2010年08月31日

アメリカでの相続

 乙は Interactive Brokers を利用していますが、これはアメリカの金融機関です。
 乙が万が一死亡することがあれば、相続の問題が発生しますが、IB に置いてある資金については、アメリカの法律に従って処理するようなことが必要になります。
 2010年8月30日の日経新聞17面「Monday Nikkei」欄で、これに関する記事がありました。大賀智子氏の執筆です。一部引用します。
 米国資産を対象に「海外相続サポートサービス」を手掛けている三菱 UFJ 信託銀行によると、「海外と日本では相続の考え方から違う」と指摘する。例えば、日本では亡くなった人の資産は相続人が管理できる。だが、米国では資産はいったん裁判所が決める代表管理者のものになり、課税などが済まないと相続人は手を触れられない。(中略)相続税にも外国税額控除の制度がある。詳しくは専門家に相談した方が安心だ。

 これはなかなか重要な問題です。
 乙の場合、詳細なエンディングノートを残すことで、家族への継承は可能だと考えていましたが、
2008.2.10 http://otsu.seesaa.net/article/83238257.html
2008.2.9 http://otsu.seesaa.net/article/83093468.html
2008.2.8 http://otsu.seesaa.net/article/82931951.html
2008.2.7 http://otsu.seesaa.net/article/82754174.html
最近は、そうともいえなくなってきました。
 乙の全資産の4割ほどが IB に入っており、家族が乙に成り代わってパソコンを操作したとしても、かなりの金額ですから、そんなに簡単に国内に(あるいは別の外国の金融機関に)移すことができるとも思いません。
 いや、そもそも、本人に成り代わってパソコンを操作することは違法行為だといえるかもしれません。死んだ人が生きているように偽っているわけですから。
 となると、この相続問題は意外と深刻な問題になるかもしれません。
 あまり考えてこなかったのですが、「万が一」はいつでも起こることがあり得るわけですから、真剣に考えてみる必要がありそうです。

 ちょっとネットを見てみると、
http://www.tax1040nagasawa.com/us-inherit.html
などというページがあり、2009 年度であれば 350 万ドルを越えた場合にのみ遺産税がかかるという話です。基礎控除ということですね。「遺産税のための日米条約の適用することにより、非居住者も利用することが可能です。」とあるので、乙のように日本に住んでいてもこの基礎控除が適用されるのかもしれません。
 乙の場合は、ここまでの資産はありませんし、今後の最大値予測でも、そこまでは達しないはずですから、問題にならないのかもしれません。
 一方、別の情報もあり、
http://www.oshimasaito.com/news.php?itemid=344&catid=7
によれば、「連邦遺産税の計算は、課税財産から基礎控除を差し引いた金額に税率を掛け合わせて行います。基礎控除は一律に認められる非課税枠のことですが、非居住外国人と米国市民・居住外国人とでは金額が異なります。非居住外国人の基礎控除は6万ドルです。」とあります。
 乙の場合、6万ドルは優に越えていますから、この文言の通りならば、遺産税を払うことになるようです。

 この問題は、さらに考えてみます。

参考文献:
http://decatur.hp.infoseek.co.jp/tax_usa2.htm
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posted by 乙 at 05:00| Comment(25) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月30日

「なかのひと」によるアクセス数の統計(4)

 乙は、「なかのひと」を利用しています。
2010.2.14 http://otsu.seesaa.net/article/141075747.html
2008.12.17 http://otsu.seesaa.net/article/111321815.html
2008.4.8 http://otsu.seesaa.net/article/92619450.html
 どんな人が乙のブログにアクセスしてくるのかを知ることができ、なかなか興味深いものがあります。
 前回チェックしてから、かなり時間が経ったので、アクセス数も変わってきたかなと思い、再度数えてみました。
 以下は、アクセス数が 500 以上の組織です。

アクセス数組織
2682
東芝
2165
日本IBM
1992
日本電気
1856
富士通
1845
ソニー
1656
KDDI
1505
三菱UFJフィナンシャル・グループ
1232
沖電気工業
1100
日本ヒューレット・パッカード
1087
コニカミノルタホールディングス
1061
横浜市立大学
1041
日本ユニシス
934
藤和不動産
927
大阪ドメイン
864
会計検査院
826
日本経済新聞社
821
カシオ計算機
804
日立製作所
780
大日本印刷
767
東京エレクトロン
758
沖縄県立総合教育センター
753
シャープ
746
大塚商会
728
ラティス・テクノロジー
715
日本酸素合名会社
680
ヤマハ
662
東京大学
659
三菱電機
653
日本電信電話
635
富士ゼロックス
589
エヌ・ティ・ティ・ドコモ
574
ANDERSON MORI and TOMOTSUNE
569
京都大学
551
エヌ・アール・アイ・セキュアテクノロジーズ
549
静岡大学
528
熊本ドメイン
509
高崎健康福祉大学
506
自由民主党

 上位の方には有名情報産業が並びます。そういうところからのアクセスが多いというわけです。
 一方、横浜市立大学や東京大学、京都大学などの大学からのアクセスも多いようで、乙のブログの「雰囲気」がそういうものであることがうかがえます。
 意外なところで、会計検査院や自由民主党などといったところもあります。そんなところにいる方が乙のブログを読んで意味があるのでしょうか。
 単純な統計だけに、いろいろ考えさせてくれます。
ラベル:なかのひと
posted by 乙 at 05:39| Comment(0) | TrackBack(0) | ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月29日

ビックカメラSuicaカードのオートチャージの変更(4)

 乙は、以前に2回ほどビックカメラSuicaカードを作り直しました。
2010.7.15 http://otsu.seesaa.net/article/156326431.html
 7月中旬に3回目の再発行手続きをして、1ヵ月以上待ちましたが、今回は、どういうわけか、カードが送られてきません。
 そこで、ビューカードセンターに電話してみました。
 乙がオペレータに事情を言って聞いてみると、先方は記録を調べて謝るばかりでした。普通はこんなに時間がかかることはないそうです。さっそく作り直して発送するということになりました。
 しかし、元はといえば、上記記事のコメント欄で教えていただいたように、乙が VIEW ALTTE の操作を勘違いしていたようなので、カード自体が故障しているわけではなさそうです。
 そこで、その旨を告げたところ、新しいカードは発行せず、旧カードをそのまま使うことになりました。
 え? 旧カードは無効になったと聞いていたけれど、……。
 実は、無効ではなかったのですね。乙が使うのを自粛していたにすぎないのです。
 それはともかく、この問題もやっと解決したようです。

 乙としては、オートチャージの説明画面
http://www.jreast.co.jp/card/function/autocharge/new.html
の説明が問題だと思っています。
 ビックカメラSuicaカードは、乙の感覚では、(オートチャージできる)Suica カードとして駅で使えるとともに、ビックカメラカードとしてポイントが貯められる(さらにクレジットカードとしても使える)カードだと意識していました。
 VIEW ALTTE で「オートチャージ設定」を変更する場合、「Suicaにオートチャージ」と「ビューカードにオートチャージ」の二つの選択肢が示されれば、「Suicaにオートチャージ」を選ぶのが当然でしょう。「ビューカード」を使っている意識はまったくないのですから、「ビューカードにオートチャージ」は、そういうことをしている別の人のためのボタンだと思っていました。
 ところが、正解は「ビューカードにオートチャージ」を選ぶわけです。
 VIEW ALTTE は、改善の必要があるように思いました。
 単にカードを突き返すだけでなく、メッセージをきちんと示すだけでもずいぶん違いますし、それよりも、こんなことを利用者に選ばせるのでなく、挿入されたカードを機械が読み取って、これは Suica カードだ、これはビューカードだ、ということで別の処理をすればいいのです。(両方を兼ねているカードの場合だけは、利用者に選択させるのでしょうが。)
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posted by 乙 at 05:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 消費生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月28日

保育園問題をミネラルウォータにたとえると

 乙がネット内で見かけた記事です。
http://webronza.asahi.com/synodos/2010082300006.html
鈴木亘氏の執筆による記事ですが、保育園をミネラルウォーターにたとえたのが秀逸です。
 ミネラルウォータの話として読んでいくと、規制のおかしさが納得できると思います。
 ところが、保育園の話がまったく同じ構造をしているわけです。
 変な規制をやめて、自由競争にするだけで、保育園問題は大きく変わっていくでしょう。そうできないのは、すでに保育園を運営している側が既得権益にしているからです。
 待機児童問題は、本当に深刻です。
 保育園に入園したいという希望があり、行政もその必要性を認めているのが待機児童なのですから、今すぐにでも入園(措置)させないと(親が)困ることは明らかです。入園を待っているということは、その間、仕事ができない状態が続くわけで、大きな痛手です。
 こんなことで、子供が産めないと考えるようになり、少子化問題が一層ひどくなっているとしたら、まずは、ここを抜本的に改める必要があります。
 乙は、すでに子育てを終えてしまいましたが、子供が乳児のころは、無認可保育園を利用させてもらいましたし、その後、公立保育園に進みました。そのころでも、すでに待機児童問題があったし、それがいまだに解決されていないのです。
 上記は、保育園問題を考える一つの視点をわかりやすく提供してくれた記事でした。
posted by 乙 at 05:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月27日

名古屋の河村市長がしかける戦い

 乙は、ダイヤモンドオンラインで名古屋の河村市長が何をねらっているかを読みました。
http://diamond.jp/articles/-/9130
今までにも、断片的に読んでいたのですが、実際のところ、名古屋がどんな状況なのか、よくわからないままになっていました。
 名古屋市での「戦い」も興味深い話です。
 地方自治とは何か、どうあるべきか、どのように改革していけるのかを考える上で重要な視点を提供してくれます。
 ここの「戦い」の結果によっては、日本という国のあり方にも関わるような気がしています。

 それにしても、議会と首長という二元代表制は、考えてみると不思議な制度です。国レベルでいえば、国会とは別に大統領が直接選挙で選ばれているようなものですが、これでは、誰が決め、誰が執行するのか、わかりにくくなります。特に、両者が対立すると大変なことになります。名古屋では(阿久根市でも)現実にそうなっているわけです。

参考記事:
2010.4.28 河村たかし(2008.9)『この国は議員にいくら使うのか』(角川SSC新書)角川書店
 http://otsu.seesaa.net/article/148042638.html
ラベル:名古屋 河村市長
posted by 乙 at 05:00| Comment(7) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月26日

自分で電子書籍を作るか

 乙は、ダイヤモンドオンラインで「一億総作家時代」をうたう記事を読みました。
http://diamond.jp/articles/-/9068
 「パブー」を利用すれば、簡単に本が作れるという話です。
http://p.booklog.jp/
を見ると、ホントにすぐにでもできそうな感じになっています。
 まあ、投資関連のことを書いて本にしようにも、あまりにも乙の知識がなさ過ぎるし、売れないことは明らかなのですが、退職後にでも書くなら、何か人生の新しい目標ができたようなものでしょう。
 とはいえ、そのころには出版業界はさらに大きな変貌を遂げている可能性も高いので、今考えてもしかたがないのかもしれません。
 当面は、日記としてブログに記録しておいて、後日、参照できればいいということにしておきましょう。
ラベル:電子書籍
posted by 乙 at 04:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月25日

SBI 証券のシステム強化

 乙は Nightwalker さんの記事
http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2010/08/sbi-1bea.html
で知りました。
 SBI 証券が、システムを強化するとのことです。
https://trading1.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?burl=search_home&cat1=home&dir=info&file=home_info100820.html
 個人的に、一番うれしかった点は以下のことです。
お客様のご要望を踏まえ、現在「毎週土曜日23:00〜日曜日6:00」に実施しております定期システムメンテナンスを、原則廃止いたします(ATMサービスを除く)。
これにより、平日なかなかご利用いただけなかったお客様につきましても、土日に「口座情報の閲覧」や「お取引のご注文」等ログイン後のサービスがご利用いただけるようになります。

 なかなか自分の時間がとりにくいので、週末にでもアクセスしようとすると、これに引っかかって、口座記録すら取れないことになっていました。
 これがなくなるだけでも利便性がアップします。
 また、Google Chrome などのブラウザにも対応してくれるという点もありがたいことです。というか、以前から乙は Google Chrome で SBI 証券にアクセスしており、特に問題もなく使ってきたのですが、やはり正式に対応してもらえないと、ちょっとだけ不安が残ります。
 上記のサイトの記事では Google Chrome 4.0 に対応としていますが、これは 4.0 以上ということでしょうね。Google Chrome は自動的に更新されていくので、乙のパソコンでも、いつの間にか、5.0 になっていました。
posted by 乙 at 04:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融機関 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月24日

mint.com の日本語対応版がほしい

 乙は、JBPress の記事で mint.com というオンライン資産管理サービスを知りました。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4230
(2010.8.24 6:00 現在、1ページ目がうまく表示されません。Ctrl+A を入れると(本文が反転されて)読めるようになります。)
 アメリカのサービスですが、なかなかおもしろそうです。
 第1に、投資関連だけでなく、預金やカード残高、老後の資金まで、何でも揃っているというのが便利そうです。利用者は自分の必要なところだけを利用するということでもいいでしょう。全部利用するのがベストでしょうが。
 第2に、名前や住所などの個人情報なしで利用可能なところです。メールアドレス(フリーアドレスで可能)、パスワード、郵便番号だけで使える(他の登録情報はない)というのは魅力です。万が一、この種の個人情報が外部に漏れたりすると、大変なことになりますが、これなら安心です。
 第3に、銀行や証券会社、クレジットカード会社などオンライン取引をしている口座のユーザー名やパスワードを登録すれば、mint のマイページに自動的に各口座の取引データが送信されてくる仕組みがあることです。第2と第3が切り離されている点がとても重要です。
 第4に、他の利用者の状況が(平均値などで)わかる点です。自分の暮らしぶりを反省させる大きなメリットがあります。その反対に、野放図に消費を拡大させるデメリットがある可能性もあるわけですが。
 こういうソフトが普及することで、アメリカの消費者は大きな影響を受けるでしょう。堅実な生活が達成されるのではないかと期待されます。
 振り返ってみれば、日本でも、こういうソフトがほしいところです。ソフト側の努力だけでなく、金融機関側が対応するようにしなければなりませんが、それは mint.com のような大規模ユーザーを抱えるようになれば、おのずとそうなるでしょう。
 一番の問題は、海外の金融機関への接続が困難ということでしょうか。
 まあ、海外の銀行や証券会社に口座を持っている人は、少数派でしょうから、国内だけをカバーすれば、実用的なシステムになりそうです。
posted by 乙 at 06:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月23日

Ashmore の自分の資金総額が食い違う?

 乙は、Ashmore Emerging Markets Liquid Investment Portfolio などという海外ファンドに投資しています。
2006.7.30 http://otsu.seesaa.net/article/21633614.html
 ここは、以前から、定期的に(3ヵ月ごとに)運用経過を郵便で送ってきていました。
 分配金が出て再投資する場合でも、具体的な金額や口数の連絡がありました。
 乙は、自分の金の話ですので、そういうのはパソコンに打ち込んで記録していました。口数は、分配金再投資があるたびにしだいに増えていきました。
 単価(ファンドの基準価額のことですが)は、
http://www.ashmoregroup.com/fund-prices/
で調べることができます。ログインが必要なので、単価が公開されているわけではありません。
 単価×口数で自分の投資分の現在価格を知ることができます。
 以前は毎月1回、最近は忙しいので数ヶ月に1回、ネットにアクセスして確認しています。

 さて、最近、Ashmore から電子メールがきて、乙の口座の現在の資金総額を知らせてきました。ところが、この数字が乙が毎月記録していた金額と違うのです。少なくなっていれば問いあわせて確認する必要があるのですが、実は、多くなっていたのです。誤差(?)は1割ほどです。
 乙が記録もれをしたのでしょうか。いや、それは考えにくいと思います。2006 年からの記録があります。
 なぜこうなったのか、疑問に思いましたが、問いあわせるのはめんどうだし、むしろ問いあわせてやぶ蛇になってもいやです。まあ棚からぼた餅なので、黙っておくことにしました。
 不思議なことがあるものです。
posted by 乙 at 04:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外ファンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月22日

浅川芳裕(2010.2)『日本は世界5位の農業大国』(講談社+α新書)講談社

 乙が読んだ本です。「大嘘だらけの食料自給率」という副題が付いています。
 一読して、驚きました。大変おもしろい本です。日本の農業のこれからを真剣に考えた書です。データも豊富で、グラフや数表などがちりばめられ、それに基づいた議論が展開されます。
 全体の主張は、「日本の農業は弱体化しているわけではない。」ということです。あたかも日本の農業は先行き真っ暗であるかのような見方が支配的ですが、これは農水省の見せかけ作戦にすぎないというわけです。
 第1章「農業大国日本の真実」は、タイトルに一番近いところです。食料自給率などという、日本以外では使われてもいない指標で日本の農業が不十分なままだと見せかける日本の政策を批判しています。
 まったく同感です。食料自給率なんて無意味です。そんなことをいうなら、食料以上にエネルギー自給率をどうするのか、考えておいたほうがいいです。石油なんて、日本の首根っこが完全に押さえられているわけですから、こういうところをそのままにしておいて、食料自給率だけをどうこうするという考え方自体がおかしいものです。
 乙は、むしろ、世界中のあらゆるところから食料を輸入するようにすることが、食糧難に関する一番の安全策であるように考えます。(イギリスがそのような考え方に立脚しているとのことです。)
 第2章「国民を不幸にする自給率向上政策」は、第1章の継続で、自給率を上げようとすること自体を批判しています。これまた説得力がある章です。乙が一番おもしろく思ったのは、p.66 で、自給率が低い小麦や大豆を作ることに対して「転作奨励金」が出るわけですが、これがかえって小麦の生産にマイナスになっているというのです。農家としては、小麦や大豆を作るだけで補助金の形で収入になるため、品質の向上には取り組まないというわけです。したがって、国産の小麦は品質が悪く、外国産のほうがはるかによいということになります。7兆円の転作奨励金によって、経営努力を放棄した農家を作り出し、品質のよくない在庫の山を築いただけだということになります。転作奨励金という補助金が農業をダメにしている一例です。
 第3章「すべては農水省の利益のために」では、農水省をめぐる闇の一部を赤裸々に描いています。役人の天下り先としてのおかしな団体も登場します。そんなところがボロ儲けをしているわけです。その分、消費者は高いものを買っていて、余計な金を負担しているわけです。第1章から第2章で述べてきた日本の負の側面の主人公がこうして暴かれます。
 第4章「こんなに強い日本農業」では、日本の農業が生産性を向上させてがんばっている姿が描かれます。
 第5章「こうすればもっと強くなる日本農業」では、農業の改善のために、具体的な政策が提言されます。これまたおもしろい発想です。
 第6章「本当の食料安全保障とは何か」では、日本の政治的な問題も含めて、浅川氏の考える食料安全保障の姿が描かれます。
 第6章まで読み進めてくると、著者の浅川氏が農業を中心としつつも広い視野を有していることがわかります。その視野を基準に第1章以下を書いてこられたわけです。具体論から始まって、だんだんズームアウトして世の中の農業関連を広く見渡していくという書き方は大いに成功していると思います。
 多くの方におすすめしたい良書だと思います。


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2010年08月21日

身辺が忙しすぎます。

 以前にもグチを書いたのですが、
2009.5.22 http://otsu.seesaa.net/article/119976756.html
身辺が忙しすぎて、ほとほと困っています。
 SBI 証券にログインしたところ、「最終ログイン」のところが1ヵ月前の日付が書かれていて、びっくりしました。
 いつのまに1ヵ月経ったのでしょう。
 その間、電子交付の書類なども見ることなく溜まってしまいました。
 こんな状況だと、投資なんてやってられません。(いや、正確にいうと、何か適当な金融商品を購入するという判断ができません。)
 やっぱり、定期的な購入(積立投資)がサラリーマンには一番いいようです。
posted by 乙 at 05:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月20日

中国での商売のやり方

 今や、中国がアジア経済の中心になろうかという時代になっています。
 日本人や日本企業が中国と関わりを持つことも多くなっています。
 しかし、中国に進出した人たちが全部うまくやっているかというと、必ずしもそうではありません。
 自分の能力のなさや計画のずさんさが原因ならばあきらめもつくのですが、中国には中国特有の問題があるようです。
 日経ビジネスオンラインでは、「「これからは中国」でホントに大丈夫?」という連載が始まりました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20100816/215801/
 第1回は、中国に進出した日本料理店経営者の告白です。この記事を読むと、中国進出と一口で言っても、実際はなかなか大変な苦労があるようです。何よりも、古くからある慣習のようなもの(その中には白と黒の境界線上のものもあるでしょう)が関わってきます。そんなものへの対応など、日本人的感覚では考えられません。しかし、マフィアと公安への対応を間違えると命取りになります。
 中国でビジネスを展開している人たちは、こういう不条理と戦いつつ、中国への進出を果たしたわけですね。乙は、それだけでも素直に「エライ!」と思ってしまいます。
posted by 乙 at 05:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月19日

阿久根市の市長の奇妙な行動とA-Zスーパーセンター

 阿久根市の竹原市長が議会と対立している話は全国的に有名になっています。
 ところで、この阿久根市のあり方を考える際に、地元のスーパー「A-Zスーパーセンター」
http://ja.wikipedia.org/wiki/A-Z%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC
が関係しているとの主張をブログで読みました。
http://d.hatena.ne.jp/inuimon/20100809
 すごい話です。
 A-Zスーパーセンターの話さえ、乙は知りませんでしたので、衝撃的でした。こんな田舎(失礼!)でこんな大規模店舗が運営していけるだけでも驚きなのに、それがかなりの利益を出しているというのですから、これからの日本を変えるくらいのインパクトがある話でしょう。
 これが阿久根市にあることが興味深い話です。
 こういう大規模スーパーがあることは、地域経済への影響が避けられません。さらにいえば、人々の生活のしかたまで変えてしまいます。そのような大規模スーパーは阿久根市のあり方(地域の人々が阿久根市をどう考えるか)まで影響しているといえるかもしれません。
 A-Zスーパーセンターの社長も変わった人のようですが、そんなことも、竹原市長の姿勢とある部分重なって見えてきます。
 阿久根市はますます注目されてしかるべきと思いました。

参考記事:
http://pro-con.jp/editor/gallery.cgi?no=36
http://news.livedoor.com/article/detail/4592479/
posted by 乙 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月18日

住宅ローンを放り出す夜逃げ

 アメリカの話ですが、住宅ローンを放り出す夜逃げが続発しているとのことです。
 乙は JBPress で見かけました。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4208
石紀美子氏の執筆によるもので、「「住宅ローンなんて放り出せ」、米国で「夜逃げ屋」が続々登場」というタイトルが付いています。
 「投げ出し」はよくないことですが、しかし、住宅価格が大幅に下落した場合、「投げ出し」も大いにあり得る戦略の一つでしょう。
 特に、アメリカの場合は、ノンリコースローンですから、「投げ出し」がやりやすいように思います。逆にいえば、日本では、「投げ出し」をしても、結果的に債務が残り、あまり意味がありません。日本でもバブルがはじけた後、住宅ローンの返済ができずに破産する人がたくさん出たりしましたが、日本式の住宅ローンは、全責任と全リスクを、金を借りる人に押しつけるもので、借りるには相当な覚悟が必要なのです。まあ、そこまで覚悟しないでひょいと住宅ローンを借りている人が多いのが現実ですが、……。
 日本の場合でも、アメリカ式リセットをしたいと思っている人はたくさんいることでしょう。
posted by 乙 at 05:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月17日

就職氷河期に日本学術会議提言

 乙は読売新聞8月15日1面の記事で知りました。
 日本学術会議が提言をまとめたそうですが、その内容が「企業側が、大学を卒業して数年の「若年既卒者」を新卒と同様に扱う」ことを求めるとのことです。「数年」というのは、3年程度を考えているとのことです。
 この話は、(一部ですが)ネットでも読むことができます。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100814-OYT1T00945.htm
http://osaka.yomiuri.co.jp/university/topics/20100815-OYO8T00208.htm
http://news.biglobe.ne.jp/social/540/ym_100815_5401555567.html
http://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/yomiuri-20100814-00945/1.htm
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20100814-567-OYT1T00945.html
http://news.www.infoseek.co.jp/society/story/20100814_yol_oyt1t00945/
 しかし、これで企業の「新卒優先」が解決するかといえば、乙はそんなことはないものと思います。
 第1に、若年既卒者を新卒と同様に扱うとしても、求人数が増えるわけではないということがあります。むしろ、日本企業の現状を反映して、外国での求人は増えるものの国内の求人は減る傾向にあるのではないかと思います。とすると、学術会議が言うように、既卒者が採用されるようになった分、新卒者がはじかれてしまうわけで、大学を卒業してもすぐには就職できない人の数はさらに増えることになります。大学生の卒業後就職率がさらに下がるという結果になります。氷河期がいっそうひどい超氷河期になります。
 第2に、企業側の論理が抜け落ちています。22歳で卒業し、定年の60歳まで(今後は65歳定年制になるかもしれませんが、当面は60歳として考えておきましょう)働くとすれば、勤務年数は38年間ということになります。既卒者を採用するとすると、1年既卒者で勤務年数は37年間になり、新卒者と比べると3%ほど短くなります。同じような仕事をしてもらうことを考えると、3%の差は大きいと思います。あれこれ手間をかけて(現在の社員の手間と時間を使う以上は、その分のコストがかかっているわけです)既卒者を含めて採用人事を進めるよりは、新卒者に絞ってしまったほうが平均的には企業にプラスでしょう。求人数よりは求職者数のほうが多い状態なのですから。
 この論理は、同じく新卒者といっても、卒業までのどこかで足踏み(浪人や留年など)してしまって、年齢が上になってしまった人も、同様に不利になります。
 もっとも、多くの人が3%ほど短く働くようになることで、雇用者数を3%ほど多くしよう(その分、就職率が上がるはずだ)という考え方ならば、成り立ちますが、そのような「後ろ向き」の姿勢では、問題の解決にはならないでしょう。
 なお、日本の企業文化の中では、年功序列・終身雇用が確立しています。今後それが崩れるとしても、大きく変わることは少ないでしょう。とすると、3年経って入ってきた年増の新入社員をどう待遇するべきかという点で、各企業の中で「きしみ」が生まれるのではないでしょうか。これは企業の問題であると同時に、社員一人ひとりの問題でもあります。自分がそういう新入社員に日々どう接するかという問題です。

 今の就活は会社説明会に参加することから始まりますが、ここが大変な関門になっているようです。説明会の定員をはるかに越える参加希望者があるため、申し込もうとすると5分で満員などということがあるそうです。今やネットが普及していますからねえ。
 企業側としても、膨大な手間をかけて何万人も相手にするよりは、何らかの方法で数千人(あるいは数百人)にしぼって、その中から選考するほうが、トータルでは低コストで新卒採用ができるということです。
 若年既卒者を新卒扱いにすることで、就職希望者が増大することがあれば、この面からの企業の論理も無視できなくなると思います。

 大学生の就職問題は、簡単には解決できない問題です。
 日本の経済状況が好転して、求人数が増えるようであれば、かなりの部分は自ずと解決できそうにも思いますが、それはそれでなかなかむずかしい別の問題になります。

参考記事:
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-43d8.html
http://blogs.dion.ne.jp/calcio/archives/9633631.html
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2010年08月16日

Thames River と Nevsky Capital の運用報告書がメール便で届く

 今年も、Thames River と Nevsky Capital の運用報告書が乙の手元に届きました。A4サイズの本のようです。218ページあります。各種ファンドの報告をまとめて示しているので、こんな厚みになるのでしょう。これくらいになってくると、ちょっと読む気が起こりません。
 それはともかく、これがヤマト運輸のメール便で乙の手元に届いたのです。
 日本国内でここに投資している人がたくさんいるために、イギリスから個別に投資家たちに送るよりも、日本のどこかにまとめて送り、(いや、もしかして日本国内で印刷して?)そこからメール便で発送しているのではないでしょうか。そのほうがきっと安上がりだろうと思います。
 日本国内の発送拠点は(パッケージの表面には)書かれていませんでした。ここが郵便物と違うところです。
 もしも未達の場合は、メール便のタグ情報を基に発送元の支店まで返り、そこから発送した人の手元に戻るのだろうと思います。顧客用には、メール便の中に関連の連絡先としてイギリスの所在地・電話番号・FAX・メールアドレスなどが書かれていました。(もちろん英語でです。)
 いろいろ考えさせられます。こういう連絡体制になっているということは、イギリスの会社の合理性とヤマト運輸の営業努力の成果でしょうか。
 日本郵政は、世界的にこんな営業を展開しているのでしょうか。(乙は、とてもそんなことは考えられていないのではないかと感じています。)
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2010年08月15日

イギリスでのクルマの個人間貸し借り

 乙が日経ビジネスオンラインで読んだ記事です。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100730/215656/
イギリスでは、クルマを個人間で貸し借りするビジネスが始まったとのことです。知らない人同士がクルマを貸し借りをするということですが、一応事前審査などがあり、大丈夫なようです。ユニークな発想だと思いました。
 日本でも同様のビジネスが始まるかもしれません。
 もしそうなったら、乙が保有するクルマを他人に貸すか。貸す側からの感覚を書いておきましょう。
 適当な賃借料が受け取れるということでは、貸してもいいような気がします。
 けれど、クルマには個人が使うものがいろいろセットされています。芳香剤、ガムや飴、折りたたみ傘、懐中電灯、地図、ペットボトル入りの水、タオル、ネクタイ、サングラス、……などです。今は、夏ですから、空気を背中に送るエアシートを運転席にセットしています。(ここには書けないものもあります。)そのまま他人に貸すと自分の生活の一部をのぞかれるような気がします。
 カーナビのHD(ミュージックサーバー)にコピーされたCD100枚分を聞くと(聞かなくても、タイトルを調べると)所有者の音楽の好みがわかってしまいます。
 車内を自分流に飾る趣味のある人は、貸す側に回ることはなさそうです。そこまで凝らない人でも、クルマはかなり個人のクセがしみこんでいるものだと思います。
 乙のクルマのカーナビは、通った跡が 200km ほど記録されています。地図上に表示されます。借りた人が操作すると、所有者が普段どんなところを通っているか、借りた側に筒抜けになってしまいます。
 そういえば、以前、乙は 500 円玉をクルマのコイン入れに10枚くらいセットしていたことがありましたが、あるガソリンスタンドでタイヤ交換をしてもらった後、しばらくして気がついたら、コインがなくなっていました。いつも自分しか運転しないクルマですから、コインがなくなったのはタイヤ交換のときしか考えられません。他人にクルマを貸す際はこんなことも考慮して、「普段のまま」でなく、少しはモノを取り外す必要があります。
 運転代行などは、自分も車内にいますから、まあ問題はないのですが、他人に貸す場合はそれとはずいぶん違います。
 このあたりの納得感があるかどうかが問題です。
 クルマを貸すということは、所有者のプライバシーの一部を見せてしまうことになるように思います。家族に貸す場合はそんなことは気にしなくていいのですが、見知らぬ他人だと気になります。
 わずかばかりのお金を稼ぐために、プライバシーを見せてしまっていいかという問題です。まさか犯罪に巻き込まれることにはならないとは思いますが、……。

 借りる側からはどうでしょうか。
 レンタカーやカーシェアリングよりは安く利用できるという点ではメリットが大きそうです。
 一方、借りた側のプライバシーが所有者に漏れる問題もあります。カーナビで、借りた側がどこに行ったかがわかってしまいます。デメリットはそれくらいでしょうか。
 乙は、こういうシステムが日本に導入されても、たぶん、貸す側にも借りる側にも回らないような気がしています。
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2010年08月14日

オートペディア?

 最近、気がついたのですが、オートペディアというのがあり、一種の事典風の記述になっています。
 そこに「乙川乙彦」が見出しになっているのです。
http://autopedia.jpn.org/q/%b2%b5%c0%ee%b2%b5%c9%a7
 記述はいいかげんで、「こりゃ何じゃ?」といったレベルですが、どうも、ネット内を自動的に検索して、記事を作り上げたようです。人間の目が加わっていないので、どうにもちぐはぐな記述になっているというわけです。
 注意書きがあります。
※ 本ページは、ジョークページです。本ページに記載されていることは事実とは限りません。
本ページには、嘘や偽りが入り乱れております。大人のユーモアを解した上でご利用下さい。

 というわけで、まじめに反応してはいけないのかもしれません。
 自然言語解析技術を変なふうに応用したお遊びページといったところでしょうか。
 それにしても、こんなところに乙の名前が挙がってくるとは、……。
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2010年08月13日

電気自動車の航続距離

 乙は、今乗っているクルマ(2003年購入)がいつまで持つか、いつごろ買い換えるか、少しだけ気にしています。少なくとも10年は乗るつもりで買いましたから、あと3年は今のクルマに乗るつもりです。
 3年もすれば、ハイブリッド車(HV)か、いっそのこと電気自動車(EV)かも、などと夢を描いています。
 そんな中、ダイヤモンドオンラインで気になる記事がありました。「走行条件によって大きく変わる電気自動車のタブー「航続距離」の正体」
http://diamond.jp/articles/-/9038
というもので、桃田健史氏の執筆によるものです。
 一番気になったのは、電気自動車は航続距離が意外に短いのではないかということです。聞いた話ですが、フル充電で 100km ないし 200km くらい走れるものと思っていましたが、条件によっては、70km くらいになってしまうというのです。これでは実用性に乏しくなります。1日数百キロくらい走ることはありますし、そのたびに給油ならぬ給電をやっていては、めんどくさいことになります。
 記事中の電気自動車のレースで「完走できないかも」などということばを見ると、いよいよ疑惑が高まりますが、それにしても、桃田氏は記事中に肝心要のレースの走行距離を載せていません。
http://as-web.jp/news/info.php?c_id=4&no=28144
によれば、1周 2.4km のコースを21周するそうですから、50.4km の距離です。これが完走できないということは、つまり、フル充電でも 50km が走れないということです。いやはや、いやはや。
 電気自動車の場合、ガス欠ならぬ電欠になったときでも、どこかで気軽に電気をもらってくるわけにいきません。ガソリンならば、近場のスタンドで2リットルか3リットルくらい買って、自分でクルマのタンクに流しこんでやれば、当面は動きます。あとはガソリンスタンドまで走って、そこで給油すればいいわけです。
 そんなことを考えてみると、電気自動車は、まだまだ発展途上の技術で、当面はハイブリッド車を考えておいたほうがよさそうです。
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2010年08月12日

菅下清廣(2009.11)『世界のマネーは東へ動き出した!』フォレスト出版

 乙が読んだ本です。「国際金融のトップしか知らない! 2010-11年の世界経済シナリオ」という副題がついています。
 副題につられて読むことにしたのですが、一読した結果、この本は他の人におすすめできないと思いました。国際金融のトップたちがこの本に書いてあるようなことを考えているとは、とうてい思えません。
 あえていえば、過去数年間で乙が読んだ本の中でも最悪の部類に入るかもしれません。(失礼な言い方で恐縮です。)これは著者が悪いのではなく、こういう著者に話を持っていった(あるいは著者から持ち込まれた企画をきちんと評価することができなかった)出版社(の編集部)の問題でしょう。
 まずは全体に関わる問題点について述べましょう。
 第1に、参考文献が一つもあげられておらず、図表が1枚もありません。それどころか、西暦の暦年表示や日経平均株価、GDP 以外には、まったく数字が出てきません。著者が何に基づいて話を進めているのか、ぜんぜんわかりません。本書中にはさまざまな「予測」が出てきますが、それらは「勝手なたわごと」にすぎません。「勝手なたわごと」でないということを主張するためには、なぜそのようなことがいえるのか、その「根拠」が必要です。乙は、一般にそういうものが図表で示されることを好みますが、別にそれにこだわるつもりもありません。しかし、本書中の記述では、「何かに基づいて議論をすすめる」という態度がまったく見られません。著者紹介によれば、著者は立命館大学経済学部卒業とのことですが、乙は、まるで著者は卒業論文を書いたことがないかのように思えました。
 第2に、用語に関する著者の勘違いが目に付きます。一義的には著者の責任ですが、編集者がきちんと原稿を読んでいないという点で、編集者(および出版社)の責任も大きいと思います。
 たとえば、「大鑑巨砲主義」(正しくは「大艦巨砲主義」)があります。p.27, p.28, p.32, p.42, p.156 に現れます。5ヶ所に現れるということは、ミスプリではなく、本人の間違った思いこみです。
 さらには「マニュフェスト」(正しくは「マニフェスト」イタリア語 manifesto)があります。p.159 および p.168 に使われます。p.168 では、節の題名に使われ、したがって、目次にも現れています。
 ミスプリも当然あります。p.83 では、「1ドル50円〜60年を目指すようなドル安」がゴチックで現れます。こんなところのミスプリは目立ちます。
 さて、以下では、個々の問題点について述べましょう。
 p.2 の「まえがき」では、「本書では、【中略】「独自の人脈」「独自の情報網」「独自の分析」を活かした2010年から2011年にかけての経済シナリオを紹介していきます。単なる予測ではなく、「独自の人脈」「独自の情報網」「独自の分析」から得た確度の高いシナリオになります。」とあります。2回も同じ語句が繰り返され、そこがゴチックになって強調されています。
 「独自の人脈」はどういうものなのでしょうか。もしも、本当に著者独自の人脈があるなら、その当該人物の交際範囲はきわめて狭いものになるでしょう。さもないと「独自」の人脈ではなくなってしまいます。端的に言えば、当該人物は著者だけに接するような人です。でも、他の人といっさい接触しないような「重要人物」がいるでしょうか。そんな人が本当に「重要人物」でしょうか。
 逆に、さまざまな人と接する人がいれば、著者のいう「独自の人脈」ではなくなってしまいます。
 以上のことにより、「独自の人脈」ということ自体、矛盾を内包しているといえます。
 「独自の情報網」も「独自の人脈」と同じように矛盾する概念です。
 「独自の分析」はありえます。しかし本書中には「分析」といえるようなものは何一つ書かれていません。データが何もない場合に、何をどう分析できるのでしょうか。
 ところで、なぜ著者は本を書くことになるのでしょうか。「本当に確度が高い予測」ができる場合は、こんな本を書くのではなく、その予測を活かした大儲けをねらうべきで、その手段は、証券会社や投資銀行を渡り歩いた著者ならば熟知しているでしょう。そういうことをせずに、こんな本を書いているのはきわめて不合理です。
 p.4 では、こんな話が出てきます。2010年の初頭に言及して「もしかすると年初に大雪が降るかもしれません。逆に異常に暖かいお正月を迎えるかもしれません。年頭の天候異変は“大きな変化”の前ぶれになるというのが歴史の法則です。」ここでいう「大きな変化」は、政治的な、あるいは経済的な変化のことです。著者がまじめにこれを信じているならば、もうこの先を読む必要がないレベルの発言です。信じていないならば、こんな不用意なことを著書中に(たとえ「まえがき」であっても)書くべきではありません。
 pp.55-56 では、3年くらいを周期にして相場のサイクルがあるとし、以下のように述べます。「警戒ポイントのひとつめは、2010年の夏から秋にかけての時期です。【中略】2つめは、2011年の春です。【中略】私は、その時期に「2番底」がやってくる公算はきわめて高いと見ています。」第2章のタイトルは「2番底は必ず来る!」ですが、その根拠は相場のサイクルだけのようです。
 p.94 では算命学
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AE%97%E5%91%BD%E5%AD%A6
が出てきます。p.105, p.106, p.117, p.151 にも出てきますので、著者は本当に信じているようです。こういう本は珍しいものです。
 p.120 では、2010年にアジアG5、G7 のような動きが起こってくると予想しています。
 p.141 では、「民主党政権に対する国民の支持率は、向こう4年間、相当に高い状態がつづくのではないか」としています。本書が書かれたのは2009年の9月頃でしょうが、そのころの雰囲気ではさもありなんでしょうね。しかし、民主党政権支持率のその後の急激な変化は著者の予想を大きく超えるものでした。
 p.141 では、著者のいう楽観シナリオと悲観シナリオを比べて「私は、おそらく楽観シナリオに近い方向に進む、と予測しているのです。」と書いています。楽観シナリオでは、p.137 にあるように「2020年までに在日米軍が撤退する」のだそうです。乙は、これはないと予想します。
 p.168 以降では、鳩山首相の「2020年までにCO2を25%削減」という宣言を高く評価し、日本が大きく変わるだろうと述べています。乙は、それはないだろうと予想します。そもそもCO2削減案の世界的合意が無理である上に、もしも合意ができたとしても、日本の 25% 削減も非常に困難で、排出権取引という形で日本は外国に金を配るだけになるだろうと予想します。
 他にもいろいろとメモを取ったのですが、長くなるので、このあたりでやめておきます。ここまでに示した部分だけでも本書の内容が類推できるのではないでしょうか。
 この本を読んで、自分の時間を損したとは思いません。
 反面教師も存在意義はあるものです。
 本書のどこが問題かを考えることは、自分の考え方を形作っていく上で意義のあるものと思います。
 本書は 2009年11月の刊行ですが、2010年夏の時点で、もう賞味期限が切れてしまいました。もともとその程度の本でしかなかったということです。


ラベル:菅下清廣
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2010年08月11日

「STAM 新興国株式インデックス・オープン」の第2期運用報告書

 乙の手元に届いた「STAM 新興国株式インデックス・オープン」の第2期運用報告書を見てみましょう。しばらく前に届いていたのですが、なかなか目を通す時間がありませんでした。
 第1期の報告書については、以前、ブログで書いたことがありました。
2009.12.28 http://otsu.seesaa.net/article/136741302.html
 ネットでは
http://www.sumishinam.co.jp/new_report/140841_R.pdf
で第2期の運用報告書を読むことができます。
 第1期の運用報告書は
http://www.sumishinam.co.jp/common/cms/pdf/83/5/5447.pdf
に移されています。
 p.1 では、設定来の基準価額の推移が示されています。第1期はラッキーだったことがわかります。第2期はどうということのない成績でした。純資産総額は 47 億円となっています。第1期末の 41 億円よりは増えています。基準価額は 1.1% の下落ですから、それだけ入金(設定額)が多かったということです。
 p.4 には、ベンチマークとの差異が書いてありますが、信託報酬要因△0.2%、配当金要因+0.8%、銘柄要因等△0.8% となっています。第1期と比べると、信託報酬要因が小さくなっており、着実な運用がなされていることがわかります。
 p.6 では、1万口当たりの費用明細が書いてあります。信託報酬75円、売買委託手数料7円、有価証券取引税2円、保管費用等17円で、合計 101 円となっています。第1期よりもコストが少なくなっています。第1期は基準価額が上昇した時期ですから、見かけ以上にコストをかけていたことになります。第2期は、それと比べるとだいぶインデックスファンドらしくなってきました。
 p.6 下段の株式売買比率を見ても、時価総額49億円に対して株式売買金額は11億円であり、売買高比率は 0.22 になっています。前期(1.41)よりもずいぶんと売買が少なくなっており、この面からもインデックスファンドらしくなってきたと思います。しかし、0.22 の売買高比率はもっと下げられるようにも思います。
 p.7 では、投資信託証券の欄に「VANGUARD EMERGING MARKET ETF(アメリカ)」と書いてあります。2億円ほどの売買をしていることになります。ファンドが ETF に投資していけないことはありません。買付金額と売付金額がほぼ同額なので、たぶん、一時的な売買なのでしょう。それにしても、ETF を売買していることに驚きます。
 p.23 では、このファンドがマザーファンドに純資産の 96.3% を投資していることがわかります。
 ところで、p.24 から始まるマザーファンドの記載ですが、こちらは若干問題がありそうです。p.30 では1万口当たりの費用明細が記されていますが、保管費用等のところ、40 円もかかっています。かなり高めです。新興国だからしかたがないのでしょうか。
 p.48 ではマザーファンドの資産等が示されています。それによると 48 億円だそうです。つまり、このマザーファンドは、ベビーファンドとして「STAM 新興国株式インデックス・オープン」しかもっていないということです。こういうしくみでありながら、マザーファンドとベビーファンドに分ける意味があるのでしょうか。運用の時期が違うというのはその通りですが、他にもいくつかベビーファンドを持たないと、マザーファンドの意味があまりないように思います。
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2010年08月10日

参議院選挙で国民が求めていた政策

 乙が「現代ビジネス」のサイト内で見かけた記事で、「永田町ディープスロート「政策選挙プロジェクト」の結果概要――国民はどんな政策を求めていたか――」というのがあります。
http://gendai.ismedia.jp/article/-/990
 一読して、大変おもしろく思いました。
 ウェブ上で行った質問調査の結果の概要ですが、投票件数 728 件というのは、この種の調査としてはやや少な目ですが、傾向をとらえるには十分な数だと思います。
 支持政党とともに、個別の政策への意見を尋ねたものです。集計は支持政党別に行われています。回答者にはみんなの党支持者が多いとのことですが、全員の回答でどういうのが多いという見方をするのでなく、支持政党別に分割して集計すれば、特定の政党支持者が多くても、その影響を除外してデータを見ていくことができます。
 乙が何よりもおもしろく思ったのは、支持政党と、その政党の掲げる政策とは別だということです。
 たとえば6ページでは、郵政公営化(共産党)、政府法案路線(民主、国民、社民)、郵政民営化(自民、公明、みんな)の三つの方向を示し、どれを支持するかを尋ねています。どの政党支持者も「郵政民営化」を支持しています。国民新党が強硬に主張し、政府法案となった路線は、どの政党支持者からも支持されていません。
 こんなふうに、多数の人から意見を集め、それをデータとして分析しながら、さまざまな政策に関する意見と政党支持とが食い違っているようすを知ることは、大変有意義でした。こういうことがあるから、民主党が大勝したり、大敗したり、さまざまに投票結果が変わっていくのですね。
 日本の政治の一断面をマクロにとらえた結果であると思います。
posted by 乙 at 18:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月09日

絶対に野村證券で口座を作るな

 乙はブログ「絶対に野村證券で口座を作るな」
http://d.hatena.ne.jp/fox0113/
を読みました。「証券リテールの真実」という副題が付いています。
 2010.8.3 から始まったようです。
http://d.hatena.ne.jp/fox0113/20100803/1280849236
 fox0113 さんの経験をつづったブログで、プロフィール欄には「野村證券(株)の闇の部分が綴られています」と書いてあります。
 実際、数日分を読んだだけでも、なるほどと思わせる部分がありました。内部の人でないと、なかなか具体的にはわからないでしょうし、また、会社に在籍したままでは、それこそ何も書けないと思われます。
 つまり、退職した人でないと、成立しないブログといえるでしょう。
 新入社員の教育とは、こんなふうに行われるものなんでしょうか。新入社員はこんなふうに扱われるものなんでしょうか。同業他社、他の金融機関、さらには会社一般についても知りたいと思いました。
 今後ともいろいろな「できごと」が書かれていくものと思われます。期待しています。
 もっとも、fox0113 さんの経験は、新入社員の立場で経験したものですので、他の立場から野村證券を見たらまた違った見え方になるのかもしれません。あくまで「一社員の目」で見た経験談ととらえるべきで、これで野村證券の全貌がわかったなどと考えてはいけないと思います。

 乙は、一時期、野村證券に口座開設していたこともあったので、
2009.8.4 http://otsu.seesaa.net/article/124945680.html
2009.7.23 http://otsu.seesaa.net/article/124068104.html
2006.2.28 http://otsu.seesaa.net/article/13903047.html
野村證券とまったく無縁でもありませんでした。
 しかし、乙の資金量は大したことがなく、野村證券の営業などとは無関係だったので、fox0113 さんの話は新鮮に響きました。

参考記事:
http://ameblo.jp/happy-retire/entry-10612027017.html
posted by 乙 at 05:05| Comment(6) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月08日

インドネシアのサイトにサムネイル掲載?

 最近、ふと気がついたことですが、
http://googlebingyahoo.net/search/%E4%B9%99%E5%B7%9D%E4%B9%99%E5%BD%A6%E3%81%AE%E6%8A%95%E8%B3%87%E6%97%A5%E8%A8%98
を見ると、乙のブログのサムネイルが掲載されています。
 でも、このアルファベットの並びは、見たことない言語です。
 インドネシア語のようです。
 一体、誰が? なぜ? こんなことをしているのでしょうか。
 乙のブログは日本語が読めなければ意味がないのに、……。
 機械翻訳で訳した上で読んでいる
2007.6.21 http://otsu.seesaa.net/article/45432570.html
のとは、また別のアクセスのようです。
 ブログの世界はよくわかりません。
posted by 乙 at 05:18| Comment(2) | TrackBack(0) | ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月07日

休眠口座の取り扱い

 乙は、時評コラム「大前研一の「産業突然死」時代の人生論」
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100804/240266/
を読みました。
 この記事によれば、イギリスでは、休眠口座に眠っているお金を国への寄付とするという法律があるかのようです。そういう法律があれば、それに従わざるを得ませんが、日本でもそういう法律を作るべきか、考えてみると、乙はあまり賛成ではありません。
 休眠口座の定義にもよりますが、大前氏は口座への入出金がない期間が3年程度を考えているようです。
 微妙です。ちょっと忙しければ、銀行でのお金の出し入れがないままに3年くらいはすぐ経ってしまいそうです。
 「休眠」と認定するなら、もっと長いほうがいいように思います。今のところ、郵便貯金の場合は出し入れが10年ないと、本人にはがきで連絡があり、さらに10年経つと、休眠口座と認定されて、口座のお金は国のものになるようです。20年も見ておけば十分でしょう。
 銀行の場合も同様ですが、口座のお金は別勘定になるのでしょうね。
 郵便貯金も、今はゆうちょ銀行だから、国のものにはならないのでしょうか。貯金が無効になるとゆうちょ銀行のものになるのですかね。
 これくらいの年数が経つと、適当に処理するしかなくなりますが、その際、(強制的に)国庫に入れるというのがいいかどうか、問題は残ります。
 なぜ国への寄付とするのか、考えてみると、理由がなさそうです。銀行と預金者という民間の者同士の契約で預金が開始されたわけですが、それには国は無関係です。
 休眠口座の処理の必要性は認めますが、それがすなわち「国への寄付」とはならないように思います。
 民間の者同士の契約であるからには、預金者と連絡がとれなくなったら、銀行のものとするほうがはるかに自然でしょう。つまり、今の日本の制度で十分なように思えます。
ラベル:休眠口座 銀行
posted by 乙 at 04:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月06日

上杉隆氏の発言の意味がわかりません

 乙は「週刊 上杉隆」の7月29日の記事
http://diamond.jp/articles/-/8903
を読みました。第1ページです。
 しかし、上杉氏のいっていることの意味がわかりませんでした。
 上杉氏が政治家3人の発言の共通点を取り上げて、3人がそれぞれ何回も取材を断っていることを「取材を受けていない」と表現することをとがめている点です。上杉氏は「その場合は「インタビューを受けていない」「取材を受けていない」と言うのではなく、「取材を断った」「取材を拒否した」というのだ。」と述べていますが、乙は上杉氏の議論の方が間違っているように聞こえます。
 「取材を受けていない」というと「取材申込を受けていない」と受け取られてしまうのでしょうか。そんなことはないと思います。取材を受ける側が取材を断れば、取材する側としても取材はできないわけで、つまりは「取材」はまったく行われていないわけです。それを「取材を受けていない」と表現しても、別に「強弁」とは思いません。取材されていなければ「取材を受けていない」と表現していいのではないでしょうか。同義表現はいろいろあります。「取材されていない」「取材されたことはない」「取材は成立していない」「取材はなかった」などなど、どれを使っても問題はないように思います。
 もちろん、「取材を断った」や「取材を拒否した」と表現してもいいですが、どちらを使うかは使う側の判断でいいのではないでしょうか。
 上杉氏が20回も30回も取材申込をしても、申込をされた側が応じなければならない理由はないわけで、いろいろと忙しかったりすれば(あるいは他の理由でも、理由なしでも)、断ってもいいと思います。
 取材を申し込んだ側が「取材を断った」「取材を拒否した」と書いても何ら問題はありません。
ラベル:上杉隆 取材
posted by 乙 at 05:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月05日

NTT グループカードの ETC カード年会費有料化

 乙は、ETC カードとして、NTT グループカードを使っています。
2009.8.7 http://otsu.seesaa.net/article/125166563.html
年会費無料ということで、安心して使えるものと思っていました。
 ところが、先日、乙のところに手紙が来て、NTT グループカードの ETC カードの年会費が有料化されるというのです。突然の連絡で驚きました。(まあ、この種の連絡はいつも突然ですが。)
 ネット内を見ると、紙の手紙と同様の説明がなされています。
https://mylink.ntt-card.com/mylink/info/info0021.shtml
おやおや、せっかく無料で使えてありがたいと思っていたところなのに、それがダメになってしまうのですか。
 1年 525 円ですから、大したことないといえば大したことないのですが、それでも、こういう年会費は払いたくないもので、ここで再度別の ETC カードへの乗り換えを考えたほうがいいのかもしれません。
 それにしても、めんどうなことです。
posted by 乙 at 05:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月04日

YUCASEE に誘われる

 乙は、プライベートクラブ YUCASEE(ゆかし)に誘われました。
 次のようなメールがきました。(一部だけ抜粋します。)
YUCASEE ( ゆかし)は、金融資産1億円以上の方 限定の
オンライン上の会員制プライベートクラブです。
http://www.yucasee.jp/
現在では、日本最大の富裕層コミュニティとなっております。

YUCASEE ( ゆかし)は限られた方にしかご案内することができませんが、
この度、YUCASEE ( ゆかし)へのご入会資格をお持ちではと拝察いたしまして、
特別にご案内させていただきました。
 ※入会審査の内容は非公開ですが、
  資産はご本人様だけでなく 世帯全体(世帯年収)でも構いません。

本クラブのご入会・ご利用など全て【無料】です。
(多くの大手企業、ブランド企業からのスポンサー収益にて運営しております)

突然のご案内ですので、下記の記事にてYUCASEE ( ゆかし)にご興味を
お持ちいただければ幸いです。

・ゆかし会員限定「お花見オフ会」極秘レポート
 http://media.yucasee.jp/posts/index/597?oa=ymm6428

・リッツ・カールトンでミス日本とゆかし女性会員がシークレットパーティー
 http://media.yucasee.jp/posts/index/2617?oa=ymm6429

この他、高級ヴィンテージシャンパンのプレミアム試飲会へのご招待等、
ゆかし会員様限定の特別なご案内があります。

また、一般には非公開の情報交換も盛んに行われており、富裕層ならではの
金融情報など、いち早く有益な情報を手にすることができます。

 金融資産1億円以上という制約があるとのことで、乙はちょっと不足気味です。仮に1億円があったとしても、入らないでしょうね。
 それはともかく、問題は、この勧誘メールの送り先です。
 乙は、10個くらいのアドレスを使い分けていますが、このメールは、もう一つのブログだけで使っているアドレスにきたもので、そのブログの内容からいうと、とても「富裕層」的な感覚のない、全くの庶民的なブログとなっています。乙のブログでも庶民的な目線があふれていますが(笑)、それ以上に庶民的なのです。
 このブログと無関係に、こちらのアドレスあてに何かを送ってくるとは考えにくいのです。それにしては、ブログの内容からは金融資産1億円とは思えないのに、……。
 なぜ、このアドレスで「資格あり」と「拝察」なさったのか、聞いてみたい気分です。
posted by 乙 at 05:17| Comment(7) | TrackBack(0) | 消費生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月03日

国民が政府の大きさを選択できるように、国債発行をやめてみては

 乙は、アゴラウェブで平井進氏の記事を読みました。
http://agora-web.jp/archives/1063806.html
ラディカルな案ではありますが、「次年度予算から公債特例法を立法せず(建設国債を含めて国債を発行しない)、(国債費を含めた)予算規模を税収に合わせること、そして重要なことは収入=支出のレベルを国民の意向が反映するようなプロセスにする」という提案です。
 これで、日本の財政規模は半減することになります。
 ちょっと考えただけでも、どうやっても、政府自体が法律に違反するようなことをしないと予算が組めないでしょう。
 大混乱が起こりそうです。
 財政法の例外の特例法を毎年国会で可決する代わりに、別のナントカ改正法を通すことにすれば、それでもよさそうです。しかし、これまたねじれ国会では通るとも思えません。
 そんなことで、考えてみれば、この案は実行不可能なように思えてきます。
 でも、こうすることで、全国民に日本の財政が現在どうなっているかを直接示すことができます。財政法に則って実施すれば、こうなるわけです。
 国の行動ですから「試しにやってみる」などということはできませんが、アイディアとしておもしろいし、国民の一人ひとりが日本をどうすればいいのか考えるきっかけになるように思います。そんなショック療法でも行わないと、日本は変われないでしょうね。
ラベル:国債 財政法
posted by 乙 at 08:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月02日

楽天銀行での自動引落(口座振替)設定

 乙は、何かの支払いのために、楽天銀行で自動引落(口座振替)を設定したようです。
 いろいろなときにそういう手続きをしますので、何の支払いなのか、とんと覚えていません。
 先日、楽天銀行からメールがあって、次のように書かれていました。
楽天銀行をご利用いただきありがとうございます。

過日、お申込みいただきました「自動引落設定(口座振替)」について、
お手続きがございます。

お手数ではございますが、本メール到着後13日以内に契約先など内容
をご確認のうえ、「自動引落設定」を完了願います。

■お手続き方法
お客さまの口座にログイン後の「メッセージボックス」より、お手続きを
お願いいたします。

自動引落設定手続きに関する詳細はこちら
http://www.rakuten-bank.co.jp/rd/fes/mail/075-01.html

***********************************************************************
サービス内容に関するご質問は、当行ホームページよりお問い合わせください。
※本メールへのご返信は対応いたしかねます。ご了承ください。

楽天銀行
http://www.rakuten-bank.co.jp/
***********************************************************************

 さっそく、銀行のサイトにアクセスしました。
 すると、乙のメッセージボックスに次のようなメッセージが届いていました。
2010/07/30 10:50:53
お客様より口座振替契約の引落先に関するお申込を頂いております。内容をご確認の上、お手続きを完了して下さい。
収納代行会社:SMBCファイナンスサービス株式会社
有効期限:2010/08/12

 右側に「申込」ボタンはありますが、これだけでは、何の支払いなのか、まったくわかりません。
 「SMBCファイナンスサービス株式会社」は、「収納代行」なのですから、ここで名前を示されても、ほとんど意味がありません。
 「内容をご確認の上」といわれても、どうやって何を確認すればいいのでしょうか。
 いやはや、何とも確認できませんが、しかし、「申込」をしないと、別のところでトラブルが起きそうです。
 何はともあれ、「申込」にしましたが、どうにも不信感が残りました。
 別途、ハンコ付きの書類が楽天銀行には届いているはずなので、それで十分「確認」されているのではないでしょうか。
 もしも、オンラインで確認したいということであれば、そのハンコ付きの種類(のうち印影をぼかしたもの)を PDF ファイルか何かで示してくれれば確認できるでしょう。
 何とも中途半端な対応のように思いました。

 その後、1日経って、2ヵ月ほど前に自動振替の申込をしたことを思い出しました。某年会費のことです。
 書類を書いてからずいぶん時間が経ったので、乙にはすぐに思い出せませんでした。
posted by 乙 at 05:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融機関 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月01日

辛坊正記・辛坊治郎(2010.4)『日本経済の真実』幻冬舎

 乙が読んだ本です。「ある日、この国は破産します」という副題がついています。
 乙がおもしろいと思ったところがいくつかあります。
 まず、pp.145-146 です。日本の国債がどうなっているかを友達に金を貸した場合で説明しています。
 友達があなたから100万円借金をしていて、あなたに90万円くれたとします。友達が再度100万円借りるとすると、あなたは手元の10万円と友達からもらった90万円で100万円を貸すことができます。
 これを繰り返すことで、たとえば、190万円のお金があれば、1000万円を貸し付けることができるというわけです。これが日本の国債だというわけです。ここからの結論は、p.146 に書いてあります。「見かけ上の国民の貯蓄額と、国の借金の残高だけから単純に破綻の時期は推定できない」ということです。乙は、なるほどと思いました。どんどん国債を発行せよ(そうしても日本は破綻しない)という主張がありますが、乙はそれは間違っていると思います。なぜ間違っていると思うかをきちんと説明することはむずかしいのですが、ここでの比喩でなかりわかるような気がしました。
 本書は、第5章「日本を滅ぼす5つの「悪の呪文」」が一番おもしろいと思いました。こんなことを言っているとダメだという例です。

・経済の豊かさより心の豊かさが大切
 ブータン流ではダメだと喝破しています。
・大企業優遇はやめろ!
 大企業こそ優遇せよと主張しています。
・金持ち優遇は不公正だ!
 子ども手当の所得制限などはおかしな話だと切って捨てています。
・外資に日本が乗っ取られる
 外資が日本に投資してくれるのだから、ありがたい話だと説きます。
・金をばらまけば、景気がよくなる
 新しいサービスや産業を産み出していかなければならないとしています。

 これらの5つの呪文はいろいろなところで聞こえてくる言説です。そうではないのだときちんと述べているところはわかりやすく、すっきりした気分になれます。
 おまけに、「おわりに」の中ですが、p.214 で、経営は前例、他社、当局を見ていれば簡単にできるとしています。単純ですが、日本的経営の本質をついているように思いました。今後はそんな簡単な話ではなさそうですが、今まではそんなことも多かったように思います。
 すっきりした気分になれる本です。


posted by 乙 at 04:50| Comment(1) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする