2009年11月06日

三菱UFJ投信の「eMAXIS」ブロガーミーティング

 乙は、11月5日の夜に開催された「eMAXIS」
http://maxis.muam.jp/e/
をテーマにしたブロガーミーティング
http://www.fund-no-umi.com/blog/2009/10/ufjemaxis-671f.html
に参加しました。19:30-21:30 に行われましたが、2時間はあっという間に過ぎてしまいました。
 初めに、三菱UFJ投信商品企画部の代田秀雄部長(話し方、話の内容から判断して、非常に頭が切れる人です)から、今回の eMAXIS シリーズのねらいなどの説明がありました。ネット専用で低コストの(ノーロードで信託報酬が安い)インデックス・ファンドという明解なポリシーでした。
 代田氏によれば、特に、ブランドにこだわったという話でした。普通ならば「三菱UFJ 」あるいは「MUAM」を投信名の先頭に付けるところですが、「eMAXIS」では、あえてそれをせずに、新しいブランドを立ち上げるという覚悟で臨んだのだそうです。
 すでに、三菱UFJ投信には MAXIS という ETF があり、乙も、購入しましたが
2009.6.9 http://otsu.seesaa.net/article/121124301.html
それとの共通性を意識した命名です。MAX(最大の)+ AXIS(中心軸)で MAXIS だそうです。「e」は economy あるいは economical の頭文字でしょう。
 現状の投信業界では、大口投資家である退職者が窓販で買うのが主流で、だからこそ毎月分配型の投信が売れたりするわけですが、eMAXIS は、ターゲットが違います。小口投資をする資産形成層、年齢でいえば30代から50代のサラリーマンをターゲットにするという発想です。
 その裏には、現在、窓販の販売量は伸び悩んでいるものの、ネット経由の販売はどんどん増えているという事情があります。だいたい3ヵ月で 1000 億円程度の販売量だそうです。そこで、そのような有望なターゲットにねらいを定めたのが eMAXIS だというわけです。
 乙は、運用総額の想定を質問してみましたが、代田氏によれば、中長期的に 500 億円だそうです。これくらい資金が集まれば安定的に運用していけるとのことでした。確かにそうでしょう。問題は、この投信が多くの人(比較的若い人?)に理解され、資金が集まるかというところです。ネット専用(ネット証券経由でないと買えない)ですから、退職者にはハードルが高そうです。若い人ならばネット経由の申し込みはどうということもないでしょう。
 乙は、若い人=投資初心者にインデックス・ファンドに目を向けさせること自体が難問のように思いました。投資家教育が重要なのですが、三菱UFJ投信がそこまでやるのはそれはそれでコストのかかることでもあるので、なかなか実現はむずかしいでしょう。
 eMAXIS は、10月30日スタートで、3日間で 1.5 億円の資金が集まったということでした。代田氏からは2〜3年で運用を止めることは考えておらず、10年くらいは育てていきたいという発言がありましたが、さて、それが実現するかどうかが問題です。日本の投信事情を考慮すると、投資家の多数を占める大口高齢層はこういう投信に見向きをせず、若い人は知らないままになる可能性もあると思われます。投資家としても、数年くらいようすを見てもいいのかもしれません。(みんながそうすると、この投信に資金が集まらないということになってしまうのですが。)
 三菱UFJ投信は、直販の免許がないので、投資家に直接販売することはできないし、証券会社に顧客を紹介することもできないのだそうです。したがって、ネット販売の証券会社と連携して、売り出すしかなく、どうやって顧客にアプローチするかが問題のように思います。しかし、ブロガーミーティングのようなことを行っていれば、しだいに浸透するようにも思います。ブログを書く人は少数でも、読む人は多数でしょうから。

 余談ですが、三菱UFJ投信では、200 本くらいのベビーファンドを4人で管理しているなどという話も聞きました。インデックス・ファンドは、資金が入ってきたら、ほぼ全額をマザーファンドに渡すだけですから、管理の手間はあまりかかりません。だからこそ、こんな体制になっているのですね。
 また、商品企画部では、6ヵ月で20本ほどの新しい投信を作っていると聞きました。それは大変なことです。乙の感覚では、次々と新しい商品を出す必要はなく、今回の8種類くらいの投信で十分なので、それらを長期的に成長させるほうが望ましいと思うのですが、新しい投信を作らないと、お客にアピールしにくいのでしょう。しかし、これは、投資家教育が行き渡っていないせいだと思います。特にインデックスファンドは新しいファンドを作ることは不要で、基本的な数本があればそれで十分だと思います。
 そんな貴重な内部事情なども聞くことができて、大変有益なミーティングでした。
 また、こんな機会を作ってもらいたいものです。

 ミーティングの途中で、トンカツサンドイッチとコーヒーが出ました。初めからペットボトル入りのミネラルウォーターもありました。ボールペンももらいました。だから言うわけではありませんが、この eMAXIS シリーズは、確かに若い人におすすめできそうな投資信託だと思います。
 では、乙はこれを買うか。残念ながら買いません。
 現在、乙は ETF を中心に投資しているので、低コストだという信託報酬(税込み 0.42% から 0.63%)でも、まだ高いと感じます。しかし、若い方や小口投資家には eMAXIS がかなり適しているように思います。
 日本でも、こういう投資信託が受け入れられることを願っています。それは、投資家がきちんと勉強しているということを意味しています。そうありたいものです。

 イーノさん、直接的に、間接的に、いろいろとお世話様でした。
posted by 乙 at 05:18| Comment(2) | TrackBack(2) | 国内投資信託 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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