これについては、池田信夫氏からもっともな批判が出ています。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51475571.html
「雇用を生み出せば、経済の成長につながる」というのは、因果関係が逆である。その雇用はどこから降ってくるのか。雇用は労働需要がなければ増えず、労働需要はGDPが上がらないと増えない。つまり経済が成長しない限り雇用は増えないのである。これはきわめて初歩的な経済学の知識なので、民主党のスタッフは官邸に注意したほうがいいと思う。
さらに、長谷川幸洋氏は
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1127?page=2
において、次のように述べています。
菅のお気に入りに「1に雇用、2に雇用、3に雇用」というフレーズがある。最初にこの発言を聞いたとき、私は「政治家特有のリップサービスだろう」と思った。雇用増加は経済成長の結果であって、雇用増加を出発点にする経済政策はないからだ。
雇用を増やすには、なにより経済を活性化させなければならない。景気が悪いのに、雇用が増えるはずもない。そんなことは、だれでも知っている。
だから雇用拡大を目指すなら、まず経済を元気にさせる。そのために民間部門=企業・産業を元気にさせる政策を打ち出す。普通の国では、それが経済政策の役割である。
ところが、菅はどうやら本気で「雇用が広がれば、所得が増え、消費を刺激し、経済が活性化する」と思い込んでいるらしい。立候補に際して発表した政策ペーパーにそう書いてある。「第一の柱が雇用を起点とした国づくり」と強調しているのである。
会見でも「雇用を拡大し、そこから経済を立て直していく」と繰り返した。
経済が活性化して雇用が増えるのではなく「雇用が増えて経済が活性化する」と信じているようなのだ。雇用拡大と経済活性化の因果関係を完全に逆立ちして理解しているのである。
こういう発想で政策を考えると「雇用を守るためなら、なんでもあり」になる。あっという間に「税金投入で雇用を守る」政策に陥るだろう。雇用確保を大義名分にして、ゾンビ企業救済も政策金融の拡大ももちろんOKである。行き着く先は「社会主義」だ。
大変なことです。総理大臣たるものの舵取りの方向性が間違っているというわけです。
この問題に対して、Mutteraway さんが「雇用を増やすだけなら1億総公務員にすれば良い」
http://bobby.hkisl.net/mutteraway/?p=2628
と述べています。すごいアイディアで、まさに究極の社会主義です。これでは経済がうまく回るはずがありません。
菅総理のカン違いは、直せないのでしょうか。
このままだと、日本は沈み行く一方になりそうです。