2008年10月31日

海外投資と英語

 乙のブログに、AKI さんからの質問がありました。
http://otsu.seesaa.net/article/108757638.html
乙川様は海外のETFなどを用いて運用されています。
その際海外のどこの金融機関がお勧めでしょうか?自分はヘッジファンドなどには2年ほど投資経験があるのですが最近の世界株式の値下がりで、海外のETFなどにも大変興味を持っております。
英語などは全くできない自分なのでなにかトラブルなどあった際不安なのですが、そのような者でも海外の証券会社などを利用する価値はおありでしょうか?

 これについて、乙の意見を書いておきます。
 まず「英語などは全くできない」が気になります。日本人は誰でも中学校以来、ほとんどの人が高校までの6年間英語を学んでいるはずですし、若者の約半数は大学・短大に進みますから、さらに数年間英語を学ぶはずです。大学で専門科目を学ぶ際に、英語で書かれた教科書を使うようなこともあるでしょう。そのようなことで英語を学んでいれば、英語が全くできないということにはならないと思います。
 謙遜のつもりでお書きならばいいのですが、もしも、基本的なことも(英語では)理解できないとなれば、海外投資(ただし、海外への投資ではなく、海外での投資のことです)はやめておいたほうがいいのではないかと思います。
 日本国内の証券会社経由でも海外への投資はできますし、最近は、一部のネット証券で海外の ETF なども扱われるようになってきましたから、そういうものを利用するほうが安全・安心ではないかと思います。
 「海外への投資」ではなく、「海外での投資」を行う場合には、英語は必須です。今はかなり日本語によるサービスも行われるようになってきましたので、状況は違いますが、そうはいっても、最終的には英語でやりとりをしなければならない点がいくつかあります。たとえば、アメリカで投資する際には FORM W-8 BEN を書いて提出することになります。自分でサインする書類ですが、その内容が理解できますか。少なくとも、書類の中身を読んで理解できる英語力がなければ、サインしては危険だと思います。これは契約書全般に通じる話です。
 また、実際、海外の証券会社に口座を開設すると、各種の連絡が来ます。乙の経験では、メールでも、郵便でも、ほぼすべて英語です。香港の一部の業者は、日本人スタッフがいるために、日本語によるサービスがありますが、こちらのほうがむしろ例外でしょう。そのような連絡のすべてをきちんと読む必要はありませんが、少なくとも、どんな連絡なのか、ざっと目を通して理解して、無視していいものか、無視できない(自分に関係のある)重要なものなのかは判別しなければなりません。
 トラブルに遭遇した場合は、さらに高い英語力が必要になってきます。担当者と英語でやり合わなければならないからです。メールで済めば、まだいいですが、場合によっては、電話で直接話をしなければなりません。
 乙は、英語力がそんなに高いわけではありませんが、少なくとも、英語での日常生活程度は困らないと思います。(とはいえ、アメリカでの最長滞在期間は1ヵ月でしかありませんが。)書かれた英語を読むのは、そんなに苦になりません。
 というようなことで、乙の意見では、英語がまったくできないならば、海外での投資はあきらめたほうがよいと思います。

 なお、海外への投資と海外での投資の違いについては、
2007.2.23 http://otsu.seesaa.net/article/34452967.html
でも書いたことがあります。
posted by 乙 at 04:55| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月30日

短期のデュアルカレンシー債

 乙は、メールマガジンで短期のデュアルカレンシー債があることを知りました。
http://archive.mag2.com/0000038945/20081028001000000.html
 それによると、次のようなことです。
今このメルマガの原稿を書いている時点(10月27日午前)での円と米ドル
の為替レートは1ドル93.89円です。具体的に交換レートと受取金利を見
てみましょう。

預金貨幣:日本円
受取金利:49.19%
期間:9日間
ドル交換レート:93.94銭

9日後に日本円に対してUSドルのレートが、93.94銭より円高であれば、
金利及び預けた日本円が全てドルで償還されます。円安になっていれば預
けた日本円と金利49%分が全て日本円で返されます。

同じ交換レートでも、預け入れ期間を変えると、受取金利も変わります。
ちなみに、2週間で40%、1ヶ月だと44%になります。

さらに交換レートを90円に変えて預け入れ期間1ヶ月で見てみましょう。
90円ならドルに交換しても良いという判断で手持ちの日本円を1ヶ月定期
で金利が31%でまわせることになります。
預金金利:日本円
受取金利:31%
期間:1ヶ月
交換レート:90円

でも90円ならありうるし、高金利もらいながら、日本円で元本と金利を償
還する可能性を探ってみましょう。さらに交換レートを円高、85円にして
みます。
預金金利:日本円
金利:17.63%
交換レート:85円

 長期のデュアルカレンシー債については、以前にも述べたことがありますが、
2007.12.17 http://otsu.seesaa.net/article/73067545.html
あまり存在価値がないように感じていました。
 しかし、短期で見ると、ちょっと興味を引かれます。
 金利 49% などと聞くと、すごい高金利のように思えますが、運用期間はたった9日間しかありません。計算すると、49%×9/365=1.2% というわけで、わずか 1.2% の手数料をもらって、9日間で円高にならないことを願う商品ということになります。
 同じ交換レートでも、預け入れ期間を変えると、受取金利も変わるという点もおもしろいと思います。
 しかし、これで儲けられるかといえば、決してそんなことはありません。こういうオプションを利用した金融商品は、必ず、販売側=金融機関側の手数料が多めにかかっているものです。
 乙は、興味を引かれましたが、考えてみると、こういう商品に投資するのはどうかなと思いました。
 むしろ、今後の円高・円安を考える上での参考にするといいでしょう。こんな(日本円の)高金利が提示できるということは、これからますます円高方向に変わっていく(と市場が予想している)ということです。

 いくつかの証券会社のサイトにアクセスして、こういうのが買えるかどうか、調べてみましたが、乙の調べ方が不足しているためか、どうやれば買えるのか、情報が何もありませんでした。
 もしかすると、取引は 1000 万円以上とかで、ネットで売買するようなものではないのかもしれません。
posted by 乙 at 04:48| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月29日

新銀行東京の元行員が詐欺容疑で逮捕される

 いろいろなサイトで話題になっています。新聞もテレビも報道していました。
 たとえば、
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081028ddm041040063000c.html
などの記事があります。
 乙が、このニュースに接して感じたことをいくつかメモしておきます。
(1)この元行員は、たった100万円で人生を棒に振ってしまったという意味で、馬鹿者です。でも、もしかしたら、裏にさらにひどい話があるかもしれません。この元行員が行った融資が1件だけということはありえないでしょう。全部が変な融資だとはいいませんが、中には今回のような融資話が含まれていることも多いのではないでしょうか。
(2)元行員は単なるトカゲのしっぽだったのではないでしょうか。たった100万円しかもらえなかったということは、それだけしか関与していない(と詐欺グループに査定されていた)ということです。
(3)新銀行東京の融資の審査のずさんさは、ひどいものです。書類だけの審査でこういう融資を次々と行っていたのでしょうか。これでは銀行の経営がうまく行くはずがありません。銀行の倒産は時間の問題でしょう。
(4)今回と同様の「事件」は、まだまだたくさんありそうです。今回はまさに氷山の一角でしかないと思います。近いうちに似たような話がまた出てくるでしょう。これは一行員の問題ではありません。銀行のあり方それ自身の問題です。
(5)記事中の石原都知事のコメント
 当然、銀行は捜査当局に協力し、厳正に対処すべきだ。銀行業務でこのようなことが起きたことは許されない。元行員の個人的行為ということで、銀行は被害者でもあるが、こうした事態を招いた旧経営陣の責任は重い。

は、まるで他人事のようです。石原都知事は、今回の事件を元行員の個人的行為と歪曲化・矮小化し、銀行は被害者であるとして、銀行の責任をかわそうとしています。この問題は、一行員の起こした問題ではなく、こういう営業をさせるようにし向けた経営陣の責任であり、何よりも、経営陣にそのような経営をさせていた(そういう青写真を描き、経営陣に示した)東京都の、そして石原都知事の責任です。旧経営陣の責任を追及するとは白々しい。そういう経営陣を選び、迎え、任せた都知事自らの責任についてまったく言及しないという態度がけしからんと思います。

 新銀行東京については、以前にも書きましたが、
2008.10.24 http://otsu.seesaa.net/article/108525589.html
都民の一人として、早く退場することを願っています。
 石原都知事のできる唯一のことは、新銀行東京にさっさと引導を渡して、一刻も早く潰すことです。
posted by 乙 at 05:04| Comment(1) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月28日

投資活動を再開します

 乙は、しばらく投資活動を休んでいましたが、
2008.6.8 http://otsu.seesaa.net/article/99784901.html
投資を再開することにしました。
 まとまった出費の話が一段落したからです。
 で、周りを見渡してみると、この数ヶ月間で、状況は大きく変わっていました。
 乙の運用資産が大きく減ってしまったのですが、一方では、今は何でもバーゲンのように見えます。日本株もお買い得だし、アメリカ株も、ヨーロッパ株も、新興国株もよりどりみどりです。何に投資するべきか、迷います。
 円高はずしりと響きます。株安に加えて円高では、乙が海外に移した資産はぐっと目減りした計算になります。しかし、今さら嘆いても始まりません。むしろ、円高によって、これから投資する分(乙が受け取る給料の一部)が有利になったと考えたいと思います。せいぜい円高時にドルやユーロに両替しておきましょう。
posted by 乙 at 05:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月27日

海外送金は100万円未満にする?

 乙は、PALCOM さんのブログ
http://palcomhk.blog79.fc2.com/blog-entry-673.html
で知りました。
 今まで200万円を超える海外送金が国税庁に報告されていたはずですが、朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/1015/TKY200810150283.html
によれば、その金額が100万円になったとのことです。
 「国内の金融機関は今年から100万円を超える海外との送受金の記録を国税当局に提出することが義務づけられた。」とあります。
 最近、乙は、海外の資金を一部日本に環流させたのですが、
2008.9.30 http://otsu.seesaa.net/article/107348016.html
2回に分けて、1ヵ月あたり1回のペースで(Interactive Brokers の送金手数料をゼロにするために)それぞれ200万円以下にして送金したのですが、100万円を越えていました。
 PALCOM さんのブログ記事によると、200万円が100万円に変更されるのは、平成21年4月1日からのようですから、先だっての乙の送金は報告されてはいないようです。
 まあ、不正を働いたわけではありませんが、痛くもない腹を探られるのはいい気持ちがしません。
 来年4月からは、海外への送金も、1回は100万円以下にしておいたほうがよさそうです。
 もっとも、年間送金回数などもカウントされるようになると、別の意味で大変です。毎月1回、給料をもらうたびに送金するとして、年間12回です。子供が海外に留学している人などの仕送りなどでは、12回くらいの送金は当たり前にあるものでしょうね。こういうのがいちいち国税庁に報告されたら、事務処理が大変なことになるでしょうね。
posted by 乙 at 04:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外送金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月26日

Interactive Brokers で購入できる新商品

 Interactive Brokers から乙の手元にメールがきて、知りました。
http://individuals.interactivebrokers.com/en/general/communiques/2008/10-17-08.php?ib_entity=llc
で詳細が読めます。
 IB で、いくつか新しい金融商品が購入できるとのことです。
 中でも、乙が注目したのが
ValuBond exchange, which offers increased liquidity for traders, and supports T-Bills as well as T-Notes, T-Bonds and corporate bonds. ValuBond replaces the BondDesk exchange.
というところです。
 乙は、IB で米国債券を購入したことはないのですが、(そもそも購入できると知らなかったのですが)ValuBond exchange という新しいしくみが登場するようです。IB のサイト内を検索してみたのですが、今のところ、詳しい説明はないようで、詳細がわかりません。しかし、もしも、これが可能であれば、米国債券投資も IB で行いたいと思います。
 乙の場合、過去には、E*TRADE 証券で米国債券を購入しましたが、トラブルがありましたので、いい印象を持っていないのです。
2007.2.17 アメリカ E*TRADE 証券での債券購入のトラブル(補足)
http://otsu.seesaa.net/article/33851389.html
2007.2.16 アメリカ E*TRADE 証券での債券購入のトラブル(続々)
http://otsu.seesaa.net/article/33776372.html
2007.2.2 アメリカ E*TRADE 証券での債券購入のトラブル(続)
http://otsu.seesaa.net/article/32620299.html
2007.2.1 アメリカ E*TRADE 証券での債券購入のトラブル
http://otsu.seesaa.net/article/32539081.html
posted by 乙 at 04:10| Comment(0) | TrackBack(0) | Interactive Brokers | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月25日

100万ドル札を小道具にして詐欺話

 日経新聞10月24日朝刊14版に出ていた記事ですが、NIKKEI NET でも一部が読めます。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20081024AT1G2302423102008.html
 ネット内の記事にはありませんが、新聞では、次のように書かれていました。「能津容疑者は話を持ちかける際、実存しない「百万ドル札」を渡し、「これをCIA(米中央情報局)に渡せば数十億円が送金される」と話していたという。」
 ネット内を見ると、同じニュースがいくつか掲載されています。
http://www.home-tv.co.jp/news/index.php?news_id=181023035
http://www.yab.co.jp/annnews/index.html?ct=%BC%D2%B2%F1&id=181023035
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081023-00000209-jij-soci
などにも同様の話が出ています。こちらでは、「100万ドル紙幣100枚を女性に渡した」などと書いてあります。
 乙は、これを読んで、引っかかるほうも引っかかるほうだなあと感じました。49歳の元クラブ経営者の女性は、いったいどんな人なのでしょうか。
 「1億円預けてくれればファンドに投資して毎日100万円をもうけさせる」となれば、1年で3億6500万円も儲かる話になります。このように1年で何倍にもなるようなことはありえないと思わないのでしょうか。(思わないのですよね。だから詐欺に引っかかるわけです。)
 「CIAに渡せば」って、なぜCIAに渡すとお金になるのでしょうか。変だと思わないのでしょうか。(思わないのですよね。だから詐欺に引っかかるわけです。)
 100万ドル紙幣が存在すると信じたことも変です。乙は100ドル札までしか見たことがありません。
 この話では、被害者側も常識に欠けるところがあるように思いました。

 100万ドル札なんてあるわけないのに、……と思ってネットで調べてみると、米ドルの最高額紙幣は10万ドルだという話が書いてありました。
http://www.webjapan.us/users/jsmt/Recent/2007StaffMorningMeeting.pdf
10万ドル札は1934年に発行され、連銀内の送金用だけに使用されました。
法規上は現行紙幣ですが、一般人が所有するのは禁止されていました。
また、1946年以降は発行されていません。
高額券は犯罪に利用されたり、偽造の恐れがあるため、
現在は500ドル以上のお札は発行しない方針をとっています。

 こんな話は知りませんでした。
 アメリカの最高額紙幣が10万ドルという話は
http://homepage3.nifty.com/freeman/E32.htm
にも出ています。
 ところで、ネットで探すと、100万ドル札を使おうとしたり、両替しようとした人の話が見つかります。
http://news.ameba.jp/2007/10/7701.php
http://homepage3.nifty.com/freeman/E44.htm
http://eureka-i.jp/news/2007/10/0710094147.html
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/kobore/03/14.html
 こんなことがあるということは、誰かが100万ドル札の偽札(ホンモノがないのだからオモチャというべきかも)を作ったはずです。
 これも、ネットを探すと出てきます。
http://news.livedoor.com/article/detail/3320660/
http://viet-jo.com/news/sanmen/060510091012.html
 こんなことで、タイやベトナムあたりで作られた偽札(?)が日本に持ち込まれたものでしょう。
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2008年10月24日

新銀行東京への東京都の出資分が毀損する

 乙は、何となく新銀行東京に関心を持ちました。
 しかし、日経新聞で報じられているように(その一部は、
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081022AT2C2101S21102008.html
で読めます)4月に東京都が出資した400億円が毀損するという話です。
 2009年3月の決算を早く見てみたいものです。
 この銀行は腐っているようです。こんなところに出資する前に、こうなることは予想できたはずです。
 石原都知事は、私財をなげうってでも新銀行東京を救うつもりなのでしょうか。そんなことができたら、「さすがだ」という声が上がるでしょう。自分のポケットが傷むわけではないから、東京都のお金を400億円も変な銀行に回してしまったのではないですか。
 石原都知事の責任はどうなるのでしょうか。選挙で勝つということは、こんなにも「強い」ことなんでしょうか。
 以下、乙の書いた記事です。

新銀行東京はどうなるのか
 2008.9.13 http://otsu.seesaa.net/article/106477783.html
新銀行東京は潰すしかないでしょう
 2008.3.14 http://otsu.seesaa.net/article/89510847.html
新銀行東京と大前研一氏
 2008.2.15 http://otsu.seesaa.net/article/84081781.html
新銀行東京には口座開設をしません
 2008.1.3 http://otsu.seesaa.net/article/76137646.html
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posted by 乙 at 04:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融機関 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月23日

副島隆彦(2007.9)『守り抜け個人資産』祥伝社

 乙が読んだ本です。「国の金融管理が強まった」という副題が付いています。
 1年以上前に出た本ですが、帯には「世界は金融恐慌に雪崩れ込む! ドル安と株安、「暴落の時代」にいかに資産を防衛するべきか」などと書いてあり、2008 年現在の世界を言いあてているように感じました。
 目次を以下に示しておきましょう。
1章 恐ろしい金融管理――国の「統制経済」が強まっている
2章 個人資産は「ユーロ」「人民元」「金地金(きんじがね)」に移せ
3章 「景気回復」の大嘘――タンス預金が危ない
4章 資金の一部を国外に避難させよ
5章 「ドルと円の心中」が迫っている
6章 税務署は国民からお金を召し上げればいいと信じ込んでいる
7章 かくて日本のデフレ経済は続く

 というわけで、この目次を見ていると、本書にどんな内容が書かれているか、だいたい推定できます。
 以下では、乙が変だと思ったところを中心にいくつかコメントします。
 p.16 法 law のところに「ラー」とルビを振ってあります。p.17, p.39(2箇所), p.100 など、何ヵ所にも「ラー」という表記が出てきますから、これはミスプリではありません。副島氏は法科大学院のロースクールもラースクールと呼ぶ人なのでしょうか。ちなみに、英語では同じ母音(発音記号ではCが逆さまになった文字プラス長母音)を使っている語ですが、war(戦争)は p.46 で「ウォー」としていますし、pp.4-5 では、money laundering のことを「マネー・ローンダリング」と表記しています。
 p.33 「従来は日本の官僚組織は、4種類の官僚機構によって、「国民コード」(国民背番号)をそれぞれバラバラに管理していた。四つの官僚機構とは、まず@財務省=国税庁=税務署による個人と企業(法人)の「納税者番号制度」(納番)による管理である。」ということで始まります。p.34 ではA住民票コードに言及します。ところが、p.38 に進むと「B番目の力は経済産業省(旧通産省)が持っている、企業活動の全般に対する統制権である。」ということで、国民コードの話かと思っていたら、権力の話になります。同じ p.38 には「C番目は、法務省=裁判所=警察庁が持つ権力である。」となります。Bと同じ書き方です。国民コードの話と思っていると、いつの間にか権力の話にすり替わってしまいます。こういう書き方はわかりにくいと思います。
 p.115 「商業地に比べて減価率の低い住宅地の地価にしても、3分の1になっている。3分の1ということは、この15年の間に値段が 200% の下落をしたということだ。」とあります。3分の1になるときは、67% の下落といいます。簡単な算数です。
 p.191 中国の話ですが「女工さんでも月額で1200元(2万円)から1500元(3万円)ぐらいにまで高騰している。」とあります。為替レートをいくらに設定したのかわかりませんが、1200元と1500元では 25%増ですが、2万円と3万円では 50%増ですから、どうやっても話が合いません。
 これらのことを考慮すると、乙は著者の副島氏のいっていることがにわかには信じがたいように思いました。
 ちなみに、p.149 を見ると、
この本の著者である私の言うこと(書くこと)も簡単には信じてはいけないのかと問われれば、「そのとおりである」と私は答える。どんなに立派そうな素晴らしいことを書く人の考えも、すべて疑ってかからなければならない。

と書いてあります。こういうことを本に書いてはいけません。「著者を信じてはいけない」を素直に信じれば、「著者を信じてはいけない」ということばを信じてはいけなくなるわけで、矛盾しています。これは昔から知られている詭弁です。乙は、このような言葉があろうがなかろうが、間違いが多い本に書いてあることは全面的に信じないことにしています。
 ただし、pp.80-81 で、政府が発表する経済成長率の数字はウソだといっているところは、先日の日経新聞の話
2008.10.20 http://otsu.seesaa.net/article/108335372.html
と符合するので、乙は興味深く読みました。
 また、p.5 に出てくる話ですが、銀行では本人確認書類なしでは10万円以上の振込ができなくても、コンビニならばできるとのことです。このことは乙は気が付きませんでした。
 乙は、この本を他人に勧めようとは思いません。


