乙のところにもメールがきて、知りました。
http://www.shinseibank.com/powerflex/cam/merit_netbank.html#ft_navi
新生銀行の無料振込回数を5回(あるいは10回)で維持するために、残高判定方法が「月末残高」から「月間平均残高」に変更になるとのことです。
今の制度に変更されたのも、7月からですから
2008.5.14 http://otsu.seesaa.net/article/96641965.html
こういう制度が半年も持たずにどんどん変えられるというわけです。あまり頻繁な変更はどんなものでしょうか。
まあ、月末残高よりは月間平均残高のほうが望ましいことはわかりますが、実際のところ、月末だけ預金額が増えて、その後減るようなことが目立ったのでしょうかね。
乙は、新生銀行経由でいくつか投資信託を購入していますが、いずれもひどい成績で、元本を大きく割り込んでいます。
そんなわけで、とりあえず、「大同のMMF」
2008.6.18 http://otsu.seesaa.net/article/100892625.html
を若干追加して購入しておきます。何としても投資信託30万円は維持しておきたいところですから。
続きを読む
2008年11月30日
2008年11月29日
山田昌弘・白河桃子(2008.3)『「婚活」時代』(ディスカヴァー携書)ディスカヴァー・トゥエンティワン
乙が読んだ本です。
投資に関係するかと言われれば、若干違うような気もします。しかし、投資は人生の生き方であるとすると、結婚活動(婚活)も大事な一歩であると思います。乙は既婚者なので、婚活は不要ですが、身近に未婚者がいたりしますから、こういう本も読んでおいて損はありません。
本書は2人の共著で、各章ごとに執筆者が変わっていますから、半々の割合で関わっているように見えますが、実は、白河氏の書いている部分のほうがかなり多めになっています。山田氏は学者ですが、白河氏はジャーナリストで、それぞれが書いた部分は、ずいぶんと違った書き方です。(乙は山田氏の書いている部分のほうが好きです。)
p.18 「就職にしろ結婚にしろ、自由化が起これば思い通りにはならなくなる」とあります。とても不思議な感覚でした。結婚における「自由化」とは、結婚年齢がばらついていることを意味しています。以前は自由ではなかった(それなりの年になったら結婚するものだという社会的圧力があった)というわけです。
このため、p.19 でいうように「婚活」なしでは結婚できない時代になっているというわけです。このことは、p.193(あとがき)でも触れられます。今はそういう時代なのですね。
p.27 では、丸の内OLについてですが、「年収2倍の法則」というのがあるそうです。丸の内のOLは、結婚相手に自分の年収の2倍の年収を望んでいるのだそうです。万が一、自分が働けなくなっても、2人が生きていくためには、自分の年収の2倍があればいいというわけです。まあ、それはそうですが、(男性の)実態と比較すれば、けっこうな高望みといえるでしょう。
p.46 では、1980年代までの職場結婚を描いています。総合職の男性と一般職の女性が出会う場として、企業がセッティングする集団見合いの場のようなものだったとしています。乙は「そうだったのか」という気がしました。自分の回りを見渡すと、確かにそういう人も多かったように思います。当時、企業の人事担当者は、女性を採用するとき、数歳年上の男性社員の妻にふさわしいかどうかで採用の可否を決めていた面があったのですね。
p.108 では、山田氏の記述で「実は、男性というのは、女性が考えているほど、女性を美人度で選んでいるわけではないのです。」という記述があります。一方、pp.74-75 では、白河氏の記述で、お見合いパーティーでの申込みを見ると、男性は若くてきれいな女性に集中的に申し込んでいるとのことです。著者2人の観察は、かなりずれているようです。あえて意見を統一する必要はありませんが、できたら、このあたりを調整して、適切な記述になっていてほしかったところです。
p.162 では、男性に「流される勇気」がほしいとあります。女の人が迫ってきたら、そのまま流されてもいいというわけで、まあこれも真実の一端かもしれません。おもしろい考え方でした。
乙が読んでいて、ちょっと意味がわからなかったのは、p.25 でした。2000年と2005年の国勢調査を比べているところですが、「30代前半だった女性たちは30代後半になっていて、未婚率は 26.6→18.6(%)。7割の人が未婚のまま30代後半へ。」とあります。ここの「7割」という数字は違っているのではないでしょうか。2割が正しいのでしょうか。あるいは、30代前半で未婚だった人(26.6%)の7割が30代後半でも未婚だったと読むべきでしょうか。18.6/26.6=0.699 です。比率と比率を比べて比率で示すというのはわかりにくいと思います。
新書サイズなので、手軽に読み切れます。今の日本社会の一面が書かれており、大変おもしろく読むことができました。
投資に関係するかと言われれば、若干違うような気もします。しかし、投資は人生の生き方であるとすると、結婚活動(婚活)も大事な一歩であると思います。乙は既婚者なので、婚活は不要ですが、身近に未婚者がいたりしますから、こういう本も読んでおいて損はありません。
本書は2人の共著で、各章ごとに執筆者が変わっていますから、半々の割合で関わっているように見えますが、実は、白河氏の書いている部分のほうがかなり多めになっています。山田氏は学者ですが、白河氏はジャーナリストで、それぞれが書いた部分は、ずいぶんと違った書き方です。(乙は山田氏の書いている部分のほうが好きです。)
p.18 「就職にしろ結婚にしろ、自由化が起これば思い通りにはならなくなる」とあります。とても不思議な感覚でした。結婚における「自由化」とは、結婚年齢がばらついていることを意味しています。以前は自由ではなかった(それなりの年になったら結婚するものだという社会的圧力があった)というわけです。
このため、p.19 でいうように「婚活」なしでは結婚できない時代になっているというわけです。このことは、p.193(あとがき)でも触れられます。今はそういう時代なのですね。
p.27 では、丸の内OLについてですが、「年収2倍の法則」というのがあるそうです。丸の内のOLは、結婚相手に自分の年収の2倍の年収を望んでいるのだそうです。万が一、自分が働けなくなっても、2人が生きていくためには、自分の年収の2倍があればいいというわけです。まあ、それはそうですが、(男性の)実態と比較すれば、けっこうな高望みといえるでしょう。
p.46 では、1980年代までの職場結婚を描いています。総合職の男性と一般職の女性が出会う場として、企業がセッティングする集団見合いの場のようなものだったとしています。乙は「そうだったのか」という気がしました。自分の回りを見渡すと、確かにそういう人も多かったように思います。当時、企業の人事担当者は、女性を採用するとき、数歳年上の男性社員の妻にふさわしいかどうかで採用の可否を決めていた面があったのですね。
p.108 では、山田氏の記述で「実は、男性というのは、女性が考えているほど、女性を美人度で選んでいるわけではないのです。」という記述があります。一方、pp.74-75 では、白河氏の記述で、お見合いパーティーでの申込みを見ると、男性は若くてきれいな女性に集中的に申し込んでいるとのことです。著者2人の観察は、かなりずれているようです。あえて意見を統一する必要はありませんが、できたら、このあたりを調整して、適切な記述になっていてほしかったところです。
p.162 では、男性に「流される勇気」がほしいとあります。女の人が迫ってきたら、そのまま流されてもいいというわけで、まあこれも真実の一端かもしれません。おもしろい考え方でした。
乙が読んでいて、ちょっと意味がわからなかったのは、p.25 でした。2000年と2005年の国勢調査を比べているところですが、「30代前半だった女性たちは30代後半になっていて、未婚率は 26.6→18.6(%)。7割の人が未婚のまま30代後半へ。」とあります。ここの「7割」という数字は違っているのではないでしょうか。2割が正しいのでしょうか。あるいは、30代前半で未婚だった人(26.6%)の7割が30代後半でも未婚だったと読むべきでしょうか。18.6/26.6=0.699 です。比率と比率を比べて比率で示すというのはわかりにくいと思います。
新書サイズなので、手軽に読み切れます。今の日本社会の一面が書かれており、大変おもしろく読むことができました。
2008年11月28日
ドルコスト平均法
乙がブログで見かけたのですが、日高誠さんによる記事
http://blog.livedoor.jp/m_hidaka/archives/51066194.html
はおもしろいと思います。
だんだん上昇しているファンドと、いったん下がって、その後少し復活して元値に戻ったファンドがあったとき、ドルコスト平均法で積立投資をしていくと、後者のほうが成績がよくなるという話です。
具体的な計算結果も出ていますので、間違いはないと思います。
これはかなり意外な感じがします。
ファンドは基準価額が上下するものですが、まさに基準価額の上下を活かして資産を積み上げていくには、ドルコスト平均法は優れた方法だと思います。
理論的には、ドルコスト平均法は得でも損でもないのですが、普通の人の投資スタイルとしてはなかなかいいものを持っています。定期的に投資を続けるためには、この方法が望ましいと思います。
乙は、ドルコスト平均法を採用しているわけではありません
2006.8.14 http://otsu.seesaa.net/article/22320551.html
が、現在は、それに準じた投資行動を取っています。
http://blog.livedoor.jp/m_hidaka/archives/51066194.html
はおもしろいと思います。
だんだん上昇しているファンドと、いったん下がって、その後少し復活して元値に戻ったファンドがあったとき、ドルコスト平均法で積立投資をしていくと、後者のほうが成績がよくなるという話です。
具体的な計算結果も出ていますので、間違いはないと思います。
これはかなり意外な感じがします。
ファンドは基準価額が上下するものですが、まさに基準価額の上下を活かして資産を積み上げていくには、ドルコスト平均法は優れた方法だと思います。
理論的には、ドルコスト平均法は得でも損でもないのですが、普通の人の投資スタイルとしてはなかなかいいものを持っています。定期的に投資を続けるためには、この方法が望ましいと思います。
乙は、ドルコスト平均法を採用しているわけではありません
2006.8.14 http://otsu.seesaa.net/article/22320551.html
が、現在は、それに準じた投資行動を取っています。
2008年11月27日
スーパーファンドは10月の成績がとてもよかった
乙は、スーパーファンド(Superfund B USD SICAV)に投資していたのですが、
2006.7.18 http://otsu.seesaa.net/article/20948293.html
2008.9.3 http://otsu.seesaa.net/article/105933000.html
3年ほど経っても、どうにも大した成績ではないので、9月末を持って解約しました。
2008.10.15 http://otsu.seesaa.net/article/108093853.html
その後、このファンドがどうなったのか、気になって、成績を見てみました。
http://www.superfund.com/HP07/ProductDetail.aspx?Menu=1&Sub=1&Navi=1&ISIN=LU0199180257&Strategy=B
すると、以下のようになっていました。
つまり、乙の解約後の10月には、1ヵ月だけで 24.49% も基準価額が上昇したのです。今までで最高のパフォーマンスを示したのでした。
乙はこれを享受することができませんでしたので、悔しい思いをしています。
今後、再度このファンドを購入するのも悔しさ2乗ですから、購入しないと思いますが、それにしても悪いタイミングで解約したものです。1ヵ月先のことはわからないのですね。
もともと、ヘッジファンド系のファンドは、通常の株式や債券と値動きがことなる(相関が低い)わけで、乙はそのことに存在価値を見出していました。ですから、資産の多くはインデックス投資の考え方にしたがって、投資先を決めるにしても、一部をヘッジファンドに投資することは、運用資産全体としてリスクの軽減に有効であると考えてきました。
10月は、アメリカ発の金融危機で世界中の株式が大きく下がったわけで、乙も運用資産をかなり減らしてしまいました。しかし、スーパーファンドはこの時期に急上昇していたというわけで、まさにリスク軽減に有効であることを証明したともいえると思います。
乙は、毎月の価格の上下変動の激しさがいやになって解約したのですが、それはそう単純な話ではありませんでした。投資に「たら・れば」は禁物ですが、もしも継続していたら、十分な利益が出たということで、この段階で大きく安心して、さらに10年は継続することにしたでしょう。当初からそのつもりでいましたし。
人間万事塞翁が馬ですから、このファンドの将来はわかりませんが、3年程度経過を見ても、まだ成績を云々するには短すぎるのかもしれません。
いやはや、真の意味で「長期投資」を目指すことは、言うは易く行うは難しなのでしょう。
スーパーファンドの解約は、とてもいい経験になりました。
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2006.7.18 http://otsu.seesaa.net/article/20948293.html
2008.9.3 http://otsu.seesaa.net/article/105933000.html
3年ほど経っても、どうにも大した成績ではないので、9月末を持って解約しました。
2008.10.15 http://otsu.seesaa.net/article/108093853.html
その後、このファンドがどうなったのか、気になって、成績を見てみました。
http://www.superfund.com/HP07/ProductDetail.aspx?Menu=1&Sub=1&Navi=1&ISIN=LU0199180257&Strategy=B
すると、以下のようになっていました。
2004.11 | 10.51% |
2004.12 | -4.00% |
2004p.a. | +6.10% |
2005.01 | -12.17% |
2005.02 | -1.58% |
2005.03 | 1.14% |
2005.04 | -10.93% |
2005.05 | 3.00% |
2005.06 | 2.65% |
2005.07 | -0.50% |
2005.08 | -1.59% |
2005.09 | 1.30% |
2005.10 | -11.98% |
2005.11 | 13.32% |
2005.12 | 2.92% |
2005p.a. | -16.17% |
2006.01 | 9.71% |
2006.02 | -5.36% |
2006.03 | 3.44% |
2006.04 | 7.50% |
2006.05 | -6.66% |
2006.06 | -3.85% |
2006.07 | -15.38% |
2006.08 | -1.34% |
2006.09 | 9.26% |
2006.10 | 8.03% |
2006.11 | -0.34% |
2006.12 | 14.04% |
2006p.a. | +16.05% |
2007.01 | 1.49% |
2007.02 | -10.70% |
2007.03 | -6.66% |
2007.04 | 10.84% |
2007.05 | 6.22% |
2007.06 | 4.34% |
2007.07 | -12.30% |
2007.08 | -10.84% |
2007.09 | 8.19% |
2007.10 | 13.88% |
2007.11 | -7.03% |
2007.12 | 3.93% |
2007p.a. | -3.27% |
2008.01 | -4.16% |
2008.02 | 19.21% |
2008.03 | 1.60% |
2008.04 | -3.77% |
2008.05 | 8.60% |
2008.06 | 11.78% |
2008.07 | -14.85% |
2008.08 | -9.14% |
2008.09 | 5.47% |
2008.10 | 24.49% |
2008.11 | 4.55% |
2008p.a | +44.02% |
つまり、乙の解約後の10月には、1ヵ月だけで 24.49% も基準価額が上昇したのです。今までで最高のパフォーマンスを示したのでした。
乙はこれを享受することができませんでしたので、悔しい思いをしています。
今後、再度このファンドを購入するのも悔しさ2乗ですから、購入しないと思いますが、それにしても悪いタイミングで解約したものです。1ヵ月先のことはわからないのですね。
もともと、ヘッジファンド系のファンドは、通常の株式や債券と値動きがことなる(相関が低い)わけで、乙はそのことに存在価値を見出していました。ですから、資産の多くはインデックス投資の考え方にしたがって、投資先を決めるにしても、一部をヘッジファンドに投資することは、運用資産全体としてリスクの軽減に有効であると考えてきました。
10月は、アメリカ発の金融危機で世界中の株式が大きく下がったわけで、乙も運用資産をかなり減らしてしまいました。しかし、スーパーファンドはこの時期に急上昇していたというわけで、まさにリスク軽減に有効であることを証明したともいえると思います。
乙は、毎月の価格の上下変動の激しさがいやになって解約したのですが、それはそう単純な話ではありませんでした。投資に「たら・れば」は禁物ですが、もしも継続していたら、十分な利益が出たということで、この段階で大きく安心して、さらに10年は継続することにしたでしょう。当初からそのつもりでいましたし。
人間万事塞翁が馬ですから、このファンドの将来はわかりませんが、3年程度経過を見ても、まだ成績を云々するには短すぎるのかもしれません。
いやはや、真の意味で「長期投資」を目指すことは、言うは易く行うは難しなのでしょう。
スーパーファンドの解約は、とてもいい経験になりました。
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ラベル:スーパーファンド
2008年11月26日
CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)
今回の世界の金融危機については、アメリカのサブプライムローンから始まって、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)が影響して今回のような事態になったといわれています。
そこで、ちょっと CDS について調べてみました。
まずは、一番手軽に Wikipedia です。「クレジット・デフォルト・スワップ」という見出しで解説がありました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%83%E3%83%97
ちょっとわかりにくいですが、一応、読めば納得できます。
なお、この Wikipedia の補足記事のような話が
http://q.hatena.ne.jp/1225470764
にありますので、読んでおくといいでしょう。
他に、CDS の簡略な説明として
http://nikkei225kuroiwa.blog90.fc2.com/blog-entry-1380.html
http://www.findai.com/yogo/0302.htm
があります。
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2008/02/cds.html
では、CDS を「債務保証」と比較しながら説明してあるので、わかりやすいと思います。
http://www.104ka.com/2008/09/cds.html
も、具体例が書いてあって、わかりやすいです。コメントも充実していて勉強になります。
http://japan.pimco.com/LeftNav/Bond+Basics/2007/Bond+Basics+CDS+JPN.htm
では、5年契約のときの受取額・支払額も図で示してあって、とてもわかりやすいです。
http://cloudkimagure.blog.shinobi.jp/Entry/381/
では、CDS を宝くじにたとえて説明しています。
また、「CDSの総額が一応60兆とか80兆ドル位だろうと言われています。どこの国にもそんなお金はありません。」とあり、本来の「保証」と切り離されたマネーゲームが行われていたことがうかがえます。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081016-00000028-fsi-bus_all
では、「6月末の取引残高は54兆ドル(約5400兆円)に達し、世界のGDP(48兆ドル)や株式時価総額(49兆ドル)を上回る。」とあります。
http://blogs.yahoo.co.jp/toudaimori_yt/35379591.html
では、「社債 6兆2000億ドル、住宅ローン担保証券 7兆6000億ドル、資産担保証券 2兆5000億ドル、合計 16兆ドルとなる。しかし、実際にはCDS合計が55兆ドルに成るそうです。16兆ドルと55兆ドルとの差は、保険と言うより投機だったのでしょうね。」とあり、総額がよくわからないというべきなんでしょうね。
http://ameblo.jp/otsukaresam/entry-10142113410.html
では「このCDS残高が2007年末時点で約6500兆円といわれている。超優良企業も含まれているので全てがリスクと言うわけではないが、一説ではリーマン・ブラザーズで約60兆円以上、AIGで約40兆以上のCDS残高があるとも。」というわけで、いやはや実に大規模な金額が動いていたことになります。
なぜ、CDS では、こういうふうに話が大きくなるかという点では
http://diary.jp.aol.com/uvsmfn2xc/1140.html
の説明が納得できます。
というようなわけで、CDS が金融危機を引き起こすということの説明でした。
今や、ネットで検索することで、何でもわかるような時代になっているのですね。ありがたい世の中になったものです。
そこで、ちょっと CDS について調べてみました。
まずは、一番手軽に Wikipedia です。「クレジット・デフォルト・スワップ」という見出しで解説がありました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%83%E3%83%97
ちょっとわかりにくいですが、一応、読めば納得できます。
なお、この Wikipedia の補足記事のような話が
http://q.hatena.ne.jp/1225470764
にありますので、読んでおくといいでしょう。
他に、CDS の簡略な説明として
http://nikkei225kuroiwa.blog90.fc2.com/blog-entry-1380.html
http://www.findai.com/yogo/0302.htm
があります。
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2008/02/cds.html
では、CDS を「債務保証」と比較しながら説明してあるので、わかりやすいと思います。
http://www.104ka.com/2008/09/cds.html
も、具体例が書いてあって、わかりやすいです。コメントも充実していて勉強になります。
http://japan.pimco.com/LeftNav/Bond+Basics/2007/Bond+Basics+CDS+JPN.htm
では、5年契約のときの受取額・支払額も図で示してあって、とてもわかりやすいです。
http://cloudkimagure.blog.shinobi.jp/Entry/381/
では、CDS を宝くじにたとえて説明しています。
また、「CDSの総額が一応60兆とか80兆ドル位だろうと言われています。どこの国にもそんなお金はありません。」とあり、本来の「保証」と切り離されたマネーゲームが行われていたことがうかがえます。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081016-00000028-fsi-bus_all
では、「6月末の取引残高は54兆ドル(約5400兆円)に達し、世界のGDP(48兆ドル)や株式時価総額(49兆ドル)を上回る。」とあります。
http://blogs.yahoo.co.jp/toudaimori_yt/35379591.html
では、「社債 6兆2000億ドル、住宅ローン担保証券 7兆6000億ドル、資産担保証券 2兆5000億ドル、合計 16兆ドルとなる。しかし、実際にはCDS合計が55兆ドルに成るそうです。16兆ドルと55兆ドルとの差は、保険と言うより投機だったのでしょうね。」とあり、総額がよくわからないというべきなんでしょうね。
http://ameblo.jp/otsukaresam/entry-10142113410.html
では「このCDS残高が2007年末時点で約6500兆円といわれている。超優良企業も含まれているので全てがリスクと言うわけではないが、一説ではリーマン・ブラザーズで約60兆円以上、AIGで約40兆以上のCDS残高があるとも。」というわけで、いやはや実に大規模な金額が動いていたことになります。
なぜ、CDS では、こういうふうに話が大きくなるかという点では
http://diary.jp.aol.com/uvsmfn2xc/1140.html
の説明が納得できます。
ただ、困ったことに、(以下は竹森俊平氏の「資本主義が嫌いですか」の全くの受け売りなのだが)Xという金融機関の保有する100(億円)の債券を保証するために、Aという証券会社がCDS 100(億円)を売ったとしよう。A証券会社はCDSの保険料収入はゲットできるのだが、あまりにリスクを取り過ぎたと考えて、A証券会社は、今度は別の証券会社Bから、その債券について80のCDSを買う。BはCDSを80も売ってしまったので、あまりにリスクを取り過ぎたと考えて、別の証券会社Cから60のCDSを買う。同じように、C証券会社は、D証券会社にから40のCDSを買い、D証券会社はE証券会社から20のCDSを買う。すると、100の債券を保証するために、CDSという保険型の金融商品の名目の発行残高(取引規模)は、合計すると、元本100の三倍である300に達している(100+80+60+40+20=100)。極端な話、もとの債券の元本が1銭も帰って来なかった場合、もし、Eという金融機関がなにかの理由でCDSの契約を履行できずに倒産したら、Dという金融機関も、Cも、Bも、Aも倒産し始めてしまう。
というようなわけで、CDS が金融危機を引き起こすということの説明でした。
今や、ネットで検索することで、何でもわかるような時代になっているのですね。ありがたい世の中になったものです。
ラベル:CDS クレジット・デフォルト・スワップ
2008年11月25日
預金をしよう
先日の出費では、乙の場合、数ヶ月間の投資自粛という結果になりました。
2008.6.8 http://otsu.seesaa.net/article/99784901.html
2008.10.28 http://otsu.seesaa.net/article/108713269.html
それでも、十分な資金が手元に貯まらず、一部のファンドの解約などということになりました。
2008.9.17 http://otsu.seesaa.net/article/106629742.html
2008.9.20 http://otsu.seesaa.net/article/106843980.html
2008.10.15 http://otsu.seesaa.net/article/108093853.html
しかし、妻がいうには、数年先には、再度1000万円程度の出費が考えられるということです。
もちろん、手元にそんなキャッシュはないし、海外から資金を引き揚げるのは大変だから、1000 万円を目標に預金することにしました。予定期間は5年と考えました。出費の時期が多少前後することもありますが、それはそれで、そのときに考えましょう。
どういう預金がいいか、考えてみると、やはり、毎月の天引き預金が一番です。普通預金口座に預金残高があるとやっぱり使ってしまいそうですし、投資に回す分と区別しにくくなります。そこで、毎月166,666円(200万円/年)を積み立てていくことにしました。
5年後程度と使う時期が決まっている場合は、「投資」は危険なように思います。これはこれで現金を用意しておくのが一番です。
「積立預金」の類があれば、いいのですが、乙がメイン銀行にしている(毎月の給与振込がある)イーバンク銀行では、この種の預金がないようです。サブ銀行として利用している新生銀行にもありません。
MMF の毎月定額購入でもいいかなと思ったのですが、イーバンク銀行・新生銀行ともにこういう扱いはありません。
しかし、イーバンク銀行では、「毎月おまかせ振込予約」というのがあり、これに申し込んでおけば、毎月決まった日にしかるべき口座に送金してくれるということです。本来は、家賃の支払いのようなものを想定しているのでしょう。
というわけで、とりあえず、乙が持っている銀行口座のうち、休眠状態のものに毎月定額を送金することにします。どうせ日本の低金利はこれから5年は続くでしょうから(乙の勝手な予想です)、定期預金にしても、増えることはほとんど期待できません。つまり、その間、普通預金口座に寝かせておいたままでも特に問題はなさそうです。
この方法の欠点は、他行への振り込みなので、イーバンク銀行では月3回までしか無料ではできないということです。うち1回の権利をこの積立のために使ってしまうので、他への送金がしにくくなります。しかも、このサービスがいつまで続くか、わかりません。イーバンク銀行が危ないという話はないですが、この種のサービスはけっこうしょっちゅう変わりますからね。
しかし、どうせ毎月定期的に振り込みするなら、何も自分の銀行口座あてにする必要はないわけで、証券会社の口座でもかまわないわけです。とすると、証券会社で MMF の毎月定額購入という手もあるように思いました。MRF に置きっぱなしにしていても、普通預金よりは若干利回りがいいように思います。
このあたり、もう少し調べてみる必要がありそうに思います。
もし、この点について読者の方からアドバイスがいただければ、助かります。
続きを読む
2008.6.8 http://otsu.seesaa.net/article/99784901.html
2008.10.28 http://otsu.seesaa.net/article/108713269.html
それでも、十分な資金が手元に貯まらず、一部のファンドの解約などということになりました。
2008.9.17 http://otsu.seesaa.net/article/106629742.html
2008.9.20 http://otsu.seesaa.net/article/106843980.html
2008.10.15 http://otsu.seesaa.net/article/108093853.html
しかし、妻がいうには、数年先には、再度1000万円程度の出費が考えられるということです。
もちろん、手元にそんなキャッシュはないし、海外から資金を引き揚げるのは大変だから、1000 万円を目標に預金することにしました。予定期間は5年と考えました。出費の時期が多少前後することもありますが、それはそれで、そのときに考えましょう。
どういう預金がいいか、考えてみると、やはり、毎月の天引き預金が一番です。普通預金口座に預金残高があるとやっぱり使ってしまいそうですし、投資に回す分と区別しにくくなります。そこで、毎月166,666円(200万円/年)を積み立てていくことにしました。
5年後程度と使う時期が決まっている場合は、「投資」は危険なように思います。これはこれで現金を用意しておくのが一番です。
「積立預金」の類があれば、いいのですが、乙がメイン銀行にしている(毎月の給与振込がある)イーバンク銀行では、この種の預金がないようです。サブ銀行として利用している新生銀行にもありません。
MMF の毎月定額購入でもいいかなと思ったのですが、イーバンク銀行・新生銀行ともにこういう扱いはありません。
しかし、イーバンク銀行では、「毎月おまかせ振込予約」というのがあり、これに申し込んでおけば、毎月決まった日にしかるべき口座に送金してくれるということです。本来は、家賃の支払いのようなものを想定しているのでしょう。
というわけで、とりあえず、乙が持っている銀行口座のうち、休眠状態のものに毎月定額を送金することにします。どうせ日本の低金利はこれから5年は続くでしょうから(乙の勝手な予想です)、定期預金にしても、増えることはほとんど期待できません。つまり、その間、普通預金口座に寝かせておいたままでも特に問題はなさそうです。
この方法の欠点は、他行への振り込みなので、イーバンク銀行では月3回までしか無料ではできないということです。うち1回の権利をこの積立のために使ってしまうので、他への送金がしにくくなります。しかも、このサービスがいつまで続くか、わかりません。イーバンク銀行が危ないという話はないですが、この種のサービスはけっこうしょっちゅう変わりますからね。
しかし、どうせ毎月定期的に振り込みするなら、何も自分の銀行口座あてにする必要はないわけで、証券会社の口座でもかまわないわけです。とすると、証券会社で MMF の毎月定額購入という手もあるように思いました。MRF に置きっぱなしにしていても、普通預金よりは若干利回りがいいように思います。
このあたり、もう少し調べてみる必要がありそうに思います。
もし、この点について読者の方からアドバイスがいただければ、助かります。
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2008年11月24日
橘木俊詔,森剛志(2005.3)『日本のお金持ち研究』日本経済新聞社
乙が読んだ本です。
『となりの億万長者』
2008.11.9 http://otsu.seesaa.net/article/109300763.html
を読んだとき、これがアメリカの億万長者を対象にした本だったので、日本のお金持ちを対象にした研究はないかと思っていたところ、ブログの読者の人から教えてもらった本です。
この本は、日本の高額納税者を対象にしてアンケート調査を行った結果を載せています。ここでいう高額納税者とは、p.4 に定義されていますが、国税庁『全国高額納税者名簿』に記載されている年間納税額 3000 万円以上(年収約1億円以上)のうち、2年間にわたって名簿に載った人です。約 6000 人いたそうです。アンケートの回収率は p.5 にあるように、8%(回答者数 465 人)ですから、この種の調査としてはかなり低いほうだと思います。通信調査では、20% くらいの回収率が普通ではないでしょうか。ということは、回答者は、かなり偏っていると思われます。つまり、自分の資産総額をはじめ、ライフスタイルなどを外に知られてもいいと考えた一部の人(積極派とでもいえましょうか)の回答ということになります。
さて、本書の記述は『となりの億万長者』とはだいぶ違います。たとえば、p.9 では、金持ちとは企業家と医師だとしています。p.20 では、お金持ちの住んでいるところを調べていますが、高級住宅地ということになっています。p.166 では、乗っているクルマについて調査していますが、セルシオやベンツが多いということです。なぜこんなに違うのか、初めは「日米の違いか?」などと思ったのですが、後から考えてみると、対象者がずれていることに気が付きました。本書では、「お金持ち」とは年収1億円が2年にわたって続いている人です。このくらいの収入が継続的にあるならば、資産総額は5億円以上あるのではないでしょうか。『となりの億万長者』では、資産1億円以上の人々を調査しています。つまり、アメリカのほうが「億万長者」と呼ぶ基準がやや低いのです。だから、安い中古車を乗り回し、高級住宅地でないところに住んでいる人が多いという結果になったのではないでしょうか。いわば「プチ金持ち」です。本書では、それよりもずっと高所得の人を調査しているわけで、同じ視線で比較してはいけないと思います。やはり、同じ著者(たち)が国際比較を視野に入れて同じ基準で調査しないと、比べられるようなものはできないということでしょう。
第1章は医師を、第2章は弁護士を、第3章は経営者を取り上げ、その現状を記述しています。第4章は「日本の上流階級」で、歴史的な経緯なども述べています。乙は、この本がアンケート調査に基づいて書かれた本だと思っていましたので、このあたりの記述には違和感がありました。アンケートの話がほとんど出てこないのです。アンケートの話は、第5章以降の後半にたっぷりと出てきますが、初めはまるでだまされたかのように感じてしまいました。
乙がおもしろく読んだところとしては、第3章(p.70)で、戦前の経営者像を学歴などと絡めて描いたところです。日本のあり方を形作ってきた人々ですから、ちょうど、日本史の本を読んでいるような気がしました。
また、後半部は、アンケートの結果に基づいて書かれており、こちらにはいろいろおもしろい記述がありました。
p.159 では、「長期休暇の活動」を尋ねていますが、若い人は「旅行」、高齢者は「仕事」です。p.162 お金持ちが望む「将来の活動」でも、年齢差が大きく、若い人は「旅行」なのですが、高齢になると「社会活動」を挙げる人が多いというのはおもしろいです。「仕事」といっても、お金持ちの場合は単純な労働ではありませんから、普通の人の考える「仕事」とは内容が違うとは思いますが、興味深い結果です。
p.178 から、所得税の累進度を高くする(高所得者を高税率にする)と、高所得者の労働供給と貯蓄意欲にマイナスとなるかを議論しています。アメリカの研究では、マイナスとならない(無関係)という話ですが、日本ではデータがないというのです。こんなところに日本の弱点が隠されていたのですね。大事な研究なのに、抜け落ちているわけです。
小さな欠点ですが、p.209 の表 7-7 のタイトルに「消費税」が入っていないのは問題です。本文を読めば誤読はしないのですが、……。
第8章「結論」は、内容の要約になっています。時間がない人は、ここだけサッと読んで、おもしろいと思ったところには、くわしい記述にあたってみるという読み方でもいいだろうと思います。
本書は、お金持ちがどんなことを考えているのかを十分記述しています。乙には縁遠い世界ですが、お金持ちは日本の行く末に有形無形の影響を及ぼしますから、日本の今後を考える上で、一つの視点を提供してくれる本だと思いました。良書です。奥付のところの紹介によれば、著者2人とも研究者ですが、いかにも研究者らしい書き方です。
乙が読んだのは、図書館で借りたハードカバーでしたが、今は文庫版で出ているとのことなので、手軽に読めそうです。
『となりの億万長者』
2008.11.9 http://otsu.seesaa.net/article/109300763.html
を読んだとき、これがアメリカの億万長者を対象にした本だったので、日本のお金持ちを対象にした研究はないかと思っていたところ、ブログの読者の人から教えてもらった本です。
この本は、日本の高額納税者を対象にしてアンケート調査を行った結果を載せています。ここでいう高額納税者とは、p.4 に定義されていますが、国税庁『全国高額納税者名簿』に記載されている年間納税額 3000 万円以上(年収約1億円以上)のうち、2年間にわたって名簿に載った人です。約 6000 人いたそうです。アンケートの回収率は p.5 にあるように、8%(回答者数 465 人)ですから、この種の調査としてはかなり低いほうだと思います。通信調査では、20% くらいの回収率が普通ではないでしょうか。ということは、回答者は、かなり偏っていると思われます。つまり、自分の資産総額をはじめ、ライフスタイルなどを外に知られてもいいと考えた一部の人(積極派とでもいえましょうか)の回答ということになります。
さて、本書の記述は『となりの億万長者』とはだいぶ違います。たとえば、p.9 では、金持ちとは企業家と医師だとしています。p.20 では、お金持ちの住んでいるところを調べていますが、高級住宅地ということになっています。p.166 では、乗っているクルマについて調査していますが、セルシオやベンツが多いということです。なぜこんなに違うのか、初めは「日米の違いか?」などと思ったのですが、後から考えてみると、対象者がずれていることに気が付きました。本書では、「お金持ち」とは年収1億円が2年にわたって続いている人です。このくらいの収入が継続的にあるならば、資産総額は5億円以上あるのではないでしょうか。『となりの億万長者』では、資産1億円以上の人々を調査しています。つまり、アメリカのほうが「億万長者」と呼ぶ基準がやや低いのです。だから、安い中古車を乗り回し、高級住宅地でないところに住んでいる人が多いという結果になったのではないでしょうか。いわば「プチ金持ち」です。本書では、それよりもずっと高所得の人を調査しているわけで、同じ視線で比較してはいけないと思います。やはり、同じ著者(たち)が国際比較を視野に入れて同じ基準で調査しないと、比べられるようなものはできないということでしょう。
第1章は医師を、第2章は弁護士を、第3章は経営者を取り上げ、その現状を記述しています。第4章は「日本の上流階級」で、歴史的な経緯なども述べています。乙は、この本がアンケート調査に基づいて書かれた本だと思っていましたので、このあたりの記述には違和感がありました。アンケートの話がほとんど出てこないのです。アンケートの話は、第5章以降の後半にたっぷりと出てきますが、初めはまるでだまされたかのように感じてしまいました。
乙がおもしろく読んだところとしては、第3章(p.70)で、戦前の経営者像を学歴などと絡めて描いたところです。日本のあり方を形作ってきた人々ですから、ちょうど、日本史の本を読んでいるような気がしました。
また、後半部は、アンケートの結果に基づいて書かれており、こちらにはいろいろおもしろい記述がありました。
p.159 では、「長期休暇の活動」を尋ねていますが、若い人は「旅行」、高齢者は「仕事」です。p.162 お金持ちが望む「将来の活動」でも、年齢差が大きく、若い人は「旅行」なのですが、高齢になると「社会活動」を挙げる人が多いというのはおもしろいです。「仕事」といっても、お金持ちの場合は単純な労働ではありませんから、普通の人の考える「仕事」とは内容が違うとは思いますが、興味深い結果です。
p.178 から、所得税の累進度を高くする(高所得者を高税率にする)と、高所得者の労働供給と貯蓄意欲にマイナスとなるかを議論しています。アメリカの研究では、マイナスとならない(無関係)という話ですが、日本ではデータがないというのです。こんなところに日本の弱点が隠されていたのですね。大事な研究なのに、抜け落ちているわけです。
小さな欠点ですが、p.209 の表 7-7 のタイトルに「消費税」が入っていないのは問題です。本文を読めば誤読はしないのですが、……。
第8章「結論」は、内容の要約になっています。時間がない人は、ここだけサッと読んで、おもしろいと思ったところには、くわしい記述にあたってみるという読み方でもいいだろうと思います。
本書は、お金持ちがどんなことを考えているのかを十分記述しています。乙には縁遠い世界ですが、お金持ちは日本の行く末に有形無形の影響を及ぼしますから、日本の今後を考える上で、一つの視点を提供してくれる本だと思いました。良書です。奥付のところの紹介によれば、著者2人とも研究者ですが、いかにも研究者らしい書き方です。
乙が読んだのは、図書館で借りたハードカバーでしたが、今は文庫版で出ているとのことなので、手軽に読めそうです。
2008年11月23日
日本株 ETF への投資
11月はじめころ、乙は、日本株の ETF (1306) を購入しました。850 円でした。
そろそろ株式投資をしてもいいかなと思いました。
実際のところ、日本の景気が悪くなるのはこれからですが、株価の上昇は、景気の最悪のときよりはやや早めに起こるという話です。
また、株(あるいは ETF)をうまく株価の底値で買えるか、考えてみると、乙にはまったく不可能です。日中は仕事がありますから、株価なんて確認していられません。
ETF を、現在価格よりもちょっと安い指値で買い注文しておくことがせいぜいです。それでも、買えずに価格が上昇してしまうこともしばしば経験しています。まあ、急いで購入しなければならないわけではないので、指値で買い注文したら、じっと待っていることにしましょう。
ETF の価格が下がってきたら、買えるわけですし、下がらずに上がっていってしまったら、そのうち、また下落するだろうと考えて、(低い指値の)買い注文を続けるわけです。
今回も、買い注文を出してから2週間ほど待った形になりました。
さて、その後、どうなったか。さらに下がりましたね。800 円を割り込むところまで来ました。では、これからどうするか。……さらに買い増す一手でしょう。でも、少し様子見をして、12月の投資のときに実行します。あわてて買う必要はないように思っています。
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そろそろ株式投資をしてもいいかなと思いました。
実際のところ、日本の景気が悪くなるのはこれからですが、株価の上昇は、景気の最悪のときよりはやや早めに起こるという話です。
また、株(あるいは ETF)をうまく株価の底値で買えるか、考えてみると、乙にはまったく不可能です。日中は仕事がありますから、株価なんて確認していられません。
ETF を、現在価格よりもちょっと安い指値で買い注文しておくことがせいぜいです。それでも、買えずに価格が上昇してしまうこともしばしば経験しています。まあ、急いで購入しなければならないわけではないので、指値で買い注文したら、じっと待っていることにしましょう。
ETF の価格が下がってきたら、買えるわけですし、下がらずに上がっていってしまったら、そのうち、また下落するだろうと考えて、(低い指値の)買い注文を続けるわけです。
今回も、買い注文を出してから2週間ほど待った形になりました。
さて、その後、どうなったか。さらに下がりましたね。800 円を割り込むところまで来ました。では、これからどうするか。……さらに買い増す一手でしょう。でも、少し様子見をして、12月の投資のときに実行します。あわてて買う必要はないように思っています。
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2008年11月22日
三橋貴明(2008.5)『本当にヤバイ! 中国経済』彩図社
乙が読んだ本です。「バブル崩壊の先に潜む双頭の蛇」という副題が付いています。
前著『本当はヤバイ! 韓国経済』
2008.11.14 http://otsu.seesaa.net/article/109644338.html
に続く第2弾ということで、期待して読みました。しかし、今回は、韓国のときとちがって空回りしている感じがしました。
著者の三橋氏は、中小企業診断士であり、各種の数表を読み解きながら、企業を診断します。その手法を国に適用したのが前著『本当はヤバイ! 韓国経済』というわけです。
では、今回、中国について同様の考え方が述べられているでしょうか。否です。第1章「中国の最悪の輸出品」で述べられますが、中国の発表する統計数値はまったく信用できないとのことです。三橋氏は、いろいろな数値が捏造されていると述べています。ということになると、中国の経済がどうなっているか、数字に頼った分析ができなくなるわけで、中国の発表するものが何から何まで信用できないとすると、経済の診断のしようがありません。
むしろ、中国の状況について、数字を出しながら書けば書くほど、「その数字はどこから得たのか、信頼できるのか」と疑問が膨らんでくることになります。数字を出さないとなると、マクロな記述はどうしてもうまくできません。
そんなわけで、本書は、中国そのものについて記述している部分ももちろんありますが、題名の割には、アメリカやヨーロッパなどの話がかなりたくさん出てきます。中国の貿易の相手として欧米が重要であることはその通りですが、このような態度では、中国経済の分析として、いかがなものでしょうか。
中国の統計があてにならないということで、外部の統計から中国の経済を描こうとする趣旨は理解しますが、……。
結果的に、本書は、前著『本当はヤバイ! 韓国経済』と比べて、迫力不足のように感じました。
本書のいうように、中国経済が危ないとしたら、どんなところが危ないか。これについては、pp.135-136 の2ページだけを読めば結論がわかります。6点の個条書きでまとめてあります。
乙は、中国経済がヤバイのではなく、「ヤバイかどうかわからない、世の中の人が思っているよりはヤバイかもしれない」くらいに考えていればいいのではないかと思いました。
なお、p.112 に出てくる国際収支の6段階という考え方はおもしろかったです。三橋氏のオリジナルではなく、他の人が言っているもののようですが、……。
このうち、日本は第4段階だそうですが、中国は「どこにも当てはまらない」とのことです。これだけでも「変な国」ということになりそうです。
前著『本当はヤバイ! 韓国経済』
2008.11.14 http://otsu.seesaa.net/article/109644338.html
に続く第2弾ということで、期待して読みました。しかし、今回は、韓国のときとちがって空回りしている感じがしました。
著者の三橋氏は、中小企業診断士であり、各種の数表を読み解きながら、企業を診断します。その手法を国に適用したのが前著『本当はヤバイ! 韓国経済』というわけです。
では、今回、中国について同様の考え方が述べられているでしょうか。否です。第1章「中国の最悪の輸出品」で述べられますが、中国の発表する統計数値はまったく信用できないとのことです。三橋氏は、いろいろな数値が捏造されていると述べています。ということになると、中国の経済がどうなっているか、数字に頼った分析ができなくなるわけで、中国の発表するものが何から何まで信用できないとすると、経済の診断のしようがありません。
むしろ、中国の状況について、数字を出しながら書けば書くほど、「その数字はどこから得たのか、信頼できるのか」と疑問が膨らんでくることになります。数字を出さないとなると、マクロな記述はどうしてもうまくできません。
そんなわけで、本書は、中国そのものについて記述している部分ももちろんありますが、題名の割には、アメリカやヨーロッパなどの話がかなりたくさん出てきます。中国の貿易の相手として欧米が重要であることはその通りですが、このような態度では、中国経済の分析として、いかがなものでしょうか。
中国の統計があてにならないということで、外部の統計から中国の経済を描こうとする趣旨は理解しますが、……。
結果的に、本書は、前著『本当はヤバイ! 韓国経済』と比べて、迫力不足のように感じました。
本書のいうように、中国経済が危ないとしたら、どんなところが危ないか。これについては、pp.135-136 の2ページだけを読めば結論がわかります。6点の個条書きでまとめてあります。
乙は、中国経済がヤバイのではなく、「ヤバイかどうかわからない、世の中の人が思っているよりはヤバイかもしれない」くらいに考えていればいいのではないかと思いました。
なお、p.112 に出てくる国際収支の6段階という考え方はおもしろかったです。三橋氏のオリジナルではなく、他の人が言っているもののようですが、……。
第1段階 | 第2段階 | 第3段階 | 第4段階 | 第5段階 | 第6段階 | |
未成熟な | 成熟した 債務国 | 債務 返済国 | 未成熟の 債権国 | 成熟した 債権国 | 債権取り 崩し国 | |
経常収支 | 赤字 | 赤字 | 黒字 | 巨額黒字 | 黒字 | 赤字 |
貿易収支 | 赤字 | 黒字 | 巨額黒字 | 黒字 | 赤字 | 赤字 |
所得収支 | 赤字 | 赤字 | 赤字 | 黒字 | 巨額黒字 | 黒字 |
資本収支 | 黒字 | 黒字 | 赤字 | 巨額赤字 | 赤字 | 黒字 |
このうち、日本は第4段階だそうですが、中国は「どこにも当てはまらない」とのことです。これだけでも「変な国」ということになりそうです。
2008年11月21日
アメリカの E*TRADE 証券から W-8BEN の再提出の請求
乙のところに、アメリカの E*TRADE 証券から W-8BEN の再提出の請求がありました。今までの書類は2008年12月31日までしか有効でないとのことです。
同封の紙に書いて郵送してもいいし、11月下旬からはオンラインで記入することができるようになるという話で、それを使って申告してもいいということでした。
乙は、紙を郵送することにしました。
オンラインでは、万が一記入を間違えると大変だと思いました。それに(それ以上に)提出の締切が12月末だったので、11月下旬まで待って、それから記入するとなると、記入することを忘れそうな気がしたからです。手紙を見たときにオンラインで手続きできれば、そんなことを「忘れる」心配はないのですが、1ヵ月後に記入ということだと、忘れてしまうかもしれません。忘れないように手帳に書いておいても、送られてきた手紙を1ヵ月保存しておくことが別の意味で大変です。
同封されていた提出用の書類には、すでに乙の口座番号が記されていました。
乙が前回 W-8BEN を E*TRADE に提出したのは 2006 年12月だったのですが、
2006.12.21 http://otsu.seesaa.net/article/29970176.html
有効期限は意外と短いものですね。2年ごとにこの書類を書くのでしょうか。
手紙によれば、「An updated W-8BEN【中略】will be valid until December 31 of the third succeding calendar year after it is signed【後略】」とあったので、2006.12 にサインしていれば、2009.12 まで有効だと思うのですが、……。乙にはわかりません。
しかし、まあ、こういう手紙が来たら、文句をいわずに書いておくほうが無難です。長いものには巻かれろ主義です。
それにしても、日本からアメリカに出す手紙の航空便の料金は 110 円です。アメリカから来た封筒には 40 セントのスタンプが押してありました。差し出し日と到着日から考えて、航空便で送られてきたに違いありません。約3倍の料金格差があるわけですね。こんなことで日本のコスト高を感じました。国内でも封書を送ると 80 円なんですから。
同封の紙に書いて郵送してもいいし、11月下旬からはオンラインで記入することができるようになるという話で、それを使って申告してもいいということでした。
乙は、紙を郵送することにしました。
オンラインでは、万が一記入を間違えると大変だと思いました。それに(それ以上に)提出の締切が12月末だったので、11月下旬まで待って、それから記入するとなると、記入することを忘れそうな気がしたからです。手紙を見たときにオンラインで手続きできれば、そんなことを「忘れる」心配はないのですが、1ヵ月後に記入ということだと、忘れてしまうかもしれません。忘れないように手帳に書いておいても、送られてきた手紙を1ヵ月保存しておくことが別の意味で大変です。
同封されていた提出用の書類には、すでに乙の口座番号が記されていました。
乙が前回 W-8BEN を E*TRADE に提出したのは 2006 年12月だったのですが、
2006.12.21 http://otsu.seesaa.net/article/29970176.html
有効期限は意外と短いものですね。2年ごとにこの書類を書くのでしょうか。
手紙によれば、「An updated W-8BEN【中略】will be valid until December 31 of the third succeding calendar year after it is signed【後略】」とあったので、2006.12 にサインしていれば、2009.12 まで有効だと思うのですが、……。乙にはわかりません。
しかし、まあ、こういう手紙が来たら、文句をいわずに書いておくほうが無難です。長いものには巻かれろ主義です。
それにしても、日本からアメリカに出す手紙の航空便の料金は 110 円です。アメリカから来た封筒には 40 セントのスタンプが押してありました。差し出し日と到着日から考えて、航空便で送られてきたに違いありません。約3倍の料金格差があるわけですね。こんなことで日本のコスト高を感じました。国内でも封書を送ると 80 円なんですから。
2008年11月20日
NHKスペシャル「ワーキングプア」取材班(編)(2007.6)『ワーキングプア―日本を蝕む病』ポプラ社
乙が読んだ本です。NHKが放送した二つの番組
2006.7.23「ワーキングプア〜働いても働いても豊かになれない〜」
2006.12.10「ワーキングプアU〜努力すれば抜け出せますか〜」
の内容をまとめて、本の形で読めるようにしたものです。
ワーキングプアの実例を取り上げ、どんな生活をしているのか、具体的に記述します。テレビ局ですから、「絵」が必要なわけで、「こんなふうに撮影したのだろうな」と思わせるような記述がしばしば見られます。
