HPは以下のところにあります。
http://www.K1FUND.com/hedge-funds.php
これまた鼻息が荒いヘッジファンドです。K1 Fund Allocation System によって、過去10年はコンスタントにプラスの成績を出しているというわけです。すばらしい話です。
http://www.K1FUND.com/funds.php
には、月次リターンの詳細が記されています。こういう話を知ると、ちょっと投資してみたくなります。
では、乙が自分で投資するかというと、投資しません。一番の理由は、乙のアセット・アロケーションの中で、すでにヘッジファンドなどがそれなりの割合を占めているので、これ以上ヘッジファンドに投資すると、バランスを欠いてしまうと考えるからです。
では、もし、ヘッジファンドへの投資割合が少ない人だったら、こういうところに投資してもいいのでしょうか。このあたりになると微妙になってきますが、乙としては「お好みでどうぞ」としか言えません。
あ、ヘッジファンドにはそもそも投資しないと決めている人は、この先を読む必要がありませんので、パスしてください。
こういうファンドはプラス面とマイナス面があります。両者を勘案して投資するかどうかを決めることになります。
プラス面というと、何といっても過去の好成績です。しかし、よく考えてみると、実はさほど好成績でもないかもしれません。
1996 年から 2006 年までのパフォーマンスを見てみると、最初の5年間は年率数十%の上昇ですが、その後は 10% 程度の落ち着いた成績になっています。年間 10% という成績は、普通に株式投資をしていても達成可能な数字ではないでしょうか。この数字が物語るのは、K1 Fund Allocation System でうまく行くと考えて、いざスタートしてみたら、まあこんな程度の実績だったということです。ファンドがスタートするときは、もちろん、シミュレーションしてみて、うまく行くと確信するからスタートさせるわけで、最初の5年間が高いパフォーマンスを示しているのは当然のことです。
では、こういうパフォーマンスをあげていく仕組みはどうなっているのでしょうか。
K1 FUND は、ファンド・オブ・ファンズの形態を採用しています。Strategy
http://www.K1FUND.com/strategy.php
を読むと書いてありますが、アクティブファンドをずっと観察していて、量的基準および質的基準でいい成績を上げ続けているファンドを組み込んでいくというものです。
http://www.K1FUND.com/strategy3.php
には、さらに細かく、初めは資金の 1%-2% を運用させてみて、いい結果を出すようなら、2%-10% の資金を任せるというようなことまで書いてあります。
しかし、問題は、個々のファンドがどんなストラテジーでいい成績をあげているかということです。これについては、結果的にどういう運用をしているかが
http://www.K1FUND.com/strategy4.php
にありますが、さまざまな手法が採用されています。K1 FUND 自体は、運用のノウハウを持っていないようで、たくさんのファンドをチェックし続けることで、いいファンドを選ぶところに意味があるということなのでしょう。ここが乙が一番心配するところです。ファンド(あるいはファンドマネージャー)は、こんなことで事前に(運用期間の前に)好成績のものが選べるのでしょうか。そう考える人は K1 FUND に投資するといいと思います。普通に各種アクティブファンドの成績を見れば、こんなことではうまい選抜はできないと思われます。
というわけで、このファンドが好成績を上げる仕組みについては、今ひとつよくわかりませんでした。
さて、マイナス面も見ておきましょう。
まずはコストです。
http://www.K1FUND.com/funds2.php
から、適当なファンド(代表的なのは K1 Global Ltd. でしょうか)を選ぶと、詳細がわかります。
そこには Agio 5% と書いてあります。Agio というのは、乙にはよくわかりませんが、申し込み手数料(為替手数料を含む?)でしょうか。
Management Fee 3% というのは、信託報酬のようなもので、これまた高いです。毎年このコストがかかってくるわけです。
Performance Fee 20% というのは、基準価額がアップしたらその 20% が手数料として取られるということです。ヘッジファンドでは、まあこんなものかもしれません。でも、これはけっこう高いものです。
手数料が高めでも、それに見合ったパフォーマンスがあるなら、まあいいだろうという考え方もあると思います。ちなみにサイト内の各ページで強調される好成績は、当然、これらの手数料を引いたあとの結果です。
次に、心配なのは、ハイリスクであることです。disclaimer
http://www.K1FUND.com/hedge-funds2.html
によると、「the risk of complete loss of your investment remains at all times.」(いつでも投資金額がゼロになってしまうことがあり得る)と書いてあります。これはそこいらのファンドのパンフレットに書いてあるような単なる脅し文句ではありません。ハイリターンなものはハイリスクに決まっているわけで、投資金額がゼロになることは本当に起こりうると考えます。
ですから、こういうヘッジファンドに投資するときは、自分のアセット・アロケーションをよく考えて、ごく一部の資金を振り向けるようにすることが重要です。そのあたりは disclaimer で「A purchase decision should therefore be taken only after consultation with the corresponding experts.」(購入の決定は専門家と相談してから)などと書いてあります。専門家との相談で資産運用の全体方針を決めれば、もしかしたら、その一部としてこのファンドを組み込むことがあってもいいかもしれません。しかし、一般的にいえば、一つのファンドについて検討して「このファンドに投資しようか」などと考えるべきものではありません。
K1 FUND は、購入にあたっては慎重に検討する必要があるファンドです。好成績だけを見て買うと、失敗するかもしれません。これに投資できる人は、相当にリスク許容度が高い人でしょう。
このファンドについて、ネットを検索してみると、日本語ではあまり情報が見つかりません。
http://jpn.grandtag.com/member/products_offshore.html
http://independenceday2030.blog93.fc2.com/blog-entry-22.html
くらいしか見つかりませんでした。
http://www.meyerjapan.com/news/seminar.shtml
によれば、メイヤー社主催のセミナーが開催されていたようです。
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