2008年05月25日

ユナイテッドワールド証券を金融庁が処分

 乙は、ユナイテッドワールド証券からのメールマガジン「UWタイムズ」でことの詳細を知りました。(遅いですね。)
 金融庁がUWを処分したそうです。
 処分の内容およびその理由など、詳しくは関東財務局のサイトを見てください。
http://www.mof-kantou.go.jp/kinyuu/kinyu/5746syobun200532.pdf
 処分の内容は5日間の業務停止と6項目にわたる業務改善命令ですから、重くないと思いますが、しかし、なぜそういう処分がなされたか、その理由を読むと、UWの経営陣の責任問題が浮かび上がってきます。
 証券取引等監視委員会の勧告内容に詳細があります。
http://www.uwg.co.jp/App/080513.pdf

(1)システムリスク管理体制の不備
 UWのシステムリスク管理体制が極めて杜撰であると書いてあります。特に、前回(平成16年)の検査指摘事項に対して、ほとんど何も対応していなかったというのは信じがたいことです。時間があったのにやらなかったというのは言い逃れができません。明らかに経営陣の責任です。

(2)分別管理に係る顧客分別信託金額が不足している状況
 こういうことを聞くとびっくりします。ただし、これについては、UWタイムズに「分別管理に係る顧客分別金信託額の不足については、昨年5月に取扱いを開始したタイ株だけに発生したものであり、現地取次ぎ証券会社における管理(現地銀行)をもって国内信託銀行への預託は不要であるとの誤った判断によるものです。現在はタイ株の信託不足は解消し、あわせて中国株、ロシア株と同様に適正に分別管理されておりことをご報告いたします。」と書いてありました。
 この話を読むと、一応大丈夫なようですが、経営陣にはこのような「誤った判断」をした責任はあるでしょう。事前に金融庁なりに問い合わせておけば、「誤った判断」をしなかっただろうにと思います。

(3)取引の相手方が取引の名義人等になりすましている疑いがある場合における顧客等の本人確認の未済
 本人確認がずさんだったことにも驚きます。名寄せなどで疑いのある口座を多数抽出しておきながら、連絡をしていないというのは、金融機関としてずいぶんひどい話です。信頼を失いかねない事態です。

 というわけで、3点とも「おやおや」という内容です。
 乙は、UWとはほとんど付き合っておらず、以前購入した中国株も、HSBC 香港に移管してしまいましたし、
2007.1.14 http://otsu.seesaa.net/article/31372057.html
2007.1.13 http://otsu.seesaa.net/article/31320494.html
今は、UWマカオ・プロジェクト投資事業匿名組合
2008.5.24 http://otsu.seesaa.net/article/97743639.html
に投資しているだけなのですが、それでも心配が募ります。
 今のところ明らかになった問題点は証券取引等監視委員会の勧告内容でわかりますが、こういうことがあると、他にも(今は表面化していない)問題点がいろいろあるのではないかという疑いが強まります。一度の事件で顧客の信頼を失うと、それを回復するには、長時間がかかります。
 乙は、UWマカオ・プロジェクト投資事業匿名組合が償還されたら、UWの口座を閉じようかなと思っています。今でも管理する口座が多すぎて少々困った状態になっていますので、これがいい機会になりそうです。(とはいえ、それはまだ1年あるいは2年も先ですが。)
posted by 乙 at 00:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融機関 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする