タイトルからして強烈です。これからの世界の大混乱を予測する本です。
p.188 では、世界が恐慌に突入する時期として平成22年(2010 年)と予測しています。そして、今、世界で行われている金(ゴールド)投資もそれを見越した動きだとしています。
世界恐慌は来年です。あと数ヶ月で世界が恐慌になるでしょうか。乙にはとてもそんなふうに見えません。
p.192 では、2010 年までには、二度目の金融危機がアメリカを襲うことは確実だと述べます。その発端は、クレジットカードの焦げ付きだそうです。
そうなるかもしれません。ならないかもしれません。
もしもそうなって、アメリカ株が暴落したら、……。乙はこのときぞとばかりアメリカ株を買うでしょう。
p.211 では、2009 年に為替が1ドル=70円台に突入することを予測しています。円高の傾向はあるかもしれませんが、70円台までの円高はどんなものでしょうか。
そうなるかもしれません。ならないかもしれません。
もしもそうなって、ドル安・円高になったら、……。乙はこのときぞとばかりドルを買うでしょう。
こういう暗い世界を予測していますので、森木氏によれば、p.238 にあるように「個人投資家は現金を持て」という結論になります。株価の暴落を予測する以上は、当然の結論です。問題は、このような大暴落があるかということです。本書を読んでも、乙は、恐慌になるという予測を信じることはできませんでした。
p.253 のあとがきによれば、森木氏は国家破産予測を25年続けてきたと述べています。主張が一貫していてぶれないのはすばらしい話ですが、森木氏の主張に反して、過去25年、日本は破産していないという事実もまた重いものです。
こういう考え方もあるというくらいに受けとめておけばいいのではないかと思います。
乙は、森木氏の本をいろいろ読んできました。
2008.8.3 森木亮(2008.4)『日本国増税倒産』光文社
http://otsu.seesaa.net/article/104024879.html
2008.2.21 森木亮(2007.12)『日本はすでに死んでいる』ダイヤモンド社
http://otsu.seesaa.net/article/85113371.html
2008.1.25 森木亮(2006.2)『日本国破産への最終警告』PHP研究所
http://otsu.seesaa.net/article/80486553.html
2007.6.5 森木亮(2007.3)『2011年 金利敗戦』光文社
http://otsu.seesaa.net/article/43904848.html
2007.2.27 森木亮(2007.2)『ある財政史家の告白「日本は破産する」』ビジネス社
http://otsu.seesaa.net/article/34777467.html
2006.4.16 森木亮(2005.2)『2008年 IMF 占領』光文社
http://otsu.seesaa.net/article/16624855.html
それぞれの記事を合わせて読むと、森木氏の著書に対する乙の考え方がわかるような気がします。(もっとも、乙自身、過去に読んだ本の内容など、覚えていない部分もたくさんあるのですが。)