産の読み方」では、なぜ日本が破産に至るかを書いています。国債60年償還ルールなどを読むと、「その通りだなあ」と思わざるを得ません。
第1章「国家破産で甦る日本経済」では、日本の現状ではおかしなことがいろいろあるけれども、一度破産してからでないと、日本経済は甦らないと読めます。厳しい現状認識です。
第2章「いよいよ「2008年」まであと2年」が一番おもしろかったところです。p.90 から、日経新聞が2008年8月8日に郵貯等の不良債権をスクープし、そこからどんな過程で「破産」に至るかが書いてあります。日付は単なる予測に過ぎませんが、しかし、ここに書いてあることは、実際にあり得る話だと思います。
p.97 から、韓国での破産処理について書いてあります。こちらは最近現実に起きたことですから、迫力があります。現在の韓国では、1割が貧困層だということで、経済運営はなかなか大変なようです。これを踏まえて日本に対する予測を書いているので、それなりにもっともらしく思いました。
第3章は「国債の魔力と郵政民営化の落とし穴」で、歴史的に見て日本の国債がどんなふうに出現し、どうなったかを述べています。今に至るまでの歴史を知ると、国債地獄はなかなか抜け出せないものだと思います。さらに、消費税の益税の問題やサラリーマンに対する懲罰税制の問題点を指摘し、所得税は、課税最低限を引き下げ、一律 10% の税率にするというような過激な策も提案されます。今の政治家(およびそれを選挙で選んでいる日本の国民)を見れば、こんなことは通らないと思いますが、興味深い話です。
本書の最後の部分(p.177 以降)は郵政民営化の問題点を述べるところですが、特に p.200 からの「郵政民営化に内包する三つの時限爆弾」がおもしろかったです。いつ爆発するのか、わかりませんが、こういう恐いものを抱え込んでの「民営化」なのですね。郵貯・簡保・郵便のそれぞれが問題を抱えているということが書いてあります。
この本は、日本の今後を財政の観点で考える上で有意義だと思います。ただし、乙は、森木氏が 2008 年にこだわっていることが引っかかります。いつかは起こるにせよ、「いつ起こるのか」は、結局、誰もわからないのではないでしょうか。もっとも、そんなあいまいなことでは本は売れませんから、「執筆時の3年後」というのが、この手の常套文句です。乙は、個人的には、日本国破産は2008 年よりももう少し先の話のように思います。今が 2008 年だから「今を基準に3年後→もう少し先」といっているわけではありませんが、いざ、書いてみると、そんなふうに響きますね。
ともあれ、日本の財政の現状をどう見るべきかを考える上で、大いに参考になる本だと思いました。
2008年01月24日
iShares JPMorgan USD Emerging Markets Bond Fund (EMB)
乙が購入した ETF です。JPMorgan EMBI Global Core Index に連動するもので、簡単にいえば、新興国の債券に投資するものです。今や、こんなものまで ETF で買えるんですね。ありがたい話です。
とはいえ、できたてのほやほやの ETF のようで、ETF Connect のサイトを見ても、
http://www.etfconnect.com/select/fundpages/fixed_etf.asp?MFID=183078
ほとんど何も情報がありません。普通には、こういう新規発売ものは買うべきではないかもしれません。しかし、乙は「発売、おめでとう」という感覚で購入してみました。
今後、これが順調に成長してくれるならば、新興国債券の投資先として有力なものになると思います。
iシェアーズのサイトの中で検索するとどんな ETF か、説明されています。
http://www.ishares.com/content/repository/material/fact_sheet/emb.pdf
が Fact Sheet です。この ETF は2007年12月17日上場だそうです。Expense Ratio が 0.60% と書いてあります。普通の ETF よりもコストがやや高いと思います。
国別の割合は、ブラジル 11.65%、ロシア 10.80%、トルコ 9.63%、ベネズエラ 8.05%、メキシコ 7.89%、フィリピン 7.59%、インドネシア 4.13%、マレーシア 4.04%、アルゼンチン 3.60%、コロンビア 3.40% となっています。こんな国々の債券を買うというのも手間がかかりそうですので、0.60% のコストはしかたがないように思います。
http://www.ishares.com/content/repository/material/prospectus/emb_prospectus.pdf
が目論見書です。(非常に詳しいので、興味のある人だけ読んでください。)
ネット内を探すと、EMB に関する記事が見つかります。
http://401k.sblo.jp/article/8719631.html
では、日本での販売を期待していますが、まあそんなものを待たなくても、アメリカで買えるのですから、さっさとアメリカで買えばいいと思います。(乙は、日本の証券会社にはほとんど何も期待していません。)
カン・チュンドさんによる紹介記事
http://tohshi.blog61.fc2.com/blog-entry-427.html
もあります。
とはいえ、できたてのほやほやの ETF のようで、ETF Connect のサイトを見ても、
http://www.etfconnect.com/select/fundpages/fixed_etf.asp?MFID=183078
ほとんど何も情報がありません。普通には、こういう新規発売ものは買うべきではないかもしれません。しかし、乙は「発売、おめでとう」という感覚で購入してみました。
今後、これが順調に成長してくれるならば、新興国債券の投資先として有力なものになると思います。
iシェアーズのサイトの中で検索するとどんな ETF か、説明されています。
http://www.ishares.com/content/repository/material/fact_sheet/emb.pdf
が Fact Sheet です。この ETF は2007年12月17日上場だそうです。Expense Ratio が 0.60% と書いてあります。普通の ETF よりもコストがやや高いと思います。
国別の割合は、ブラジル 11.65%、ロシア 10.80%、トルコ 9.63%、ベネズエラ 8.05%、メキシコ 7.89%、フィリピン 7.59%、インドネシア 4.13%、マレーシア 4.04%、アルゼンチン 3.60%、コロンビア 3.40% となっています。こんな国々の債券を買うというのも手間がかかりそうですので、0.60% のコストはしかたがないように思います。
http://www.ishares.com/content/repository/material/prospectus/emb_prospectus.pdf
が目論見書です。(非常に詳しいので、興味のある人だけ読んでください。)
ネット内を探すと、EMB に関する記事が見つかります。
http://401k.sblo.jp/article/8719631.html
では、日本での販売を期待していますが、まあそんなものを待たなくても、アメリカで買えるのですから、さっさとアメリカで買えばいいと思います。(乙は、日本の証券会社にはほとんど何も期待していません。)
カン・チュンドさんによる紹介記事
http://tohshi.blog61.fc2.com/blog-entry-427.html
もあります。
2008年01月23日
竹川美奈子(2007.12)『投資信託にだまされるな! Q&A―投信の疑問・解決編』ダイヤモンド社
乙が読んだ本です。
前著『投資信託にだまされるな!』
2007.11.19 http://otsu.seesaa.net/article/67490010.html
の続編といった感じの本です。
第1章は「投信の疑問にすべて答えます!」ということで、前著の読者から寄せられたさまざまな質問に竹川氏が答えています。乙は、ここが一番おもしろかったですね。やはり、みんなが疑問に思うところは一緒なんだろうと思います。
乙が竹川氏の記述(回答)で疑問に思ったのも、ここでした。
(1)p.16 これからどこの国の株を買ったらいいか、事前に予測はできないということを述べ、p.17 に 2002 年から 2006 年までの5年間の13ヵ国(地域)の運用成績を載せ、「毎年順位が入れ替わる中で、上がる国を当て続けるのは困難です。」ということで、世界分散投資を勧めています。
しかし、p.17 の運用成績を見てみると、BRICs 諸国は、13ヵ国の中で比較的上位に来る例が多く、この4ヵ国に投資しておけばいい結果になったのではないかというようにも見えます。
4ヵ国の中で、中国は上海と香港を分けて表にしていますので、それを考慮して五つの地域の平均順位を計算してみましょう。(統計学的には、順位尺度のものに対して平均値を求めてはいけないのですが、片目をつぶって計算します。)
p.17 から計算すると、2002年 6.2 位、2003年 3.8 位、2004 年 7.4 位、2005 年 4.2 位、2006 年 4 位となります。13ヵ国の平均順位は (1+13)÷2=7 ですから、BRICs の五つの地域は、2004 年はほんの少し平均を下回ったものの、あとの4年は平均を上回る成績を上げ続けていることになります。
竹川さん、あなたの資料(p.17)によれば、BRICs に投資しておけば今まで儲かったし、それを延長して考えれば今後も儲かるのではありませんか。
(2)pp.19-20 では、日本株式、日本債券、外国株式、外国債券の4種類に分散して投資することを勧めています。
一方、p.23 では、日本株式、外国株式、外国債券、および「3資産の平均」の4種類について 1991 年を 100 として 2005 年までのリターンを示しています。なぜ、この図では日本債券が抜け落ちているのでしょうか。本来は(3資産でなく)4資産の平均のリターンを示すべきなのではないでしょうか。
ここに、若干のインチキ(失礼!)があります。
当然のことながら、日本債券を含めたら、(この期間の低金利政策により)4資産の平均のリターンは p.23 に示される3資産の平均のリターンよりも悪くなってしまいます。ですから、読者に対するインパクトに欠けます。しかし、だからといってこういう操作をしていいのでしょうか。
もしも、4資産でなく、3資産で表示してもいいとしましょう。だとしたら、p.23 で見るように、この期間の日本株式の成績はパッとしませんから、外国株式と外国債券の2資産の合計のグラフを示せば、さらに成績は上がってしまうのです。だから、2資産で表示するほうがもっと好ましいということになります。でも、このような考え方については、竹川氏は p.22 から p.24 にこう書いていて、否定しています。
「それでは、外国株式や外国債券だけに投資すればよかったと思う方もいるかもしれませんが、それは結果論にすぎません。」
結果論ということで2資産の平均戦略を否定するなら、3資産の平均で威勢のいいグラフを示すのも結果論であり、それは否定されるべきで、4資産の平均でグラフを示すべきではありませんか。
乙は、このあたりの竹川氏の記述は首尾一貫しておらず、うさんくさく思えました。
余談ですが、乙は日本債券に投資していません。それはそれなりの考えがあってのことです。だから、実は竹川氏の記述でいいと思っているのです。しかし、本の記述としては問題があると思います。
(3)p.24 に出てくる「結果論」((2)でも触れたもの)ですが、そもそも乙は「結果論だ」で切り捨ててはいけないと思っています。
1991 年から 2005 年までを振り返ってみましょう。乙は、このころ資産運用について、あまり考えていませんでしたから、何ともいえませんが、今から考えれば、この頃の日本は、どうにも経済的にうまく行っておらず、「失われた10年(15年)」といわれ続けていました。だから、こういう悪い状態の時、日本株に投資するのはおかしい(成績は上がらないだろう)と考え、日本株に投資しない(投資割合を下げる)考え方もあったように思います。あとからグラフを作成して「結果論」だというだけではなく、そのまっただ中にいても、ある程度は流れが読めたのではないかと思います。
結果論といえば、p.23 のグラフで外国株式が大きく上昇しているのだって、結果論にすぎません。だから、p.23 のグラフを示すこと自体が(竹川氏によれば)否定されてしまいそうです。
では、どう考えたらいいのでしょうか。
乙は、結果論でいいと思っています。ただし、本書の p.23 のように、15年のスパンで考えるのでなく、30年から50年(あるいはさらにもっと長期)のスパンで考えればいいのです。マルキールの『ウォール街のランダム・ウォーカー』
2006.8.6 http://otsu.seesaa.net/article/21985368.html
などでは、超長期のデータに基づいて株価の値動きを考えています。そして、その結果を今後にあてはめているわけです。結果論といえば結果論ですが、それでいいと思います。今までの超長期の傾向を将来に延長して考えるのが基本なのではないでしょうか。そもそも、株式や債券などのアセット・クラスごとの予想リターンや予想リスクは過去の結果からしか計算できません。
というようなわけで、乙の考えでは、竹川氏の「結果論だ」と切り捨てる記述は、よろしくないように思います。
第2章は「年齢・金額別の投信活用術」ということで、具体的な資産運用法を説いています。第3章は「投信情報はこう使う!」で、いろいろな情報を調べましょうという内容です。いずれももっともな記述です。
本書は、インデックス投資を基本にしており、まあまあいい本に入ると思いますが、乙としては、もう少し、突っ込んだ記述を期待したいところでした。
前著『投資信託にだまされるな!』
2007.11.19 http://otsu.seesaa.net/article/67490010.html
の続編といった感じの本です。
第1章は「投信の疑問にすべて答えます!」ということで、前著の読者から寄せられたさまざまな質問に竹川氏が答えています。乙は、ここが一番おもしろかったですね。やはり、みんなが疑問に思うところは一緒なんだろうと思います。
乙が竹川氏の記述(回答)で疑問に思ったのも、ここでした。
(1)p.16 これからどこの国の株を買ったらいいか、事前に予測はできないということを述べ、p.17 に 2002 年から 2006 年までの5年間の13ヵ国(地域)の運用成績を載せ、「毎年順位が入れ替わる中で、上がる国を当て続けるのは困難です。」ということで、世界分散投資を勧めています。
しかし、p.17 の運用成績を見てみると、BRICs 諸国は、13ヵ国の中で比較的上位に来る例が多く、この4ヵ国に投資しておけばいい結果になったのではないかというようにも見えます。
4ヵ国の中で、中国は上海と香港を分けて表にしていますので、それを考慮して五つの地域の平均順位を計算してみましょう。(統計学的には、順位尺度のものに対して平均値を求めてはいけないのですが、片目をつぶって計算します。)
p.17 から計算すると、2002年 6.2 位、2003年 3.8 位、2004 年 7.4 位、2005 年 4.2 位、2006 年 4 位となります。13ヵ国の平均順位は (1+13)÷2=7 ですから、BRICs の五つの地域は、2004 年はほんの少し平均を下回ったものの、あとの4年は平均を上回る成績を上げ続けていることになります。
竹川さん、あなたの資料(p.17)によれば、BRICs に投資しておけば今まで儲かったし、それを延長して考えれば今後も儲かるのではありませんか。
(2)pp.19-20 では、日本株式、日本債券、外国株式、外国債券の4種類に分散して投資することを勧めています。
一方、p.23 では、日本株式、外国株式、外国債券、および「3資産の平均」の4種類について 1991 年を 100 として 2005 年までのリターンを示しています。なぜ、この図では日本債券が抜け落ちているのでしょうか。本来は(3資産でなく)4資産の平均のリターンを示すべきなのではないでしょうか。
ここに、若干のインチキ(失礼!)があります。
当然のことながら、日本債券を含めたら、(この期間の低金利政策により)4資産の平均のリターンは p.23 に示される3資産の平均のリターンよりも悪くなってしまいます。ですから、読者に対するインパクトに欠けます。しかし、だからといってこういう操作をしていいのでしょうか。
もしも、4資産でなく、3資産で表示してもいいとしましょう。だとしたら、p.23 で見るように、この期間の日本株式の成績はパッとしませんから、外国株式と外国債券の2資産の合計のグラフを示せば、さらに成績は上がってしまうのです。だから、2資産で表示するほうがもっと好ましいということになります。でも、このような考え方については、竹川氏は p.22 から p.24 にこう書いていて、否定しています。
「それでは、外国株式や外国債券だけに投資すればよかったと思う方もいるかもしれませんが、それは結果論にすぎません。」
結果論ということで2資産の平均戦略を否定するなら、3資産の平均で威勢のいいグラフを示すのも結果論であり、それは否定されるべきで、4資産の平均でグラフを示すべきではありませんか。
乙は、このあたりの竹川氏の記述は首尾一貫しておらず、うさんくさく思えました。
余談ですが、乙は日本債券に投資していません。それはそれなりの考えがあってのことです。だから、実は竹川氏の記述でいいと思っているのです。しかし、本の記述としては問題があると思います。
(3)p.24 に出てくる「結果論」((2)でも触れたもの)ですが、そもそも乙は「結果論だ」で切り捨ててはいけないと思っています。
1991 年から 2005 年までを振り返ってみましょう。乙は、このころ資産運用について、あまり考えていませんでしたから、何ともいえませんが、今から考えれば、この頃の日本は、どうにも経済的にうまく行っておらず、「失われた10年(15年)」といわれ続けていました。だから、こういう悪い状態の時、日本株に投資するのはおかしい(成績は上がらないだろう)と考え、日本株に投資しない(投資割合を下げる)考え方もあったように思います。あとからグラフを作成して「結果論」だというだけではなく、そのまっただ中にいても、ある程度は流れが読めたのではないかと思います。
結果論といえば、p.23 のグラフで外国株式が大きく上昇しているのだって、結果論にすぎません。だから、p.23 のグラフを示すこと自体が(竹川氏によれば)否定されてしまいそうです。
では、どう考えたらいいのでしょうか。
乙は、結果論でいいと思っています。ただし、本書の p.23 のように、15年のスパンで考えるのでなく、30年から50年(あるいはさらにもっと長期)のスパンで考えればいいのです。マルキールの『ウォール街のランダム・ウォーカー』
2006.8.6 http://otsu.seesaa.net/article/21985368.html
などでは、超長期のデータに基づいて株価の値動きを考えています。そして、その結果を今後にあてはめているわけです。結果論といえば結果論ですが、それでいいと思います。今までの超長期の傾向を将来に延長して考えるのが基本なのではないでしょうか。そもそも、株式や債券などのアセット・クラスごとの予想リターンや予想リスクは過去の結果からしか計算できません。
というようなわけで、乙の考えでは、竹川氏の「結果論だ」と切り捨てる記述は、よろしくないように思います。
第2章は「年齢・金額別の投信活用術」ということで、具体的な資産運用法を説いています。第3章は「投信情報はこう使う!」で、いろいろな情報を調べましょうという内容です。いずれももっともな記述です。
本書は、インデックス投資を基本にしており、まあまあいい本に入ると思いますが、乙としては、もう少し、突っ込んだ記述を期待したいところでした。
2008年01月22日
K1 FUND には投資しません
あるところから K1 FUND に投資するのはどうかという話が持ち込まれました。
HPは以下のところにあります。
http://www.K1FUND.com/hedge-funds.php
これまた鼻息が荒いヘッジファンドです。K1 Fund Allocation System によって、過去10年はコンスタントにプラスの成績を出しているというわけです。すばらしい話です。
http://www.K1FUND.com/funds.php
には、月次リターンの詳細が記されています。こういう話を知ると、ちょっと投資してみたくなります。
では、乙が自分で投資するかというと、投資しません。一番の理由は、乙のアセット・アロケーションの中で、すでにヘッジファンドなどがそれなりの割合を占めているので、これ以上ヘッジファンドに投資すると、バランスを欠いてしまうと考えるからです。
では、もし、ヘッジファンドへの投資割合が少ない人だったら、こういうところに投資してもいいのでしょうか。このあたりになると微妙になってきますが、乙としては「お好みでどうぞ」としか言えません。
あ、ヘッジファンドにはそもそも投資しないと決めている人は、この先を読む必要がありませんので、パスしてください。
こういうファンドはプラス面とマイナス面があります。両者を勘案して投資するかどうかを決めることになります。
プラス面というと、何といっても過去の好成績です。しかし、よく考えてみると、実はさほど好成績でもないかもしれません。
1996 年から 2006 年までのパフォーマンスを見てみると、最初の5年間は年率数十%の上昇ですが、その後は 10% 程度の落ち着いた成績になっています。年間 10% という成績は、普通に株式投資をしていても達成可能な数字ではないでしょうか。この数字が物語るのは、K1 Fund Allocation System でうまく行くと考えて、いざスタートしてみたら、まあこんな程度の実績だったということです。ファンドがスタートするときは、もちろん、シミュレーションしてみて、うまく行くと確信するからスタートさせるわけで、最初の5年間が高いパフォーマンスを示しているのは当然のことです。
では、こういうパフォーマンスをあげていく仕組みはどうなっているのでしょうか。
K1 FUND は、ファンド・オブ・ファンズの形態を採用しています。Strategy
http://www.K1FUND.com/strategy.php
を読むと書いてありますが、アクティブファンドをずっと観察していて、量的基準および質的基準でいい成績を上げ続けているファンドを組み込んでいくというものです。
http://www.K1FUND.com/strategy3.php
には、さらに細かく、初めは資金の 1%-2% を運用させてみて、いい結果を出すようなら、2%-10% の資金を任せるというようなことまで書いてあります。
しかし、問題は、個々のファンドがどんなストラテジーでいい成績をあげているかということです。これについては、結果的にどういう運用をしているかが
http://www.K1FUND.com/strategy4.php
にありますが、さまざまな手法が採用されています。K1 FUND 自体は、運用のノウハウを持っていないようで、たくさんのファンドをチェックし続けることで、いいファンドを選ぶところに意味があるということなのでしょう。ここが乙が一番心配するところです。ファンド(あるいはファンドマネージャー)は、こんなことで事前に(運用期間の前に)好成績のものが選べるのでしょうか。そう考える人は K1 FUND に投資するといいと思います。普通に各種アクティブファンドの成績を見れば、こんなことではうまい選抜はできないと思われます。
というわけで、このファンドが好成績を上げる仕組みについては、今ひとつよくわかりませんでした。
さて、マイナス面も見ておきましょう。
まずはコストです。
http://www.K1FUND.com/funds2.php
から、適当なファンド(代表的なのは K1 Global Ltd. でしょうか)を選ぶと、詳細がわかります。
そこには Agio 5% と書いてあります。Agio というのは、乙にはよくわかりませんが、申し込み手数料(為替手数料を含む?)でしょうか。
Management Fee 3% というのは、信託報酬のようなもので、これまた高いです。毎年このコストがかかってくるわけです。
Performance Fee 20% というのは、基準価額がアップしたらその 20% が手数料として取られるということです。ヘッジファンドでは、まあこんなものかもしれません。でも、これはけっこう高いものです。
手数料が高めでも、それに見合ったパフォーマンスがあるなら、まあいいだろうという考え方もあると思います。ちなみにサイト内の各ページで強調される好成績は、当然、これらの手数料を引いたあとの結果です。
次に、心配なのは、ハイリスクであることです。disclaimer
http://www.K1FUND.com/hedge-funds2.html
によると、「the risk of complete loss of your investment remains at all times.」(いつでも投資金額がゼロになってしまうことがあり得る)と書いてあります。これはそこいらのファンドのパンフレットに書いてあるような単なる脅し文句ではありません。ハイリターンなものはハイリスクに決まっているわけで、投資金額がゼロになることは本当に起こりうると考えます。
ですから、こういうヘッジファンドに投資するときは、自分のアセット・アロケーションをよく考えて、ごく一部の資金を振り向けるようにすることが重要です。そのあたりは disclaimer で「A purchase decision should therefore be taken only after consultation with the corresponding experts.」(購入の決定は専門家と相談してから)などと書いてあります。専門家との相談で資産運用の全体方針を決めれば、もしかしたら、その一部としてこのファンドを組み込むことがあってもいいかもしれません。しかし、一般的にいえば、一つのファンドについて検討して「このファンドに投資しようか」などと考えるべきものではありません。
K1 FUND は、購入にあたっては慎重に検討する必要があるファンドです。好成績だけを見て買うと、失敗するかもしれません。これに投資できる人は、相当にリスク許容度が高い人でしょう。
このファンドについて、ネットを検索してみると、日本語ではあまり情報が見つかりません。
http://jpn.grandtag.com/member/products_offshore.html
http://independenceday2030.blog93.fc2.com/blog-entry-22.html
くらいしか見つかりませんでした。
http://www.meyerjapan.com/news/seminar.shtml
によれば、メイヤー社主催のセミナーが開催されていたようです。
続きを読む
HPは以下のところにあります。
http://www.K1FUND.com/hedge-funds.php
これまた鼻息が荒いヘッジファンドです。K1 Fund Allocation System によって、過去10年はコンスタントにプラスの成績を出しているというわけです。すばらしい話です。
http://www.K1FUND.com/funds.php
には、月次リターンの詳細が記されています。こういう話を知ると、ちょっと投資してみたくなります。
では、乙が自分で投資するかというと、投資しません。一番の理由は、乙のアセット・アロケーションの中で、すでにヘッジファンドなどがそれなりの割合を占めているので、これ以上ヘッジファンドに投資すると、バランスを欠いてしまうと考えるからです。
では、もし、ヘッジファンドへの投資割合が少ない人だったら、こういうところに投資してもいいのでしょうか。このあたりになると微妙になってきますが、乙としては「お好みでどうぞ」としか言えません。
あ、ヘッジファンドにはそもそも投資しないと決めている人は、この先を読む必要がありませんので、パスしてください。
こういうファンドはプラス面とマイナス面があります。両者を勘案して投資するかどうかを決めることになります。
プラス面というと、何といっても過去の好成績です。しかし、よく考えてみると、実はさほど好成績でもないかもしれません。
1996 年から 2006 年までのパフォーマンスを見てみると、最初の5年間は年率数十%の上昇ですが、その後は 10% 程度の落ち着いた成績になっています。年間 10% という成績は、普通に株式投資をしていても達成可能な数字ではないでしょうか。この数字が物語るのは、K1 Fund Allocation System でうまく行くと考えて、いざスタートしてみたら、まあこんな程度の実績だったということです。ファンドがスタートするときは、もちろん、シミュレーションしてみて、うまく行くと確信するからスタートさせるわけで、最初の5年間が高いパフォーマンスを示しているのは当然のことです。
では、こういうパフォーマンスをあげていく仕組みはどうなっているのでしょうか。
K1 FUND は、ファンド・オブ・ファンズの形態を採用しています。Strategy
http://www.K1FUND.com/strategy.php
を読むと書いてありますが、アクティブファンドをずっと観察していて、量的基準および質的基準でいい成績を上げ続けているファンドを組み込んでいくというものです。
http://www.K1FUND.com/strategy3.php
には、さらに細かく、初めは資金の 1%-2% を運用させてみて、いい結果を出すようなら、2%-10% の資金を任せるというようなことまで書いてあります。
しかし、問題は、個々のファンドがどんなストラテジーでいい成績をあげているかということです。これについては、結果的にどういう運用をしているかが
http://www.K1FUND.com/strategy4.php
にありますが、さまざまな手法が採用されています。K1 FUND 自体は、運用のノウハウを持っていないようで、たくさんのファンドをチェックし続けることで、いいファンドを選ぶところに意味があるということなのでしょう。ここが乙が一番心配するところです。ファンド(あるいはファンドマネージャー)は、こんなことで事前に(運用期間の前に)好成績のものが選べるのでしょうか。そう考える人は K1 FUND に投資するといいと思います。普通に各種アクティブファンドの成績を見れば、こんなことではうまい選抜はできないと思われます。
というわけで、このファンドが好成績を上げる仕組みについては、今ひとつよくわかりませんでした。
さて、マイナス面も見ておきましょう。
まずはコストです。
http://www.K1FUND.com/funds2.php
から、適当なファンド(代表的なのは K1 Global Ltd. でしょうか)を選ぶと、詳細がわかります。
そこには Agio 5% と書いてあります。Agio というのは、乙にはよくわかりませんが、申し込み手数料(為替手数料を含む?)でしょうか。
Management Fee 3% というのは、信託報酬のようなもので、これまた高いです。毎年このコストがかかってくるわけです。
Performance Fee 20% というのは、基準価額がアップしたらその 20% が手数料として取られるということです。ヘッジファンドでは、まあこんなものかもしれません。でも、これはけっこう高いものです。
手数料が高めでも、それに見合ったパフォーマンスがあるなら、まあいいだろうという考え方もあると思います。ちなみにサイト内の各ページで強調される好成績は、当然、これらの手数料を引いたあとの結果です。
次に、心配なのは、ハイリスクであることです。disclaimer
http://www.K1FUND.com/hedge-funds2.html
によると、「the risk of complete loss of your investment remains at all times.」(いつでも投資金額がゼロになってしまうことがあり得る)と書いてあります。これはそこいらのファンドのパンフレットに書いてあるような単なる脅し文句ではありません。ハイリターンなものはハイリスクに決まっているわけで、投資金額がゼロになることは本当に起こりうると考えます。
ですから、こういうヘッジファンドに投資するときは、自分のアセット・アロケーションをよく考えて、ごく一部の資金を振り向けるようにすることが重要です。そのあたりは disclaimer で「A purchase decision should therefore be taken only after consultation with the corresponding experts.」(購入の決定は専門家と相談してから)などと書いてあります。専門家との相談で資産運用の全体方針を決めれば、もしかしたら、その一部としてこのファンドを組み込むことがあってもいいかもしれません。しかし、一般的にいえば、一つのファンドについて検討して「このファンドに投資しようか」などと考えるべきものではありません。
K1 FUND は、購入にあたっては慎重に検討する必要があるファンドです。好成績だけを見て買うと、失敗するかもしれません。これに投資できる人は、相当にリスク許容度が高い人でしょう。
このファンドについて、ネットを検索してみると、日本語ではあまり情報が見つかりません。
http://jpn.grandtag.com/member/products_offshore.html
http://independenceday2030.blog93.fc2.com/blog-entry-22.html
くらいしか見つかりませんでした。
http://www.meyerjapan.com/news/seminar.shtml
によれば、メイヤー社主催のセミナーが開催されていたようです。
続きを読む
2008年01月21日
iShares Lehman Aggregate Fund (AGG)
乙が最近購入した ETF です。
http://www.etfconnect.com/select/fundpages/fixed_etf.asp?MFID=118409
今や日本語でも情報が得られます。
http://www.ishares.co.jp/product/stocks/agg.html
Lehman Brothers U.S. Aggregate Index に連動するアメリカ債券の ETF です。Expense Ratio は、0.20% と格安です。投資先には国債だけでなく、社債や資産担保証券なども含まれます。サブプライム問題によってアメリカの株価が低迷し、それを回復させるために今後のアメリカの金利は低下すると思われます。すると、今後は債券の価格が上昇するということになります。まあ、債券投資も、ホントのところ、乙にはよくわからないのですが、乙のポートフォリオの中ではアメリカ債券の比率が低いので、購入しておいてもいいと思いました。
債券ですから、そんなに大きく増えることは期待できませんが、安定的なリターンを期待しています。こういうものに投資してコストが 0.2% しかかからないというのは魅力です。
アメリカでの投資は実に選択肢が豊富で、投資家に適しているものが多いと思います。
最近は、この ETF が日本でも投資可能になったということで、各種ブログなどでも言及があります。
http://nakatatarou.blog110.fc2.com/blog-entry-42.html
http://trademokusan.blog105.fc2.com/blog-entry-175.html
http://ameblo.jp/pokeopepe2/entry-10048698866.html
http://plaza.rakuten.co.jp/wginjiro/diary/200611170000/
http://tohshi.blog61.fc2.com/blog-entry-315.html
http://fundstory.blog87.fc2.com/blog-entry-93.html
http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2007/08/aggtip_07b3.html
http://himajin-toshi.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/agg11_807e.html
http://www.etfconnect.com/select/fundpages/fixed_etf.asp?MFID=118409
今や日本語でも情報が得られます。
http://www.ishares.co.jp/product/stocks/agg.html
Lehman Brothers U.S. Aggregate Index に連動するアメリカ債券の ETF です。Expense Ratio は、0.20% と格安です。投資先には国債だけでなく、社債や資産担保証券なども含まれます。サブプライム問題によってアメリカの株価が低迷し、それを回復させるために今後のアメリカの金利は低下すると思われます。すると、今後は債券の価格が上昇するということになります。まあ、債券投資も、ホントのところ、乙にはよくわからないのですが、乙のポートフォリオの中ではアメリカ債券の比率が低いので、購入しておいてもいいと思いました。
債券ですから、そんなに大きく増えることは期待できませんが、安定的なリターンを期待しています。こういうものに投資してコストが 0.2% しかかからないというのは魅力です。
アメリカでの投資は実に選択肢が豊富で、投資家に適しているものが多いと思います。
最近は、この ETF が日本でも投資可能になったということで、各種ブログなどでも言及があります。
http://nakatatarou.blog110.fc2.com/blog-entry-42.html
http://trademokusan.blog105.fc2.com/blog-entry-175.html
http://ameblo.jp/pokeopepe2/entry-10048698866.html
http://plaza.rakuten.co.jp/wginjiro/diary/200611170000/
http://tohshi.blog61.fc2.com/blog-entry-315.html
http://fundstory.blog87.fc2.com/blog-entry-93.html
http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2007/08/aggtip_07b3.html
http://himajin-toshi.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/agg11_807e.html
2008年01月20日
投資セミナーの紹介をブログに載せてほしい
最近(といってもかなり前ですが)、乙が驚いたことがありました。
乙のブログに、今度開催されるこれこれの投資セミナーの紹介を書いてほしいという話があったのです。
確かに、今までに乙が参加したセミナーについてブログで書いたことはあります。
楽天証券のセミナー
2008.1.15 http://otsu.seesaa.net/article/78550074.html
2007.7.2 http://otsu.seesaa.net/article/46413948.html
海外ファンドセミナー
2006.8.26 http://otsu.seesaa.net/article/22817145.html
などの経験があります。
しかし、これから開催されるセミナーを紹介するということは、単なる宣伝に過ぎません。まあ、セミナーの中身が乙の興味と関心を引く場合もあるし、講師について以前から乙が存じ上げていて、いつも尊敬していることもあるでしょうから、宣伝をまったくしないとはいえませんが、それでも、そのことをブログに書くことは相当に躊躇を覚えます。簡単にいえば、他人の宣伝の片棒を担ぐのはイヤだということです。
乙のブログでは、金融商品の紹介をすることもありますが、それらは基本的に自分で購入しているものです。または、購入を検討したけれども、購入しないことになったものです。後者については、どちらかというと否定的な論調で書くことにしています。なぜ購入しなかったのかを書くので、当然です。
自分の購入していないものを、将来購入するだろうということで話題として取り上げることもあるかもしれませんが、基本的にはそれはしないつもりです。そういうのは単に話題を追いかけるだけです。もしも、それが本当にいいと思うものなら、まずは自分で直接購入してみるべきです。購入時の手間やコスト、販売側の対応など、目論見書に書いてないことも含めて経験できます。その上でブログに取り上げるのがいいでしょう。
投資関連本についても、乙が読んだものを取り上げて論評するのであって、これから出版されるものを(ニュースで知って、期待をこめて、読まない段階で)取り上げることはしません。
セミナーについても同じように考えます。自分が参加したセミナーに関して、内容が良かれ悪しかれ、あとからブログで論評することはこれからもあります。しかし、事前にブログに書くことはしないつもりです。
というようなわけで、今回の投資セミナーの紹介はお断りしました。
なお、このセミナーの紹介では、アフィリエイトも可能だ(参加料の一部が乙に支払われる)とのことでしたが、アフィリエイトについては、私のブログで書いたことがあります。
2007.9.2 http://otsu.seesaa.net/article/53608438.html
この方針により、乙はアフィリエイトサービスを受けるつもりはありません。
乙のブログに、今度開催されるこれこれの投資セミナーの紹介を書いてほしいという話があったのです。
確かに、今までに乙が参加したセミナーについてブログで書いたことはあります。
楽天証券のセミナー
2008.1.15 http://otsu.seesaa.net/article/78550074.html
2007.7.2 http://otsu.seesaa.net/article/46413948.html
海外ファンドセミナー
2006.8.26 http://otsu.seesaa.net/article/22817145.html
などの経験があります。
しかし、これから開催されるセミナーを紹介するということは、単なる宣伝に過ぎません。まあ、セミナーの中身が乙の興味と関心を引く場合もあるし、講師について以前から乙が存じ上げていて、いつも尊敬していることもあるでしょうから、宣伝をまったくしないとはいえませんが、それでも、そのことをブログに書くことは相当に躊躇を覚えます。簡単にいえば、他人の宣伝の片棒を担ぐのはイヤだということです。
乙のブログでは、金融商品の紹介をすることもありますが、それらは基本的に自分で購入しているものです。または、購入を検討したけれども、購入しないことになったものです。後者については、どちらかというと否定的な論調で書くことにしています。なぜ購入しなかったのかを書くので、当然です。
自分の購入していないものを、将来購入するだろうということで話題として取り上げることもあるかもしれませんが、基本的にはそれはしないつもりです。そういうのは単に話題を追いかけるだけです。もしも、それが本当にいいと思うものなら、まずは自分で直接購入してみるべきです。購入時の手間やコスト、販売側の対応など、目論見書に書いてないことも含めて経験できます。その上でブログに取り上げるのがいいでしょう。
投資関連本についても、乙が読んだものを取り上げて論評するのであって、これから出版されるものを(ニュースで知って、期待をこめて、読まない段階で)取り上げることはしません。
セミナーについても同じように考えます。自分が参加したセミナーに関して、内容が良かれ悪しかれ、あとからブログで論評することはこれからもあります。しかし、事前にブログに書くことはしないつもりです。
というようなわけで、今回の投資セミナーの紹介はお断りしました。
なお、このセミナーの紹介では、アフィリエイトも可能だ(参加料の一部が乙に支払われる)とのことでしたが、アフィリエイトについては、私のブログで書いたことがあります。
2007.9.2 http://otsu.seesaa.net/article/53608438.html
この方針により、乙はアフィリエイトサービスを受けるつもりはありません。
2008年01月19日
門倉貴史(2007.11)『世界一身近な世界経済入門』(幻冬舎新書)幻冬舎
乙が読んだ本です。
第1章「コーヒー党、世界各地で急増中」
第2章「寿司ブーム、BRICs に上陸」
第3章「原油高とティッシュペーパー」
第4章「CO2とオレンジジュース」
第5章「レアメタルをめぐるお国事情」
第6章「世界経済を制する新興国市場」
第7章「成長と環境破壊のジレンマ」
こんなふうに目次を並べてみると、どんなことが書いてあるのか、推測できます。その通りです。身近なものの値段を通して、世界の経済の動きを解説しています。主として新興国を扱っています。
門倉氏は、全体にとてもよく調べて書いています。グラフ類も多用され、それが内容のわかりやすさにつながっています。新書でこのような豊富な情報量を持った本があるということで、門倉氏が丁寧な(手抜きをしない)仕事をしたことがうかがえます。
本書は、「世界一身近な」を標榜するだけあって、ものの価格をメインテーマにして世界経済を見ようとしています。具体的な記述が随所にちりばめられて、参考になります。
ただし、マクロな数字はあまり出てきませんので、そういう「世界経済」を期待して読むと、「あれ?」と感じるかもしれません。
投資に最も関連するのは第6章です。忙しい投資家はここだけ読んでもいいでしょう。BRICs と VISTA などに関連する話が出て来ます。
なお、VISTA は乙のブログ
2007.1.7 http://otsu.seesaa.net/article/30975838.html
で述べましたが、門倉氏の造語です。
第1章「コーヒー党、世界各地で急増中」
第2章「寿司ブーム、BRICs に上陸」
第3章「原油高とティッシュペーパー」
第4章「CO2とオレンジジュース」
第5章「レアメタルをめぐるお国事情」
第6章「世界経済を制する新興国市場」
第7章「成長と環境破壊のジレンマ」
こんなふうに目次を並べてみると、どんなことが書いてあるのか、推測できます。その通りです。身近なものの値段を通して、世界の経済の動きを解説しています。主として新興国を扱っています。
門倉氏は、全体にとてもよく調べて書いています。グラフ類も多用され、それが内容のわかりやすさにつながっています。新書でこのような豊富な情報量を持った本があるということで、門倉氏が丁寧な(手抜きをしない)仕事をしたことがうかがえます。
本書は、「世界一身近な」を標榜するだけあって、ものの価格をメインテーマにして世界経済を見ようとしています。具体的な記述が随所にちりばめられて、参考になります。
ただし、マクロな数字はあまり出てきませんので、そういう「世界経済」を期待して読むと、「あれ?」と感じるかもしれません。
投資に最も関連するのは第6章です。忙しい投資家はここだけ読んでもいいでしょう。BRICs と VISTA などに関連する話が出て来ます。
なお、VISTA は乙のブログ
2007.1.7 http://otsu.seesaa.net/article/30975838.html
で述べましたが、門倉氏の造語です。
2008年01月18日
Interactive Brokers の WebTrader での問題
乙が2回経験したので、ようやくわかったのですが、Interactive Brokers の WebTrader での操作にはちょっとした問題があります。
ティッカーを指定して ETF や株式を購入しようとすると、「ERROR REPORT: Timeout . Please check open orders and executions」というエラーメッセージが出ます。これなら、買い注文はうまく行かなかったと思うでしょう。ところが、このエラーが起きても、実際は、購入できるのです。
このことは、以前にも書きました
2007.12.21 http://otsu.seesaa.net/article/73847011.html
が、最近、もう一度経験しましたので、はっきり事実だと確認できました。乙の操作ミスではありません。
これは、アメリカでの営業時間外の取引だと起こるのではないかと思いました。(原因は詳しくは調べていません。)いずれにせよ、注文時には要注意です。
ティッカーを指定して ETF や株式を購入しようとすると、「ERROR REPORT: Timeout . Please check open orders and executions」というエラーメッセージが出ます。これなら、買い注文はうまく行かなかったと思うでしょう。ところが、このエラーが起きても、実際は、購入できるのです。
このことは、以前にも書きました
2007.12.21 http://otsu.seesaa.net/article/73847011.html
が、最近、もう一度経験しましたので、はっきり事実だと確認できました。乙の操作ミスではありません。
これは、アメリカでの営業時間外の取引だと起こるのではないかと思いました。(原因は詳しくは調べていません。)いずれにせよ、注文時には要注意です。
2008年01月17日
山田真哉(2007.4)『食い逃げされてもバイトは雇うな』(光文社新書)光文社
乙が読んだ本です。「禁じられた数字〈上〉」という副題が付いています。
前著『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』
2007.7.8 http://otsu.seesaa.net/article/47069131.html
に引き続いて、山田氏は会計士の観点から企業の決算書などの数字にどう取り組むかを書いています。
全体は五つの部分に分かれています。
イントロダクション「「Web 2.0」『ゲド戦記』がすごい本当の理由」
第1章「今日は渋谷で6時53分」
第2章「タウリン1000ミリグラムは1グラム」
第3章「食い逃げされてもバイトは雇うな」
第4章「決算書の見方はトランプと同じ」
という章立てです。
それぞれを読んでみると、まあ当たり前のことが書いてあって、これが会計学の入門書だとは思えないし、このようなことを読んでも、それでお金や数字の知識が増えたとかいうことはないと思います。しかし、新書なので、それでもいいのではないしょうか。
本の表題は第3章の題名からつけられたわけで、パッと見ておもしろそうだと思ってしまいます。
しかし、ネタバラシをしてしまうと、バイトを雇うお金の方が食い逃げの損失よりも高いからというだけの話で、当然のことを言っているに過ぎません。乙は、むしろ、食い逃げの話がテレビのバラエティ番組で出てきて、バイトを雇うべきだという意見に誰も反論しなかったという方がおもしろかったです。日本人の(バラエティ番組に出る人の)レベルはそんなものなのでしょう。
乙は、題名を見て、本書を手に取ってしまいましたが、一読したあとでは、他人にお勧めするまでもないなと感じました。残念でした。今後出る下巻は……たぶん読まないと思います。
前著『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』
2007.7.8 http://otsu.seesaa.net/article/47069131.html
に引き続いて、山田氏は会計士の観点から企業の決算書などの数字にどう取り組むかを書いています。
全体は五つの部分に分かれています。
イントロダクション「「Web 2.0」『ゲド戦記』がすごい本当の理由」
第1章「今日は渋谷で6時53分」
第2章「タウリン1000ミリグラムは1グラム」
第3章「食い逃げされてもバイトは雇うな」
第4章「決算書の見方はトランプと同じ」
という章立てです。
それぞれを読んでみると、まあ当たり前のことが書いてあって、これが会計学の入門書だとは思えないし、このようなことを読んでも、それでお金や数字の知識が増えたとかいうことはないと思います。しかし、新書なので、それでもいいのではないしょうか。
本の表題は第3章の題名からつけられたわけで、パッと見ておもしろそうだと思ってしまいます。
しかし、ネタバラシをしてしまうと、バイトを雇うお金の方が食い逃げの損失よりも高いからというだけの話で、当然のことを言っているに過ぎません。乙は、むしろ、食い逃げの話がテレビのバラエティ番組で出てきて、バイトを雇うべきだという意見に誰も反論しなかったという方がおもしろかったです。日本人の(バラエティ番組に出る人の)レベルはそんなものなのでしょう。
乙は、題名を見て、本書を手に取ってしまいましたが、一読したあとでは、他人にお勧めするまでもないなと感じました。残念でした。今後出る下巻は……たぶん読まないと思います。
2008年01月16日
LM・オーストラリア毎月分配型ファンド
乙は、LM・オーストラリア毎月分配型ファンドにも投資しています。外国債券に投資する投資信託です。
前回の記事
2006.4.22 http://otsu.seesaa.net/article/16876491.html
では、このファンドの一般的な説明に終始しています。
最近、第48期から第53期までの運用報告書が送られてきました。
いろいろ眺めていると、おもしろいなあと思いました。(それにしても、運用報告書をおもしろがって読む人は、どれくらいいるのでしょうかね。)
毎月決算型ですので、半年分をまとめて6期分の報告書としています。過去6期のパフォーマンスを見ると、-3.47% ということで、あまりかんばしくありません。なぜこういう結果になったのでしょうか。
半年の運用経過を見てみると、p.2 に次のように書いてありました。
公社債損益 -139 円
公社債利金 349 円
短期利金 10 円
為替 -560 円
信託報酬等 -67 円
─────────
収益合計 -407 円
前期末(半年前)の基準価格は 11,928 円でしたから、それを基準にすると 407/11,928×100=3.41% の下落ということになります。3.47% とは差がありますが、算出期間のずれとか、分配金の繰り込みとか、ま、いろいろあったのでしょう。
公社債損益というのは、債券の価格の上下のことです。損失が出たということは、債券の利率がこの半年間で上がり、それによって債券価格が下がったということです。p.3 には、オーストラリア準備銀行が、この間 0.5% の利上げを実施したとのことですから、つじつまが合います。(損益への影響はそれだけではありません。社債などは個別の企業の事情などの影響があったはずです。)
公社債利金というのは、債券の利息のようなものです。利回りを計算してみると、349/11,928×100=2.93% になります。半年でこの結果ですから、年利回りは2倍の 5.85% になります。p.3 にあるオーストラリア10年国債の利回りによれば、だいたい 5.8% から 6.3% の間で上下しています。まあこんなものでしょう。
短期利金というのは、現金部分を普通預金にしておいたら利息が付いたというようなものでしょう。
為替が 560 円ものマイナスになったということは豪ドル安・円高が進んだためということで説明できます。p.5 の豪ドル/円レートの説明では、前期末 102円64銭だったのが、97円70銭になったということですから、(102.64-97.70)/102.64=4.81% ほど円高になったわけです。11,928×0.0481=574円ということで、560円とは差がありますが、ま、こういう細かいことには目をつぶります。
信託報酬等は 67円かかっています。これが半年分ですから、1年では(単純に2倍して)134円に相当しますので、1年あたり 134/11,928×100=1.123% となります。あるいは今期末の基準価格 11,175 円から考えれば、134/11,175×100=1.199% です。このファンドの信託報酬は 1.3125% ということでしたが、実績との差はちょっとした誤差でしょう。
さて、こうやってみてくると、このファンドの場合、為替の損益がかなり大きいことがわかります。為替は、債券投資で得られる利息の金額を大幅に越えて全体の成績をマイナスにしてしまうくらい、運用を左右するということです。外債ファンドは為替が重要だということが実感されます。
ところで、乙は、この半年の純資産総額の変化にも注意しました。前期末 124,445 百万円が、当期末 109,806 百万円になっています。(109,806-124,445)/124,445×100 で計算してみると、11.76% の減少です。3.47% が運用結果のマイナス分ですから、11.76-3.47=8.29% も純資産総額が減っています。このことは、この半年間にけっこう解約者がいたということを示しています。ちょっと心配です。ただし、まだまだ純資産総額は十分に大きいので、ファンドの将来を心配するほどのことはないと思います。
運用報告書を読むと、ファンドの実際の動きなどが手に取るようにわかるものなんですね。その意味で、運用報告書はたいへんおもしろいと思いました。
信託報酬 67 円を公社債利金 349 円と比べると、約2割ということになります。債券の儲けの2割が手数料として取られてしまうということで、けっこう高いですね。今だったら、こういうファンドは買わないだろうと思いますが、2年半ほど前にはそんなふうには思わず、買っていたのです。一度買ってしまったら、すぐに売却するのももったいない(購入手数料分の 2.1% がムダになる)ので、もう少し保有したままにしますが、ホンネは早く売却したいというところです。
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前回の記事
2006.4.22 http://otsu.seesaa.net/article/16876491.html
では、このファンドの一般的な説明に終始しています。
最近、第48期から第53期までの運用報告書が送られてきました。
いろいろ眺めていると、おもしろいなあと思いました。(それにしても、運用報告書をおもしろがって読む人は、どれくらいいるのでしょうかね。)
毎月決算型ですので、半年分をまとめて6期分の報告書としています。過去6期のパフォーマンスを見ると、-3.47% ということで、あまりかんばしくありません。なぜこういう結果になったのでしょうか。
半年の運用経過を見てみると、p.2 に次のように書いてありました。
公社債損益 -139 円
公社債利金 349 円
短期利金 10 円
為替 -560 円
信託報酬等 -67 円
─────────
収益合計 -407 円
前期末(半年前)の基準価格は 11,928 円でしたから、それを基準にすると 407/11,928×100=3.41% の下落ということになります。3.47% とは差がありますが、算出期間のずれとか、分配金の繰り込みとか、ま、いろいろあったのでしょう。
公社債損益というのは、債券の価格の上下のことです。損失が出たということは、債券の利率がこの半年間で上がり、それによって債券価格が下がったということです。p.3 には、オーストラリア準備銀行が、この間 0.5% の利上げを実施したとのことですから、つじつまが合います。(損益への影響はそれだけではありません。社債などは個別の企業の事情などの影響があったはずです。)
公社債利金というのは、債券の利息のようなものです。利回りを計算してみると、349/11,928×100=2.93% になります。半年でこの結果ですから、年利回りは2倍の 5.85% になります。p.3 にあるオーストラリア10年国債の利回りによれば、だいたい 5.8% から 6.3% の間で上下しています。まあこんなものでしょう。
短期利金というのは、現金部分を普通預金にしておいたら利息が付いたというようなものでしょう。
為替が 560 円ものマイナスになったということは豪ドル安・円高が進んだためということで説明できます。p.5 の豪ドル/円レートの説明では、前期末 102円64銭だったのが、97円70銭になったということですから、(102.64-97.70)/102.64=4.81% ほど円高になったわけです。11,928×0.0481=574円ということで、560円とは差がありますが、ま、こういう細かいことには目をつぶります。
信託報酬等は 67円かかっています。これが半年分ですから、1年では(単純に2倍して)134円に相当しますので、1年あたり 134/11,928×100=1.123% となります。あるいは今期末の基準価格 11,175 円から考えれば、134/11,175×100=1.199% です。このファンドの信託報酬は 1.3125% ということでしたが、実績との差はちょっとした誤差でしょう。
さて、こうやってみてくると、このファンドの場合、為替の損益がかなり大きいことがわかります。為替は、債券投資で得られる利息の金額を大幅に越えて全体の成績をマイナスにしてしまうくらい、運用を左右するということです。外債ファンドは為替が重要だということが実感されます。
ところで、乙は、この半年の純資産総額の変化にも注意しました。前期末 124,445 百万円が、当期末 109,806 百万円になっています。(109,806-124,445)/124,445×100 で計算してみると、11.76% の減少です。3.47% が運用結果のマイナス分ですから、11.76-3.47=8.29% も純資産総額が減っています。このことは、この半年間にけっこう解約者がいたということを示しています。ちょっと心配です。ただし、まだまだ純資産総額は十分に大きいので、ファンドの将来を心配するほどのことはないと思います。
運用報告書を読むと、ファンドの実際の動きなどが手に取るようにわかるものなんですね。その意味で、運用報告書はたいへんおもしろいと思いました。
信託報酬 67 円を公社債利金 349 円と比べると、約2割ということになります。債券の儲けの2割が手数料として取られてしまうということで、けっこう高いですね。今だったら、こういうファンドは買わないだろうと思いますが、2年半ほど前にはそんなふうには思わず、買っていたのです。一度買ってしまったら、すぐに売却するのももったいない(購入手数料分の 2.1% がムダになる)ので、もう少し保有したままにしますが、ホンネは早く売却したいというところです。
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2008年01月15日
楽天証券 新春大講演会
乙が参加した講演会です。1月14日(月:祝日)に、みなとみらいのパシフィコ横浜の国立大ホールで開かれました。
はじめに楽天証券の社長の楠雄治氏のあいさつが10分ほどありました。楽天証券は、ネット証券としてがんばってきたし、これからもがんばりますという内容でした。
最初が澤上篤人氏の講演でした。いつものように、日本株に強気の発言がありました。1550兆円の資金が 0.55% の利回りで眠っているのはもったいないから、投資家としてはっきりした行動を示そうという話でした。日本は世界的に見て第二の経済大国・債権国だし、さまざまな技術を持っているので、経済としては大丈夫だという話でした。これから新興国の人々がみんな豊かになろうとするから、40億人の成長あこがれ層があることになり、さらに世界的には人口が増えるから、むしろ、食料や資源の供給不足が心配されるとのことでした。
澤上氏ならではの話でしたが、乙は、澤上氏がこんなにも日本株に強気になれることがうらやましく思えました。話のスジは理解できますが、日本の現状を見る限りでは、明るい展望が見えないように思うのですが、……。
30分ほどの講演のあと、質疑応答がありました。質問者のレベルは必ずしも高くなかったですが、澤上氏は適宜質問をさえぎって自分の「答え」を話していました。こういう答え方でいいと思いました。
そのあと、坂巻千弘氏の話がありましたが、乙はスキップして、お昼を食べに行きました。
午後からは広瀬隆雄氏の「新興国市場、いまから何が出来るか?」という講演でした。
新興国は 2003 年から継続的に株価が上昇し、1年あたり 37.6% になるとのことです。日本の周りを見ると、1980年代は「ジャパン・アズ・No.1」だったのが、1990年代には「グローバル・スタンダード」という名前のアメリカ中心主義になり、これからはどうなるだろうという話でした。新興国の時代ということになるのでしょうか。さらに、中国経済の構造変化を中心に話が続き、1964年の東京オリンピックのときを例に挙げ、開催後1年で製造業大手の設備投資が減ったことを指摘し、過剰設備問題が大きかったことを述べました。これを中国株にあてはめれば、オリンピックの終わったあとでは、製造業が伸びずに、第三次産業が発展するだろうということになります。これはこれで正しいと思いましたが、乙は、今は中国の個別企業に投資していませんので、まあどうでもいい話に聞こえました。
次が堀古英司氏で、「2008年 米国経済と株式市場」という題でした。
サブプライム層とは、所得が低い人ではなく、信用が低い人なのだという話から入りました。サブプライム層は、平均的に、年収が538万円あり、3162万円の住宅を買い、ローンが2564万円残っているのだそうです。けっして低所得ではありません。住宅価格が下がって、こういう住宅ローンが焦げ付くとアメリカ経済に打撃になるから、それを救済する目的もあって金利が下がっていくだろうという話でした。市場は金利が3%台まで下がることを織り込んでいるとのことでした。
さらに、武者陵司氏が続きます。「2008年の市場展望〜サブプライム問題を越えて」ということで、日米とも株が売られすぎであるとして、楽観論を述べました。サブプライムローンでも、84% の人はきちんと返済しているのだそうです。しかし、一方ではサブプライムローンを組み込んだ証券の価格が7割下落してしまったとのことです。不良債権としては3千億ドルの損失が発生したが、それでもGDP比で見れば 2.5% に過ぎず、大きな問題ではないとのことです。米国の過去50年の経済統計を見ると、リセッションに入るときというのは、労働分配率がピークアウトしていること、企業の債務残高がピークアウトしていることという条件があるのだそうです。今は、この二つが成立していないので、リセッションには入らないとのことでした。
日本については、株安、金利安、円安、物価安の4安状態だという話で、言い得ているなあと思いました。
パワーポイントの資料がたくさん用意されていたのに、言及されたのはごく一部にとどまりました。ちょっと残念でした。
休憩をはさんで、山崎元氏の「『合理的へそ曲がり』のすすめ」という講演になりました。日本株について、5月ころが株価の底とみているという話でした。また、投資のしかたとして ETF を勧めるということで、日本と外国の株を 4:6 くらいにもつのがいいということでしたが、これは、日本株と外国株のリターンが同じ(リスクが変わる)とした場合の計算結果であり、乙は実際には当てはまらないだろうなあと思いました。
あとは、テクニカル分析の講演がありましたが、乙はテクニカル分析には興味がないので、ここで席を立ちました。
全体に、日米の経済問題を中心に新興国市場の話も組込み、それらをどうとらえるかという内容でしたから、今の時期にピッタリでした。まあ、それぞれの講師の話はもっともだと思いつつも、経済見通しなどは必ずしもあたるとは限らないわけで、こんな見方もあるという程度に受け取っておけばいいのだと思いました。
朝10時から夕方5時までの講演会というのは、長かったですね。乙は、やはり、本や雑誌などの活字メディアを読む方が好きです。自分のペースで読み進めることができますし、あとから読み返すこともできますから。
はじめに楽天証券の社長の楠雄治氏のあいさつが10分ほどありました。楽天証券は、ネット証券としてがんばってきたし、これからもがんばりますという内容でした。
最初が澤上篤人氏の講演でした。いつものように、日本株に強気の発言がありました。1550兆円の資金が 0.55% の利回りで眠っているのはもったいないから、投資家としてはっきりした行動を示そうという話でした。日本は世界的に見て第二の経済大国・債権国だし、さまざまな技術を持っているので、経済としては大丈夫だという話でした。これから新興国の人々がみんな豊かになろうとするから、40億人の成長あこがれ層があることになり、さらに世界的には人口が増えるから、むしろ、食料や資源の供給不足が心配されるとのことでした。
澤上氏ならではの話でしたが、乙は、澤上氏がこんなにも日本株に強気になれることがうらやましく思えました。話のスジは理解できますが、日本の現状を見る限りでは、明るい展望が見えないように思うのですが、……。
30分ほどの講演のあと、質疑応答がありました。質問者のレベルは必ずしも高くなかったですが、澤上氏は適宜質問をさえぎって自分の「答え」を話していました。こういう答え方でいいと思いました。
そのあと、坂巻千弘氏の話がありましたが、乙はスキップして、お昼を食べに行きました。
午後からは広瀬隆雄氏の「新興国市場、いまから何が出来るか?」という講演でした。
新興国は 2003 年から継続的に株価が上昇し、1年あたり 37.6% になるとのことです。日本の周りを見ると、1980年代は「ジャパン・アズ・No.1」だったのが、1990年代には「グローバル・スタンダード」という名前のアメリカ中心主義になり、これからはどうなるだろうという話でした。新興国の時代ということになるのでしょうか。さらに、中国経済の構造変化を中心に話が続き、1964年の東京オリンピックのときを例に挙げ、開催後1年で製造業大手の設備投資が減ったことを指摘し、過剰設備問題が大きかったことを述べました。これを中国株にあてはめれば、オリンピックの終わったあとでは、製造業が伸びずに、第三次産業が発展するだろうということになります。これはこれで正しいと思いましたが、乙は、今は中国の個別企業に投資していませんので、まあどうでもいい話に聞こえました。
次が堀古英司氏で、「2008年 米国経済と株式市場」という題でした。
サブプライム層とは、所得が低い人ではなく、信用が低い人なのだという話から入りました。サブプライム層は、平均的に、年収が538万円あり、3162万円の住宅を買い、ローンが2564万円残っているのだそうです。けっして低所得ではありません。住宅価格が下がって、こういう住宅ローンが焦げ付くとアメリカ経済に打撃になるから、それを救済する目的もあって金利が下がっていくだろうという話でした。市場は金利が3%台まで下がることを織り込んでいるとのことでした。
さらに、武者陵司氏が続きます。「2008年の市場展望〜サブプライム問題を越えて」ということで、日米とも株が売られすぎであるとして、楽観論を述べました。サブプライムローンでも、84% の人はきちんと返済しているのだそうです。しかし、一方ではサブプライムローンを組み込んだ証券の価格が7割下落してしまったとのことです。不良債権としては3千億ドルの損失が発生したが、それでもGDP比で見れば 2.5% に過ぎず、大きな問題ではないとのことです。米国の過去50年の経済統計を見ると、リセッションに入るときというのは、労働分配率がピークアウトしていること、企業の債務残高がピークアウトしていることという条件があるのだそうです。今は、この二つが成立していないので、リセッションには入らないとのことでした。
日本については、株安、金利安、円安、物価安の4安状態だという話で、言い得ているなあと思いました。
パワーポイントの資料がたくさん用意されていたのに、言及されたのはごく一部にとどまりました。ちょっと残念でした。
休憩をはさんで、山崎元氏の「『合理的へそ曲がり』のすすめ」という講演になりました。日本株について、5月ころが株価の底とみているという話でした。また、投資のしかたとして ETF を勧めるということで、日本と外国の株を 4:6 くらいにもつのがいいということでしたが、これは、日本株と外国株のリターンが同じ(リスクが変わる)とした場合の計算結果であり、乙は実際には当てはまらないだろうなあと思いました。
あとは、テクニカル分析の講演がありましたが、乙はテクニカル分析には興味がないので、ここで席を立ちました。
全体に、日米の経済問題を中心に新興国市場の話も組込み、それらをどうとらえるかという内容でしたから、今の時期にピッタリでした。まあ、それぞれの講師の話はもっともだと思いつつも、経済見通しなどは必ずしもあたるとは限らないわけで、こんな見方もあるという程度に受け取っておけばいいのだと思いました。
朝10時から夕方5時までの講演会というのは、長かったですね。乙は、やはり、本や雑誌などの活字メディアを読む方が好きです。自分のペースで読み進めることができますし、あとから読み返すこともできますから。
2008年01月14日
日本株の下げが止まりません
乙は、2ヵ月ほど前に、日本株独歩安についてブログでコメントしましたが、
2007.11.25 http://otsu.seesaa.net/article/68510771.html
その後もこの傾向は変わらず、1月に入ってからも、日本株の下げは止まりません。どんどん下げます。現状では、個人投資家はかなりの損失を出しているのではないでしょうか。(日本株の売りで儲けている人もいるでしょうけれど。)
なぜ日本株が下がるのかということについては、いろいろな分析が可能です。しかし、サブプライムローン問題から始まった米国の景気後退などを原因だと考えるのは、おかしいと思います。それが無関係だとはいいませんが、もっと構造的なものを感じます。日本のかかえるさまざまな問題が意識され、したがって株価が下がっているのではないでしょうか。
昨日のブログで取り上げた野口悠紀雄氏の議論
2008.1.13 http://otsu.seesaa.net/article/78103936.html
などは、その典型でしょう。(ちょっと古い議論ですが、現在でも十分に当てはまります。)
ネット内でも、これに関する議論が見かけられます。
山崎養世「高成長に戻る世界経済と取り残される日本」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20071225/143931/
湾田雄三(わんだぁ)「560.こんなにも貧しい国内の投資環境」
http://wanderer.exblog.jp/d2008-01-07
為替王「2007年の世界の株式市場の成績比較」
http://blog.livedoor.jp/kawase_oh/archives/51178049.html
などは、とてもおもしろい論考だと思います。
さて、では、このような現状に対して、投資家はどう考えたらいいでしょうか。
まず、乙はしばらく日本株に投資していないという事実があります。
最近の例では、ジャストシステムの株を買った
2007.7.19 http://otsu.seesaa.net/article/48409396.html
くらいです。それもたまたまそうしただけで、戦略的に買ったわけではありません。その前というと、2006年11月になってしまいます。
とてもじゃないけれど、乙は日本に明るい未来を期待できません。
では、以前から保有する日本株を売っているかというと、乙の場合は、2007年前半に一部売りました。東芝が典型ですが、
2007.6.16 http://otsu.seesaa.net/article/44986606.html
他にも、いくつかの銘柄を売りました。このとき、かなりの金額が動きました。(それをその後アメリカ株などに投資してきました。)
しかし、抱えている日本株はまだまだかなりあります。
一つには、個別株がやられにやられていて、塩漬けにせざるを得ないという面もあります。
もう一つには、インデックス投資の考え方からすれば、株価が下がるときもあれば、上がるときもあるということで、この大幅下落という嵐も、いつまでも止まないわけではないと考えるからです。
だから、日本株は売らなくてもいいのではないかと思っています。
その結果、どうなるかは明らかです。日本株への新規投資を止めて、外国株や外国債券などに投資していれば、結果的に自然とポートフォリオの中の日本株の投資割合が下がっていきます。
それでいいのではないでしょうか。
2007.11.25 http://otsu.seesaa.net/article/68510771.html
その後もこの傾向は変わらず、1月に入ってからも、日本株の下げは止まりません。どんどん下げます。現状では、個人投資家はかなりの損失を出しているのではないでしょうか。(日本株の売りで儲けている人もいるでしょうけれど。)
なぜ日本株が下がるのかということについては、いろいろな分析が可能です。しかし、サブプライムローン問題から始まった米国の景気後退などを原因だと考えるのは、おかしいと思います。それが無関係だとはいいませんが、もっと構造的なものを感じます。日本のかかえるさまざまな問題が意識され、したがって株価が下がっているのではないでしょうか。
昨日のブログで取り上げた野口悠紀雄氏の議論
2008.1.13 http://otsu.seesaa.net/article/78103936.html
などは、その典型でしょう。(ちょっと古い議論ですが、現在でも十分に当てはまります。)
ネット内でも、これに関する議論が見かけられます。
山崎養世「高成長に戻る世界経済と取り残される日本」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20071225/143931/
湾田雄三(わんだぁ)「560.こんなにも貧しい国内の投資環境」
http://wanderer.exblog.jp/d2008-01-07
為替王「2007年の世界の株式市場の成績比較」
http://blog.livedoor.jp/kawase_oh/archives/51178049.html
などは、とてもおもしろい論考だと思います。
さて、では、このような現状に対して、投資家はどう考えたらいいでしょうか。
まず、乙はしばらく日本株に投資していないという事実があります。
最近の例では、ジャストシステムの株を買った
2007.7.19 http://otsu.seesaa.net/article/48409396.html
くらいです。それもたまたまそうしただけで、戦略的に買ったわけではありません。その前というと、2006年11月になってしまいます。
とてもじゃないけれど、乙は日本に明るい未来を期待できません。
では、以前から保有する日本株を売っているかというと、乙の場合は、2007年前半に一部売りました。東芝が典型ですが、
2007.6.16 http://otsu.seesaa.net/article/44986606.html
他にも、いくつかの銘柄を売りました。このとき、かなりの金額が動きました。(それをその後アメリカ株などに投資してきました。)
しかし、抱えている日本株はまだまだかなりあります。
一つには、個別株がやられにやられていて、塩漬けにせざるを得ないという面もあります。
もう一つには、インデックス投資の考え方からすれば、株価が下がるときもあれば、上がるときもあるということで、この大幅下落という嵐も、いつまでも止まないわけではないと考えるからです。
だから、日本株は売らなくてもいいのではないかと思っています。
その結果、どうなるかは明らかです。日本株への新規投資を止めて、外国株や外国債券などに投資していれば、結果的に自然とポートフォリオの中の日本株の投資割合が下がっていきます。
それでいいのではないでしょうか。
ラベル:日本株
2008年01月13日
野口悠紀雄(2006.8)『日本経済は本当に復活したのか』ダイヤモンド社
乙が読んだ本です。「根拠なき楽観論を斬る」という副題が付いています。
この本は、もともと週刊ダイヤモンド 2005 年4月から2006 年3月までに書いた連載「『超』整理日記」をまとめたものです。
題名は、あとからつけたものですが、乙の感覚では、本書の内容を表してはいません。もっと広い話題を扱っています。しかし、野口氏は、p.241 で本書の内容はすべて日本経済に関するものだとしています。「経済」の指し示すものが乙と野口氏でずれているのでしょう。
内容は、目次を見るだけでもわかります。(目次を見るだけで内容がわかるというのはわかりやすさの典型例です。)そして、内容を読むと、さらにわかった気がします。野口氏の議論に納得させられてしまいます。
第1章「経済の現状を虚心坦懐に見つめよう」では日本経済(ひいては日本株)の悲観論がえがかれます。家計に犠牲を強いて企業が生き返っただけで、日本経済はどうしようもない状態であると述べます。
第2章「ライブドア事件を考える」は、「企業価値最大」を目指すことはいいのだけれど、ライブドアのやり方ではダメだと論じています。グーグルと比べれば大違いというわけです。
第3章「株主不在の日本式経営」では、企業が株主軽視を続けているし、株式市場にも問題が多いとしています。
第4章「企業の社会的責任論を排す」では、企業は従業員の生活保障や寄付などを主目的にしてはダメで、あくまで儲けを出し、それで税金を納めることが最大の社会的責任だと述べます。
第5章「財界と国策会社」では、旧態依然とした「財界」は死語になってほしいと願っています。
第6章「インターネットのビジネスモデル」は、グーグルに代表される新しいビジネスモデルを紹介し、ソニーが過去の成功体験を乗り越えられるかを考え、東証のITに対する無理解を嘆きます。
第7章「何で今ごろ郵政民営化?」では、郵政民営化の問題点を指摘します。
第8章「人口減少社会で必要なのは何か?」では、人口減少でも、一人あたりの生産性を上げれば豊かな社会が作れるとしています。しかし、今の少子化対策では役立たずで、そもそも政治体制が長期的視野を持てないようになっていることが問題だと述べます。
第9章「小泉税制改革を総括する」では、「税制改革」が真の意味の税制の改革になっていない点を指摘し、給与所得控除や消費税、相続税、役員報酬などの面から日本のあり方を考えます。
第10章「国の形を考える」では、年金問題をとりあげ、これを民営化するべきだと主張します。そして小さな国を目指そうといいます。
第11章「世界は大きく変わっている」は、世界の現状を「小さな国がリードする時代になった」ととらえ、グローバリゼーションのあり方を考えます。
乙は、本書を一気に読んで、すっきりした気分になりました。野口氏のものの見方は、ずばり的を射ています。大変おもしろかったです。本書で野口流の考え方・哲学を教えてもらったような気がしました。
乙は、このコラムの最新版を読むために週刊ダイヤモンドを定期的に読んでもいいかなという気分になりました。
こんな方が、閣僚の中にいたら、日本もおもしろい国になったでしょうに。いや、さすがの野口氏だって、やはり、閣僚になればなったで、自分の主張だけで話は済まないから、内部に埋没してしまうのでしょうかね。
それにしても、本書の出版後、1年半になりますが、日本の現状を眺めると、どうにもやりきれない気分にならざるを得ません。
こういう本を読んで、「そうだ、そうだ」という感覚を味わうといいと思います。
それにしても、野口氏はこういう密度の濃いコラムを週刊誌に毎週連載しているんですね。そして、1年分をまとめて1冊の本にしているわけですが、それが本書で11冊目になっているのです。あきれるくらいにすごい人です。
野口氏の書いた他の本を読みたくなりました。
この本は、もともと週刊ダイヤモンド 2005 年4月から2006 年3月までに書いた連載「『超』整理日記」をまとめたものです。
題名は、あとからつけたものですが、乙の感覚では、本書の内容を表してはいません。もっと広い話題を扱っています。しかし、野口氏は、p.241 で本書の内容はすべて日本経済に関するものだとしています。「経済」の指し示すものが乙と野口氏でずれているのでしょう。
内容は、目次を見るだけでもわかります。(目次を見るだけで内容がわかるというのはわかりやすさの典型例です。)そして、内容を読むと、さらにわかった気がします。野口氏の議論に納得させられてしまいます。
第1章「経済の現状を虚心坦懐に見つめよう」では日本経済(ひいては日本株)の悲観論がえがかれます。家計に犠牲を強いて企業が生き返っただけで、日本経済はどうしようもない状態であると述べます。
第2章「ライブドア事件を考える」は、「企業価値最大」を目指すことはいいのだけれど、ライブドアのやり方ではダメだと論じています。グーグルと比べれば大違いというわけです。
第3章「株主不在の日本式経営」では、企業が株主軽視を続けているし、株式市場にも問題が多いとしています。
第4章「企業の社会的責任論を排す」では、企業は従業員の生活保障や寄付などを主目的にしてはダメで、あくまで儲けを出し、それで税金を納めることが最大の社会的責任だと述べます。
第5章「財界と国策会社」では、旧態依然とした「財界」は死語になってほしいと願っています。
第6章「インターネットのビジネスモデル」は、グーグルに代表される新しいビジネスモデルを紹介し、ソニーが過去の成功体験を乗り越えられるかを考え、東証のITに対する無理解を嘆きます。
第7章「何で今ごろ郵政民営化?」では、郵政民営化の問題点を指摘します。
第8章「人口減少社会で必要なのは何か?」では、人口減少でも、一人あたりの生産性を上げれば豊かな社会が作れるとしています。しかし、今の少子化対策では役立たずで、そもそも政治体制が長期的視野を持てないようになっていることが問題だと述べます。
第9章「小泉税制改革を総括する」では、「税制改革」が真の意味の税制の改革になっていない点を指摘し、給与所得控除や消費税、相続税、役員報酬などの面から日本のあり方を考えます。
第10章「国の形を考える」では、年金問題をとりあげ、これを民営化するべきだと主張します。そして小さな国を目指そうといいます。
第11章「世界は大きく変わっている」は、世界の現状を「小さな国がリードする時代になった」ととらえ、グローバリゼーションのあり方を考えます。
乙は、本書を一気に読んで、すっきりした気分になりました。野口氏のものの見方は、ずばり的を射ています。大変おもしろかったです。本書で野口流の考え方・哲学を教えてもらったような気がしました。
乙は、このコラムの最新版を読むために週刊ダイヤモンドを定期的に読んでもいいかなという気分になりました。
こんな方が、閣僚の中にいたら、日本もおもしろい国になったでしょうに。いや、さすがの野口氏だって、やはり、閣僚になればなったで、自分の主張だけで話は済まないから、内部に埋没してしまうのでしょうかね。
それにしても、本書の出版後、1年半になりますが、日本の現状を眺めると、どうにもやりきれない気分にならざるを得ません。
こういう本を読んで、「そうだ、そうだ」という感覚を味わうといいと思います。
それにしても、野口氏はこういう密度の濃いコラムを週刊誌に毎週連載しているんですね。そして、1年分をまとめて1冊の本にしているわけですが、それが本書で11冊目になっているのです。あきれるくらいにすごい人です。
野口氏の書いた他の本を読みたくなりました。
2008年01月12日
保有するエマージング株の中の割合をインデックスと比較すると
乙が保有するエマージング株の中の割合は、すでにブログ
2008.1.8 http://otsu.seesaa.net/article/77124810.html
に示しました。
これをインデックスと比較してみましょう。エマージング株の代表といえば、MSCI Emerging Markets Index でしょう。この指数の国別の割合を調べることができなかったので、以下では、iシェアーズのサイト
http://www.ishares.co.jp/product/stocks/eem.html
から、このインデックスに連動する ETF である EEM の投資割合(2007年6月現在)で代用します。
いずれも全体の2%以上を占めるものを多い順に並べます。
乙の保有割合の上位国=中国 20.34%、インド 19.08%、ロシア 12.98%、ブラジル 10.40%、香港 7.93%、韓国 5.74%、メキシコ 3.11%、台湾 2.87%、トルコ 2.68%
インデックスの上位国=韓国 15.03%、中国 12.05%、ブラジル 11.29%、台湾 10.50%、ロシア 9.16%、南アフリカ 8.91%、メキシコ 7.04%、インド 5.98%、イスラエル 3.31%、インドネシア 2.28%、チリ 2.07%、タイ 2.03%
両者を比べると、乙のほうが保有が3%以上多い(インデックスのほうが少ない)ものとしては、中国(差 8.29%)、インド(13.1%)、ロシア(3.82%)、香港(6.79%)があげられます。一方、インデックスのほうが3%以上多い(乙の保有が少ない)ものとしては、韓国(差 9.29%)、台湾(7.63%)、南アフリカ(7.76%)、メキシコ(3.93%)があげられます。
このあたりが好みの反映です。乙は BRICs+香港を重視していることがわかります。また、韓国、台湾、南アフリカ、メキシコを軽視していることがわかります。今後は、軽視している国に若干追加投資してもいいかもしれません。
2008.1.8 http://otsu.seesaa.net/article/77124810.html
に示しました。
これをインデックスと比較してみましょう。エマージング株の代表といえば、MSCI Emerging Markets Index でしょう。この指数の国別の割合を調べることができなかったので、以下では、iシェアーズのサイト
http://www.ishares.co.jp/product/stocks/eem.html
から、このインデックスに連動する ETF である EEM の投資割合(2007年6月現在)で代用します。
いずれも全体の2%以上を占めるものを多い順に並べます。
乙の保有割合の上位国=中国 20.34%、インド 19.08%、ロシア 12.98%、ブラジル 10.40%、香港 7.93%、韓国 5.74%、メキシコ 3.11%、台湾 2.87%、トルコ 2.68%
インデックスの上位国=韓国 15.03%、中国 12.05%、ブラジル 11.29%、台湾 10.50%、ロシア 9.16%、南アフリカ 8.91%、メキシコ 7.04%、インド 5.98%、イスラエル 3.31%、インドネシア 2.28%、チリ 2.07%、タイ 2.03%
両者を比べると、乙のほうが保有が3%以上多い(インデックスのほうが少ない)ものとしては、中国(差 8.29%)、インド(13.1%)、ロシア(3.82%)、香港(6.79%)があげられます。一方、インデックスのほうが3%以上多い(乙の保有が少ない)ものとしては、韓国(差 9.29%)、台湾(7.63%)、南アフリカ(7.76%)、メキシコ(3.93%)があげられます。
このあたりが好みの反映です。乙は BRICs+香港を重視していることがわかります。また、韓国、台湾、南アフリカ、メキシコを軽視していることがわかります。今後は、軽視している国に若干追加投資してもいいかもしれません。
2008年01月11日
オフ会を開催します
乙のブログを読んでくださっている方の一人からメールでの提案があり、オフ会をしてみたらどうかということでした。
乙は初めての経験なので、どんなことになるのか、わかりませんが、どうせなら、数人でビール片手にいろいろ話してみるのもおもしろいかなと思いました。
乙は東京在住ですので、場所は新宿あたりを考えています。日程は、「エイヤッ」と決めるしかありませんので、1ヵ月先の2月11日(月:祝日)の夕方6時とします。
オフ会の話を持ち出すと、一体何人の方から参加希望があるか、わかりませんが、相互の意思疎通のためには、参加者はせいぜい6人が上限かと思います。
オフ会の参加資格は、自分自身ですでに海外に(銀行あるいは証券会社あるいはファンドの)投資用の口座を持ち、海外での投資を実践していることとしたいと思います。
参加ご希望の方は、otsu@estyle.ne.jp あてにメールをください。1月20日を締切とします。このメアドには、hotmail, gmail, yahoo からはメールを送れないようです。ご注意ください。
申し込みの際に、ハンドルネームと、口座をお持ちの海外金融機関の名前(それにブログをお書きの方はその URL)をお知らせください。もしかして参加希望者が多数だった場合に(そんなことがあるでしょうか?)人数を絞るときの参考にしたいと思います。申し込みが少なければ、全員参加OKとなります。乙ともうお一人は参加確実ですので、オフ会がキャンセルになることはなさそうです。
以降は、申し込んだ方と基本的にメールでのやりとりになるかと思います。
乙は初めての経験なので、どんなことになるのか、わかりませんが、どうせなら、数人でビール片手にいろいろ話してみるのもおもしろいかなと思いました。
乙は東京在住ですので、場所は新宿あたりを考えています。日程は、「エイヤッ」と決めるしかありませんので、1ヵ月先の2月11日(月:祝日)の夕方6時とします。
オフ会の話を持ち出すと、一体何人の方から参加希望があるか、わかりませんが、相互の意思疎通のためには、参加者はせいぜい6人が上限かと思います。
オフ会の参加資格は、自分自身ですでに海外に(銀行あるいは証券会社あるいはファンドの)投資用の口座を持ち、海外での投資を実践していることとしたいと思います。
参加ご希望の方は、otsu@estyle.ne.jp あてにメールをください。1月20日を締切とします。このメアドには、hotmail, gmail, yahoo からはメールを送れないようです。ご注意ください。
申し込みの際に、ハンドルネームと、口座をお持ちの海外金融機関の名前(それにブログをお書きの方はその URL)をお知らせください。もしかして参加希望者が多数だった場合に(そんなことがあるでしょうか?)人数を絞るときの参考にしたいと思います。申し込みが少なければ、全員参加OKとなります。乙ともうお一人は参加確実ですので、オフ会がキャンセルになることはなさそうです。
以降は、申し込んだ方と基本的にメールでのやりとりになるかと思います。
ラベル:オフ会
2008年01月10日
SBI未公開株組入ファンドVはひどい成績です。
乙は、SBI未公開株組入ファンドVにも投資しています。
このファンドについては、今までにも2回ほどブログに書きました。
2006.5.5 http://otsu.seesaa.net/article/17401418.html
が第1回目で、概要を述べ、第2回目が
2006.10.23 http://otsu.seesaa.net/article/25983122.html
で、パッとしない成績を嘆いています。
最近、第2期(平成18年7月1日〜平成19年6月30日)の運用報告書が郵送されてきました。
運用報告書って、期が終わってから半年以上もかかって送られてくるのですね。ちと遅いのではないでしょうか。ファンドの運用状況は10月末のものが掲載されていましたけれど……。
第2期末では、以下のような資産配分になっています。
米国債券等 58.0%、上場株 16.6%、未公開株等 12.4%、円金利商品 4.6%、現金等 8.4%。
相変わらず、未公開株への配分率が低く、いくら愛称でも「未公開株組入」を名乗るには、ちと物足りないと思います。正式名は「SBI グローバル・セレクション・ファンド/SBI ボンド&プライベート・エクイティ・ファンドV」です。
今回の第2期の運用の推移を見ると、米国債券部分は +11.81% の成績でした(円安が効きました)が、株式で運用している未公開株および上場株式の合計では -12.56% と振るいません。
日本円金利部分 +0.05% という成績は当たり前ですが、こんなところに投資しているなんて、乙には信じられません。現金と同じようなものです。現金と合わせて資金の 13% を占めるわけで、この部分に対しても、信託報酬 2.1% がかかるのですから、投資家にとっては目もあてられません。運用会社さん、何をやっているんですかあ?
上場株式部分については、運用報告書に明記されているように、主として新興株式市場に投資しているということで、今期は -29.7% という惨憺たる成績でした。
このファンドには未来がありません。今から投資するかと聞かれれば、誰だって投資しないというでしょう。いやはや、どうしようもない状態です。でも、クローズド型ですから、今から投資はできません。今すぐ解約もできません。
では、第3期は期待できるでしょうか。今後の投資戦略のところには、次のような記載があります。(p.7)「2008年7月からのクローズド明けに備えて、6月には現金比率を増加させる予定です。」また、肝心の未公開株については、次のようになっています。(p.8)「クローズド明けまで1年となり組入れ可能な銘柄に相当制約が出てきています。」これを言い換えると、このファンドの命脈は尽きており、2008年7月には解約が相次ぎ、まともな運用ができなくなることを予測させます。
最近の成績を見ると、投資金額 10315円に対して、8590円になっており、投資成績は -17% と、いやはやさんざんな損失です。一方では、証券会社と運用会社は、(申込手数料 3.15%)+(信託報酬 2.1%×3年)+(成功報酬 0.7%)+(解約手数料 1%)=約11% を受け取るわけで、販売側は大儲けです。ざっと 170 億円集めたとなれば、3年で17億円ほど儲かったのですから、おいしい商売だといえます。
たぶん、乙は2008年7月時点で解約すると思います。こちらから解約しなくても早期に償還となるでしょう。両者の違いは、解約手数料1%を払うか払わないかということです。
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このファンドについては、今までにも2回ほどブログに書きました。
2006.5.5 http://otsu.seesaa.net/article/17401418.html
が第1回目で、概要を述べ、第2回目が
2006.10.23 http://otsu.seesaa.net/article/25983122.html
で、パッとしない成績を嘆いています。
最近、第2期(平成18年7月1日〜平成19年6月30日)の運用報告書が郵送されてきました。
運用報告書って、期が終わってから半年以上もかかって送られてくるのですね。ちと遅いのではないでしょうか。ファンドの運用状況は10月末のものが掲載されていましたけれど……。
第2期末では、以下のような資産配分になっています。
米国債券等 58.0%、上場株 16.6%、未公開株等 12.4%、円金利商品 4.6%、現金等 8.4%。
相変わらず、未公開株への配分率が低く、いくら愛称でも「未公開株組入」を名乗るには、ちと物足りないと思います。正式名は「SBI グローバル・セレクション・ファンド/SBI ボンド&プライベート・エクイティ・ファンドV」です。
今回の第2期の運用の推移を見ると、米国債券部分は +11.81% の成績でした(円安が効きました)が、株式で運用している未公開株および上場株式の合計では -12.56% と振るいません。
日本円金利部分 +0.05% という成績は当たり前ですが、こんなところに投資しているなんて、乙には信じられません。現金と同じようなものです。現金と合わせて資金の 13% を占めるわけで、この部分に対しても、信託報酬 2.1% がかかるのですから、投資家にとっては目もあてられません。運用会社さん、何をやっているんですかあ?
上場株式部分については、運用報告書に明記されているように、主として新興株式市場に投資しているということで、今期は -29.7% という惨憺たる成績でした。
このファンドには未来がありません。今から投資するかと聞かれれば、誰だって投資しないというでしょう。いやはや、どうしようもない状態です。でも、クローズド型ですから、今から投資はできません。今すぐ解約もできません。
では、第3期は期待できるでしょうか。今後の投資戦略のところには、次のような記載があります。(p.7)「2008年7月からのクローズド明けに備えて、6月には現金比率を増加させる予定です。」また、肝心の未公開株については、次のようになっています。(p.8)「クローズド明けまで1年となり組入れ可能な銘柄に相当制約が出てきています。」これを言い換えると、このファンドの命脈は尽きており、2008年7月には解約が相次ぎ、まともな運用ができなくなることを予測させます。
最近の成績を見ると、投資金額 10315円に対して、8590円になっており、投資成績は -17% と、いやはやさんざんな損失です。一方では、証券会社と運用会社は、(申込手数料 3.15%)+(信託報酬 2.1%×3年)+(成功報酬 0.7%)+(解約手数料 1%)=約11% を受け取るわけで、販売側は大儲けです。ざっと 170 億円集めたとなれば、3年で17億円ほど儲かったのですから、おいしい商売だといえます。
たぶん、乙は2008年7月時点で解約すると思います。こちらから解約しなくても早期に償還となるでしょう。両者の違いは、解約手数料1%を払うか払わないかということです。
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ラベル:SBI未公開株組入ファンドV
2008年01月09日
中国の偽札騒動
乙が見かけたニュースです。銀行で預金を下ろしたら偽札だったそうです。しかも、その銀行の窓口でその偽札の交換を要求したところ、銀行が拒否したというのです。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0107&f=national_0107_002.shtml
中国ならではの事件のように思いました。中国での偽札は、それを発見しても、警察なりどこなりで本物(真券)と交換してくれるわけではないという点が問題です。つまり、偽札は発見者の損失になってしまうわけです。
その結果、何が起きるか。当然、買物などでお金を受け取るとき、店側も、おつりを受け取る客側も、お互いに偽札でないかどうか、チェックするようになります。乙が北京で生活していたときも、こんなことで、スーパーのレジでもけっこう時間がかかったりしたものです。しかし、これはしかたがありません。もしも気づかずに偽札を受け取ってしまったら自分の責任になるのですから。中国人は子どもの時から偽札の見分け方を教わるということです。
万が一、偽札を受け取ってしまったら、どうしたらいいか。当然、警察に持って行ってもムダです。そっと他人に渡してしまう(つまり使ってしまう)のが一番いいのです。みんながこういうことを続けていれば、偽札の流通が止まりません。中国では偽札が多いといわれます(旅行ガイドブックにも書いてあります)が、こんな制度のもとでは、それも当然といえるでしょう。
中国のやり方は、国家への信頼を失わせるものです。
乙は、海外での事情に暗いので、よく知りませんが、そういう制度を採用している国はごく少ないのではないでしょうか。
日本では、当然、警察に持参すれば本物と交換してくれます。偽札の発見者は、犯罪の発見者ということで、報奨金(偽札の券面と同じ金額)がもらえます。もっとも、入手経路などを詳しく聞かれるので、ちょっとめんどうではあります。しかし、こうして、偽札が発見されやすくなり、警察はすぐに捜査に乗り出すことができます。偽札は、その国に対するきわめて悪質な暴力ですから、罪も重いですし、警察をはじめ関係者は徹底的に取り締まります。これによってみんなの生活が安定するというわけです。
中国で起こったこういう事件を見ても、裏には中国の制度があり、それはつまり中国をどういう国にしていくかという中国の問題だといえます。中国も早く一人前の経済大国になってほしいものです。こんな制度のもとで、偽札が大量に流通しているようでは、経済の規模が大きくても、経済大国とは呼べません。国家が信頼できなければ、外国からの投資は呼び込めません。
これ以外にも中国では偽札騒ぎがいろいろあります。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0510&f=national_0510_007.shtml
ひどい話ではありますが、これが中国の悲しい現実です。
続きを読む
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0107&f=national_0107_002.shtml
中国ならではの事件のように思いました。中国での偽札は、それを発見しても、警察なりどこなりで本物(真券)と交換してくれるわけではないという点が問題です。つまり、偽札は発見者の損失になってしまうわけです。
その結果、何が起きるか。当然、買物などでお金を受け取るとき、店側も、おつりを受け取る客側も、お互いに偽札でないかどうか、チェックするようになります。乙が北京で生活していたときも、こんなことで、スーパーのレジでもけっこう時間がかかったりしたものです。しかし、これはしかたがありません。もしも気づかずに偽札を受け取ってしまったら自分の責任になるのですから。中国人は子どもの時から偽札の見分け方を教わるということです。
万が一、偽札を受け取ってしまったら、どうしたらいいか。当然、警察に持って行ってもムダです。そっと他人に渡してしまう(つまり使ってしまう)のが一番いいのです。みんながこういうことを続けていれば、偽札の流通が止まりません。中国では偽札が多いといわれます(旅行ガイドブックにも書いてあります)が、こんな制度のもとでは、それも当然といえるでしょう。
中国のやり方は、国家への信頼を失わせるものです。
乙は、海外での事情に暗いので、よく知りませんが、そういう制度を採用している国はごく少ないのではないでしょうか。
日本では、当然、警察に持参すれば本物と交換してくれます。偽札の発見者は、犯罪の発見者ということで、報奨金(偽札の券面と同じ金額)がもらえます。もっとも、入手経路などを詳しく聞かれるので、ちょっとめんどうではあります。しかし、こうして、偽札が発見されやすくなり、警察はすぐに捜査に乗り出すことができます。偽札は、その国に対するきわめて悪質な暴力ですから、罪も重いですし、警察をはじめ関係者は徹底的に取り締まります。これによってみんなの生活が安定するというわけです。
中国で起こったこういう事件を見ても、裏には中国の制度があり、それはつまり中国をどういう国にしていくかという中国の問題だといえます。中国も早く一人前の経済大国になってほしいものです。こんな制度のもとで、偽札が大量に流通しているようでは、経済の規模が大きくても、経済大国とは呼べません。国家が信頼できなければ、外国からの投資は呼び込めません。
これ以外にも中国では偽札騒ぎがいろいろあります。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0510&f=national_0510_007.shtml
ひどい話ではありますが、これが中国の悲しい現実です。
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2008年01月08日
保有するエマージング株の内訳
乙は、いろいろな形でエマージング株に投資しています。
個別株は、保有していないのですが、ファンドや ETF の形でいろいろ購入しましたし、中には、ファンド・オブ・ファンズの形で保有しているものもあります。そこで、エマージング株の国別の割合を計算してみようと思い立ちました。
自分のポートフォリオの中で手薄なものがあれば、その割合を高めてみる方がいいでしょうし、突出して多いものがあれば、それを少し売却する必要があるように思います。
特に、乙の場合は、全体のポートフォリオの中でエマージング株が占める割合が高めなので、何かを売却する方向で考えてみるのもいいかななどと思いました。
そこで、まずは、エマージング株に分類されるファンドや ETF をリストアップしました。この際、EFA のように、非アメリカ株ということで、ヨーロッパの主要国の株も日本株もエマージング株もいろいろ含むものは、計算がめんどうになるので、含めないことにしました。(含めても、どうせ、大した影響はありません。)
次に個々のファンドの現在価格を求め、それぞれの国別投資割合を Fact Sheet から抜き出しました。国別投資割合で「他 others」とだけあるのは、それ以上、どうしようもありませんし、「現金 cash」は「他」に含めて考えていいと思います。
それから、現在価格を国別の投資割合でもって按分しました。
最後に、国別に合計して全体の割合を算出しました。結果は以下のようになります。
自分で計算しておきながら、意外に思ったことがあります。それは中国の比率が思ったほど高くないことです。数ヶ月前に、中国株を半分ほど売却した
2007.10.23 http://otsu.seesaa.net/article/62004596.html
ためでしょう。
実は、自分では中国株がまだまだ突出しているように思っていたのです。
感覚でものを考えていてはダメですね。やはり数字に直して考えてみなければなりません。
この表を見ると、今後、増やしたいものとしては、ロシア、ブラジル、南アフリカあたりがあります。あくまで乙の主観に過ぎませんが。
なお、以前に同様の計算をしたものとして、
2007.5.12 http://otsu.seesaa.net/article/41570473.html
があります。ただし、そのときは、国別に徹底的に分けて計算することはしていませんので、今回の結果と比較することはできません。
個別株は、保有していないのですが、ファンドや ETF の形でいろいろ購入しましたし、中には、ファンド・オブ・ファンズの形で保有しているものもあります。そこで、エマージング株の国別の割合を計算してみようと思い立ちました。
自分のポートフォリオの中で手薄なものがあれば、その割合を高めてみる方がいいでしょうし、突出して多いものがあれば、それを少し売却する必要があるように思います。
特に、乙の場合は、全体のポートフォリオの中でエマージング株が占める割合が高めなので、何かを売却する方向で考えてみるのもいいかななどと思いました。
そこで、まずは、エマージング株に分類されるファンドや ETF をリストアップしました。この際、EFA のように、非アメリカ株ということで、ヨーロッパの主要国の株も日本株もエマージング株もいろいろ含むものは、計算がめんどうになるので、含めないことにしました。(含めても、どうせ、大した影響はありません。)
次に個々のファンドの現在価格を求め、それぞれの国別投資割合を Fact Sheet から抜き出しました。国別投資割合で「他 others」とだけあるのは、それ以上、どうしようもありませんし、「現金 cash」は「他」に含めて考えていいと思います。
それから、現在価格を国別の投資割合でもって按分しました。
最後に、国別に合計して全体の割合を算出しました。結果は以下のようになります。
国(地域) | 比率 |
中国 | 20.34% |
インド | 19.08% |
ロシア | 12.98% |
ブラジル | 10.40% |
香港 | 7.93% |
韓国 | 5.74% |
メキシコ | 3.11% |
台湾 | 2.87% |
トルコ | 2.68% |
シンガポール | 1.92% |
ベトナム | 1.87% |
ポーランド | 1.25% |
南アフリカ | 1.15% |
タイ | 1.10% |
マレーシア | 1.05% |
ハンガリー | 0.67% |
チリ | 0.55% |
イスラエル | 0.45% |
インドネシア | 0.42% |
オーストリア | 0.40% |
アルゼンチン | 0.31% |
カザフスタン | 0.25% |
ペルー | 0.20% |
チェコ | 0.20% |
エジプト | 0.18% |
オーストラリア | 0.17% |
フィリピン | 0.13% |
ルクセンブルグ | 0.06% |
ウクライナ | 0.04% |
コロンビア | 0.04% |
スリランカ | 0.01% |
バミューダ | 0.01% |
他 | 2.44% |
自分で計算しておきながら、意外に思ったことがあります。それは中国の比率が思ったほど高くないことです。数ヶ月前に、中国株を半分ほど売却した
2007.10.23 http://otsu.seesaa.net/article/62004596.html
ためでしょう。
実は、自分では中国株がまだまだ突出しているように思っていたのです。
感覚でものを考えていてはダメですね。やはり数字に直して考えてみなければなりません。
この表を見ると、今後、増やしたいものとしては、ロシア、ブラジル、南アフリカあたりがあります。あくまで乙の主観に過ぎませんが。
なお、以前に同様の計算をしたものとして、
2007.5.12 http://otsu.seesaa.net/article/41570473.html
があります。ただし、そのときは、国別に徹底的に分けて計算することはしていませんので、今回の結果と比較することはできません。
2008年01月07日
浅川夏樹(2007.12)『夜の銀座の資本論』(中公新書ラクレ)中央公論社
乙が読んだ本です。
銀座のクラブとホステスについて書かれた本です。もう少し投資の話が出てくるのかと思ったのですが、当初の予想ほどではありませんでした。乙は銀座のクラブに行ったことがなく、ホステスがどういう存在なのか、まったく知りませんので、ホステスについて書かれた部分がおもしろかったです。「売り上げ」と「ヘルプ」の違いも初耳でした。
本書の全体の調子は「投資の考え方でもってホステスとクラブの仕組みを眺めてみると、こんなふうに描けます」といったところでしょう。
ホステスはホステスなりに大変なんですね。でも、ホステスは35歳までに普通の人の一生に当たる分を稼ぐと考えれば、たくさん稼いでいても、実態としては、さほど儲かるものでもないといえるのかもしれません。
投資関連本というよりは、投資の寄り道本というべきでしょうか。
銀座のクラブとホステスについて書かれた本です。もう少し投資の話が出てくるのかと思ったのですが、当初の予想ほどではありませんでした。乙は銀座のクラブに行ったことがなく、ホステスがどういう存在なのか、まったく知りませんので、ホステスについて書かれた部分がおもしろかったです。「売り上げ」と「ヘルプ」の違いも初耳でした。
本書の全体の調子は「投資の考え方でもってホステスとクラブの仕組みを眺めてみると、こんなふうに描けます」といったところでしょう。
ホステスはホステスなりに大変なんですね。でも、ホステスは35歳までに普通の人の一生に当たる分を稼ぐと考えれば、たくさん稼いでいても、実態としては、さほど儲かるものでもないといえるのかもしれません。
投資関連本というよりは、投資の寄り道本というべきでしょうか。
2008年01月06日
次世代 DVD は、ブルーレイ?
乙は、日経新聞1月5日夕刊に出ていた記事で見かけました。ネットにも一部が掲載されています。
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/us/20080105D2M0500X05.html
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080105AT2M0500X05012008.html
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080105AT2M0500X05012008.html
http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=AS2M0500X%2005012008
アメリカの映画会社の次世代 DVD の支持率が7対2の勢力図になったとのことですから、だいたい決着済みと見ていいかもしれません。どうやら次世代 DVD は、HD DVD よりも Blu-ray になりそうです。
乙は、この問題に関心を持っていましたが、
2007.11.30 http://otsu.seesaa.net/article/70099830.html
2006.12.29 http://otsu.seesaa.net/article/30467014.html
これでようやく次世代 DVD のレコーダーを買うことになりそうです。
東芝の株価はいよいよ下がることになるのでしょうか。乙は、すでに東芝の株を手放したので、
2007.6.16 http://otsu.seesaa.net/article/44986606.html
このあたりはどうでもいい話ですが。
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/us/20080105D2M0500X05.html
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080105AT2M0500X05012008.html
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080105AT2M0500X05012008.html
http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=AS2M0500X%2005012008
アメリカの映画会社の次世代 DVD の支持率が7対2の勢力図になったとのことですから、だいたい決着済みと見ていいかもしれません。どうやら次世代 DVD は、HD DVD よりも Blu-ray になりそうです。
乙は、この問題に関心を持っていましたが、
2007.11.30 http://otsu.seesaa.net/article/70099830.html
2006.12.29 http://otsu.seesaa.net/article/30467014.html
これでようやく次世代 DVD のレコーダーを買うことになりそうです。
東芝の株価はいよいよ下がることになるのでしょうか。乙は、すでに東芝の株を手放したので、
2007.6.16 http://otsu.seesaa.net/article/44986606.html
このあたりはどうでもいい話ですが。
2008年01月05日
菊池誠一(2007.6)『投資信託を見極める』日経BP社
乙が読んだ本です。
タイトル通り、いろいろな投資信託の性質について、具体例をあげながら解説する本です。
はしがきを読むと、p.8 に著者の菊池氏が持っている投信が七つであることが示されます。その一つにグローバル・ソブリン・オープン(略称:グロソブ)があげられています。毎月分配型で、乙も、以前は持っていたのですが、解約してしまいました。
2006.8.17 http://otsu.seesaa.net/article/22441509.html
それを保有していると明言されていることにちょっと驚きましたが、秘密は p.32 に書かれていました。菊池氏は60歳を過ぎているのですね。だから、毎月の年金代わりのグロソブに意味があるのでしょう。
第1章は「様変わりになった投資信託」で、株式投信が急拡大していることから説きはじめます。ただし、実際は債券に投資しているのに「株式投信」に分類されるものがある(グロソブはその一つ)ことから、厳密にいえば株式投信が急拡大しているのではないことがわかります。実は、株式投信は伸び悩んでいるわけです。
第2章は「投資信託のプラス、マイナス」で、投資信託入門といった内容です。
第3章は「「グロソブ」と「海外債券型投信」の将来」で、グロソブおよび海外債券型投信の現状を分析しています。ここは、菊池氏のオリジナルな議論が展開されます。乙にとっては、本書の中で一番おもしろかったところです。
p.101 では、グロソブは債券の配当等の収益で儲けているのではなく、実は有価証券の売買で儲けているのだとうことが示されます。乙は、グロソブを保有していたころ、運用報告書を読んでいたのですが、この仕組みには気が付いていませんでした。
p.104 では、グロソブが大きな欠損金を抱えていることが示されます。これについても、詳しい説明があり、なぜこれでいいのかが納得できます。乙は、こんなことにも気が付いていなかったのです。
本来は、第3章の記述くらいを理解してからグロソブを買うべきなのでしょうが、たぶん、グロソブを買っている人でそこまで理解している人はごく少ないのではないかと思います。
第4章は、「「株式ファンド」の将来を考える」という章です。第1節は、「国内株の「株式ファンド」復活はあるのか」です。国内株の株式ファンドを見ると、どれも寿命が短く、平凡な成績しか上げておらず、あまりパッとしません。ファンドを買うならインデックス・ファンドがいいという話になります。第2節は「「好配当株投信」が抱える矛盾と限界」です。好配当株に投資する投信は、それ自体矛盾しているということを丁寧に説明しています。第3節は「ETF は本当に「有利な商品」なのか」です。菊池氏は ETF を勧めています。p.177 では、ETF が台頭する一方、インデックス・ファンドは停滞気味だということになります。現在、資金がシフトしているのですね。
第5章は「「リート(不動産投資信託)」の魅力と限界」です。第1節でリートがどんなものかを説明し、第2節で海外リート投信の高利回りの秘密を明らかにし、かつ将来に対する不安を説明します。第3節は「J−リート投信」の存在意義を問います。J−リートが簡単に買えるときに、J−リート投信を買う意味はないということで、こんな商品があること自体、日本の投資家や金融機関がおかしいのだとしています。p.221 では、J−リート投信は1万円ちょっとの小口でも買えることがメリットだとしていますが、一方、そういう投信を買うなら、J−リートの市場指標に連動するインデックス・ファンドを買う方がよいとしています。
第6章は「投資信託でポートフォリオを作る」ということで、個人投資家が資産運用の全体を考える際のポイントを解説しています。本書の結論のような章です。
全体として、まじめに書かれた投資信託の本です。入門書のレベルではなく、実際に投資信託を購入し、ある程度仕組みを理解している人に向いています。
菊池氏は、元日経新聞の記者で、現在は流通科学大学の教授だそうです。なるほど、きちんとした分析で、わかりやすく書いています。この本は多くの人に勧めることができる本だと思います。
タイトル通り、いろいろな投資信託の性質について、具体例をあげながら解説する本です。
はしがきを読むと、p.8 に著者の菊池氏が持っている投信が七つであることが示されます。その一つにグローバル・ソブリン・オープン(略称:グロソブ)があげられています。毎月分配型で、乙も、以前は持っていたのですが、解約してしまいました。
2006.8.17 http://otsu.seesaa.net/article/22441509.html
それを保有していると明言されていることにちょっと驚きましたが、秘密は p.32 に書かれていました。菊池氏は60歳を過ぎているのですね。だから、毎月の年金代わりのグロソブに意味があるのでしょう。
第1章は「様変わりになった投資信託」で、株式投信が急拡大していることから説きはじめます。ただし、実際は債券に投資しているのに「株式投信」に分類されるものがある(グロソブはその一つ)ことから、厳密にいえば株式投信が急拡大しているのではないことがわかります。実は、株式投信は伸び悩んでいるわけです。
第2章は「投資信託のプラス、マイナス」で、投資信託入門といった内容です。
第3章は「「グロソブ」と「海外債券型投信」の将来」で、グロソブおよび海外債券型投信の現状を分析しています。ここは、菊池氏のオリジナルな議論が展開されます。乙にとっては、本書の中で一番おもしろかったところです。
p.101 では、グロソブは債券の配当等の収益で儲けているのではなく、実は有価証券の売買で儲けているのだとうことが示されます。乙は、グロソブを保有していたころ、運用報告書を読んでいたのですが、この仕組みには気が付いていませんでした。
p.104 では、グロソブが大きな欠損金を抱えていることが示されます。これについても、詳しい説明があり、なぜこれでいいのかが納得できます。乙は、こんなことにも気が付いていなかったのです。
本来は、第3章の記述くらいを理解してからグロソブを買うべきなのでしょうが、たぶん、グロソブを買っている人でそこまで理解している人はごく少ないのではないかと思います。
第4章は、「「株式ファンド」の将来を考える」という章です。第1節は、「国内株の「株式ファンド」復活はあるのか」です。国内株の株式ファンドを見ると、どれも寿命が短く、平凡な成績しか上げておらず、あまりパッとしません。ファンドを買うならインデックス・ファンドがいいという話になります。第2節は「「好配当株投信」が抱える矛盾と限界」です。好配当株に投資する投信は、それ自体矛盾しているということを丁寧に説明しています。第3節は「ETF は本当に「有利な商品」なのか」です。菊池氏は ETF を勧めています。p.177 では、ETF が台頭する一方、インデックス・ファンドは停滞気味だということになります。現在、資金がシフトしているのですね。
第5章は「「リート(不動産投資信託)」の魅力と限界」です。第1節でリートがどんなものかを説明し、第2節で海外リート投信の高利回りの秘密を明らかにし、かつ将来に対する不安を説明します。第3節は「J−リート投信」の存在意義を問います。J−リートが簡単に買えるときに、J−リート投信を買う意味はないということで、こんな商品があること自体、日本の投資家や金融機関がおかしいのだとしています。p.221 では、J−リート投信は1万円ちょっとの小口でも買えることがメリットだとしていますが、一方、そういう投信を買うなら、J−リートの市場指標に連動するインデックス・ファンドを買う方がよいとしています。
第6章は「投資信託でポートフォリオを作る」ということで、個人投資家が資産運用の全体を考える際のポイントを解説しています。本書の結論のような章です。
全体として、まじめに書かれた投資信託の本です。入門書のレベルではなく、実際に投資信託を購入し、ある程度仕組みを理解している人に向いています。
菊池氏は、元日経新聞の記者で、現在は流通科学大学の教授だそうです。なるほど、きちんとした分析で、わかりやすく書いています。この本は多くの人に勧めることができる本だと思います。
2008年01月04日
住友信託銀行に口座を開設します
銀行間の無料送金を実現するためには、住友信託銀行に口座を開設する手もあります。
2007.10.28 http://otsu.seesaa.net/article/62862032.html
住友信託銀行のHPを見ると、
http://www.sumitomotrust.co.jp/BP/charge.html
預金残高が100万円以上あれば、月5回まで振込が無料になります。そして、現在はキャンペーン中ということで、預金残高がいくらであってもこれが可能なようです。いつまでキャンペーンが続くのか、わかりませんが、当面は、これで行く手があるかもしれません。
乙が住んでいるところでは、近くに支店がありませんが、郵便局やコンビニ(E-net)の ATM で入出金が可能で、日中ならば無料ですし、けっこう、住友信託銀行は使えるように思います。
そんなこんなで、住友信託銀行に口座を開設することにしました。
ネットから申し込みます。住所や氏名などを打ち込むと、後日、口座開設に必要な書類が送られてきて、それを送ると口座が開設できます。支店まで出向く必要もありません。簡単便利です。もっとも、今やネット申し込みはどこの銀行・証券会社でも行っていることなので、このくらいは当然のことです。(海外の銀行・証券会社も、口座開設は似たようなものです。証明書類を送ったりするので、ちとめんどうですが。)
なお、野村信託銀行も、当分の間、手数料無料で他行への振り込みができます。
http://www.nomura-trust.co.jp/service/hbank_service.html
こちらも振込専用口座として使うなら便利かもしれません。
2007.10.28 http://otsu.seesaa.net/article/62862032.html
住友信託銀行のHPを見ると、
http://www.sumitomotrust.co.jp/BP/charge.html
預金残高が100万円以上あれば、月5回まで振込が無料になります。そして、現在はキャンペーン中ということで、預金残高がいくらであってもこれが可能なようです。いつまでキャンペーンが続くのか、わかりませんが、当面は、これで行く手があるかもしれません。
乙が住んでいるところでは、近くに支店がありませんが、郵便局やコンビニ(E-net)の ATM で入出金が可能で、日中ならば無料ですし、けっこう、住友信託銀行は使えるように思います。
そんなこんなで、住友信託銀行に口座を開設することにしました。
ネットから申し込みます。住所や氏名などを打ち込むと、後日、口座開設に必要な書類が送られてきて、それを送ると口座が開設できます。支店まで出向く必要もありません。簡単便利です。もっとも、今やネット申し込みはどこの銀行・証券会社でも行っていることなので、このくらいは当然のことです。(海外の銀行・証券会社も、口座開設は似たようなものです。証明書類を送ったりするので、ちとめんどうですが。)
なお、野村信託銀行も、当分の間、手数料無料で他行への振り込みができます。
http://www.nomura-trust.co.jp/service/hbank_service.html
こちらも振込専用口座として使うなら便利かもしれません。
2008年01月03日
新銀行東京には口座開設をしません
以前、銀行間の無料送金を実現するために、新銀行東京に口座を開設する手があることを知りました。
2007.10.28 http://otsu.seesaa.net/article/62862032.html
新銀行東京では、平成18年11月からキャンペーンなどをやっていたようです。
http://www.sgt.jp/about/newsrelease/pdf2006/061116.pdf
これは、現在も継続中のようで、新銀行東京のHPで手数料のところを見ると、
http://www.sgt.jp/fee/index.html
インターネットバンキングをすれば、他行あての振込は月5回まで無料となっています。
しかし、石原慎太郎銀行の別名を持つこの銀行は、乙はどうにも好きになれません。命名からして落ち着かなくなります。銀行名の途中に「銀行」がくるすわりの悪さがあります。「銀行」が末尾に来ない命名は、ここだけでしょう。
どういう銀行なのか、ネットで調べてみると、「新銀行東京 累積赤字936億円」という記事が見つかります。
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/071130/fnc0711301945013-n1.htm
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-12-01/2007120104_02_0.html
http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200712010006a.nwc
http://www.asahi.com/business/update/1130/TKY200711300340.html
赤字がたまりにたまっている状態だというわけです。資本金の8割にも達する赤字があるというのはひどい話です。
なるほど、最近、新銀行東京の ATM が閉鎖されていたのは、これが理由だったのですね。乙は、自分が口座を開設していない銀行だったので、関心がありませんでした。
一方では、
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20071212/CK2007121202071439.html
によると、石原知事は、東京都が新銀行東京に追加出資することはないと述べたそうですから、この銀行はこれから本当に大丈夫なのか、大いに心配です。まもなく債務超過・破綻ということになるのではないでしょうか。
預金者の預金は、預金保険で保護されるとはいえ、こんなことになると、いろいろとめんどうな手間がかかります。一時的にせよ、預金凍結などがありそうですね。
というわけで、今から口座開設というのはちょっとどうでしょうか。
乙の感覚では、新銀行東京での口座開設はパスです。
2007.10.28 http://otsu.seesaa.net/article/62862032.html
新銀行東京では、平成18年11月からキャンペーンなどをやっていたようです。
http://www.sgt.jp/about/newsrelease/pdf2006/061116.pdf
これは、現在も継続中のようで、新銀行東京のHPで手数料のところを見ると、
http://www.sgt.jp/fee/index.html
インターネットバンキングをすれば、他行あての振込は月5回まで無料となっています。
しかし、石原慎太郎銀行の別名を持つこの銀行は、乙はどうにも好きになれません。命名からして落ち着かなくなります。銀行名の途中に「銀行」がくるすわりの悪さがあります。「銀行」が末尾に来ない命名は、ここだけでしょう。
どういう銀行なのか、ネットで調べてみると、「新銀行東京 累積赤字936億円」という記事が見つかります。
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/071130/fnc0711301945013-n1.htm
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-12-01/2007120104_02_0.html
http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200712010006a.nwc
http://www.asahi.com/business/update/1130/TKY200711300340.html
赤字がたまりにたまっている状態だというわけです。資本金の8割にも達する赤字があるというのはひどい話です。
なるほど、最近、新銀行東京の ATM が閉鎖されていたのは、これが理由だったのですね。乙は、自分が口座を開設していない銀行だったので、関心がありませんでした。
一方では、
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20071212/CK2007121202071439.html
によると、石原知事は、東京都が新銀行東京に追加出資することはないと述べたそうですから、この銀行はこれから本当に大丈夫なのか、大いに心配です。まもなく債務超過・破綻ということになるのではないでしょうか。
預金者の預金は、預金保険で保護されるとはいえ、こんなことになると、いろいろとめんどうな手間がかかります。一時的にせよ、預金凍結などがありそうですね。
というわけで、今から口座開設というのはちょっとどうでしょうか。
乙の感覚では、新銀行東京での口座開設はパスです。
2008年01月02日
新生銀行は大丈夫か
乙は、新生銀行にも口座を持っていますが、他行への無料振込回数が月3回になってから、やや足が遠のいています。
新生銀行のサービスはいいのでしょうか、悪いのでしょうか。
日本経済新聞社が11月中旬に4105人を対象に調べた結果
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20071212AT2C1102T11122007.html
では、個人の顧客満足度からいうと、ソニー銀行1位、新生銀行が2位ということですから、まだまだがんばっているといえるでしょう。
しかし、2007年4月には、新生銀行が580億円もの赤字を出したというニュース
http://www.sodan.info/rentai/?sec=detail&did=21873
が流れましたし、やはり、経営が大変なんでしょう。
ふと気が付くと、ZAITEN 2008年2月号
http://www.zaiten.co.jp/zaiten/200802.shtml
でも、ジャーナリストの真野響介氏が「レポート:国有化から10年 あおぞら銀・新生銀の「身売り」で金融「最再編」に突入
再び経営不振に陥っているあおぞら銀行と新生銀行の自主再建が、厳しい情勢となっている。両行は現在、水面下で「身売り先」を探っているといい、外資の思惑も絡んで、日本のメガバンクを巻き込んだ金融再々編の火種と化している。」という記事をお書きです。
乙はこの雑誌の中身を読んでいないので、何ともいえませんが、新生銀行は大丈夫なのか、心配です。預金がなくなることはないわけですが、サービスがさらに悪化していくのではないかということが心配なのです。
乙は、国内銀行での資産運用をあまりしていないので、その面での心配はありませんが、ネット経由で振込の指示をするのはごく普通のことですので、そこのサービスが悪くなると、とたんに響きます。
イーバンク銀行も、サービスが悪くなったことだし、
2007.11.1 http://otsu.seesaa.net/article/63800409.html
そろそろ次の銀行を探した方がいいかもしれません。
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新生銀行のサービスはいいのでしょうか、悪いのでしょうか。
日本経済新聞社が11月中旬に4105人を対象に調べた結果
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20071212AT2C1102T11122007.html
では、個人の顧客満足度からいうと、ソニー銀行1位、新生銀行が2位ということですから、まだまだがんばっているといえるでしょう。
しかし、2007年4月には、新生銀行が580億円もの赤字を出したというニュース
http://www.sodan.info/rentai/?sec=detail&did=21873
が流れましたし、やはり、経営が大変なんでしょう。
ふと気が付くと、ZAITEN 2008年2月号
http://www.zaiten.co.jp/zaiten/200802.shtml
でも、ジャーナリストの真野響介氏が「レポート:国有化から10年 あおぞら銀・新生銀の「身売り」で金融「最再編」に突入
再び経営不振に陥っているあおぞら銀行と新生銀行の自主再建が、厳しい情勢となっている。両行は現在、水面下で「身売り先」を探っているといい、外資の思惑も絡んで、日本のメガバンクを巻き込んだ金融再々編の火種と化している。」という記事をお書きです。
乙はこの雑誌の中身を読んでいないので、何ともいえませんが、新生銀行は大丈夫なのか、心配です。預金がなくなることはないわけですが、サービスがさらに悪化していくのではないかということが心配なのです。
乙は、国内銀行での資産運用をあまりしていないので、その面での心配はありませんが、ネット経由で振込の指示をするのはごく普通のことですので、そこのサービスが悪くなると、とたんに響きます。
イーバンク銀行も、サービスが悪くなったことだし、
2007.11.1 http://otsu.seesaa.net/article/63800409.html
そろそろ次の銀行を探した方がいいかもしれません。
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ラベル:新生銀行
2008年01月01日
SCHWAB Capital Advisors には投資しません
乙は、あるところから、こんなファンドに投資しないかと勧誘されました。SCHWAB Capital Advisors という会社が運用するファンドです。SCHWAB MARKET NEUTRAL - Option Writing Program というもので、1万ドルから投資可能です。
さっそく会社のホームページを見てみました。
http://www.schwabcapital.com/index.asp
このファンドの説明もホームページのすぐ下に掲載されています。
http://www.schwabcapital.com/trading-programs.asp
より詳しい説明は、以下の disclosure document でわかります。
http://www.schwabcapital.com/documents/SCA%20DDoc%20Current.pdf
このファンド、鼻息は荒いです。毎年 24%-48% の利益を上げるのが目標だというのですから驚いてしまいます。それだけでなく、実績もあります。
http://www.autumngold.com/Advisor/CTAProfile.php?op=profile&id=10164
を見ると、月当たりの実績が、8月 6.71%、9月 11.29%、10月 6.63%、11月 5.39% ということで、4ヵ月で 33.46% の成績をあげています。これなら、毎年 24%-48% というのも誇大広告ではないといえます。
乙は、こういうのを見ると、飛びつきたくなります。4ヵ月の成績だけではあんまりだから、1〜2年ようすを見てから投資するのもいいかななどと思いました。
が、しかし、このファンドはなぜこんなにも成績がいいのでしょうか。もう少し投資の仕組みを見てみましょう。以下、disclosure document による記述を参考にしています。
まず、このファンドは、オプションに投資しているとのことです。しかも「オプションの売り」です。「オプションの売り」は、30日や45日後の相場(この場合、e-mini S&P 500 Index がターゲットだそうですが)を予想して、コール・オプションならば、相場がある一定の金額以下なら儲けることができ、プット・オプションならば、相場がある一定金額以上ならば儲けることができるものです。オプションを売る場合は、プレミアム料といわれる部分だけが儲けになり、それはごくわずかです。しかし、株式の現物の売買ではないから、オプション投資ならばレバレッジを高くすることができます。そこで、このやり方はそれなりに安定した儲けが出ます。さまざまな条件のオプションを組み合わせることにより、条件を自分の好きなように設定することもできます。
では、このファンドの戦略は万能かといえば、もちろん、そんなことはありません。相場が予想通りに行けば、儲けが出るのですが、反対方向に行くと損失が膨らみます。「オプションの売り」であれば、損失はかなり大きくなることがあります。しかも、レバレッジを効かしているわけですから、あるとき、運用資金の全額がとんでしまうようなこともあるかもしれません。
そうならないようにするためにはどうしたらいいか。Risk Management が大事です。これは上記文書の p.8 から説明されています。月次成績が -5% 以内におさまるように運用し、最大でも -10% 以下に落ち込まないように運用するとしていますが、それは goal(目標)です。具体的にどうリスクを管理するのかは、ここの記述からはわかりませんでした。(乙の英語力がないからかもしれません。)もしかすると、あまりに開陳しすぎていては、他のファンド会社にマネをされると考えているのでしょうか。あるいは、それを隠れ蓑にして、もともとあまりリスク管理をしていないのに、十分しているかのように説明しているのでしょうか。
ということで、このファンドの4ヶ月間の好成績の秘密がわかりました。レバレッジを効かせたオプション取引がその正体だったのです。うまく行けば、このやり方は継続的に好成績を上げ続けます。しかし、いつなんどき、突然の暴落があるかわかりません。長期にわたって好成績を上げ続けていても、1回の暴落で資金全部がパーになるかもしれません。ここがバイ・アンド・ホールド式のファンドと大きく異なるところです。つまり、非常にハイリスク・ハイリターンな仕組みであると思います。
運用を開始してから最初の4ヵ月はうまくいっているわけですが、ま、うまくいっているからこそ宣伝して資金を集めようとしているわけで、これからもうまく運用できるとは限りません。たまたまの好成績に過ぎないかもしれません。ファンド全般にいえますが、設定直後の時期は資金量も少なく、効率的に(ねらい通りに)運用できるとしても、資金がたっぷりになると運用がむずかしくなるのが世の常です。
このファンドの手数料は毎年2%で、その他にインセンティブ・フィーが 20% かかります。前者は、投資金額の2%であり、後者は、投資資金の増加分の 20% ですから、ヘッジファンドとしては普通の手数料だと思います。ハイリスク・ハイリターンならばこそ、インセンティブ・フィーを取るのだともいえますね。儲けるだけ儲けて、最後は破綻しても、運用会社としては、上昇分の2割をすでに受け取っているわけですから、それなりの儲けが出ます。
こんなことを考えて、乙は、このファンドに投資しないことにしました。一見、おいしそうに見える話でしたが、やはり、この世界にはおいしい話はそう簡単に転がっていないのでしょう。
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さっそく会社のホームページを見てみました。
http://www.schwabcapital.com/index.asp
このファンドの説明もホームページのすぐ下に掲載されています。
http://www.schwabcapital.com/trading-programs.asp
より詳しい説明は、以下の disclosure document でわかります。
http://www.schwabcapital.com/documents/SCA%20DDoc%20Current.pdf
このファンド、鼻息は荒いです。毎年 24%-48% の利益を上げるのが目標だというのですから驚いてしまいます。それだけでなく、実績もあります。
http://www.autumngold.com/Advisor/CTAProfile.php?op=profile&id=10164
を見ると、月当たりの実績が、8月 6.71%、9月 11.29%、10月 6.63%、11月 5.39% ということで、4ヵ月で 33.46% の成績をあげています。これなら、毎年 24%-48% というのも誇大広告ではないといえます。
乙は、こういうのを見ると、飛びつきたくなります。4ヵ月の成績だけではあんまりだから、1〜2年ようすを見てから投資するのもいいかななどと思いました。
が、しかし、このファンドはなぜこんなにも成績がいいのでしょうか。もう少し投資の仕組みを見てみましょう。以下、disclosure document による記述を参考にしています。
まず、このファンドは、オプションに投資しているとのことです。しかも「オプションの売り」です。「オプションの売り」は、30日や45日後の相場(この場合、e-mini S&P 500 Index がターゲットだそうですが)を予想して、コール・オプションならば、相場がある一定の金額以下なら儲けることができ、プット・オプションならば、相場がある一定金額以上ならば儲けることができるものです。オプションを売る場合は、プレミアム料といわれる部分だけが儲けになり、それはごくわずかです。しかし、株式の現物の売買ではないから、オプション投資ならばレバレッジを高くすることができます。そこで、このやり方はそれなりに安定した儲けが出ます。さまざまな条件のオプションを組み合わせることにより、条件を自分の好きなように設定することもできます。
では、このファンドの戦略は万能かといえば、もちろん、そんなことはありません。相場が予想通りに行けば、儲けが出るのですが、反対方向に行くと損失が膨らみます。「オプションの売り」であれば、損失はかなり大きくなることがあります。しかも、レバレッジを効かしているわけですから、あるとき、運用資金の全額がとんでしまうようなこともあるかもしれません。
そうならないようにするためにはどうしたらいいか。Risk Management が大事です。これは上記文書の p.8 から説明されています。月次成績が -5% 以内におさまるように運用し、最大でも -10% 以下に落ち込まないように運用するとしていますが、それは goal(目標)です。具体的にどうリスクを管理するのかは、ここの記述からはわかりませんでした。(乙の英語力がないからかもしれません。)もしかすると、あまりに開陳しすぎていては、他のファンド会社にマネをされると考えているのでしょうか。あるいは、それを隠れ蓑にして、もともとあまりリスク管理をしていないのに、十分しているかのように説明しているのでしょうか。
ということで、このファンドの4ヶ月間の好成績の秘密がわかりました。レバレッジを効かせたオプション取引がその正体だったのです。うまく行けば、このやり方は継続的に好成績を上げ続けます。しかし、いつなんどき、突然の暴落があるかわかりません。長期にわたって好成績を上げ続けていても、1回の暴落で資金全部がパーになるかもしれません。ここがバイ・アンド・ホールド式のファンドと大きく異なるところです。つまり、非常にハイリスク・ハイリターンな仕組みであると思います。
運用を開始してから最初の4ヵ月はうまくいっているわけですが、ま、うまくいっているからこそ宣伝して資金を集めようとしているわけで、これからもうまく運用できるとは限りません。たまたまの好成績に過ぎないかもしれません。ファンド全般にいえますが、設定直後の時期は資金量も少なく、効率的に(ねらい通りに)運用できるとしても、資金がたっぷりになると運用がむずかしくなるのが世の常です。
このファンドの手数料は毎年2%で、その他にインセンティブ・フィーが 20% かかります。前者は、投資金額の2%であり、後者は、投資資金の増加分の 20% ですから、ヘッジファンドとしては普通の手数料だと思います。ハイリスク・ハイリターンならばこそ、インセンティブ・フィーを取るのだともいえますね。儲けるだけ儲けて、最後は破綻しても、運用会社としては、上昇分の2割をすでに受け取っているわけですから、それなりの儲けが出ます。
こんなことを考えて、乙は、このファンドに投資しないことにしました。一見、おいしそうに見える話でしたが、やはり、この世界にはおいしい話はそう簡単に転がっていないのでしょう。
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