http://www.ohmae.biz/koblog/viewpoint/1012.php
一部、引用します。
国内外の投資家が積極的に日本株に投資できない理由として、将来的な成長性があげられます。
もちろん日本人の金融資産が貯蓄・保険に余りにも片寄りすぎているのは問題だと感じますが、だからといって人口が減少し、経済規模が相対的に縮小する日本の将来を考えた場合、日本株を中心とした運用では、将来大きなリターンを期待することは難しい可能性があります。
なかでもインデクッスに準じた投資では、リターンは限定的なものになる可能性が高いと考えられます。
つまり、市場全体を対象とした投資ではなく、低成長の日本にあっても将来性がある企業の個別株の選択に成功しない限り、大きな利益を出すのは難しいでしょう。
そのため、投資先を日本だけに限定するのではなく、将来的に高い成長を期待できる投資先を世界に広く求めることも重要になってくるでしょう。
例えば、高い成長力を誇る新興国への投資等を検討することも、今後の資産運用上重要になってくることでしょう。
この引用部分からわかるように、大前氏は日本企業の中でも将来性がある企業に投資しようということと、高い成長力を誇る新興国に投資しようという2点を述べています。
乙も、以前は、このような考え方(特に後者)をしていたのですが、ジェレミー・シーゲル『株式投資の未来』
2008.4.7 http://otsu.seesaa.net/article/92505039.html
を読んだ後では、大前氏のこの考え方こそが「成長の罠」にはまった考え方であることを知りました。
大前氏とシーゲル氏のどちらを信じるか。宗教ではありませんので、データで正しい答えが出ます。シーゲル氏の本には(新興企業についてはアメリカの話ですが)豊富なデータが示されています。これを考慮すれば、シーゲル氏が妥当だと思えます。
そう思って周りを見渡すと、けっこう大前氏のような考え方をしている人が多いように思えてきました。「成長の罠」は、誰でも落ち込んでしまう罠なのではないでしょうか。