乙が橘玲氏のサイトを見ていたら、年金先物オプションの話が書いてありました。
http://www.tachibana-akira.com/2010/11/1277
おもしろいアイディアです。
これがあれば、年金が心配な人はしかるべきプットオプションを買えばいいということになるわけです。記事中にあるように「年金破綻保険」ということに相当します。
問題は、このオプション(保険)の売り手です。橘氏は、「「100年安心」を約束した政治家や官僚たちが十分に賢ければ、この投資機会を見逃すはずがないからだ(彼らの約束どおり年金が破綻しなければ、オプションを売ってぼろ儲けできる)。」と述べていますが、さて、どうなんでしょう。
乙は、オプションの売買はしたことがありませんが、「保険」と同様であれば、オプションの売り手は、破綻が起こったときに補償するべき金額をしかるべきところに預託しておかなければならないはずです。さもなければ単なる口約束になって、いざ、破綻したときに支払うべき金がないという事態になります。一人の年金分ということは、相当な金額(数千万円?)になりますが、それを用意できる政治家や官僚がいるのでしょうか。官僚は、いくら高給取りといっても、そんな金額をサッと用意できる人は限られているのではないでしょうか。政治家は、同時に会社を経営したりしていれば、そのくらいの金が工面できますかね。それにしても、なかなか大変です。本当にそんなことができるのでしょうか。
もちろん、オプション料がいくらかにもよります。オプション料が十分に高ければ、何とか金を工面する人が出てくるのでしょう。しかし、その場合のオプション料はいくらくらいになるのでしょうか。10年で 1,000 万円とかになるのでしょうか。しかし、そうなると、今度はオプション料を払う側が、とても払えないということになりそうです。
橘氏の話は話としておもしろいのですが、さて、実現の可能性は……。
2010年11月30日
2010年11月29日
高橋洋一(2010.8)『日本経済のウソ』(ちくま新書)筑摩書房
乙が読んだ本です。
全体が3章構成になっています。第1章「日本はなぜ不況なのか?――デフレ不況の経済学」、第2章「危機はいかに克服されるか?――危機克服の経済学」、第3章「これからの日本経済はどうなるか?――国家再建の経済学」といった内容です。
三つの章のうち、第1章と第2章は、新書とはいえ、かなり内容が高度で、読みにくく、正直言って乙はお手上げでした。専門用語がバンバン出てくる感じです。
2点だけ、コメントしておきます。
p.082 には図が1枚入っています。図11です。これが本文で参照されていません。そして、図の中に「Nagaku niopebu」と書いてあるのですが、この意味がわかりません。
BIS について、p.127 で説明されています。しかし、p.121 ですでに「BIS」という言葉を使っています。初出のところで説明するのが当然でしょう。
他にも問題はあると思いますが、こういう書き方が本書を読みにくくさせていると思います。
それらに比べて、第3章は内容がわかりやすく、おもしろいものでした。第1章・第2章とずいぶん違う感じです。もしかしてどこかの講演をもとにして書き改めたのかもしれません。それぞれで聴衆のレベルが大きく異なっていたかのようです。
第3章は、大きく三つの部分からなります。
第1に、「日本経済はどうなっていくか?」ですが、民主党の新成長戦略や日銀の現在の政策では、日本経済がうまく回っていかないことを数字をあげて説明しています。経済財政諮問会議の廃止などは非常に乱暴なやり方だったことがわかります。
p.144 では、「国の政策では、極論すればJALが倒産したなどの「滑った転んだ話」よりも、マクロ経済政策のほうが遙かに重要です。」と述べています。でも、現実の政治家はマクロ経済政策についてはわからないから、「滑った転んだ話」に傾いてしまいます。まさに日本の政治の問題点の一つです。ちゃんと経済学的知識を持っている人が舵取りをしないと、日本はどこに向かってしまうか、心配になります。
第2に、「日本はなぜ正しい金融政策を行えないのか?」です。ほぼ日銀批判になっています。具体的に、誰のどういう発言が問題なのか、それはなぜかを指摘していて、おもしろいと思いました。著者は日銀が量的緩和で資金を供給すればデフレから脱却できると主張しています。
第3に、「日本の未来はどうなるか?」ということで、日本経済(日本国)は破綻しないということと、亀井氏が強引に進めている郵政再国有化がいかに間違っているかを論じています。前者については、日本の債務残高は大きいけれども、保有している資産もまた大きいので、差し引きを(ネットで)計算すれば、債務残高はGDPに対する比率で見て大したことないということです。乙は、こういう見方も可能だとは思いますが、毎年のように政府が赤字予算を組んで、しかも支出先に変なところ(失礼!)が多いのでは、いつかは日本国としておかしくなりそうに思います。それに国の資産が本当にそれだけの価値があるのか、ちゃんと調べてみると、実は帳簿ほどには資産でなくなっているのではないか(帳簿の金額ほどの価値がなくなっているのではないか)という疑いもあります。乙は、高橋氏のように楽観的ではいられません。
ともあれ、第3章だけでも読む価値はありそうに思います。高橋氏はあちこちを切りまくって、歯切れのいい話を展開していますですから、読んでいておもしろいのです。
全体が3章構成になっています。第1章「日本はなぜ不況なのか?――デフレ不況の経済学」、第2章「危機はいかに克服されるか?――危機克服の経済学」、第3章「これからの日本経済はどうなるか?――国家再建の経済学」といった内容です。
三つの章のうち、第1章と第2章は、新書とはいえ、かなり内容が高度で、読みにくく、正直言って乙はお手上げでした。専門用語がバンバン出てくる感じです。
2点だけ、コメントしておきます。
p.082 には図が1枚入っています。図11です。これが本文で参照されていません。そして、図の中に「Nagaku niopebu」と書いてあるのですが、この意味がわかりません。
BIS について、p.127 で説明されています。しかし、p.121 ですでに「BIS」という言葉を使っています。初出のところで説明するのが当然でしょう。
他にも問題はあると思いますが、こういう書き方が本書を読みにくくさせていると思います。
それらに比べて、第3章は内容がわかりやすく、おもしろいものでした。第1章・第2章とずいぶん違う感じです。もしかしてどこかの講演をもとにして書き改めたのかもしれません。それぞれで聴衆のレベルが大きく異なっていたかのようです。
第3章は、大きく三つの部分からなります。
第1に、「日本経済はどうなっていくか?」ですが、民主党の新成長戦略や日銀の現在の政策では、日本経済がうまく回っていかないことを数字をあげて説明しています。経済財政諮問会議の廃止などは非常に乱暴なやり方だったことがわかります。
p.144 では、「国の政策では、極論すればJALが倒産したなどの「滑った転んだ話」よりも、マクロ経済政策のほうが遙かに重要です。」と述べています。でも、現実の政治家はマクロ経済政策についてはわからないから、「滑った転んだ話」に傾いてしまいます。まさに日本の政治の問題点の一つです。ちゃんと経済学的知識を持っている人が舵取りをしないと、日本はどこに向かってしまうか、心配になります。
第2に、「日本はなぜ正しい金融政策を行えないのか?」です。ほぼ日銀批判になっています。具体的に、誰のどういう発言が問題なのか、それはなぜかを指摘していて、おもしろいと思いました。著者は日銀が量的緩和で資金を供給すればデフレから脱却できると主張しています。
第3に、「日本の未来はどうなるか?」ということで、日本経済(日本国)は破綻しないということと、亀井氏が強引に進めている郵政再国有化がいかに間違っているかを論じています。前者については、日本の債務残高は大きいけれども、保有している資産もまた大きいので、差し引きを(ネットで)計算すれば、債務残高はGDPに対する比率で見て大したことないということです。乙は、こういう見方も可能だとは思いますが、毎年のように政府が赤字予算を組んで、しかも支出先に変なところ(失礼!)が多いのでは、いつかは日本国としておかしくなりそうに思います。それに国の資産が本当にそれだけの価値があるのか、ちゃんと調べてみると、実は帳簿ほどには資産でなくなっているのではないか(帳簿の金額ほどの価値がなくなっているのではないか)という疑いもあります。乙は、高橋氏のように楽観的ではいられません。
ともあれ、第3章だけでも読む価値はありそうに思います。高橋氏はあちこちを切りまくって、歯切れのいい話を展開していますですから、読んでいておもしろいのです。
2010年11月28日
メイヤー社について(4)
メイヤー社については以前も書いたとおり
2010.10.14 http://otsu.seesaa.net/article/165649966.html
ですが、その後、もう一つわかったことがありました。
メイヤー社を通じて購入した海外ファンドを解約するとき、メイヤー社を通じて手続きをすると 500 米ドルの手数料がかかるということです。
乙は驚きました。
今までにも、いくつかのブローカーを経由して海外ファンドの解約をしてきましたが、全部無料でした。
ブローカーは運用会社から定期的に手数料を受け取っているはずですが、乙は、それは、解約までめんどうを見てくれるからだと思っていました。ブローカーのサポートといっても、ほとんどするべきことはなく、唯一最大のサポートは解約をスムーズに行えるようにすることです。もしかすると、もう一つ、何らかの事情でそのファンドへの投資を継続するべきでないときに解約するように連絡をくれることもあるかと思います。
ファンドを購入する時点では、解約サポートの手数料 500 米ドルの話は聞いていませんでした。まあきちんと確認しなかった乙が悪いと思いますが、とても意外でした。
500 ドルといえば、1万ドルを投資したとして、5% にも該当します。
メイヤー社を通さずに、運用会社に直接交渉すれば、この分の手数料がかからずに解約できるはずなので、そうしたいと考えています。
なお、本人が死亡したときに、家族が代わって解約の手続きをするときも手数料は同額の 500 米ドルだとのことですが、こちらはある意味で安いと思います。死亡時にはけっこう複雑な手続きが必要なはずですので、これをサポートしてくれるならばこのままにしておく手もあるかと思いました。
2010.10.14 http://otsu.seesaa.net/article/165649966.html
ですが、その後、もう一つわかったことがありました。
メイヤー社を通じて購入した海外ファンドを解約するとき、メイヤー社を通じて手続きをすると 500 米ドルの手数料がかかるということです。
乙は驚きました。
今までにも、いくつかのブローカーを経由して海外ファンドの解約をしてきましたが、全部無料でした。
ブローカーは運用会社から定期的に手数料を受け取っているはずですが、乙は、それは、解約までめんどうを見てくれるからだと思っていました。ブローカーのサポートといっても、ほとんどするべきことはなく、唯一最大のサポートは解約をスムーズに行えるようにすることです。もしかすると、もう一つ、何らかの事情でそのファンドへの投資を継続するべきでないときに解約するように連絡をくれることもあるかと思います。
ファンドを購入する時点では、解約サポートの手数料 500 米ドルの話は聞いていませんでした。まあきちんと確認しなかった乙が悪いと思いますが、とても意外でした。
500 ドルといえば、1万ドルを投資したとして、5% にも該当します。
メイヤー社を通さずに、運用会社に直接交渉すれば、この分の手数料がかからずに解約できるはずなので、そうしたいと考えています。
なお、本人が死亡したときに、家族が代わって解約の手続きをするときも手数料は同額の 500 米ドルだとのことですが、こちらはある意味で安いと思います。死亡時にはけっこう複雑な手続きが必要なはずですので、これをサポートしてくれるならばこのままにしておく手もあるかと思いました。
ラベル:メイヤー社
2010年11月27日
民主党内閣がやったこと、やらなかったこと
日経新聞11月25日夕刊6面に「変わりゆく民主公約」という記事がありました。
2009 年の衆議院選挙のときのマニフェストを取り上げ、それがその後どうなったかを一覧表にしたものです。
公約の検証ということですが、こういうことも新聞の大事な役目でしょう。過去を振り返り、未来のあり方を考える上では、ときどきこんなことをしておかないといけません。
ざっと見ると、以下のようなことになっていました。
・分野
衆院選マニフェスト→現状
という順番で実現度が低いものから高いものの順に書きます。
・外交安保
在日米軍基地のあり方を見直し→普天間基地移設問題は自民政権時の案に逆戻り
中国などアジア諸国との信頼関係構築→尖閣諸島巡り対中関係が緊迫
・税・社会保障
配偶者控除、扶養控除の廃止→政府税調は意欲も、党に慎重論
消費税を財源とする「最低保障年金」(月額7万円以上)を創設(13年までに法改正)→消費税論議を棚上げ
ガソリン税などの暫定税率の廃止→10年度は廃止断念、11年度も党に慎重論
11年度から月2万6000円の子ども手当支給→11年度の満額支給は断念
・政治・行政改革
国家公務員の総人件費2割削減→10年度は人事院勧告通り給与 1.5% 下げ
衆議院定数の80削減→参議院選挙でも約束するが議論停滞
天下り団体の公益法人は原則廃止→09年度国家公務員 462 人が公益法人に再就職
法改正の3年後に企業団体献金を廃止→自粛見直し、受け取り再開を表明
政府に国会議員を 100 人配置→関連法案の成立見通し立たず
・国交・農水
八ツ場ダムの中止→中止方針を事実上撤回し、再検証
高速道路の原則無料化(12年度から 1.3 兆円)→11年度要求は 1500 億円どまり
農業の戸別所得補償(11年度から1兆円)→11年度は約 8000 億円要求
公共事業費を 1.3 兆円削減→10年度に約 1.3 兆円削減。ただし10年度補正予算で公共事業費積み増し
・教育
10年度から公立高校の無償化→10年度から無償化実現
こうやって並べてみると、見事なものです。高校の教育費無償化は実現したものの、それ以外は軒並み達成できていません。まるでほとんど何もやっていないかのように見えます。
これでは、前回の衆議院選挙の結果を踏みにじっているとしか言いようがありません。
各党がそれぞれの政策を掲げて「日本をこうします」と約束し、選挙で多数の支持を得た党が国民の信任を得たとしてその政策の実現を目指していくのが民主主義の世の中(今の日本)のあり方です。しかし、民主党が約束したことがほとんど何も実現できていないかのように見えます。あまりに見事すぎて声も出ません。
このまま次の衆議院選挙を迎えれば、民主党の大敗は間違いなしです。だって、「やる」といったことがやられていないのですから、そういう約束をした党が「次にこうやります」と言ったって、それを信じる人はいないでしょう。民主党は「何もできない党」でしかありません。
民主党が公約を守らないことだけが問題ではありません。
こういうことになったことで、国民の政治不信をいよいよ増幅させてしまったことがさらに大問題なのです。
2009 年の衆議院選挙のときのマニフェストを取り上げ、それがその後どうなったかを一覧表にしたものです。
公約の検証ということですが、こういうことも新聞の大事な役目でしょう。過去を振り返り、未来のあり方を考える上では、ときどきこんなことをしておかないといけません。
ざっと見ると、以下のようなことになっていました。
・分野
衆院選マニフェスト→現状
という順番で実現度が低いものから高いものの順に書きます。
・外交安保
在日米軍基地のあり方を見直し→普天間基地移設問題は自民政権時の案に逆戻り
中国などアジア諸国との信頼関係構築→尖閣諸島巡り対中関係が緊迫
・税・社会保障
配偶者控除、扶養控除の廃止→政府税調は意欲も、党に慎重論
消費税を財源とする「最低保障年金」(月額7万円以上)を創設(13年までに法改正)→消費税論議を棚上げ
ガソリン税などの暫定税率の廃止→10年度は廃止断念、11年度も党に慎重論
11年度から月2万6000円の子ども手当支給→11年度の満額支給は断念
・政治・行政改革
国家公務員の総人件費2割削減→10年度は人事院勧告通り給与 1.5% 下げ
衆議院定数の80削減→参議院選挙でも約束するが議論停滞
天下り団体の公益法人は原則廃止→09年度国家公務員 462 人が公益法人に再就職
法改正の3年後に企業団体献金を廃止→自粛見直し、受け取り再開を表明
政府に国会議員を 100 人配置→関連法案の成立見通し立たず
・国交・農水
八ツ場ダムの中止→中止方針を事実上撤回し、再検証
高速道路の原則無料化(12年度から 1.3 兆円)→11年度要求は 1500 億円どまり
農業の戸別所得補償(11年度から1兆円)→11年度は約 8000 億円要求
公共事業費を 1.3 兆円削減→10年度に約 1.3 兆円削減。ただし10年度補正予算で公共事業費積み増し
・教育
10年度から公立高校の無償化→10年度から無償化実現
こうやって並べてみると、見事なものです。高校の教育費無償化は実現したものの、それ以外は軒並み達成できていません。まるでほとんど何もやっていないかのように見えます。
これでは、前回の衆議院選挙の結果を踏みにじっているとしか言いようがありません。
各党がそれぞれの政策を掲げて「日本をこうします」と約束し、選挙で多数の支持を得た党が国民の信任を得たとしてその政策の実現を目指していくのが民主主義の世の中(今の日本)のあり方です。しかし、民主党が約束したことがほとんど何も実現できていないかのように見えます。あまりに見事すぎて声も出ません。
このまま次の衆議院選挙を迎えれば、民主党の大敗は間違いなしです。だって、「やる」といったことがやられていないのですから、そういう約束をした党が「次にこうやります」と言ったって、それを信じる人はいないでしょう。民主党は「何もできない党」でしかありません。
民主党が公約を守らないことだけが問題ではありません。
こういうことになったことで、国民の政治不信をいよいよ増幅させてしまったことがさらに大問題なのです。
2010年11月26日
マイレター.JP のサービスを解約
乙は、「乙川乙彦」名での郵便物や荷物のやりとりのために、住所がほしいと思い、ネットで探して、マイレター.JP のサービスを利用してきました。名刺にも品川区の「住所」を記載していました。こちらに郵便物を送ると、乙の本当の自宅あてに転送してくれるサービスです。
しかし、11月末をもって、これを解約することにしました。
一つには、この会社の「住所」が移転するということがあります。つまり、いずれにせよ名刺を作り直さなければならないということです。
もう一つ、乙あての郵便物や荷物があまりにも少ないということがあります。以前は基本料が無料サービスで、転送郵便物ごとに料金が発生する仕組みだったのですが、現在は有料サービスになり、毎月 525 円かかることになっています。ほとんど使わない住所の確保のために年間 6,300 円は痛いです。
というわけで、ふたたび「住所なし」に戻ることになります。
いずれにせよ、名刺も近日中に作り替えなければなりません。
これからは、乙の知り合いにでも転送を依頼してみましょうか。
しかし、11月末をもって、これを解約することにしました。
一つには、この会社の「住所」が移転するということがあります。つまり、いずれにせよ名刺を作り直さなければならないということです。
もう一つ、乙あての郵便物や荷物があまりにも少ないということがあります。以前は基本料が無料サービスで、転送郵便物ごとに料金が発生する仕組みだったのですが、現在は有料サービスになり、毎月 525 円かかることになっています。ほとんど使わない住所の確保のために年間 6,300 円は痛いです。
というわけで、ふたたび「住所なし」に戻ることになります。
いずれにせよ、名刺も近日中に作り替えなければなりません。
これからは、乙の知り合いにでも転送を依頼してみましょうか。
2010年11月25日
スカイマークが欧州路線に就航
乙がおもしろく思ったことがあります。
日本の格安航空会社・スカイマークが国際線を飛ばすというニュースがありました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101119/217186/
おもしろいのが、新たに開設するのがアジア路線ではなく、欧州路線だというところです。
日本航空や全日空に対抗して利益を上げていく方が、エア・アジアなどの格安航空会社の競争が厳しいアジア地域でがんばるよりもよいという現実的な経営判断の結果です。
JAL も ANA も見下されたものです。スカイマークに対抗しようと思っても、今までのいきさつ上、そう簡単には行かないようです。それを見越してスカイマークが進出してきているわけです。
しかも、800 人以上を収容できる機体に 394 人用の座席を設けるという話ですから、スカイマーク便はビジネスクラスやファーストクラスが中心になると思われます。スカイマークがこういう構想を立てているのもけっこうなことです。単なる格安航空とひと味違います。
スカイマークの戦略は興味深いものです。こういう発想に将来性を感じます。
とはいえ、これが顧客に受け入れられるかどうかは別問題です。事前の綿密な市場調査などにより、これでやっていけると判断したのでしょうが、本当に大丈夫かどうかはもう少し時間が経ってみないとわかりません。
客の側からすれば、外国に安全に飛んでいければいいのであって、何も日本の航空会社である必要はありません。(ただし、客室乗務員は日本語が完全にできる日本人である方が安心感があります。)本当に日本の空が自由化されるならば、アジアのLCCが日本と欧州を結ぶ路線を開設してもいいはずです。そうなれば、スカイマークとはまた違った旅のスタイルができるのではないでしょうか。
最近は、アジアのLCCで働く日本人客室乗務員も増えつつあるという話を聞きます。
客室乗務員については、高い運賃を払って日本人客室乗務員がたくさんいる便に乗るか、安い運賃で日本人客室乗務員がいない(したがって英語で意思を伝えるしかない)便を選ぶか、悩ましい選択があります。客の英語能力の程度と運賃の差額の大小によって判断も分かれるでしょう。
何にせよ、多様な旅行プランが可能なのはいいことです。そのような状況が実現すれば、客の選択によっておのずと最適な旅行ができるようになるはずです。
関連記事:
http://www.shinoby.net/2010/11/post-2257.html
日本の格安航空会社・スカイマークが国際線を飛ばすというニュースがありました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101119/217186/
おもしろいのが、新たに開設するのがアジア路線ではなく、欧州路線だというところです。
日本航空や全日空に対抗して利益を上げていく方が、エア・アジアなどの格安航空会社の競争が厳しいアジア地域でがんばるよりもよいという現実的な経営判断の結果です。
JAL も ANA も見下されたものです。スカイマークに対抗しようと思っても、今までのいきさつ上、そう簡単には行かないようです。それを見越してスカイマークが進出してきているわけです。
しかも、800 人以上を収容できる機体に 394 人用の座席を設けるという話ですから、スカイマーク便はビジネスクラスやファーストクラスが中心になると思われます。スカイマークがこういう構想を立てているのもけっこうなことです。単なる格安航空とひと味違います。
スカイマークの戦略は興味深いものです。こういう発想に将来性を感じます。
とはいえ、これが顧客に受け入れられるかどうかは別問題です。事前の綿密な市場調査などにより、これでやっていけると判断したのでしょうが、本当に大丈夫かどうかはもう少し時間が経ってみないとわかりません。
客の側からすれば、外国に安全に飛んでいければいいのであって、何も日本の航空会社である必要はありません。(ただし、客室乗務員は日本語が完全にできる日本人である方が安心感があります。)本当に日本の空が自由化されるならば、アジアのLCCが日本と欧州を結ぶ路線を開設してもいいはずです。そうなれば、スカイマークとはまた違った旅のスタイルができるのではないでしょうか。
最近は、アジアのLCCで働く日本人客室乗務員も増えつつあるという話を聞きます。
客室乗務員については、高い運賃を払って日本人客室乗務員がたくさんいる便に乗るか、安い運賃で日本人客室乗務員がいない(したがって英語で意思を伝えるしかない)便を選ぶか、悩ましい選択があります。客の英語能力の程度と運賃の差額の大小によって判断も分かれるでしょう。
何にせよ、多様な旅行プランが可能なのはいいことです。そのような状況が実現すれば、客の選択によっておのずと最適な旅行ができるようになるはずです。
関連記事:
http://www.shinoby.net/2010/11/post-2257.html
2010年11月24日
投資におけるプロとアマ
「吊られた男の投資ブログ」に興味深い記事が出ていました。
http://blog.livedoor.jp/tsurao/archives/1466097.html
個人投資家はアマチュアです。プロとアマでは成功条件が異なるというのが主張の眼目です。
乙はこの考え方に賛同します。
さらに、もう一つ、考えるべきことがあります。
市場におけるプロ間のディーリングでは、お互いにプラスになったりマイナスになったりで儲けが出ないことになりがちです。しかし、個人投資家が参加してくると、それが違ってきます。プロにとっては、個人投資家はいつも儲けの対象です。必ず個人投資家が負け、プロが勝つのです。プロにしてみれば、個人投資家はネギをしょったカモです。どれくらいむしり取れるかが勝負です。個人投資家としては「どのくらい負けるか」が問題です。わずかに負けるくらいなら、手数料と考えて「よし」としましょう。
こんなことを考えると、個人投資家から大量の資金を集めて、低い手数料で運用することで、プロもアマも満足する仕組みが作れます。投資の世界では、こちらに向かうしか Win-Win の関係は作れないのかもしれません。
http://blog.livedoor.jp/tsurao/archives/1466097.html
個人投資家はアマチュアです。プロとアマでは成功条件が異なるというのが主張の眼目です。
乙はこの考え方に賛同します。
さらに、もう一つ、考えるべきことがあります。
市場におけるプロ間のディーリングでは、お互いにプラスになったりマイナスになったりで儲けが出ないことになりがちです。しかし、個人投資家が参加してくると、それが違ってきます。プロにとっては、個人投資家はいつも儲けの対象です。必ず個人投資家が負け、プロが勝つのです。プロにしてみれば、個人投資家はネギをしょったカモです。どれくらいむしり取れるかが勝負です。個人投資家としては「どのくらい負けるか」が問題です。わずかに負けるくらいなら、手数料と考えて「よし」としましょう。
こんなことを考えると、個人投資家から大量の資金を集めて、低い手数料で運用することで、プロもアマも満足する仕組みが作れます。投資の世界では、こちらに向かうしか Win-Win の関係は作れないのかもしれません。
ラベル:個人投資家
2010年11月23日
日本の技術が中国へ流出
乙は DIAMOND ONLINE で読んだのですが、
http://diamond.jp/articles/-/10139
本来はNHK「追跡! AtoZ」取材班の執筆によるものです。「技術立国・ニッポンに赤信号? リストラされた日本人技術者が作る「高品質のメイド・イン・チャイナ」」という題名の記事ですが、驚きの技術流出が描かれていました。乙が驚いたことは二つありました。
第1に、50代のリストラされた日本人技術者が中国に行って、現地の企業の指導にあたっているという話です。日本の中では、リストラされた中高年技術者を新たに雇ってくれるところがないというのはその通りでしょう。技術者の側からすれば、食っていくためには働く必要があるし、そうなれば、中国でもどこでも働ければいいというのは理解できます。ただし、こうして、中国企業が日本の技術を盗み(ちょっと言い過ぎました。「導入し」くらいが穏当な表現でしょう)、それを利用して日本企業を打ち負かしていくのは、何ともやりきれない気がします。
こうして、ハイアールなどの中国企業は日本人向けの高品質の製品を安く大量に作って日本に輸出してくるのですから、迎え撃つ日本企業は非常に厳しいことになります。
とはいえ、中国企業の「技術開発力」も、一皮むけば、そこには日本人ありということですから、大したことないのかもしれません。しかし、こういう経営戦略を作り、実行し、成果を上げていく経営者のセンスはなかなかのものであり、あなどれないように思いました。
そして第2に、求職者の選考方法ですが、面接ではなく、レポートによる試験ということで、1週間以内に、ヒット商品を生むノウハウをまとめて提出するよう言われたとのことです。乙は、さらにうなってしまいました。実は日本人技術者さえも不要なのです。中国企業は無料で技術者からノウハウを手に入れることができるのです。
まあ、レポートだけでうまくいくとは限りませんから、たぶん中国企業は日本人技術者を採用するだろうと思います。しかし、契約期間は1年ごとの更新制だそうですから、中国企業としては、しばらく技術者を使ってみて、その人のもつノウハウを充分吸収し尽くしたと思ったら、その時点で技術者を放り出せばいいというわけです。これでは、技術者側としては、いくら給料が高くても、安心して働くことはできません。いや、それでも、国内に仕事がなければ、中国に行くしかないという現状が嘆かわしいわけです。
日本企業の海外流出に加えて、技術者の海外流出も無視できない状態になっています。
日本人投資家たちも、すでに日本企業だけが投資先でないと考えるようになってきています。資金も海外に流出しているというわけです。
この傾向が続くとき、日本に残るものは一体何だろうということになります。
日本の未来は、ますます暗いものにならざるを得ないように思えてきました。
http://diamond.jp/articles/-/10139
本来はNHK「追跡! AtoZ」取材班の執筆によるものです。「技術立国・ニッポンに赤信号? リストラされた日本人技術者が作る「高品質のメイド・イン・チャイナ」」という題名の記事ですが、驚きの技術流出が描かれていました。乙が驚いたことは二つありました。
第1に、50代のリストラされた日本人技術者が中国に行って、現地の企業の指導にあたっているという話です。日本の中では、リストラされた中高年技術者を新たに雇ってくれるところがないというのはその通りでしょう。技術者の側からすれば、食っていくためには働く必要があるし、そうなれば、中国でもどこでも働ければいいというのは理解できます。ただし、こうして、中国企業が日本の技術を盗み(ちょっと言い過ぎました。「導入し」くらいが穏当な表現でしょう)、それを利用して日本企業を打ち負かしていくのは、何ともやりきれない気がします。
こうして、ハイアールなどの中国企業は日本人向けの高品質の製品を安く大量に作って日本に輸出してくるのですから、迎え撃つ日本企業は非常に厳しいことになります。
とはいえ、中国企業の「技術開発力」も、一皮むけば、そこには日本人ありということですから、大したことないのかもしれません。しかし、こういう経営戦略を作り、実行し、成果を上げていく経営者のセンスはなかなかのものであり、あなどれないように思いました。
そして第2に、求職者の選考方法ですが、面接ではなく、レポートによる試験ということで、1週間以内に、ヒット商品を生むノウハウをまとめて提出するよう言われたとのことです。乙は、さらにうなってしまいました。実は日本人技術者さえも不要なのです。中国企業は無料で技術者からノウハウを手に入れることができるのです。
まあ、レポートだけでうまくいくとは限りませんから、たぶん中国企業は日本人技術者を採用するだろうと思います。しかし、契約期間は1年ごとの更新制だそうですから、中国企業としては、しばらく技術者を使ってみて、その人のもつノウハウを充分吸収し尽くしたと思ったら、その時点で技術者を放り出せばいいというわけです。これでは、技術者側としては、いくら給料が高くても、安心して働くことはできません。いや、それでも、国内に仕事がなければ、中国に行くしかないという現状が嘆かわしいわけです。
日本企業の海外流出に加えて、技術者の海外流出も無視できない状態になっています。
日本人投資家たちも、すでに日本企業だけが投資先でないと考えるようになってきています。資金も海外に流出しているというわけです。
この傾向が続くとき、日本に残るものは一体何だろうということになります。
日本の未来は、ますます暗いものにならざるを得ないように思えてきました。
2010年11月22日
堀江貴文(2010.6)『拝金』徳間書店
乙が読んだ本です。小説でありフィクションです。
とはいえ、自伝的小説なので、ノンフィクション的な味つけが効いていて、とてもおもしろいと思いました。しかし、あくまで全体が「小説」であり「フィクション」ですから、何がフィクションで何がノンフィクションかわかりません。乙はこの点がかなり不満でした。男にも女にもクラスがあるなどという話は、ヒルズ族だった著者ならではの書きぶりだと思いますが、でも、それが本当なのかどうか、わかりません。全体がフィクションであれば、その中にノンフィクション的な部分を含ませても、それもまたフィクションなのです。
乙は普段ほとんど「小説」を読みませんが、それは、こういうところが嫌いなのだということがよくわかりました。
今は、小説中のネクサスドアはライブドアのことだ、ヤマトテレビはフジテレビのことだとわかりますが、20年も経ったらそんなことは忘れ去られてしまうのでしょうね。その段階で、この小説がおもしろいと感じられるかどうか。それがこの小説の価値を決めるように思います。
内容的には、一人の貧しい若者が大きなビジネスを起こしていくといったもので、よく書けていると思います。
とはいえ、自伝的小説なので、ノンフィクション的な味つけが効いていて、とてもおもしろいと思いました。しかし、あくまで全体が「小説」であり「フィクション」ですから、何がフィクションで何がノンフィクションかわかりません。乙はこの点がかなり不満でした。男にも女にもクラスがあるなどという話は、ヒルズ族だった著者ならではの書きぶりだと思いますが、でも、それが本当なのかどうか、わかりません。全体がフィクションであれば、その中にノンフィクション的な部分を含ませても、それもまたフィクションなのです。
乙は普段ほとんど「小説」を読みませんが、それは、こういうところが嫌いなのだということがよくわかりました。
今は、小説中のネクサスドアはライブドアのことだ、ヤマトテレビはフジテレビのことだとわかりますが、20年も経ったらそんなことは忘れ去られてしまうのでしょうね。その段階で、この小説がおもしろいと感じられるかどうか。それがこの小説の価値を決めるように思います。
内容的には、一人の貧しい若者が大きなビジネスを起こしていくといったもので、よく書けていると思います。
2010年11月21日
全国のラブホテルが存続の危機
乙は、週刊ダイヤモンドの記事
http://diamond.jp/articles/-/10125
で知りました。
2011年1月に施行される風俗営業法の改正で、全国のラブホテル(最近はレジャーホテルともいいますが)が存続の危機に晒されているというのです。
東京都の渋谷警察署によれば、「(前略)徹底して摘発するから、半数は廃業に追い込まれると思いますよ」ということだそうです。
こうして、産業が一つつぶされるのかもしれません。
支払ったグレーゾーン金利分を事後的に取り戻せるという裁判所の判断でサラ金業界もつぶれたし、強度偽装事件のせいで建築基準法が改正され、建築業界は青息吐息です。
ラブホテル業界も似たようなことになるかもしれません。
警察としては、法律に従って取り締まるしかないわけです。
問題は、法律を作る側、つまり国会議員です。この人たちの判断で、日本の不況がさらにひどくなりそうです。
http://diamond.jp/articles/-/10125
で知りました。
2011年1月に施行される風俗営業法の改正で、全国のラブホテル(最近はレジャーホテルともいいますが)が存続の危機に晒されているというのです。
東京都の渋谷警察署によれば、「(前略)徹底して摘発するから、半数は廃業に追い込まれると思いますよ」ということだそうです。
こうして、産業が一つつぶされるのかもしれません。
支払ったグレーゾーン金利分を事後的に取り戻せるという裁判所の判断でサラ金業界もつぶれたし、強度偽装事件のせいで建築基準法が改正され、建築業界は青息吐息です。
ラブホテル業界も似たようなことになるかもしれません。
警察としては、法律に従って取り締まるしかないわけです。
問題は、法律を作る側、つまり国会議員です。この人たちの判断で、日本の不況がさらにひどくなりそうです。
ラベル:ラブホテル
2010年11月20日
マネックス証券でのアメリカ国債の扱い
乙は水瀬ケンイチさんのブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」で知りました。
http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-1567.html
マネックス証券で米国債が買えるようになるという話です。
さっそくサイト
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2010/news1011a.htm
を見てみると、やはり予想通り、手数料(見えないものも含む)が書いてありません。書いてないから「見えない」のですが。
それどころか、「取引手数料 債券の買付・売却自体には取引手数料はかかりません(外貨建て債券の円貨決済には所定の為替手数料がかかります)」と書いてあって、手数料無料で買えるかのように書いてあります。(いや、それはある意味ではそうかもしれません。)
しかし、手数料無料では、取扱金融機関の儲けがないわけで、それでは民間企業としてやっていけません。ここらあたりをもう少し丁寧に説明してほしいところです。
なお、外国債券の手数料については、以前ブログ記事
2007.7.14 http://otsu.seesaa.net/article/47766706.html
でちょっと書いたことがあります。見えないようにして手数料がかかっているはずです。
参考記事:
http://nakatatarou.blog110.fc2.com/blog-entry-643.html
http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-1567.html
マネックス証券で米国債が買えるようになるという話です。
さっそくサイト
http://www.monex.co.jp/AboutUs/00000000/guest/G800/new2010/news1011a.htm
を見てみると、やはり予想通り、手数料(見えないものも含む)が書いてありません。書いてないから「見えない」のですが。
それどころか、「取引手数料 債券の買付・売却自体には取引手数料はかかりません(外貨建て債券の円貨決済には所定の為替手数料がかかります)」と書いてあって、手数料無料で買えるかのように書いてあります。(いや、それはある意味ではそうかもしれません。)
しかし、手数料無料では、取扱金融機関の儲けがないわけで、それでは民間企業としてやっていけません。ここらあたりをもう少し丁寧に説明してほしいところです。
なお、外国債券の手数料については、以前ブログ記事
2007.7.14 http://otsu.seesaa.net/article/47766706.html
でちょっと書いたことがあります。見えないようにして手数料がかかっているはずです。
参考記事:
http://nakatatarou.blog110.fc2.com/blog-entry-643.html
2010年11月19日
クルマの買い換えをすすめられて(続)
昨日の記事
2010.11.18 http://otsu.seesaa.net/article/169775787.html
の続きです。ぺこぽんさんからコメントをいただいたので、さらに考えてみました。
乙が今乗っているクルマは、7年前に 260 万円(諸費用込み)で買いました。
先日の査定では、7年落ちで20万円ほどだといわれました。
ここで、毎年3割減価するとして、計算すると、新車購入時から1年ごとに以下のような価値があるものと計算されます。
260万→182→127.4→89.2→62.4→43.7→30.6→21.4万
当初の予定通り、あと3年乗ると、これが、15→10.5→7.3万 となると思われます。
まあ、10年落ちのクルマに7万円の価値があるかどうかは大いに疑問ですが、ディーラーがクルマの値引きのつもりでこんな査定をすることもありうるように思います。
これは査定額なので、中古車販売価格なら、これに3割くらい上乗せして売るのでしょうか。
乙は、中古車の価格にうといので、こんな計算が成り立つのかどうか、よくわかりませんが、いかがでしょうか。クルマに詳しい方、教えてください。
さて、こんなことを考えると、新車は当初の数年が価値の下落幅が非常に大きいことがわかります。新車を買って3年の車検の前に乗り換えるというのは、この大きな下落幅を自分が負担するということであり、極めて高い買い物になると思います。
一番安上がりにクルマに乗るには、逆に、数年落ちの中古車に乗る(そしてその後長く乗る)ことだという結論になります。
乙が最初に乗ったクルマは、3年落ちの中古車でしたが、信じられないような安い価格で買えたことを思い出します。
長く乗ると車検の費用が大変だという声も聞きますが、新車購入後の毎年数十万円の減価を考えれば、安いものだと思います。
2010.11.18 http://otsu.seesaa.net/article/169775787.html
の続きです。ぺこぽんさんからコメントをいただいたので、さらに考えてみました。
乙が今乗っているクルマは、7年前に 260 万円(諸費用込み)で買いました。
先日の査定では、7年落ちで20万円ほどだといわれました。
ここで、毎年3割減価するとして、計算すると、新車購入時から1年ごとに以下のような価値があるものと計算されます。
260万→182→127.4→89.2→62.4→43.7→30.6→21.4万
当初の予定通り、あと3年乗ると、これが、15→10.5→7.3万 となると思われます。
まあ、10年落ちのクルマに7万円の価値があるかどうかは大いに疑問ですが、ディーラーがクルマの値引きのつもりでこんな査定をすることもありうるように思います。
これは査定額なので、中古車販売価格なら、これに3割くらい上乗せして売るのでしょうか。
乙は、中古車の価格にうといので、こんな計算が成り立つのかどうか、よくわかりませんが、いかがでしょうか。クルマに詳しい方、教えてください。
さて、こんなことを考えると、新車は当初の数年が価値の下落幅が非常に大きいことがわかります。新車を買って3年の車検の前に乗り換えるというのは、この大きな下落幅を自分が負担するということであり、極めて高い買い物になると思います。
一番安上がりにクルマに乗るには、逆に、数年落ちの中古車に乗る(そしてその後長く乗る)ことだという結論になります。
乙が最初に乗ったクルマは、3年落ちの中古車でしたが、信じられないような安い価格で買えたことを思い出します。
長く乗ると車検の費用が大変だという声も聞きますが、新車購入後の毎年数十万円の減価を考えれば、安いものだと思います。
2010年11月18日
クルマの買い換えをすすめられて
乙のクルマにはハードディスク式のカーナビがついています。この地図がちょっと古くなってきたので、書き換えてもらおうと思いました。
今のクルマは7年乗っていますが、購入してから3年後に一度地図の書き換えをしているので、それから4年経っていることになります。首都高速の中央環状線が開通したことなどがカーナビの地図に反映されていないと何かと不便です。
で、ディーラーにクルマで行ったのですが、そのとき、クルマの買い換えをすすめられました。同じ車種でどうかという話です。今のクルマを下取りすれば 200 万円くらいで購入できるということで、ちょっと買い換えを考えてもいいかなと思いました。200 万円であれば、あちこちの銀行や証券会社に置いてあるキャッシュをかき集めれば、何とかなりそうな金額です。ディーラーには試乗車があったので、ちょっと試乗してみると、同じ車種とはいえ、いろいろ新しくなっており、乗り心地もよく、快適でした。さすがに新車です。
しかし、乙は今乗っているクルマでも特に不満はなく、2万円ほどでカーナビの地図を書き換えれば、今のまま乗り続けてもいいのではないかと思いました。(来年はアナログテレビが見られなくなるので、再度、対応が必要になりますが。)
クルマを買ったときには、目標として10年10万キロを乗ったら乗り換えようと思っていました。
さて、どうするか。
息子たちにも意見を求めると、同じ車種を乗り継ぐのはどうかということでした。次に乗り換えるなら、こんなクルマにしたいとか、ハイブリッド車で燃費を改善したいとか、何かねらいをはっきりさせるべきだということです。それもそうだと思いました。
今回は、クルマの乗り換えは見送り、あと3年ほどしたら考えようかと思っています。ということは、今はハードディスクの地図の書き換えを依頼するということです。
今のクルマは7年乗っていますが、購入してから3年後に一度地図の書き換えをしているので、それから4年経っていることになります。首都高速の中央環状線が開通したことなどがカーナビの地図に反映されていないと何かと不便です。
で、ディーラーにクルマで行ったのですが、そのとき、クルマの買い換えをすすめられました。同じ車種でどうかという話です。今のクルマを下取りすれば 200 万円くらいで購入できるということで、ちょっと買い換えを考えてもいいかなと思いました。200 万円であれば、あちこちの銀行や証券会社に置いてあるキャッシュをかき集めれば、何とかなりそうな金額です。ディーラーには試乗車があったので、ちょっと試乗してみると、同じ車種とはいえ、いろいろ新しくなっており、乗り心地もよく、快適でした。さすがに新車です。
しかし、乙は今乗っているクルマでも特に不満はなく、2万円ほどでカーナビの地図を書き換えれば、今のまま乗り続けてもいいのではないかと思いました。(来年はアナログテレビが見られなくなるので、再度、対応が必要になりますが。)
クルマを買ったときには、目標として10年10万キロを乗ったら乗り換えようと思っていました。
さて、どうするか。
息子たちにも意見を求めると、同じ車種を乗り継ぐのはどうかということでした。次に乗り換えるなら、こんなクルマにしたいとか、ハイブリッド車で燃費を改善したいとか、何かねらいをはっきりさせるべきだということです。それもそうだと思いました。
今回は、クルマの乗り換えは見送り、あと3年ほどしたら考えようかと思っています。ということは、今はハードディスクの地図の書き換えを依頼するということです。
ラベル:クルマ
2010年11月17日
香港からのエアメールは安い
乙は、香港で投資していることもあって、たまに香港から郵便が(airmail で)届きます。
先日、ふと気になって料金を見てみると、$03.00 というスタンプが押してありました。
香港ドルで3ドルということですね。現在、1香港ドルは10円くらいですから、つまり、30円で香港から日本へ航空便が送れることになります。
日本から香港へ航空便を送ると、定形郵便 25g までで 90 円かかります。
この郵便料金の差は何なんでしょう。
為替レートが円安ということはなく、むしろ、円高です。(香港ドルは米ドルとペッグしています。)
日本郵便が(香港より)非効率的なのかもしれません。
こんなのは大した問題ではなさそうですが、香港と日本でビジネスを行うことを考えると、このようなコストの差が影響することもあるでしょう。日本国内の企業が海外(特にアジア)に出ていくことの裏に、こんなこともあるのかと考えさせられました。
日本は、法人税が高いとか、航空運賃が高いとか、高速道路が高いとか、人件費が高いとか、いろいろ問題がありますが、そんなにいわれない場合でも、けっこういろいろな面で外国と「格差」があるのかもしれません。日本人は、日本国内に住む限り、そんなことは知らないままで生活していることになるわけですが。
香港から届いた1通の郵便で考えたことを記しました。
先日、ふと気になって料金を見てみると、$03.00 というスタンプが押してありました。
香港ドルで3ドルということですね。現在、1香港ドルは10円くらいですから、つまり、30円で香港から日本へ航空便が送れることになります。
日本から香港へ航空便を送ると、定形郵便 25g までで 90 円かかります。
この郵便料金の差は何なんでしょう。
為替レートが円安ということはなく、むしろ、円高です。(香港ドルは米ドルとペッグしています。)
日本郵便が(香港より)非効率的なのかもしれません。
こんなのは大した問題ではなさそうですが、香港と日本でビジネスを行うことを考えると、このようなコストの差が影響することもあるでしょう。日本国内の企業が海外(特にアジア)に出ていくことの裏に、こんなこともあるのかと考えさせられました。
日本は、法人税が高いとか、航空運賃が高いとか、高速道路が高いとか、人件費が高いとか、いろいろ問題がありますが、そんなにいわれない場合でも、けっこういろいろな面で外国と「格差」があるのかもしれません。日本人は、日本国内に住む限り、そんなことは知らないままで生活していることになるわけですが。
香港から届いた1通の郵便で考えたことを記しました。
2010年11月16日
アメリカ債券に投資するか
乙は、自分のポートフォリオを見直したとき、アメリカ債券がやや比率が低いと感じました。
2010.9.9 http://otsu.seesaa.net/article/161931018.html
そこで、普通ならばアメリカ債券に投資することになるのですが、さて、どうしたものでしょう。
債券といっても、社債は判断がむずかしいので、財務省債券(ほぼ国債相当)かそれに準じるものに限定します。
アメリカの短期金利は、下がるところまで下がってしまって、もうこれ以上下がりません。日本とどっこいどっこいです。
すると、これからは金利が上がる方向に変化するしかないわけで、早かれ遅かれ、金利は上がるでしょう。金利が上がれば債券価格は下落します。確実に下落するとわかっている金融商品を買うのは変です。
長期金利もだいぶ下がっているような感じです。長期金利は、値動きがよくわかりませんが、投資するならこんなものでしょうか。
ETF では、短期債券、長期債券それぞれに投資するものがありますが、短期債券に投資するものは購入意欲がわかないということです。
短期も長期もごちゃ混ぜに投資する ETF もありますが、こんなものも、あまり明るい見通しはないように思えます。
ポートフォリオが少しくらい理想からずれても、今は債券投資を見合わせて、時間が経つのを待つというのでもよさそうな気がしています。
あ、日本の債券(国債)も同じで、投資先としてはまったく魅力がないように思えます。
そんなことを考えると、インデックス投資はむずかしいという話になってきます。
なかなか悩みは深いです。
2010.9.9 http://otsu.seesaa.net/article/161931018.html
そこで、普通ならばアメリカ債券に投資することになるのですが、さて、どうしたものでしょう。
債券といっても、社債は判断がむずかしいので、財務省債券(ほぼ国債相当)かそれに準じるものに限定します。
アメリカの短期金利は、下がるところまで下がってしまって、もうこれ以上下がりません。日本とどっこいどっこいです。
すると、これからは金利が上がる方向に変化するしかないわけで、早かれ遅かれ、金利は上がるでしょう。金利が上がれば債券価格は下落します。確実に下落するとわかっている金融商品を買うのは変です。
長期金利もだいぶ下がっているような感じです。長期金利は、値動きがよくわかりませんが、投資するならこんなものでしょうか。
ETF では、短期債券、長期債券それぞれに投資するものがありますが、短期債券に投資するものは購入意欲がわかないということです。
短期も長期もごちゃ混ぜに投資する ETF もありますが、こんなものも、あまり明るい見通しはないように思えます。
ポートフォリオが少しくらい理想からずれても、今は債券投資を見合わせて、時間が経つのを待つというのでもよさそうな気がしています。
あ、日本の債券(国債)も同じで、投資先としてはまったく魅力がないように思えます。
そんなことを考えると、インデックス投資はむずかしいという話になってきます。
なかなか悩みは深いです。
2010年11月15日
みずほ銀行から「<投資信託>「特定口座」のみなし廃止のご案内」
乙が口座を開設しているみずほ銀行から「<投資信託>「特定口座」のみなし廃止のご案内」という手紙が届きました。
特定口座の残高がなくなってから2年を経過した日の属する年の12月31日までの間に残高が発生しなかった場合は、その年の翌年の1月1日に特定口座を廃止することになっているとのことです。
なるほど。
そういえば、以前、みずほ銀行で投資信託を購入したことがありましたっけ。
2006.3.10 http://otsu.seesaa.net/article/14552734.html
その後、その投資信託は解約して、ずっとそのままです。何といっても、銀行には投資家に有利な金融商品は置いてないですから、現金の移動だけに使っています。
「特定口座」は廃止でけっこうです。
特定口座の残高がなくなってから2年を経過した日の属する年の12月31日までの間に残高が発生しなかった場合は、その年の翌年の1月1日に特定口座を廃止することになっているとのことです。
なるほど。
そういえば、以前、みずほ銀行で投資信託を購入したことがありましたっけ。
2006.3.10 http://otsu.seesaa.net/article/14552734.html
その後、その投資信託は解約して、ずっとそのままです。何といっても、銀行には投資家に有利な金融商品は置いてないですから、現金の移動だけに使っています。
「特定口座」は廃止でけっこうです。
2010年11月14日
自宅の塗装工事
そういえば、ふと思い出しました。
この春に自宅で塗装工事をしました。
工事金額の見積は 400 万円ほどだったのですが、(ここまでの話はブログに書きました)
2009.11.24 http://otsu.seesaa.net/article/133750005.html
結局、別の業者から見積を取り、結果的に約 230 万円かかりました。これで20〜25年は塗装が持つという話です。ホントかどうかは、それだけの時間が経ってみないと何ともわかりません。
工事中は、足場を組んだりして、2週間ほど蜘蛛の巣に包まれるような感じで生活していました。窓も開けられませんでした。駐車場にも足場用の柱が入るために、乙のクルマを2週間別の場所に移動したりして、かなり大変でした。
臨時の出費となりましたが、まあ、しかたがないですね。
自宅を持っていると、メンテナンスの類で何かとお金がかかるという話でした。自分で所有しているから家賃ゼロでいいという簡単な話ではありません。
この春に自宅で塗装工事をしました。
工事金額の見積は 400 万円ほどだったのですが、(ここまでの話はブログに書きました)
2009.11.24 http://otsu.seesaa.net/article/133750005.html
結局、別の業者から見積を取り、結果的に約 230 万円かかりました。これで20〜25年は塗装が持つという話です。ホントかどうかは、それだけの時間が経ってみないと何ともわかりません。
工事中は、足場を組んだりして、2週間ほど蜘蛛の巣に包まれるような感じで生活していました。窓も開けられませんでした。駐車場にも足場用の柱が入るために、乙のクルマを2週間別の場所に移動したりして、かなり大変でした。
臨時の出費となりましたが、まあ、しかたがないですね。
自宅を持っていると、メンテナンスの類で何かとお金がかかるという話でした。自分で所有しているから家賃ゼロでいいという簡単な話ではありません。
ラベル:塗装工事
2010年11月13日
食糧危機は心配いらない
乙がネットで見かけた記事ですが、川島 博之「食糧危機がまだ心配? 4つのリスクは杞憂に過ぎない」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4791
というものがあります。
食糧危機は心配いらないという趣旨です。
乙も、この見方に賛成します。
「食糧安保」などという考え方をする人もいますが、石油のほぼ全量を輸入に頼っている国(日本)が食糧だけ何とかしてもどうしようもありません。
TPP
2010.11.10 http://otsu.seesaa.net/article/168884793.html
に関しても、「日本の農業を破壊するのか!」などとヒステリックに叫ぶ人の気がしれません。むしろ、政治家にこう考える人が多いことが気になります。
政治家には、日本がどうあるべきかを長期的視野で考える人があまりいないようで、残念に思います。
そういう政治家を選んでいる国民の責任もありますが、そんなことを考えていると、一票の価値が不平等で、都市部が軽く扱われ、農村部が重視されていることがそもそもの原因なのかもしれないと思えてきました。
急がば回れで、このあたりから改革しないと、日本はどうしようもなくなるのではないでしょうか。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4791
というものがあります。
食糧危機は心配いらないという趣旨です。
乙も、この見方に賛成します。
「食糧安保」などという考え方をする人もいますが、石油のほぼ全量を輸入に頼っている国(日本)が食糧だけ何とかしてもどうしようもありません。
TPP
2010.11.10 http://otsu.seesaa.net/article/168884793.html
に関しても、「日本の農業を破壊するのか!」などとヒステリックに叫ぶ人の気がしれません。むしろ、政治家にこう考える人が多いことが気になります。
政治家には、日本がどうあるべきかを長期的視野で考える人があまりいないようで、残念に思います。
そういう政治家を選んでいる国民の責任もありますが、そんなことを考えていると、一票の価値が不平等で、都市部が軽く扱われ、農村部が重視されていることがそもそもの原因なのかもしれないと思えてきました。
急がば回れで、このあたりから改革しないと、日本はどうしようもなくなるのではないでしょうか。
2010年11月12日
カン・チュンド(2010.10)『ETF投資入門』日本経済新聞出版社
乙が読んだ本です。先日、カンさんとお会いしたときこの本をいただきました。感謝しております。
カンさんのブログ
http://tohshi.blog61.fc2.com/
もそうですが、とてもわかりやすく書かれています。本書は 168 ページほどの新書ですから、読み切るのにも時間がかかりません。それでいて ETF については必要なことがほぼ全部書かれているということで、入門書としてきわめて有意義なものといえます。
読んでいておもしろかった点ですが、pp.60-61 で、国内 ETF が低調なのは機関投資家が利用しないからだとしています。そうなのですよね。いくら個人投資家が ETF がいいからといって買ったとしても、たかがしれています。機関投資家が利用するようにならないと売買に厚みが出てきません。そして、機関投資家ならば、理論価格と市場取引価格のずれ(乖離)を利用した裁定取引などもできるでしょうから、ぜひ ETF に参加してもらいたいと思います。それでこそ、個人投資家が安心して ETF を買えるようになるはずです。
p.132 では、安全資産を保有する場合、銀行預金よりも債券に投資する非上場投資信託にするべきだとしています。乙は、銀行預金と債券とを(固定金利ということで)一緒に考えていますが、本書ではそうではないとのことです。
その理由は、
@銀行の倒産リスクを隔離できる
A銀行の預金より若干高いリターンが期待できる
Bポートフォリオのバランス調整がしやすい
という3点です。以下、これに関する乙の意見を書いておきます。
@ですが、預金保険でカバーされる範囲(1,000 万円まで)の預金ならば、銀行が倒産しても、あまり問題ではないように思います。一つの銀行で 1,000 万円ですから、複数の銀行を利用すれば「銀行数×1,000 万円」の預金ができます。普通の人には十分な範囲だと思います。
Aは、一般的にはそう言えますが、定期預金の利率は、ボーナス時期などではかなり高くなることがあり、
2009.12.8 http://otsu.seesaa.net/article/135002513.html
債券を上回ることさえあります。うまく探して、時期が合えば、定期預金の方がいいということもありそうです。
Bはカンさんのおっしゃるとおりで、銀行の定期預金は、預入のときに決めた期間、おろせないし、おろすと利息がきわめて低くなります。したがって、定期預金ではリバランスなどはほぼ無理です。債券のファンドならば可能です。
とはいえ、リバランスがどれくらい必要かということですが、乙は、実際上あまり必要ではないのではないかと感じています。これについては、先日も述べました
2010.11.6 http://otsu.seesaa.net/article/168435589.html
が、もしも株式が大幅に上がってしまったら、固定金利の定期預金を増やせばいいので、事実上リバランスできます。株式が大幅に下がった場合が問題で、定期預金を一部解約するのは非現実的です。ただし、リバランスは、あまり頻繁に行うものではないというのがモーニングスターの主張ですが、だとすると、そのうちには定期預金が満期を迎えるのではないでしょうか。それを継続しなければ、定期預金をやめることに該当し、つまりはリバランスしていることになります。定期預金は3年くらいが普通の最長期ですが、だとすると、平均1年半で満期が来ます。定期預金は1口にまとめておく必要はないので、適宜預け入れると、いわば口数を分散していることと同じことになり、実際上リバランスできてしまうように思います。
というようなことを考えると、Bもあまり大きな差ではない(銀行預金だって負けていない)という見方ができそうに思います。
ともあれ、個人投資家にとってとても役立つ本です。広くおすすめします。
カンさんのブログ
http://tohshi.blog61.fc2.com/
もそうですが、とてもわかりやすく書かれています。本書は 168 ページほどの新書ですから、読み切るのにも時間がかかりません。それでいて ETF については必要なことがほぼ全部書かれているということで、入門書としてきわめて有意義なものといえます。
読んでいておもしろかった点ですが、pp.60-61 で、国内 ETF が低調なのは機関投資家が利用しないからだとしています。そうなのですよね。いくら個人投資家が ETF がいいからといって買ったとしても、たかがしれています。機関投資家が利用するようにならないと売買に厚みが出てきません。そして、機関投資家ならば、理論価格と市場取引価格のずれ(乖離)を利用した裁定取引などもできるでしょうから、ぜひ ETF に参加してもらいたいと思います。それでこそ、個人投資家が安心して ETF を買えるようになるはずです。
p.132 では、安全資産を保有する場合、銀行預金よりも債券に投資する非上場投資信託にするべきだとしています。乙は、銀行預金と債券とを(固定金利ということで)一緒に考えていますが、本書ではそうではないとのことです。
その理由は、
@銀行の倒産リスクを隔離できる
A銀行の預金より若干高いリターンが期待できる
Bポートフォリオのバランス調整がしやすい
という3点です。以下、これに関する乙の意見を書いておきます。
@ですが、預金保険でカバーされる範囲(1,000 万円まで)の預金ならば、銀行が倒産しても、あまり問題ではないように思います。一つの銀行で 1,000 万円ですから、複数の銀行を利用すれば「銀行数×1,000 万円」の預金ができます。普通の人には十分な範囲だと思います。
Aは、一般的にはそう言えますが、定期預金の利率は、ボーナス時期などではかなり高くなることがあり、
2009.12.8 http://otsu.seesaa.net/article/135002513.html
債券を上回ることさえあります。うまく探して、時期が合えば、定期預金の方がいいということもありそうです。
Bはカンさんのおっしゃるとおりで、銀行の定期預金は、預入のときに決めた期間、おろせないし、おろすと利息がきわめて低くなります。したがって、定期預金ではリバランスなどはほぼ無理です。債券のファンドならば可能です。
とはいえ、リバランスがどれくらい必要かということですが、乙は、実際上あまり必要ではないのではないかと感じています。これについては、先日も述べました
2010.11.6 http://otsu.seesaa.net/article/168435589.html
が、もしも株式が大幅に上がってしまったら、固定金利の定期預金を増やせばいいので、事実上リバランスできます。株式が大幅に下がった場合が問題で、定期預金を一部解約するのは非現実的です。ただし、リバランスは、あまり頻繁に行うものではないというのがモーニングスターの主張ですが、だとすると、そのうちには定期預金が満期を迎えるのではないでしょうか。それを継続しなければ、定期預金をやめることに該当し、つまりはリバランスしていることになります。定期預金は3年くらいが普通の最長期ですが、だとすると、平均1年半で満期が来ます。定期預金は1口にまとめておく必要はないので、適宜預け入れると、いわば口数を分散していることと同じことになり、実際上リバランスできてしまうように思います。
というようなことを考えると、Bもあまり大きな差ではない(銀行預金だって負けていない)という見方ができそうに思います。
ともあれ、個人投資家にとってとても役立つ本です。広くおすすめします。
2010年11月11日
日本の REIT の問題点
日経新聞11月10日夕刊5面「十字路」欄に「日銀が REIT を買う前に」という記事が掲載されていました。
日本の REIT の問題点をいくつか指摘したものです。
第1に、REIT の組込み不動産に優良なものがほとんどなく、資産価値がないものが多いこと。
第2に、資金を借りて(レバレッジを効かせて)不動産に投資していること。つまり投機になっていること。
第3に、不動産取引自体が手数料が高いこと。不動産売買は、売り・買いの両方から 3% ずつの売買手数料を取るということです。したがって、REIT が保有している不動産も、実際の価値は、表面的なものほどないことになります。
第4に、REIT が親会社の不動産会社から不動産物件を購入する例が多いこと。不動産会社が優良物件を抱え、不良物件は REIT に押しつけているということです。
いやはや、REIT にこんなにも問題があったとは知りませんでした。
これでは、日本の REIT を買うことは(日銀が買うことも問題ですが)個人投資家だって、あぶなくて、とてもではないけれど、踏み込めないでしょう。
この記事で、REIT の問題点が鋭く指摘されていると思いました。
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日本の REIT の問題点をいくつか指摘したものです。
第1に、REIT の組込み不動産に優良なものがほとんどなく、資産価値がないものが多いこと。
第2に、資金を借りて(レバレッジを効かせて)不動産に投資していること。つまり投機になっていること。
第3に、不動産取引自体が手数料が高いこと。不動産売買は、売り・買いの両方から 3% ずつの売買手数料を取るということです。したがって、REIT が保有している不動産も、実際の価値は、表面的なものほどないことになります。
第4に、REIT が親会社の不動産会社から不動産物件を購入する例が多いこと。不動産会社が優良物件を抱え、不良物件は REIT に押しつけているということです。
いやはや、REIT にこんなにも問題があったとは知りませんでした。
これでは、日本の REIT を買うことは(日銀が買うことも問題ですが)個人投資家だって、あぶなくて、とてもではないけれど、踏み込めないでしょう。
この記事で、REIT の問題点が鋭く指摘されていると思いました。
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ラベル:REIT
2010年11月10日
環太平洋経済連携協定(TPP)
環太平洋経済連携協定(TPP)への参加の有無をめぐって民主党が迷走しています。
「関係国との協議を開始する」ということで基本方針が固まったはずですが、必ずしも党内がそれで一致しているわけではなさそうです。
日経新聞の記事
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E2E5E2E2868DE2E5E3E3E0E2E3E28297EAE2E2E2;at=ALL
でも、民主党の政調会長代理・城島氏の発言を報じています。一生懸命足を引っ張ろうとしているようです。
TPPの問題点・方向性については、以下の記事が参考になるでしょう。
http://diamond.jp/articles/-/9965/
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101028/216855/
特に前者は、読者の世論調査の結果
http://diamond.jp/articles/-/9965/votes
があって、(本当に世論を正しく反映している結果だとは言えませんが)圧倒的多数が日本のTPP参加に賛成しています。
NHKのニュース番組を見ていたら、世論調査の結果が報道されていました。11月5日〜7日にNHKが行った全国20歳以上の人が対象のRDD調査です。1627人中の1020人が回答したとのことです。それによれば、「TPPに参加すべきだ」が 37%、「参加すべきでない」が 11%、「どちらともいえない」が 47% だということです。「どちらともいえない」が多いところにとまどいが見てとれます。
上述のダイヤモンドオンラインの記事は、世論調査ではなく、こういうサイトにアクセスして記事を読むタイプの人の意見ですから、全国平均よりも偏っているのでしょう。
乙は、TPPに参加するのが当然だと思っています。
乙は、農業に関しても、日本の農業はそんなヤワなものではないと思っています
2010.8.22 http://otsu.seesaa.net/article/159997980.html
ので、TPP参加をいいきっかけにして、農業の構造改革ができるのではないかと考える方です。
食料自給率なんて気にする必要はなく、どんどん世界各国から買うようにすればいいし、さらには、農業をやっている人たちが世界に進出して、現地で安くておいしい農産物を作り、それらを日本に輸出するような仕組みを作るようなことを考えるべきでしょう。
日経新聞の11月9日朝刊1面に「環太平洋協定 TPP日本の選択」という記事がありました。そこには次のように書いてありました。
まさにこれが問題なのですね。民主党はしっかりしなさい!
「関係国との協議を開始する」ということで基本方針が固まったはずですが、必ずしも党内がそれで一致しているわけではなさそうです。
日経新聞の記事
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E2E5E2E2868DE2E5E3E3E0E2E3E28297EAE2E2E2;at=ALL
でも、民主党の政調会長代理・城島氏の発言を報じています。一生懸命足を引っ張ろうとしているようです。
TPPの問題点・方向性については、以下の記事が参考になるでしょう。
http://diamond.jp/articles/-/9965/
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101028/216855/
特に前者は、読者の世論調査の結果
http://diamond.jp/articles/-/9965/votes
があって、(本当に世論を正しく反映している結果だとは言えませんが)圧倒的多数が日本のTPP参加に賛成しています。
NHKのニュース番組を見ていたら、世論調査の結果が報道されていました。11月5日〜7日にNHKが行った全国20歳以上の人が対象のRDD調査です。1627人中の1020人が回答したとのことです。それによれば、「TPPに参加すべきだ」が 37%、「参加すべきでない」が 11%、「どちらともいえない」が 47% だということです。「どちらともいえない」が多いところにとまどいが見てとれます。
上述のダイヤモンドオンラインの記事は、世論調査ではなく、こういうサイトにアクセスして記事を読むタイプの人の意見ですから、全国平均よりも偏っているのでしょう。
乙は、TPPに参加するのが当然だと思っています。
乙は、農業に関しても、日本の農業はそんなヤワなものではないと思っています
2010.8.22 http://otsu.seesaa.net/article/159997980.html
ので、TPP参加をいいきっかけにして、農業の構造改革ができるのではないかと考える方です。
食料自給率なんて気にする必要はなく、どんどん世界各国から買うようにすればいいし、さらには、農業をやっている人たちが世界に進出して、現地で安くておいしい農産物を作り、それらを日本に輸出するような仕組みを作るようなことを考えるべきでしょう。
日経新聞の11月9日朝刊1面に「環太平洋協定 TPP日本の選択」という記事がありました。そこには次のように書いてありました。
多くの政治家は就業人口260万人の農業を「守れ」と叫びながら、日本の屋台骨であり1100万人が働く製造業の雇用が流出していくことに何の危機感も抱いていないように見える。
【中略】
戦後の日本ほど自由貿易体制の恩恵を受けた国はない。しかし内向きの政策に終始した結果、雇用は海外に流出し、外貨も入ってこない状況を招いた。TPP反対の国会議員はこの国の雇用をどうしようとしているのだろうか。
まさにこれが問題なのですね。民主党はしっかりしなさい!
2010年11月09日
NHKスペシャル〜借金862兆円はこうしてふくらんだ
乙は、「NHKスペシャル〜借金862兆円はこうしてふくらんだ」(11月7日放送)を見ました。
http://wanderer.exblog.jp/11533541/
で見かけたからです。
NHKのサイトは
http://www.nhk.or.jp/special/onair/101107.html
にあります。
番組は、862兆円の借金が積み上がっていく過程で、そのときどきの大蔵官僚(事務次官や主税局長など)はどう考えたのかを、当時の口述記録をもとに本人に取材するというスタイルで構成されていました。
乙は、この番組に対して若干不満に思いました。
大蔵官僚は、独自の判断ができるわけではなく、やはり、時の政府(特に総理大臣)がどう考えていたかが重要だろうと思うからです。政府から「こうやれ」といわれて、それに反対することは、官僚である以上はできないわけです。とすると、この番組は片手落ちで、やはり、政治家たちを追いかける方が意味があったのではないかと思いました。
ま、細川元総理なども出演していましたから、その方面がまったく抜けていたわけではなかったのですが、もう少し突っ込んだ取材をしてほしかったところです。
昭和40年以降のそれぞれの政府の判断の積み重ねとして現状の借金があるわけです。
広く国民が見るというテレビ番組の特性で(あるいは政府監督下にあるNHKとして?)突っ込むことはしにくかったのかもしれません。
それはともかく、積み上がった借金はどうなるのでしょうか。普通に考えて、もう返せる状態を越えてしまっています。それに加えて、単純に見れば1年間に税収37兆円と歳出92兆円の差額が新たな借金として増えていくわけです。今の民主党政権の無策ぶりを見ていれば、これが改善することはないでしょう。
やはり、近未来的には日本破綻(ハイパーインフレ)があるとしか思えません。
http://wanderer.exblog.jp/11533541/
で見かけたからです。
NHKのサイトは
http://www.nhk.or.jp/special/onair/101107.html
にあります。
番組は、862兆円の借金が積み上がっていく過程で、そのときどきの大蔵官僚(事務次官や主税局長など)はどう考えたのかを、当時の口述記録をもとに本人に取材するというスタイルで構成されていました。
乙は、この番組に対して若干不満に思いました。
大蔵官僚は、独自の判断ができるわけではなく、やはり、時の政府(特に総理大臣)がどう考えていたかが重要だろうと思うからです。政府から「こうやれ」といわれて、それに反対することは、官僚である以上はできないわけです。とすると、この番組は片手落ちで、やはり、政治家たちを追いかける方が意味があったのではないかと思いました。
ま、細川元総理なども出演していましたから、その方面がまったく抜けていたわけではなかったのですが、もう少し突っ込んだ取材をしてほしかったところです。
昭和40年以降のそれぞれの政府の判断の積み重ねとして現状の借金があるわけです。
広く国民が見るというテレビ番組の特性で(あるいは政府監督下にあるNHKとして?)突っ込むことはしにくかったのかもしれません。
それはともかく、積み上がった借金はどうなるのでしょうか。普通に考えて、もう返せる状態を越えてしまっています。それに加えて、単純に見れば1年間に税収37兆円と歳出92兆円の差額が新たな借金として増えていくわけです。今の民主党政権の無策ぶりを見ていれば、これが改善することはないでしょう。
やはり、近未来的には日本破綻(ハイパーインフレ)があるとしか思えません。
2010年11月08日
藤巻健史(2010.8)『日本破綻』朝日新聞出版
乙が読んだ本です。「「その日」に備える資産防衛術」という副題が付いています。
藤巻健史(2010.3)『日本破綻』講談社
2010.6.22 http://otsu.seesaa.net/article/154037696.html
の続編という位置づけです。
第1章「欧州の財政危機を読む」ではギリシャ危機を取り上げて論じます。
乙がおもしろく思ったのは、p.14 に出てくる話です。日本国債はその95%を日本国民が持っているわけです。すると、日本国債がデフォルトしても他国では直接的な被害を受けません。したがって、日本国債のデフォルトについては他国は騒がないという論理です。なるほどと思いました。
p.20 では、ギリシャ危機の本質について、固定相場制の問題だと喝破しています。以前だと、ヨーロッパ各国が独自の通貨を持っていたので、それぞれの国の間で為替相場が変動し、さまざまな偏りを自動的に修正するようなことが可能だったのに対し、今はユーロという単一通貨を使用していますから、そういうことができません。これが固定相場制と同じ問題なのだというわけです。まさに、この見方でギリシャ危機が理解できます。
第2章「日本の財政危機を直視する」では、日本の財政危機が、もうどうしようもない状態になっているということを説明します。
第3章「楽観論に対する反論」では、国の借金が増えてもまだ大丈夫だという議論に反論しています。
第4章「なぜこのような状況に陥ってしまったのか?」はたった5ページですが、結論としては、日本が計画経済国家で市場原理が働いていなかったからだとしています。
第5章「解決方法はあるか」では、とてもありえない話からあり得る話まで、さまざまな「解決方法」が述べられます。藤巻氏はハイパーインフレがもっとも可能性が高い解決方法だとしています。乙も、ハイパーインフレ説を考えています。
2009.5.3 http://otsu.seesaa.net/article/118371423.html
第6章「「市場の反乱」のシナリオ」では、どんなふうに国債の暴落が始まるかをいくつかのシナリオで解説します。それぞれ可能性があるように思います。
第7章「「その日」は国債未達に始まる」では、具体的に、国債の暴落が始まる最初の事件として「国債未達」(発行する国債の一部が売れ残ること)を取り上げています。乙がおもしろいと思ったのは、p.110 です。国債の入札の時の応札倍率が1倍未満になれば、もちろん危ないわけですが、3倍程度あったとしても安心していてはいけないという話です。ここは藤巻氏のトレーダーとしての経験が活きています。応札する側が、高めの入札価格で多めに入札しているという話です。乙はこんなことがあるなんて知りませんでした。
一番の問題は「その日」がいつかということですが、これは誰にもわかりません。
第8章「「その日」に備える資産運用の原則」では、保険のつもりで、国に頼らず、リスクを認識し、長期を見据えましょうと説いています。
第9章は「これで完璧! 預金封鎖対策」ということです。「預金封鎖」は憲法違反なので起こらないだろうという話ですが、もしも、それに対して対策を立てるとすると、コストが高くなるということです。
p.125 から、海外の銀行・証券会社での口座開設について述べられますが、コストが高いということでよくないとされています。ある意味ではそうかもしれません。藤巻氏が指摘するのは、税金の問題で、日本国内なら20%の源泉分離で済むのに対して、海外だと総合課税になるから、所得の高い人だと50%が税金として取られてしまうとしています。それはそうなのですが、乙は、サラリーマンなので、定年があります。その後は年金生活になります。そのときに運用していた資産を取り崩すつもりです。そうなると、収入はかなり少なくなるので、税金もそんなにかからないのではないかと思います。
第10章「ハイパーインフレに備える――基礎・中級編」第11章「どの国、通貨、金融商品に投資するか」第12章「ハイパーインフレに備える――上級編」などは、具体的な投資話ですので、ぜひ本書をお読みください。
p.162 では、米国株のありかについて説明しています。米国株を買うと、その株券が日本に送られてくるのでなく、ニューヨークにあるカストディアン口座(信託口座)に日本の仲介証券会社名で登録されるとのことです。
乙がよくわからなかった点
2010.10.26 http://otsu.seesaa.net/article/167198285.html
でしたが、一応、わかってきました。
なお、p.181 から出てくる「キャップ」については、乙は今まで知りませんでした。これから少しは勉強してみてもいいのかもしれません。
第13章「未来は暗いわけではない」は最後の結論部分です。株・債券・円のトリプル安が日本を襲うことになっても、それは「不幸中の幸い」だとしています。韓国のような前例があるからです。
一時的に日本経済は極端なダメージを受けるでしょう。しかし、その後は経済が大復活するだろうというわけです。
全体として、「日本破綻」ですから、他の多くの破綻本と同じようなものと見られるかもしれませんが、乙はかなりの信頼性を感じました。おもしろい本でした。
日本は、ハイパーインフレになるかもしれないけれど、ならないかもしれないわけで、どちらでも大丈夫なように資産運用を考える必要がありそうです。ということは、結局、海外分散投資しかないように思います。
藤巻健史(2010.3)『日本破綻』講談社
2010.6.22 http://otsu.seesaa.net/article/154037696.html
の続編という位置づけです。
第1章「欧州の財政危機を読む」ではギリシャ危機を取り上げて論じます。
乙がおもしろく思ったのは、p.14 に出てくる話です。日本国債はその95%を日本国民が持っているわけです。すると、日本国債がデフォルトしても他国では直接的な被害を受けません。したがって、日本国債のデフォルトについては他国は騒がないという論理です。なるほどと思いました。
p.20 では、ギリシャ危機の本質について、固定相場制の問題だと喝破しています。以前だと、ヨーロッパ各国が独自の通貨を持っていたので、それぞれの国の間で為替相場が変動し、さまざまな偏りを自動的に修正するようなことが可能だったのに対し、今はユーロという単一通貨を使用していますから、そういうことができません。これが固定相場制と同じ問題なのだというわけです。まさに、この見方でギリシャ危機が理解できます。
第2章「日本の財政危機を直視する」では、日本の財政危機が、もうどうしようもない状態になっているということを説明します。
第3章「楽観論に対する反論」では、国の借金が増えてもまだ大丈夫だという議論に反論しています。
第4章「なぜこのような状況に陥ってしまったのか?」はたった5ページですが、結論としては、日本が計画経済国家で市場原理が働いていなかったからだとしています。
第5章「解決方法はあるか」では、とてもありえない話からあり得る話まで、さまざまな「解決方法」が述べられます。藤巻氏はハイパーインフレがもっとも可能性が高い解決方法だとしています。乙も、ハイパーインフレ説を考えています。
2009.5.3 http://otsu.seesaa.net/article/118371423.html
第6章「「市場の反乱」のシナリオ」では、どんなふうに国債の暴落が始まるかをいくつかのシナリオで解説します。それぞれ可能性があるように思います。
第7章「「その日」は国債未達に始まる」では、具体的に、国債の暴落が始まる最初の事件として「国債未達」(発行する国債の一部が売れ残ること)を取り上げています。乙がおもしろいと思ったのは、p.110 です。国債の入札の時の応札倍率が1倍未満になれば、もちろん危ないわけですが、3倍程度あったとしても安心していてはいけないという話です。ここは藤巻氏のトレーダーとしての経験が活きています。応札する側が、高めの入札価格で多めに入札しているという話です。乙はこんなことがあるなんて知りませんでした。
一番の問題は「その日」がいつかということですが、これは誰にもわかりません。
第8章「「その日」に備える資産運用の原則」では、保険のつもりで、国に頼らず、リスクを認識し、長期を見据えましょうと説いています。
第9章は「これで完璧! 預金封鎖対策」ということです。「預金封鎖」は憲法違反なので起こらないだろうという話ですが、もしも、それに対して対策を立てるとすると、コストが高くなるということです。
p.125 から、海外の銀行・証券会社での口座開設について述べられますが、コストが高いということでよくないとされています。ある意味ではそうかもしれません。藤巻氏が指摘するのは、税金の問題で、日本国内なら20%の源泉分離で済むのに対して、海外だと総合課税になるから、所得の高い人だと50%が税金として取られてしまうとしています。それはそうなのですが、乙は、サラリーマンなので、定年があります。その後は年金生活になります。そのときに運用していた資産を取り崩すつもりです。そうなると、収入はかなり少なくなるので、税金もそんなにかからないのではないかと思います。
第10章「ハイパーインフレに備える――基礎・中級編」第11章「どの国、通貨、金融商品に投資するか」第12章「ハイパーインフレに備える――上級編」などは、具体的な投資話ですので、ぜひ本書をお読みください。
p.162 では、米国株のありかについて説明しています。米国株を買うと、その株券が日本に送られてくるのでなく、ニューヨークにあるカストディアン口座(信託口座)に日本の仲介証券会社名で登録されるとのことです。
乙がよくわからなかった点
2010.10.26 http://otsu.seesaa.net/article/167198285.html
でしたが、一応、わかってきました。
なお、p.181 から出てくる「キャップ」については、乙は今まで知りませんでした。これから少しは勉強してみてもいいのかもしれません。
第13章「未来は暗いわけではない」は最後の結論部分です。株・債券・円のトリプル安が日本を襲うことになっても、それは「不幸中の幸い」だとしています。韓国のような前例があるからです。
一時的に日本経済は極端なダメージを受けるでしょう。しかし、その後は経済が大復活するだろうというわけです。
全体として、「日本破綻」ですから、他の多くの破綻本と同じようなものと見られるかもしれませんが、乙はかなりの信頼性を感じました。おもしろい本でした。
日本は、ハイパーインフレになるかもしれないけれど、ならないかもしれないわけで、どちらでも大丈夫なように資産運用を考える必要がありそうです。ということは、結局、海外分散投資しかないように思います。
2010年11月07日
ネットで賭けができる?
日経ビジネスオンラインの記事です。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101101/216895/
イギリスの場合ですが、何でも賭けの対象にできるという話です。おもしろいです。オッズを提示しあって、賭けを実施するというのは株式市場などと同じで、特に違和感がありません。
賭けの会社の収益は、勝者から得る5%の手数料ということですが、これがまた微妙な金額です。
一般の賭けといえば、期待値が低いのが普通です。
http://www.alt-invest.com/book/old/golden_gate/chap3.htm
によれば、
とあります。
5%は、勝者からもらうだけのようですから、全部の参加者から見れば手数料は 2.5% ということになります。宝くじ・競馬・競輪・競艇などよりはいいですが、バカラやFXよりは悪いというところです。
手軽に遊べるのだからいいとするべきか、手数料が高いので、やらないほうがいいと考えるべきか、迷うところです。
日本在住者がイギリスの銀行に口座を持っていて、こういう賭けに参加すると、違法になるのでしょうか。日本に住んでいる以上、日本の法律に従うべきですから、違法となるはずです。日本の警察が取り締まりを行うことになります。
しかし、お金の動きはイギリス国内に限られているので、日本(国)としては、痛くもかゆくもないはずです。そもそも、日本在住者がこういう賭けに参加していることすら警察が察知することはきわめて困難なように思います。だって日本国内ではお金がまったく動いていないのですから。
ちょっと大げさにいえば、法律と現実が合わなくなってきているような気がします。ネット時代の特徴でしょうか。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101101/216895/
イギリスの場合ですが、何でも賭けの対象にできるという話です。おもしろいです。オッズを提示しあって、賭けを実施するというのは株式市場などと同じで、特に違和感がありません。
賭けの会社の収益は、勝者から得る5%の手数料ということですが、これがまた微妙な金額です。
一般の賭けといえば、期待値が低いのが普通です。
http://www.alt-invest.com/book/old/golden_gate/chap3.htm
によれば、
賭け金のうち平均でいくら払い戻されるかを「期待値」というが、宝くじの期待値は48%弱しかない(競馬・競輪・競艇などの公営ギャンブルの期待値は約75%、パチンコの期待値は約97%)。それに比べて、ドル/円を3銭から5銭のスプレッドで取引する為替FXの手数料率は0.05%程度である。期待値99.95%は、ラスベガスのルーレット(期待値95%)やバカラ(期待値99%)をも上回る。
とあります。
5%は、勝者からもらうだけのようですから、全部の参加者から見れば手数料は 2.5% ということになります。宝くじ・競馬・競輪・競艇などよりはいいですが、バカラやFXよりは悪いというところです。
手軽に遊べるのだからいいとするべきか、手数料が高いので、やらないほうがいいと考えるべきか、迷うところです。
日本在住者がイギリスの銀行に口座を持っていて、こういう賭けに参加すると、違法になるのでしょうか。日本に住んでいる以上、日本の法律に従うべきですから、違法となるはずです。日本の警察が取り締まりを行うことになります。
しかし、お金の動きはイギリス国内に限られているので、日本(国)としては、痛くもかゆくもないはずです。そもそも、日本在住者がこういう賭けに参加していることすら警察が察知することはきわめて困難なように思います。だって日本国内ではお金がまったく動いていないのですから。
ちょっと大げさにいえば、法律と現実が合わなくなってきているような気がします。ネット時代の特徴でしょうか。
2010年11月06日
リバランスに関するモーニングスターの記事
モーニングスターでリバランスに関する記事がありました。
http://www.morningstar.co.jp/fund/analyst/2010/4q/MFA120101104.html
すでにいくつかのブログでこの記事について書かれています。
http://pension.blog88.fc2.com/blog-entry-516.html
http://blog.goo.ne.jp/m-takekawa/e/3783aa68095ff93cff5b806b2151e0d4
http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2010/11/post-4e92.html
乙も、この記事をおもしろいと思いました。図表が興味深いのです。リバランスしないよりも、5%の乖離で、さらには10%の乖離でリバランスした方がリスク・リターンが改善するというのもおもしろいし、あまり短期でリバランスを繰り返すよりも、3年〜5年でリバランスする方がリスク・リターンが改善するというのもおもしろいと思いました。
しかし、こういう記事が有用なのは、多額の資金を長期にわたって安定的に運用している機関投資家などの場合ではないかと感じています。
個人投資家の場合は、リバランスについてそんなに気にする必要はないのではないかということです。
乙の場合、リバランス自体はまったくやっていません。しかし、それに準ずる考え方はしています。
乙は50代のサラリーマンですから、それなりの給料をもらっています。銀行口座には勤務先から定期的に給料が振り込まれるわけです。子育ても終わってしまったし、住宅ローンも払いきっていますから、あとは老後の準備くらいしかすることがありません。ムダなお金を使うことはありませんから、普通預金残高が積み上がっていくだけです。
そこで、何か適当なところに投資を考えます。そのときに、自分のポートフォリオを確認し、勝手に考えた理想的なポートフォリオ(今のところは
2010.9.9 http://otsu.seesaa.net/article/161931018.html
を考えています)
と比べて、少ないところに投資するといったところです。
定年に達したら、そのまま放っておきつつ、少しずつ取り崩すことになりますが、そのときも、ポートフォリオを見て、配分が多すぎるところから解約していけばいいのではないかと思います。
個人投資家の場合は、これで十分だろうと思います。
もしかして、これから日本経済が(あるいは世界経済が)大変動を経験するかもしれません。ポートフォリオが理想像から大きく外れることもあるでしょう。そのときは、リバランスも考えなければなりませんが、乙の勝手な予想では、そんなことはまずめったにないことだろうと思います。世界経済は相互につながっている部分が多いので、一つの国が経済的にダメージを受ければ、各国ともそうなる場合が多いのではないかと思いますが、そうであれば、ポートフォリオは大きな変動を示さないことになります。
http://www.morningstar.co.jp/fund/analyst/2010/4q/MFA120101104.html
すでにいくつかのブログでこの記事について書かれています。
http://pension.blog88.fc2.com/blog-entry-516.html
http://blog.goo.ne.jp/m-takekawa/e/3783aa68095ff93cff5b806b2151e0d4
http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2010/11/post-4e92.html
乙も、この記事をおもしろいと思いました。図表が興味深いのです。リバランスしないよりも、5%の乖離で、さらには10%の乖離でリバランスした方がリスク・リターンが改善するというのもおもしろいし、あまり短期でリバランスを繰り返すよりも、3年〜5年でリバランスする方がリスク・リターンが改善するというのもおもしろいと思いました。
しかし、こういう記事が有用なのは、多額の資金を長期にわたって安定的に運用している機関投資家などの場合ではないかと感じています。
個人投資家の場合は、リバランスについてそんなに気にする必要はないのではないかということです。
乙の場合、リバランス自体はまったくやっていません。しかし、それに準ずる考え方はしています。
乙は50代のサラリーマンですから、それなりの給料をもらっています。銀行口座には勤務先から定期的に給料が振り込まれるわけです。子育ても終わってしまったし、住宅ローンも払いきっていますから、あとは老後の準備くらいしかすることがありません。ムダなお金を使うことはありませんから、普通預金残高が積み上がっていくだけです。
そこで、何か適当なところに投資を考えます。そのときに、自分のポートフォリオを確認し、勝手に考えた理想的なポートフォリオ(今のところは
2010.9.9 http://otsu.seesaa.net/article/161931018.html
を考えています)
と比べて、少ないところに投資するといったところです。
定年に達したら、そのまま放っておきつつ、少しずつ取り崩すことになりますが、そのときも、ポートフォリオを見て、配分が多すぎるところから解約していけばいいのではないかと思います。
個人投資家の場合は、これで十分だろうと思います。
もしかして、これから日本経済が(あるいは世界経済が)大変動を経験するかもしれません。ポートフォリオが理想像から大きく外れることもあるでしょう。そのときは、リバランスも考えなければなりませんが、乙の勝手な予想では、そんなことはまずめったにないことだろうと思います。世界経済は相互につながっている部分が多いので、一つの国が経済的にダメージを受ければ、各国ともそうなる場合が多いのではないかと思いますが、そうであれば、ポートフォリオは大きな変動を示さないことになります。
2010年11月05日
東京証券取引所主催の意見交換会に出席しました
乙は、11月4日(木)18:00-20:30 に東京証券取引所で開催された「意見交換会」に出席しました。
最初、東証のある方からメールがきて、「これこれの会合があるけれども、出席しませんか」と聞かれたときは、「ん?」と思いました。なぜ乙に声がかかるのか、さっぱりわかりませんでした。しかし、投資に関連する話だということはわかりましたので、時間の都合がつけば参加しようと思いました。
上記の時間に決まったので、少し早めに仕事を切り上げて、東証に向かいました。
東証に足を踏み入れるなんて、初めての経験です。
入口が厳重に警備されていました。東証の方からいただいたメールのコピーを持参していたので、それを見せて入場できました。来訪者バッジを付けるようにいわれました。
15階の会議室に行きました。東証のビルの最上階でした。そこまででも、東証の雰囲気を知ることができました。高い天井、立派な大型エレベータ、廊下のカーペットやらドアの重厚さなど、いかにも金がかかっています。たくさんの東証の社員が立って出迎えてくださいましたが、全員黒いビジネススーツで、ラフなかっこうをしていた乙は浮き上がってしまいました。
会場には水瀬ケンイチさんがすでにいらしていました。どんな人が参加するのか、わからなかったので、とりあえず、お隣に座りました。
はじめに主催者の東証関係者から挨拶がありました。東証としては ETF の上場をもっと推進したいし、それぞれの ETF が活発に取引されることを願っている。それをめぐって、個人投資家やファイナンシャルプランナーなどの意見を聞きたいということでした。
それから参加者が自己紹介を兼ねて一巡しながら発言しました。
参加したブロガーは、前述の水瀬ケンイチさん「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」
http://randomwalker.blog19.fc2.com/
ybさん「Passiveな投資とActiveな未来」
http://pension.blog88.fc2.com/blog-entry-516.html
イーノ・ジュンイチさん「投資信託のブログ|ファンドの海」
http://www.fund-no-umi.com/
それに乙の合計4人でした。
メディア関係者としては、日本経済新聞社の田村正之さんと日経マネーの本間健司さんがご出席でした。(田村さんは早めの退出でしたので、ご意見が十分うかがえなかったのが残念でした。)
それらに加えて、ファイナンシャルプランナーなど、個人投資家に接する機会の多い方々も参加されていました。
新田ヒカルさん
http://hikaru225.com/
カン・チュンドさん「カン・チュンドのインデックス投資のゴマはこう開け!」
http://tohshi.blog61.fc2.com/
竹川美奈子さん「About Money,Today」
http://blog.goo.ne.jp/m-takekawa/
木村佳子さん「木村佳子のマネープラン」
http://homepage2.nifty.com/fp-money/
の4人の方々です。
10人程度というのは、多すぎず少なすぎず、けっこう快適でした。
乙は、一つ、失敗しました。名刺を持参することをうっかりしてしまったのです。財布の中に入れておいた予備の2枚だけしかなくて、皆さんにお渡しすることができませんでした。
意見交換会には、主催者の東証に加えて、日興アセットマネジメントからお二人が参加されていました。
日興AMの ETF の宣伝でもおこなうのかと思いましたが、実体はまさに「意見交換会」ということで、皆さんが活発な意見を出されていました。
乙は、個々の発言を記録したわけでもないので、それらは全部省略しますが、乙が一番おもしろく思ったことは、東証主催で、個人ブロガー・報道関係者・ファイナンシャルプランナーなどを集めてその意見を聞くという「意見交換会」があったこと自体でした。
これから東証が他国の証券取引所に並んで、さらにはそれらを越えて発展していくために、個人投資家の意見を聞こうというわけですから、その姿勢は驚きです。
もっとも、その趣旨からいうと、ブロガーを集めてもあまり意味がないかもしれません。「個人投資家の代表」とはだいぶずれているだろうと思います。
ブロガーは若い人が多いですが、個人投資家は中高年層が多数です。
ブロガーは投資関連の知識が豊富ですが、個人投資家の平均像ではさほど知識が多いとは思えません。どういう金融商品が売れているかを見れば個人投資家の平均像がわかります。
それと関連しますが、ブロガーは自立して活動している人が多いですが、個人投資家はけっこう他人任せというか、他人に頼っている人が多いように見えます。
ブロガーよりも、個人投資家に接することが多いファイナンシャルプランナーなどのほうが、個人投資家の実像をよくわかっていらっしゃるので、今回の話題に関しては適しているのではないかと思いました。
個人投資家にアプローチすること自体がむずかしいですし、仮に接触できても、こういう会合にはあまり積極的には参加しないでしょうし、そもそも時間も取りにくいでしょう。その代わりに、投資に興味を持っている個人として、ブロガーが代わりに集まったような感じでした。
あっという間に2時間半が経ちました。いろいろな意見が出され、おもしろかったです。
帰りは地下1階の通用口から出ることになりました。東証の社員が案内してくださったので迷わず出ることができました。
最初、東証のある方からメールがきて、「これこれの会合があるけれども、出席しませんか」と聞かれたときは、「ん?」と思いました。なぜ乙に声がかかるのか、さっぱりわかりませんでした。しかし、投資に関連する話だということはわかりましたので、時間の都合がつけば参加しようと思いました。
上記の時間に決まったので、少し早めに仕事を切り上げて、東証に向かいました。
東証に足を踏み入れるなんて、初めての経験です。
入口が厳重に警備されていました。東証の方からいただいたメールのコピーを持参していたので、それを見せて入場できました。来訪者バッジを付けるようにいわれました。
15階の会議室に行きました。東証のビルの最上階でした。そこまででも、東証の雰囲気を知ることができました。高い天井、立派な大型エレベータ、廊下のカーペットやらドアの重厚さなど、いかにも金がかかっています。たくさんの東証の社員が立って出迎えてくださいましたが、全員黒いビジネススーツで、ラフなかっこうをしていた乙は浮き上がってしまいました。
会場には水瀬ケンイチさんがすでにいらしていました。どんな人が参加するのか、わからなかったので、とりあえず、お隣に座りました。
はじめに主催者の東証関係者から挨拶がありました。東証としては ETF の上場をもっと推進したいし、それぞれの ETF が活発に取引されることを願っている。それをめぐって、個人投資家やファイナンシャルプランナーなどの意見を聞きたいということでした。
それから参加者が自己紹介を兼ねて一巡しながら発言しました。
参加したブロガーは、前述の水瀬ケンイチさん「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」
http://randomwalker.blog19.fc2.com/
ybさん「Passiveな投資とActiveな未来」
http://pension.blog88.fc2.com/blog-entry-516.html
イーノ・ジュンイチさん「投資信託のブログ|ファンドの海」
http://www.fund-no-umi.com/
それに乙の合計4人でした。
メディア関係者としては、日本経済新聞社の田村正之さんと日経マネーの本間健司さんがご出席でした。(田村さんは早めの退出でしたので、ご意見が十分うかがえなかったのが残念でした。)
それらに加えて、ファイナンシャルプランナーなど、個人投資家に接する機会の多い方々も参加されていました。
新田ヒカルさん
http://hikaru225.com/
カン・チュンドさん「カン・チュンドのインデックス投資のゴマはこう開け!」
http://tohshi.blog61.fc2.com/
竹川美奈子さん「About Money,Today」
http://blog.goo.ne.jp/m-takekawa/
木村佳子さん「木村佳子のマネープラン」
http://homepage2.nifty.com/fp-money/
の4人の方々です。
10人程度というのは、多すぎず少なすぎず、けっこう快適でした。
乙は、一つ、失敗しました。名刺を持参することをうっかりしてしまったのです。財布の中に入れておいた予備の2枚だけしかなくて、皆さんにお渡しすることができませんでした。
意見交換会には、主催者の東証に加えて、日興アセットマネジメントからお二人が参加されていました。
日興AMの ETF の宣伝でもおこなうのかと思いましたが、実体はまさに「意見交換会」ということで、皆さんが活発な意見を出されていました。
乙は、個々の発言を記録したわけでもないので、それらは全部省略しますが、乙が一番おもしろく思ったことは、東証主催で、個人ブロガー・報道関係者・ファイナンシャルプランナーなどを集めてその意見を聞くという「意見交換会」があったこと自体でした。
これから東証が他国の証券取引所に並んで、さらにはそれらを越えて発展していくために、個人投資家の意見を聞こうというわけですから、その姿勢は驚きです。
もっとも、その趣旨からいうと、ブロガーを集めてもあまり意味がないかもしれません。「個人投資家の代表」とはだいぶずれているだろうと思います。
ブロガーは若い人が多いですが、個人投資家は中高年層が多数です。
ブロガーは投資関連の知識が豊富ですが、個人投資家の平均像ではさほど知識が多いとは思えません。どういう金融商品が売れているかを見れば個人投資家の平均像がわかります。
それと関連しますが、ブロガーは自立して活動している人が多いですが、個人投資家はけっこう他人任せというか、他人に頼っている人が多いように見えます。
ブロガーよりも、個人投資家に接することが多いファイナンシャルプランナーなどのほうが、個人投資家の実像をよくわかっていらっしゃるので、今回の話題に関しては適しているのではないかと思いました。
個人投資家にアプローチすること自体がむずかしいですし、仮に接触できても、こういう会合にはあまり積極的には参加しないでしょうし、そもそも時間も取りにくいでしょう。その代わりに、投資に興味を持っている個人として、ブロガーが代わりに集まったような感じでした。
あっという間に2時間半が経ちました。いろいろな意見が出され、おもしろかったです。
帰りは地下1階の通用口から出ることになりました。東証の社員が案内してくださったので迷わず出ることができました。
2010年11月04日
電子ブックに対する中国の脅威
ダイヤモンドオンラインの記事です。
http://diamond.jp/articles/-/9852
「日本のベストセラーも海賊版で読み放題になる恐れ――脅威の電子書籍ビジネスモデルが中国で増殖中」というセンセーショナルなタイトルが付けられています。
これを読んで、乙は衝撃を受けました。
もともと、中国は著作権をはじめとする知的財産権に甘い国です。こういう国だからこそ海賊版が大流行です。そこに日本で出版された書籍が大量に持ち込まれると、大変な事態になります。
インターネットが全世界をつなぐようになった時代では、憲法や法律で「国内の規制」を行っても、それだけではあまり意味がないのかもしれません。
とんだところから変革の火の粉が飛んできそうな勢いです。
http://diamond.jp/articles/-/9852
「日本のベストセラーも海賊版で読み放題になる恐れ――脅威の電子書籍ビジネスモデルが中国で増殖中」というセンセーショナルなタイトルが付けられています。
これを読んで、乙は衝撃を受けました。
もともと、中国は著作権をはじめとする知的財産権に甘い国です。こういう国だからこそ海賊版が大流行です。そこに日本で出版された書籍が大量に持ち込まれると、大変な事態になります。
インターネットが全世界をつなぐようになった時代では、憲法や法律で「国内の規制」を行っても、それだけではあまり意味がないのかもしれません。
とんだところから変革の火の粉が飛んできそうな勢いです。
2010年11月03日
ある会社の変遷を見て
乙が子供の頃、関東地方のあるところに住んでいました。
乙の父親は、ある自動車関連の会社で労働者として働いていました。工場があったのです。家は会社のすぐそばにあって、2階からは会社の中が塀越しに見えました。そういえば、自宅に風呂がなく、乙の家族は、会社の風呂を(無料で)使っていました。社員の家族は会社の風呂に入れた時代だったのですね。乙が高校生だったとき、夏休みにその会社でアルバイトをしたこともありましたが、夏のプールも会社のものを使っていました。そんな時代だったのです。
1960 年代、その会社では、乙の家から見えるところに女子寮を何棟も建てました。中卒の若い女性たちが大量に住んで、近くの定時制高校に通っていました。会社側は、彼女らを定時制高校に通わせることで、少なくとも3年は安定的な労働力として確保でき、彼女らも働きながら高卒の資格が取れ、お互いに好都合だったのでしょう。乙がいた家には、日曜日になると、若い女性たちのにぎやかな声が聞こえてくるときも多かったです。
それから数十年の時が流れました。
乙が実家に帰ったときに、その会社を見ると、塀はなくなっており、女子寮はすべて撤廃され、工場もほぼ全部なくなっており、その跡地には「研究所」なるものができていました。「研究所」は、ガラス張りのしゃれた建物で、やや汚れの目立つ「工場」とはまるで違っていました。会社の敷地内は緑にあふれ、ゆったりした空間に建物が配置されています。「工場」時代は、たくさんの人が働いており、敷地のあちこちを有効活用して、さまざまな物(建物を含む)が置かれていたりしました。「研究所」時代は、ゴチャゴチャしたものは全部取り払われて、雰囲気が大きく変わりました。
時の流れは大きいものです。もう大量の労働者はいらなくなってしまったのです。昔の中卒の労働者の代わりは新興国の労働者がつとめているのでしょうか。もしかすると、ロボットがその代役をしているのかもしれません。工場自体も、国内に置くよりはアジアに作ったほうがいいのでしょう。その会社では、国内の働き口としては「研究職」くらいしかいらないのです。働く人の人数もめっきり減りました。
さらに最近は、その研究所さえもいらなくなっているようで、人が働いている気配がありません。もしかして研究所が廃止されてしまったのでしょうか。働く人間として、研究職すら不要になってきたのでしょうか。
こんなことで、ある会社の過去50年ほどの変遷を見てみると、産業構造の大きなうねりが感じられます。
とりあえず、実家のそばの一社だけを取り上げましたが、近くにある会社(工場)なども同様の傾向にあります。昔は、いろいろな会社(工場)がこの地域に進出してきて、町は大いににぎわったものでしたが、……。
統計で浮かび上がる全国的な姿も重要ですが、個人の目で見てきた特定の会社の変遷もまた興味深いものがあります。
こんな日本です。
今、大学卒も高校卒も、就職難になっています。
乙の実家のそばの会社を見ても、「人材は不要」というのが見てとれます。本当に優秀な人を一握りだけ採用すれば、それで十分なのでしょう。
この会社だけが働く場ではないので、新しいところに人材が流れていくのでしょうが、それにしても、地方で就職するのはいよいよむずかしくなっているのではないかと感じます。
乙は、たまに実家近くに行くだけですので、その周辺をよく知っているわけではありませんが、市街地のお店がつぶれたりしていくのを見ると(その跡地で何年も新しい店の開店がなかったりしますが)、「地方の変化」を感じざるを得ません。
今回は、ちょっと昔話ふうに乙の見聞きしたことを書き綴ってみました。
乙の父親は、ある自動車関連の会社で労働者として働いていました。工場があったのです。家は会社のすぐそばにあって、2階からは会社の中が塀越しに見えました。そういえば、自宅に風呂がなく、乙の家族は、会社の風呂を(無料で)使っていました。社員の家族は会社の風呂に入れた時代だったのですね。乙が高校生だったとき、夏休みにその会社でアルバイトをしたこともありましたが、夏のプールも会社のものを使っていました。そんな時代だったのです。
1960 年代、その会社では、乙の家から見えるところに女子寮を何棟も建てました。中卒の若い女性たちが大量に住んで、近くの定時制高校に通っていました。会社側は、彼女らを定時制高校に通わせることで、少なくとも3年は安定的な労働力として確保でき、彼女らも働きながら高卒の資格が取れ、お互いに好都合だったのでしょう。乙がいた家には、日曜日になると、若い女性たちのにぎやかな声が聞こえてくるときも多かったです。
それから数十年の時が流れました。
乙が実家に帰ったときに、その会社を見ると、塀はなくなっており、女子寮はすべて撤廃され、工場もほぼ全部なくなっており、その跡地には「研究所」なるものができていました。「研究所」は、ガラス張りのしゃれた建物で、やや汚れの目立つ「工場」とはまるで違っていました。会社の敷地内は緑にあふれ、ゆったりした空間に建物が配置されています。「工場」時代は、たくさんの人が働いており、敷地のあちこちを有効活用して、さまざまな物(建物を含む)が置かれていたりしました。「研究所」時代は、ゴチャゴチャしたものは全部取り払われて、雰囲気が大きく変わりました。
時の流れは大きいものです。もう大量の労働者はいらなくなってしまったのです。昔の中卒の労働者の代わりは新興国の労働者がつとめているのでしょうか。もしかすると、ロボットがその代役をしているのかもしれません。工場自体も、国内に置くよりはアジアに作ったほうがいいのでしょう。その会社では、国内の働き口としては「研究職」くらいしかいらないのです。働く人の人数もめっきり減りました。
さらに最近は、その研究所さえもいらなくなっているようで、人が働いている気配がありません。もしかして研究所が廃止されてしまったのでしょうか。働く人間として、研究職すら不要になってきたのでしょうか。
こんなことで、ある会社の過去50年ほどの変遷を見てみると、産業構造の大きなうねりが感じられます。
とりあえず、実家のそばの一社だけを取り上げましたが、近くにある会社(工場)なども同様の傾向にあります。昔は、いろいろな会社(工場)がこの地域に進出してきて、町は大いににぎわったものでしたが、……。
統計で浮かび上がる全国的な姿も重要ですが、個人の目で見てきた特定の会社の変遷もまた興味深いものがあります。
こんな日本です。
今、大学卒も高校卒も、就職難になっています。
乙の実家のそばの会社を見ても、「人材は不要」というのが見てとれます。本当に優秀な人を一握りだけ採用すれば、それで十分なのでしょう。
この会社だけが働く場ではないので、新しいところに人材が流れていくのでしょうが、それにしても、地方で就職するのはいよいよむずかしくなっているのではないかと感じます。
乙は、たまに実家近くに行くだけですので、その周辺をよく知っているわけではありませんが、市街地のお店がつぶれたりしていくのを見ると(その跡地で何年も新しい店の開店がなかったりしますが)、「地方の変化」を感じざるを得ません。
今回は、ちょっと昔話ふうに乙の見聞きしたことを書き綴ってみました。
2010年11月02日
若い人のクルマ離れ
乙は、ひょんなことから「ニコッとタウン」というサイト
http://www.nicotto.jp/
を知りました。60万人の仮想都市だそうです。
その中にはブログもあります。
http://www.nicotto.jp/blog/
そこで、乙がおもしろいと思ったのは、それぞれのカテゴリーで書かれたブログ記事の数です。「一般カテゴリ」を見ると、次のようになっていました。
何と、「車・バイク」はたった6千件しかありません。他には10万件程度の記事が書かれているカテゴリーがたくさんあるのにです。
年齢別の区分が「10代、20代、30代以上」の三つしかないことからもうかがえるように、ここのサイトの利用者は圧倒的多数が若者であると思われます。(一般に、ブログの類は若者が書くケースが圧倒的に多いわけですが。)
若者は「車・バイク」に興味を示さないことがこんなことからもうかがえます。
クルマが売れなくなるのも当然です。
http://www.nicotto.jp/
を知りました。60万人の仮想都市だそうです。
その中にはブログもあります。
http://www.nicotto.jp/blog/
そこで、乙がおもしろいと思ったのは、それぞれのカテゴリーで書かれたブログ記事の数です。「一般カテゴリ」を見ると、次のようになっていました。
件数 | カテゴリ |
7,116,678 | 日記 |
36,817 | 10代 |
4,179 | 20代 |
10,888 | 30代以上 |
112,442 | ニュース |
124,358 | グルメ |
60,391 | レシピ |
99,622 | ファッション |
52,786 | 美容/健康 |
80,511 | ペット/動物 |
149,395 | 恋愛 |
45,595 | 仕事 |
3,651 | アルバイト |
121,853 | 学校 |
57,726 | 勉強 |
85,259 | テレビ |
78,410 | 映画 |
101,543 | 音楽 |
80,591 | マンガ |
51,448 | アニメ |
60,944 | お笑い |
44,868 | ゲーム |
114,853 | 占い |
115,244 | 人生 |
22,587 | 家庭 |
41,186 | 友人 |
15,327 | 子育て |
53,024 | ショッピング |
102,851 | スポーツ |
114,730 | レジャー/旅行 |
93,044 | 小説/詩 |
47,895 | 自作小説 |
13,911 | アート/デザイン |
15,222 | パソコン/インターネット |
6,648 | 車・バイク |
63,785 | その他 |
何と、「車・バイク」はたった6千件しかありません。他には10万件程度の記事が書かれているカテゴリーがたくさんあるのにです。
年齢別の区分が「10代、20代、30代以上」の三つしかないことからもうかがえるように、ここのサイトの利用者は圧倒的多数が若者であると思われます。(一般に、ブログの類は若者が書くケースが圧倒的に多いわけですが。)
若者は「車・バイク」に興味を示さないことがこんなことからもうかがえます。
クルマが売れなくなるのも当然です。
2010年11月01日
総務省家計調査
ダイヤモンドオンラインで野口悠紀雄氏の「人口減少の経済学」を読みました。
http://diamond.jp/articles/-/9908
そこに、総務省の家計調査の結果が引用されて図表1が載っていました。
とってもわかりやすい表です。
もとの調査(たとえば
http://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/h21_sokuhou.pdf
などが典型でしょうが)よりもずっといいです。端的な傾向が1枚の表にまとめられています。
しかし、ちょっとわかりにくいところがあります。それは、貯蓄の欄ですが、2点あります。
第1に、「株式・株式投資信託」は「有価証券」の内訳であり、少し右側にずれて書かれているものの、それがはっきりしないという点です。
第2に、貯蓄の欄の「定期性預貯金、生命保険など、有価証券」を足し算しても、「貯蓄」の金額と全然合わないということです。もとの総務省のページと突き合わせると、わかります。実は、通貨性預貯金(普通預金、ゆうちょ銀行の通常貯金)と金融機関外(社内預金など)がばっさり落ちているのです。このため、下の方の「比率(%)」を足しても100よりずっと小さい数値になってしまいます。
ちょっとミスリーディングな表かもしれません。
それにしても、1枚の表ですが、今の日本の現状を年齢別によく描き出しているなあと思います。持ち家率、年間収入、貯金と負債などを通して、人間の一生が見えてくるような気がします。乙の今までの経験、息子の経験などを合わせてみると、この表に近い感じがします。
また、乙の個人の例を当該年齢層にあてはめることによって、「平均からのずれ」も見えます。
乙の場合は、年間収入が多く、貯蓄が多く、負債が少ないということです。
貯蓄の内訳では、定期性預貯金が少なく、生命保険がなく、有価証券が圧倒的に多いという偏りがあるわけです。
もとの総務省の資料で貯蓄現在高が 3000 万円以上の層を見ると、以下のようになっています。貯蓄現在高が 5428 万円、その内訳では、金融機関が 5320 万円、金融機関外が 109 万円。金融機関の内訳は、通貨性預貯金 805 万円、定期性預貯金 2428 万円、生命保険など 1083 万円、有価証券 1003 万円です。
乙の場合をこれと比べると、定期性預貯金が少なく、生命保険がなく、有価証券が圧倒的に多いという偏りがあることは同じです。
乙は、日本の平均から見ると、かなり好みが偏っていることがわかります。
http://diamond.jp/articles/-/9908
そこに、総務省の家計調査の結果が引用されて図表1が載っていました。
とってもわかりやすい表です。
もとの調査(たとえば
http://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/h21_sokuhou.pdf
などが典型でしょうが)よりもずっといいです。端的な傾向が1枚の表にまとめられています。
しかし、ちょっとわかりにくいところがあります。それは、貯蓄の欄ですが、2点あります。
第1に、「株式・株式投資信託」は「有価証券」の内訳であり、少し右側にずれて書かれているものの、それがはっきりしないという点です。
第2に、貯蓄の欄の「定期性預貯金、生命保険など、有価証券」を足し算しても、「貯蓄」の金額と全然合わないということです。もとの総務省のページと突き合わせると、わかります。実は、通貨性預貯金(普通預金、ゆうちょ銀行の通常貯金)と金融機関外(社内預金など)がばっさり落ちているのです。このため、下の方の「比率(%)」を足しても100よりずっと小さい数値になってしまいます。
ちょっとミスリーディングな表かもしれません。
それにしても、1枚の表ですが、今の日本の現状を年齢別によく描き出しているなあと思います。持ち家率、年間収入、貯金と負債などを通して、人間の一生が見えてくるような気がします。乙の今までの経験、息子の経験などを合わせてみると、この表に近い感じがします。
また、乙の個人の例を当該年齢層にあてはめることによって、「平均からのずれ」も見えます。
乙の場合は、年間収入が多く、貯蓄が多く、負債が少ないということです。
貯蓄の内訳では、定期性預貯金が少なく、生命保険がなく、有価証券が圧倒的に多いという偏りがあるわけです。
もとの総務省の資料で貯蓄現在高が 3000 万円以上の層を見ると、以下のようになっています。貯蓄現在高が 5428 万円、その内訳では、金融機関が 5320 万円、金融機関外が 109 万円。金融機関の内訳は、通貨性預貯金 805 万円、定期性預貯金 2428 万円、生命保険など 1083 万円、有価証券 1003 万円です。
乙の場合をこれと比べると、定期性預貯金が少なく、生命保険がなく、有価証券が圧倒的に多いという偏りがあることは同じです。
乙は、日本の平均から見ると、かなり好みが偏っていることがわかります。