2011年03月31日

電気料金の値上げの一種としてのピークロード・プライシング

 この夏は暑い夏になりそうです。
 東京電力管内では計画停電などが予定されているからです。
 これに関しては、電気料金値上げや電力消費税を導入するべきだという議論があり、
2011.3.17 http://otsu.seesaa.net/article/191049323.html
また、電気料金の値上げは基本料金で行うほうがよいというアイディアもありました。
2011.3.23 http://otsu.seesaa.net/article/192040976.html
 鈴木亘(2011.3.28)「市場メカニズムを活用すべき電力不足対策」
http://synodos.livedoor.biz/archives/1720131.html
は、電気料金に関してピークロード・プライシングを提案しています。使用量のピーク時の電気料金を上げようという提案です。 まずは「企業に対して、季節別・時間別・業種別のピークロード・プライシングをはじめることが現実的である。」として「これにより、ピーク時とオフピーク時の料金差は10倍以上となる」と述べていますから、企業の電気料金に対して相当な大差を付けようという話です。
 このくらい差が大きくなると、企業としては何とか対策を考えるでしょう。真夏の午後を休みにして、深夜早朝の勤務を増やすなどというのでもいいかもしれません。どうするかは各企業が考えるべきことです。
 電車の運賃なども、混雑時の割増料金でピークの混雑率を下げようという話がありますが、今回のようなことでは、夏の暑い時期の日中の割増料金などが登場するのでしょう。冷房の効いた車内で快適に移動するためにはそれなりの料金を払わなければならないわけです。
 個人も、夜間電力と昼間電力で数倍違ってくれば、自宅の電気料金を下げるべく努力をするのではないでしょうか。
 鈴木氏の議論は、こういうことを通して、効率の悪いゾンビ企業に退場してもらおうというところまで考えてある点で興味深いものです。こういうアイディアも至急検討されるべきでしょう。
 鈴木氏は「さらに、夏場の対策として、政府が安易な計画停電や総量規制の導入を口にした背景にも、東京電力や経済産業省の官僚たちの隠れた意図や暗躍があるように思われる。」と述べていますが、もしもこういうことがあるなら、ピークロード・プライシングが検討されることはありません。
 それにしても、計画停電は、われわれがいかに電気に頼っているかを見事に知らしめました。これも「東京電力や経済産業省の官僚たちの隠れた意図」かもしれませんね。

 福島の原発事故の対応として、当面はこの夏の電力不足をどうするかが大問題ですが、実は、その先、数年先とかそれ以上を見越して、首都圏の(東北地方も同様でしょうが)電力供給はどうあるべきかというより根本的な問題があると思われます。原子力に頼るのか否かというのもそのような大問題の一つでしょう。
 乙は、電気使用量が増えることは、そこに住む人たちそれぞれの判断の結果であり、我々がそういう生活を(数十年にわたって)選んできたという意味で、十分な電力が生活に必要なことであり、今後もその傾向は変わらないのではないかと思います。ですから、数年先まで見越しても、原発に頼らざるを得ないでしょう。原発のこれからの新規設置は困難を極めるでしょうが、そちらを向くしかないように思っています。
 原発反対を主張するのは簡単ですが、では、原発を作らないことによる電力不足をどうするのでしょうか。他の手段による発電量を増やすか、電力の消費を押さえるかしかありません。前者でいえば、太陽光発電などかなりのコストがかかりますから、電気料金を値上げすることになりそうです。後者も、電気料金を値上げすることで実現するしかなさそうです。
 このようなことを考えると、電力供給をどう考えようと、長期的に見て電気料金は上げざるを得ないと思います。
 ピークロード・プライシングはその一つの手段ということになりそうです。

 なお、ゆうきさんのブログ「ホンネの資産運用セミナー」
http://genuinvest.net/?eid=1516
では、以下のような批判があるとのことです。
非効率で不公平な計画停電をやめて電気料金の値上げで対応すべきという話が出る一方、電気料金の値上げは被災者への負担になる、そもそも事故を起こした東電にこれ以上払いたくない、という批判も出ている。

 被災者の負担は別に手当てするべきで、被災者を料金値上げの対象外にするのは複雑な手続きが必要です。別途しかるべき支援策を考えることにして、電気料金は例外にする必要はないと思います。また、事故を起こした東電に、これ以上払いたくないという気持ちは理解できますが、実際にそうすることは無理です。東電から電気を買わない限り生活ができません。現代では電気ゼロでは十分な生活ができないし、自家発電などしても、結局コストが高く付きます。東電以外から電気を買うこともできません。料金値上げの話は、事故を起こしたこととは別に、これからの電力の供給をどうするかという問題です。
 重要なことは、電気料金の値上げ分が東電のふところに入るのでなく、被災地の復興支援なり何なりに回せるようなしくみを作ることです。それこそ国会議員たちの仕事ではないでしょうか。

参考記事:
http://www.shinoby.net/2011/03/post-2366.html
posted by 乙 at 04:50| Comment(14) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月30日

東日本の会社は他の地域に逃げ出すのか

 乙がダイヤモンド・オンラインで見かけた記事で、岸博幸(2011.3.25)「大震災と原発事故がもたらす東日本の空洞化懸念と日本経済の運命の分かれ道」
http://diamond.jp/articles/-/11613
というのがあります。
 東日本は、今回の大震災で痛めつけられ、計画停電で企業の生産活動に支障が出ていますが、世界的な競争はとどまるところを知らないから、企業としては東日本から脱出することも考えているということです。
 それが中部や西日本に行くならともかく、外国に行くとなると、日本国内は空洞化がいよいよ進むことになります。
 個人の引越について、昨日記事を書きました
2011.3.29 http://otsu.seesaa.net/article/193012251.html
が、企業は企業で個人とはまた別の次元の問題を抱えているということがよくわかります。
posted by 乙 at 05:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月29日

新しい土地での生活

 ちょっと前に、津波の被害を受けた人たちが町を捨てて他の地方に移住する可能性もあることを述べました。
2011.3.26 http://otsu.seesaa.net/article/192536783.html
しかし、これは被災者たちにはなかなか受け入れがたい話です。
 それに関連して、いろいろ思うところがあります。
 被災者の方々は、引越の経験が少ないのではないかということです。だから、よその土地に行って住むことを嫌うのです。いや、そういうのが嫌いだから、ずっと前から、自分の生まれ育った土地に住んでいるのかもしれません。
 乙は、大学に入るときに故郷を離れて東京に住みました。両親から離れてひとり暮らしでした。親から仕送りはもらっていましたが、一応独立生計でした。ある意味で大きな不安がありましたが、やってみればそれはそれでおもしろいものでした。就職も、妻との出会いも、乙が東京に住んでいなければ、ありえない話でした。東京は、そのようなよそからの出身者が集まってくる都市なのです。若い人を集める力があるということです。逆に、東京には東京出身者が少ないものです。三代以上続く「江戸っ子」なんて、ほとんどいません。
 乙は、あるとき、中学校の同窓会に出たことがありました。数十年ぶりに会った元のクラスメイトと話をしてみて感じたのですが、地元に住んでいる人がかなりの割合でいたのでした。まあ、それも一つの選択肢ですし、他人がその判断をどうこういうことがおかしいのはわかっていますが、話をしながらことばの端々にずいぶんと内向き思考だなあと感じたことを思い出します。そういう内向き思考だから故郷を離れてよその土地で暮らすことは選択肢に入らないのでしょう。(言い過ぎでしょうか。)
 自分の知らない土地に出向いて、そこで働き、生計を立てる。それはそれで意味のあることだと思います。
 若い人には、ぜひチャレンジしてほしいと思います。(こんなことをいわなくても、事実上そうなりつつあり、だから若い人が外に出て行って地方の小さい村が限界集落になったりするわけですが。)
 地方の、しかも非都市部にいくと、住民の高齢化率が非常に高いことに気づきます。住んでいる人の半数以上が65歳以上などという集落もざらにあります。今回の被災者がどうだったのか、詳しくは知りませんが、東北地方の海岸部であれば、おそらく高齢者がかなり多いだろうと思われます。
 歳をとれば、どうしても融通が利かなくなります。それまでの生活習慣を変えることは大変です。引越も、できればしないで済ませたいでしょう。実際、引越をするとそれが高齢者のストレスになる例もあります。ということは、元の場所で元の暮らしを取り戻したいと考える人が多数になります。
 人間は、さまざまな違った考えを持ちますが、性別・年齢・住所(出身地)によって大きく異なります。裏返すと、性別・年齢・住所(出身地)が同じ人は似たような考え方をするものです。
 今回の被災者に、東北地方沿岸部の高齢者が多いとしたら(そしてたぶんそうですが)、被災者の声を集めれば、元の町に住みたいという声が圧倒的でしょう。でも、本当にそれでいいか、個人的な感情とは別に、大所高所から考えてみる必要がありそうです。

 ところで、もしも、東京が直下型地震で壊滅的被害を受けたら、乙はどうするか。死んでしまえば話は簡単ですが、生き残った場合はその後を考えなければなりません。東京に残って復興に力を尽くすのも一つの生き方ですが、さっさと東京に見切りを付けて、早期リタイヤを前提に(勤務先の被害も相当でしょう)、他の地方に逃げ出すかもしれません。いっそのこと外国に行くかもしれません。
 何と非国民的な発想なのでしょう。
 でも、個人としては一つの判断として十分あり得る話だと思っています。
ラベル:引越
posted by 乙 at 04:53| Comment(6) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月28日

Firstrade が日本への送金を無料に

 東北関東大震災で被災した人は非常に多く、間接的な被害まで考えると、想像もできないくらいの影響があるように思います。
 さて、そんな中、Firstrade からメールがきました。「Fees Waived for Wire Funds to Japanese Banks」というタイトルです。内容は、口座の資金を日本の銀行に送金する場合、4月まで無料にするというものです。
Dear Firstrade Customer,

At Firstrade, our hearts and minds go out to everyone affected by the March 11th earthquake and tsunami in Japan. In order to assist the emergency needs of our Japanese account holders, Firstrade will waive all wire fund fees to Japan from March 11 until the end of April, 2011.

Best Regards,

John Liu

Chairman and CEO

Firstrade Securities Inc.

 こんな形でアメリカの金融機関が日本人のことを考慮してくれているのだなあと、とてもうれしく思いました。
 乙の場合は特に被害もなかったので、日本に送金することはありませんが。
ラベル:Firstrade 送金
posted by 乙 at 04:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融機関 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月27日

個人向け国債が売れない

 大前研一氏が「個人向け国債 発行額が過去最低」(2011.3.23)という記事を書いています。
http://www.ohmae.ac.jp/ex/kabu/magmail/index186.html
 記事中の図(財務省の資料による)を見ると、ホントに売れなくなっているのですね。
 国債が低金利ということもあるでしょうが、それ以上に、国債の信任が失われつつあると見るほうがよさそうです。大前氏の言い方を借りると「ネズミが危機を察して沈没船から逃げ出すように、ついに日本国民も「危機」を感じ初めてきたのだと私は見ています。」(乙注:初め→始め)ということです。
 個人の購入資金ですから、どうせ数兆円くらいのオーダーです。国債全体から見れば、大勢に影響はないと見るべきですが、「大手銀行は日本の国債を売っている」
2011.1.31 http://otsu.seesaa.net/article/183274802.html
という話と符合するようで、恐い話です。
 さて、日本の国債は今後どうなるのでしょうか。要注目です。
 あ、ちなみに、乙は日本国債を自分では買っていません。(ファンド経由で間接的にわずかばかり買っている形になっていますが。)
posted by 乙 at 05:11| Comment(4) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月26日

震災復興計画はむずかしい

 今回の東北関東大震災からの復興計画の話はあまりニュースになりません。15兆円だとか20兆円だとか、お金の話ばかりが話題になりますが、具体的にどんな町を作るのかという点が見えてきません。
 大規模な津波が今後もあることを前提にすると、基本計画として、いくつかの選択肢があります。
第1案:大津波を防ぐ巨大な堤防を作り、元のままに町を復興する。
第2案:被災地を捨てて、海岸線からやや離れた高台にみんなが集団移住する。
第3案:元の居住地を一切捨てて、国内のどこかに集団移住する。
第4案:それぞれの被災者が国内の諸都市に分散居住する。
 一体どれがいいのでしょうか。
 被災者たちの希望を勘案すると第1案でしょうか。先祖たちの築き上げてきたこの土地で、みんなで仲良く暮らしたいということです。しかし、将来来るであろう15メートル程度の津波を防ぐために巨大堤防を作るだけでもかなりのお金がかかりそうです。1箇所数千億円くらいでしょうか。そこに住む人たちの人口から考えると、(ムダとまではいえないけれど)もったいない気分になります。しかも、残念ながら今回の地震と津波でかなりの人口が失われたことを考えると、一緒に住むべき「みんな」はもういない場合があるのではないでしょうか。町ごとに被災状況が異なるので、一概には言えませんが……。元のままに復興することが現実的なのかどうか、考える余地がありそうです。
 釜石市の堤防は 1300 億円かけて作られていたとのことです。
http://www.bionet.jp/2011/03/konnahazudeha/
それでも今回の津波には役に立たなかったというのが現実です。
 第2案は、津波で流された町を見捨てるということでもあり、そういう判断はしにくいものですが、一度津波が来た場所は、これからも津波が来る場所なのですから、土地の利用価値はないと考えれば、選択肢の一つになりうると思います。しかし、何もないところに新しいコミュニティを作るというのは、それなりの苦労があります。ライフラインを整備するところから始めることになり、ダムによる水没予定地の集落が移住するような話に近くなります。でも、新しい土地にも地権者がいるわけですから、簡単に話が進むとも思いません。また、今回の地震・津波による被害を受けていない人たちもいるわけで、そういう人たちとの関係をどうするかという問題もあります。
 第3案は、あまり現実的だとは思いませんが、これからの少子高齢化・人口減少社会を考慮すれば、いっそのこと被災地を見限ってしまうということもありえます。第2案と比べれば、引越先が遠くなるだけです。国内の過疎地などを活かせば、集団移住を歓迎して受け入れてくれる場所もありそうです。しかし、それでは町の産業構造など一切が大きく変化するので、人々がどうやって暮らしていくかという問題があり、住民の抵抗が大きいかもしれません。
 第4案は、けっこう現実的です。日本社会全体としては、かなり低コストだろうと思います。もっとも、個々人にとっては、収入の道をどうするのか、悩ましいと思います。友人・知人と別れて、どこかに住むとしても、回りは知らない人ばかりということで大変です。受け入れる側にしてみれば、家も土地も財産も一切を流された人たちを受け入れるということですから、あたかもホームレスの人たちが転入してくるように受けとめられるかもしれません。しかし、今の日本で新たな差別問題が発生するとは思えません。今の日本では空き住戸がたくさんあるわけですから、分散居住でよければ、住むところは何とでもなると思います。時間が経てば、それぞれの被災者たちも自立の道を歩むものと思います。
 ただし、行政の立場からは、町がなくなるような第4案は考えられていないと思います。こういうのは「復興」でも何でもありません。
 今まで、自然災害にあうと、元の生活を再建することが復興と考えられてきました。しかし、被害の程度や復興の費用、これからのあるべき姿を考慮すると、あえて復興しないことも選択肢にしていいのではないでしょうか。

 余談ですが、第2案から第4案で今までの居住地を放棄したとしても、その後、海岸部の低地に住み着く人たちが出てきそうです。土地が安いし、100 年後にはまた津波がくるとしても、そのころには自分は死んでしまっていると考えれば、あえて海岸線沿いの低地に住む人がいても不思議ではありません。
 こんなことを考えると、もしかして、第0案として、今までのような(大津波に流されてしまうような)町を復興することもありかもしれません。津波が来たら水没する(その場合はひたすら高台などに逃げる)ことを前提にする居住方法です。大津波はめったに来ないのですから、そのときはそのときと覚悟を決めるならば、これもまた低コストな方法でしょう。
 考えてみると、被災者の人たちにとって、何が一番いいのかはむずかしい問題のように思いました。
 この話は、被災地から遠方にいて、現場の被害の状況をわかっていない人間の思い付きに過ぎません。

参考記事:
http://genuinvest.net/?eid=1507
ラベル:復興 震災 移住 堤防
posted by 乙 at 04:59| Comment(7) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月25日

東京電力の電力消費量

 計画停電の実施に関連した情報公開の一種でしょうが、東京電力が電力消費量のグラフを公開しています。
http://www.tepco.co.jp/forecast/index-j.html
 わかりやすいグラフで、ほぼリアルタイム(30分ほどの遅れ)で見ることができ、たいへんすばらしいと思います。
 昨年の電力資料量も表示されますが、最近は、計画停電によってピークがだいぶ低くなっています。人々の節電意識も影響しているでしょう。
 ところで、時間単位で見たとき、電力消費量は時間によってあまり変わらないように見えます。最低の3時ころで 2,500 万kW であるのに対し、ピークは、前年の相当日で夕方 4,800 万kW です。午前3時といえば、乙の自宅だったら、ほぼ何も使っていない時です(冷蔵庫くらいでしょう)が、東京電力の管内ではピーク時の半分ほど電力を使っているのです。
 深夜の時間帯にどこで電気を使っているのでしょうか。個人宅では、深夜電力を使った湯沸かし器くらいしかないように感じられます。町を見渡すと、夜間の照明や街路灯、信号機、交通機関などが電気を使っています。各種の自動販売機もけっこう電気を使いそうです。コンビニやテレビ局など24時間活動している企業がたくさんあるのでしょうか。
 それにしても深夜に電気をたくさん使っているのですね。乙は知りませんでした。ピークとボトムが大きく違っていて、もっと山型がはっきり現れるものと思っていました。個人宅では、朝や夕方にエアコンをつけたり食事の準備をしたりするので、厳密にいえばM型になるように思いますが。
 東京電力が深夜電力を使うように利用者を誘導していることの影響でしょうか。このこと自体は好ましいことだと思います。
posted by 乙 at 05:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月24日

「消費の自粛」という第4の災害

 日経ビジネスオンラインで見かけた記事で、内藤耕「サービス業を破綻から救え」(2011.3.23)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110322/219080/
があります。
 このタイトルよりも「「消費の自粛」という第4の災害」という副題のほうがインパクトがありそうです。
 地震、津波、原発という三つの災害に続く第4の災害が「消費の自粛」だという趣旨で、具体例はこの記事をお読みください。確かに、この記事のようなことだと自粛も「災害」のように思えてきます。
 乙の回りでも、地震後にはさまざまなパーティーや懇親会付きの会合などがキャンセルされました。3月は送別会などのパーティーがたくさんある月ですが、それらがなくなって、個人的には支出が減り、懐が温かくなったような気分です。(その分、寄付が多くなったともいえます。)
 伝え聞いた話では、某大学では、卒業予定学生が企画・主催し、教員も参加する卒業パーティーを、複数の教員が「開催されても欠席する」と伝えて、実質的にやめさせてしまったというようなこともあるようです。
 この間の交通の便、計画停電の不安、さらには余震や原発の影響などを考えれば、パーティーの中止はしかたがなかった面もあると思います。
 首都圏の大学で卒業式を取り止めた例もいくつかありますが、4月の入学式はどうするのでしょうか。9月ころにも(留年した学生などの少人数の)卒業式があったりします。9月だと、ほぼ確実に計画停電の影響などがあるはずですから、卒業式を行わないということもあり得ます。しかし、一方では、そのころまでには行方不明者もはっきりします(行方不明になって3ヵ月経つと死亡と推定されます)から、祝賀の式典を行ってもいいのではないでしょうか。さらに先の話ですが、来年3月には次の学年の卒業式があるはずです。3月11日に卒業式が予定されている場合でも、1年前を思いやって祝典は取り止めようというのは変な判断のように思います。
 被災者にとっては、1年後でも、まだまだ復興への道のりは遠く、苦労は続いていると思いますが、しかし、日本全体としては1年経てば雰囲気はだいぶ変わると思います。
 結局、いつかは元に戻るしかないわけで、問題はいつそのような判断をするかということだと思います。このあたりの判断はむずかしいものがあります。今は自粛ムードが高まっていますが、どれくらいの期間でこれが消えていくのでしょうか。
 地震や津波による直接の被害にあわなかった人は、むしろ積極的にお金を使うことも重要かもしれません。第4の災害を引き起こさないためにも。
posted by 乙 at 03:55| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月23日

電気料金の値上げは基本料金で?

 ダイヤモンド・オンラインで、野口悠紀雄氏が電気料金の値上げは基本料金で行うとよいと論じています。
http://diamond.jp/articles/-/11554/
 今回の地震と原発の事故を機に、節電などとともに、電気料金の値上げを主張する人はいろいろいますが、
2011.3.17 http://otsu.seesaa.net/article/191049323.html
基本料金の値上げというのは、ずいぶんと説得力のあるアイディアだと思いました。しかも、40A 以上の場合は5倍程度とのことです。具体的な数字が入っているので、検討しやすいと思います。
 これくらいの値上げだと、かなりインパクトがあります。
 乙の自宅の契約は 10kVA で、100A に該当します。これでも、寒い冬などではブレーカーが落ちる経験をしました。
 最近、やたらと電気を使うクセのある息子が自宅を出て行ったので、今なら 40A でも大丈夫かもしれませんが、妻が寒がりなので、やっぱり 40A では生活が成り立たないかもしれません。
 東京電力のサイト
http://www.tepco.co.jp/e-rates/individual/menu/home/home02-j.html
によれば、6kVA 以上の契約は従量電灯Cという契約で、基本料金は 1kVA(10A 相当です) あたり 273 円です。したがって、10kVA の基本料金は 2,730 円です。5倍になれば、これが 13,650 円になります。電気をまったく使わなくても毎月これだけかかるわけです。乙の自宅では冬に電力使用量がピークを迎えます。1ヵ月あたりざっと3万円くらいです。エアコンを使わない時期で 12,000 円くらいでしょうか。それを基準にすると、数割〜2倍程度の電力料金アップになります。
 さて、もしもこうなったら、妻とともに考え込みそうです。

 そういえば、半世紀も前の乙が子供だったころは、電気の契約量が 5A だったことを思い出します。昔は、そういう生活だったのですね。電気を使うものといえば、照明(電灯)がほぼすべてで、テレビも冷蔵庫も洗濯機も電子レンジも炊飯器もなく、もちろんエアコンもなかったのです。電気を使うものがないのが普通の生活だったのですが、今はそんなことが考えられなくなりました。そういう生活に戻れと言われても戻れないでしょう。
 避難所生活をしている人などで、停電が続いている人たちは、さぞや苦労をしているのだろうと思います。
posted by 乙 at 07:17| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月22日

アーニー・J・ゼリンスキー(2003.9)『働かないって、ワクワクしない?』ヴォイス

 乙が読んだ本です。
 文字通り、働かないことで自由時間を確保し、豊かな生活を楽しもうという本です。
 「自由な時間」を多く持っている人こそが、ほんとうの「豊かな人」だという考え方が述べられています。
 しかし、乙は一読して失望しました。
 「働かない」理念は興味深いものがあります。しかし、では、具体的にどのような生活をするのか、収入はどうするのか、その具体策がまったく書いてありませんでした。
 著者はどうしているのでしょうか。巻末にこう明記してあります。「アーニーは一日4,5時間、週4日働き、英語で“r”がつかない月、つまり5月、6月、7月、8月には仕事をしないことにしている。」
 これでわかります。つまり、まったく働かないのではなくて、少なく働いて自由時間をたくさん確保しているのです。それならそうと、この暮らし方を早めに提示するべきでしょう。
 普通に誤解するのは、「働かないこと」がすばらしいなら、「全然働かないこと」がベストということになるということです。しかし、その場合、収入の道がないわけで、日々の生活はどうするのかという問題が起こります。
 収入については、いろいろな考え方がありますが、ある程度の財産があれば、あとはまったく働かない(つまりは早期リタイヤ)という選択肢もあります。日本円で考えれば、たとえば5億円あれば、毎年1%で運用したとしても、500 万円の収入があることになりますから、それで財産を減らすことなくずっと暮らしていけます。また、2億円あれば、まったく運用しなくても、毎年 500 万円ずつ取り崩して40年暮らしていけます。
 もっとも、そういうお金を得るためにがむしゃらに働くことは著者の主張に反することになります。したがって、これが達成できる人は、親からそういう財産を相続した人くらいかもしれません。
 そうでなければ、少しは働いて、収入を得る必要があります。著者のスタンスがわからなかったので、本書を読みながら不満が募りました。第11章「優雅な生活に大金はいらない」にしても、具体的なお金の話はまったく出てきません。
 ところで、短時間だけ働くというスタイルですが、著者が住むカナダではこういう働き方ができそうに思います。しかし、日本ではどうでしょうか。短時間の仕事では十分な収入が得られるようにはなっていない(そういう仕事はない)のが現実ではないでしょうか。一日5時間週4日働くというのは、週20時間ということです。そういう仕事といえば、まずアルバイト程度しかないのではありませんか。とすると、時給 1000 円の世界です。週2万円、月8万円、1年に8ヵ月働いて64万円の収入です。これでは豊かに生活するにはとても足りません。逆に、時給 4000 円の仕事をするならば、年収 256 万円となり、まあ何とか暮らしていけそうです。しかし、時給 4000 円の仕事といえば、それなりの専門職ということになり、そういう人が毎年4ヵ月の休暇を取るというスタイルを貫けるでしょうか。乙は大いに疑問に思います。
 この本は、著者の考え方を書いた本であり、具体的な生活の話はまったく出てきませんので、こんなことで 300 ページもかける必要はないと思います。100 ページ、あるいは 10 ページに圧縮して書いても趣旨が伝わります。
 もっとも、定年退職した後の生活のことを考えるためには、こういう本も適している面があります。


posted by 乙 at 04:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月21日

マンションを借りる際の保険

 次男が家を出るにあたって、マンションの賃貸契約に連帯保証人が必要とのことだったので、乙が署名・捺印をしました。実印を使うのは実に久しぶりでした。
 それとともに、次男には、賃借人であっても損害保険に入るべきだということを説きました。万が一の事故の時、連帯保証人に請求が来ても困ります。たとえば水漏れ事故程度でも、下の階の人の損害額が数百万円くらいになることはあり得る話です。
 次男が探してきたのが「新・お部屋の保険」
http://www.tmssi.co.jp/product/shin_oheya.html
というものでした。
 まあ、こんな保険で十分だろうと思いました。
 あれこれ比較したわけではありませんが、掛け金も割と安いように思いました。
ラベル:損害保険
posted by 乙 at 03:36| Comment(8) | TrackBack(0) | 保険 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月20日

次男が家を出ることに

 以前のブログ記事で、同居している次男が家を出るかもしれないと書きました。
2011.1.9 http://otsu.seesaa.net/article/179734119.html
 いよいよそうなってしまいました。都内の某所にマンションを借り、女性と同居するとのことです。
 まあ、子供はいずれは家を出ていくものと思っていましたが、そろそろそういう時期になったのでしょう。
 乙は、同棲には賛成できません。
 将来の結婚を考えているなら、披露宴は後でもいいので、今すぐにでも婚姻届けを出してしまうべきです。
 結婚しない選択肢があるなら、同棲するというのはある意味で無責任です。女性側の負担が大きいと思います。
 同棲するときの問題はいろいろあります。お金の問題なども結構大きいでしょう。当面は二人でお金を出し合って生活するのでしょうが、法律上の夫婦でなければ、いざ近所とトラブルが起こったりすると大変です。たとえば、うっかり水漏れ事故を起こしてしまったりして、下の階の人に損害を与えた場合などです。どちらがどう負担するかで、二人の仲が険悪になったりするかもしれません。
 また、一方が何かの事故で重い後遺症を負ったときに、責任を持って他方が面倒を見ていけるのか、それでいいのかなどという深刻な問題もあるかもしれません。
 乙がこの意見を伝えた上で、二人で考えて、やっぱり同棲するという結論を出したようなので、乙は大人の判断として尊重し、それ以上は言ってもしかたがないと思いました。

 とはいえ、当面の金がないとのことなので、乙が 100 万円ほど用立てることにしました。礼金・敷金・引越費用・家具類の購入などを考えると、けっこうかかるものなのですね。
 そのうち30万円は、親からの援助ということにし、あと70万円は、ちょっとたってから順次返済ということにしました。本当に返してくれるかどうかはわかりません。親子だから、返してくれなくてもしかたがないと思っています。返してくれれば、誠実さがわかります。返してくれなければ、「借りると言って実はもらう」タイプの人間だということがわかります。さて、どちらでしょう。
ラベル:同棲
posted by 乙 at 04:03| Comment(11) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月19日

さまざまな義援金

 東北関東大震災に関連して、乙の職場でもさまざまなレベルで募金・義援金集めが行われています。自分の気持ちを表すいい機会です。
 それとは別に、各種ポイントが寄付に使えます。
 乙は、マネックスポイントを寄付しました。どうせマネックス証券は今後使いませんし。
2010.2.22 http://otsu.seesaa.net/article/141855227.html
 ネットで確認してみると、3月末まで有効のポイントもあったりして、全ポイント(といっても大したことはありませんが)を義援金に回すことができました。
 一人あたりはわずかであっても、みんなが集まれば大きな力になります。
 ポイント類はムダにしないように、寄付に回すのが一番です。
ラベル:義援金 ポイント
posted by 乙 at 05:50| Comment(1) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月18日

円高が進む

 16日のニューヨーク市場で、円高が進み、1ドルが76円台まで急伸したとのことです。実に急激な円高です。
 日経新聞は特報を出し、「リスクを取りにくくなった国内の投資家が海外投資に尻込みするとの見方や、日本の企業や投資家が海外の資産を売って国内に戻すとの思惑が先行。ヘッジファンドなどの投機筋が積極的に円買いを進めているという。」と書いています。
 思惑だけでこんなにも円相場が変動するのでしょうか。
 こんなことで、乙が昨年11月に注文しておいた1ドル80円でのドル買いが約定しました。4ヵ月ぶりの約定です。
 個人投資家としては、せっかくの円高ですから、ここでドルを買うべきではないかと思います。(さらに円高が進んで大損をくらうことも考えられますが。)ドル建て投資の絶好期です。
ラベル:円高
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2011年03月17日

東北関東大震災に関連して電気料金値上げや電力消費税は

 今回の東北関東大震災(「東北地方太平洋沖地震」が正式名称ですが、どうもしっくりきません)については、さまざまな問題があります。その中で、おやっと思ったのは、電気料金値上げあるいは電力消費税の考え方が示されたことです。
http://agora-web.jp/archives/1279213.html
http://agora-web.jp/archives/1281101.html
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51804805.html
http://ameblo.jp/englandyy/entry-10830185694.html
 電気は生活必需品ですから、消費を控えるほどの料金にするとなると、2倍から3倍にする必要がありそうです。理屈の上ではあり得る話であり、おもしろいアイディアだと思いますが、そういう制度が導入されるためには多くの人の合意が必要です。その部分で拒否反応を示す人が多いように思います。つまり、このアイディアは政治的に不可能でしょう。

 それに関連して「無利子国債」のアイディアを唱える人もいます。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20110315/263826/?P=3
 これに関しては、乙は賛成しません。
2010.3.5 http://otsu.seesaa.net/article/142788317.html
それよりは、みんなで負担する電気料金値上げや電力消費税のほうがマシです。

 なお、山崎元氏は「10兆円規模の特別復興国債」を提案しています。
http://diamond.jp/articles/-/11512
こちらのほうが現実的でもっともなアイディアのように思います。
posted by 乙 at 07:29| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月16日

名古屋の市議会議員選挙

 ここのところ、地震・津波・原発のニュースで持ちきりで、名古屋の市議会議員選挙の結果はニュースにもならないようです。
 結果は、河村たかし市長の率いる「減税日本」が28議席で第一党というものでした。とはいえ、定数75議席からすると半分には達しなかったことになります。
 民主党は、11議席しか取れず、さんざんな目にあっています。自民党19議席、公明党12議席を下回ったのですから、相当なものです。
 さて、「減税日本」が第一党とはいえ、過半数には達しないという結果では、名古屋市で本当に住民税の減税が実現するのか、わからないように思います。
 名古屋市には、借金が多いという話もあります。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5554
こんな状態で減税していいのでしょうか。
 まあ、議員報酬半減はすばらしいと思いますが。
posted by 乙 at 03:46| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月15日

駒崎弘樹(2010.12)『「社会を変える」お金の使い方』英治出版

 乙が読んだ本です。「投票としての寄付 投資としての寄付」という副題が付いています。
 社会を変えるために寄付をしようという呼びかけの本です。著者の駒崎氏は NPO 法人のフローレンス(病児保育を行います)の代表理事ということで、自ら NPO 法人としていろいろな企業などに寄付を呼びかけ、それに基づいてフローレンスを運営しているという話です。
 p.4 には、こう書いてあります。「寄付は、投資家が株や投資信託に投資するのと同じようなものなのです。」副題に書かれていることにもつながる考え方です。しかし、乙は、寄付と投資は別物のように感じています。自分のお金を投じるという点においては共通性があるものの、両者は異なる点もあります。寄付は、自分の願い(こうありたい、こうしたい)を直接表現するものですが、投資は、第1義的には資金を増やすことを目指すものです。そして、がんばってほしい企業の株を買うというような考え方の投資もある一方、どの企業に投資したらいいかわからない人のための投資法もあるわけです。前者は、寄付と通じる部分がありますが、後者はずいぶんと離れているように思います。インデックス投資の考え方が後者と重なるとすれば、寄付と投資はかなり違った面を見せることになります。
 寄付は、投資と一線を画すようなものだけれど、こういうことをして、続けていってほしいという願いを実現できる一つの方策として、「寄付」は意義のあるものだと思いました。
 巻末には、「寄付先のご紹介」があります。いろいろな NPO ががんばっているのだなとわかります。
 乙の寄付先は、必ずしも NPO ではないようで、一つも含まれていませんでした。しかし、自分なりに意義があることに自分のお金を使おうという意味では、今までのやり方でいいと思っています。

 インデックス投資になぞらえれば、インデックス寄付ということがあってもいいと思います。これらすべての NPO 法人に(均等に?)配分するようなしくみを作ったらいいのにと思いました。150 ほどのリストですから、1口 1,500 円として、何口でもよしとすると、毎月定期寄付などということができます。投資信託を買うのと同じやり方で寄付することができます。毎月一人分として、たとえば 10 円だけ一つの NPO 法人に流れます。たくさんの人が賛同してこれが増えてくると、バカにならない金額が動くようなことにもなるのではないでしょうか。
 乙は 1,000 円からの投信積立には否定的ですが、
2009.10.7 http://otsu.seesaa.net/article/129680323.html
1,500 円からの定期寄付は賛成です。これで1年に 18,000 円の寄付になります。収入の1%を寄付にあてると考えれば、ちょうどよさそうな金額です。普通のサラリーマンなら、2口か3口くらいでちょうどいいのではないでしょうか。
 もっとも、あまり安易にインデックス寄付を導入すると、インデックス投資と同じく、モラル・ハザードを引き起こす可能性もあるあたりがマイナスかもしれません。

参考記事:
 http://happy2020.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-0a99.html


posted by 乙 at 05:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月14日

Facebook の実名制とブログの匿名性

 のらFPさんのブログ記事
http://norafp.seesaa.net/article/187873124.html
を読んで、乙も似たようなことを感じていたので、ちょっと書きます。
 Facebook は、乙もよくわからないながら、いつの間にか、アカウントを作っていました。(実際はほとんど使っていません。あ、先日は息子とやりとりしましたっけ。)他人から招待メールが届くので、何となく登録してしまうということもあるように思います。
 Facebook は実名制です。これは良し悪しです。
 乙のブログでは、ブログは一般にそうだと思いますが、完全匿名性です。リアルワールドの存在とは切り離されて「乙川乙彦」が存在する形になっています。したがって、この場では、投資関連のことをあからさまに語ることができます。
 しかし、リアルワールドと結びついていたら、こんな話は書けません。乙の知人・友人から「えっ? あの人、こんなブログ書いてるの?」と見られたら、リアルワールドのほうの存在が傷つけられてしまうかもしれません。乙もそれなりの年齢になってきたので、それに対応した社会的立場というものがあります。人は誰でもそういう制約の中で生きていくものでしょう。
 個人投資家にとって、投資は個人的な営みに過ぎません。他人との関係はないも同然です。全部自己責任の世界です。だから、周りの人間との結びつきが多ければ多いほど、投資の話はできなくなります。
 ブログは匿名だからこそ書いていけるものだと思います。(これは、書く内容にもよりますし、一概に匿名性がいいとはいえませんが。)
 これからもブログを継続して書いていきたいと考えています。
posted by 乙 at 06:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月13日

Walton 社のランドバンキング説明会

 乙は Walton 社のランドバンキングにも投資しています。
2006.8.7 http://otsu.seesaa.net/article/22025403.html
 先日、東京駅のそばの丸ビルホール&コンファレンススクエア8Fで、すでに出資している投資家を相手に、説明会を行うという案内がありました。乙はちょっと興味があったので、参加してみました。
 参加者は30名ほどでした。平日の夜ということで、サラリーマンが多いような印象でした。サンドイッチとミネラルウォーターのサービスがありました。「軽食」のつもりのようでしたが、乙などは十分食事相当と考えられる量でした。
 説明会の内容は、2009年から2010年にかけて、Walton 社がカナダで手掛けてきたランドバンキングのうちいくつかが終了し、デベロッパーなどに土地を売却して利益が出たという話が中心でした。単利計算で十数%から30%程度の利益であるという話でした。あちこちで開発話があり、Walton 社はずいぶん幅広く手掛けているようです。
 しかし、乙は Walton 社に全幅の信頼を寄せているわけではありません。
 会場で直接質問したわけではありませんが、いくつか疑問に感じていることがあります。
 第1に、説明会にずいぶんコストをかけているように思われる点です。
 今回の説明会は、すでにWalton 社に投資している人たちに対するものですが、東京駅の駅前一等地にある会場を借りて行っています。また、そのために日本語による各種資料を用意していました。こういうことではずいぶんコストがかかります。今回は香港在住の責任者が来て英語で話しましたが、日本語への通訳が付きました。通訳者は Walton 社の社員で日本語が達者な(アメリカ系の?)白人でしたが、こういう人たちの人件費は相当なものでしょう。こんなにコストをかけていいのでしょうか。プレゼンではパワーポイントを駆使していましたが、これまた作成には相当なコストがかかっていると感じました。同じものを世界中で使い回せば安上がりになるのでしょうか。あれもこれも一見豪華ですが、こういうコストは投資家が負担していると考えるべきで、乙はマイナスにとらえます。豪華な説明会は、詐欺的投資話によく出てくるもので、乙などはかえってうさんくさく感じます。英語で話すならば、資料も全部英語で、通訳なしでいいのではないでしょうか。香港の方はカナダにも住んでいたことがあるとのことで、流暢な英語を話していましたが、とても聞き取りやすかったと思います。
 第2に、カナダの開発話が有限である点です。トロント周辺に典型的に見られるように、どんどん人口が増えていて、住宅に対する需要が強いというのはその通りでしょう。しかし、それが無限に続くわけではありません。いつかは需要が減ることがあり得ます。Walton 社のように開発前の更地を大量に保有してデベロッパーに売却していくビジネスモデルはいつかは限界を迎えます。それがいつなのか、わかりません。今は順調であっても、今後もずっと順調だとはいえません。こういうビジネスモデルはある日突然破綻するものですから、安心して資金を突っ込むべきとは思えません。1口が1万カナダドルくらいになるように小口に分散して世界中から投資家を募っていますが、まあいいところでしょう。何口も購入するのは危ないように感じています。
 それにしても、過去の話を聞く限りにおいて、相当な実績を上げてきているようで、自分の投資案件がどのようになるのか、あと数年程度で出口が見えそうですが、楽しみでもあり不安でもあります。
posted by 乙 at 06:57| Comment(8) | TrackBack(0) | 不動産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月12日

ホテルで米ドルと日本円の為替レートを見ると

【2011.3.13 この記事は、乙の勘違いに基づくもので、不正確です。大変失礼しました。事情は、コメント欄に書きました。】

 先日、乙が地方都市の某ホテルに泊まったときのことです。
 フロントのところに米ドルと日本円の両替のレートが書かれていました。米ドル→日本円と、日本円→米ドルでは2円ほどのレートの違いがあり、この差が手数料だということがわかります。
 あとから思い起こしてみると、これが、確か(あやふやな記憶ですみません)78円台と80円台くらいだったように思います。足して2で割ると79円台ですので、「あ、1ドルが80円を越える円高になったんだ」と思いました。実は、乙は、数ヶ月前に1ドル80円で買い注文を出しているのです。しかし、なかなか約定しません。今回見たようなことで、いよいよ円高が進んだんだなと思いました。「しめしめ、これでさらに米ドルでの投資ができる」などと考えました。
 しかし、その後、自宅に戻って為替レート
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=USDJPY=X&t=3m&p=m65
を確認してみると、80円とかの円高とは全然無縁で、ドル円のレートは82円から83円あたりでうろちょろしているだけです。
 乙は「おや?」と思いました。普通は、ホテルの為替レートは、実際の為替レートをはさんで上下にずらして提示するものだと思っていましたが、そうではないようです。
 ホテルで両替する人となると、事実上、米ドルを持参してきた外国人客が円に両替する場合が圧倒的でしょう。(使い残した円をドルに換える人はごく少ないと思います。)だとすると、ホテル側としては、実際の為替レートにこだわることなく、それを円高方向にずらしておいたほうがもうけが大きくなります。
 2円の手数料(スプレッド)をさらに大きくすることは、いろいろ問題があってまずいと思います。しかし、こうして円高方向のレートを提示し、それで両替することで、ホテル側は確実に実入りが増えます。
 たぶん、こんなことを考えて、このレートになっているのではないでしょうか。
 だとすると、日本人にとって大きなトクになり得ます。普通に米ドルを購入するとき、銀行などに行くよりは(乙が泊まったような)ホテルで両替する方がレートがいいということです。
 旅行費用などと限定して考えなければ、10万ドルとかをホテルで両替する手があります。普通の両替よりもずっとお得です。ただし、ホテルではそんな金額に対応できないでしょうが……。
 もしかして、実効レートよりもさらに大差が付いていれば、ホテルで両替したあと、すぐに銀行にドルを持ち込んで円に両替するのです。個人で行う裁定取引ということでしょう。手間をかけるほどの価値があるとは思いませんが、(ホテルとしてはそういうことまで考慮してレートを決めているはずです)そんなことまで考えさせるような架空の円高の話でした。
posted by 乙 at 05:18| Comment(6) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月11日

SBI 証券の MRF 口座が使えなくなる

 乙は SBI 証券のページで知りました。
https://site1.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?burl=search_home&cat1=home&cat2=none&dir=info&file=home_info110113.html
 SBI 証券の MRF 口座が使えなくなるという話です。
 MRF 口座に資金を入れておいて、そこから投資信託や株を買ったりしていました。株の配当などもここにはいるようになっています。これからは、その代わりに住信SBIネット銀行が提供する「SBIハイブリッド預金」を使う必要がありそうです。
 乙は、毎月定額の投信積立をしていますが、MRF 口座がなくなることで、これも2011年6月でできなくなります。何だか、強制的に口座を開かされる感覚です。なるべく口座数を減らしたいと思っているのに、また口座が増えるのかといったところでしょうか。
 しかし、ぼやいたところでしかたがありません。
 金融機関の変更があれば、それに追随するしか手はないということです。

 念のため、SBI 証券に電話で確認しました。
 SBIハイブリッド預金の口座を開設すると、今の MRF の口座にある残高がすべてハイブリッド預金に移動し、株式の購入や売却の代金の受渡がハイブリッド預金から行われるようになるということです。
 SBI 証券のウェブサイトにある説明だけでは、そのあたりがよくわかりませんでした。MRF 口座とハイブリッド預金の関係がどうなるのか、配当はどこに行くのか、それを変更するのに手続きがいるのかなど、もう少し説明が書いてあってもよさそうに思いました。
 乙が頭が足らないだけでしょうかね。
posted by 乙 at 06:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融機関 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月10日

武富士創業家が怨嗟の的?

 乙はダイヤモンドオンラインで読んだのですが、最高裁判決で巨額還付金を得た武富士創業家が怨嗟の的になっているという話です。
http://diamond.jp/articles/-/11287
 何だか、勘違いしている人がたくさんいるような気がします。
 まず、2000 億円が還付されたことをどう考えるかですが、これは還付が当然で、そうしなければ、日本は法律が機能せず、お役所が勝手に何でも課税できる国だということが世界中にばれてしまいます。日本の将来を非常に暗くするものになったでしょう。今回、最高裁は法律に則って常識的な判断をしたと思います。
 というわけで、2000 億円は武井俊樹氏に還付されて当然の話です。このお金は個人の所有物です。したがって、この資金に関して個人に請求するというのは、会社に対して請求するべきものを個人に求めているということで、勘違いとしかいいようがありません。個人に対して請求できると考える人は、仮に今回の訴訟で武井俊樹氏が敗訴して、1330 億円の追徴課税がそのままになった場合でも、武井俊樹氏に請求するべきです。だって両者はまったく別の事件ではないですか。2000 億円があるから請求する、ないなら請求しないというのはスジが通りません。今回の訴訟の決着がどう付こうと、それとは別に訴訟を起こすべきです(でした)。
 そもそも、武富士の過払い金問題だって、相当におかしい話です。当時のグレーゾーン金利で借りた人が、返済を終えたあとで、利息はもっと安かったはずだとして訴訟しているわけで、こんなことを認めたら(実は裁判所がすでに認めてしまっているわけですが)「契約」が根本的に成り立たなくなってしまうではないですか。本人同士が納得して「契約」したものをあとから取り消すことができるという判断は、非常に慎重にやらなければなりません。世の中の秩序をひっくり返してしまいます。
 結果的に、サラ金業界が取りつぶしになり、借金したい人が正規に借りることができなくなりつつあります。これは良い悪いの問題ではなく、ルールが変わればそれに応じてみんなの判断基準・行動基準が変わるということです。
 こんなあたりからも、日本の閉塞感がいよいよ大きくなっていきそうです。
posted by 乙 at 05:00| Comment(7) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月09日

さわかみファンドの解約結果

 さわかみファンドの解約については以前ブログで書きました。
2011.3.3 http://otsu.seesaa.net/article/188641663.html
 乙の銀行口座にさわかみ投信から振込がありました。
 これで無事に解約手続きが済んだわけです。
 解約時の基準価額は 13,002 円で、購入時は 13,393 円でしたから、結果的に若干の損失が出たことになります。
 まあ、購入時の基準価額にこだわってもしかたがないのですが、やっぱり個人投資家としてはこういうところが気になりますね。
 さっそく、日本株の ETF を買うことにしました。
posted by 乙 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内投資信託 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月08日

アメリカ債券の ETF の購入

 アメリカの債券では、2種類の投資のしかたがあります。債券 ETF に投資する場合と、債券そのものを購入する場合です。
 乙は、両方とも経験しています。
2011.1.27 http://otsu.seesaa.net/article/182634930.html
 最近は忙しくて、時間が取れないので、生債券の購入は見送り、ETF に投資することにしました。乙の生債券の購入は4年ほど前の経験ですが、そろそろ次の生債券を購入する時期になってきたかなと思っています。でも、実際購入するとなると、価格などいろいろ調べてからでないといけないので、面倒な気分になります。ETF だとその点が気楽です。
 上述の記事では、アメリカ債券に投資する ETF として AGG と TIP を購入しているとしていましたが、その後、気がついたら BND とLQD にも投資していました。
2007.11.7 Vanguard Total Bond Market ETF (BND)
    http://otsu.seesaa.net/article/65017132.html
2007.11.9 iShares iBoxx $ Investment Grade Corporate Bond Fund (LQD)
    http://otsu.seesaa.net/article/65399893.html
 自分の投資している対象を見落とすなんて、すごい話です。まあそれくらいいい加減な投資だということです。
 アメリカ債券 に投資する ETF は、他にもあるかと思いますが、それぞれの特徴など調べるのも面倒なので、自分で保有しているものを買い増すことにしました。しかも同額ずつです。我ながらなんて安易なんだろうと思いました。しかし、こんなことでもいいでしょう。気を付けて投資しても、適当に投資しても、そんなに大きな違いは出ないのではないかと思っています。(だったら、こんなブログであれこれ議論する必要もないかもしれません。)
 以上、二重にいい加減な投資話でした。
ラベル:アメリカ債券 ETF
posted by 乙 at 05:00| Comment(5) | TrackBack(0) | ETF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月07日

2月末のポートフォリオ

 以前に、2010年8月末のポートフォリオを確認しました。
2010.9.9 http://otsu.seesaa.net/article/161931018.html
 半年後、どうなったでしょうか。
《2011.2》合計アメリカヨーロッパ日本新興国
株式
52.52%
15.41%
10.96%
9.64%
16.51%
債券定期
25.39%
5.45%
5.68%
7.54%
6.72%
不動産
4.99%
ヘッジ等
3.58%
預貯金
13.53%

 前回とあまり変わっていません。まあ、そんなものでしょう。この半年間にはアメリカ株に投資したと思いますが、いや、そんなことも数ヶ月程度で忘れてしまいます。
 乙の理想は、2010年8月末の記事に記したとおりです。

 理想と現実を比べると、今後、投資するべきところがわかります。
 少し預貯金を取り崩してアメリカの債券に投資しましょう。
posted by 乙 at 04:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月06日

SPDR S&P500 の東証上場

 以下のようなブログでニュースが流れました。
http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-1673.html
http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2011/03/101-9b68.html
http://toyop129.blog48.fc2.com/blog-entry-1169.html
SPDR S&P500 という ETF が東証に上場するという話です。
 乙は、重要なニュースだと思いました。
 もともと、乙は、アメリカ市場に上場している ETF を日本で再上場するのは無理なのではないかと思っていたくらいでした。
2010.3.4 http://otsu.seesaa.net/article/142710065.html
 乙の予想は見事に外れました。
 あとは、日本での取引額が順調に伸びていくかどうかが心配なだけです。そうなればプレミアムが付く乖離率なども自ずと解決するでしょう。
 日本の証券会社でアメリカ市場に上場する ETF を購入すると、手数料がけっこうかかるので、乙は避けていました。そのために、わざわざアメリカの証券会社に口座を開いたわけです。
 しかし、こういう環境が実現すると、アメリカの証券会社に口座を開いて売買する意味がなくなってしまいます。それはそれでいい話だと思います。
 もっとも、だからといって、アメリカの口座を解約して日本に移すべきかというと、それはまだまだです。
 今は、その方向を向き始めた段階といえるでしょう。

参考記事:
2010.10.6 日本でさまざまな ETF に投資可能に
    http://otsu.seesaa.net/article/164824620.html
ラベル:SPDR S&P500 上場
posted by 乙 at 03:49| Comment(2) | TrackBack(0) | ETF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月05日

メガネ屋の値引きカード

 以前、乙がメガネを購入したメガネ屋からダイレクトメールがきました。
 「なんと!最大90%OFF」という大きな文字が躍っています。
 よく見ると、次のように書いてあります。
 フレーム&レンズでご購入時、どちらか価格の安い方にのみ有効とさせて頂きます。
 ※レンズ付きセット価格でのご購入は対象外となりますのでご了承下さい。
 有効期間2011年3月31日(木)まで

 例として、フレーム 18,000 円、レンズ 20,000 円の場合、38,000 円のメガネが 1,800+20,000=合計21,800 円で買えるということです。
 ずいぶんトクなような気もします。しかし、買う気は起こりません。
 そもそも、乙にとってメガネは複数持っているものでもなく、一つをずっとそのまま使い続けるものです。何かの事故に備えて予備を一つ持っていてもいいですが、せいぜいそこまでです。女性などでファッションを考えてメガネを使い分けるという人もいるようですが、乙はそんなことは考えません。
 今使っているメガネも快適で、もう何年も使っています。とすると、何も今追加してメガネを買う理由もないわけです。どんなに安くなったって、その価格でメガネ屋が販売する以上は、それで儲けが出るようになっているはずです。消費者からいえば、原価に手数料が上乗せされて販売されているようなものです。
 そんなことを考えていたら、こういうダイレクトメールに意味があるのか、気になってきました。
 DMは、過去の購入者に配布するものなので、その中の何人かはこの際だからということでメガネを買うでしょう。しかし、それは単に需要の先食いにしかならないのではないでしょうか。数年後にどうせ買うメガネですが、割引を考慮してそれを今買うというだけです。とすると、DMがうまくいって販売が伸びたとしても、数年後にはその影響で販売が落ち込むはずです。
 メガネ屋が取るべき戦略は、過去の購入者にアプローチすることよりも、新規に顧客を開拓することではないでしょうか。近くに大学などがあるのだから、新入学生などを狙って、チラシをまくとかしたほうがいいのではないかと思いました。
posted by 乙 at 05:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月04日

中国の深刻な環境汚染

 乙は日経ビジネスオンラインで読みました。
 北村豊氏の書いた記事ですが、中国の深刻な環境汚染をレポートしています。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110222/218546/
 もちろん、環境汚染はよくないことで、安全な食糧が入手できるようでないと、豊かな生活はできません。中国の現状は、その反対です。環境汚染問題も問題ですが、それを正していこうとすること自体ができないというわけで、社会のあり方としてこれでいいのかというより大きな問題を提起しています。
 共産党1党支配の悪い面がもろに出ています。
 こういう問題の解決は簡単ではないでしょう。
 中国が経済的に発展すれば、環境汚染はさらに深刻な問題になることが予想されます。どうしたらいいのか、乙はわかりませんが、中国の将来に疑問を感じました。
ラベル:中国 環境汚染
posted by 乙 at 06:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月03日

さわかみファンドを解約します

 乙は、さわかみファンドを保有しています。購入したのが 2005.5.13 でした。6年ほど保有していたことになります。
 このブログでも、何回か、記事にしたことがありました。
2009.4.17 さわかみファンドの「運用体制強化」
http://otsu.seesaa.net/article/117596328.html
2008.11.2 さわかみファンドから特定口座の案内
http://otsu.seesaa.net/article/108939441.html
2007.4.12 さわかみファンド再論
http://otsu.seesaa.net/article/38495244.html
2006.3.2 さわかみファンドはおすすめできるファンドです
http://otsu.seesaa.net/article/14016027.html
 乙は、さわかみファンドを割といいファンドとしてとらえていたのですが、最近、「吊られた男の投資ブログ (一般人の投資生活)」というブログで、「さわかみ投信は投資詐欺なのか?」という記事
http://blog.livedoor.jp/tsurao/archives/1602720.html
を見て、ショックを受けました。こういう「うそ」はいけません。話をするときに、つい間違えるということはよくあることですが、そういう発言が雑誌に掲載されるときは、校正のときなり何なりで「確認」が求められるでしょう。つまり、単に口が滑ったというのとは違うと思います。
 澤上氏の発言に関しては、乙は好意的に見ていたのですが、この話で意見を変えました。

 では、さわかみファンドを解約するべきか、ちょっと考えてみましょう。
 乙が購入したのが 2005.5.13 で、基準価額が 13,393 円のときでした。
 その後、2007.7.10 には、基準価額が 20,245 円まで伸び、なるほど、投資信託はいいものだと感じていました。上記の乙のブログ記事も、その日付を見た上でお読みください。
 さて、リーマンショック後どうなったかを見ると、2009.3.10 では、基準価額が 8,686 円まで下がりました。最高値を基準にすれば6割減という成績です。この間、アクティブファンドとしては現金比率を高めるとかして、株価の下落を耐えたのかと思いますが、「成長の記録」という実績
http://www.sawakami.co.jp/fund/growth.html
を見ると、そんなことはありません。資金の大部分を日本株に突っ込んだままで、身動きができない状態でした。なすすべもなく株価の下落をもろに食らった形です。
 では、前述の「成長の記録」という実績で、現金比率が高かった時期はどうだったか。濃い青で示されているところです。基準価額が上がっていく時期です。ここは、もっと株式の保有を増やしておくべきときでした。
 現金比率を高めるべきときというのは、これから株価が下がっていくときであり、株に突っ込んでいくべきときというのは、これから株価が上がっていくときであることは明らかです。
 澤上篤人氏の普段の言説でも、たまに株価がどんと安くなったときに買いに出動するべきで、そのために株価が高いと思ったら買わずに現金のままに保有しているのだとしています。アクティブファンドとしては、こういう方針でいいと思います。しかし、リーマンショックのとき、さわかみファンドの行動は予定していたものではありませんでした。
 ということは、さわかみファンドの過去の実績を見るに、澤上氏は、株価の上昇下落を予想しあてることはまったくできないし、それに対応したふさわしい行動が取れないということを意味しています。
 だとすると、さわかみファンドを保有している意味はなく、インデックスファンドか ETF を買うほうが(コストも安くて)いいということになります。
 そんなわけで、「吊られた男」さんの指摘と、過去の実績を振り返った上での判断として、さわかみファンドは解約しようと思いました。
 さっそく換金と特定口座の閉鎖の手続きを取りました。入金までは1週間ほどかかるようです。

参考記事
http://toyop129.blog48.fc2.com/blog-entry-1166.html
http://atsumaro.doorblog.jp/archives/51630643.html
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2011年03月02日

山森亮(2009.2)『ベーシック・インカム入門』(光文社新書)光文社

 乙が読んだ本です。「無条件給付の基本所得を考える」という副題がついています。
 ベーシック・インカムとは、誰にでも一定額の所得を与えようという話です。どういう理念なのか、そういうことが可能なのか、それを知りたくて読んでみました。
 一読して、乙はかなり不満を感じました。
 本書中には、歴史的にどういう運動があり、どのようにベーシック・インカムという考え方ができあがってきたかが記述されています。しかし、本当に知りたいのは、日本なら日本に適用したときにどういう制度になるのかということです。たとえばもらうお金にしても、毎月3万円か、10万円か、はたまた30万円かによって姿は全然違って見えると思います。そういう具体論は一切出てきません。ただし、仮にということで、p.10 では、大人一人1ヵ月10万円、子供は7万円という数字が出てきますので、たぶん、このくらいのことを想定しているものと思われます。
 ベーシック・インカムに関して、乙が疑問に思った点はいくつかあります。
 第1に、子供の分は誰に支払うべきかということです。たとえば、18歳で区切って、それ未満は子供扱いし、それを越えたら大人扱いする(本人に支払う)のでもいいと思いますが、その子供の分は親に払うということでいいのでしょうか。両親が離婚したケース、家庭崩壊したケース、両親ともに死んでしまったケース、施設に入っている子供のケース、などなど考えてみると、「親に払う」ということでもけっこう手間がかかりそうです。現在の「子ども手当」の場合と同じ問題が起こります。
 第2に、外国人をどうするかという問題です。もちろん、外国人もベーシック・インカムの対象です。日本に住んで(働いて)いれば、日本に税金を払っているわけで、国籍で差別することがあってはなりません。しかし、入国してきた人に毎月10万円をプレゼントするということが世界中に知れ渡ると(そしてそうなることは明らかですが)、さまざまな理由で日本への入国者が激増しそうです。留学生・就学生はもちろんですが、理由は何でもいいので、日本の医療を受けたいとか、日本人との(偽装)結婚とか、蛇遣いのプロ(エンターテイナー)とか、何でもありになるかもしれません。日本人がそういう不法入国を手伝う(そして荒稼ぎする)例が激増するでしょう。密入国者の場合だって、それを理由にベーシック・インカムを支払わないというのは本来の趣旨に反します。「日本に1年以上住んでいる人」などと条件を付けることは、ベーシック・インカムの理念(何も条件を付けずにばらまくのがよい)に反することです。日本に入国した人は、働く必要はありません。働かなくても食っていけるだけの金額を渡すことがベーシック・インカムでしょう。「黄金の国、ジパングに行こう。覚える言葉はたった一つ。ベーシック・インカム、プリーズ。」こういう外国人が激増してもベーシック・インカムという制度が耐えられるのでしょうか。
 第3に、第2の点の裏返しですが、日本人(日本国の居住者)は、海外に出かけていく(留学でも就職でも起業でも国際結婚でも何でも)ことが少なくなりそうです。日本にいれば毎月10万円もらえるけれど、海外に行ったらそれがもらえないのでは、わざわざ海外に出かけようとする人は少なくなるでしょう。日本人はいよいよ内向き思考になりそうです。これがいいか悪いかは議論の余地がありますが、日本国の(さらには全世界の)発展のためにはよくない面が多そうです。
 第4に、ベーシック・インカム制度のもとでは働かない人が増えそうです。本書の pp.146-147 では、ベーシック・インカムへの批判として、働かない人に甘く、働く人に厳しい制度だといわれることがあると述べ、それに対する反論が書いてありますが、乙は、反論になっていないと思います。たとえば、大学を卒業するころ、ベーシック・インカム制度があったとして、乙は就職の道を選んだでしょうか。働かなくても一定の収入があり、自分の時間をすべて好きなことに割けるなら、そちらを選んだ(つまり就職しない)可能性があります。これは社会の理念の問題というよりは個人の生き方の問題です。たくさんの人の判断の集合として働かない人が多くなれば、いわば日本全体が「引きこもり」状態になるわけで、社会は崩壊します。
 第5に、ベーシック・インカムは豊かな社会の発想であり、そうでない社会には受け入れられないということです。ベーシック・インカム構想の歴史を述べた p.150 以降でもそれははっきりしています。豊かな社会が実現し、福祉国家が実現してきたからこそこういう考え方が登場してきたのであって、人類の大部分の歴史にはこういう考え方はありえなかったということです。ベーシック・インカムには 200 年の歴史があるといいますが、たった 200 年です。人類の大部分の歴史は、どうやって食って(生きて、子供を育てて)いくかということであったろうと想像します。近年、豊かな社会になり、ようやく弱者も生存の権利があると考えられるようになってきた(他人に助けられれば弱者も生きていけるし、助ける側も自分のことだけに精一杯ではなく、他人を助ける余裕ができてきた)わけです。ベーシック・インカムは、そういう豊かな社会を前提にして成り立つ制度です。日本は「豊かな社会」でしょうか。これからもずっとそうであり続けるでしょうか。
 第6に、不正受給や支払ミスの防止の問題です。ベーシック・インカムは、誰にでも支給するから審査などの手間が不要でその分のコストがかからないという議論がありますが、実際はそんなでもないと思います。少なくとも、年金と同じく、その人が生きてそこで生活していることの確認は必要ですし、二重支払などにならないための制度が必要です。それはけっこうコストがかかる話でしょう。

 なお、本書中の記述で乙がおやと思った点についてもメモしておきます。
 第2章「家事労働に賃金を!」で、家事労働に従事する女性たちに賃金を払うべきだという考え方が紹介されます。これもベーシック・インカムにつながっていく考え方です。しかし、こういうときの家事労働は、それによってメリットを受ける側(夫、あるいはその家族)が賃金を払うべきであり、社会が払えばいいということにはなりません。
 p.275 では、「働かざる者、食うべからず」という言い方に触れ、もしも本気でそう思うなら相続税 100% にするべきだという議論が書いてあります。これは変です。そんなことをしたら、裕福な人はどんどん外国(相続税のない国)に逃げていくだけです。武富士の創業者の息子が香港に住んでいたような話です。
 本書で、乙も賛成するところがありました。p.267 から、ベーシック・インカムを導入することと似た結果になるということで、生活保護や児童扶養手当を利用しやすくすること、年金を税方式にすること、児童手当の所得制限を撤廃すること、所得税の計算で所得控除になっているところを給付型税額控除にすることなどを挙げています。そうするべきかどうかは議論の余地がありますが、このような施策はベーシック・インカムへの道として考えてもいいと思いました。

 ベーシック・インカムに関しては、以下のようなブログ記事も参考になるかと思います。
http://blog.goo.ne.jp/yamazaki_hajime/e/df9729ff82024e97dd3447d08d9c5f27
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50907051.html


posted by 乙 at 04:28| Comment(4) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月01日

国のバラマキは悪いっしょ

 「吊られた男の投資ブログ (一般人の投資生活)」にあった記事で「国のバラマキは悪くないっしょ」というものがありました。
http://blog.livedoor.jp/tsurao/archives/1594392.html
 その趣旨は国の資金のバラマキは、それでいいのだというものです。政府が富の再分配でいろいろやっても、結局計画経済のようなもので、うまくいかないことから、国が使途を決めるのでなくバラマキがいいのだということです。政府が将来有望な分野へ資金を投じるなどというのも難しい話で、政府に将来が有望な分野を見極める能力があるのかと疑問を投げています。
 乙は、この趣旨に違和感を感じました。
 なお、この議論の元は乙のブログ記事「日本の成長戦略とは」
2011.2.14 http://otsu.seesaa.net/article/185801658.html
ですので、こちらも合わせて御参照ください。

 以下では、乙の考え方をメモしておきます。

(1)バラマキから計画経済まで、すべては程度問題である。
 程度問題ではありますが、その「程度」をおおざっぱに並べると、以下のような順序になりそうです。
(1) 完全なバラマキ(ベーシック・インカム)
(2) 範囲を絞った共通ルールに基づくバラマキ
(3) 申請を審査した補助金・支援策
(4) 重要産業を国が支援
(5) 重要産業を国が設置・運営
(6) 国が全経済を計画・遂行・評価
 乙は、完全なバラマキには懐疑的です。今回の成長戦略は (3) レベルに該当するように思います。

(2)子ども手当はバラマキであるが、完全なバラマキではない。
 「吊られた男」さんは、子ども手当をバラマキの例としていますが、それだって完全なバラマキでなく、子育てをしている家庭を選んで優遇してそこに資金をつぎ込んでいます。

(3)補助金等は、何らかの審査・評価を経て行うほうが(無審査・無評価よりは)マシである。
 乙の知り合いからの情報ですが、ある助成財団の研究助成(若手研究者多数が応募してくる)の審査をしてみると、専門分野が異なる審査員(年配の研究者)がほぼ一致する評価結果を出したという話があります。財団としては、そういう研究に助成するというわけです。
 起業プランなども同様ではないでしょうか。
 審査なしにばらまくよりは審査してもっともらしいものに配分するほうが効果的であろうと思います。

(4)審査なしでは、大量の詐欺師が紛れ込んでくるので、制度が持たない。
 文部科学省による科学研究費の補助金が研究に有用だったかについては、両論ありますが、資金を配分する以上、研究計画を審査して高い評価の計画を採択するしかないと思います。
 審査が 100% 正しいことはないと思います。しかし、国が研究内容について指示しているわけではなく、研究者の自発的な研究計画を評価して研究費を配分するわけで、そのようなしくみは割とうまく機能していると思います。
 こういう競争は望ましいものと思います。

(5)ルール作りと規制緩和が必要なのは賛成。
 起業プランに補助金を出すことについて、しかるべきルール作りが必要なのはその通りでしょう。
 規制緩和は、今回の話とは別に、必要なことです。

 もっとも、こういう起業による成長戦略がうまくいくかどうかに関して、心配な面もあります。
 原悟克氏による「静かに報道される金融円滑化法の実態」
http://agora-web.jp/archives/1247324.html
によれば、中小企業向けの貸付の中に5兆円の不良資産があるという話です。
 単に補助金を出してもダメということでしょう。
 また、日経新聞2月28日朝刊3面に「中小企業向け融資 公的金融、1/4に迫る」という記事がありました。ネットでも記事全体が読めます。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819694E0E4E2E2938DE0E5E2E0E0E2E3E39797EAE2E2E2;at=DGXZZO0195164008122009000000
 これからわかるように、中小企業向けの貸出残高252兆円のうち、政府が関与する融資が61兆円にもなり、1/4 という割合は政府が中小企業に関与している割合が十分に高いことを意味しています。ここで10兆円の成長戦略基金を作ったとしても、それだけではいい影響があるとはいえなそうです。やはり、どう起業を後押しするかというプランが大切なように思います。
posted by 乙 at 06:03| Comment(7) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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