タグ:副島隆彦
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2008年10月22日

Thames River High Income Fund の運用報告書

 乙は、Thames River High Income Fund を保有しています。
2006.7.22 http://otsu.seesaa.net/article/21181688.html
 しばらく前に、Annual Report & Audited Financial Statements が送られてきていました。2008.3.31 現在の運用報告書です。
 A4版で、11種類のファンドが相乗りで掲載されていますので、全体で 140 ページほどあり、まるで1冊の本です。届いてからも、読む気が起こらず、放っておきました。
 最近、気が向いて、ちょっと眺めてみました。
 まず、2007.4.1 から 2008.3.31 までの成績ですが、投資家の通貨別に次のように示されています。
Fund Return Index
EUR share +3.62% +3.82%
GBP share +5.38% +5.08%
USD share +4.74% +4.45%
NOK share +4.74% +4.42%
 乙の場合は USD share ですので、一応、ベンチマーク(JP Morgan Emerging Market Bond Index)を越えたということになります。
 p.24 から示されるように、このファンドはさまざまな通貨で世界中の債券に投資しています。したがって、期末にそれぞれの債券価格を確定したら、投資家の通貨別に換算し直すのでしょう。結果的にユーロだけがインデックスに負ける結果になりました。
 さて、インデックスに勝っている理由は何か。p.24 からの投資先の金融商品一覧を見るとわかります。Bonds(債券)だけでなく、p.26 には、Credit Default Swaps(いわゆる CDS ですね。今回のサブプライムローン問題で知られるようになりました)に投資していることが示されます。投資比率は 0.28% しかありませんが。
 また、p.26 には、同じく Equities (株式)にも投資していることが示されます。ただし、1.48% だけですから、これも問題になるわけではありません。Interest Rate Swap にも 0.31% の資金が振り向けられています。pp.27-28 は、options です。さまざまな国の CALL option と PUT option に資金を振り向けていることがわかります。ただし、比率は 2.48% だけです。このように、債券が中心の運用であっても、それ以外にも幅広く分散投資していることがわかります。運用益がインデックスを上回った理由はこれでしょう。
 p.56 によれば、資金の総額は、2007.3.31 現在で 1,668,642(千ドル)です。p.58 では、Total investment income 277,425 とありますから、単純にいえば、16.6% の利回りになったということでしょう。
 さて、ファンドのコストですが、これは p.58 に明記されています。千米ドル単位で示されています。Total investment income 277,425 に対して、さまざまな手数料を合わせたコストが 37,015 です。このうち、Management fee 25,817 とありますが、これは、運用資金の 1.5% のはずです。1,668,642×0.015=25,030 ですから、まあこんなものでしょう。運用資金は増減がありますから、必ずしもピッタリと一致するわけではありません。さまざまな手数料の合計 37,015 は、運用資金 1,668,642 の 2.2% となります。コストが高いといえば高いわけですが、しかし、粗利益として 16.6% あったとすれば、高コストでもいいのかもしれません。
 p.58 では、Increase in assets for the year attributable to holders of redeemable participating shares from operations のところに 157,118 と書いてあります。これだと、運用資金に対する比率は、157,118÷1,668,642 で 9.4% になるはずです。上記の Fund Return 4.74% と一致しません。この差は乙には理解できません。
 p.24 から、このファンドが保有している債券の一覧が示されていますが、p.25 の United States のところには Bear Stearns FRN 23.02.2010 などと書いてあります。Net Asset Value の 0.84% にあたるとのことです。なるほど。こういうこともあるのですね。最初にパラパラ見ていたときは、リーマン・ブラザーズの債券が入っていたように思いましたが、今は、探しても見つからないので、別のファンドのところだったのかもしれません。
 何はともあれ、やはり、英語の運用報告書を読むのはなかなか大変なことだと思いました。
posted by 乙 at 04:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 海外ファンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月21日

若林亜紀(2008.3)『公務員の異常な世界』(幻冬舎新書)幻冬舎

 乙が読んだ本です。「給料・手当・官舎・休暇」という副題が付いています。
 公務員は、さまざまに優遇されていて、現代の貴族だと告発している本です。
 著者の若林氏も公務員を経験してきた人ですから、自分の目で直接見てきたその経験を踏まえて、おもしろく描いています。単なる告発本でなく、各種資料にもあたった上で記述していますので、好感が持てます。
 ただし、少しだけ違和感が残ります。
 そんなに公務員がよければ、みんなが公務員になりたがるものではないかと思うのですが、そうはなっていないように思います。採用試験が厳しすぎる(倍率が高すぎる)のでしょうか。そうでもないと思います。
 大学生の就職状況を見ると、公務員を目指す人は、それなりに少数派で、民間企業を目指す人のほうが圧倒的に多いと思いますが、だとすると、公務員=貴族という見方は、一面的すぎるかもしれません。本書で描かれる世界もある一方で、それだけではない面もあると思います。
 また、公務員試験ではコネやワイロで合否が決まる、などという話もあります(最近では大分県教員採用試験がそうでした。本書でも出てきます)が、すべての公務員がそうやって採用されているわけでもなく、むしろ、大部分の公務員は公平な試験を経て選抜されているのではないでしょうか。
 乙が読んでいて疑問に思った点ですが、p.213 にこんな記述があります。
 厚生労働省の調査によれば、05年、メンタルヘルス上の理由で休業した労働者がいる企業は 3.3% にすぎませんでした。ただし、従業員 100 人以上の企業では 16%、500 人以上で 66%、1000 人以上では 82% と、大企業ほど率が高くなっています。大企業ほどストレスが溜まるというより、大企業ほど制度が整って交代要員もあり、休業しやすいのだと思われます。

 これはおかしな記述です。大企業と中小企業で従業員の休職率に差がない場合でも、企業単位に集計すれば、従業員の多い会社ほど休業者がいる比率が高くなるのは当たり前です。
 仮に、休業率が 1% だとしましょう。従業員が 10 人いれば、その会社に一人でも休業者がいる確率は、1-(0.99^10)=9.56% です(ただし「^」はべき乗を表します)。同様に従業員が 100 人いれば、休業者がいる確率は、1-(0.99^100)=63.4%、1000 人では、99.996% になります。
 つまり、「休業した労働者がいる企業」を数えるのではなく、全従業員数を母数とした休業者数の比率で見なければなりません。
 誤字は、p.40 真ん中あたり 証人→承認 に気づきました。
 実は、乙もかつて公務員をしていたのです。若林氏とは職種も勤務先も勤務地も全然違うので、単純な比較はできないと思いますが、若林氏のいうところも一部は理解できます。しかし、大部分の公務員はまじめに働いていたと思います。これこれの異常な人がいる(ことがある)というのは事実ですが、その比率は思っているよりは低いのではないでしょうか。ただ、公務員の数が多いことと、特に地方公務員の実態が多様であることから、変な例を探し出せばそれなりにあるものだと思っています。
 本書は、ひとことでいえば、読んで楽しい本です。でも、これから就職を目指す大学生がこの本を読んで素直に信じてしまっては危険だと思います。


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2008年10月20日

2008年度の経済成長率の予測

 日経新聞10月19日朝刊の3面に出ていた記事です。
 国内の民間調査機関が国内総生産(GDP)成長率の見通しを相次ぎ下方修正している。2008年度の実質成長率についてはほぼゼロとの予測が大勢だが、7年ぶりのマイナス成長に陥るとの見方も出てきた。米国の金融危機と景気悪化が日本にも波及し、輸出や設備投資の減少幅が拡大するとみている。(以下略)

 そして、本文とともに以下のような表が掲載されていました。
 
2008年度
修正値
見直し前
ニッセイ基礎研究所
0.4
0.6
第一生命経済研究所
0.2
0.5
野村證券金融経済研究所
0.1
0.7
BNPパリバ証券
0.1
0.4
明治安田生命保険
ゼロ近傍
0.7
三菱UHFJ証券景気循環研究所
0.0
0.3
クレディ・スイス証券   
▲0.1
0.2
JPモルガン証券   
▲0.2
0.1
国際通貨基金(暦年予測)
0.7
1.5
日本政府の成長見通し(7月)
1.3
2.0

 ここで、気になるのは、日本政府の見通しがかなり高めになっていることです。7月の見通しということで、民間機関(たぶん10月?)よりも古いデータですが、しかし、民間の「見直し前」の数値は、たぶん3ヵ月くらい前の数字でしょうから、それと比べても、政府の見通しの高さには驚きます。
 もしかして、政府の「期待感」(こうであってほしい)が入っているのでしょうか。だとしたら問題です。客観的に予測し、それに基づいて政策を考えなければなりません。
 乙は、政府の成長見通しが民間のそれよりもずっと大きいことに違和感を感じました。ちょっと前まで景気回復が戦後最長になったなどといわれていましたが、生活実感としてはあまり成長が感じられないという状態でした。
 政府の発表を疑うのもどうかと思いますが、上の表に示したように民間との差があまりに大きいので、気になったということです。
 この話に関連して、
http://www.toyokeizai.net/money/markett2/detail/AC/ea815a325577f45f9b8bbd5a4f4a7cde
も参考になる点があると思います。
タグ:GDP 成長率
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2008年10月19日

書籍の宣伝

 乙は、『大前研一ニュースの視点』というメルマガを読んでいるのですが、そこに次のようなPRがありました。
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 さっそくクリックしてみましたが、投資の話とは全然違うようです。
 ちなみに、名前を登録すると、55,000 円の本を買いませんかという話が表示されます。乙は買いませんが、こういう宣伝で買う気になる人もいるのでしょうね。
 メールアドレスを登録したので、その後、21日にわたって、毎日1回、メールが送られてきました。
 内容は企業家向けのもので、どうビジネスを立ち上げるか、どう改善していくかといったことでした。
 投資とは話が違うので、無視することにしました。
 乙の場合、メールは、毎日何百通も来ていますので、その中に1通くらい入っても、大した影響はありません。
 今回は、ちょっと失敗しました。まあ実害はありませんでしたが。
 まあ「PR」と明記してあるものですから、おもしろい話であるわけはないのですが、……。
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2008年10月18日

