2008年09月28日

武田邦彦(2008.5)『偽善エコロジー』(幻冬舎新書)幻冬舎

 乙が読んだ本です。「「環境生活」が地球を破壊する」という副題が付いています。
 普段我々が行っているエコロジーに配慮した生活の多くが、実はムダで無意味なものだと主張する本です。
 著者の勝手な言い分ではありません。なぜそう考えられるのか、データ(根拠)を示して話を進めていますから、説得力があります。
 20種類くらいの具体的な話が書いてあります。その中のいくつかを書いておきましょう。
・レジ袋を使わない→ただのエゴ
・割り箸を使わずマイ箸を使う→ただのエゴ
・ダイオキシンは有害だ→危なくない
・プラスチックをリサイクル→危ない
・古紙のリサイクル→よくない
・ペットボトルのリサイクル→よくない
・空きビンのリサイクル→よくない
・ゴミの分別→意味なし

 こう並べてみると、我々の常識が次々と覆されます。
 その他にも、「温暖化は防げない」という話があり、乙は興味を持ちました。当然、冷房温度を28℃にしようなどというのは意味がないことになります。
 家電リサイクル法は、こんなにもひどい法律だったのですね。知りませんでした。
 問題は、ではなぜリサイクルが叫ばれるのかという点です。これについては、著者の武田氏は、リサイクルは一部の人の儲けになるからと喝破しています。日本の社会のしくみ(の一部)が化けの皮をはがされたような気分になりました。
 最後のほうに、本当に「環境にいい生活」とは何かが示されますが、そこまでにさんざんリサイクルやエコ生活の無意味さを説いてきた後なので、著者のシンプルな結論に合点がいきました。
 これからの日本のあり方などを考えさせてくれる良書だと思いました。


posted by 乙 at 05:24| Comment(7) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする