2008年03月31日

藤村幸義(2008.2)『老いはじめた中国』(アスキー新書)アスキー

 乙が読んだ本です。
 現在の中国の抱えるさまざまな問題点が述べられています。その中でも、第1章「成熟を待たずに老いてゆく超大国」がおもしろかったです。中国は一人っ子政策を採用しているため、今後は日本以上に人口の高齢化が進むというわけです。中国の人口は非常に大きいですから、何億人ものお年寄りを抱えて国家としてやっていけるのかという問題です。現在、農村から都市への労働力の移動がうまくいっていないとのことですし、大学生の就職難も相当にひどいようです。
 第2章は環境破壊の問題です。
 第3章は経済の問題で、高度成長はもう終わりで、経済も曲がり角に来ていると論じます。
 第4章は「行き過ぎた市場経済化への反省」で、現在の中国で起こり始めた新しい傾向をいくつか指摘しています。
 第5章は「台湾・インド・日本との関係」です。
 各章とも、それぞれに中国の問題点を指摘しており、中国政府としても頭の痛い問題がたくさんあるということがわかります。
 こういう本を読むと、中国の今後に関して、だいぶ暗い予想を持たざるを得ません。乙は、中国株に投資していますが、それは10年後くらいを見据えて、まだまだ中国は発展するだろうと考えてのことです。しかし、藤村氏の指摘するような問題を考えると、中国経済はいつ失速するか、心配になります。
 さて、中国株投資は継続するべきでしょうか、そろそろ切り上げるべきでしょうか。悩ましい問題です。


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ラベル:藤村幸義
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2008年03月30日

アメリカで購入した ETF 一覧

 乙は、このところアメリカで ETF を中心に投資してきました。
 しかし、順次いろいろな ETF を購入したので、どんなものを購入したのか、だんだんわかりにくくなってきました。それに、ETF の種類が増えると、管理も大変になります。
 そこで、そろそろ ETF の種類を増やすことをやめて、今までと同じものを追加して購入しようかと思うようになりました。
 今までに購入した(現在保有している)ETF を分類して示すと、以下の通りです。
アメリカ株
 DIA, IVV, IWD, SDY, VTI, VXF, DVY, IJH, IJR, IWM, IWN, PRF, QQQQ, SPY, VBR
ヨーロッパ株
 DEW, FEZ, IEV, VGK, EZU, FEU
非アメリカ株
 EFV, EFA, VEA
エマージング株
 EWW(メキシコ), EWZ(ブラジル), RSX(ロシア), GAF(アフリカ中東), VWO, ADRE
アメリカ債券
 BND, LQD, TIP, AGG
エマージング債券
 EMB
ヨーロッパ債券
 IBCI, IBGS, IBGX
世界債券
 BWX
REIT
 RWR(アメリカ), RWX(非アメリカ)

 今後、大きな方向性としては、アメリカ株とヨーロッパ株(それにヨーロッパ債券)の比率を上げたいと考えていますので、このあたりに追加投資することになりそうです。
 アメリカ株でいうと、現在保有している15種類を同額ずつ増やしていく手もあります。しかし、それよりも、サブカテゴリー別に分けて、そのサブカテゴリーの中の1本を選んでそれに集中するほうがいいかもしれません。
 アメリカのマーケットの現状を見ると、さすがに投資先進国だと思います。乙が購入しているのは、膨大な選択肢の中のごく一部に過ぎません。投資家の視点でいえば、ETF にはさまざまな選択肢があって、何でも思うとおりに投資できるといったところでしょうか。
 これに比べると、日本の ETF は、まことにお粗末で、投資意欲がわいてきません。こんな状況で「貯蓄から投資へ」などと旗を振ったところで、投資家は動かないと思います。
ラベル:アメリカ ETF
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2008年03月29日

橘玲(2007.11)『亜玖夢博士の経済入門』文藝春秋

 乙が読んだ本です。「別冊文藝春秋」に連載されたものをまとめたもののようです。
 「経済入門」とうたっていますが、経済小説です。フィクションです。
第一講 行動経済学
第二講 囚人のジレンマ
第三講 ネットワーク経済学
第四講 社会心理学
第五講 ゲーデルの不完全性定理
という五つの部分からなります。それぞれで一つの事件が描かれます。
 最後に、全体に対する総まとめのようなものがありますので、途中で投げ出すのはもったいないでしょう。
 乙は、第一講がおもしろかったですね。サラ金などでどうやってお金をたくさん借りるのか、テクニックがいろいろ書いてあって、「へー」と思うところが多かったです。乙は住宅ローンくらいしか借金の経験がないので、自分の知らない世界については興味深く読みました。
 こういう本で経済学が学べるわけではありませんが、フィクションとして楽しめばいいのではないでしょうか。
 全体に、ストーリーがよく練られており、経済学などを知っている人ならいっそう楽しめそうです。


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2008年03月28日

SPDR Lehman International Treasury Bond ETF (BWX)

 最近、乙が購入した ETF です。アメリカ以外の世界の国債に投資します。
http://www.etfconnect.com/select/fundpages/fixed_etf.asp?MFID=181384
http://www.ssgafunds.com/weblogic//etf/fund/etf_detail_BWX.jsp
 この ETF とアメリカ国債を組み合わせれば、世界中の国債に投資できることになるので、アメリカ国債を買いやすい人(アメリカに住んでいる人など)には便利でしょう。
 日本国債も 23% ほど含まれています。国別の投資配分では最多です。乙は、日本国債は保有しない方針でしたが、まあ、わずかばかりなので、いいかと思って、こちらの ETF を購入しました。(自分の投資方針に反するような気もしますが、……。)
 Expense Ratio は 0.5% とお安いものです。2007年10月に設定されたものなので、まだあまり実績がなく、今後どうなるかはわかりませんが、最近の世界同時株安のときでも(債券ですから当然ですが)価格は上昇しており、精神的に落ち着いていられます。
 国際国債インデックスに連動しますので、投資配分などは、インデックスに従うということです。ポートフォリオを見てみると、相当に細かく投資しているように思えます。日本に次ぐのはドイツやイタリアで、それぞれ 12% 強を占めています。
 BWX に注目しているブログもいろいろあります。
http://yoroku.blogspot.com/2007/08/blog-post_29.html
http://yoroku.blogspot.com/2007/10/etf.html
http://tohshi.blog61.fc2.com/blog-entry-389.html
http://einthoven.blog49.fc2.com/blog-entry-246.html
http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/usetf_00e6.html
 ETF による債券投資には、かなり便利なものだと思います。
ラベル:ETF BWX 国債
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2008年03月27日

北村慶(2008.1)『大人の投資入門』PHP研究所

 乙が読んだ本です。「真剣に将来を考える人だけに教える「自力年金運用法」」という副題が付いています。
 本書はインデックス投資を勧めます。
 p.146 で、アセットアロケーションを考える際に、公的年金の存在を前提にして、私的年金の分は、公的年金と合わせてアセットアロケーションを考えるべきだとしています。そして、公的年金は日本の債券で運用する部分が 67% を占めているから、私的年金としては、日本株と外国株だけを考えればよいとしています。これはユニークな考え方でした。インデックス投資関連の本を読んでも、こういう考え方にお目にかかったことはないように思います。ただし、これは、年金が(今から数十年後に)ちゃんともらえるのかどうかという問題とからんできますので、あまり単純に信じ込まないほうがいいように思います。
 年金は年金として、ある考え方に従ってアセットアロケーションを決めているわけで、年金の積立金が増えようと減ろうと、年金が株を組み込んでいても債券を組み込んでいても、加入者に支給するべき年金の額は制度上決まっていますから、何ら変わりません。すると、年金が債券を大量に組み込んでいることを考慮して、その分を私的年金として持たなくていいというのは、必ずしも正しくないように思います。
 自分の資産全体で(年金のことは無視して)最適のアセットアロケーションを考えるほうが、年金がどうなろうとも大丈夫という意味では、望ましいのではないでしょうか。
 p.159 では、すでに自宅を持っている人の場合は不動産投資は不要としています。自宅もポートフォリオの一部だという見方です。これまたおもしろい視点です。あくまで全体的に総合的にとらえようという著者の姿勢には共感します。
 p.175 では、日本株と外国株の投資割合の議論が出て来ますが、株式時価総額を基準にして、日本株15:外国株85 という考え方があることを紹介しつつも、「本書ではわかりやすさと運用の簡易さを重視して」日本株と外国株を半々で持つことを提案しています。しかし、これは説得力がまったくありません。なぜ日本株を重視するか。これについては、p.257 に説明が出てきます。純粋投資理論から言えば、日本株15:外国株85 が適当かもしれないとしつつ、「日本経済の発展を私たち普通の市民の投資で応援したい」ために、50:50 にするというのです。この議論は、やっぱり変です。日本株は 15% でいいのではないでしょうか。
 p.257 では「しかし、自国民が他国と同等にしか評価しない日本経済に未来はあるでしょうか? そんな国に他国の投資家が資金を回してくれるでしょうか?」と述べていますが、乙は、日本も世界の中の一つの国に過ぎないし、日本を重視する必要はまったくない(他国と平等に扱うべきである)と思っていますので、この意味で 50:50 の議論には与しません。他国の投資家が特に日本に資金を回してくれなくてもいいのです。インデックス投資の考え方からすれば、どこの国に住んでいる人でも、15% 程度は日本株を買うべきだということになりますから、それで十分ではないでしょうか。
 p.170 の1行目に、「国内株式と外国株式の相関係数は、0.25% となっています。」とあります。相関係数には「%」は付きません。著者の単純なミスだと思いますが、こういうミスは、著者の数字に対する理解が十分でないかのような印象を与えますので、気をつけなければなりません。
 さて、本書中で、間違いを述べているところがあるので、これは、きちんと指摘しておきたいと思います。「はじめに」に出てくる話です。Aさん、Bさん、Cさんの3種類の株式投資のしかたで、それぞれのリターンがどうなったかを示しています。
 3人とも、2000年1月に投資を開始します。毎月1万円ずつ投資して、2007年10月まで94ヵ月運用するというのです。
 Aさんは、年1回、1年中で最も安いときに12万円で株式を買い、最高値でそれを売却するということを8年間繰り返します。(最高値が先に来る場合は、その時点で空売りすると考えるのでしょうね。)
 Bさんは、2003年3月(それまでの最安値を記録したとき)にそれまで貯めていた全額の39万円を出して、株を買い、2004年4月(その後の最高値を記録したとき)に全額を売却します。あとは鳴かず飛ばずということです。
 Cさんは、こつこつと毎月1万円で株を買い続けます。ドルコスト平均法によるインデックス投資です。
 最終の運用成績を見ると、Aさんの利益 16 万円、Bさんの利益 19万7千円、Cさんの利益 37万円で、Cさんが圧勝します。インデックス投資はこんなにもいいという話です。
 乙は、はじめに読んだときは、なるほど、インデックス投資はすごいものだと思ってしまいました。しかし、Aさん、Bさんのように(あとからチャートを眺めて)最高の成績を想定した場合でも、Cさんに負けるというのはどうも変だと思ってよく考えてみると、北村氏のこの計算は間違っていることに気づきました。
 Aさんは、毎年12万円ずつ投資して8年間運用してますが、これは、Cさんが94万円運用しているのと比べると、たった12万円の運用に過ぎません。12万円の運用で8年間に16万円の利益を出しているというのは、とんでもなく高いパフォーマンスです。
 あるいは、1年目は12万円、2年目は24万円、3年目は36万円というように投資資金を増やしていって計算してもいいでしょう。これならCさんと比べることができます。
 さらにいえば、1年目には12万円が14万円になったとすれば、2年目はそれに12万円を足して26万円を投資したと考えてもいいと思います。複利効果が出ますから、さらにすばらしい成績が上げられるはずです。とにかく、Aさんは、北村氏が想定するよりもずっとずっとすばらしい成績を上げたことになるはずです。
 Bさんはどうでしょうか。Bさんは、最安値と、その後に来る最高値が本能的にわかっていたという前提です。だとしたら、2003年3月に資金全額の39万円を出して株を買い、2004年4月に58万7千円で保有株式を全部売却して、それで終わりというのは変です。2003年4月に1万円、5月にも1万円、……といった調子で、毎月1万円ずつ投資に回せるのですから、お金がある限り追加投資するに決まっています。そして、2004年4月に全額を売却するわけです。
 こうすると、2003年4月の1万円は、2004年4月に 14,662 円になっています。2004年3月までの12ヵ月分の1万円の投資は、乙の簡略な計算では、3万円ほどの利益を生みます。つまり、Bさんの利益は19万7千円ではなく、22万7千円ということになります。
 それでも、Bさんは、3人の中で最低の成績になってしまったのですが、なぜそうなったのでしょうか。Bさんは、2004年4月以降、鳴かず飛ばずの成績だったという話ですが、ここがおかしいのです。TOPIX がその後5割も上昇するときに、鳴かず飛ばずの成績というのは、とんでもなく下手な株式投資をしているということです。
 これらの二つの点を考慮すると、乙は、北村氏の出した例は、インデックス投資が優秀であることを示そうとして失敗してしまった例であると思います。
 多くのブログでこの本に言及しています。
http://fund.jugem.jp/?eid=573
http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-654.html
http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2008/01/post_6f66.html
http://www.shinoby.net/2008/01/post_752.html
http://bestbook.livedoor.biz/archives/50430376.html
http://renny.jugem.jp/?eid=473
http://blog.livedoor.jp/pikopiko432/archives/50902113.html
http://blog.goo.ne.jp/eliesbook/e/4a5f088c7ed72771ba164cf14331809d
http://atsukix.blog108.fc2.com/blog-entry-22.html
http://keishin20.seesaa.net/article/80333382.html
http://shinkansen-19641001.cocolog-nifty.com/kodama/2008/01/post_4080.html
http://ameblo.jp/nabetti-2000/entry-10068380390.html
http://france.lysithea1.com/000262.html
http://ethiopia.lysithea1.com/000022.html
http://moneytrade.blog34.fc2.com/blog-entry-521.html
http://ameblo.jp/bengoshi-s/entry-10069675615.html
http://koyo8.blog104.fc2.com/blog-entry-53.html
http://blog.livedoor.jp/m_dai23/archives/50449444.html
http://blog.damesara.boo.jp/?eid=467596
http://pension.blog88.fc2.com/blog-entry-58.html
 上で乙が指摘した間違いは誰も指摘していませんから、皆さん、北村氏の話をそのまま読み過ごしてしまったということだろうと思います。
 インデックス投資が優れていることに変わりはありませんが、北村氏のような間違いをすると、やっぱりアクティブ投資のほうがいいのだと考える人が増えそうです。株式の買いと売りの最適なタイミングがわかれば、アクティブ投資がインデックス投資よりも優れているのは当たり前です。
 もっとも、そもそもこの間違いに気が付かない人が大半かもしれないので、本書を読んだ人は、素直にインデックス投資を信じるのでしょうかね。
 北村氏が今後改訂版を出すときには、ぜひ、この点を直してもらいたいものです。

 本書は、若い人向けの本です。若い人は時間がたっぷりあるのですから、本書で説かれるインデックス投資をぜひ実行して下さい。

ラベル:北村慶 投資
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2008年03月26日

株式投資は宗教か?

 ちょっと前に、藤沢数希さんのブログに気になる記事がありました。「株式投資は宗教なのか?」というものです。
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51223934.html
 株式投資にも大きく分けて三つの宗派があるようだとして、「短期売買デイ・トレーディング教」、「長期投資ファンダメンタル教」、「インデックス・ファンド教」をあげています。
 それぞれが宗教だという見方がおもしろいと思いました。各自の信念がきちんとあって、自分の信じる方向に努力し、布教も行うというわけです。
 乙は、デイ・トレードはしませんが、残りの二つに関していえば、インデックス・ファンド教を中心にしつつも、長期投資ファンダメンタル教も少し信じているといったところでしょうか。
 藤沢氏は、最後に自分を無神論者としています。これらの三つの宗教のどれにも与しないというわけです。では、一体どういう考え方をしているのか、それがぜひ知りたいものです。
 藤沢氏は、『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』
2007.2.9 http://otsu.seesaa.net/article/33258724.html
という本をお書きですが、これはインデックス投資の本です。多くの人にはインデックス投資が向いているとして勧めているわけですが、自分自身は必ずしもそうでもないというところをもう少し説明してほしかったと思いました。
 上記の記事に触発されたブログの記事もおもしろいものです。
(1)http://blog.livedoor.jp/eurodollari/archives/50210218.html
では、もう一つ宗派があると述べています。何なのか、気になる発言です。
(2)http://natoiuk.wordpress.com/2008/02/20/%e6%8a%95%e8%b3%87%e3%81%99%e3%82%8b%e5%89%8d%e3%81%ab%e8%aa%ad%e3%82%80%e6%9c%ac/
では、会計士は概してファンダメンタル教に近いと述べています。ただし、日本株ではこの考え方はおすすめではないとのことです。ご本人はハイブリッド教としています。
(3)http://blogs.yahoo.co.jp/rakuaaaa/32886277.html
では、全部やったけれどどれも今ひとつとしています。
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ラベル:株式投資 宗教
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2008年03月25日

木村剛(2007.11)『僕らの年金脱退宣言』ナレッジフォア

 乙が読んだ本です。日本の年金問題の全貌がわかります。
 第1章「社会保険庁はここまで腐っていた」では、社会保険庁のダメさ加減を描きます。
 第2章「「100年大丈夫」な年金の正体」では、年金のしくみ自体が持っている問題点を指摘します。
 第3章「公的年金の破綻はいつか?」では、このままでは破綻は避けられないとしています。2049年だそうです。40年も先のことをいわれても、実感はありません。
 第4章「少子化対策は解決にならない!」では、少子化の進行を描きます。少子化が進めば年金がもたないことは当然です。
 第5章「このままでは年金が空洞化する!」では、雇用も資本も日本を脱出していくという予想を述べています。p.121 から「最後の最後にお国は国民を食い物にする」という節があります。第2次世界大戦のときに実際にあった事例を述べ、裁判所までが不思議な判断をしたことを描いています。こうなると、日本という国が信じられなくなりそうです。
 第6章「年金脱退権を認めよ」が本書のメインです。p.126 では、年金がネズミ講であるとして、もともとうまく運営できるはずがないとしています。その上で、p.135 から、年金脱退権を認めよという主張が書かれています。年金脱退権というのは、すでに払った年金保険料をすべて捨てて、今後年金を受け取らない、年金保険料を払わないということです。ユニークな主張ですが、これが認められることはないでしょう。年金脱退権を認めても、現在年金を受け取っている人、まもなく年金がもらえる人が脱退するはずがありませんし、一方、若い人ほど脱退することが多くなるはずです。とすると、年金制度はすぐにでも破綻してしまいます。つまり、年金脱退権を認めたら、きわめて深刻な少子化が起こることと同じことになります。著者は、税金で年金を払うべきだとしていますから、もしかしたらうまく行くのかもしれませんが、乙はシミュレーションがうまくいっていないように思いました。
 第7章「私的年金の構築方法」では、公的年金として月額7万円を支給するというような制度になった場合に、それを補うための私的年金を作ろうということで、国内株への投資を説きます。
 全体に、年金問題を知るためには好都合な本だと思いましたが、新しい視点は「年金脱退権」くらいしかなく、その意味でやや不満です。参考文献は1冊しかあがっておらず、第6章だけは既発表ですが、本書の大部分は書き下ろしだそうですから、第6章の主張を中心にして、著者のいいたいことをすらすら文字化したと言えるでしょう。それがうまくいったかというと、乙は疑問に思いました。
 乙の感覚では、やはり、数字の裏付けを示しながら、新しい年金制度の設計を具体的に示さないと、説得力がないように思いました。


ラベル:木村剛 年金 脱退
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2008年03月24日

SPDR S&P Emerging Middle East & Africa (GAF)

 最近、乙が購入した ETF です。
 以前の記事でもこの ETF について書きましたが、
2008.2.26 http://otsu.seesaa.net/article/87133805.html
エマージング諸国の中で、乙の投資先の比率を考えると、南アフリカがやや低いようなので、
2008.1.12 http://otsu.seesaa.net/article/77918615.html
この ETF を買うことにしました。
 概要は、
http://www.etfconnect.com/select/fundpages/etf_funds.asp?MFID=170028
http://finance.yahoo.com/q?s=GAF
に掲載されています。昨年10月をピークに、現在はかなり下がっている状態ですが、まあ、長期的には上がっていくだろうと(安易ですが)思っています。
 WWW の中を探してみると、GAF に関する記事が見つかります。
http://blog.livedoor.jp/kawase_oh/archives/51206160.html
によれば、南アフリカは最近よくないという話です。
http://www.sacob.co.za/
を見ると、確かに景気が下がっています。まあこのあたりがマイナス面でしょうか。
 この ETF は、
http://www.ystyle.biz/weblog/2007/03/26121936.php
http://tohshi.blog61.fc2.com/blog-entry-317.html
などでも紹介されています。
ラベル:ETF GAF 南アフリカ
posted by 乙 at 06:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ETF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月23日

三宅茂久(2004.9)『外貨建て資産投資の所得・相続・贈与税』日本法令

 乙が読んだ本です。
 はしがきを読むと、「運用アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、プライベートバンカー、税務専門家は、国際間の税務の取り扱いを踏まえた運用アドバイスが求められています。本書が知識の礎になれば幸いです。」とあり、こういう人むけに書かれた税の専門書ということになります。
 目次を見ると、とても詳しく、どのページに何が書かれているか、一目瞭然です。また、記述も、似たようなことが繰り返し現れます。つまり、本書は、通読する本というよりも、必要になったら、該当しそうなページを目次で調べ、その記述を読めばいいというわけです。
 p.27 には、二重居住者の扱いをめぐって、44ヵ国のすべてのケースがあげられます。本書のあちこちで同じく44ヵ国分の表が出てきます。これは、日本が44ヵ国との間で租税条約をかわしているためです。こんなふうに、本書を読めば、外貨建て資産を投資した場合の税金について、手に取るようにわかるのです。
 投資家として、ここまで知る必要があるのか、やや疑問にも思いますが、税金の問題は、やはり無視して通ることはできないのですから、一読しておくといいと思います。


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2008年03月22日

住友信託銀行は振り込みのたびにレポートを郵送してきます。

 乙がネットで送金しようとするとき、最近は住友信託銀行の振り込みを利用することが多くなりました。
2008.1.4 http://otsu.seesaa.net/article/76319416.html
住友信託銀行では、今はキャンペーン期間中ということで、口座残高にかかわらず月5回まで無料で振り込めます。
 ところで、似たようなサービスをしているイーバンク銀行や新生銀行とちがって、住友信託銀行では、振込を指定すると、そのときにメールが来るとともに、あとで振込が実行されたあとに「振り込んだ」というハガキが来るのです。郵便代50円がかかりますので、これはもったいないです。顧客側としては、ありがたいと思う人がいるかもしれませんが、乙の場合、ハガキをもらっても無意味であり、ゴミ箱直行です。むしろ、何のハガキか、内容を確認するために、糊で張り合わされた紙をはがす手間が(数秒程度ですが)かかるだけめんどうです。
 実際に振り込めたかどうかは、ネットで自分の口座明細を見ればすぐにわかるのですから、それだけで十分ではないでしょうか。あるいは、毎月1回、取引の明細がお取引レポートという形で送られてきますが、それでも間に合います。こういうハガキは廃止しましょう。
 住友信託銀行がこんな高コスト体質だと、キャンペーンがすぐ終わるとか、別の副作用が起こってきます。乙としてはむしろそちらが心配です。

 ちょっと気になったので、乙は、住友信託銀行のインフォメーションデスクに電話して、こういうハガキを送らなくてもいい旨、言ってみました。すると、今は、システム上すべてハガキを出すことになっているので、特定個人だけそういうことをしないようには指定できないというのです。やれやれ。
 電話の係りの人は、上司に乙の希望(こういうハガキを一斉に取りやめること)を伝えると言っていましたが、さてどうなるでしょうか。
 たかが50円、されど50円です。
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2008年03月21日

森智紀(2007.10)『海外ファンド投資プラン』すばる舎

 乙が読んだ本です。「プライベート資産1000万円を4年で倍にする!」という副題が表紙に書かれています。
 海外ファンドを利用して、資産を大きくしようという趣旨の本です。
 では、具体的にどうやってこういう海外ファンドを買うのか。それは、本書の p.70、p.147、末尾(p.191)、奥付に明記されています。グローバルレポート社
http://www.globalreport.co.jp/
へ連絡するようにとのことです。著者の森氏はグローバルレポート社の主幹だそうです。
 これで、本書の性格がわかってしまいました。日本の危機をあおり立て、不安を抱いた人たちを海外ファンドに誘導し、結果的にそれで儲けようというビジネスです。つまり、浅井隆氏のやり方
2006.2.20 http://otsu.seesaa.net/article/13495488.html
と同じです。奥付にある著者紹介を見ても、日本国破産に関するものを何点かお書きのようで、これまた浅井氏と同様です。
 ちなみに、グローバル会員は年会費 42,000 円だそうです。こういうお金を払いたい方はどうぞ。こんなお金を払わなくても、十分海外ファンドは買えます。

 p.102 では、3万米ドルを送金しても、コルレスチャージがかかって、3万ドルピッタリで先方に入金されるとは限らず、したがって海外ファンドが買えないことがあるとしています。したがって、プラス100ドルくらいして送金すればいいとのことです。乙の経験では、そんなことはありません。せっかくの3万ドルの申し込みを、数十ドル不足だからといって断るなんて、ファンド会社としてももったいないではないですか。当然、受け付けてくれます。29,950 ドルから運用を始めるのです。コルレスチャージは海外送金の常識なので、ファンド会社はわかっています。
 ところで、これに関連して p.103 には、「100万ドルくらい多めに振り込む!!」と書いてあります。100 ドルの誤字ですが、大笑いできる誤字でした。
 著者は、本書で元本保護型のファンドをすすめています。6割を国債購入に充て、4割でハイリスクな運用をするというわけですが、この考え方は変です。自分で資金の6割を国債購入に振り向ければ、あとは全部ハイリスク運用でかまわないということになるはずです。購入手数料は、全資金にかかってくるわけですから、国債を買う分の購入手数料は節約したいところです。
 p.93 には、S社のAファンド、Bファンドの話が出てきます。これはスーパーファンド社ですね。何もS社などと名前を隠すことはないように思いますが、……。いずれも、2003 年ころから、あまりパッとしない成績です。
 ところで、では、著者のいうように、海外ファンドは年率 10% で増えていく凄腕ファンドなのでしょうか。
 実は、本書では、いちばん大切な為替の問題にまったく触れていません。米ドル建て、豪ドル建てのファンドは、それぞれの通貨で考えれば、たしかに 10% 程度の運用が可能なのですが、円高になると、とたんに(円で考えた場合に)資産が減ってしまいます。で、今後、円高・円安の方向性はどうなのかという問題が出てきます。今のように、海外が高金利、日本が低金利という状態が長く続けば、(為替レートはそれだけで決まるものではありませんが)理論上は円高になります。つまり、安定して年10%のリターンがあるとばかりは言えないのです。
 まあ、ここを避けているのは、一番難しいところだということもあるのですが、それにしても、安易に海外ファンドに走らない方がいいかもしれません。


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2008年03月20日

香港で人民元建て債券が買える?

 乙はうっかりしていたのですが、昨年、香港で人民元建て債券が買えるようになったようです。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0810&f=business_0810_003.shtml
によれば、(2007.8.10 の記事ですが)中国輸出入銀行が実際に発行したとのことです。
http://j.peopledaily.com.cn/2007/09/25/jp20070925_77307.html
によれば、(2007.9.25 の記事ですが)中国銀行の人民元債券に香港でオファーが殺到したとのことです。
http://jp1.chinabroadcast.cn/151/2008/02/21/1@112600.htm
によれば、(2008.2.21 の記事ですが)国家開発銀行の2金融債に応募が殺到したと伝えています。
 人民元建て債券に個人投資家が応募できるとすれば、実質的に人民元投資が可能になるわけで、投資方略を考える上で通貨の分散がはかれることになり、意味があります。
 そこで、さっそく(というよりは「遅ればせながら」というべきですが)HSBC 香港のサイトで調べてみました。
https://www.ebanking.hsbc.com.hk/1/2/investments/bonds/buy?__cmd-All_MenuRefresh=
のページから Currency を「CNY Renminbi」に指定して「Search」を押してみると、おやおや「No available bonds/CDs.」となってしまいました。現在、HSBC 香港では扱っていないということです。昨年の9月にはここで買えたのかどうかもわかりません。そもそも HSBC 香港ではこういう債券を扱っていなかったということも考えられます。
 人民元債券を購入するためだけに香港の証券会社に口座を開設するかと考えると、まあ、そこまではしないような気がします。
 記事を見たときは、人民元投資に期待が膨らんだのですが、急に醒めてしまいました。
 おいしい話は、そうそうころがっていないということです。そもそも、こういうニュースに半年経ってから気づいても、それは遅すぎるというものです。
 ま、次の機会を待ってみましょう。
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2008年03月19日

野口悠紀雄(2007.6)『資本開国論―新たなグローバル化時代の経済戦略』ダイヤモンド社

 乙が読んだ本です。
 とてもおもしろくて、一気に読んでしまいました。野口氏は、本当に頭のいい人だと思わせます。
 野口氏の議論は、日本の経済的・政治的なありかたと今までの変遷を見事なまでに解き明かしています。本書を読むと、実に説得力があるので、野口教の信者になってしまいそうです。こんな人が総理大臣になったら、日本は大いに変わることができそうです。
 「はじめに」が9ページほどありますが、超忙しい人はここだけ読んでもいいかもしれません。ここに本書で述べられていることのエッセンスが圧縮されています。もっとも、これを読むと引き込まれてしまって、本書を1冊全部読むことになってしまいそうですが。
 「はじめに」の p.iv を読むと、「社会主義国の崩壊とIT革命が世界を変えた」ということで、今の世界の変化をマクロに見通しています。ITについては、言及する人が多いでしょうが、社会主義国の崩壊によって市場経済圏が使える労働力が一挙に増加し(約30億人)、これが世界を変えたというのはおもしろい視点です。製造業が中国などに移ったことをひとことで説明してしまいました。
 第1章「企業栄えて家計滅ぶ」では、日本の減少した賃金所得などを論じ、これがグローバリゼーションによって起こったことを論じます。したがって、格差是正策や成長促進策では解決できないというわけです。日本経済を考える上で、このように世界の中で位置づけるという見方は当然なのでしょうが、自分ではなかなかできないことです。
 第2章「世界の大変化に追いつけない日本」では、なぜ日本が世界の中で没落しつつあるのかを説明しています。世界全体で、「脱工業化国」が躍進し、「産業大国」が没落しているわけです。これが21世紀型のグローバリゼーションです。日本は、当然後者です。したがって、没落するしかないというわけです。
 第3章「量の拡大でなく、質の向上を」では、少子化問題や年金問題を取り上げています。p.92 では、少子化でなくなっても(出生児数が今後仮に2倍になったとしても)人口の高齢化はなくならないということが説かれます。乙は、この点、まったく勘違いしていました。また、p.110 では、日米主要企業の価値を比べ、従業員一人あたりの時価総額によって、3グループにしています。その結果、Aグループの優良企業はすべてアメリカの会社で、日本の会社は、優良会社といわれているもの(トヨタ、キヤノン、ソニーなど)でも、Bグループにしか過ぎず、伝統的巨大企業(富士通、日立など)はCグループでしかないことが示されます。日本の電気機器産業は、今や衰退グループなんですね。p.115 では、トヨタもキヤノンも日本の未来は支えきれないとしています。う〜ん、大変な話です。日本の企業は、誰でもできるようなことを安くやってきたわけですから、この方向性では全部ダメに見えてきます。日本は金融業が決定的に遅れてしまっているんですね。
 第4章「難題山積の財政改革」では、財政再建、年金問題、消費税などを見通します。p.150 で示されるように、年金を精算しようにも、現在すでに 800 兆円不足しているとのことで、すでに精算できなくなっているんですね。今後は暗い見通ししか持てません。
 第5章「法人税減税では日本経済は活性化しない」では、日本の法人税は諸外国に比べて決して高くないし、法人税が生産コストを規定しているわけではないと説明されます。この章もおもしろい話でした。
 第6章「資本開国こそが日本を活性化する」では、日本がすでに資産大国になっていることを述べ、それにふさわしいあり方を説明しています。それが「資本開国」であり、外国の資本を日本に積極的に導入するべきだということになります。
 そんなわけで、本書は、日本の現在置かれている状況を的確に把握し、これからどうするべきかを明解に示しています。
 こういうことを考えるのは、本来は政治家の役目なんでしょうが、今の政治家を見ていても、どうしようもないようにしか見えません。本書の最後の2行は意味深長です。「こうした日本の現状を見ると、無力感にとらわれる。この状況がいつかは是正されることを、願ってやまない。」どうですか。野口氏も「無力感」と言っています。このままではいけないということなんですが、日本の変わるべき方向を政治家は示していません。今後、そういう政治家が現れるのでしょうか。乙は、「無力感」よりも「絶望感」を感じます。こんなことを考えると、投資家としても、日本に見切りをつけ、海外に注目する方がいいように思えてきます。
 ともあれ、本書は日本の経済の現状をトータルに説明している良書だと思います。
 最後に付言しますが、p.28 の図 1-4 は p.73 の図 2-2 と同じですし、p.29 の表 1-8 は p.72 の表 2-5 と同じです。画竜点睛を欠くようで、ちょっと残念な点でした。

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2008年03月18日

マン社から e レポーティングの案内

 マン・インベストメンツは、月次レポートを郵便で送ってきますが、このたび、メールで電子的に送ってくるようになるようです。紙よりは電子媒体のほうがはるかに便利です。到着が早いでしょうし、なくなりませんし、パソコンの中に保管しておけばスペースを取らず、後日それを探せますし、メリットは大きいと思います。
 さて、その手紙は当然英語で書いてあるのですが、今回はそれに日本語の訳が付されていました。なるほど、マンに投資している日本人が多いということですね。
 日本語訳は、こなれていて、日本語母語話者が翻訳したものと思われます。
 しかし、訳がちょっと気になるところもありました。
 日本語訳のほうでは、「この書状に同封されているフォームに投資家様のID (Investor ID) と氏名、e-mail アドレスをご記入の上、ご署名をお願いいたします。」となっているのですが、対応する英語は「Simply complete the attached form」とあるだけです。乙は、そもそも Investor ID などというものがあることを知りませんでしたし、フォームを見てもそんなのを書く欄はないのです。
 なぜこんなことになったのでしょうか。
 もしかしたら、草稿段階ではそういう記述があり、日本語訳はそれに基づいているのに、決定稿では別の文言に改められているのでしょうか。
 せっかくこなれた日本語訳をしても、内容がこれでは、ずさんな感じがしました。
posted by 乙 at 05:50| Comment(1) | TrackBack(0) | 海外ファンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月17日

三菱東京UFJ銀行のスーパー普通預金で口座手数料の引き落とし

 乙は、三菱東京UFJ銀行に口座を持っていますが、
2007.5.21 http://otsu.seesaa.net/article/42399072.html
実際は休眠口座で、数千円を入れたままにしてあります。
 さて、先日、妻が突然「スーパー普通預金で残高が10万円を下回ったので、口座手数料 315 円がかかってしまった」という話をしてきました。乙は、数千円しか入れてなくても、口座手数料はかかっていないので、おかしいと思いましたが、Web を見ると、普通預金の他にスーパー普通預金というのがあるようです。妻は、両方があるということを知らなかったようでした。
 スーパー普通預金にどんなメリットがあるのか、Web を見てみると、
http://www.bk.mufg.jp/kouza/yugu/mb/shinfutsu/index.html
ATM時間外手数料が無料となるとか、金利が若干高いとか、一応は優遇措置があるようですが、大した話ではありません。口座残高が10万円以下では、1ヵ月 315 円がかかるわけですが、これは非常に高いと思います。
 そして、
http://www.bk.mufg.jp/kouza/yugu/mb/shinfutsu/ryui.html
によれば、「5. スーパー普通預金から一般の普通預金【中略】へのお切り替えはお取り扱いしておりませんので、あらかじめご了承ください。
※ 新システムへの移行後、スーパー普通預金から一般の普通預金へのお切り替えができるようになります。」とあります。新システムへの移行は2008年の5月だそうですが、利用者には迷惑な話です。
 今回の話は、普通預金口座を開設するときに、確認をおこたった妻が悪いということです。
 スーパー普通預金は、口座開設後1年間は口座手数料がかからないとのことなので、安心して使っていると、1年後に 315 円がかかってあわてるというケースもありそうです。
 妻は、この口座を解約すると言っていました。とあるクレジットカードの引き落とし先になっているとのことですが、引き落とし先を他の銀行口座に変更すれば、あとは何も問題がありません。

 今回の話はそれとして、乙としては、大手銀行の普通預金口座でも口座手数料を徴収するようになってきたという点が興味深かったです。いよいよ銀行側から預金者の選別が始まったのですね。預金口座がないと、各種の自動引き落としや他人からの金銭の受領ができませんから、日常的に不便です。さて、今後、銀行業界はどちらの方を向いていくのでしょうか。
posted by 乙 at 05:44| Comment(5) | TrackBack(0) | 金融機関 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月16日

危機感駆動型の日本

 乙は、竹中正治氏による NBonline の記事を読みました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080310/149475/
日本は、危機感をあおるようなネガティブなニュースが多いのに対して、アメリカはそうでもないという話です。これが経済ニュースだけでなく、日常生活の中にも見られるという指摘です。
 一種の日米文化論でもあり、大変興味を持ちました。
 乙の経験でも、「危機感」にあおられたことがありました。そもそも最初に乙が海外に銀行口座を開設したのだって、破綻本を読んだりして、日本の先行きに危機感を持ったためでした。今となっては、笑い話ですが、当時は真剣に悩んだものです。
 結果的に、海外口座はそれなりに活用しているので、当時の判断が間違っていたとは思いませんが、それはたまたまそうであったというだけで、実は危ない橋を渡っていたのかもしれません。まあ、乙の視野が広がったように思いますし、香港に遊びに行くついでに銀行で手続きをしたりすることもありましたから、
2007.9.21 http://otsu.seesaa.net/article/56386470.html
それなりに海外口座を楽しんできたように思いますし、これからも海外口座を活用する意思は変わりません。

 ところで、最近のサブプライム・ローン問題および世界同時株安も、日本では危機感を持つ人が多そうです。乙も、基本的にそう思っています。
2008.1.14 http://otsu.seesaa.net/article/78351629.html
欧米の動きを見ていると、当局がそれなりに対応しているように見えますが、日本は何をやっているのか、まことに心許ないと思います。
 しかし、これも、もしかしたら「危機感の持ちすぎ」なのかもしれません。今のところは様子見ですが、もう少し先に日本経済が持ち直してくれば、それから資金を日本に差し向けてもいいように思っています。ただし、乙の場合、一度海外に出て行った資金は、15年後の消費の時期まで、日本に返ってくることはないと思っています。
posted by 乙 at 01:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月15日

今年の確定申告

 乙は毎年この時期になると確定申告をします。
 今年もめんどうな計算をしました。いやはや。
 今年、特にめんどうだと思ったことは、損益通算の処理でした。
 乙の場合、株の取引で収入があったのですが、一方では、GS グローバル・マーケット・ストラテジーの売却で損失が出たのです。
2007.8.22 http://otsu.seesaa.net/article/52266643.html
 まずは、税務署に電話して、損益通算できるかどうか、尋ねました。税務署側がしばらく調べてから、OKの返事が来ました。
 株式の取引は、源泉徴収ありの特定口座で行っていますから、証券会社から送られてきた投資家交付用の年間取引報告書で全部明らかです。
 一方、投資信託のほうは、もう少しめんどうでした。購入時の2004年10月26日の送金額は手元に記録してあったので、それを書いて、損失額が 148,706 円ということになりました。
 普通は、損益通算しなければ、株の取引は分離課税ですから、確定申告には何も関係ないわけですが、損益通算するとなると、とたんにややこしくなります。
 第1に、第三表というのを書かなければなりません。
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki01/shinkokusho/05a.pdf
これがけっこう大変でした。第二表から、途中抜け出して計算して元に戻るわけですが、四苦八苦でした。おまけに第三表の用紙がなく、ネットでダウンロードして印刷したものを使ったので、3枚ほど同じことを書くことになりました。
 第2に、計算明細書
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/pdf/10.pdf
を書くのですが、これが、また大変で、特定口座でなければ、書けるのですが、特定口座の場合の書き方がわからなかったです。証券会社からの書類は、すべてまとめられていますからね。結局、計算明細書は1面だけの記載でいいようです。
 第3に、住民税の書き方がわかりませんでした。特定口座では、所得税7%と住民税3%で合計10%が源泉徴収されるのですが、源泉徴収税額の欄は7%の分を書くだけなのです。では、3%はどこに行くかというと、第二表の住民税の欄に書くわけです。これがわからなかったですね。
 乙は、初めての経験でしたので、けっこう悩み、記入に数時間ばかりかかってしまいました。(もっとも、源泉徴収票が数十枚あるので、これを整理するだけでも大変なのですが。)
 今年の確定申告でもう一つめんどうだと思ったことは、税金の徴収方法でした。今までは、郵便局に行って直接払い込んでいたのですが、銀行口座からの自動引き落としが可能だというわけで、イーバンク銀行を指定したところ、ネット銀行ではダメなのだそうです。後日税務署から電話がかかってきて、ネット銀行以外の口座を指定するようにいわれました。こんなことがあるとは思いませんでした。まだまだ日本ではネット銀行が十分使えないようになっているんですね。

 ともあれ、確定申告を終えて、ほっとしました。でも、振替納税でけっこう多額の税金を払うことになるので、こればかりはズシンと「痛み」を感じました。
ラベル:確定申告
posted by 乙 at 07:16| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月14日

新銀行東京は潰すしかないでしょう

 大前研一氏のコラムには、以前にもコメントしましたが、
2008.2.15 http://otsu.seesaa.net/article/84081781.html
大前氏は最近のコラムで再度、新銀行東京を取り上げています。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/122/
いよいよ瀬戸際だということです。
 石原慎太郎都知事は、自分が作った銀行なのに、前経営陣の責任を追及するなどというばかげたことを言っているわけですから、あきれてしまいます。
 大前氏は、今回のコラムで、新銀行東京が大手銀行にとって「ネギをしょってきたカモ」に過ぎなかったと喝破しています。なるほど、これが大失敗の真相なのですね。乙は、こういう考え方を知りませんでしたが、このコラムを読んで、目からウロコが落ちました。
 大前氏は、さらに、東京都の取引業者への違法な貸付などもあるだろうと予測していて、さもありなんと思わせます。
 もう、新銀行東京は潰すしかない段階でしょう。
 金融庁も、さっさと検査を実施して、変なウミを全部都民の前に見せてしまう必要があるように思います。
 今回の問題を踏まえて、もしも東京都が新銀行東京に追加出資するとしたら、どういう条件がクリアーされればいいか。ブログ「ビジネスとしてのペガサス」の中で、サナカンダさんがズバリ指摘しています。
http://pegasus-n.blog.so-net.ne.jp/2008-03-12
新銀行東京に増資するなら石原さんは自分の個人資産をこの銀行に投資してこの投資が安全であることを身をもって都民に証明してほしい。都民の納得できる資産額を。賛成する議員や経営陣も当然。そうでないと、都民は納得しませんよ。

 そうです。これです。都民の税金400億円を勝手に使われたら、都民として気持ちが収まりません。
 サナカンダさんの記事を読んで、乙は、胸の溜飲が下がる思いがしました。
posted by 乙 at 05:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融機関 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月13日

国際金融シンポジウムに参加しました

 乙は、3月11日に財団法人 国際通貨研究所
http://www.iima.or.jp/
が主催する第16回 国際金融シンポジウム「サブプライム危機と国際金融の新局面 〜危機の教訓とこれからの国際金融・通貨体制の展望〜」
http://cos.congre.co.jp/iima2008/j/
に参加しました。サブプライム・ローン問題を取り上げたシンポジウムでした。
 東京會舘で行われました。参加者は 300 名ほどだったでしょうか。
 最初に、行天豊雄氏による挨拶がありました(17:00-17:15)。挨拶といっても 15 分もあるもので、ちょっとした講演並みです。しかし、中身はあまりなく、すでに知られているようなことに過ぎませんでした。
 挨拶が始まると、会場にいた参加者たちが一斉にペンと紙を取り出しメモを書き始めたことに驚きました。不思議な感覚でした。
 次に竹中正治氏の基調講演(17:15-17:36)がありました。
 内容は、Web でも(PDF ファイルで)見ることができます。
http://www.iima.or.jp/pdf/200803-2.pdf
当日はこれがパワーポイントで示されました。
 米国は景気後退になっており、今年の後半にならないと回復しないだろうということでした。
 続いて、ロバート・A・フェルドマン氏の講演(17:36-18:00)でした。
 資料は Web にありますが、
http://www.iima.or.jp/pdf/20080305-f.pdf
実際は、その4ページ目を主として示しながら、いろいろな話が進みました。
 サブプライム・ローン問題では、債務者も債権者も監督者もそれぞれの立場で間違いを犯しているという主張でした。倫理が欠如し、解決まで時間がかかるだろうということが印象的でした。
 それから、パネルディスカッションになり、小島明氏(18:00-18:13)に続いて、榊原英資氏(18:13-18:20)が話しました。現状を金融バブルの崩壊ととらえ、金融収縮が起こっている以上、まだまだ問題は拡大し、日本も深刻化するということでした。
 そのあとで、司会者を含め5人によるディスカッションになりました。榊原氏は、為替に関して話題が振られ、円安バブルの崩壊だとし、1年〜1年半は円高になり、株も下がるだろうという見通しを述べました。フェルドマン氏は、G7という枠組みを古い仕組みだと指摘し、中国やインドなどをくわえるべきだとしました。行天氏は、アメリカの経常収支赤字額の対GDP比は下がるだろうとし、円もドルも安いがどちらかというとドルがさらに安くなるという見方を示しました。
 為替は、きわめてむずかしいものなので、これらのパネリストがきちんと予想できるとは思いません。まあこういう意見もあるという程度で十分でしょう。
 その他、一次産品の価格上昇の問題、SWFの問題、サブプライム・ローン問題の今後の見通しなど、いろいろな話題に関して話が展開しました。19:03 に終了しました。
 全体としての感想ですが、日本の現状の把握、今後の経済見通しとしては、すでにあちこちで言われていることを再確認する意味合いが強く、新しい解釈とかが聞けたとも思えません。シンポジウムとしては、まあこんなものかなという感じです。
 ついでに言えば、榊原氏はマイクの使い方が下手で、前を見て話すだけでなく、ときおり左右にいるパネリストを見ながら話すために、マイクと口との距離が大きく変わり、スピーカーを通して聞くと音量の変化が大きくなり、しばしば聞こえにくくなってしまいました。また、マイクの前でガハハと笑うので、その笑い声が会場に大きく響き、その間の他の発言者の声が聞き取りにくくなりました。マスコミ慣れしているはずの人なのに、意外な側面がありました。
 19:10 からレセプションがありました。乙は、会場に来ている人たちがどんな人なのか、よくわからなかったので、参加者の一人 I さんに声をかけてみました。I さんは、某銀行のリテール関連部門に所属しているということで、乙が個人投資家であることを言うと、ラップ口座などを勧められてしまいましたが(笑)、乙は、ラップ口座には手を出さないと決めているので、
2006.10.11 http://otsu.seesaa.net/article/25246641.html
I さんの営業活動は不発に終わりました。
 それはともかく、シンポジウムにはこういう銀行関係者などが聞きに来ているのだなあと思いました。
 乙は、単に日経BPの関連サイトで見かけて、申し込んだだけですが、シンポジウムを聞いて、レセプションにも参加できる(しかも全部無料)というのはありがたい話でした。こういうシンポジウムを毎年1回行っているとのことなので、次回も参加してもいいかなと思いました。

 財団法人 国際通貨研究所は、三菱東京UFJ銀行の日本橋別館の12階にあるとのことですから、三菱東京UFJ銀行の系列の組織なのでしょう。今回の国際通貨研究所関係者でシンポジウム登壇者のプロフィールを見ても、旧東京銀行の関係者が多いようです。
posted by 乙 at 05:38| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月12日

山本勇作(2007.11)『不動産ファンド当事者の告発 不動産が危ない!』株式会社扶桑社

 乙が読んだ本です。
 タイトル通りの内容です。
 著者の山本氏は不動産業界を知り尽くしている人のようです。現在はハワイ在住だそうですが、もしかして日本国内に在住していると、ちょっとやばいところがあるのでしょうか。(失礼な言い方ですが、これは乙の勝手な推測です。)こういう告発本を書く以上、著者の名前はペンネームなのでしょう。
 p.11「本書に書かれていることは、すべて「不動産ファンド当事者」から提供された極秘情報をもとにしている。」とあります。こういう言い方は、相当に気になります。第1に、情報が「極秘」ならば、そのことは本に書けないものです。書いてしまったら、提供者に迷惑がかかるのは当然でしょう。そもそも提供者が山本氏に語ったところで「極秘」ではなくなっています。第2に、出典不明の情報は、第三者が確認できないから信頼できないものだといえます。公表されていない情報だから、出典はないとすれば、やはり真偽不詳という扱いをされなければなりません。第3に、極秘情報をもとにして、なぜこういう本を書くのか、著者に何のトクがあるのかという問題です。印税がそんなに大きいとは思えません。本を書くよりも、極秘情報を活かす別のやり方があるように思います。乙は、極秘情報の提供者のかなりの部分が山本氏自身ではないかと思います。つまり、自分の経験した話を書いているように読めます。それくらいにリアルです。
 p.108 REIT が私募ファンドの出口になっているという点を指摘しています。p.138- にも同様の記述があります。不動産ファンドで儲けるのは私募型であって、REIT ではないということです。それはそうかもしれません。しかし、REIT には明確な出口戦略がないわけでしょうから、この話は衝撃的です。
 p.137 不動産ファンドの実態は不動産転がしだとしています。本来の家賃収入に基づく運用ではないというのです。これは、投機的な動きであり、こういうビジネスが長期的に安定して行われるとは思えません。
 p.168 マンションなどの建設反対運動を描いていますが、反対運動にはカネだというのは興味深い事実でした。裏の世界の汚いところですね。まあ、結果的にうまく再開発できればいいのでしょうが。

 本書は、不動産ファンドを中心にして、業界の汚いところを詳細にレポートしています。
 こういう本を読むと、J-REIT などに投資する気は起こらなくなります。
 まあ、もともと乙は J-REIT には、否定的でしたが、
2006.3.27 http://otsu.seesaa.net/article/15545891.html
 最近、J-REIT 指数(東証 REIT 指数)を調べてみると、
http://www.ares.or.jp/jreit/k_jreit_001a.html
http://quote.tse.or.jp/tse/quote.cgi?F=histidx/HistIndex&basequote=155&mode=D
いやはやすごいことになっています。一時 2500 ポイントにもなっていたものが、最近は、1400 ポイントを下回るようになっているのですからねえ。
 J-REIT には、いよいよ未来がなくなってきたように感じます。
 でも、もしかしたら、外国の REIT も同様な問題を抱えているのでしょうか。単に日本の投資家まで情報が届いていないということでしょうか。


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2008年03月11日

iShares Euro Government Bond 3-5 (IBGX=BGX)

 乙が購入した ETF です。
http://www.euronext.com/trader/summarizedmarket/stocks-2783-EN-IE00B1FZS681.html?selectedMep=2
 目論見書も(英語ですが)ネットで読めます。
http://www.euronext.com/fic/000/020/276/202766.pdf
 ユーロ建てでヨーロッパの国債に投資します。Expense Ratio は 0.20% と格安です。年2回の分配金があります。
 以前に購入した ISHARES Euro Government Bond 1-3 (IBGS=IBU)
2008.1.26 http://otsu.seesaa.net/article/80652803.html
と同じようなもので、違いは国債が短期か中期かということだけです。3-5 年後に償還される国債で運用しているという、わかりやすい命名です。
 ヨーロッパ債券に投資するには便利な ETF だと思います。
 しかし、ここ数年来、 EURO が高い(円安)ので、これから EURO 安(円高)になるような気がして、購入にはちょっとだけためらいがありました。まあ、為替相場なんて予想があたらないのが普通なわけですけれど、……。
 株式がパッとしないときは、債券投資という手もあります。
posted by 乙 at 05:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ETF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月10日

中桐啓貴(2007.12)『隠れたお金持ちが、みんなやってる投資の法則』クロスメディア・パブリッシング

 乙が読んだ本です。「億万長者になる一番シンプルな方法」という副題が付いています。
 題名に引かれて、期待して読んだのですが、残念ながら乙の好みには合いませんでした。
 投資に関係する10話のショートストーリーを示し、それに付け加えて解説があるというスタイルです。しかし、このショートストーリーが成功したとは思いません。創作ですから、いつのどこの世界の話か定かではなく、なんなる寓話です。しかも、それがありえないような話になっていると、興ざめでしかありません。
 たとえば、第2話ですが、3人の父親と1人の母親から生まれた女の子が、どんな夫(3人)と結婚するかという話です。別の星の話だということになっていますが、こういうことはありえないと思います。3人の父親は、競争状態になり(けんかになり)、1人だけが結婚し、あとの2人はあぶれるのが普通です。地球上の生命はそうできています。その結果、よりよい子孫が残るというわけです。
 この話が、分散投資のすすめと関わってきます。3人の父親の働き方と稼ぎが違うから、どういう状態になってもこの母親は大丈夫で、したがって、娘に3人の違ったタイプの男性と結婚しなさいというアドバイスをするわけです。
 この話を読んで、乙はどうにもしらじらしく思いました。ありえない話よりは、もう少し別のたとえ話にした方がよかったと思います。
 10話ともこんな感じなので、乙としては、こういうショートストーリーの部分を省略してコンパクトにしてくれた方がよかったと思いました。
 203ページの本ですが、全体がこういう調子で書いてあるので、あっと言う間に読み切れます。
 乙がおもしろく思ったのは、p.70 で、アメリカと日本の投信を比較しているところでした。アメリカでは、発売から10年以上経過した長寿投信が運用残高の 65% を占めるのに対し、日本ではたった 5% しかないとのことです。また、運用残高規模で上位15位の投信を見ると、アメリカでは15本すべてが10年以上運用しているのに対し、日本では10年以上の投信がゼロだということです。日本の投信が本来のあり方を逸していて、まるでいびつな形になっていることがわかります。これでは日本の投信に未来はありません。
 続いて p.71 では、さわかみ投信やセゾン投信を取り上げて「成果を出している」と評価していますが、それだけでは日本としてさみしい限りです。
 ともあれ、本書は、「法則」とはいえないような書き方で書いていることで、題名と内容にギャップがあると思いました。
 間違っていることを書いているわけではないので、その点では許せるのですが、もう少し書きようがあるように思いました。著者の意気込みが空回りしているようでした。


ラベル:中桐啓貴
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2008年03月09日

みずほ銀行もワンタイムパスワードを導入へ

 乙はみずほ銀行からメールをもらい、みずほ銀行もワンタイムパスワードを導入することを知りました。
http://www.mizuhobank.co.jp/direct/info/onetime0803.html
 しかし、ワンタイムパスワード専用の表示端末、トークンの発行手数料 2,100 円がかかるというのです。何とけちくさいことでしょう。
 しかも、この記事によれば、「*トークンの電池が切れた後、引き続きワンタイムパスワードをご利用いただく場合は、更新発行手続が必要です。なお、再発行時、更新時にもトークン発行手数料が2,100円かかります。」とあります。二重にけちくさい話です。
 トークンの発行手数料を徴収するということは、利用者に「自分の口座を守ることは利用者自身の責任です。そのためのお金を払いなさい。」といっていることになります。もしもこれが無料ならば「当行が責任を持って利用者のお金を預かります。」ということになります。利用者から見てどちらが安心感があるかは明らかでしょう。
 今回の処置で、実際に銀行側に手間がかかり、トークンの分のコストがかかるのは理解できますが、全利用者に一斉に無料送付する方が、希望者だけに個別に送付するよりも安くて管理の手間がかからないように思います。宣伝費と考えれば、無料送付もありだと思います。
 もっとも、一部の利用者はワンタイムパスワードの使い方がわからないでしょうから、強制的にトークンを導入すると、それをわかってもらう手間がかかるわけですが。
 みずほ銀行としても、そのあたりを検討した上で今回のようなことを決めたのでしょうが、さて、導入に当たってどんな議論が交わされたのでしょうか。
 乙の場合は、今やみずほ銀行の口座は重要でない口座になりました
2006.3.11 http://otsu.seesaa.net/article/14604306.html
から、こういうワンタイムパスワードは申し込むだけ損をするように思います。
 もしかして、口座に違法に侵入され、勝手に引き出されたり送金されてしまったりしたら……あきらめます。もともとそのくらいのお金しか置いていないのですから。
 ある程度の金額を預けている人の場合は、自分の口座を守るために、これを利用してもいいでしょう。2,100 円は保険料といった感覚でしょうか。
posted by 乙 at 05:30| Comment(1) | TrackBack(0) | 金融機関 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月08日

