2010年10月09日

大型店の規制と地域社会

 池田信夫氏のコラムで「大型店の規制強化で利益を得るのは誰か」
http://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/2010/10/post-232.php
というものがありました。
 結論からいえば、郊外にある大型ショッピングセンターを規制しても、地元の商店街が復活するわけではなく、単に既存のスーパーマーケットを儲けさせるだけだということです。
 地方都市の中心部に広がるシャッター商店街は、それはそれはひどいものです。乙は、都内に住んでいるので、そういったことには普段まったく気がつかないのですが、たまに用事で地方にいってみると、昔とはようすが全然違っていることに驚きます。
 今年の夏も、山形県のとある町に行ってきましたが、中心部は「商店街」と呼べるものはなく、メインストリートといっても役場や公民館をのぞくと、一体何があるんだろうという感じでした。
 しかし、中心部から数キロ離れたところ(田んぼの真ん中ですが)には、イオンの大型ショッピングセンターがあり、その巨大さに圧倒されました。駐車場は 1,000 台分もあります。
 実際、行ってみると、施設内には老若男女が集まっており、大変な賑わいぶりでした。施設の一部にはシネマコンプレックスがあり、若いカップルなどが大挙して押し寄せていました。レストランも何種類もあり、町の中心部では何を食べようか、食べられるものがなくて迷ってしまうほどの貧弱さであるのに比べ、ここは自分の好みに合わせて何でも選べるようになっていました。
 これでは、町の中心部の商店街はたちうちできません。
 池田氏は「昔ながらの小売業が衰退した原因はモータリゼーションと人口減少なので、規制によって商店街を守ることはできない。」と喝破していますが、乙はまさにその一端を間近に見てしまったように感じました。
 地方の「都市」は変わってしまったのです。
 それとともに「日本」も変わったのかもしれません。
 大店法のようなものを作って、一体どうしようというのでしょうか。
 池田信夫氏の記事は、日本のあり方を再考させるものです。どうしたら住みやすい日本ができるのか、政治家には慎重に判断してもらいたいものです。
posted by 乙 at 05:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする