本書をひとことでいえば、ETF の総合解説書です。今まで、こんな詳しい解説書は見たことがありません。
ただし、日本で購入できないものも多数含まれているので、海外で口座を開き、そこで購入するしかないような場合も多いと思います。本書中には、そのような海外口座の開設法も説明されています。
こういう多彩な投資手段がある世界(日本の国外)を見ると、日本国内で限られた投資手段しか提供されない現状が実に嘆かわしく感じられてしまいます。
p.60 からは景気循環型ということで、セクターローテーションを取り入れている ETF の紹介があります。乙はこんなアクティブ・ファンドみたいな ETF があるとは知りませんでした。
他にも、ファンド・オブ・ファンズ型の ETF やら、CDS に連動する ETF やら、VIX に連動する ETF まで解説されています。
今後もさまざまなタイプの ETF が登場してくると考えられます。純粋にインデックス投資を行う場合には、現状でも十分かもしれませんが、少しは投資を楽しみたい人にはこういう選択肢も考えておいていいのではないでしょうか。
世界に対する目を開かせてくれる1冊だと思います。
もっとも、本書で紹介されている ETF を実際に買うかどうかは別問題で、悩ましい問題であることは事実ですが。
自分自身で投資を実践してきた人らしく、具体的な記述にあふれる本です。その辺の投資本とは一線を画します。