2010年05月18日

年金の給付削減

 野口悠紀雄氏が、年金の世代間不公平を正すにはもはや給付削減しかないと主張しています。
http://diamond.jp/articles/-/8141
今の年金制度では財政が破綻するというわけです。
 多くの人が年金に関して漠然と感じていたことを、野口氏は数字を挙げて語ってくれました。
 では、本当に年金の給付が削減されるでしょうか。
 ここでも、乙は、なかなかその方向には動かないものと見ています。
 そのままでは破綻することがわかっていても、なかなか変わろう(変えよう)とはしないものです。
 なぜか。
 それが一番心地良いからです。多くの人は、ある程度の年齢になったら、年金をもらってのんびり老後の生活を楽しみたいと思っているのではないでしょうか。中には、ずっと働き続けたいという人もいるでしょうが、それは少数派であると思います。
 人は、組織の一員として働いていると、自分が退職することで、若い人のポストが一つでき、組織に貢献することができます。年を取ってくると、どうしても能力に衰えが目立ってきますから、これが組織に対する最大の貢献かなどと感じてしまいます。
 乙が他人に対して感じていることは、他人が乙に対して感じていることでもあります。
 年を取った人にはしりぞいてほしいと思うし、また、誰でも毎年1歳ずつ年を取っていくのです。周りの人は乙に対して「早く退職を」と感じていることでしょう。
 仕事を死ぬまで継続することは非常に難しいものです。これは社長でも平社員でも同じことです。
 たいていの人は、結果的に、望むと望まざるとに関わらず、「老後の生活」(つまりは退職後の生活)を送るしかありません。
 しかし、そのような安寧な老後の生活を支えてくれるはずの年金が破綻してしまったら、描いていた夢が消えてしまう人がたくさん出そうです。
 日本では、人口減少が避けられない以上、それに見合った年金制度に作り替えるしかありません。しかし、既得権者たちが、自分たちの既得権を放り出すことがあるでしょうか。どういう状況でそれが可能になるでしょうか。
 乙は暗い日本を予想していますが、もしかすると、年金破綻と国家財政破綻が同時にやってきて、すべてがリセットされるようなことになるのでしょうか。そんな荒療治でもしないといけないような気がしています。個々の問題への部分的な手直し程度では制度として持たないでしょう。年金も国もです。
 さて、10年後、20年後の日本はどうなっているでしょうか。
 興味津々です。
posted by 乙 at 04:46| Comment(4) | TrackBack(1) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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