ブログのページ別アクセス統計

 Seesaa ブログでは、各種のアクセス統計が確認できます。
 「ページ別」では乙のブログのどのページが何回見られたかなどというのもわかります。
 しかし、結論からいうと、実際には、あまり役に立ちません。
 たいてい、第1位は index.rdf です。これは RSS リーダー用の情報が入っているページです。
 第2位には、トップページがくることが多いです。http://otsu.seesaa.net/ ですね。たぶん、訪問者のパソコンのブックマーク(お気に入り)にでも登録してあるのでしょう。トップページからだと、最近の記事複数が一緒に見られるという利点があります。
 第3位には、index20.rdf が来ます。ケータイ用の RSS リーダーです。
 あとは、個別の記事が続きますが、最近のものが頻度が高くなりますし、記事の中で URL を示すような場合に、その示された URL がたくさん参照されるという傾向がはっきり把握できます。
 というようなわけで、ブログを読むのには RSS リーダーがしばしば使われるのだということがわかる程度の話です。
 乙が各種ブログを見るときも、実は RSS リーダーを使っているので、まあ皆さんの考えることは同じようなものだということですね。
 これらのアクセス上位3ページのページビューを1ヵ月ごとに集計すると、以下のようになります。パーセンテージは、全部のアクセスに対する当該ページの比率です。
年.月index.rdfトップページindex20.rdf
2008.0234.5%(52,856)18.0%(27,529)6.3%(9,580)
2008.0132.4%(43,077)16.7%(22,225)7.6%(10,044)
2007.1234.8%(40,222)16.5%(19,021)7.9%(9,096)
2007.1133.8%(41,179)16.3%(19,878)7.9%(9,631)
2007.1026.3%(30,980)17.9%(21,110)7.9%(9,317)
2007.0927.8%(26,938)17.9%(17,331)8.6%(8,342)
2007.0824.7%(25,264)17.0%(17,408)7.4%(7,582)
2007.0720.1%(20,487)17.5%(17,876)7.4%(7,577)
2007.0619.5%(15,876)18.7%(15,174)8.3%(6,729)
2007.0518.6%(14,705)17.6%(13,940)8.4%(6,626)

 このように、最近になればなるほど、RSS リーダー経由でのアクセスが多くなっていることがわかります。
 乙のブログを RSS リーダーに登録している人が増えているということだろうと思います。
 上の表では、10ヶ月分を示しましたが、この期間中だけでもずいぶんとアクセスが増えるものなんですね。
posted by 乙 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月07日

吉本佳生(2007.11)『金融機関のカモにならない! おカネの練習問題50』光文社

 乙が読んだ本です。
 クイズ形式で50問が出されます。なかなかおもしろい本でした。
 p.54 株価の予想を連続して当てる方法が説明されています。しかし、数字がちょっと違います。
 1通目の予想メールを10万人に出したとします。予想があたった人に2通目を出すわけですが、それを4万人としています。3通目は3万人、4通目は1万人、5通目は 6000 人としています。実際、そうなのかもしれませんが、株価の上下は確率 1/2 で当たると考えるほうが理論的に自然です。すると、1通目10万人とすると、2通目5万人、3通目 25,000 人、4通目 12,500 人、5通目 6,250 人となります。吉本氏は当然このことを知っているはずですが、なぜこちらの数字を使わなかったのか、不思議に思いました。あえて理論値を少しずらして書いて現実感を醸し出そうということでしょうか。
 p.56 20年続けて株で勝ち続ける人の確率を計算して、0.01% としています。その途中で「株式投資で失敗が続いた投資家が株式投資をやめる確率」を5%として考慮しています。しかし、この5%は勝ち続ける人の確率を計算するときは、値が何であれ計算には関係ないはずです。なぜここでこれを持ち出してきているのか、乙は理解できませんでした。
 p.87 あやしげな商品先物会社と一流有名金融機関で同じファンドを買う場合、大損の確率が高いのはどちらかというクイズが出ます。乙は、まったくわかりませんでした。「同じ」だと思いました。p.88 の解説では、悪質金融商品の購入を取りやめて返金をしてもらう場合、一流有名金融機関のほうが投資家にとって不利だというのですが、この説明を読んでも、どうにも腑に落ちませんでした。
 p.126 成功報酬制は、無謀な投資につながるとしています。しかし、現実は、そうでもありません。成功報酬制を取るヘッジファンドの多くは、ファンドマネージャーに自己資金を投入させているようです。ですから、ファンドマネージャーが損失を出すと、自己資金が減ってしまうのです。というわけで、成功報酬制だけを取り出して、それが危険だというのは、現状にはあてはまらない面があると思います。
 また、ファンドマネージャーの立場で考えても、「後は野となれ山となれ」的な発想で運用するとは、必ずしも言えません。顧客に損失を与えなければ、さらにその後も運用を継続してくれるでしょうから、未来の報酬が期待できます。損失を与えたら、解約が相次ぎ、結局報酬の総額が減ってしまうことも考えられます。一定期間だけの報酬を基準に考えるのか、先まで基準に考えるのかによって判断は分かれると思います。
 もっとも、だからこそ、任期があれば、その中だけの最適な方略を考え、その先のことは考えないということはいえますが。
 p.155 「運用のリバランスを定期的におこなうべきか」というクイズです。金融機関は「下がったら売る」という運用(いわゆる損切りに当たります)をしているから、リバランスは正しくないということです。これには、大いに疑問を感じました。
 金融機関は、総合的な資産運用を心がけているのではないと思います。プロとしてアクティブ運用をおこなっているのではないでしょうか。一方、リバランスはインデックス運用のときに必要になるテクニックです。だから、金融機関がしていないからといった理由で個人投資家はリバランスが不要というのは、議論としてずれているように思います。

 ともあれ、金融リテラシーを高める上で、本書は有意義だと思います。


ラベル:吉本佳生
posted by 乙 at 03:59| Comment(1) | TrackBack(1) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月06日

アクティブ投信が市場平均に勝てるか?

 3月2日の日経新聞の記事が、いろいろと波紋を広げているようです。
http://takaamahara.blog85.fc2.com/blog-entry-158.html
http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2008/03/post_3369.html
http://layup.blog88.fc2.com/blog-entry-201.html
 乙は、新聞記事に触発されて、「アクシア」を購入してもいいかななどと思いました。
2008.3.4 http://otsu.seesaa.net/article/88183895.html
 ゆうきさんは
http://fund.jugem.jp/?eid=621
で、この記事を批判し、
相場の上昇期はインデックス投信よりアクティブ型投信とのことだが、そもそもこの記事は生存バイアスを考慮していないようだ。もともと成績が良くなければ、長期間生き残ることが難しい。そういった生き残ったアクティブ投信とインデックス投信を比較すること自体、あまり意味を見出せない

としています。
 生存バイアスというのは、あるときに多数のアクティブ投信が一斉にスタートしたとして、競争の結果、成績の悪いものが淘汰され(償還され)、結果的に生き残ったものは成績がよかったものになるから、「現在」時点で8年前から運用されているアクティブ投信を持ってきて、「ほら、こんなに成績がいいですよ」といっても、それは偏った(成績のよかった)データを見ていることになるということです。
 ゆうきさんのこの考え方は正しいと思います。しかし、問題は、その先にあるように思います。
 このように8年間の成績が、なぜよかったのかということです。
 インデックス投資の考え方からすれば、どんなファンドマネージャーも、市場平均以上の成績を継続的に出すことはできないので、これは単なる偶然にすぎないということになります。個別株投資でも、偶然が重なって、結果的に大儲けすることは確率論的には必ずあるので、アクティブ投信の場合もそれと同様だということになります。この考え方では、バフェット流の投資術で大きく勝ったことも、単なる偶然に過ぎないということになります。
 一方、長期バリュー投資(そう呼んでいいかどうかわかりませんが)の考え方では、株式市場には効率的でないところもあるので、バリュー株(なぜか割安になっている株)を発掘し、それを長期に保有し、割安でなくなったら売るようにすれば、平均以上に勝つことができると考えています。バフェット流の投資術は、(どういう秘策があるのかわからないけれども)確かに理由があって、バフェットはそれなりの株式選択のノウハウ(目)を持っているのだということになります。
 さて、ここで、長期バリュー投資の考え方からすれば、生存バイアスは、あまり気にしなくていいことになります。ダメなファンドが消えていくのは当然であって、その結果生き残ったファンドにはそれなりの運用技術があるのだと考えます。初めから、インデックスファンド全体とアクティブファンド全体の成績を比べる必要はなく、個人投資家にとっては「優秀な=好成績を上げ続ける」アクティブファンドが見つけられればそれでよいと考えますから、生存バイアスがあっても問題にならないのです。
 逆にいえば、ゆうきさんは、インデックス投資の考え方で上記のような批判をしているということになります。
 こうして、ここから先は信念の問題になってきます。8年間継続して好成績を上げてきたファンドを買った場合、その翌年以降にも継続して好成績が期待できるのか、そんなことはないのかという問題です。インデックス運用を説く本には、10年間の成績トップ10のアクティブファンドが、次の10年でどうだったかを示していたりします。多くは好成績を上げられないという結果です。しかし、これを当然だと考えるのは、かなり勇気が要ります。だって、投資のプロが運用し、バリュー株が結果的に好成績を残してきたという事実もあるわけですから、10年間で好成績を上げたファンドには、何かがあるように思えます。単なる偶然とは思えないのです。まさか、次の10年でぽしゃってしまうとは考えにくいのです。
 インデックス投資と長期バリュー投資の二つの考え方は、相互に矛盾しており、両方とも正しいというのはありえないのですが、乙は、どうもそれぞれにもっともだと思えるフシがあります。ただし、過去の(日米の株式市場の)データから見ると、インデックス投資のほうがいいようで、アクティブ投資の理念はわかるものの、結局コスト負けしそうな気がします。
 信念の問題ですから、何ともいえませんが、乙は、8年間の好成績を上げてきたファンドを少額買って、数年先を見てみたいと思いました。乙のような素人投資家は、自分で経験してみないと、どうも納得できないのです。まあ、その時点で好成績を残していたとしても、インデックス投資の信奉者からは「そんなのは偶然だ」といわれてしまうでしょうが。
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posted by 乙 at 08:01| Comment(1) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月05日

日高義樹(2007.12)『資源世界大戦が始まった』ダイヤモンド社

 乙が読んだ本です。「2015年日本の国家戦略」という副題が付いています。
 本書の目次を示しましょう。

序章 二十一世紀の新しい世界戦争が始まった
第一章 世界は変わる
 第一部 温暖化で北極圏の石油争奪戦が始まった
 第二部 核兵器のない新しい抑止戦略が出現した
 第三部 三十億人の一大経済圏が世界を変えた
 第四部 アメリカでは十年後に新聞がなくなる
 第五部 アメリカと北朝鮮が国交を樹立する
第二章 日本は「世界の大国」になる
 第一部 日本は世界の一流国になった
 第二部 ロボットが日本経済をさらに強くする
 第三部 日本の軍事力は世界一流になった
 第四部 大国日本には影の部分がある
 第五部 日本の指導者が中国を恐れている
第三章 米中の兵器なき斗いが始まる
 第一部 アメリカは中国を抱き込む
 第二部 中国とは軍事衝突したくない
 第三部 中国の分裂を恐れている
 第四部 中国にアジアを独占させない
 第五部 いつまでだまし合いがつづくか
第四章 ロシアの石油戦略が日本を襲う
 第一部 プーチンは石油を政治的に使う
 第二部 プーチンはアメリカを憎んでいる
 第三部 プーチン大統領とは何者なのか
 第四部 プーチンのロシアは混乱する
 第五部 日本とロシアは対立する
第五章 石油高がドル体制を終焉させる
 第一部 石油の高値がドルを直撃する
 第二部 サウジアラビアがドル本位制をやめる
 第三部 ドル体制は追いつめられている
 第四部 アメリカはなぜ嫌われるのか
 第五部 ブッシュのあとドルはどうなる
第六章 「永田町」の時代は終わる
 第一部 日米軍事同盟は幻想だった
 第二部 日米関係はなぜ疎遠になったのか
 第三部 自民党は三つの党に分裂している
 第四部 民主党はなぜだめなのか
 第五部 永田町の時代は終わった
最終章 日本には三つの選択がある

 こうして目次を眺めると、各章・各部のタイトルが文の形になっているため、内容が推測できます。そして、実際その通りです。
 日本がこれからどう進むべきかを考えた本です。投資の本というよりは、むしろ国際政治の本ですが、投資の戦略を考える上でも、おもしろい本だと思いました。
 乙が特におもしろく思ったのは、第一章第一部の北極海の資源を巡る話、それに第四章のロシアの石油戦略の話、第六章第一部の日米軍事同盟の話でした。読み物としてとらえると、「ほ〜っ」という感じです。
 日高氏は、NHKに長く勤め、ニューヨーク支局長、ワシントン支局長などを歴任し、アメリカにずっと住んできた人です。なるほど、本書を読むと「ジャーナリストだなあ」という感じになります。ジャーナリストは、たくさんの情報を得て、それらを総合することに長けています。しかし、それぞれの情報の集め方が問題です。基本的に「取材」です。いろいろな人にインタビューしているのです。
 本書中に出てくる名前を見ると、アメリカの要人たちが並んでいます。アメリカ以外の国の人の名前も出て来ます。日高氏は得意の英語を活かして多くの人から話を聞いたのでしょう。もちろん、こういう取材を行うにあたって「NHK」の名前は威力を発揮したことでしょう。
 しかし、それが日高氏の限界でもあります。それらの話の基になった数字(データ)が出てきません。245ページの本の中に、表もグラフも1枚も出てきません。つまり、すべては「お話」なのです。「お話」とは解釈です。Aさんのこれこれの話とBさんのこれこれの話をつなぎ合わせると、こんなことが考えられるというわけです。それはそうかもしれませんし、それはそれでおもしろい話が組み立てられます。しかし、インタビューでは、インタビュイーは自分の都合の悪いことはしゃべらないだろうし、インタビュアーに対してむしろ何らかの意図を持って特定の発言をすることも十分にあり得ることです。政府高官の話一つにしても、その裏付けとなるデータを集め、確認するとなるとかなりの手間がかかります。研究者ならば、そういうところをきちんと確認するだろうと思いますが、日高氏はここをスキップしています。したがって、話はおもしろいけれども、それがどこまで信頼に足るのかというと、乙はよくわかりません。
 参考文献も1冊もあげられていません。これも、本書の性質を物語っています。
 日高氏が研究者でなくジャーナリストだというのは、こんなところによく現れていると思います。
 なお、本書の記述で一つだけ引っかかったところがありました。p.210 2〜3行目です。「アメリカは朝鮮半島や台湾海峡で軍事行動を起こさなくてはならなくなった場合、在日米軍はもとよりアメリカ軍もまた当然のことに、日本の基地を利用する。」とあります。この書き方では、在日米軍とアメリカ軍を別物としてとらえていますが、それは実態とは違うのではないでしょうか。実際は、アメリカ軍という一つの軍隊しか存在しておらず、その中でたまたま日本に駐留する一部の部隊を在日米軍と(日本が日本語で)呼んでいるだけの話だと思います。


ラベル:日高義樹 資源
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2008年03月04日

アクティブバリューオープン『愛称:アクシア』

 アクティブバリューオープン『愛称:アクシア』は、日本株のアクティブファンドです。
http://www.tdasset.co.jp/fund/0859.html
 日本経済新聞3月2日朝刊17面の「資産運用」欄に記事が掲載されたので、気になりました。
 この記事によると、2000年3月から2008年1月までを取り上げると、国内株アクティブ型のトップの成績なのです。
 このファンドは、バリュー株に投資するもので、TOPIX が下落するときは TOPIX 以上に下落するようですが、上昇するときは、TOPIX をはるかに越えるリターンを出しています。日本株はインデックスファンドや ETF もいいですが、こういうファンドへの投資もいいかもしれないと思いました。
 過去の成績は、未来に当てはまるものではないとはいえ、それなりの成績を残してきたことは素直に評価するべきです。日本株は、現在お先真っ暗の状態ですが、そのうち薄日が差すこともあるでしょう。そんなときに、このファンドは再び好成績を残すような気がします。
 ブログを見てみると、
http://takaamahara.blog85.fc2.com/blog-entry-69.html
http://takaamahara.blog85.fc2.com/blog-entry-70.html
http://takaamahara.blog85.fc2.com/blog-entry-79.html
http://takaamahara.blog85.fc2.com/blog-entry-97.html
http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2007/11/post_718e.html
などで紹介されています。
 乙としては、将来的に、買ってみたいファンドです。ETF とどちらがいいか、どちらにどれくらい配分するかは「賭け」ですが。
続きを読む
posted by 乙 at 05:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 国内投資信託 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月03日

インデックスファンドはインデックスに勝てない

 少し前の話ですが、
http://otsu.seesaa.net/article/87133805.html
に「しょんころすけ」さんからコメントがありました。
「AllAbout北川邦弘の資産運用のノウハウ」 の2007年11月12日の記事 「インデックスファンドは負けないというウソ」の中で、インデックスファンドが市場の指数に対し5年間でMSCI世界株の場合17%も負けているという記事を見てびっくりしてしまいました。また同じく2005年9月13日の記事「TOPIX連動型ETF配当の怪」ではETFでは配当が大口投資家に搾取されていると書いてあり(かなり前の記事なので今は こういうことはないのかもしれませんが・・)インデックス型のETFへの考えが揺らいでしまいました。

 「しょんころすけ」さんからは
2007.12.14 http://otsu.seesaa.net/article/72737982.html
にもコメントをいただいたことがあります。いつもお読みいただきありがとうございます。
 「AllAbout北川邦弘の資産運用のノウハウ」の2007年11月12日の記事「インデックスファンドは負けないというウソ」というのは、次のところにあります。
http://allabout.co.jp/finance/assetmanagement/closeup/CU20071112K/
 また、「2005年9月13日の記事「TOPIX連動型ETF配当の怪」」というのは、
http://allabout.co.jp/finance/assetmanagement/closeup/CU20050831A/
のことです。
 後者については、乙も驚き、ブログに書いたことがあります。
2006.11.19 http://otsu.seesaa.net/article/27800068.html
つまり、この話は本当だと思います。
 前者についても、これは一部は正しいと思います。つまり、インデックスファンドはインデックスに勝てないということです。考えてみればこれは当然で、インデックスファンドはインデックスを上回るリターンは望めません。むしろ、コストの分だけ確実に負けるのです。
 また、「TOPIX連動型ETF配当の怪」にあるように、目に見える運用コスト以外にも隠れたコストがありえます。それがどれくらいあるかは、きちんと計算してみなければなりません。
 では、MSCI 世界株の5年間でインデックスに比べて -17% というのはどう考えればいいでしょうか。
 ここは、北川氏の数字の扱い方に(意図的な?)間違いがあります。
 北川氏は、5年収益率で見たときに、インデックスファンドの平均が 115.43% で、インデックスが 132.87% であるときに、それを引き算して、-17.44% (つまりインデックスファンドのほうが大きく負けている)としています。これは変です。正しくは、次のような計算になります。
 5年収益率が北川氏の表の通りならば、インデックスファンドは、100 の資産が 215.43 に増えたのに対し、インデックスは、100 の資産が 232.87 に増えたのです。両者の比率を計算すると、
215.43/232.87=0.925
となります。インデックスファンドは 7.5% ほど成績が悪いに過ぎません。
 さらに、これを1年あたりに直すと、ざっと 1.5% 程度のマイナスですが、これは信託報酬(0.735%〜1.30725%)よりちょっと大きいだけです。つまり、信託報酬よりも少しだけ大きなコストがかかっているということになります。
 欧州株式も、正しくは、こういう計算をするべきで、北川氏のいうように -38% ではなく、
248.57/286.67=0.867
で、13% ほどのマイナスに過ぎません。5年収益率ですから1年あたりでは -2.8% ほどになります。
0.972×0.972×0.972×0.972×0.972=0.868
インデックスよりもかなりずれていますが、これは一つのファンドだけを取り上げたことによる偶然が働いていたり、そのファンドの特有の事情(運用の失敗)があったりする可能性があると見るべきでしょう。
 以上のように、北川氏の議論は、インデックスファンドのマイナス面を誇張しています。数字を正しく認識すれば、さほど驚くようなことではありません。
 インデックスファンドを購入する場合は、やはり、信託報酬の安いインデックスファンドを利用するしかないと思います。ETF ならば、インデックスファンド一般よりはコストが低いものが多いと思います。バンガードのインデックスファンドは、信託報酬(Expense Ratio) 0.2% などというのもあります。こういうのを利用するわけです。それでも、どうやってもインデックスには勝てないと思いますが、インデックスになるべく近い(大きくは外れない)運用ができると思います。
 インデックス投資の考え方では、インデックス投資に勝とうとするのではなく、インデックスから大きく負けないようにすることをねらいます。

 この件については、Mc.N さんのブログも参考になるかもしれません。
http://mcn.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_5075.html
posted by 乙 at 04:04| Comment(2) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月02日

日経マネーの個人投資家アンケート

 日経マネーが個人投資家のアンケートを行っています。
http://nikkeimoney.jp/0806/index.html
 乙も、ちょっと回答しようかなと思いました。
 しかし、Q51 まで答えて、だんだんばからしくなってしまい、途中で回答を放棄しました。回答時間は、ここまでで10分くらいでしたでしょうか。
 昨年の 8841 人に尋ねたアンケートについては、
2008.2.13 http://otsu.seesaa.net/article/83789783.html
で問題点を指摘しておきましたが、今回のアンケートも相当にひどいものです。日経マネーの編集部のレベルがばれてしまいました。乙は、このアンケートの結果を公表しないことを望みます。こういうアンケートの結果を公表することは、日経マネーも傷つきますし、多くの個人投資家を惑わせますし、これからの投資参加者を間違った方向に導くものだと思います。
 以下、このアンケートに対する批判を書きます。(いいところもあるのですが、それは書きません。)

(1)設問の数がわからない。
 まず、アンケート開始時に、全体の設問の数が指定されていません。アンケートは1問ずつ(場合によっては数問ずつですが)答える形式になっており、どこまでいったら終わりなのか、最初に予想できません。乙は、答え始めましたが、Q51 までで回答を中断したというのは、無限に質問が続くような気がしたからです。せめて、何分くらいで記入が終わるとか、最大で何問であるとか、(途中で「あと半分です」とか)終わりを知らせるような工夫をするべきです。それをしないと、多くの回答者がそもそも回答をいやがったり、回答を始めても途中で逃げたりするでしょう。(乙は途中で逃げたわけです。)逃げないで全部回答した人は、立派ですが、多数の一般的・平均的な回答者と異なる「偏り」を持っている人です。長いアンケートにもめげずに回答できる忍耐力のある投資家です。このアンケートに回答できるだけでも大変な努力家だと思います。
 たぶん、日経マネーではしていないと思いますが、途中で回答を放棄した人の集計も行うべきです。「次へ」ボタンを押したら、そこまでの履歴を記録すればいいのです。それを数十回繰り返します。最後まで回答した人だけをデータとして集計するべきですが、こういう記録を集めれば、途中で回答を放棄した人がいかに多かったかがわかります。

(2)Q2.年間、世帯収入の何%程度を貯蓄・投資に回していますか?
 選択肢は、「0%、〜5%程度、5〜10%程度、10〜20%程度、20〜30%程度、30〜40%程度、40〜50%程度、50%以上」ですが、こういうのが「必須」では困ります。投資に回す割合を決めている人はいいですが、決めてない人(乙はその一人です)は回答がむずかしくなります。また、年によって割合が変動する人(乙はその一人です)も回答に困ります。さらに「世帯収入の」とあるのがやっかいです。夫婦が別会計の場合(乙はその例ですが)配偶者の収入を知りませんから、貯蓄・投資に回す割合が「世帯単位で」計算できません。
 こういう設問及び選択肢を掲げるということは、調査者が、個人投資家はこれこれこういうものだ(たとえば、世帯収入をきちんと把握していて、投資や貯蓄に回す比率を事前に決めて運用している)という偏見を持っていることを物語っています。アンケートでは、そういう態度ではいけません。もっと個人投資家の声を素直に聴く必要があるのです。調査者にはそういう態度が決定的に不足しています。
 こういう質問をする前に、「世帯収入をきちんと把握しているかどうか」を尋ねるべきですし、(それによって質問を変えることになりますが、)先に「投資に回す割合を決めているかどうか」を尋ね、それが YES の場合だけ、この質問をするべきだと思います。後者は、今の質問に対する選択肢として「貯蓄・投資に回す割合を決めていない」という選択肢を付け加えてもいいでしょう。

(3)Q3.現在の金融資産額はいくらですか?自宅用不動産の評価額を含まない概算でお答えください。
 選択肢は「300万円未満、300万〜700万円未満、700万〜1000万円未満、1000万〜2000万円未満、2000万円以上具体的に__」ですが、選択肢の金額の切り方が変です。300万円、700万円、1000万円、2000万円となっています。
 一般に、等間隔で区切るやり方が多いですが、金融資産額などは、多額の人はきわめて多額で、一方、少額な人が多数を占めますから、分布の形がいびつになります。したがって、少額のほうは細かく分けて、多額のほうは大きく区分するのがいいのです。今の区切り方は、幅を計算すると、300, 400, 300, 1000 となっており、これは変です。幅がだんだん広くなるようにするなら、300万円、700万円、1200万円、1800万円くらいがいいのではないでしょうか。どうしても1000万円と2000万円を区切りにしたいならば、300万円、600万円、1000万円、2000万円とするほうがベターです。これなら、幅が 300, 300, 400, 1000 となって、高額のほうが幅が広くなります。

(4)Q4.金融資産の現在の配分を教えてください。以下のカテゴリーにおよその%を記入してください。(合計が100%になるように記入してください)
 以下、サブクエスチョンとして、八つが並んでいます。
SQ1.預金
SQ2.日本株(個別株、投資信託含む)
SQ3.日本債券(個人向け国債、MMF、MRFなど)
SQ4.先進国株式(個別株、投資信託、ETFなど)
SQ5.新興国株式(個別株、投資信託、ETFなど)
SQ6.外国債券(投資信託、外貨MMF、FX、新発・既発外国債券)
SQ7.コモディティ(金、金ETF、コモディティファンド、商品先物など)
SQ8.REIT(国内外とも)・不動産(マイホーム以外の投資用不動産)
 こういう設問体系を考えるということは、個人投資家の金融資産の投資先はこのようにきれいに区分できると仮定しているということです。
 ここで困るのは、グローバル株式ファンドです。投資先として先進国株も新興国株も入っているファンドは、それぞれの投資先の割合を調べて、按分せよというのでしょうか。バランス型ファンドなどもけっこう大変かもしれません。そして、ヘッジファンドが入っていません。まあ大した割合ではないと思いますが、ヘッジファンドはこの8区分ではどこにも入らないように思います。
 ちなみに、合計が 100 にならないような値を記入しても、先に進めるようなので、あまり気にしなくていいのかもしれません。

(5)Q7.過去1年(07年2月1日〜08年1月31日)の運用実績は?株式投資などの含み損益部分(売却前の現状での損益部分)も含めた前年比で、以下の中から最も近いものをひとつ選んでください。
 選択肢は「マイナス50%より悪い」から「プラス30%より高い」まで5%刻みで19カテゴリーに分かれています。これも、なかなか大変です。「株式投資などの含み損益部分(売却前の現状での損益部分)も含めた前年比」をきちんと計算している人はどれくらいいるのでしょうか。しかも、期間が特定の1年と限定されているのですよ。こういうアンケートは、月1回(月末に)自分の資産の洗い直しをしている人でなければ、回答できません。乙のように騰落率を気にしていない
2008.2.14 http://otsu.seesaa.net/article/83933945.html
場合は、答えようがありません。
 きちんと記録している人でも、収入から投資に回す分をどう扱うかによって、求め方はなかなかやっかいだろうと思います。積立などにも同様の問題があります。
 もしも、この設問に適当に回答する人が多かったら(そして乙はそう予想しますが)、このアンケート結果の全体が崩れてしまい、無意味なものになってしまいます。

(6)Q8.過去3年(05年2月1日〜08年1月31日)の運用実績は?
 これまた(5)と同じ問題があります。

(7)Q10-SQ1.過去1年(07年2月1日〜08年1月31日)の運用成果に最もプラスに働いたものを以下のカテゴリーから、ひとつだけ選んでください。
 選択肢は「預金、日本株(個別株)、日本株(日経225miniなど先物・オプション取引)、日本株(投資信託)、日本債券(個人向け国債、MMF、MRFなど)、先進国株式(個別株)、先進国株式(投資信託、ETF)、新興国株式(個別株)、新興国株式(投資信託、ETF)、外国債券(投資信託、外貨MMF)、外国債券(新発債券、既発債券)、FX、金・金ETF、商品先物、コモディティファンド、REIT(国内外とも)、不動産(マイホーム以外の投資用不動産)」です。この設問に正しく回答するためには、資産の増減を、ここにある区分にしたがって分割して記録・計算していなければなりません。しかも毎月です。収入の一部を投資に回す場合、この計算は非常にやっかいです。
 「わからない」を選択肢に入れることもいい方法でしょう。
 Q10-SQ2.も同じ問題があります。

(8)Q17.過去1年(07年2月1日〜08年1月31日)の株式投資の運用実績を概算で教えてください。含み損益部分(売却前の現状での損益部分)も含めた前年比で、以下の中から最も近いものをひとつ選んでください。
 これは、日本株だけに関する設問ですが、(5)と同じく、きわめて答えにくい設問です。
 Q18.は「過去3年」に関する同様の設問です。

(9)<以下の設問で、あなたの株式投資スタイルにより近いものを選んでください>
Q19.投資対象として選ぶのは? (必須)
 選択肢は「成長(グロース)株、割安(バリュー)株」です。
 インデックス投資が選択肢にありません。個別株の設問だとしても、山崎元氏などが提唱するように、産業別カテゴリーに区分して、その中から適当に企業を選んで10ないし20銘柄に分散投資するやり方があります。そんなとき、必ずしも「成長(グロース)株、割安(バリュー)株」を意識していないこともあるのではないでしょうか。
 あるいは、デイトレード(短期投資)を中心にする人の場合、「成長(グロース)株、割安(バリュー)株」を意識することはないだろうと思います。
 しかし、この質問ではどちらか一方を選ぶ必要があります。
 つまり、この設問には、個別株式投資のやり方はこの2種類しかないのだという前提が潜んでいるのです。こういうのを「偏り=バイアス」のある質問といいます。

 長くなるので、以下、個別の批判はやめておきます。書く気になれば、この数倍の疑問点が指摘できます。
 乙の感覚では、このアンケートでは個々の設問が非常に回答しにくいのです。しかも、設問がけっこう多いわけで、このように回答者に負担を強いるアンケートをしてはいけません。こういうアンケートでは、集計結果も信頼できなくなります。
 日経マネー編集部は、アンケート調査のことを知っている人に協力を求めるなどの工夫・努力が必要なのではないでしょうか。個人投資家数十人程度に準備調査をして、選択肢をどうするかなどを投資家の声で決めるようにする必要もあったでしょう。
 少なくとも、こういうアンケートをして回答者をいじめ、結果的にアンケート嫌いの人を作り出すことだけはやめてほしいと思います。他のアンケート調査をやろうとしている人に大きな迷惑をかけます。

 勝間和代氏のブログを見ると、
http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/2008/03/post_a4bf.html
勝間氏もこのアンケートの統計分析に参加するとのことです。分析に参加する以上、勝間氏が調査の企画段階でも加わっていたものと推定されます。乙は勝間氏の本を読んだこともあり、
2007.12.28 http://otsu.seesaa.net/article/75053894.html
本自体はよいものだと思いましたが、勝間氏がこういうアンケート調査に携わっていたとなると、勝間氏に対する評価はだいぶ下がります。
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posted by 乙 at 01:15| Comment(4) | TrackBack(3) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月01日

iShares MSCI Mexico Index Fund (EWW)

 乙が最近購入した ETF です。
 前にも述べたように、最近は投資先に適当なものが見あたらず、そこで、目先を変えて、新興国株にしました。
 乙の保有する新興国株では、メキシコが低い
2008.1.12 http://otsu.seesaa.net/article/77918615.html
ので、ここらあたりでちょっと追加しておいてもいいかなと思いました。
 メキシコは、アメリカに隣接し、経済的にも大きな影響を受けています。ですから、アメリカの経済が悪くなると、メキシコも沈む傾向があります。
 まあ、そろそろアメリカのサブプライムローン問題も一段落しそうですし、メキシコあたりに投資するのも「あり」ではないでしょうか。ゴールドマン・サックスのいう(BRICs に続く)「ネクスト11」の中の一つに指名されています。
 この ETF にも日本語で解説があります。
http://www.ishares.co.jp/product/stocks/eww.html
管理報酬 0.59% です。
 それにしても、日本語だからということもあるのでしょうが、2007.6.30 の情報しかないので、ちょっと運用会社の誠意を疑ってしまいます。
 最新の情報は、英語で得る必要があります。
http://www.ishares.com/product_info/fund/overview/EWW.htm
(こちらでは、Expense Ratio 0.51% と書いてあります。)
http://www.etfconnect.com/select/fundpages/etf_funds.asp?MFID=23383
http://finance.yahoo.com/q/bc?s=EWW
ラベル:ETF Eww
posted by 乙 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ETF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする