2011年01月12日

「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」に対する疑問

 第3回インデックス投資ナイト
2011.1.11 http://otsu.seesaa.net/article/180069864.html
では、renny さんをはじめとする運営委員会の大変な努力で、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2010」が発表されました。その詳細は
http://www.fundoftheyear.jp/
に掲載されています。
 もう4回目の賞なのですね。そのような継続的な努力には頭が下がる思いです。
 投信ブロガーが自分たちにとってベストの投資信託を選ぼうという運動は、大変有意義です。日本の投資信託業界を変える力があるかもしれません。
 ところで、乙は、投信ブロガーの一人だと思っていますが、今まで一度も投票したことがありません。
 なぜか。
 いくつかの理由(疑問)があります。
 第1に、投資家間の個人差はかなり大きいものです。特に、年齢と運用資産総額による考え方の差でしょうか。「みんなが投票する」というしくみでは、その投票者の中で支持を得たとしても、それが誰にでも当てはまるベストとは限りません。だとすると、そもそもブロガーの投票でベストテンを(ベストワンでも)選ぶということの意味は何だろうということになります。
 投信ブロガーには30代くらいの人が多そうです(乙の勝手な推測です)。とすると、そのような年齢層に支持される投資信託が高く評価されることになります。しかし、それはある意味で偏っているのです。
 自分にとっての投信のベスト(あるいはベスト5でも)を選ぶことは可能です。それを投票することが期待されているのかもしれません。しかし、それは他人にとっても同じかというと、決してそんなことはありません。状況や環境が違えば、違うラインナップになるものです。
 第2に、日本の投資信託業界に対するインパクトはあると思いますが、外国に対してはどうなんだろうということです。たとえば、今回の投票で(今までも同様でしたが)、日本で買えない投資信託には投票できません。しかし、個人的にはそういうものに投票したいと思うし、他にもそう思う人はいるでしょう。なぜ「日本で買える」ものに限定するか、よくわかりません。最近は、日本でも購入できるものが増えてきたので、この不満はだいぶ解消されましたが、……。
 第3に、投資信託は、一つとか二つとかに投票するべきものではなく、セットで複数を選ぶ必要があるのではないかということです。今回の投票システムでは(今までも同様でしたが)、一人が5ポイントを持ち、それをいくつかの投資信託に投票する方式になっています。セットで投票するときは、それぞれを選ぶことになるのでしょうが、「5ポイント」が中途半端です。また、こうして分散投票する人の意見が多数派として一致(集中)することは少ないだろうと思います。高いポイントを稼ぐのは、5ポイントを一つの投資信託に集中投票する人がたくさんいる(熱心なファンのいる)投資信託です。こう考えると、一番高いポイントを獲得した投資信託がベストであるとはいえないと思います。
 第4に、これは杞憂でしょうが、こうして投資信託に順位を付けると、何だか、第1位になった投資信託に投資すればいいというような誤解を招きそうに思います。インデックス投資がそんなものでないことは明らかですが、順位を付けると、何か第1位が一番おすすめのように響きませんか。そんなことを考えると、個別の投資信託に1位から10位までの順位を付けるべきではないということになります。これは、第3のポイントとも関連するかもしれません。

 こんなことをあれこれ考えると、この企画に疑問を感じます。少なくとも、単純に投票することはできないような感覚です。
 疑問を呈する意見は投資ブログの類でもほとんど見かけないので、あえて、投票しない人間の意見を表明することにしました。
 この企画に疑問を感じつつも、一方では有意義だとも思っており、ホントのところは中途半端な意見なのです。ここでは疑問を中心に書きました。
posted by 乙 at 01:44| Comment(0) | TrackBack(2) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする