http://jp.reuters.com/article/stocksNews/idJPnTK006902320080213
当面は主に南アフリカ、エジプト、モロッコの企業の株式に投資するようです。
「アフリカ株」という投資対象は、けっこう珍しく、乙は興味を持ちました。
しかし、販売手数料 3.65% 以内で販売会社が決める、信託報酬:2.10%、信託財産留保額:0.5% というのは、手数料が高すぎると思いました。
上記のロイターの記事では、信託報酬について「委託 0.84%、販売 0.84%、受託 0.084%」と書いてありますが、これを合計すると、1.764% なんですね。2.1% とはだいぶ差があります。
野村アセットマネージメントを見ると、さらにくわしい説明があります。
http://www.nomura-am.co.jp/lineup/theme/140422_n1.html
また、
https://retire2020.up.seesaa.net/image/CCEEC2BCA5A2A5D5A5EAA5AB.PDF
には 19 ページに及ぶパンフレットが掲載されています。これらによると、販売手数料は 3.675% となっています。いよいよ高くなっています。
乙はこのファンドには投資しません。その理由は二つあります。
(1)このファンドの国別投資比率がおかしいと思います。
パンフットの 17 ページによれば、当ファンドの主要投資対象である「野村アフリカ株投資マザーファンド」の国別比率が書いてあります。当ファンドはほぼこの比率で運用されるでしょう。すると、南アフリカ 86.5%、エジプト 11.6%、モロッコ 1.9% となります。実質的に南アフリカ中心のファンドなのです。
同じパンフレットの 6 ページには、株式市場のあるアフリカ諸国全体の中での3ヵ国の経済規模(GDP)を示し、南アフリカ 36%、エジプト 17%、モロッコ 9% としています。パンフレットでは、随所で3ヵ国を同列において記述しています。
経済規模を基準に考えると、このファンドは南アフリカに過度に集中していることがよくわかります。であれば、このファンドはなぜ南アフリカを重視する(重点的に投資する)のか、もう少し説明がなければならないように思います。
(2)GAF という ETF のほうがはるかに有利です。
アフリカ株に投資するなら、ETF で GAF (SPDR S&P Emerging Middle East & Africa)を買う手があります。アフリカだけでなく、中東アジア(イスラエル)も入ってしまいますが、まあ似たようなものでしょう。
http://www.etfconnect.com/select/fundpages/etf_funds.asp?MFID=170028
これなら、Expense Ratio は 0.60% です。国別の投資割合は、南アフリカ 63.50%、イスラエル 20.36%、エジプト 6.60%、モロッコ 6.11%、他 3.43% となっています。これを買えば、野村アフリカ株投資よりも手数料がはるかに安く、かつ南アフリカ中心であることで、成績は似たようなものになるのではないかと思います。(イスラエルが含まれる分だけ違いますが。)
というわけで、GAF という ETF の存在を知っている者から見ると、野村アフリカ株投資は手数料だけ高く、投資家にはあまりメリットがないもののように見えます。あえていえば、日本円で投資できること、国内の証券会社で購入できることがメリットでしょうか。
野村アセットマネジメントには、もう少し工夫を加えた投資信託を提案してもらいたいものです。
なお、このファンドについては、為替王さんもコメントしています。
http://blog.livedoor.jp/kawase_oh/archives/51223240.html