2009年02月25日

アメリカでクルマが売れない?

 日経新聞2月24日の朝刊15面にあった「大機小機」欄に、こんなことが書いてありました。
 「今は振り子が逆方向に振れすぎている。米国の自動車販売を例に取ろう。現在の年換算一千万台割れの水準はどう考えても下振れしすぎている。米自動車保有台数は2億台超。年一千万台しか売れない状態が続けば、米国民は平均20年以上同じクルマに乗り続けることになる。あり得ない話だ。」
 まさに我が意を得たりです。
 アメリカで(他の国でも同様ですが)クルマが売れないという状況は、昨年後半くらいから言われていて、それはその通りですが、しかし、それは一時的なものだともいえます。みんなが、古くなったクルマの買い換えを(今はその時期でないからと)ちょっとだけ先延ばしすると、自動車産業としては販売激減の波にさらされるというわけです。
 ですから、クルマが売れないと嘆いているばかりではダメです。ここがチャンスです。自動車メーカーとしては、みんながほしくなるようなクルマを提案し、販売することが大事です。ただし、残念ながら、GMやクライスラーは、そういう新しい提案をしてこなかったし、そんなことがこれからすぐにできるとも思えません。そこがビッグスリーの弱いところでもあるわけで、日本勢のトヨタやホンダがハイブリッドカーで巻き返しを図ろうとしていることは基本的に正しい戦略でしょう。そのような方針で、ユーザーの意識を変え、ガソリンをあまり消費しないクルマを売りこむようにするべきときなのです。地球温暖化防止の世論も後押ししてくれています。
 ビッグスリーが日本車を逆転するとすれば、もしかして電気自動車の販売かもしれません。
 米国の自動車販売の不振に見られる下ブレは、他の国や産業にも類例が見つかります。薄型テレビなどもその一種でしょう。日本はどちらかというと先進国の仲間入りをしていますから、その意味で成熟国であり、さまざまな商品がクルマと同じような買い換え需要で成り立っているのではないでしょうか。冷蔵庫、洗濯機、掃除機、……。みんな買い換え需要です。考えてみると、日本の家庭では、家電製品がほぼすべてそうなっているようです。だとすると、状況はアメリカのクルマと同様です。不況は(みんなのちょっとした買い控えによって)突然深刻な形で襲ってくることになります。今はまさにそうなっています。
 新興国のように、これから人々が豊かになっていく場合、インフラ関連やクルマや家電製品など、大量に売れていくだろうというものをいろいろ見つけることができます。その意味で、新興国の発展はぜひとも実現させなければなりません。それが世界経済にいい影響を与えます。
 先進国は、そういう必然性はありませんが、ま、今をじっと堪え忍べば、いつかは経済の回復が見られるでしょう。それがいつになるかはわかりませんが、乙はそう遠くないと思っています。

posted by 乙 at 05:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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