http://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/investment/in03_seminar_study_04.html
あいにくの雨の中でしたが、国技館の広い会場が投資家たちで埋まっていました。
10:00-10:10 は楽天証券の社長のあいさつでした。
10:10-12:13 は澤上篤人氏の講演でした。『暴落相場を平然と買う! 長期投資で優雅な人生を』という題で、いつもの澤上節を聞くことができました。
澤上氏は日本株に対して超強気でした。(アメリカでは)平均株価がさほど上昇していないときでも、個別株では上昇しているものもあったので、うまく銘柄を選んで長期投資しようということです。
アメリカでは、80年代から90年代にかけて株式相場が大きく上昇したわけですが、それは、年金などの機関投資家が大量の資金を投入したからだということで、そういう資金は本来長期投資を志向しなければならないはずなのに、現実は短期投資志向になっていて、その結果、長期投資が下手になっているとのことでした。
10:50 からは、質疑応答が行われました。ここでも、澤上節は健在で、分散投資、インデックス投資を否定し、自分の好きなところで勝負するというスタンスはぶれませんでした。質疑応答を聞いていると澤上氏の頭のよさが伝わってきました。
13:00-14:00 は、森永卓郎氏の講演『年収崩壊――格差時代の資産運用法』でした。日本では、年収 200 万円以下の層が 1020 万人もいて、一方では年収 1000 万円以上、2000 万円以上の層も以前よりは増えており、日本は格差が増大しつつあるという認識でした。そこで、資産運用の話になるかと思いきや、なぜ日本の株式相場が上昇しないかという話になり、2007年2月にマネタリーベースを絞った政策、原油高と穀物高、サブプライムローン問題などの影響だということになりました。
今後、オバマ大統領が誕生すれば、石油価格が下がるだろう、景気がよくなるだろう、日本は株と不動産が安いので、これが今後あがるだろうというような話でした。
森永氏は、具体的な例を挙げつつわかりやすい話し方をするので、聞いているときはおもしろいのですが、次々脱線していく傾向があるようなので、話の流れをもう少し意識して話してくれるとありがたかったです。まあ、おもしろければ何でもいいのかもしれませんが。
14:00- は、広瀬隆雄氏『54億人のヘルスケア』でした。人々のスマイルに投資してください、それが幸福の実現です、ということで、健康産業への投資の話でした。今は経済全体の中でヘルスケアの占める割合が必ずしも高くないけれども、これからは、変わっていくだろうということです。
乙は、広瀬氏が勤務していたJPモルガンが広瀬氏個人に対して払っていた健康保険料が月額 4000 ドルだったなどという話を聞くと、アメリカの医療は崩壊しているのではないかという感想を抱きました。アメリカの薬代が、全体で1年あたり 2500 億ドルに達すると聞くと、一大産業だと思いました。ブランド薬とジェネリック薬の話など、話題はさまざまな方面に及びました。しかし、全体として、乙は医療や健康方面に投資することはあまり考えないほうがいいように思ったので、講演の途中で会場を出ることにしました。
人の話を聞くことはおもしろい経験でした。会場が工夫されていて、数千人が入っても、全然問題なく話が聞き取れるなんて、すごい設備だと思いました。