2009.2.28 http://otsu.seesaa.net/article/114926124.html
では、なぜ、アメリカ市場にアジア株の ETF(日本、中国、香港……)が上場しているのでしょうか。時差があるという条件は日本の場合と同じです。
これは、アメリカ市場規模の大きさ(運用資金の厚み)、ヘッジファンドも含めた機関投資家の存在(投資家の厚み)、ドルという世界の基軸通貨で運用できること(ドルへの信頼)、英語という世界共通語で取引ができることなどが理由でしょう。今や、世界の投資家がアメリカで運用しようとしているのです。
つまり、アメリカ市場にアジア株の ETF を上場した場合、それが大量に取引され、適切な値付けがなされる(可能性が大きい)のですね。
アメリカには ADR という仕組みがあって、世界中の様々な企業がアメリカに株式を上場することができます。それを利用した ETF として、例えば、ADRE
2007.3.18 http://otsu.seesaa.net/article/36239471.html
などという新興国株の ETF もあります。市場が大きくなれば、こんなこともできるのです。
日本市場も、こんな形になれば、世界の ETF が上場できるのですが、日本語というローカル言語を使い、小さな(!)株式市場でチマチマと取引しているのでは、世界から相手にされる可能性は低いのではないでしょうか。税金も高く、金融市場に関する日本政府の規制も強く、自由度がない市場には、魅力がありません。たとえば、外国企業が(ETF でも同様ですが)日本で上場する場合、かなりの量の日本語による説明文書を作成する必要があると思いますが、外国企業にとっては、これは相当な負担です。
日本には、金融立国で(も)食っていこうなどというビジョンすらありません。このままだと、香港やシンガポールに負けるのは当然です。