2009年03月09日

シティグループの債券の損失

 乙のブログに「与那国お」さんから質問がありました。
http://otsu.seesaa.net/article/115259871.html
 「シティの債権を保有してるのですが二月二十八日ロイターの記事で債権保有者は政府主導のリストラ措置への参加を強いられるとの記述がありました。倒産以外に元本が毀損することがあるのですか?」
 この記事は、
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-36742920090228
のことです。
 その記事によると、ムーディーズやS&Pがシティグループの格付けを引き下げるということです。
 これで意味がわかります。(以下は、あくまで乙の解釈です。)
 格付け会社がシティグループの格付けを引き下げると、シティがこれから発行する債券は高利率のものにせざるを得ません。今まで通りの低利率の債券は、(格付けが低く、倒産の可能性が高まるので)買う人がいなくなってしまうからです。いわゆる高利回り債券とかハイイールド債券、ジャンクボンドとかいわれるものになるわけです。
 こうして、新規発行の債券の金利が高くなると、すでに発行済みの債券(既発債)の場合も、金利が高くなります。そういう金利でないと、既発債を買う人がいなくなり、流通しなくなるということです。
 債券は、金利が上がると価格が低下します。そのため、シティの債券に投資をしている人は、債券の金利上昇で債券価格が低下し、結果的に元本が毀損してしまうということになります。
 途中で売るときに元本が毀損してしまうのであって、満期(償還期限)まで保有していれば、元本は毀損しません。しかし、シティがそんなに長く持つのでしょうか。長く持たないとすれば、倒産して、元本が毀損します。今は、債券価格の下落で、そういう状況を市場が織り込み始めたと言っていいのではないでしょうか。
 乙の解釈が間違っていると思われた方は、ご指摘ください。

posted by 乙 at 07:25| Comment(1) | TrackBack(0) | 債券 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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