乙は、すでに旧版を読んでいましたが、
2006.4.19 http://otsu.seesaa.net/article/16754281.html
もう一度読むつもりになりました。
ちなみに、上記ブログ記事を今読むと、我ながらずいぶん変なことを書いているなあと思います。この3年間で乙の考え方が相当に変わってきたことを感じます。
なお、乙は内藤氏の著書を他にも読んでいますが、
2007.8.2 内藤忍(2007.6)『内藤忍の資産設計塾 外貨投資編』自由国民社
http://otsu.seesaa.net/article/50008345.html
2006.9.22 内藤忍(2006.7)『内藤忍の人生を豊かにするお金のルール』アスペクト
http://otsu.seesaa.net/article/24191596.html
それぞれにいい本だと思っています。
本書も、手堅い本で、資産運用の教科書ともいえる良書です。この1冊で資産運用は完全に理解できるように思います。
p.29 で、老後資金の目標はまず 2000 万円という話が出てきます。意外と少額です。公的年金を考慮すれば、これで十分という話ですが、乙は、この10倍くらい必要ではないかと思っていました。まあ、生活のスタイルにもよりますから、一概に言えませんが。
p.50 では、内藤式標準的アセットアロケーションが出てきます。p.171 で、なぜそう考えるかも説明されます。日本株式 30%、日本債券 10%、外国株式 20%、外国債券 20%、流動性資産・その他 20% というものです。(これは旧版と変わっていません。)もちろん、アセットアロケーションに正解はありませんが、これはこれで一つの考え方だなあと思いました。
p.57 では、先進国では市場の効率性が高いのでインデックス運用、新興国では市場の効率性が低いので、アクティブ運用が基本だと説きます。なるほど、もっともです。乙は、特にこういう考え方を持っていたわけではありませんが、言われてみると確かにそうだと感じました。
本書では、第3章「個人投資家が使える12の金融商品」が一番充実しています。100 ページ近くあります。全体が約 240 ページですから、その中のかなりの割合を占めます。ここを一読すれば、どんな金融商品がどんな特徴を持つのか、全体を概観することができます。
p.184 から、運用金額に合わせたポートフォリオ例が出てきます。10万円から始まって、50 万円、100 万円、300 万円、1,000 万円の5種類です。10 万円で資産運用を考えるべきかどうか、乙は疑問に思いましたが、まあ、そういう場合も考慮しておくのはいいことかもしれません。誰でも最初は少額からスタートしますから。しかし、1,000 万円までで終わりというのは、ちょっともったいない気がしました。3,000 万円や1億円の場合、内藤氏はどう考えるのでしょうか。1,000 万円をそのまま比例倍していいのでしょうか。たぶんそうでしょうね。でも、もしかすると、ちょっと違う考え方ができるかもしれません。
なお、資産配分例で、100 万円以下の場合は外国債券として、外貨 MMF を例に挙げていますが、300 万円を越えると、FX(外国為替保証金取引)を使うとしています。これは興味深い考え方でした。
ともあれ、この1冊を読めば、資産運用に関して標準的なことがわかります。その意味で良書であり、おすすめできます。
ラベル:内藤忍