本書の結論(そもそもテレビ番組ですから、結論はないのかもしれませんが)は p.9 に書いてあります。
本書は、テレビ番組がもとになっていますので、徹底的に「取材」で構成されています。登場人物はすべて「仮名」ですが、その人たちの置かれた状況を余すところなく伝えているといっていいでしょう。
具体例を見ていくと、一体どうしたらいいのか、誰も答えが出せないような、そんなケースにたくさんぶつかります。もちろん、こんな本1冊でワーキングプアの解決策などが書かれるはずはありません。それにしても、大変な日常生活を送っている人がたくさんいるという現実に、打ちのめされたような気分になります。リアルであるだけにインパクトが大きいといえるでしょう。
統計資料などを使った本などと比べると、描かれている人たちが現に生きて生活している人であるという、ドキュメンタリー番組特有の臨場感があります。
乙が一番驚いたのはX「グローバル化の波にさらわれる中小企業」でした。国内の話ですが、中国人の研修生・実習生を安い給料で使って行かざるを得ない中小企業の姿が描かれます。しかし、一方では、そのようにして生産された製品の価格は当然低くなるわけで、他の製造者には、納入価格の下落という形で影響を与えます。こうして、食っていくことがむずかしいワーキングプアが生まれてしまうわけです。岐阜市の具体的な例が生々しく描かれますので、興味のある方は一読することをおすすめします。
1冊読み終えて、日本の政治がどこかで間違っているように思えてきました。弱者を置いてきぼりにしているのではないでしょうか。本書に出てくる人々は、低収入でありながら、それなりに満足して生きているようです。でも、できたらもう少し給料を上げてやりたいような気になります。さもないと、あまりに生活が大変です。
企業の経営者の立場からすれば、給料を上げるなんてもってのほか(他社との競争に負けてしまう)ということになるのでしょうけれど、……。
2006.7.23「ワーキングプア〜働いても働いても豊かになれない〜」
2006.12.10「ワーキングプアU〜努力すれば抜け出せますか〜」
の内容をまとめて、本の形で読めるようにしたものです。
ワーキングプアの実例を取り上げ、どんな生活をしているのか、具体的に記述します。テレビ局ですから、「絵」が必要なわけで、「こんなふうに撮影したのだろうな」と思わせるような記述がしばしば見られます。
本書の結論(そもそもテレビ番組ですから、結論はないのかもしれませんが)は p.9 に書いてあります。
『ワーキングプア』で取材させていただいた人々から教えられたのは、「仕事」「労働」は人間の尊厳、誇りであり、その「誇り」はきちんと守られなければならない、ということであった。
本書は、テレビ番組がもとになっていますので、徹底的に「取材」で構成されています。登場人物はすべて「仮名」ですが、その人たちの置かれた状況を余すところなく伝えているといっていいでしょう。
具体例を見ていくと、一体どうしたらいいのか、誰も答えが出せないような、そんなケースにたくさんぶつかります。もちろん、こんな本1冊でワーキングプアの解決策などが書かれるはずはありません。それにしても、大変な日常生活を送っている人がたくさんいるという現実に、打ちのめされたような気分になります。リアルであるだけにインパクトが大きいといえるでしょう。
統計資料などを使った本などと比べると、描かれている人たちが現に生きて生活している人であるという、ドキュメンタリー番組特有の臨場感があります。
乙が一番驚いたのはX「グローバル化の波にさらわれる中小企業」でした。国内の話ですが、中国人の研修生・実習生を安い給料で使って行かざるを得ない中小企業の姿が描かれます。しかし、一方では、そのようにして生産された製品の価格は当然低くなるわけで、他の製造者には、納入価格の下落という形で影響を与えます。こうして、食っていくことがむずかしいワーキングプアが生まれてしまうわけです。岐阜市の具体的な例が生々しく描かれますので、興味のある方は一読することをおすすめします。
1冊読み終えて、日本の政治がどこかで間違っているように思えてきました。弱者を置いてきぼりにしているのではないでしょうか。本書に出てくる人々は、低収入でありながら、それなりに満足して生きているようです。でも、できたらもう少し給料を上げてやりたいような気になります。さもないと、あまりに生活が大変です。
企業の経営者の立場からすれば、給料を上げるなんてもってのほか(他社との競争に負けてしまう)ということになるのでしょうけれど、……。
ラベル:ワーキングプア
2008年11月19日
ねんきん特別便
乙のところにも、勤務先経由で「ねんきん特別便」が来ました。
http://www.sia.go.jp/top/kaikaku/kiroku/tokubetsubin/index.html
年金記録のところを見ると、今の勤務先、その前の勤務先の記録が書いてありました。
それはいいのですが、さらにその前の18年間の国家公務員の記録が落ちています。乙はびっくりして、回答票にくわしく勤務経験を書いて出そうと思いました。乙は国家公務員としていくつかの職場を異動した経験があります。
しかし、添付されていた文書を読むと、事情がわかりました。以下、一部引用します。
長々とした文書で、非常にわかりにくいと思います。単純に言えば、国家公務員時代の記録がなくても心配はいらないということなのですが、それにしても、そんな簡単なことをきちんと書くと、こんなにも長くなるのでしょうか。
年金がそれぞれの制度ごとに縦割りになっていることの弊害の一部が実感できました。
もっとも、だからといって統合すればいいというような簡単な問題ではありませんが、……。
また、似たような趣旨のブログ記事を見つけました。
http://ogasawara.cocolog-nifty.com/ogasawara_blog/2008/11/post-3a85.html
http://www.sia.go.jp/top/kaikaku/kiroku/tokubetsubin/index.html
年金記録のところを見ると、今の勤務先、その前の勤務先の記録が書いてありました。
それはいいのですが、さらにその前の18年間の国家公務員の記録が落ちています。乙はびっくりして、回答票にくわしく勤務経験を書いて出そうと思いました。乙は国家公務員としていくつかの職場を異動した経験があります。
しかし、添付されていた文書を読むと、事情がわかりました。以下、一部引用します。
◇社会保険庁では、各共済年金保険者が管理する共済組合員の方の年金加入記録について、各共済組合等から定期的に情報提供を受けて記録を更新し管理していますが、現状では、各共済年金保険者が管理する年金加入記録と社会保険庁の記録が一部相違している場合があります。
◇このため、今回お送りしました「ねんきん特別便」では、共済組合員期間以外の国民年金、厚生年金、船員保険の期間について「もれ」や「間違い」がないか、確認いただきご回答をお願い致します。
◇今回お送りしました「ねんきん特別便」の共済年金の加入記録が、別に各共済組合等から送付された「年金加入記録のお知らせ」の加入記録と相違する場合がありますが、各共済組合等からのお知らせにより確認いただき、もれや間違いがあった場合には共済組合等に申し出ていただいていることと思います。共済組合等は、その申し出等から記録を整備しておりますので「年金加入記録回答票」に「ある」と回答いただく必要はありません。(※)
【中略】
※ 一部の共済組等の説明に、このような事例の場合、「ねんきん特別便」に「もれ」や「間違い」が「ある」と回答するようにご案内している場合がありますが、現在組合員である方については、ご本人様からの回答によらず、社会保険庁と共済組合等との情報交換により確認を行い、記録を整備することといたしました。
長々とした文書で、非常にわかりにくいと思います。単純に言えば、国家公務員時代の記録がなくても心配はいらないということなのですが、それにしても、そんな簡単なことをきちんと書くと、こんなにも長くなるのでしょうか。
年金がそれぞれの制度ごとに縦割りになっていることの弊害の一部が実感できました。
もっとも、だからといって統合すればいいというような簡単な問題ではありませんが、……。
また、似たような趣旨のブログ記事を見つけました。
http://ogasawara.cocolog-nifty.com/ogasawara_blog/2008/11/post-3a85.html
2008年11月18日
澤上篤人(2008.9)『「運用立国」で日本は大繁栄する』PHPパブリッシング
乙が読んだ本です。
内容は、タイトルを読めばわかりそうなものです。日本を「運用立国」にしようということです。
第1章「欧米式の金融センターは、日本になじまない」では、東京をウィンブルドンにしてはダメだと説きます。日本の金融機関は、間接金融でやってきただけなので、海外の金融機関を誘致するようなことをすれば、日本の金融機関の多数が廃業か下請けになってしまうというわけです。
第2章「栄光の間接金融、いまや足カセ」では、国内に資本が蓄積したので、間接金融は危険だと説きます。
第3章「日本には、リスクマネーが存在しない」では、海外のリスクマネーのあり方を述べ、そのようなものが日本にはどこにもないことを述べます。今は、金融マンがリスクを取る番なのに、そうしようとしていないというわけです。
第4章「運用立国を目指す戦略の皮算用」では、日本が有する膨大な資金を投資に向けようと誘っています。預貯金をやめて運用に向かおうということです。
p.106 に貯蓄率のグラフが出てきます(最近は貯蓄率が下がっています)が、ここで貯蓄率とは何かが説明されず、p.108 で説明されます。ちょっと「あれっ」です。
p.135 では、個人マネーが投資に動いていくと、「先行した人々の成功体験が、身近なところで見えるようになってきたら、あっという間に日本中で「やはり長期投資しよう」の雪崩れ現象となるだろう。」としています。ここは乙が違和感を感じたところです。長期投資では、なかなか成功体験を持つことができません。なぜならば「長期」だからです。退職したころになって、やっと成功体験が持てるようになります。だから、身近に成功体験を持つ人がゴロゴロいるようなことにはなりません。さらに、仮に成功しても、本当の金持ちは質素に暮らすだろうと思います。この点については、『となりの億万長者』
2008.11.9 http://otsu.seesaa.net/article/109300763.html
を参照してください。したがって、ますます、成功体験は見えません。
第5章「東京証券取引所を、世界最大の株式市場に復活させる」では、東証を長期運用の中心に据え、世界中の企業が東証に上場するような方策をとるべきだと説きます。日本の中だけで国際分散投資ができてしまうというわけです。話としてはおもしろいのですが、では、具体的にどうするか、そこがむずかしいのです。答えは第6章です。
第6章は「個人マネーを長期の株式投資に誘導する起爆剤としては、「国民ファンド」を設定するとおもしろい」です。国民ファンドという大規模なファンドの構想を描きます。国とか、民営化前の郵便局とかの信用力の高いところが設定するものです。ただし、その運用については、自ら運用するのでなく、国内外の投信会社に公募ファンドを日本国内で設定させ、それらに資金を配分し、運用コンペを行いながら、成績のいいところに資金を多く割り当てていくという構想です。運用コンペは日本株の現物買いのみで行うのだそうです。乙は、ここにも違和感を感じました。澤上氏の流儀で、株の運用には自信があるということなんでしょうが、インデックスファンドとアクティブファンドの競争をすれば、平均的にはインデックスファンドが勝つのではないでしょうか。すると、澤上氏の構想は意味を持たなくなってしまいます。運用コンペをするよりは、全額をインデックスファンドに投資するほうがいいということになりそうですから、何も「国民ファンド」などを立ち上げなくても、今でも十分に可能になっています。ただ、個人の資金がそちらに向かわないだけです。
第7章「世界の長期運用が下手になっている」では、長期投資が下手になったから、ヘッジファンドに逃げたりオフショア市場が発展したりしたのだと説きます。年金運用なども短視野化しているというわけです。しかし、ここがアクティブ運用の出番だとしています。
第8章「草の根ベースで、運用立国への歩みは着々と進んでいる」で、最近日本で始まった「おらが町投信」を取り上げ、今後の投信のモデルになるとしています。
本書がさわかみファンドの宣伝になっているわけではない点は評価したいと思います。もっと大きなスタンスで運用を考えていることが伝わってきます。
しかし、本書は、澤上氏の持論を展開するもので、主張は書いてありますが、それを裏付けるデータが示されるわけではないので、全体に迫力(説得力)がありません。乙は、書いてあることをそのまま鵜呑みにすることはできないように感じました。268 ページもの分量があるのですから、自分の主張の裏付けになるような数字(データ)を出すようにしたほうがいいのではないでしょうか。
1冊読んだ割には、読んだ実感が伴わない(中身が薄い)ように思いました。こんなことを申し上げては、澤上氏に申し訳ないですかね。
内容は、タイトルを読めばわかりそうなものです。日本を「運用立国」にしようということです。
第1章「欧米式の金融センターは、日本になじまない」では、東京をウィンブルドンにしてはダメだと説きます。日本の金融機関は、間接金融でやってきただけなので、海外の金融機関を誘致するようなことをすれば、日本の金融機関の多数が廃業か下請けになってしまうというわけです。
第2章「栄光の間接金融、いまや足カセ」では、国内に資本が蓄積したので、間接金融は危険だと説きます。
第3章「日本には、リスクマネーが存在しない」では、海外のリスクマネーのあり方を述べ、そのようなものが日本にはどこにもないことを述べます。今は、金融マンがリスクを取る番なのに、そうしようとしていないというわけです。
第4章「運用立国を目指す戦略の皮算用」では、日本が有する膨大な資金を投資に向けようと誘っています。預貯金をやめて運用に向かおうということです。
p.106 に貯蓄率のグラフが出てきます(最近は貯蓄率が下がっています)が、ここで貯蓄率とは何かが説明されず、p.108 で説明されます。ちょっと「あれっ」です。
p.135 では、個人マネーが投資に動いていくと、「先行した人々の成功体験が、身近なところで見えるようになってきたら、あっという間に日本中で「やはり長期投資しよう」の雪崩れ現象となるだろう。」としています。ここは乙が違和感を感じたところです。長期投資では、なかなか成功体験を持つことができません。なぜならば「長期」だからです。退職したころになって、やっと成功体験が持てるようになります。だから、身近に成功体験を持つ人がゴロゴロいるようなことにはなりません。さらに、仮に成功しても、本当の金持ちは質素に暮らすだろうと思います。この点については、『となりの億万長者』
2008.11.9 http://otsu.seesaa.net/article/109300763.html
を参照してください。したがって、ますます、成功体験は見えません。
第5章「東京証券取引所を、世界最大の株式市場に復活させる」では、東証を長期運用の中心に据え、世界中の企業が東証に上場するような方策をとるべきだと説きます。日本の中だけで国際分散投資ができてしまうというわけです。話としてはおもしろいのですが、では、具体的にどうするか、そこがむずかしいのです。答えは第6章です。
第6章は「個人マネーを長期の株式投資に誘導する起爆剤としては、「国民ファンド」を設定するとおもしろい」です。国民ファンドという大規模なファンドの構想を描きます。国とか、民営化前の郵便局とかの信用力の高いところが設定するものです。ただし、その運用については、自ら運用するのでなく、国内外の投信会社に公募ファンドを日本国内で設定させ、それらに資金を配分し、運用コンペを行いながら、成績のいいところに資金を多く割り当てていくという構想です。運用コンペは日本株の現物買いのみで行うのだそうです。乙は、ここにも違和感を感じました。澤上氏の流儀で、株の運用には自信があるということなんでしょうが、インデックスファンドとアクティブファンドの競争をすれば、平均的にはインデックスファンドが勝つのではないでしょうか。すると、澤上氏の構想は意味を持たなくなってしまいます。運用コンペをするよりは、全額をインデックスファンドに投資するほうがいいということになりそうですから、何も「国民ファンド」などを立ち上げなくても、今でも十分に可能になっています。ただ、個人の資金がそちらに向かわないだけです。
第7章「世界の長期運用が下手になっている」では、長期投資が下手になったから、ヘッジファンドに逃げたりオフショア市場が発展したりしたのだと説きます。年金運用なども短視野化しているというわけです。しかし、ここがアクティブ運用の出番だとしています。
第8章「草の根ベースで、運用立国への歩みは着々と進んでいる」で、最近日本で始まった「おらが町投信」を取り上げ、今後の投信のモデルになるとしています。
本書がさわかみファンドの宣伝になっているわけではない点は評価したいと思います。もっと大きなスタンスで運用を考えていることが伝わってきます。
しかし、本書は、澤上氏の持論を展開するもので、主張は書いてありますが、それを裏付けるデータが示されるわけではないので、全体に迫力(説得力)がありません。乙は、書いてあることをそのまま鵜呑みにすることはできないように感じました。268 ページもの分量があるのですから、自分の主張の裏付けになるような数字(データ)を出すようにしたほうがいいのではないでしょうか。
1冊読んだ割には、読んだ実感が伴わない(中身が薄い)ように思いました。こんなことを申し上げては、澤上氏に申し訳ないですかね。
2008年11月17日
債券の現物投資と ETF による債券投資
hide さんから長い質問をいただきました。
http://otsu.seesaa.net/article/109057489.html
改めて、ここで乙の考え方を示します。
まず、債券が国内債券か外国債券かで話は大きく異なってきます。ここでは、国内債券は無視して、外国債券の話に限定します。
次に、債券投資をする金融機関ですが、国内と海外では若干違いがあるように思います。が、ここは、あまり触れないようにしましょう。乙がやっているような、海外の金融機関経由で外国債券を購入する場合を考えます。
このような条件で、乙が債券投資を現物債券(ゼロクーポンもその一種)で行うべきか、ETF 経由で行うべきか、考えてみました。
以前の記事
2007.10.26 http://otsu.seesaa.net/article/62467805.html
では、「外国債券投資は ETF が便利」としています。
hide さんのおっしゃるように、現物債券では金利が固定され、ETF では変動金利に近いわけですが、それも考慮して、ETF を買うことにしています。たとえば、アメリカの金利が高くなっていった場合、(仮に 7% とかになれば)現物債券に投資するほうがいいと思います。
ETF 経由の債券投資は、分散投資になりますが、必ずしも安全性を念頭においているわけではありません。先進国の国債は、だいたいはデフォルトの可能性がきわめて低いので、現物投資でいいと思います。投資先を分散しても、より安全になるとは思いません。変わらないと思います。
ETF 経由の投資では、さまざまな債券に投資することで、金利の高低の影響が(国別でも購入時期別でも)中和され、より平均的な動きになっていく点にあると思います。
アメリカ国債の購入は、まあ簡単ですが、ヨーロッパ各国の国債となると、若干めんどうです。日本の金融機関経由だと簡単に手続きできますが、手数料がかなり高くなります。海外の金融機関経由だと、手続きそのものがめんどうになることが多いように感じます。口座開設自体ができない場合も多いように思います。また、手数料を安く抑えるためには、それぞれの国(の金融機関)に口座を開設する必要がありそうです。一般に、各国の国債は、それぞれの国で口座を開設するのが一番手数料がかからないはずです。ユーロはフランス国債に限定しても、イギリス・ポンドやスイス・フランなどは別途口座開設と言うことになるかと思います。結果的に、口座数が増えて、管理がめんどうになります。
ETF だと、こんなことを考えずに、若干の手数料を払うことで世界の債券に投資することができます。
こんなことを考えると、債券投資は次のような形にしておくのが現実的かなと思います。
(1) ETF 経由の投資をメインに考える
(2) アメリカの金利が高い場合は、アメリカの現物債券を購入してもよい。
(3) ヨーロッパは、新規口座開設がめんどうなので、現物の債券には手を出さず、ETF だけにしてしまう。
なお、これに関して、乙が今まで書いた記事
2007.10.25 http://otsu.seesaa.net/article/62304436.html
2007.10.24 http://otsu.seesaa.net/article/62142690.html
2007.6.11 http://otsu.seesaa.net/article/44484085.html
も参考になるかもしれません。
http://otsu.seesaa.net/article/109057489.html
改めて、ここで乙の考え方を示します。
まず、債券が国内債券か外国債券かで話は大きく異なってきます。ここでは、国内債券は無視して、外国債券の話に限定します。
次に、債券投資をする金融機関ですが、国内と海外では若干違いがあるように思います。が、ここは、あまり触れないようにしましょう。乙がやっているような、海外の金融機関経由で外国債券を購入する場合を考えます。
このような条件で、乙が債券投資を現物債券(ゼロクーポンもその一種)で行うべきか、ETF 経由で行うべきか、考えてみました。
以前の記事
2007.10.26 http://otsu.seesaa.net/article/62467805.html
では、「外国債券投資は ETF が便利」としています。
hide さんのおっしゃるように、現物債券では金利が固定され、ETF では変動金利に近いわけですが、それも考慮して、ETF を買うことにしています。たとえば、アメリカの金利が高くなっていった場合、(仮に 7% とかになれば)現物債券に投資するほうがいいと思います。
ETF 経由の債券投資は、分散投資になりますが、必ずしも安全性を念頭においているわけではありません。先進国の国債は、だいたいはデフォルトの可能性がきわめて低いので、現物投資でいいと思います。投資先を分散しても、より安全になるとは思いません。変わらないと思います。
ETF 経由の投資では、さまざまな債券に投資することで、金利の高低の影響が(国別でも購入時期別でも)中和され、より平均的な動きになっていく点にあると思います。
アメリカ国債の購入は、まあ簡単ですが、ヨーロッパ各国の国債となると、若干めんどうです。日本の金融機関経由だと簡単に手続きできますが、手数料がかなり高くなります。海外の金融機関経由だと、手続きそのものがめんどうになることが多いように感じます。口座開設自体ができない場合も多いように思います。また、手数料を安く抑えるためには、それぞれの国(の金融機関)に口座を開設する必要がありそうです。一般に、各国の国債は、それぞれの国で口座を開設するのが一番手数料がかからないはずです。ユーロはフランス国債に限定しても、イギリス・ポンドやスイス・フランなどは別途口座開設と言うことになるかと思います。結果的に、口座数が増えて、管理がめんどうになります。
ETF だと、こんなことを考えずに、若干の手数料を払うことで世界の債券に投資することができます。
こんなことを考えると、債券投資は次のような形にしておくのが現実的かなと思います。
(1) ETF 経由の投資をメインに考える
(2) アメリカの金利が高い場合は、アメリカの現物債券を購入してもよい。
(3) ヨーロッパは、新規口座開設がめんどうなので、現物の債券には手を出さず、ETF だけにしてしまう。
なお、これに関して、乙が今まで書いた記事
2007.10.25 http://otsu.seesaa.net/article/62304436.html
2007.10.24 http://otsu.seesaa.net/article/62142690.html
2007.6.11 http://otsu.seesaa.net/article/44484085.html
も参考になるかもしれません。
2008年11月16日
山崎養世(2008.7)『次のグローバル・バブルが始まった!』朝日新聞出版
乙が読んだ本です。
読み始めてすぐの p.2 で2008年は大不況は来ない、それどころか次のバブルが始まると予想しています。「サブプライム問題は世界不況の引き金にはならない」や「ロシアや中東産油国は、高騰する原油価格の恩恵で潤い、ブラジルの株価は、連日のように市場最高値を更新し続けています。」とも述べています。
この本は、2008年7月の出版ですから、執筆時期はその数ヶ月前でしょう。山崎氏は、事態が自分の予想通りに推移してきたと誇らしげに語っています。
p.4 では、デカップリング論が語られ、先進国経済が傾いても、新興国経済は好調であるとしています。
2008 年 11 月現在では、山崎氏はこれらのことをどう思っているのでしょうか。機会があれば、直接お聞きしたいものです。一般的な認識としては、「世界同時大不況」だと思います。
第1章は「サブプライム危機は終わった!」です。p.21 では、2008 年1月、3月に書いた自分の記事を引用し、株式市場の暴落は終わり、再び上昇するとしています。pp.26-27 では、1929 年の大恐慌に言及して、現状は大恐慌とはほど遠いとしています。
11月現在の状況は、……多くの人は「100年に一度の危機」と感じているのではないでしょうか。
第2章は「新しいグローバル・バブルが生まれる」です。新しいグローバル・バブルとは、p.74 によれば、ブラジルやロシアの新興国だというわけです。
山崎氏は、経済の先行きについて、読み間違いをしていると思います。それだけ、経済予測は難しいのでしょう。7月に書かれた本を11月に読んで、ずいぶんと時代遅れのことを言っているなあと感じます。それくらいに9月から10月にかけての世界の株式市場の変化は大激変だったわけです。
第2章では、おもしろい記述も出てきます。p.88 では、現実の円キャリー取引のようすが描かれます。乙はまったく知りませんでした。何と、円はどこにも出てこずに、すべてドルで決済してしまうのだそうです。世界中でこんな円キャリー取引が行われているのだそうです。これでは、通貨をコントロールすることなんて不可能です。
第3章は「経済超大国となった中国が世界経済を一変させた」です。p.118 あたりで、なぜ中国が経済発展したかが語られます。アメリカの企業が中国に進出して各種生産を行いアメリカに輸出するようになっています。すると、実際に利益を得ているのはアメリカ企業ということになり、アメリカ政府や州に税金を払うことで貢献しているわけです。こうして、中国もアメリカもこれでよしと考えることになりました。アメリカにしてみれば、対日赤字と対中赤字はまったく別物ということになります。
本書は6章までありますが、以下は省略しましょう。
乙は、本の出版が恐ろしいと思いました。たった数ヶ月の間に経済状況が激変し、本の内容が古くなってしまうことがあるんですね。もしかしたら、著者としては大改訂したいと思うことがあるかもしれません。それでも、本は図書館に残され、執筆され出版された時の状態を未来にまで伝えてしまうのです。
本書は、11月現在で読むと、違和感が大きい内容でした。
読み始めてすぐの p.2 で2008年は大不況は来ない、それどころか次のバブルが始まると予想しています。「サブプライム問題は世界不況の引き金にはならない」や「ロシアや中東産油国は、高騰する原油価格の恩恵で潤い、ブラジルの株価は、連日のように市場最高値を更新し続けています。」とも述べています。
この本は、2008年7月の出版ですから、執筆時期はその数ヶ月前でしょう。山崎氏は、事態が自分の予想通りに推移してきたと誇らしげに語っています。
p.4 では、デカップリング論が語られ、先進国経済が傾いても、新興国経済は好調であるとしています。
2008 年 11 月現在では、山崎氏はこれらのことをどう思っているのでしょうか。機会があれば、直接お聞きしたいものです。一般的な認識としては、「世界同時大不況」だと思います。
第1章は「サブプライム危機は終わった!」です。p.21 では、2008 年1月、3月に書いた自分の記事を引用し、株式市場の暴落は終わり、再び上昇するとしています。pp.26-27 では、1929 年の大恐慌に言及して、現状は大恐慌とはほど遠いとしています。
11月現在の状況は、……多くの人は「100年に一度の危機」と感じているのではないでしょうか。
第2章は「新しいグローバル・バブルが生まれる」です。新しいグローバル・バブルとは、p.74 によれば、ブラジルやロシアの新興国だというわけです。
山崎氏は、経済の先行きについて、読み間違いをしていると思います。それだけ、経済予測は難しいのでしょう。7月に書かれた本を11月に読んで、ずいぶんと時代遅れのことを言っているなあと感じます。それくらいに9月から10月にかけての世界の株式市場の変化は大激変だったわけです。
第2章では、おもしろい記述も出てきます。p.88 では、現実の円キャリー取引のようすが描かれます。乙はまったく知りませんでした。何と、円はどこにも出てこずに、すべてドルで決済してしまうのだそうです。世界中でこんな円キャリー取引が行われているのだそうです。これでは、通貨をコントロールすることなんて不可能です。
第3章は「経済超大国となった中国が世界経済を一変させた」です。p.118 あたりで、なぜ中国が経済発展したかが語られます。アメリカの企業が中国に進出して各種生産を行いアメリカに輸出するようになっています。すると、実際に利益を得ているのはアメリカ企業ということになり、アメリカ政府や州に税金を払うことで貢献しているわけです。こうして、中国もアメリカもこれでよしと考えることになりました。アメリカにしてみれば、対日赤字と対中赤字はまったく別物ということになります。
本書は6章までありますが、以下は省略しましょう。
乙は、本の出版が恐ろしいと思いました。たった数ヶ月の間に経済状況が激変し、本の内容が古くなってしまうことがあるんですね。もしかしたら、著者としては大改訂したいと思うことがあるかもしれません。それでも、本は図書館に残され、執筆され出版された時の状態を未来にまで伝えてしまうのです。
本書は、11月現在で読むと、違和感が大きい内容でした。
2008年11月15日
ゆうちょ銀行と他の金融機関との間で振込が可能になります。
全世帯に配布するチラシの形で、平成21年1月5日よりゆうちょ銀行と他の金融機関との間で振込が可能になるというお知らせがありました。
ATM を使うにしても、振込手数料がけっこう高いのです。3万円未満が 210 円、3万円以上が 420 円です。
乙は、こんなに高い手数料を払うつもりはないので、ゆうちょ銀行の振込は使わないつもりです。
しかし、他の人から、乙に送金があるかもしれません。そのことを考えると、自分の口座の振込用の店名と口座番号を確認しておいたほうがよさそうです。
チラシには、「インターネットの場合」として、次のように書いてあります。
@インターネットで[ゆうちょ]で検索します。
Aゆうちょ銀行Webサイト内の「振込用の店名・口座番号のご案内」のページで、お客さまの記号・番号を入力してください。
B振込用の店名・口座番号を表示します。
さっそくアクセスしてみました。
検索してゆうちょ銀行の Web サイトに入ります。
http://www.jp-bank.japanpost.jp/index.html
です。
しかし、そのページのどこにも「振込用の店名・口座番号のご案内」はありませんでした。
こういうことでは、利用者が困るだけです。もう少し、きちんとやってください、ゆうちょ銀行様。
サイトマップ
http://www.jp-bank.japanpost.jp/sitemap/stm_index.html
を見ても、ありません。
実は、ホームページの上のほう、「ますます便利に! 平成21年1月から 他行と相互に振込を開始」というところがありますが、ここをクリックすると
http://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/tukau/sokin/koza/kj_tk_sk_kz_furikomi.html
にジャンプします。ここに「振込用の店名・口座番号のご案内」があります。
Web の設計とチラシの内容がずれてしまったということでしょうか。
しかし、こんな失敗があるようでは、安心して利用することはできないように思います。
もう少し、きちんとやってください、ゆうちょ銀行様。
ATM を使うにしても、振込手数料がけっこう高いのです。3万円未満が 210 円、3万円以上が 420 円です。
乙は、こんなに高い手数料を払うつもりはないので、ゆうちょ銀行の振込は使わないつもりです。
しかし、他の人から、乙に送金があるかもしれません。そのことを考えると、自分の口座の振込用の店名と口座番号を確認しておいたほうがよさそうです。
チラシには、「インターネットの場合」として、次のように書いてあります。
@インターネットで[ゆうちょ]で検索します。
Aゆうちょ銀行Webサイト内の「振込用の店名・口座番号のご案内」のページで、お客さまの記号・番号を入力してください。
B振込用の店名・口座番号を表示します。
さっそくアクセスしてみました。
検索してゆうちょ銀行の Web サイトに入ります。
http://www.jp-bank.japanpost.jp/index.html
です。
しかし、そのページのどこにも「振込用の店名・口座番号のご案内」はありませんでした。
こういうことでは、利用者が困るだけです。もう少し、きちんとやってください、ゆうちょ銀行様。
サイトマップ
http://www.jp-bank.japanpost.jp/sitemap/stm_index.html
を見ても、ありません。
実は、ホームページの上のほう、「ますます便利に! 平成21年1月から 他行と相互に振込を開始」というところがありますが、ここをクリックすると
http://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/tukau/sokin/koza/kj_tk_sk_kz_furikomi.html
にジャンプします。ここに「振込用の店名・口座番号のご案内」があります。
Web の設計とチラシの内容がずれてしまったということでしょうか。
しかし、こんな失敗があるようでは、安心して利用することはできないように思います。
もう少し、きちんとやってください、ゆうちょ銀行様。
2008年11月14日
三橋貴明(2007.7)『本当はヤバイ! 韓国経済』彩図社
乙が読んだ本です。「迫り来る通貨危機再来の恐怖」という副題が付いています。
著者の三橋氏は中小企業診断士だそうで、財務諸表などから企業の現状を分析し、アドバイスをすることが仕事だそうです。その手法で韓国を見たらどうなるかを述べたのが本書です。
本書の結論は、タイトルにあるとおり、「韓国経済はヤバイ」ということになります。
本書を読む前に、韓国のここ10年ほどの為替レートの変動を見てみましょう。
http://www.aceconsulting.co.jp/kawasekinri2.html
経験的に1円が10ウォンくらいが多かったので、だいたい10倍のレートと見ればよかったのですが、9月から10月にかけてウォンが急落しています。10月末の時点では、100KRW が 7.70 円ということで、大きく円高ウォン安になっています。
「韓国ウォン相場下落の構図」
http://www.jri.co.jp/RIM/2008/11korea.pdf
によれば、対ドルで見ても、ドル高ウォン安であることは明らかです。
本書が書かれた当時(2007年春ころ?)はウォン高だったわけです。2007年7月(本書の刊行時期)がウォン高のピークで、1ドル=918ウォンでしたが、最近は1ドル=1322 ウォン
http://quote.yahoo.co.jp/m5?a=1&s=USD&t=KRW
ということで、大変なウォン安です。
p.8 では、「ウォン高→輸出企業不振→経常収支赤字化→国内の資金不足→短期外債急増→資本収支黒字増加→ウォン高」という悪循環が書いてありますが、現在のウォン安状況でこれがどう変わったかも知りたいところです。
しかし、本書では、ウォンが高いか安いかという問題を越えて、もっと大きな「韓国での変化の傾向」を描いています。その点で、本書の記述の大部分は、ウォン安の現在でも当てはまるように思います。
さて、本書の内容を見ていきましょう。
第1章「六つ子の赤字」では、韓国が経常収支赤字、財政赤字、家計の赤字、企業の赤字、中央銀行の赤字に苦しむ姿を描いています。これに資本収支の赤字が加われば(そして実際にそうなりそうですが)「六つ子の赤字」になるということになります。
第2章「泥沼の国際収支」では、国際収支の数値がひどく、明確に近未来の破綻を示していると説きます。外貨準備高が急増しているのは、外国から短期でカネを借りているからだということになります。国際収支がなぜ赤字かといえば、それは旅行・留学・研修などのサービス収支の赤字が原因です。所得収支の赤字の原因は、上場企業の配当が大きく増加し、カネが外国人投資家に流れているのが原因です。経常移転収支の赤字は、韓国人が海外に送金しているからです。
第3章「円キャリーの逆襲」では、円キャリー取引で新興国のバブルが起こり、その後、円キャリー取引が日銀の利上げによって終わったことで、新興国から資金が一斉に引き揚げられ、現地通貨安が起こったことを説明します。韓国のウォン安もその一環だというわけです。
第4章「通貨危機再来の悪夢」では、韓国でも円キャリー取引が行われ、円建ての借金が増えているのだそうです。そして、そのカネが向かった先が不動産投機でした。今、円キャリー取引が終わったので、大量の円を返す必要があり、ウォン安円高が進行するとのことです。本書出版後の傾向を見事に言い当てています。ウォン安が進むと、円での借金を返せなくなり、デフォールトが起こるだろうとのことです。
第5章「韓国輸出企業の実態」では、輸出企業が国内の価格を高くしてここで儲け、海外では価格を下げて売り上げの数量を確保する戦略をとっていることを述べています。また、韓国の人件費が高く、労働生産性が非常に低いこと、日本から工作機械や高度な部品を輸入していることを述べています。
第6章「恐るべし全教組と平準化教育」では、韓国の大学教育が費用がかかりすぎること、学生の質が非常に低いこと、その原因は全国教職員労働組合にあるとしています。そのため、親は子供の教育を海外で行おうとして、外国への送金が増えているのだそうです。
第7章「植民地経済大国」では、アジア通貨危機によって、金融機関と主要企業の資本を外資に握られてしまい、現在は、高配当で資本が海外に出て行ってしまっていることを説明しています。
第8章「逆単身赴任の悲惨な現実」では、海外に子供と母親を送り出し、父親が韓国内で単身で稼いでいる状況を述べます。
第9章「深刻な国内空洞化」では、設備投資がまともに行われておらず、産業が空洞化しつつある現状を記述します。
第10章「KOSPI最高値の疑惑」では、株価が上昇しているように見えても、それは実は自社株買いによるものだとし、韓国人投資家も海外に投資する例が激増していると述べます。
第11章「崩壊する韓国社会」では、韓国の不動産バブルを描き、家計の赤字(つまり借金)が膨大であることを述べます。韓国の法定利息は年利 66% だそうです。こんなに高いとは、乙は知りませんでした。これで家計が赤字ということは、借金取りに多額の利息を払わなければならないということになります。韓国は格差社会になっており、中流層が激減してしまったとのことです。
第12章「急増する脱南者」では、人もお金も工場も、韓国を捨てて海外に脱出していると述べています。
第13章「GDP5.0%成長の謎」は、韓国の経済統計が間違っているという話です。ただし、乙の考えでは、ここは著者の解釈が間違っています。p.226 では、四半期ごとの GDP 成長率をもとに、1年間の成長率を求め、それが年間の統計値と違っている点を述べています。しかし、四半期ごとの結果を四つまとめたのでは、3ヵ月分の統計とその1年後の3ヵ月分の統計を比べていることになり、1年分と1年分を比べる年間成長率と違ってくるのは当然です。
第14章「報道の信頼」では、日本のメディアの問題(経済リテラシーが低い)を述べています。
本書は、一貫して、公表されている各種の統計数値を使い、韓国の経済状況をマクロに把握しようとしています。また、韓国の新聞記事を引用しつつ、それがどういう意味を持っているかを読み解いていきます。第13章以外の部分は、乙は納得しながら読み進めました。
ちょっと読みにくい部分として、これこれのことは後の第○章で述べるとする箇所が多いことがあります。問題ごとに整理して述べれば、こういう書き方は避けられると思うのですが、……。
それと、数表も本文にそろえて縦組みになっているのは読みにくいと思います。本文が縦組みでも、表だけは横組みにしてほしかったところです。
結論として、韓国への投資はしない方がいいということになります。
韓国関連のいくつかの記事
2008.11.13 http://otsu.seesaa.net/article/109598118.html
と同じ結論になりました。
著者の三橋氏は中小企業診断士だそうで、財務諸表などから企業の現状を分析し、アドバイスをすることが仕事だそうです。その手法で韓国を見たらどうなるかを述べたのが本書です。
本書の結論は、タイトルにあるとおり、「韓国経済はヤバイ」ということになります。
本書を読む前に、韓国のここ10年ほどの為替レートの変動を見てみましょう。
http://www.aceconsulting.co.jp/kawasekinri2.html
経験的に1円が10ウォンくらいが多かったので、だいたい10倍のレートと見ればよかったのですが、9月から10月にかけてウォンが急落しています。10月末の時点では、100KRW が 7.70 円ということで、大きく円高ウォン安になっています。
「韓国ウォン相場下落の構図」
http://www.jri.co.jp/RIM/2008/11korea.pdf
によれば、対ドルで見ても、ドル高ウォン安であることは明らかです。
本書が書かれた当時(2007年春ころ?)はウォン高だったわけです。2007年7月(本書の刊行時期)がウォン高のピークで、1ドル=918ウォンでしたが、最近は1ドル=1322 ウォン
http://quote.yahoo.co.jp/m5?a=1&s=USD&t=KRW
ということで、大変なウォン安です。
p.8 では、「ウォン高→輸出企業不振→経常収支赤字化→国内の資金不足→短期外債急増→資本収支黒字増加→ウォン高」という悪循環が書いてありますが、現在のウォン安状況でこれがどう変わったかも知りたいところです。
しかし、本書では、ウォンが高いか安いかという問題を越えて、もっと大きな「韓国での変化の傾向」を描いています。その点で、本書の記述の大部分は、ウォン安の現在でも当てはまるように思います。
さて、本書の内容を見ていきましょう。
第1章「六つ子の赤字」では、韓国が経常収支赤字、財政赤字、家計の赤字、企業の赤字、中央銀行の赤字に苦しむ姿を描いています。これに資本収支の赤字が加われば(そして実際にそうなりそうですが)「六つ子の赤字」になるということになります。
第2章「泥沼の国際収支」では、国際収支の数値がひどく、明確に近未来の破綻を示していると説きます。外貨準備高が急増しているのは、外国から短期でカネを借りているからだということになります。国際収支がなぜ赤字かといえば、それは旅行・留学・研修などのサービス収支の赤字が原因です。所得収支の赤字の原因は、上場企業の配当が大きく増加し、カネが外国人投資家に流れているのが原因です。経常移転収支の赤字は、韓国人が海外に送金しているからです。
第3章「円キャリーの逆襲」では、円キャリー取引で新興国のバブルが起こり、その後、円キャリー取引が日銀の利上げによって終わったことで、新興国から資金が一斉に引き揚げられ、現地通貨安が起こったことを説明します。韓国のウォン安もその一環だというわけです。
第4章「通貨危機再来の悪夢」では、韓国でも円キャリー取引が行われ、円建ての借金が増えているのだそうです。そして、そのカネが向かった先が不動産投機でした。今、円キャリー取引が終わったので、大量の円を返す必要があり、ウォン安円高が進行するとのことです。本書出版後の傾向を見事に言い当てています。ウォン安が進むと、円での借金を返せなくなり、デフォールトが起こるだろうとのことです。
第5章「韓国輸出企業の実態」では、輸出企業が国内の価格を高くしてここで儲け、海外では価格を下げて売り上げの数量を確保する戦略をとっていることを述べています。また、韓国の人件費が高く、労働生産性が非常に低いこと、日本から工作機械や高度な部品を輸入していることを述べています。
第6章「恐るべし全教組と平準化教育」では、韓国の大学教育が費用がかかりすぎること、学生の質が非常に低いこと、その原因は全国教職員労働組合にあるとしています。そのため、親は子供の教育を海外で行おうとして、外国への送金が増えているのだそうです。
第7章「植民地経済大国」では、アジア通貨危機によって、金融機関と主要企業の資本を外資に握られてしまい、現在は、高配当で資本が海外に出て行ってしまっていることを説明しています。
第8章「逆単身赴任の悲惨な現実」では、海外に子供と母親を送り出し、父親が韓国内で単身で稼いでいる状況を述べます。
第9章「深刻な国内空洞化」では、設備投資がまともに行われておらず、産業が空洞化しつつある現状を記述します。
第10章「KOSPI最高値の疑惑」では、株価が上昇しているように見えても、それは実は自社株買いによるものだとし、韓国人投資家も海外に投資する例が激増していると述べます。
第11章「崩壊する韓国社会」では、韓国の不動産バブルを描き、家計の赤字(つまり借金)が膨大であることを述べます。韓国の法定利息は年利 66% だそうです。こんなに高いとは、乙は知りませんでした。これで家計が赤字ということは、借金取りに多額の利息を払わなければならないということになります。韓国は格差社会になっており、中流層が激減してしまったとのことです。
第12章「急増する脱南者」では、人もお金も工場も、韓国を捨てて海外に脱出していると述べています。
第13章「GDP5.0%成長の謎」は、韓国の経済統計が間違っているという話です。ただし、乙の考えでは、ここは著者の解釈が間違っています。p.226 では、四半期ごとの GDP 成長率をもとに、1年間の成長率を求め、それが年間の統計値と違っている点を述べています。しかし、四半期ごとの結果を四つまとめたのでは、3ヵ月分の統計とその1年後の3ヵ月分の統計を比べていることになり、1年分と1年分を比べる年間成長率と違ってくるのは当然です。
第14章「報道の信頼」では、日本のメディアの問題(経済リテラシーが低い)を述べています。
本書は、一貫して、公表されている各種の統計数値を使い、韓国の経済状況をマクロに把握しようとしています。また、韓国の新聞記事を引用しつつ、それがどういう意味を持っているかを読み解いていきます。第13章以外の部分は、乙は納得しながら読み進めました。
ちょっと読みにくい部分として、これこれのことは後の第○章で述べるとする箇所が多いことがあります。問題ごとに整理して述べれば、こういう書き方は避けられると思うのですが、……。
それと、数表も本文にそろえて縦組みになっているのは読みにくいと思います。本文が縦組みでも、表だけは横組みにしてほしかったところです。
結論として、韓国への投資はしない方がいいということになります。
韓国関連のいくつかの記事
2008.11.13 http://otsu.seesaa.net/article/109598118.html
と同じ結論になりました。
2008年11月13日
韓国の通貨安と株安
今、韓国が通貨安と株安でひどいことになっているようです。
豊島信彦(2008.11.4)「通貨危機懸念が消えない韓国」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20081030/175739/
あたりが参考になるでしょうか。
大前研一氏の議論も参考になります。
大前研一(2008.9.26)「ニュースの視点 KON229 世界株式市場から国際金融の現状を分析〜特に注視すべき国はココだ。」
http://www.ohmae.biz/koblog/viewpoint/1178.php
大前研一(2008.11.5)「「産業突然死」の時代と人生論 第159回:韓国の通貨危機、再び忍び寄る」
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/159/
大前氏は「アジアの中でも危険なのは、実態を伴わない韓国経済だ」と述べています。ウォン安が問題だとのことです。韓国経済は空洞化しており、実態経済が育っていないというわけです。
なぜ、韓国の話を持ち出したのかというと、実は、乙があるところから韓国株に投資しないかと勧められたからです。
ちょっと韓国の経済に関する記事を読んでみると、どうにもひどいという話があちこちに書かれています。上の記事はその典型例です。
そんなわけで、韓国株への投資は、先送りにしようかなと思いました。
豊島信彦(2008.11.4)「通貨危機懸念が消えない韓国」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20081030/175739/
あたりが参考になるでしょうか。
大前研一氏の議論も参考になります。
大前研一(2008.9.26)「ニュースの視点 KON229 世界株式市場から国際金融の現状を分析〜特に注視すべき国はココだ。」
http://www.ohmae.biz/koblog/viewpoint/1178.php
大前研一(2008.11.5)「「産業突然死」の時代と人生論 第159回:韓国の通貨危機、再び忍び寄る」
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/159/
大前氏は「アジアの中でも危険なのは、実態を伴わない韓国経済だ」と述べています。ウォン安が問題だとのことです。韓国経済は空洞化しており、実態経済が育っていないというわけです。
なぜ、韓国の話を持ち出したのかというと、実は、乙があるところから韓国株に投資しないかと勧められたからです。
ちょっと韓国の経済に関する記事を読んでみると、どうにもひどいという話があちこちに書かれています。上の記事はその典型例です。
そんなわけで、韓国株への投資は、先送りにしようかなと思いました。
2008年11月12日
GMの破綻があるか?
クライスラーとの合併話が「中断」したことで、GMがいよいよ危ないということになってきました。
http://diamond.jp/series/analysis/10051/
http://diamond.jp/series/machida/10051/
GMの販売不振はどうしようもないレベルです。クルマが売れなかったら、GMとしては当然会社が成り立っていきません。
GMだけでなく、自動車メーカーは全体的に業績不振が多いようです。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20081110/176691/
GM問題は、今のアメリカの経済危機のシンボル的存在でしょう。いざ、GMが破綻するとなれば、100万人にものぼる関係者への大きなダメージとなるでしょう。GMの破綻によって、リーマン・ブラザーズの破綻よりもずっと大きな衝撃がアメリカ経済を襲うと思われます。アメリカの株価の下落はとんでもないレベルにまで達するかもしれません。
GMがあるおかげで日本メーカーが儲かっているという話さえあります。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20081106/176497/
GMだけでなく、フォードもクライスラーも含めて、ビッグスリーは来年までもたないと予想する人
http://blog.dandoweb.com/?eid=43900
もいます。
オバマ次期大統領の手腕が問われるわけです。
さて、どうなるか。どうするか。
世界中がアメリカに目を向けています。投資家の「目」もアメリカにそそがれています。
乙は、11月の投資を一応終えたので、しばらくはこのままにして、12月ころに再度投資するかどうかを考えます。
http://diamond.jp/series/analysis/10051/
http://diamond.jp/series/machida/10051/
GMの販売不振はどうしようもないレベルです。クルマが売れなかったら、GMとしては当然会社が成り立っていきません。
GMだけでなく、自動車メーカーは全体的に業績不振が多いようです。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20081110/176691/
GM問題は、今のアメリカの経済危機のシンボル的存在でしょう。いざ、GMが破綻するとなれば、100万人にものぼる関係者への大きなダメージとなるでしょう。GMの破綻によって、リーマン・ブラザーズの破綻よりもずっと大きな衝撃がアメリカ経済を襲うと思われます。アメリカの株価の下落はとんでもないレベルにまで達するかもしれません。
GMがあるおかげで日本メーカーが儲かっているという話さえあります。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20081106/176497/
GMだけでなく、フォードもクライスラーも含めて、ビッグスリーは来年までもたないと予想する人
http://blog.dandoweb.com/?eid=43900
もいます。
オバマ次期大統領の手腕が問われるわけです。
さて、どうなるか。どうするか。
世界中がアメリカに目を向けています。投資家の「目」もアメリカにそそがれています。
乙は、11月の投資を一応終えたので、しばらくはこのままにして、12月ころに再度投資するかどうかを考えます。
2008年11月11日
VTI と VGK の追加購入
11月になって、乙は、VTI と VGK の追加購入に踏み切りました。
VTI はアメリカ株、VGK はヨーロッパ株に投資する ETF です。これから欧米の実質経済が悪化しそうですし、成長率も鈍りますから、株価が上昇することは期待しにくいと思います。
しかし、今まで相当に株価が下がってきたので、ここらあたりで踏みとどまるかもしれません。オバマ次期米大統領も大規模な経済対策を行うでしょう。そんなことを考え、そろそろ株に投資してもいいかなと思いました。
先日、乙のポートフォリオを検討して、
2008.11.5 http://otsu.seesaa.net/article/109113190.html
日米欧の株式の比率を高めるとよいと述べました。その意味からも、VTI と VGK の追加購入は望ましいと思いました。
もちろん、日本株の ETF も(1306 ですが)買い注文を出しているのですが、なかなか買えません。
VTI はアメリカ株、VGK はヨーロッパ株に投資する ETF です。これから欧米の実質経済が悪化しそうですし、成長率も鈍りますから、株価が上昇することは期待しにくいと思います。
しかし、今まで相当に株価が下がってきたので、ここらあたりで踏みとどまるかもしれません。オバマ次期米大統領も大規模な経済対策を行うでしょう。そんなことを考え、そろそろ株に投資してもいいかなと思いました。
先日、乙のポートフォリオを検討して、
2008.11.5 http://otsu.seesaa.net/article/109113190.html
日米欧の株式の比率を高めるとよいと述べました。その意味からも、VTI と VGK の追加購入は望ましいと思いました。
もちろん、日本株の ETF も(1306 ですが)買い注文を出しているのですが、なかなか買えません。
2008年11月10日
小室哲哉容疑者の詐欺事件の背景
小室哲哉容疑者の詐欺事件は、さまざまなところで取り上げられています。
乙が見かけた記事
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20081105-426214.html
によると、小室哲哉容疑者は生活が派手だったようです。
もしも乙に100億円あったらどうするか。どんな生活をするか。
乙だったら、地道に暮らすでしょうね。この金額なら、無理に投資なんかしなくても、銀行の定期預金でもいいですよ。文字通りの大口定期ですね。利率が 0.3% としても、毎年3千万円ずつ入ってくるのですから、その範囲内で生活していれば、一生安泰です。利率が上昇したら、ますますホクホク顔になるだけです。
しかし、小室容疑者はそうではなかったようです。一度派手な生活をしてしまうと、なかなか元には戻れないものなのでしょう。
小室容疑者は『となりの億万長者』
2008.11.9 http://otsu.seesaa.net/article/109300763.html
でいうところの「蓄財劣等生」の典型例です。高収入でも、どんどんお金を使ってしまうタイプの人がいるのですね。小室容疑者は、きっと本当の億万長者の生活のしかたを身に付けられなかった人なのでしょう。
それにしても、100億円というのはすごい金額だと思いました。乙には無縁の世界です。その使い方を知らなかった小室容疑者は、本当はかわいそうな人ですね。
これを書いてからふと考えましたが、小室容疑者は、資産100億円とは別に毎年印税も入ってくるのですよね。こちらもきっとすごい額でしょうけど、……。
乙が見かけた記事
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20081105-426214.html
によると、小室哲哉容疑者は生活が派手だったようです。
もしも乙に100億円あったらどうするか。どんな生活をするか。
乙だったら、地道に暮らすでしょうね。この金額なら、無理に投資なんかしなくても、銀行の定期預金でもいいですよ。文字通りの大口定期ですね。利率が 0.3% としても、毎年3千万円ずつ入ってくるのですから、その範囲内で生活していれば、一生安泰です。利率が上昇したら、ますますホクホク顔になるだけです。
しかし、小室容疑者はそうではなかったようです。一度派手な生活をしてしまうと、なかなか元には戻れないものなのでしょう。
小室容疑者は『となりの億万長者』
2008.11.9 http://otsu.seesaa.net/article/109300763.html
でいうところの「蓄財劣等生」の典型例です。高収入でも、どんどんお金を使ってしまうタイプの人がいるのですね。小室容疑者は、きっと本当の億万長者の生活のしかたを身に付けられなかった人なのでしょう。
それにしても、100億円というのはすごい金額だと思いました。乙には無縁の世界です。その使い方を知らなかった小室容疑者は、本当はかわいそうな人ですね。
これを書いてからふと考えましたが、小室容疑者は、資産100億円とは別に毎年印税も入ってくるのですよね。こちらもきっとすごい額でしょうけど、……。
ラベル:小室哲哉
2008年11月09日
トマス・J・スタンリー, ウィリアム・D・ダンコ(1997.9)『となりの億万長者』早川書房
乙が読んだ本です。「成功を生む7つの法則」という副題が付いています。
この本を読もうと思ったのは、中桐啓貴(2008.7)『ほったらかしでも1億円の資産を生む株式・投資信託の始め方』
2008.10.13 http://otsu.seesaa.net/article/107997562.html
を読んだとき、お金持ちは安い中古車に乗り、安いスーツを着ているという話があり、ある人が、その話の出典がこの本だと教えてくれたからでした。
乙は一読してびっくりしました。著者たちの徹底的な調査・研究の態度に驚いたのです。p.14 には、次のようにあります。「私たちは500人以上の資産家にインタビューし、また 11,000 人以上の資産家や高額所得者にアンケート調査した。」どうですか。この本はこのような膨大な調査・研究に基づいて書かれているのです。これに匹敵するような日本の資産家研究があるのでしょうか。乙は社会学方面にはまったくうといので、わかりませんが、たぶんないのではないでしょうか。この本はすべてアメリカの話ではありますが、億万長者の考え方は世界に通じるものと思います。
本書のイントロダクションを読み始めて、すぐに驚きのことばに出くわします。本書の最初(p.9 ですが)の出だしの1段落を引用します。
p.26 では、金持ちの多くが1代で財産を築いていることを述べます。相続などではないのです。むしろ、金持ちの2〜3世は、必ずしも金持ちにならないのです。
p.38 から、本書の最大のテーマが語られます。「倹約」が大事だということです。お金持ちは、収入よりはるかに低い支出で生活するのです。そのようにできる人が結果的に金持ちになるのです。
p.128 金持ちの多くが株を持っています。しかし、売り買いはほとんどせずに、じっと持っているだけです。これも興味深い結果でした。
p.181 親が子供に経済的援助を与えれば与えるほど、子供は資産を蓄えなくなるというのです。これもとてもおもしろい研究でした。
p.292 お金持ちは、子供に会社を継がせず、むしろ専門職にさせようとするのだそうです。医者や弁護士や会計士などだそうです。
乙は、億万長者ではありませんが、退職後は、それに近い状態になるように思います。そのとき、どのように振る舞うべきか、考えさせられます。自分の子供にどう接するべきかもとても大事な問題です。
本書を通読してみて、乙の金持ちのイメージはすっかり変わってしまいました。何か、人生について大きな「学び」をした気分です。本書は、323 ページにわたって、比較的小さな活字でびっしり書いてあるのですが、「お金」から見た人生論が描かれています。読んでおいて損はない本です。出版年はやや古いですから、数字などは今のものに置き換えて理解する必要があるでしょうが、原則は変わらないものと思います。
できれば、誰かが日本の富裕層に関する調査・研究をしてくれれば、それと本書の結果を比べることができるのですが、……。乙が知らないだけで、実は研究が行われているのでしょうか。
この本を読もうと思ったのは、中桐啓貴(2008.7)『ほったらかしでも1億円の資産を生む株式・投資信託の始め方』
2008.10.13 http://otsu.seesaa.net/article/107997562.html
を読んだとき、お金持ちは安い中古車に乗り、安いスーツを着ているという話があり、ある人が、その話の出典がこの本だと教えてくれたからでした。
乙は一読してびっくりしました。著者たちの徹底的な調査・研究の態度に驚いたのです。p.14 には、次のようにあります。「私たちは500人以上の資産家にインタビューし、また 11,000 人以上の資産家や高額所得者にアンケート調査した。」どうですか。この本はこのような膨大な調査・研究に基づいて書かれているのです。これに匹敵するような日本の資産家研究があるのでしょうか。乙は社会学方面にはまったくうといので、わかりませんが、たぶんないのではないでしょうか。この本はすべてアメリカの話ではありますが、億万長者の考え方は世界に通じるものと思います。
本書のイントロダクションを読み始めて、すぐに驚きのことばに出くわします。本書の最初(p.9 ですが)の出だしの1段落を引用します。
20年以上前、私たちは、人はどうやって金持ちになるのかを研究しはじめた。最初、私たちは、誰もが考えるように、いわゆる高級住宅地に住む人々を対象に調査を行なった。だが、そのうちどうも奇妙なことに気づいた。豪華な屋敷に住み、高級車に乗っている人たちは、実際にはあまり資産を持っていないのだ。そしてもっと奇妙なことに気づいた。大きな資産を持つ人々は、そもそも高級住宅地に住んでいないのだ。こうして本書が始まります。最初の1段落だけでも頭をガーンと殴られた気分です。これだけで「お金持ち」のイメージが変わってしまいます。
p.26 では、金持ちの多くが1代で財産を築いていることを述べます。相続などではないのです。むしろ、金持ちの2〜3世は、必ずしも金持ちにならないのです。
p.38 から、本書の最大のテーマが語られます。「倹約」が大事だということです。お金持ちは、収入よりはるかに低い支出で生活するのです。そのようにできる人が結果的に金持ちになるのです。
p.128 金持ちの多くが株を持っています。しかし、売り買いはほとんどせずに、じっと持っているだけです。これも興味深い結果でした。
p.181 親が子供に経済的援助を与えれば与えるほど、子供は資産を蓄えなくなるというのです。これもとてもおもしろい研究でした。
p.292 お金持ちは、子供に会社を継がせず、むしろ専門職にさせようとするのだそうです。医者や弁護士や会計士などだそうです。
乙は、億万長者ではありませんが、退職後は、それに近い状態になるように思います。そのとき、どのように振る舞うべきか、考えさせられます。自分の子供にどう接するべきかもとても大事な問題です。
本書を通読してみて、乙の金持ちのイメージはすっかり変わってしまいました。何か、人生について大きな「学び」をした気分です。本書は、323 ページにわたって、比較的小さな活字でびっしり書いてあるのですが、「お金」から見た人生論が描かれています。読んでおいて損はない本です。出版年はやや古いですから、数字などは今のものに置き換えて理解する必要があるでしょうが、原則は変わらないものと思います。
できれば、誰かが日本の富裕層に関する調査・研究をしてくれれば、それと本書の結果を比べることができるのですが、……。乙が知らないだけで、実は研究が行われているのでしょうか。
2008年11月08日
WOWOW の株を購入
乙は、最近、WOWOW の株を購入しました。
以前から、株主優待目当てで WOWOW の株を持っていたのですが、
2006.12.8 http://otsu.seesaa.net/article/29173865.html
妻の名義でもう1株買うことにしました。
2007.3.2 http://otsu.seesaa.net/article/35022213.html
自分の名義だと、2株買っても株主優待は同じだけしかもらえませんが、他人名義ならば、それぞれで有効になります。【2008.11.9 以下、削除、詳細はコメント欄参照のこと】WOWOW の場合は、家族で契約者がいれば、その人の視聴料が3ヵ月分無料にできるようです。(もう少し早く気が付いていればよかったのに……。)
10万円ほどで1株購入することで、株主優待で視聴料3ヵ月分が無料になります。2415×3=7245円分です。それ以外に、配当が3000円/年ほどあります。1万円ほどの実入りです。
とすると、10万円の株は10年間で元が取れる計算になります。これはうれしい話です。「株安ばんさい」です。
とはいえ、前から持っている WOWOW の株は、1/3 ほどに値下がりしているので、こちらの損失のほうがはるかに大きいのです。しかたがありませんけど。
以前から、株主優待目当てで WOWOW の株を持っていたのですが、
2006.12.8 http://otsu.seesaa.net/article/29173865.html
妻の名義でもう1株買うことにしました。
2007.3.2 http://otsu.seesaa.net/article/35022213.html
自分の名義だと、2株買っても株主優待は同じだけしかもらえませんが、他人名義ならば、それぞれで有効になります。【2008.11.9 以下、削除、詳細はコメント欄参照のこと】
10万円ほどで1株購入することで、株主優待で視聴料3ヵ月分が無料になります。2415×3=7245円分です。それ以外に、配当が3000円/年ほどあります。1万円ほどの実入りです。
とすると、10万円の株は10年間で元が取れる計算になります。これはうれしい話です。「株安ばんさい」です。
とはいえ、前から持っている WOWOW の株は、1/3 ほどに値下がりしているので、こちらの損失のほうがはるかに大きいのです。しかたがありませんけど。
2008年11月07日
ミホウジャパン、上場廃止
乙が個別株として保有していたミホウジャパンですが、11月1日で上場廃止になってしまいました。
http://www.miho-japan.co.jp/files/2880/company_news/28802008093001.pdf
http://stock.money.goo.ne.jp/apps/news/read?f=200810011719
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/finance/183092
いやはや、いやはや。
まあ、先見の明がなかったというか、あまりよく調べないで株を買った報いでしょうかね。
株式は、文字通り紙クズになってしまいました。もっとも、現物として株券自体を見たわけではありませんが、……。
乙がミホウジャパンの株を買ってからは、株価は下がる一方で、どこにもチャンスがありませんでした。再度上場などという可能性はないでしょう。このまま、おそらくこの会社は倒産してしまうのでしょうね。残念です。
株式投資の一面として悪い結果を経験することができ、授業料を払ったようなものでしょう。
続きを読む
http://www.miho-japan.co.jp/files/2880/company_news/28802008093001.pdf
http://stock.money.goo.ne.jp/apps/news/read?f=200810011719
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/finance/183092
いやはや、いやはや。
まあ、先見の明がなかったというか、あまりよく調べないで株を買った報いでしょうかね。
株式は、文字通り紙クズになってしまいました。もっとも、現物として株券自体を見たわけではありませんが、……。
乙がミホウジャパンの株を買ってからは、株価は下がる一方で、どこにもチャンスがありませんでした。再度上場などという可能性はないでしょう。このまま、おそらくこの会社は倒産してしまうのでしょうね。残念です。
株式投資の一面として悪い結果を経験することができ、授業料を払ったようなものでしょう。
続きを読む
2008年11月06日
世界の REIT、時価総額7割減 07年5月のピーク時比
日経新聞の11月2日の朝刊に出ていました。世界の REIT が時価総額で7割も減ったというのです。
NIKKEI NET でも一部読めます。
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2D02002%2002112008&g=MH&d=20081103
こんな状況ですから、REIT を保有している人は大変でしょう。
乙も、REIT に投資する ETF を2種類購入しています
2007.3.22 http://otsu.seesaa.net/article/36543331.html
2008.3.30 http://otsu.seesaa.net/article/91545970.html
が、どちらも大変なことになっています。
RWR は、アメリカの REIT に投資するものですが、10月に急落し、購入したときの6割減になっています。また、RWX はアメリカ以外の REIT に投資するものですが、こちらも10月の急落が響いて、6割減です。
いやはやきびしいものです。
あまりに値下がりが厳しいので、今さら損切りしようにもどうしようもありません。まあ、捨てたつもりでじっと持っておくことにしましょう。
これから、不動産投資を増やしたいところですが、今の状況では、恐くて手が出せないといったところでしょうか。もう少し落ち着いたところで追加購入したいと思っています。
NIKKEI NET でも一部読めます。
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2D02002%2002112008&g=MH&d=20081103
こんな状況ですから、REIT を保有している人は大変でしょう。
乙も、REIT に投資する ETF を2種類購入しています
2007.3.22 http://otsu.seesaa.net/article/36543331.html
2008.3.30 http://otsu.seesaa.net/article/91545970.html
が、どちらも大変なことになっています。
RWR は、アメリカの REIT に投資するものですが、10月に急落し、購入したときの6割減になっています。また、RWX はアメリカ以外の REIT に投資するものですが、こちらも10月の急落が響いて、6割減です。
いやはやきびしいものです。
あまりに値下がりが厳しいので、今さら損切りしようにもどうしようもありません。まあ、捨てたつもりでじっと持っておくことにしましょう。
これから、不動産投資を増やしたいところですが、今の状況では、恐くて手が出せないといったところでしょうか。もう少し落ち着いたところで追加購入したいと思っています。
ラベル:REIT
2008年11月05日
最近のポートフォリオ
乙は、自分のポートフォリオをあまり頻繁にチェックしませんが、最近の世界の大幅株安の結果、大きな変動がありましたので、現状を把握しようと思いました。
1年ほど前は、
2007.10.15 http://otsu.seesaa.net/article/60730510.html
にあるようなことでした。
10月末時点で計算してみると、以下のようです。
この1年間で、いろいろなことがありました。アメリカ株・ヨーロッパ株を追加購入しましたが、その後、数ヶ月間は投資を休んでいました。むしろ、ヘッジファンドや新興国株などを一部解約しました。そこに世界株安が襲ってきました。
その結果、上の表のようになりました。
株価が大きく値を下げ、債券はそんなことがなかったので(ETF では少し下がりましたが)、結果的に債券の比率が上がってきました。勝手にリバランスがなされたようなものです。乙は新興国株の比率が異様に高かったのですが、今はさほどでもなくなりました。(実は、新興国株で大きな損失を出しているということなんですが、……(涙)。)
今のところ、ポートフォリオは以下のようなものを目指そうと思います。
以前のもの
2007.10.15 http://otsu.seesaa.net/article/60730510.html
とは、多少変わっています。
というわけで、理想と現実の差を考慮して、これからは日米欧の株を買おうと思います。
続きを読む
1年ほど前は、
2007.10.15 http://otsu.seesaa.net/article/60730510.html
にあるようなことでした。
10月末時点で計算してみると、以下のようです。
《現実》 | 合計 | アメリカ | ヨーロッパ | 日本 | 新興国 |
株式 | 41.1% | 12.6% | 5.6% | 6.3% | 16.6% |
債券 | 28.3% | 9.7% | 7.0% | 0.5% | 11.1% |
不動産 | 3.1% | ||||
ヘッジ等 | 14.6% | ||||
預貯金 | 13.0% |
この1年間で、いろいろなことがありました。アメリカ株・ヨーロッパ株を追加購入しましたが、その後、数ヶ月間は投資を休んでいました。むしろ、ヘッジファンドや新興国株などを一部解約しました。そこに世界株安が襲ってきました。
その結果、上の表のようになりました。
株価が大きく値を下げ、債券はそんなことがなかったので(ETF では少し下がりましたが)、結果的に債券の比率が上がってきました。勝手にリバランスがなされたようなものです。乙は新興国株の比率が異様に高かったのですが、今はさほどでもなくなりました。(実は、新興国株で大きな損失を出しているということなんですが、……(涙)。)
今のところ、ポートフォリオは以下のようなものを目指そうと思います。
《理想》 | 合計 | アメリカ | ヨーロッパ | 日本 | 新興国 |
株式 | 50% | 20.0% | 10.0% | 10.0% | 10.0% |
債券 | 30% | 10.0% | 10.0% | 0.0% | 10.0% |
不動産 | 5% | ||||
ヘッジ等 | 5% | ||||
預貯金 | 10% |
以前のもの
2007.10.15 http://otsu.seesaa.net/article/60730510.html
とは、多少変わっています。
というわけで、理想と現実の差を考慮して、これからは日米欧の株を買おうと思います。
続きを読む
ラベル:ポートフォリオ
2008年11月04日
アメリカ債券の ETF は債券の値動きを反映しない?
乙は、アメリカの債券への投資として、ゼロクーポン債
2007.1.12 http://otsu.seesaa.net/article/31260499.html
2007.1.25 http://otsu.seesaa.net/article/32064138.html
の他に、いくつかの ETF を利用しています。
BND
2007.11.7 http://otsu.seesaa.net/article/65017132.html
と AGG
2008.1.21 http://otsu.seesaa.net/article/79828154.html
と TIP
2007.12.12 http://otsu.seesaa.net/article/72369888.html
の3種類です。
債券は、金利の上下によって価格が変動するようになっています。金利が上がると債券価格が下落し、金利が下がると債券価格が上昇します。時価評価をすれば、必ずそうなります。
さて、アメリカの金利の変化
http://www.gaitame.com/market/newyork.html
http://www.fxprime.com/service/library/interest_rates/usa.html
を見ると、2007年9月から何回も金利が下がっています。一番最近は10月29日で、-0.5% 下げて、とうとう 1% という低い水準まで来てしまいました。このように金利が下がり続ければ、債券価格は上がり続けるはずです。
ここで、それぞれの ETF の値動きを見てみましょう。
BND
http://www.etfconnect.com/select/fundpages/fixed_etf.asp?MFID=176476
の share price を見ると、2008年1月をピークにして、下がり続けています。
AGG
http://www.etfconnect.com/select/fundpages/fixed_etf.asp?MFID=118409
も、TIP
http://www.etfconnect.com/select/fundpages/fixed_etf.asp?MFID=121216
も値動きは同様です。
なぜ債券 ETF の価格が下がっていくのでしょうか。
ETF の価格は、理論的な価格とずれることがありますが、それにしても、ごくわずかなものであるはずです。いつでも裁定者がいることで、理論的な価格と大きな乖離が生まれないようになっているはずです。
ETF の価格が下がるのは、毎月、分配金を出すからでしょうか。
それにしても、金利は1年あたりせいぜい 5% 程度です。これを考慮しても、Share Price がどんどん下がっていく現象がなぜ起こるのか、乙には、よくわかりません。
債券の ETF は、ポートフォリオに組み込んだ債券を途中売却をせずに、償還日までじっとホールドするものなのかもしれません。そうすると、ETF の価格は、金利の上下とは無関係になります。その場合、金利が下がると、下がった金利の債券を購入することになるので、分配金が少なくなっていくということになります。分配金を多めに出してしまえば、ETF の価格は下がります。
金利が下がっているのに、なぜ債券 ETF は価格が下がるのかという点について、よろしければ、どなたか教えてください。
2007.1.12 http://otsu.seesaa.net/article/31260499.html
2007.1.25 http://otsu.seesaa.net/article/32064138.html
の他に、いくつかの ETF を利用しています。
BND
2007.11.7 http://otsu.seesaa.net/article/65017132.html
と AGG
2008.1.21 http://otsu.seesaa.net/article/79828154.html
と TIP
2007.12.12 http://otsu.seesaa.net/article/72369888.html
の3種類です。
債券は、金利の上下によって価格が変動するようになっています。金利が上がると債券価格が下落し、金利が下がると債券価格が上昇します。時価評価をすれば、必ずそうなります。
さて、アメリカの金利の変化
http://www.gaitame.com/market/newyork.html
http://www.fxprime.com/service/library/interest_rates/usa.html
を見ると、2007年9月から何回も金利が下がっています。一番最近は10月29日で、-0.5% 下げて、とうとう 1% という低い水準まで来てしまいました。このように金利が下がり続ければ、債券価格は上がり続けるはずです。
ここで、それぞれの ETF の値動きを見てみましょう。
BND
http://www.etfconnect.com/select/fundpages/fixed_etf.asp?MFID=176476
の share price を見ると、2008年1月をピークにして、下がり続けています。
AGG
http://www.etfconnect.com/select/fundpages/fixed_etf.asp?MFID=118409
も、TIP
http://www.etfconnect.com/select/fundpages/fixed_etf.asp?MFID=121216
も値動きは同様です。
なぜ債券 ETF の価格が下がっていくのでしょうか。
ETF の価格は、理論的な価格とずれることがありますが、それにしても、ごくわずかなものであるはずです。いつでも裁定者がいることで、理論的な価格と大きな乖離が生まれないようになっているはずです。
ETF の価格が下がるのは、毎月、分配金を出すからでしょうか。
それにしても、金利は1年あたりせいぜい 5% 程度です。これを考慮しても、Share Price がどんどん下がっていく現象がなぜ起こるのか、乙には、よくわかりません。
債券の ETF は、ポートフォリオに組み込んだ債券を途中売却をせずに、償還日までじっとホールドするものなのかもしれません。そうすると、ETF の価格は、金利の上下とは無関係になります。その場合、金利が下がると、下がった金利の債券を購入することになるので、分配金が少なくなっていくということになります。分配金を多めに出してしまえば、ETF の価格は下がります。
金利が下がっているのに、なぜ債券 ETF は価格が下がるのかという点について、よろしければ、どなたか教えてください。
2008年11月03日
北村慶(2008.9)『ほぼ確実に世界の経済成長があなたの財産に変わる最も賢いETF海外投資法』朝日新聞出版
乙が読んだ本です。ずいぶん長いタイトルの本です。
内容は、インデックス投資のすすめであり、ETF を使ってどのように行うかを具体的に説いています。
まともな本ですが、しかし、目新しさも少ないように感じました。オーソドックスな本となると、どうしてもこんな感じになってしまうのでしょう。
p.262 からの「おわりに」になって、時価総額に比例するのでないインデックス「ファンダメンタル・インデックス」の紹介があり、この考え方はおもしろいと思いました。今後はこういうインデックスに従う ETF なども登場してくるのでしょうね。
p.78 から、BRICs 投資に対する北村氏の考え方が書いてあります。証券会社などは、先回りして自己ポジションで株を買っておき、それを投資家に推奨することがあるそうです。これを「フロント・ランニング」というわけですが、BRICs はその例ではないかというのです。そうかもしれません。BRICs の最近の極端な株安を見ていると、さもありなんと思えてきます。
p.80 には、もしも、本当に数年後に伸びている国がどこか、わかるならば、その人や証券会社にとって最も合理的な行動は、その「秘密」を誰にもいわないことだとあります。そうしておいて、安値でたっぷり仕込んでから、「これからは○○○が儲かる!」といって価格を上昇させるというわけです。ポジション・トークですね。
こんなことから、今後上昇しそうな国や銘柄などをあてるアプローチは間違っていると主張します。この考え方は納得できます。
以下、乙が気になったことをいくつか書きます。
p.20 図表4では、原点と「先進国と日本の間」を通る直線が引かれています。そして、新興国・発展途上国がこれよりもハイリターンであることを示しています。過去5年あるいは過去10年の話です。しかし、この図は妥当なのでしょうか。もちろん、点と点の位置関係は、MSCI 指数などで計算した結果ですから、1点に決まるといえますが、元はといえば、それぞれの指数は、さまざまな国の株価指数を平均して計算しているわけですから、元の各国別の株価指数を基準にすれば「ばらつき」があるはずです。そうすると、こんなに単純に線が引けるということにはなりません。原点を通ると仮定して最小二乗法あたりを用いて計算することになるのでしょうね。複雑になりますが、それが正しいのではないかと思います。図表4は単純化しすぎのように思います。(単純化して示す意味もわかりますが。)
p.96 プラスからマイナスにいたる散布図が示されますが、軸のマイナス側に「-」が付いていません。まあ、なくてもわかりますけど、数学的な厳密さを欠いています。
p.205 から、基本のポートフォリオとして3種類が示されます。ポートフォリオについては「唯一絶対の正解はない」と述べています。それは正しいのですが、こんなふうに3種類示されて、あとは皆さんのお好きなようにといわれても、普通の読者ではちょっと判断しようがないのではないでしょうか。どれでもいいということであれば、せっかくインデックス投資を説いてきたのに、最後の最後にどれでもいいとなると、急にインデックス投資の信頼性が下がるような気がします。ここは、もう少し他の書きようがあったかもしれません。
なお、参考文献が1冊も挙げられていませんが、ぜひ何か入れておいてほしかったように思いました。
内容は、インデックス投資のすすめであり、ETF を使ってどのように行うかを具体的に説いています。
まともな本ですが、しかし、目新しさも少ないように感じました。オーソドックスな本となると、どうしてもこんな感じになってしまうのでしょう。
p.262 からの「おわりに」になって、時価総額に比例するのでないインデックス「ファンダメンタル・インデックス」の紹介があり、この考え方はおもしろいと思いました。今後はこういうインデックスに従う ETF なども登場してくるのでしょうね。
p.78 から、BRICs 投資に対する北村氏の考え方が書いてあります。証券会社などは、先回りして自己ポジションで株を買っておき、それを投資家に推奨することがあるそうです。これを「フロント・ランニング」というわけですが、BRICs はその例ではないかというのです。そうかもしれません。BRICs の最近の極端な株安を見ていると、さもありなんと思えてきます。
p.80 には、もしも、本当に数年後に伸びている国がどこか、わかるならば、その人や証券会社にとって最も合理的な行動は、その「秘密」を誰にもいわないことだとあります。そうしておいて、安値でたっぷり仕込んでから、「これからは○○○が儲かる!」といって価格を上昇させるというわけです。ポジション・トークですね。
こんなことから、今後上昇しそうな国や銘柄などをあてるアプローチは間違っていると主張します。この考え方は納得できます。
以下、乙が気になったことをいくつか書きます。
p.20 図表4では、原点と「先進国と日本の間」を通る直線が引かれています。そして、新興国・発展途上国がこれよりもハイリターンであることを示しています。過去5年あるいは過去10年の話です。しかし、この図は妥当なのでしょうか。もちろん、点と点の位置関係は、MSCI 指数などで計算した結果ですから、1点に決まるといえますが、元はといえば、それぞれの指数は、さまざまな国の株価指数を平均して計算しているわけですから、元の各国別の株価指数を基準にすれば「ばらつき」があるはずです。そうすると、こんなに単純に線が引けるということにはなりません。原点を通ると仮定して最小二乗法あたりを用いて計算することになるのでしょうね。複雑になりますが、それが正しいのではないかと思います。図表4は単純化しすぎのように思います。(単純化して示す意味もわかりますが。)
p.96 プラスからマイナスにいたる散布図が示されますが、軸のマイナス側に「-」が付いていません。まあ、なくてもわかりますけど、数学的な厳密さを欠いています。
p.205 から、基本のポートフォリオとして3種類が示されます。ポートフォリオについては「唯一絶対の正解はない」と述べています。それは正しいのですが、こんなふうに3種類示されて、あとは皆さんのお好きなようにといわれても、普通の読者ではちょっと判断しようがないのではないでしょうか。どれでもいいということであれば、せっかくインデックス投資を説いてきたのに、最後の最後にどれでもいいとなると、急にインデックス投資の信頼性が下がるような気がします。ここは、もう少し他の書きようがあったかもしれません。
なお、参考文献が1冊も挙げられていませんが、ぜひ何か入れておいてほしかったように思いました。
2008年11月02日
さわかみファンドから特定口座の案内
乙はさわかみファンドを購入しています。
2007.4.12 http://otsu.seesaa.net/article/38495244.html
先日、さわかみファンドから、特定口座の取り扱いを始めるから、一般口座からそちらに移行するようにという案内が来ました。
2008 年から税制が変わったため、ファンドの解約益および償還差益の所得区分が配当所得から譲渡所得に変わり、申告分離課税になるのだそうです。
確定申告時の税金の計算はかなりめんどうなので、特定口座としてファンド会社のほうで計算してくれるのは助かります。税金の源泉徴収もしてくれるということですから、投資家はほとんど何もしなくていいことになります。
今回の案内は、わかりやすかったと思います。完全版のお知らせは、約款・規定の新旧対照表を含むA4で37ページもの冊子で、ちょっと読むのが大変ですが、一方では、要点だけを記した6ページほどのパンフレットも同時に送ってきてくれました。
それにしても、税制が変わるだけで、大量の郵便の往復が発生するわけで、ファンド会社には大きな負担です。いや、正確にいえば、実はこういう費用も最終的にはファンドのコストということで個人投資家が負担しているのですよね。
せめて、ネコの目税制として毎年のように税制が変わることのないようにしてもらいたいものです。あれもこれも投資家の負担になるのでは大変ですから。
2007.4.12 http://otsu.seesaa.net/article/38495244.html
先日、さわかみファンドから、特定口座の取り扱いを始めるから、一般口座からそちらに移行するようにという案内が来ました。
2008 年から税制が変わったため、ファンドの解約益および償還差益の所得区分が配当所得から譲渡所得に変わり、申告分離課税になるのだそうです。
確定申告時の税金の計算はかなりめんどうなので、特定口座としてファンド会社のほうで計算してくれるのは助かります。税金の源泉徴収もしてくれるということですから、投資家はほとんど何もしなくていいことになります。
今回の案内は、わかりやすかったと思います。完全版のお知らせは、約款・規定の新旧対照表を含むA4で37ページもの冊子で、ちょっと読むのが大変ですが、一方では、要点だけを記した6ページほどのパンフレットも同時に送ってきてくれました。
それにしても、税制が変わるだけで、大量の郵便の往復が発生するわけで、ファンド会社には大きな負担です。いや、正確にいえば、実はこういう費用も最終的にはファンドのコストということで個人投資家が負担しているのですよね。
せめて、ネコの目税制として毎年のように税制が変わることのないようにしてもらいたいものです。あれもこれも投資家の負担になるのでは大変ですから。
2008年11月01日
オンラインバンキングの使われ方
乙がネットで見かけた記事です。
http://japan.internet.com/research/20081030/1.html
サンプル数が300人と少ないのですが、大体の傾向は把握できるでしょう。
それによると、
というわけで、利用回数は乙の場合よりもずいぶんと少ないと思います。
というのを読むと、残高照会が圧倒的に多く、これを含めて1ヵ月5回以下というのでは、ほとんどオンラインバンキングをしていないということになりそうです。
5箇所の銀行に口座を持っていて、それぞれで月1回口座残高を確認すれば、月5回の利用ということになるわけですから、普通の人は、銀行口座の数もごく限られているということになるのでしょうね。
乙は、通信販売の支払い手段として、クレジットカードとともに銀行振込を利用しています。イーバンク銀行と新生銀行から無料振込がそれぞれできますので、これを利用しています。
では、なぜ調査ではこんなにオンラインバンキングの利用者が少ないのでしょうか。
多くの人は、堅実な生活をしていて、消費金額が少ない(買いたいと思うものがない)のでしょうか。あるいは、オンラインバンキングが意外とめんどうで不便だと思っているのでしょうか。一部の銀行をのぞいて、送金手数料が高いためでしょうか。クレジットカードやデビットカードの普及でオンラインバンキングの必要性が高くないのでしょうか。銀行が利用者に見限られているのでしょうか。
調査ではそこまで踏み込んで尋ねてはいませんが、オンラインバンキングがこんなに使われていないというのは、せっかくインフラを整備してもムダになっているようなものです。銀行側としては、手間とコストをかけてシステムを整備しても使われないと思っているのでしょう。これでは経済がさらに沈滞します。
現代の日本では、ネットの利用は常識になっています。普通に生活していく上で必須のものだと思います。だとすれば、オンラインバンキングもその延長線上にあり、当然のことになります。
日本に住んでいる人たちの銀行利用意識がかいま見える調査でした。
http://japan.internet.com/research/20081030/1.html
サンプル数が300人と少ないのですが、大体の傾向は把握できるでしょう。
それによると、
オンラインバンキングの使用頻度も答えてもらったところ、1か月の利用回数が「1回未満」とほとんど利用していない回答者が26.4%(67人)と、4分の1以上だった。また、1か月あたりの利用回数が5回以内のユーザーが大半で、オンラインバンキングユーザーの81.9%(208人)を占めた。
というわけで、利用回数は乙の場合よりもずいぶんと少ないと思います。
さらに、オンラインバンキングの用途を選択肢から複数選んでもらった。結果は「家賃の振り込み」9.4%(24人)、「通信販売などの代金支払い」 37.0%(94人)、「証券会社口座への振込み」20.5%(52人)、「オークションの代金支払い」37.0%(94人)、「残高照会」69.7%(177人)、「入出金の確認」73.6%(187人)、「定期貯金などの申し込み」13.4%(34人)、「振替」29.9%(76人)だった。
というのを読むと、残高照会が圧倒的に多く、これを含めて1ヵ月5回以下というのでは、ほとんどオンラインバンキングをしていないということになりそうです。
5箇所の銀行に口座を持っていて、それぞれで月1回口座残高を確認すれば、月5回の利用ということになるわけですから、普通の人は、銀行口座の数もごく限られているということになるのでしょうね。
乙は、通信販売の支払い手段として、クレジットカードとともに銀行振込を利用しています。イーバンク銀行と新生銀行から無料振込がそれぞれできますので、これを利用しています。
では、なぜ調査ではこんなにオンラインバンキングの利用者が少ないのでしょうか。
多くの人は、堅実な生活をしていて、消費金額が少ない(買いたいと思うものがない)のでしょうか。あるいは、オンラインバンキングが意外とめんどうで不便だと思っているのでしょうか。一部の銀行をのぞいて、送金手数料が高いためでしょうか。クレジットカードやデビットカードの普及でオンラインバンキングの必要性が高くないのでしょうか。銀行が利用者に見限られているのでしょうか。
調査ではそこまで踏み込んで尋ねてはいませんが、オンラインバンキングがこんなに使われていないというのは、せっかくインフラを整備してもムダになっているようなものです。銀行側としては、手間とコストをかけてシステムを整備しても使われないと思っているのでしょう。これでは経済がさらに沈滞します。
現代の日本では、ネットの利用は常識になっています。普通に生活していく上で必須のものだと思います。だとすれば、オンラインバンキングもその延長線上にあり、当然のことになります。
日本に住んでいる人たちの銀行利用意識がかいま見える調査でした。
ラベル:オンラインバンキング