2008年07月30日

田村正之(2008.5)『月光! マネー学』日本経済新聞出版社

 乙が読んだ本です。「月光投資法」とは月の光のように、「ぎらぎら」せずに、着実に、安全に、心静かに資産を増やす方法だとのことです(p.4)。
 乙は、すでに、VMax さんのブログでこの本の存在を知っていたのですが、
2008.5.26 http://otsu.seesaa.net/article/97982899.html
http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_4176.html
実際に読んでみることにしました。
 第1章「月光投資法――持っているだけでリターンは年率 6.6%――」では、インデックス投資の基本的な方法を説きます。
 第2章「これが月光進化形――株価や為替変動のクセ、金融税制を押さえよう――」では、さまざまなアノマリーなどを解説しています。株価上昇期にはアクティブファンドの成績がインデックスよりもよくなる話は pp.85-89 に出てきます。なるほどと思いました。
 第3章「トホホな商品にサヨナラを――高手数料のワナに気をつけよう――」では、さまざまな金融商品を取り上げ、買ってはいけないと説きます。この中で、p.150 に、1ドル 360 円のころから銀行の為替手数料が1円だったという話が出てきます。乙は知りませんでした。360 円ならば、往復2円は 2/360=0.55%(正しくは 0.56%)にしかなりませんが、1ドル 100 円時代では 2% にもなります。銀行などがボロ儲けしようとしているありさまはこんなところにも現れています。為替手数料はすぐにでも 25 銭にするべきです。
 第4章「月光家計簿で堅実リターンを――医療、税金、ローン、年金のツボ――」は、医療費や税金がどのように安くなるかなど、生活の知恵のような内容です。

 全体として、「マネー学」というタイトルはその通りだと思いました。投資だけでなく、さまざまな側面に配慮して書かれた本です。ただし、すでに知られている知識を集めたような内容のように思えます。巻末の「謝辞」を読むと、たくさんの人に取材してまとめたようすがわかります。その意味では、あまりオリジナリティのある話ではなく、その限りにおいて、おすすめする本ではありません。
 しかし、日常接するお金関連の話題を幅広くカバーしているという点ではこれ1冊でかなりのことがわかる内容にもなっています。


ラベル:田村正之 月光
posted by 乙 at 05:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする