2010年03月31日

岩瀬大輔(2009.10)『生命保険のカラクリ』(文春新書)文藝春秋(3)

 乙が読んだ本です。
 内容面についてはまったく触れないうちに、2回のブログ記事を書いてしまいました。
2010.3.29 http://otsu.seesaa.net/article/144960639.html
2010.3.30 http://otsu.seesaa.net/article/144961187.html
 今日は、内容面について書いておきます。
 本書は、生命保険がどういうものか、きわめて明解に書いています。生命保険の入門書のようなものです。
 生命保険に入る前に、こういう本を1冊読んでおきたいものです。(まあ、読んだ後で生命保険に入ろうと思うかどうか考えると、かなり否定的に思えるでしょうが。)
 著者はライフネット生命を立ち上げた人ですから、生命保険の表も裏もわかって本書を書いています。
 今までの通常の生命保険がどんな状態で売られてきたか、手に取るようにわかります。図表も十分ついており、わかりやすいないようです。
 常識を持って判断すれば、生命保険を勧めるおばちゃんのいうことを聞かずに、ネットでライフネット生命の保険に入るのが正解でしょうね。
 とはいえ、本書は決してライフネット生命の宣伝本ではありません。大変有意義な1冊です。
 p.41 には、図3として、定期死亡保険のコスト構造が示されます。大手生命保険では、契約者が払った保険料の半分以上がコストとして消えてしまうのを知ると、保険に入る気がなくなるでしょう。重要な図です。
 p.62 では、生命保険の不払い問題を取り上げていますが、次のように書いています。
 一連の不払い問題が起きた理由は、表面的には支払管理態勢が不十分だったことにある。しかし、より本質的には「販売至上主義」と、生保のカルチャーとしての「顧客軽視」があったと考える。
 すなわち、誰も理解できないような複雑な商品を、50%という異常な離職率にある営業職員に厳しいノルマを課して押し込ませていたことから、契約内容をよく理解しないまま入っている顧客がたくさんいることに、本来的な問題があるのである。

 まさに、そのものズバリです。言い換えれば、保険業界の体質的問題ということです。こういうことを知ってから保険に入ることが望ましいでしょう。
 p.71 には、表5として、大手生保の主力商品の例が出てきます。きわめて複雑で、いろいろなものがセットされていて、一体、何にいくらかかっているのか、さっぱりわかりません。今は、生保各社がこのようなパッケージで販売する方向に動いているとのことで、契約者も十分理解していないでしょう。もしかすると、生保のおばちゃんも理解できていないのかもしれません。日本の生命保険の現状がこの1枚の表から見えてきます。
 p.97 では、保険商品では「セール」や「割引」が法律によって禁止されているという話が出てきます。乙は知りませんでした。
 ということで、本書の結論の一つは、p.141 に出てきますが、「契約者が取るべき自衛策」として「単品主義」をすすめるとのことです。乙は納得しました。
 他にもいろいろありますが、本書はまさに良書です。
 保険に入ろうと考えている人に、契約前にぜひ読んでほしいと思いました。



posted by 乙 at 03:05| Comment(2) | TrackBack(1) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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