第1章「コーヒー党、世界各地で急増中」
第2章「寿司ブーム、BRICs に上陸」
第3章「原油高とティッシュペーパー」
第4章「CO2とオレンジジュース」
第5章「レアメタルをめぐるお国事情」
第6章「世界経済を制する新興国市場」
第7章「成長と環境破壊のジレンマ」
こんなふうに目次を並べてみると、どんなことが書いてあるのか、推測できます。その通りです。身近なものの値段を通して、世界の経済の動きを解説しています。主として新興国を扱っています。
門倉氏は、全体にとてもよく調べて書いています。グラフ類も多用され、それが内容のわかりやすさにつながっています。新書でこのような豊富な情報量を持った本があるということで、門倉氏が丁寧な(手抜きをしない)仕事をしたことがうかがえます。
本書は、「世界一身近な」を標榜するだけあって、ものの価格をメインテーマにして世界経済を見ようとしています。具体的な記述が随所にちりばめられて、参考になります。
ただし、マクロな数字はあまり出てきませんので、そういう「世界経済」を期待して読むと、「あれ?」と感じるかもしれません。
投資に最も関連するのは第6章です。忙しい投資家はここだけ読んでもいいでしょう。BRICs と VISTA などに関連する話が出て来ます。
なお、VISTA は乙のブログ
2007.1.7 http://otsu.seesaa.net/article/30975838.html
で述べましたが、門倉氏の造語です。