堤未果(2008.1)『ルポ貧困大国アメリカ』(岩波新書)岩波新書

 乙が読んだ本です。
 一読して、感じました。アメリカは病んでいます。
 著者の堤氏は、東京生まれだそうですが、学士号と修士号をニューヨークで取得しているとのことですし、アメリカで仕事をしているとのことですから、英語力はネイティブ並みでしょう。アメリカの生活のすみずみまで知っているようです。そういう人が、ワーキングプアのことを書いているのですから、おもしろくないはずがありません。
 乙が初めて知ったようなことがたくさん出てきます。
 本書の記述は、とにかくきちんと数字を出すことにこだわっています。各種統計資料を参照しているのでしょう。たとえば、p.21 には、無料−割引給食プログラムに登録した生徒の数が 2005 年には全米で 3002 万人にのぼると書いてあります。3000 万人とはすごい数です。乙は自分の目を疑いました。しかし、数字で示されると納得せざるを得ません。
 第1章は、「貧困が生み出す肥満国民」ということで、一見「おや?」と思います。貧困児童には肥満が多いというのです。家が貧しいと無料配給切符(フードスタンプ)に頼るようになります。上述の無料−割引給食プログラムも似たような制度です。こうして、貧困層は安くて調理が簡単なジャンクフードやファーストフードを食べるようになり、結果的に肥満になっていくというわけです。第1章は、貧困家庭の生活の現状を描いていますから、本書中で一番ショッキングかもしれません。
 第2章は、「民営化による国内難民と自由化による経済難民」です。災害予防の仕事までもが民営化され、結果的にハリケーン・カトリーナで多数の死者を出すまでにいたったというのです。被害が大きかったニューオーリンズは、再建不能で、むしろ見捨てられているのだそうです。
 第3章は、「一度の病気で貧困層に転落する人々」です。アメリカはとてつもなく医療費が高く、また、保険会社はなるべく医療費を安く抑えようとするため、無保険者が多くなってしまいました。無保険者が 5000 万人と聞くと二の句が継げません。病院までが株式会社になっているのだそうです。アメリカでは病気になったら破産するケースも多いと聞くと、いやはや大変な国だなあと思います。少なくとも、乙は住みたくありません。
 第4章は、「出口をふさがれる若者たち」です。貧困層が経済的に困っていることを利用して、政府はそういう若者を軍隊に入れようとするようです。確かに軍隊は給料が高そうですが、もちろん命の危険性があるわけで、非常に厳しく、また残酷な話だと思いました。
 第5章は、「世界中のワーキングプアが支える「民営化された戦争」」です。軍隊に正規に入るのではなくて、民間の会社で、軍事行動を支援したりする会社があるのですね。そういうところに「就職」すると、イラクに送られるということになります。トラックの運転手などがたくさんいるそうです。これは軍隊ではないから、命の保証もなにもありません。現代の「傭兵」がここにいます。
 本書は、そんなわけで、アメリカの知られざる一面を描いたといえます。アメリカは中間層が没落し、大きく儲ける一部階級の人々と、多数のワーキングプアに二極化しているのです。乙のブログで、先日、破綻した金融機関の経営者が多額の報酬を得ていたことを書きましたが
2008.10.10 http://otsu.seesaa.net/article/107860922.html
アメリカは、そういうことが普通にある国だと思います。
 しかし、一方では、多数の貧困層を抱えているというのも事実です。アメリカ政府としても、そういう人たちとの関係において、軍隊や病院のあり方がどうであるべきか考えておく必要があります。もしかすると、WASP は、貧困層を食い物にすればそれでいいと考えているのでしょうか。厳しい国ですが、アメリカならばそう考える人がいても不思議ではありません。
 本書は非常におもしろくて、一気に読んでしまいました。そうして乙が得た結論は「アメリカは病んでいる」ということでした。
 アメリカは、世界を牛耳るすごい超大国であるとともに、貧しい人がたくさんいる国でもあるのです。新鮮な本でした。
 本書を読み終わった後、乙は、アメリカに投資し続けていていいのかどうか、疑問に思えてきました。それくらいインパクトがある本です。新書をはるかに超えた価値があります。
 本書は投資関連ブログでも取り上げられたことがあります。

http://orfeodor.blog118.fc2.com/blog-entry-317.html
http://blog.goo.ne.jp/kitanotakeshi55/e/06cdc99fdcb581fc6eef078501707821


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2008年10月17日

Interactive Brokers での両替

 乙のブログの読者の方から、メールで質問がありました。
乙川乙彦 様 はじめまして。乙川さまのブログを参考にIB証券口座を開設させて頂きたました○○○○○○と申します。おはようございます。いきなりのご連絡を大変失礼かとは存じますが、どうしてもご質問させて頂きたい事があり、ご連絡させて頂きました。
 ぶしつけで大変申し訳ございません。
 現在、乙川さまのブログやその他いろいろな情報を参考にさせて頂き、IB証券のアカウント取得を完了致しまして、入金処理、Papertraderでの練習後、いよいよいざ本番、という事で、昨晩TWSにて取引をしてみました。実施した(つもりの)取引の順序としては以下の通りです。
  @4,800 USD をJPYからFXで両替
  A4,800 USD の範囲内で各種ETFを≒3,600 USD 相当を購入
 そこでご質問なのですが、 @の段階でアカウントページの証拠金欄が、0 JPY→≒9,000 JPYに変化。Aの段階でアカウントページの証拠金欄が、≒9,000 JPY→≒94,000 JPYに変化。 というように変化致しました。
 自分では両替したUSDを使ってETFを購入したつもりなのですが、本当にそのような処理になっているのかわかりません。
 証拠金の変遷を見ると、USDをIBから借りてそれを使って購入、というような事になっているのではないかと思い、難儀しておりました。言葉ではご理解しきれない部分もあるかと存じますので、TWSのキャプション画像を添付させて頂きます。
 上記のような借金購入という形になっていないかどうか、お教え頂けませんでしょうか? ご多忙な中、大変ぶしつけなメールかとは思いますが、IB証券を長くお使いになっていらっしゃいます乙川さまであればお解かりになるかと思い、ご教授を仰いだ次第でございます。
 どうぞ、宜しくお願い致します。

IB_001.gif
IB_002.gif
IB_003.gif
 正確には、IB にお尋ねになるほうがいいと思いますが、乙の考えを書いておこうと思います。
 この方は、IDEALPRO で両替をなさったようです。しかし、乙はいつも IDEAL を使っているので、添付されていた TWS の表示のしかたがずれていて、よくわからないところがありました。
 この方は Margin Trading(信用取引)ができる口座のようで(IB では、これが通常です)、その場合、形式上は、IB から USD を借りて、それを使って ETF を購入するようになっています。
 しかし、IB では、USD に対応する JPY を口座に入れてある限りは、このような借入金の利息はゼロです。(毎月10ドルの手数料の中に含まれていると考えてもいいかもしれません。)したがって、事実上、JPY を USD に両替し、USD で購入したことと変わりません。
 乙も、IB を使い始めてからしばらくは、このことを不思議に思っていました。
 その後、考えた結果、これで何も問題がないと納得しました。
 FXを利用して、100万円で1万ドルを買ったとします。1万ドルは、何に使ってもかまいません。適当な金融商品を買ってもいいし、そのままどこかに送金してもかまいません。口座情報では、(Base currency の)円だけが入金されているように見えます。
 この段階でドル高・円安が進行したとしましょう。1ドル150円になったとします。しかし、FXでドルを買った記録はそのままですから、口座には100万円があり、それが1万ドルとして運用されているに過ぎません。base currency の円で考えると儲かっているように見えます。実際、1万ドルを売って円にすれば150万円になるからです。
 ドル安・円高になったとしましょう。1ドル50円です。この場合も、1万ドルとして運用されているので、base currency の円では損をしているわけですが、1万ドルは1万ドルですから、ドルの運用では何も問題がありません。
 というわけで、本当に両替しているわけではなくて、口座記録上で両替している(IB から借金している)に過ぎないとしても、特に問題は起こりません。
 ただし、口座を解約するときだけ、問題が起こりえます。FXによる両替を(反対売買で)元に戻すと考えても、元に戻しきれないケースがあり得ます。たとえば、円をドルに両替した後、そのドルを引き出して使ってしまったような場合です。口座解約時にどうなるのか、わかりませんが、たぶん、FXの記録がそのまま消えてなくなるのではないでしょうか。まさか、使ってしまったドルを入金して(円に両替して)からでないと口座が解約できないということにはならないと思います。(この点は未確認です。)
 とすると、円をドルに両替して、現物のドルで金融商品を買う場合と、円を預けたまま、それに該当するドルを使う権利を得て(利息のない借金をして)それでドルの金融商品を買う場合とでは、実際上同じことではないでしょうか。IB は、個人単位でFXを含めたすべての取引の合計で利益・損失を計算しているというだけに過ぎないことになります。

 乙のブログの読者の中には、IB の利用者も多いと思いますが、乙の考え方でいいかどうか、コメントがいただけたら幸いです。
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2008年10月16日

沢井智裕(2008.7)『円・ドル・ユーロで1億円をつくる私の方法』成美堂出版

 乙が読んだ本です。表紙には「現役プライベートバンカーが教えるミックス資産運用」という副題が書いてあります。
 以下に章単位の目次を書いておきましょう。

 序章 投資に対する間違った思い込みを捨てよう
 第1章 投資前におさえておく18のポイント
 第2章 国内で買える海外ファンドでも「国際分散投資」は可能
 第3章 海外でしか買えない優れた「海外ファンド」
 第4章 海外投資で目指そう1億円
 第5章 海外で運用するメリット・デメリット
 第6章 資産家のための銀行「プライベートバンク」とは

 目次を見るだけでも、ある程度内容について見当がつきます。
 第2章は国内で海外ファンドを買う話で、第3〜5章では海外で海外ファンドを買おうという話になります。このあたり、著者のスタンスがはっきりしていないかのような印象を与えます。
 本書を読みながら、乙はいろいろと違和感を感じたところがあります。以下、それを書いておきましょう。
 pp.52-53 「日本の金融機関の弱みA 見劣りする「商品開発力」」という題名が付いています。ここで書かれていることは、日本の投資信託をけなしつつ、海外のヘッジファンドを評価する内容です。そして、投資信託の固定的な手数料収入ではなく、成功報酬制のほうが投資家の側に立っているので望ましいと主張しています。しかし、乙の経験では、成功報酬制はかなり報酬の比率が高く、かつ、固定的な手数料と組み合わされている場合が多いので、両者を合わせれば、結局金融機関側に相当の額を支払ってしまう形になります。
 pp.56-57 個人投資家と「その道のプロ」では、流通する情報が違うので、個人投資家は太刀打ちできない(プロの運用のほうが優れている)ということを主張しています。この話は本当に正しいのでしょうか。だとしたら、平均的にはアクティブ・ファンドがインデックス・ファンドに負けることをどう説明するのでしょうか。ヘッジファンドだって、インデックス・ファンドに勝てるとは限りません。著者はここでデータを示さずに一方的に主張しています。しかし、乙は著者の主張は疑わしいと思いました。
 p.71 投資信託と銀行の預貯金を比較し、銀行は預入金利と貸出金利の間でサヤを抜いて利益を上げているが、どのくらいの利益なのかは預金者にはわからないのに対し、投資信託は手数料を明示しているので、ずっと透明性が高い(したがって公平である)と述べています。しかし、この比較も安易です。投資信託はリスク(価格の変動)が大きいのに、預貯金のリスク(元本が毀損する可能性)はごく小さいわけです。このことに触れずに比較しても意味がありません。預貯金は、銀行側の利益は不明だけれども、預金者に利率を事前に明示しています。投資信託は、利率を明示することはできません。この点からは、預貯金のほうが透明性が高いという議論も可能なのではないでしょうか。
 p.88 海外でファンドを買おうという話です。本文中にいきなり「ICG」というのが出てきて、意味がわからなくなり、面食らいます。奥付を見ると、著者の沢井氏はICGインベストメント(アジア)代表取締役とあります。何と、香港にある自分の会社だったのですね。それは沢井氏にとっては当たり前のことで、説明なしで出してもわかりすぎる話でしょうが、読者はそうではありません。ICGなんて、聞いたことないという人が大半でしょう。そういう人向けの記述としては不備だと思います。
 pp.92-93 では、香港の業者を WWW でチェックする方法を述べています。しかし、それは「ICG」を指定して登録情報を見るだけの話です。WWW でICGの検索方法を述べてもしかたがありません。それではICGの URL を示すこととあまり違いません。読者としては、香港にどういう登録業者がいるのかを知りたいのです。その大部分が調べられるようなやり方を書くべきでした。そうすると、読者は必ずしもICGにアクセスするとは限らなくなります。しかし、本当にICGが仲介業者として優れているならば、あちこちの業者を比較した結果、やっぱりICGが選ばれるでしょう。それが香港流の競争社会の常道というものです。今の書き方では、本書がICGのパンフレットだと言われかねません。
 pp.110-111 では、ポートフォリオ作成例の一つとして「外貨預金」を挙げています。乙は驚きました。pp.112-113 では、外貨預金とゴールドを含むポートフォリオを例示しています。どんなポートフォリオを組んでも、それはお好みでどうぞというわけですが、普通は、外貨預金よりは外貨 MMF のほうを選ぶものでしょう。この点は以前に乙のブログでも書きましたが、
2006.9.21 http://otsu.seesaa.net/article/24103836.html
投資の常識だと思います。沢井氏は、「外貨預金」ということで、海外の銀行に預けることを想定しているのかもしれません。しかし、それでも、国内の銀行の外貨預金よりも有利かというと、そんなでもないように思います。
 p.113 では、米ドル建て定期預金をする際に「為替相場を見ながら1年かけて米ドルに変換」と書いてあります。これはどういう意味なのでしょうか。p.123 では、「為替相場を見通せる人はまずいない」と書いています。乙は、両者は矛盾するように思います。
 本書では、大量の図表が示されます。基本的に見開き2ページを一つの単位にして説明していくというスタイルです。そこで、見開きに図表をあしらって、わかりやすくしたということでしょう。しかし、図表の中に書かれている内容は本文と同じようなことが多く、新しい情報が書かれているケースは少ないと思いました。つまり、本書は図表部分が冗長なのです。必要な図表を示すことはいいことですが、本書では無理矢理図表を増やしたように見えます。
 乙は、海外投資の本として読んだのですが、本書は全体としてバランスが悪いと思います。著者のスタンスがはっきりしないという感覚は、そこから来ているのではないでしょうか。pp.140-141 で投資資金1億円の場合のポートフォリオの例を挙げるなど、意欲的な部分もあるのですが、ポートフォリオは万人に当てはまるわけではなく、あくまで例に過ぎません。大切なのは投資方針であり、自分の投資方針をどう考えるかということです。
 本書は、ICGを通じた海外投資に読者を勧誘しているような感じに読めてしかたがありません。だったら、宣伝パンフレットをきちんと作るほうがいいのではないでしょうか。もっとも、そんなことをすると、香港の業者が日本国内で営業している形になり、金融庁あたりからおとがめがあるのでしょうが。だからといって、本でこんなことを書いていいのでしょうか。
 最後になって気になりましたが、題名が「円・ドル・ユーロで1億円をつくる私の方法」というのもどうでしょうか。「円・ドル・ユーロで1億円をつくった私の方法」のほうがいいのではありませんか。「つくる」というと、これからの話(未来形)で、「つくった」ならば経験談(過去形)になります。「これから作るぞ」という話ならば、誰でもできます。乙だって、そう宣言する気になれば、本が1冊書けます。しかし、それでは意味がありません。「実際作った」という話ならば、耳を傾けてもいいかもしれません。いや、それだって、ある個人の経験した偶然の話(宝くじに当たった話!)かもしれないので、誰にでも当てはまる方法とはいえないはずですが。
 乙は、本書を他人に薦める気にはなりませんでした。



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2008年10月15日

スーパーファンドの解約

 乙は、スーパーファンド(superfund B USD SICAV)を保有してきましたが、解約することにしました。
2008.9.3 http://otsu.seesaa.net/article/105933000.html
 9月中旬に仲介業者に連絡し、解約の意図を伝え、その後、解約の書類を書いて業者に郵送しました。
 9月30日現在で、無事解約できました。12,784.15 USD になった、という手紙が来ました。
 乙は、2005年11月に 10,450 ドル(450 ドルは販売手数料)を送金して、購入しました。解約時には、12,784.15 ドルですから、単純計算で 22% ほどの儲けが出たことになります。
 しかし、為替レートが問題で、2005 年には、だいたい1ドルが 120 円くらいでした。2008年9月末では 103 円でした。
http://www.aceconsulting.co.jp/kawasekinri.html
したがって、円で考えると、10,450×120=1,254,000 円が、12,784.15×103=1,316,767 円ということで、3年かけてもごくわずかの儲けにしかなりませんでした。まあ、マイナスにならなかっただけよかったというべきでしょう。
 スーパーファンド社からは、HSBC 香港の口座に送金してもらいました。10月8日に 12,777.06 ドルが入金されたことを確認しました。手紙で知らせてきた金額と 7.09 ドルの差があります。なぜこうなるのかはわかりません。これは、スーパーファンド社の送金手数料でしょうか。普通はそういうのを除外して計算書を送ってくると思いますので、ちょっと変です。もしかすると、HSBC 香港の入金手数料でしょうか。海外から入金があった場合に手数料を取るというのは、日本では考えにくいですが、香港ならばあるかもしれません。この点については、もう少し待ってみます。HSBC 香港からの報告書が来たら、そこに何か書いてあるだろうと思います。
 海外ファンドの解約の経験を積んでおくことにも意味があると思います。どうせ、老後はこんな解約をしながら生活していくことになりそうですから、どういうふうになるのか、知っておくことが大切だと思います。
 スーパーファンドの解約は簡単でした。同じ海外ファンドでも、Forsyth Global Commodity Fund の解約のときは、かなり大変でした。
2007.10.29 http://otsu.seesaa.net/article/63129141.html
ファンドごとにいろいろと違いがあるのでしょうね。
続きを読む
posted by 乙 at 03:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外ファンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月14日

OFWサポート・プログラムには投資しないことにしました

 乙は、ちょっとしたことで、「OFWサポート・プログラム」という金融商品があることを知りました。
http://nippon-credit.com/
 OFWというのは、Overseas Filipino Workers、つまり海外で働くフィリピン人のことです。そういう人たちにお金を貸して、その返済金から配当を払うというしくみです。米ドルですが、確定利回り 12% をうたっています。毎月 1% ずつで、1年間に 12% ということです。こういう高配当を見ると、すぐにも飛びつきたくなります。
 そこで、上記のホームページから、あちこちたどりながら、一通り見てみました。その結果、少なくとも、この Web の資料から判断する限り、乙は投資しないことにしました。
 この金融商品の一番の問題点は、各種リスクについて説明が不十分なところです。
 ホームページでは、「低貸し倒れリスク」と言って、3%から4%と書いています。それはいいのですが、海外で働く人に貸し出す以上、勝手に逃げ出してしまうような人がいたら、追いかけるのはむずかしそうです。貸し倒れのリスクは本当にこんな低率なのでしょうか。
 為替リスクについては Web 内に書いてありますが、そこの説明は間違っています。Web では次のように書いています。
日本人参加者は為替リクス【乙注:リスクの間違い】を負うことになりますが、3年契約を選択されれば、契約満了時には36%の配当金を受け取ることになるため、36% までの為替損までは相殺できることになります。つまり、1ドル/100円で参加した場合、3年後に1ドル/64円までの円高までは元本割れしないことになります。

 これを検算してみましょう。100万円を1万ドルに両替して投資したとします。3年後には 13,600 ドルになります。これが100万円に相当するためには、1,000,000/13,600=73.5 つまり1ドル73.5円の円高までが元本割れしないのであって、64円ではありません。こんなところで間違っていると、Web 内の記事の全部がうさんくさく思えてしまいます。
 次に、運営会社の倒産リスクです。これを推定するために、どれくらいの資金を運用して、どれくらいの利益を出しているのかということを数字で知りたいと思います。それによって、会社の安定性などがかなり判断できますが、Web には、この点が何も書かれていません。
 フィリピン人に対する貸出利息はどれくらいなのでしょうか。Web の記事では、昔の日本のサラ金並みの 30% くらいの利息を取るようですが、明記されていません。日本のサラ金の問題は、話が別ですが、利息が高いために、借り手がしばしば借金を返せなくなって、多重債務になったり、果ては夜逃げや自殺など、社会問題になったことは記憶に新しいところです。OFWサポート・プログラムでも同様の利率で貸し出すならば、似たようなことが起こらないとはいえません。乙は、サラ金で高金利で他人に金を貸すことが「社会貢献」だとは思いません。
 資金をどういう形で出資するのかも問題です。Web の「投資概要」のところには「投資」としか書かれていません。確定利回りなので、債券のようなものと思いますが、会社が潰れたときにどのように扱われるのか、よくわかりません。
 11年間の安定した実績があるとのことですが、それは配当金が安定して出せたということに過ぎません。あとから参加してきた人の資金を、前の投資家に回す、いわゆる自転車操業をやっているわけではないことはどうやって確認できるのでしょうか。
 「自分でわからないものには手を出すべきでない」という投資の原則があります。乙は、いろいろと疑問に思うところがあるので、投資しないことにしました。
 海外のサラ金のようなものというと、以前、乙のブログで書いた「ソウルコスモホールディングス」
2006.5.8 http://otsu.seesaa.net/article/17524604.html
と似たようなものかもしれません。
 ちなみに、ネットで検索しても、日本語では何も引っかかってきません。すごくマイナーな金融商品のようです。
 英語で「Nippon Credit Co., Inc.」ということで検索すると、いくつか引っかかってきます。しかし、ほとんど情報がありません。
http://www.philcom.ph/serv/nippon/index.html
 この会社がほんとうに11年も貸出事業をやってきているのか、17500人
http://nippon-credit.com/index.php?OFW%BB%D9%B1%E7%A5%ED%A1%BC%A5%F3
もの人に貸し出してきたのか、確認できませんでした。
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2008年10月13日

中桐啓貴(2008.7)『ほったらかしでも1億円の資産を生む株式・投資信託の始め方』クロスメディア・パブリッシング

 乙が読んだ本です。
 表紙には、上のほうに副題風に「「貯める」より「増やす」ことが、お金持ち投資戦略」と書いてあり、また、下のほうには「なぜ、財形をやめるとお金持ちになれるのか?」と書いてあります。
 ちなみに、乙が一読した限りでは、「なぜ、財形をやめるとお金持ちになれるのか?」に対する回答は(直接には)書かれていなかったように思いました。
 本の目次は
http://www.gaiainc.jp/kojin/media/books_hotta.html
にあります。
http://www.gaiainc.jp/
は中桐氏のホームページです。
 乙は、中桐氏の著書は今まで2冊読んだことがあります。
 『隠れたお金持ちが、みんなやってる投資の法則』
2008.3.10 http://otsu.seesaa.net/article/88979803.html
 『会社勤めでお金持ちになる人の考え方・投資のやり方』
2007.11.5 http://otsu.seesaa.net/article/64583300.html
の2冊です。
 読後感からいうと、以前の2冊と似た感想を持ちました。長期分散投資や積立投資を説いている点でまともな投資法を解説していると思いますが、しかし、全体に新鮮さがなく(手堅いといえば手堅いわけですが)、どうもどこかで読んだような感じがします。初心者向けの本では、こんなことになるのでしょうか。
 乙が「へえっ」と思ったようなところもあります。
 p.093 では「資産が数億円あるお金持ちの半分以上が300万円以下のクルマに乗り、36%が中古車を買い、4万円のスーツを着ているという事実」が紹介されます。乙は意外でした。この話の出典がわかるとありがたかったです。内容を詳しく知りたいと思いました。
 p.145 には、天引き積み立て投資しか上手くいかない理由が5点書いてあります。

@支出は必ず収入ギリギリまで上がるため(パーキンソンの法則)
A人はマーケットが下がると怖くて買えないため
B毎日の値動きを気にしなくていいため
C投資金額と買値がわからなくなるため
D資本主義下では株価は上下しながらも右肩上がりに上昇するため

 乙はなるほどと思いました。ただし、Cについては、毎月定額を投資すれば、定額×月数で投資金額がわかるわけです(したがって、直接の買値はわからなくても、平均的な買値はわかります)から、ちょっと言い過ぎのように思います。

 さて、本書にはいろいろ問題点があるように思います。以下ではそれを書いておきましょう。
 pp.135-136 投資信託に関して「基本的にはこのノーロード商品がお薦めですが、すべての商品がノーロードになると、販売する側にメリットがなくなるので、それはあり得ません。」と書いてあります。これは間違いです。ノーロードになっても、信託報酬の一部が(運用会社だけでなく)販売会社に入るため、投資信託を販売する側にもメリットがあります。したがって、すべての投資信託がノーロードになることは十分にあり得ます。(現実には、なかなかむずかしいでしょうが。)
 p.180 「がんと分散投資」について論じています。さまざまな食べ物をとることでガンを予防しようということと、さまざまな金融商品に分散投資することをたとえ話で結びつけて解釈しています。しかし、これはいかにも無理です。食べ物は消化されて体内に取り込まれるものであるのに対し、金融商品はそれ自体の価値が上下するものです。したがって、同じく「分散」といっても、基本的に原理も必要性も異なります。分散投資を比喩で説明するのはむずかしいように思います。
 p.026 「投資信託は英語で mutual fund と言いますが、この“mutual”というのは“共通の”という意味です。」とあります。mutual を英和辞典で引くと、確かに「共通の」という訳も付いていますが、mutual fund というときの mutual は「共通の」というよりは「お互いに対する、相互の」といった意味ではないでしょうか。「共同の」という意味もあるかもしれません。「共通の」では何が共通なのか、意味がわからないように思います。
 本書はミスプリが目立ちます。以下は網羅的ではありませんが、指摘しておきます。
 p.079 l.5 どうしょうか→どうでしょうか
 p.097 l.-4 これは最もなことです→これはもっともなことです
 p.187 l.1 仕事は分業・専門家されています→仕事は分業・専門化されています
 p.188 l.5 仕事とてして→仕事として
 p.189 l.4 仕事に対しての投入する→仕事に対して投入する

 ミスプリが多いということは、本書の価値を低めます。著者がきちんと校正していないというわけですから、どこか信頼性がなく、魂がこもっていない感じを与えます。

 p.204 には「厳選! 投資に関するあれこれブログ集」があります。乙がよく知っているブログがリストアップされていて「なるほどなあ」と思いました。そうしたら、なんと乙のブログも入っていました。「プロ級の知識を得たい人はこちらのブログ」のところです。「プロ級」だなんて、乙は、そんなとてもとても……。何だか恥ずかしいようなくすぐったさを感じました。
 ということは、この記事も中桐氏が読んでいらっしゃるということでしょうか。


posted by 乙 at 03:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月12日

アプラスカード年会費制度変更のお知らせ

 乙のところにアプラスカードからハガキが来ました。
 乙が使っているクレジットカード2枚
2006.12.16 http://otsu.seesaa.net/article/29714524.html
のうちの1枚ですが、アプラスキャッシュバックカード
http://www.aplus.co.jp/card/aplus_card2.html
といいます。
 ハガキによると、平成21年1月から年会費制度が変わり、年間の利用額が10万円未満の場合、年会費 1,312 円がかかるとのことです。
http://www.aplus.co.jp/notes/attention24.html
 今までは、1年間に1回以上の利用があれば無料でした。
 乙は、WOWOW と nifty の毎月の支払いをこのカードにしていますので、毎月確実に 9,141 円支払います。(ただし、WOWOW は株主優待があるから、3ヵ月分の視聴料が無料になります。)
 計算してみると、WOWOW と nifty の年間支払額は 9,141×12-(2,415×3)=102,447 円です。
 他の買物もありますので、乙はこのカードを1年で10万円以上は使っています。しかし、将来的にそれを下回るときがあるかもしれません。
 ポイントは 0.5% たまりますが、これはクレジットカードでは普通のことでしょう。乙が使っているもう一つのカード(楽天カード)は 1% たまるので、そちらのほうが有利です。
 アプラスキャッシュバックカードはポイントが現金になり、利用額から差し引かれるという点が大きなメリットなのですが、年間利用額からいったら大した金額ではありません。
 乙は、クレジットカードは年会費無料であるべきだと考えていますので、アプラスカードは解約したほうがいいかもしれません。
 乙の場合は、わざわざ解約するまでもないといえばその通りなのですが、しかし、多くの人が乙と同じように考え、クレジットカードを解約することがあるかもしれません。そうなれば、カードの会員数が減少するでしょう。それは、カード会社に「年会費を上げると大きなマイナスになる」というメッセージを伝えることになります。まあ、そんなにたくさんの人が解約するかどうか、疑わしいのですが。
 解約するなら、キャッシュバックを受け取ってからですかね。200ポイントたまるとキャッシュバックできますので、それまでは継続しましょう。
続きを読む
posted by 乙 at 04:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月11日

英語によるコメント

 乙のブログに2回ほど英語のコメントが付きました。
 ブログの右の欄の「最近のコメント」から、「Euroption Strategic Fund は購入しません。」のところをご覧ください。
 乙は、非常に興味深く思いました。
 以前、乙のブログのアクセス統計を見たときに、英訳のサイトからアクセスがあったことを思い出しました。
2007.6.21 http://otsu.seesaa.net/article/45432570.html
つまり、乙のブログ自体は全部日本語で書かれているけれども、それでも一部の人はわざわざブログを英訳して読んでいるということです。
 もっとも、自動翻訳の精度は低いので、ブログ記事の趣旨を間違ってとらえることもあるでしょう。今回のコメントの例はその典型例でした。
 しかし、コメントをいただいたことで、英訳しながら読んでいる人が実在することが確認できました。乙のブログが世界中に広がっていくような感覚でした。
 もちろん、実際は、毎回のブログ記事を英訳して読んでいるわけではなく、検索エンジンでキーワード(ファンド名など)を入れて引っかかった記事だけを英訳しているに過ぎないとは思います。
 まあ、乙のブログはわざわざ英訳して読むほどの価値はないと思いますが、それにしても、奇特な人がいるものです。
タグ:英語 ブログ
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2008年10月10日

AIGとリーマン・ブラザーズの経営者の高額報酬

 日経新聞10月8日の夕刊6面「ウォール街 ラウンドアップ」に興味深い記事がありました。
 以下、一部引用します。
 ウォール街の巨大金融機関は一体何を誤ったのか。米下院の政府改革・監視委員会が6日から、この疑問に迫る公聴会を開いている。7日は保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)のサリバン元最高経営責任者(CEO)が呼ばれ、厳しい追及を受けた。
 質疑では、経営危機の原因を作ったデリバティブ(金融派生商品)子会社の前社長に、AIGが今でも1億円の月給を払い続けていることが明るみに出た。この前社長、ジョゼフ・カッサーノ氏は8年間の在任中の報酬の合計額が約300億円。【中略】
 6日に公聴会に呼ばれた証券大手リーマン・ブラザーズのファルド前CEOも 2000 年からの在任中に約350億円近い報酬を手にしたことが厳しく批判された。

 乙は、以前からアメリカの経営者の報酬は高額だと聞いていましたが、これほどとはさすがに驚きました。日本ではありえないと思います。
 経営者の報酬がいくらであるべきかというのは難しい問題で、それぞれの会社(の株主)の判断に任されているともいえます。しかし、こういう会社の株主たちの気持ちは、きっと複雑でしょうね。
 リーマン・ブラザーズは、結局破綻したわけですから、株主たちは大損害を受けたわけです。そういう中で、過去の話とはいえ、CEOが350億円もの報酬を受け取っていたとなると、株主たちの心中は穏やかならぬものがあるはずです。
 こんなふうに、会社が破綻しても、CEOは高額の報酬をもらったままで辞めることができるなら、それは誰だってハイリスクを目指すに違いありません。だって、ハイリスクなやり方をして会社が大きく儲けられれば、その中のいくぶんかは自分のものになりますし、会社が潰れてしまったなら「はいさようなら」で個人の損失はゼロにできます。
 ということで、こんなことを認めたままならば、多くの企業でハイリスク経営が蔓延してきます。それはつまり、アメリカ経済全体がハイリスクになるということを意味します。それでいいのでしょうか。
 今回の恐慌並みの大事件は、さまざまなことを考えさせてくれます。
posted by 乙 at 04:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月09日

宇宙飛行士に保険?

 中国で宇宙飛行士に保険をかけたという話がありました。
http://www.epochtimes.jp/jp/2005/10/html/d80380.html
では、「情報によると、中国人寿保険会社は「神舟5号」の宇宙飛行士・楊利偉氏のために「友情賛助」としての人身保険を500万元もかけた」とあります。この文面は
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1130060673/
にもあります。
 乙は、この話はあやしいと思いました。
 考えてみれば、宇宙飛行士が死ぬ確率は算出がきわめてむずかしいものと思われます。保険会社としては、確率が計算できなければ、保険料(掛金)の算出ができませんから、保険は成立しません。
 ところで、
http://www2.cc22.ne.jp/~hiro_ko/6-7china.html
には、次のような記事があります。
「神舟5号」楊飛行士の保険は6千5百万円
2003年10月21日 The Sankei Shimbun
 32日付の中国紙、中国青年報によると、中国の生命保険最大手、中国人寿保険は、同国初の有人宇宙船「神舟5号」に搭乗した楊利偉飛行士に、受取金額が最高500万元(約6500万円)の保険を掛けていたことを明らかにした。
 担当者によると、同社が契約した宇宙飛行士に対する生命保険は、死亡時に支払われる保険金額が(1)訓練時は100万元(2)(地上での)宇宙飛行に関する業務時は200万元(3)宇宙飛行中は500万元−の3段階。中国の宇宙飛行関係部門が契約者になっているが、実際は保険会社側が掛け金を負担し飛行士に贈与する内容になっていたという。(共同)

 「32日」というのは存在しないので、何かの間違いでしょう。
 この記事にあるように、「中国の宇宙飛行関係部門が契約者になっているが、実際は保険会社側が掛け金を負担し飛行士に贈与する内容になっていた」ということならば理解できます。つまり、保険料の算出はしなくても、問題にはならないのですね。
 だとすると、掛金不明ですから、これは「保険」ではないように思われます。「契約」はどうなっていたのか、気になる話です。
posted by 乙 at 04:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 保険 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月08日

週刊ダイヤモンド 2008.9.13 特集「給料 全比較」

 乙が読んだ雑誌です。
 1ヵ月も前に出たものです。すでに旧聞に属します。たまたま最近気が付いて読んでみました。
 p.33 には、100職種別の推定年収ランキングが掲載されています。
 推定年収が多いのは、プロ野球選手、Jリーガー、国会議員、競艇選手、都道府県議会議員、プロゴルファーなどですが、これらは、特殊な職業であり、平均年齢も生涯賃金欄も「−」です。平均年齢や生涯賃金を算出しようがない、つまり算出しても無意味だというわけです。短期間しか働けないようだし、変動も大きそうです。これらを省くと、(平均年齢と生涯賃金が記入してあるものに限ると)ランキングは次のようになります。上位7職種を示します。
職種平均年齢(歳)推定年収(万円)生涯賃金(万円)
航空機操縦士
35.7
1,308
47,732
大学教授
56.5
1,122
27,432
勤務医
40.0
1,104
46,595
記者
37.8
895
37,842
大学講師
42.5
767
28,435
電車運転士
39.5
613
24,925
航空機客室乗務員
33.8
602
26,832

 ここまでが年収 600 万円以上ということになります。生涯賃金の記載がないものも含めれば、弁護士、歯科医師、警察官、高等学校教員なども(記者の下ですが)入ってきます。
 パイロットや勤務医は、命を預かる仕事で、まあ高給取りでも当然でしょう。
 大学教授は、一見、高給取りに見えますが、実は違います。生涯賃金がかなり低い点に注意してください。また、平均年齢が高い点にも注意してください。大学では、若いうちは専任講師や准教授になっています。教授になるころには平均年齢が高くなってしまうのです。平均年齢が 56.5 歳ということは、たとえば、47歳から66歳くらいまでと考えられるでしょう。生涯賃金でいうと、大学講師やキャビンアテンダントとあまり変わらないということです。
 こう考えてくると、記者がかなり高給取りに見えてきます。確かに記者には優秀な人が多いように思いますが、ちょっともらいすぎかもしれません。
 上の表には入りませんでしたが、獣医師 563 万円などは、特殊な技能を持っている割には給料が低いといえるでしょう。扱うのが動物の命ですから、人間の命を扱う医者より安いのは当然でしょう。カネの出し手(つまり人間)が、家畜やペットに出せる分しか出さないのですから、給料が安くなる傾向があるのでしょう。
 雑誌に出ていた表全体を見て、乙は、実に微妙だと思いました。うまくできているのです。特殊な技能を持っている人は給料が高く、そうでない人は低いのです。給料は社会の縮図であり、実に見事です。

 個人投資家というのは、資金を投資に回せるだけの生活の余裕があるということですから、けっこう専門的な職業に就いている人が多いのかもしれません。
 p.55 には、給料が高い会社50社の一覧が出ています。テレビ局、総合商社が高いんですね。電通や博報堂といった広告代理店も(テレビ局との関連でしょうか)けっこうもらっているようです。
 p.59 から、1部上場 1701 社の従業員の平均年収ランキングが載っています。業種別です。
 もちろん、雑誌ですから、データだけでなく、給料にまつわる各種の記事も載っています。本号は、日本の現状を「給料」という鏡で映し出しているように思いました。
posted by 乙 at 03:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月07日

イーバンク銀行のゴールドラッシュプログラムV2

 乙の手元には10月3日付の e-mail で連絡がありました。
 イーバンク銀行は、10月からゴールドラッシュプログラムを変更し、「登録制」になるのだそうです。
 ゴールドラッシュプログラムというのは、他の銀行から乙の口座へ振り込みがあった場合に、なにがしかのお金がプレゼントされることをいいます。
http://www.ebank.co.jp/p_layer/campaign/goldrush/index.html
 今回の変更では「Yahoo! かんたん決済」を含めるということで、オークションユーザーを対象にして制度を設計しているようです。
 しかし、この変更のせいで、利用者としては、毎月1回、イーバンクのホームページにアクセスして、クリックしなければなりません。
 今までは、登録制でなかったため、何もしなくても、勝手にプレゼントが振り込まれていたのです。
 めんどうな処理が増えました。
 とはいえ、これに参加することで、なにがしかのお金になる(ことが多い)わけですから、まあ月1回のアクセスを継続すると思います。乙の場合、月3回くらいは振込があるように思います。給与振込で1回は確実ですし、他からの入金もいろいろありますから。それにしても、数十円くらいもらっても、あまりうれしいとは感じません。
 イーバンク銀行はなぜこんなめんどうなことを始めたのでしょうか。口座にアクセスしない利用者が意外と多いのでしょうか。サービスを改悪しつつコストを抑えようとしているのでしょうか。そんなにも経営が厳しくなっているのでしょうか。
 この話は、あちこちで話題になっています。
http://www.ginkou.info/modules/news/article.php?storyid=249
http://blog.livedoor.jp/ringoametoyuzupon1/archives/51155189.html
http://www.eshisan.com/archives/51377475.html
http://rei.blogmin.jp/890274.html
http://aikomile.blog73.fc2.com/blog-entry-618.html
http://noritan2007.blog81.fc2.com/blog-entry-30.html
http://www.anzen-anshin.net/KabuPrediction/modules/wordpress/index.php?p=108
http://ginkou.exblog.jp/7047051/
posted by 乙 at 04:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融機関 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月06日

金子哲雄(2008.2)『おみくじの原価は1円!』(宝島社新書)宝島社

 乙が読んだ本です。「時代を超えて生き残るビジネス」という副題が付いています。
 いろいろなものの原価を論じています。原価が安いもの(さらには無料のもの)が儲かるわけで、その典型がおみくじなので、それをタイトルにした本です。
 さまざまな商品の実例が挙げられます。著者は何でも原価を考える流儀のようです。
 集客商品と収益商品の区別なども説明されます。
 また、各種手数料や代行業などがいかに儲かるかが示されます。
 この本を読むと、世の中のビジネスがいかに不平等かがわかります。

 ビジネスチャンスがどこにあるのかを考える上でおもしろい本ですが、実践はそれなりにむずかしいことでしょう。本書を読むと、何となく儲けのネタを考えて起業してみたくなってしまいます。しかし、普通に考えて儲かりそうなところにはすでに先行例があるわけですから、そのままうまく行くとは限りません。
 新しいビジネスを立ち上げるとなるとやっぱりそれなりに大変です。

 いろいろと考えさせる本です。


posted by 乙 at 05:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月05日

中国のIT情報開示制度

 乙が目にしたニュースです。
 中国が、IT製品へのソフトの設計情報を開示させる制度を作るのだそうです。
http://www.nikkei.co.jp/china/news/index.aspx?n=MMCHc1007025092008
 これに対して、日米欧の経済界が共同で懸念を表明するようです。
 このニュースには驚きました。記事には「中国政府が外国企業にIT製品を制御するソフトウエアの設計図を開示するよう迫る。対象は「基本ソフト(OS)一体型の製品」「ネットワークの監視システム」など13分野にのぼる。情報を開示しない場合は中国で製品を販売できなくなる。」とあります。
 さらに、
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080920-OYT1T00799.htm
には、より詳しく、「IT製品を制御するソフトウエアの設計図「ソースコード」を中国当局に開示するよう強制し、拒否すれば、その製品の現地生産・販売や対中輸出が一切できなくなる。」と述べています。
 これってすごい制度です。だって、OSをどう作っているか、それをソースコードで全部開示せよというのです。これでは、知的財産保護はどうなってしまうのでしょうか。中国政府に開示した情報が、その先、安全に扱われる(中国国内の企業などに流れない)と保証できるのでしょうか。さもなければ、政府が支援するどこかの企業に中国政府からソースコードが流れる可能性があり、その企業はあっという間に外国製品と同等の性能を持つ製品を作ることができるでしょう。ソースコードは、開発に携わってきたおおぜいの人々の叡智の結晶です。その価値は計り知れません。外国企業にしてみれば、そう簡単に外部に見せるなんてとんでもないことです。
 こんな制度が登場したら、中国にIT製品を輸出しないと判断する外国企業が出てもおかしくありません。
 この問題に関して、ネット内には、あまりいい情報はありませんが、大前研一氏の「ニュースの視点」
http://www.ohmae.biz/koblog/viewpoint/1181.php
がわかりやすいと思います。
 これが簡単に実現できるとは思いませんが、そもそもこういうことを発想すること自体が問題だろうと思います。
 中国は、まか不思議な国です。
posted by 乙 at 05:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月04日

リーマン・ブラザーズの破綻で個人投資家はどう動いたか

 NIKKEI NET で、個人投資家の調査をやっています。その(途中)結果がおもしろかったです。
http://markets.nikkei.co.jp/survey/
の「スタンス」のところです。(今後、投票が増えると、この数字は変わってしまうでしょう。)
 設問は、次の通りです。

サブプライムローン問題に端を発した米金融危機は、9月にはリーマン・ブラザーズの経営破綻を招き、金融不安に発展しました。その時、あなたはどういう投資行動をとりましたか(複数選択可)

 結果は、次の通りです。

17% 株式(投資信託を含む)に割安感が出ており、買い場だと考え積極的に買い増した
11% 株式(投資信託を含む)の保有を続けると損失が拡大するリスクがあると考え、損切りした
3% ドル急落など為替が不安定化したため、外貨建て商品の一部、あるいは全部を解約した
2% 円高が進み割安感がでたため、ドル建て資産のウエートを高めた
35% 情報収集に努めるなど、混乱収束を冷静に見守った
5% 金などの現物資産や債券、比較的高利の預貯金などへの「質への逃避」を強めた
26% 対応をとるべきと感じつつ、市場の動揺を前に何もできなかった

 回答者の人数が不明ですので、信頼性があるのかないのかもまったくわかりません。
 今回のリーマンの破綻は大事件でしたが、多くの個人投資家は冷静に行動しているようです。まあ、こんなものでしょうね。
 乙も、何も出来ませんでした。
posted by 乙 at 05:01| Comment(4) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月03日

株式時価総額 2000 兆円目減り

 乙が日経新聞10月1日朝刊1面で見た記事です。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081001AT2D3001L30092008.html
でも一部読めます。
 世界の株式時価総額が急減しているわけですが、9月末時点での時価総額を計算すると、過去最高だった2007年10月末と比べて 2000 兆円以上減ったとのことです。
 いやはや、衝撃的な数字です。
 日経新聞には、世界主要市場株価下落率が載っていました。

61.5% 中国(上海)
46.3% ロシア
42.5% 香港
37.3% シンガポール
36.3% イタリア
35.2% インド
34.3% アルゼンチン
32.7% 日本
32.4% フランス
31.7% 豪州
29.5% ブラジル
28.3% 英国
27.9% スイス
27.6% ドイツ
26.2% 南アフリカ
25.6% 米国
22.8% カナダ

 いやはや衝撃的な数字です。
 これだけのすごい数字が並ぶ中で、運用成績をプラスにするのは困難です。
 いや、株の空売りなどで成績をプラスにすることはできないわけではありません。しかし、現実にプラスの人がいたら、その人は要注意です。きっと投機的な取引をしている人に違いありません。いつなんどき資産がゼロになってしまうかもしれません。
 インデックス投資をしている人たちは、確実に沈んでいることでしょう。
 乙も、資産の目減りはすごいもので、リスクとは、確かにリスクだなあと感じています。まあゼロになっていないからかまいませんが。
 乙は、保有する中国株の半分を2007年10月に売りましたが、
2007.10.23 http://otsu.seesaa.net/article/62004596.html
当時、確たる見通しがあったわけではなく、上述のブログ記事を見ても、「乙の予想では、中国株はまだまだ上がると思います。ですから、全資金を引き上げるというようなことはしません。2010 年の上海万博あたりが当面の注目時期といえるでしょう。しかし、その後もたぶんそのまま保有を続けると思います。」などと書いています。いかに間違った見通しを持っているかを如実に物語っています。

 こんなひどい状況でも、しばらく先には、株価は元に戻るものと楽観視しています。上の表の数字が(下落率でなく)上昇率に変わる日もきっと来るでしょう。
 本当は、こういうひどい状況の時こそ、投資を行うべき時期だと思うのですが、個人的事情により、この先しばらくは、投資はお休みです。
2008.6.8 http://otsu.seesaa.net/article/99784901.html
ただし、投資信託の毎月積立だけは継続しています。
2008.4.5 http://otsu.seesaa.net/article/92292888.html
2008.4.4 http://otsu.seesaa.net/article/92156333.html
2008.4.3 http://otsu.seesaa.net/article/92055448.html
 ま、乙にとっては安寧な日々といったところでしょうか。
posted by 乙 at 05:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月02日

読者からの質問メール

 乙は、ブログの読者からメールをもらうことがあります。
 いろいろ質問してくる人もいます。個別の質問に乙が個別に回答するときもあります。しかし、中には、直接回答せずに、その内容を膨らませて乙のブログネタにする場合もあります。

 先日は、はじめての人から、こんな内容のメールをもらいました。
○○【乙注:具体的な金融商品名が入っていたが、省略】
についてどう思われますか?

 たった2行だけのメールでした。
 乙にとっては初めての人です。この人がどんな人か、今までどんな投資経験をしてきたのか、これからどうしようとしているのか、まったく説明がありません。
 特定の金融商品を取り上げて、その良し悪しを論じることはできないと思います。悪いことがはっきりしている(誰にもすすめられない)場合もあるので、ある程度、いえる場合もありますが、そうでもなければ、個人の状況の説明なしでは、良いも悪いもいえないものではないでしょうか。誰にでもおすすめできる金融商品なんて存在しないと思います。
 それに、たった2行で見知らぬ人に質問してくること自体、世間一般の基準から見て常識的な態度ではないように思います。
 乙が他人に質問するときだったら(実際、知らない人に勝手にメールで質問するときもけっこうたくさんあるのですが)もう少し言葉を尽くして質問するように思います。
 乙のブログは公開していますし、いろいろな人が読むものだとは思いますが、読者にもさまざまなタイプの人がいるのだなあと思いました。
 ちなみに、乙は、このメールを送ってきた人に
 私は、あなたのことをまったく知りません。
 そういう方から

>○○
>についてどう思われますか?

というようなことを尋ねられても、答えようがありません。

というメールを送りました。
 何も返事がありませんでした。(これは予想していたことでした。)
posted by 乙 at 04:44| Comment(0) | TrackBack(0) | ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月01日

竹川美奈子(2008.7)『「しくみ」マネー術』PHPエディターズ・グループ

 乙が読んだ本です。副題として「手間なしでお金が勝手に貯まる」が主題の前に、「口座は【生活・貯蓄・プール・投資】の4つに分けなさい!」が後に、それぞれ付いています。
 このタイトルで、中身がわかってしまいます。つまり、手間をかけないでお金が勝手に貯まるしくみを作ってしまおうということですし、そのためには口座を四つに区分しようということです。
 この本は、投資を始めたこともない若い人(想定読者は20代?)に、投資のしかたをやさしく伝授する本です。
 コアとサテライトをわけ、コア部分では日本株、外国株、外国債券に投資する投資信託を毎月少しずつ買っていこうという内容ですから、書いてあることは正しい(望ましい)と思いますし、この方法でいいのですが、しかし、なぜこの方法でいいかということはあまり説明されていません。となると、初めてこの本を読む人は、本当にこれでいいのだろうかと疑心暗鬼に思うのではないでしょうか。その先は別の本で勉強しなければなりません。
 乙は、ある程度の年齢になってから投資を始めたので、この本に書いてあるようなわけにはいきませんでした。30年前にこの本に出会っていたら、違った経験を積み重ねてきたことでしょう。
 p.52 で、口座を四つに分けようという話が出てきます。考え方は理解できるのですが、乙自身は今までこういう区別をしてきませんでした。かなりいい加減に一つの口座で生活してきました。それが悪かったとは思いません。要は個人の生活態度です。乙は、もともと貧乏人ですから、ぜいたくをしないような考え方をしてきました。お金がかかるような趣味もありませんでした。若いころは投資もしてこなかったわけです。その経験からすると、無理に口座を四つに分ける必要はなく、本書に書いてあることも、考え方として受け止めておく程度でいいように思いました。
 p.94 には、日本株式、外国株式、日本債券、外国債券の4資産の代表的な商品が列挙されていて、「コアに向くかどうか」という観点から○、△、×が付いています。外国株式のところの海外 ETF は△です。日本株式のところの ETF は○です。なぜ両者は違う判定になっているのでしょうか。外国債券のところの海外 ETF も△です。不思議な気がしました。先を読んでいくと、p.119 に、その説明の一部が出てきます。海外 ETF では、最低投資金額が大きいということと、毎月積立に対応していないことです。若い人(収入が多くない人)の場合は、最低投資金額の壁はけっこう高いかもしれません。毎月積立ができないこともその通りで、本書のコンセプトに合わないといえば合いません。乙は、海外 ETF を Interactive Brokers で購入していますが、積立ができない分、手間がかかりますが、自分の金を投資するのですから、それくらいの手間は当然と思っています。また、日本で購入するよりは手数料が安いですから、最低投資金額もそんなに高いとは思いません。個人の置かれた状況によって、適切な金融商品は違ってくるものだと思います。
 本書は、分量的にそんなに長くなく、さらっと読めてしまいます。新書並みと言えばいいでしょうか。
 乙には、記述が簡単すぎて不満が残る内容でしたが、20代の投資初心者にはおすすめできる本かもしれません。


posted by 乙 at 05:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする