自分のブログに掲げてきた「長期分散投資で目指す15年7%の運用利回り」ですが、これが達成できるかということについて、今の考えを述べておきます。
実は、不可能です。
したがって、そのうち、表題を若干変えようと思っています。
不可能なのは、以下の2点です。
(1)2008年の株価の下落
2008 年の後半の株価の下落はきわめて大幅でした。乙も大きな損失を抱えました。これを考慮すると、15年(ブログ開始から3年経っているので、実際には今からは12年)で当初の状態からの7%の利回りは達成できないと思います。
投資には、価格変動リスクは確実にあるもので、価格の大幅な上昇もあり得ますが、大幅な下落もあります。そして、一度、大幅な下落に遭遇してしまった(下落が現実化してしまった)場合、その後の回復はむずかしくなります。
乙の場合は、かなりの資金を投じた後に大幅下落が起こったので、これから7%程度の利回りが達成できたとしても、投資の当初からの成績を考えれば、はるかに及ばないことになりそうです。
(2)7%という目標が高すぎる
「7%」という目標は、きちんと計算して決めたわけではありません。まあ、ざっとこれくらいは行くだろうと予測して投資をはじめたわけです。
実際のところ、利回りは10%くらいは行くかもしれないと思っていました。だって、世の中には、毎年数十%の成績を挙げている海外のファンドがたくさんあるからです。それらを選んで分散投資しておけば、少なくとも10%くらいはいくような感じがしていました。
しかし、なかなかうまくいかないこともあるかと思って、10%をうたうことなく、7%に抑えました。(適当な主観的な値です。)
なぜ、こんな目標を掲げたのか、そして何が間違っていたのかを考えると、為替変動(円高)に行き当たります。
海外のファンドには、10%くらいの利回りのものがかなりあります。しかし、それはドルベースの利回りなのです。円で考える場合は、為替レートを考慮しなければなりません。長期的に見て、日本は低金利で、アメリカは高金利ですから(今現在はアメリカの短期金利は超低金利になっていますが、これは一時的な現象です)、長期的には、円高傾向になります。どれくらいの円高になるかはわかりませんが、日米金利の差を考えると、年3%くらいでしょうか。
すると、ドルで10%の利回りを享受したとしても、円で考えれば、7%程度になってしまいます。
10%の利回りだって、ホントに達成できるかと考えてみると、無理なように思えてきました。
アメリカの株価を見ても、調子のいい時を取れば、毎年10%以上の利回りになるようなことはあると思いますが、それが継続するとは限りません。ファンドの類で10%以上の利回りをあげているものがゴロゴロあるといったって、自分が購入したものがそうなるとは限りません。むしろ、過去の成績がよかったものがその実績を強調して宣伝するので、そういうものだと思いこむのですが、実際は、なかなかそういう成績はあげられません。
そんなこんなで、7%はかなり高いハードルのように思えてきました。
日本の低金利が続く限り、まあ3〜4%くらいが妥当な線のようです。逆にいえば、これから日本がインフレになったりすれば、金利も上がり、7%の利回りは十分可能でしょう。しかし、こう考えると、インフレ率を考慮しないで投資の目標を決めるなんて、ナンセンスですね。まあ将来のインフレ率を想定するなんてことはこれまた無謀だと思いますが。
海外投資をすれば、10%は軽く行くと思っていた乙は甘かったです。これは、ここ数年の経験で、痛切に感じるようになってきました。
これから先、日本の金利が上昇することもあるかとは思いますが、政策金利を1%上げるだけでも、企業はやっていけないかもしれません。ましてや、5%なんて、ほぼ考えられない事態です。(ただし、20〜30年の長期的には、日本の金利上昇は十分あり得ます。)
日本株も、これからは高度成長などは望めませんから、数%程度の上昇でしょう。
先進国株も同様だろうと思います。一見良さそうでも、為替レートの変動(円高)で、期待したほどの成績にはなりません。
新興国株は、それらに比べれば、成長が期待されますから、投資するならここがいいでしょう。それにしても、新興国株はリスクがいよいよ高くなりますから、ここに集中投資することはできません。
債券類は、日本では1〜2%程度が長く続きそうです。海外債券はもっと高金利ですが、それも為替レートの変動がありますから、日本並みと考えたほうがよさそうです。
というようなわけで、今は、「7%」は無理だと考えています。
そのうち、ブログの表題を若干変えます。