今まで内藤氏の本は何冊か読んでみましたが、
2009.2.23 内藤忍(2008.6)『【新版】内藤忍の資産設計塾』自由国民社
http://otsu.seesaa.net/article/114669428.html
2007.8.2 内藤忍(2007.6)『内藤忍の資産設計塾 外貨投資編』自由国民社
http://otsu.seesaa.net/article/50008345.html
2006.9.22 内藤忍(2006.7)『内藤忍の人生を豊かにするお金のルール』アスペクト
http://otsu.seesaa.net/article/24191596.html
2006.4.19 内藤忍(2005.1)『内藤忍の資産設計塾』自由国民社
http://otsu.seesaa.net/article/16754281.html
いつも勉強になったので、今回も期待して読みました。
しかし、今回は、残念ながら、期待に添うものではありませんでした。
お金を増やす原則として、収入を増やす、支出を減らす、お金を増やす(投資する)の三つの側面から論じていきます。とはいえ、それぞれの議論は、どこかで読んだこと、聞いたことの繰り返しのように感じました。
新書だからしかたがないのかもしれませんが、記述が通り一遍のように感じたということです。
この手の本を読んだことのない人にはおもしろく思えるところもあるのでしょうが、他の本をいろいろ読んできた人間には物足りなく感じます。間違いは書いていないのですが、新しさに欠けるといえばいいでしょうか。
巻末に、60歳までに1億円を貯めるシミュレーションが書いてあり、現在何歳で、資産がいくらある状態で、今後の利回りを何%と考えるかで、毎月の積立額が明示してあります。確かに、これによれば、60歳で1億円が貯まるということは言えます。しかし、こんなことでいいのでしょうか。
たとえば、30歳で金融資産100万円の人の場合、1%の利回りで運用すると考えると、毎月積立額は24万円だそうです。そりゃ計算上はそうなるでしょう。しかし、そんな……(絶句)。毎月24万円が積み立てられるような人なら、30歳で金融資産100万円なんてことはないでしょう。毎月の積立額を基準にしたら、たった4ヵ月分で96万円で、四捨五入すれば100万円です。何だか、ずいぶんと非現実的な話のように思えてきました。
ラベル:内藤忍