2008年04月29日

なぜ海外で投資をするのか

 乙は、最近はもっぱら Interactive Brokers で ETF を買っています。
 海外の証券会社を利用しているわけですが、周りを見渡してみると、国内の金融機関経由で海外投資(海外への投資)をしている人は多いのですが、海外の金融機関経由で海外投資をしている人は少ないようです。
 この点について、PALCOM さんは
http://palcomhk.blog79.fc2.com/blog-entry-200.html
で、「言葉や法律の差という大きなデメリットを負ってまで海外証券会社に口座を開設する必要性は少ない」と述べています。
 しかし、乙は、海外証券口座には、それなりのメリットがあるように感じています。
 第1に、豊富な選択肢です。アメリカ市場では、ETF が充実していて、ほとんど何でも揃う状況です。楽天証券などのネット証券経由による海外 ETF の品ぞろえを見ると、まだまだの感が否めません。なぜ全面的に扱わないのでしょうか。
 第2に、手数料の安さです。これは Interactive Brokers だけに当てはまるのかもしれませんが、驚きの手数料です。国内のネット証券経由の海外 ETF では、手数料がずいぶん高いと思われます。直接的な購入手数料の他に、両替手数料もかかります。
 第3に、投資文化の差です。アメリカでは、バンガード社のようなものが現れ、非常に低コストのインデックスファンドを始め、一般に受け入れられていきました。日本では、そういう骨のある会社が現れません。
 証券会社にしても、日本ではどちらかというと高コスト指向で、何かというと手数料を取るようになっており、結果的に顧客の損失が多くなるようにできているように思えます。せっかくのバンガード社のファンドにしても、マネックス証券で購入すると、アメリカではかからない手数料がかかります。英語の説明書を翻訳する手間賃なのでしょうか。これは、証券会社の問題ではないかもしれません。日本で販売する以上、日本語で目論見書を用意するべきだという考え方があるのでしょう。きっと金融庁あたりが規制しているのでしょう。
 金融商品取引法にしても、余計な規制であり、日本の投資家をバカにするようなものです。75 歳を過ぎたら、家族同伴で金融機関の担当者の説明を聞かないと投資信託が買えないなんて、ばかげています。
 そもそも、日本で海外 ETF を購入すること自体がおかしな話で、本来は、各種 ETF が東証に上場していなければなりません。これなら日本人でもすぐに買うことができます。なぜそうなっていないのでしょうか。
 こんなことを考えると、問題は、日本社会のあり方そのものなのかもしれません。
 その他に、乙は、老後に海外で生活することも考慮に入れていますので、その場合は、国内の証券会社経由で日本円で資産を持っているよりは、海外の証券会社経由で外貨で資産を持っているほうがずっと便利です。
 PALCOM さんの指摘する言葉や法律の問題はあるように思います。しかし、海外旅行でなく、海外生活を楽しむというのは、まさに言葉と法律を乗り越えるところに意味があるのではないでしょうか。このデメリットがどれくらい大きいかが問題です。

 また、馬橋雅典さんは
http://mabasi.blog103.fc2.com/blog-entry-6.html
で、海外口座の問題点として次の2点を述べています。
1. 口座を開いた証券会社が破綻したときの対策
2. 私が死亡や痴呆化したときの家族への継承
 これらも確かにそれぞれ問題です。
 1. については、安心できる証券会社と取引するということしかいえません。破綻に際して保険でカバーされるようになっているとかいうことも考慮するべきでしょう。
 2. については、乙は詳細なエンディングノートを残すことで、家族への継承は可能だと考えています
2008.2.10 http://otsu.seesaa.net/article/83238257.html
2008.2.9 http://otsu.seesaa.net/article/83093468.html
2008.2.8 http://otsu.seesaa.net/article/82931951.html
2008.2.7 http://otsu.seesaa.net/article/82754174.html
が、これは家族の(英語力を含めた)能力の問題も関係するので、何ともいえない部分があります。

 乙は、一応、以前のブログ
2006.2.5 http://otsu.seesaa.net/article/12800956.html
で書いたように、数年先には、円による投資も心がけようと思っています。老後も日本にとどまるかもしれませんので、どちらになってもいいようにしておくべきかと思います。
posted by 乙 at 05:00| Comment(7) | TrackBack(1) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする