2009年03月26日

maneo の活動をどう考えるか

 テレビ東京の「ガイアの夜明け」(3月24日放送)を見ていたら、個人間の金融システムとして maneo が取り上げられていました。
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview090324.html
 これについては、乙も過去にブログで「個人同士のお金の貸し借り」として取り上げたことがあります。
2008.9.5 http://otsu.seesaa.net/article/106037036.html
また、同様のサービスで「ウィキバンク」というのを紹介したことがあります。
2007.10.30 http://otsu.seesaa.net/article/63360523.html
 現在、ネットでウィキバンクの方にアクセスしてみると、今ひとつの感じがします。仕組みはわかるのですが、一体どれくらいの活動実績があるのか、借りたいというリクエストがどれくらいあるのか、さっぱりわかりません。もしかすると、構想だけで、実態は未だないのかも知れません。
 それに比べると、maneo のほうがずっと活発です。ホームページ
https://www.maneo.jp/
を見ると、いきなり「オークション状況」というのが見られます。今現在のマーケット状況も見られます。ローン総額 40,560,000 円、登録者 4,898 人、開催オークション17 件とあります。2008.10.22 にオークション開始とありますから、実際に始まったということです。
 貸し手(レンダー)として、maneo をどう見るか。乙なりの当面の感想を書いておきましょう。

(1) 手数料が高い
 「ガイアの夜明け」によると、手数料が、借り手(ボロアー)にも、貸し手にもかかるそうです。融資金額の 1.5% と言っていました(乙の聞き違いかもしれません)が、これはけっこう高いように思います。
 仲介するだけにしては、会社の取り分が多いように感じます。貸し手がほぼ全てのリスクを引き受けるわけですから、会社としてはけっこううまみのある商売だと思います。立ち上がった後、会員が増えていけば、それなりのおいしい商売になりそうです。

(2) 貸し手側のリスクが大きい
 ここでいうリスクは「危険性」という意味です。
https://www.maneo.jp/lender_risk.jsp
に貸し手側のリスクの説明が書いてあります。
 借入申込人の信用力の調査を会社が行うといっていますが、ここが心配です。どこまできちんとできるでしょうか。きちんと行えば手間がかかり、結局コストに跳ね返ります。
https://www.maneo.jp/about_announce.jsp
にあるように、詐欺師たちにねらわれたら、ひとたまりもない(貸し手側が大きな損失をこうむる)ように思います。

(3) 借り手側の状況の詳細がわからない
 いろいろと借り手側の申込はあるようですが、現在示される程度の情報では、貸していいのかどうか、判断が付きません。もっといろいろ知りたいと思うところですが、お互い匿名だと、あまり細かいところまで知ることはできないでしょう。いろいろ質問しても、借り手がちゃんと答えているかどうか、わかりません。となれば、「えいや」で貸すしかなくなりますが、それはリスクの評価ができないということと同じで、貸し倒れの危険性が予想外に高いように思えます。

(4) 会社の倒産が心配である
 まだ始まったばかりですから、何ともいえませんが、ローン総額4千万円程度では、その3%が会社の利益だとすると、1年で120万円しかありません。これでは会社としては持たないでしょう。
 今後の事業の拡大がどれくらいになるか、わかりませんが、ローン総額が少なくとも10倍、できたら100倍くらいになってほしいと思います。そのくらいになると、会社として安定してくるし、十分な利益があると思いますので、倒産の心配はないでしょう。
 今は、会社が倒産しそうで怖いです。

 以上の4点のようなことから、乙の感覚では、今は見送りで、もう少し事業が大きくなってきたら考えてもいいといったところでしょうか。時間がある程度経って、この会社に実績と経験が積み重なってきてから、貸し手になってもいいと思います。投資する立場からいえば、あせる必要はまったくないのです。
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posted by 乙 at 05:21| Comment(2) | TrackBack(0) | その他の投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする