2011年01月17日

原子力発電所を建設してアジアに住む

 アゴラで、山口巌氏が、ユニークなアイディアを書いています。
http://agora-web.jp/archives/1196171.html
 優しく、敬老精神に富み、若年層の労働力の豊かな、インドネシア、フィリッピン、ベトナム、マレーシアに相手国政府と協議の上、老人村を建設してはどうだろうか。
 こう言った国では、年間、100万円程度で衣、食、住が賄え、日本よりも遥かに高い生活レベルが維持出来る様に思える。
 そして、今後需要が増大する、原子力発電所と連携させるのも可能では無いか。原子力発電所に隣接する敷地に日本村を併せ建設し、日本の老人を受け入れて貰うのである。
 原子力発電所の建設費用を10年間の老人受け入れで返済して貰うのだ。原子力発電所の建設コストが5,000億円とすれば;
5,000億円÷@100万円÷10年=5万人と成り、原発を建設する事で日本の老人5万人を10年間面倒見て貰える試算である。機能しない行政や、既得権者に貪られてる税がゼロに成る訳である。

 とてもユニークなアイディアです。
 ただし、乙は、原子力発電所の建設と日本人の老人村の建設を結びつけて議論している点が納得できませんでした。それぞれが 5,000 億円かどうかは別として、それぞれにお金を介在させれば、別の事業ということができます。特に原発は日本が建設しなくてもいいと思います。
 現在は、物々交換の時代ではなく、市場を通して貨幣とものを交換している時代になっています。現在、物々交換が適しているようには思えません。
 原子力発電所の建設費用は、いくらなのか、よくわかりません。直接の建設費が 5,000 億円としても、10年で取り壊すわけではないでしょう。もっと長く使うのが当たり前です。また、耐用年数をむかえて原子力発電所を取り壊すことになったら、放射性廃棄物の処理費用がどれくらいかかるのか、何ともいえないでしょう。
 一方、老人村の建設も悩ましいところです。年間 100 万円程度で衣食住がまかなえるとしても、それは、すでに建物がある(それを借りる賃貸費を含めて計算する)場合ではないでしょうか。5万人分の住宅建設費がどこかからもってこられるでしょうか。出資者を見つける必要があります。
 また、老人村が建設されたとして、10年後に取り壊しということにはならないでしょう。住宅はもっとずっと長く使えるものです。とすると、メンテナンスしつつ、20年〜50年くらいのスパンで計画を考えておかなければなりません。さて、日本も、居住国も、経済状況がそんな長期にわたって同じようだとは思えません。アジア各国の経済発達も大きいと思います。となると、年間 100 万円の生活費というのも変わってくるでしょう。
 というわけで、二つの事業のいずれも、実現がむずかしそうです。そういう2種類をリンクさせる計画なのですから、実現はきわめて困難だと思います。
posted by 乙 at 05:58| Comment(3) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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