2008年12月18日

松下文洋(2005.5)『道路の経済学』(講談社現代新書)講談社

 乙が読んだ本です。
 全体におもしろい本でした。
 第1章「なぜ日本の高速道路は有料で世界一高いのか?」で、日本の道路行政の問題点を暴き出します。
 第2章「アクアライン通行料は 800 円でよい」では、今の高い通行料に対して驚きの値下げをしようということです。ここを読むと、単なるホラ話とは思えません。実行可能であり、みんなが幸せになる方法であるように思えてきます。
 第3章「「経済性」をどう評価するか」では、経済効果をきちんと数字化する方法論を述べています。今の日本のお役人と政治家に欠けているのはこういう考え方でしょう。
 第4章「環境への影響をどう評価するか」では、渋滞がもたらす経済損失などを論じます。しかし、環境問題は本書を貫く姿勢とはちと違うかもしれません。
 第5章「持続可能な成長と交通政策の転換」では、日本の都市・交通政策を変えて、総合的に都市交通を分析しようとします。もっともです。しかし、日本の政治・行政のあり方がこれを不可能にしています。
 第6章「本当の民営化とは」では、イギリスの例を示して、あるべき民営化の姿を示します。
 本書を一読して、道路問題は、まさに日本の政治の象徴的問題であると実感しました。日本がこれからの未来に向かって発展していくためには、道路問題を初めとしてさまざまな問題を解決していかなければなりません。しかし、道路問題にしても、最初は根本的な解決を目指していたはずなのに、いつの間にか、道路公団民営化のような変な話になってしまうのです。政治が変わらないと道路行政は変わらないし、ムダな支出が継続すれば日本は沈むだけです。自民党のやり方では、日本はやっていけないと思うのですが、選挙で自民党議員が選ばれ続ける限り、日本としての基本的なしくみを変えることはできません。
 乙は、本書を日本社会に対する警鐘として受け止めました。




posted by 乙 at 04:58| Comment(0) | TrackBack(1) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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