2006.8.7 http://otsu.seesaa.net/article/22025403.html
先日、東京駅のそばの丸ビルホール&コンファレンススクエア8Fで、すでに出資している投資家を相手に、説明会を行うという案内がありました。乙はちょっと興味があったので、参加してみました。
参加者は30名ほどでした。平日の夜ということで、サラリーマンが多いような印象でした。サンドイッチとミネラルウォーターのサービスがありました。「軽食」のつもりのようでしたが、乙などは十分食事相当と考えられる量でした。
説明会の内容は、2009年から2010年にかけて、Walton 社がカナダで手掛けてきたランドバンキングのうちいくつかが終了し、デベロッパーなどに土地を売却して利益が出たという話が中心でした。単利計算で十数%から30%程度の利益であるという話でした。あちこちで開発話があり、Walton 社はずいぶん幅広く手掛けているようです。
しかし、乙は Walton 社に全幅の信頼を寄せているわけではありません。
会場で直接質問したわけではありませんが、いくつか疑問に感じていることがあります。
第1に、説明会にずいぶんコストをかけているように思われる点です。
今回の説明会は、すでにWalton 社に投資している人たちに対するものですが、東京駅の駅前一等地にある会場を借りて行っています。また、そのために日本語による各種資料を用意していました。こういうことではずいぶんコストがかかります。今回は香港在住の責任者が来て英語で話しましたが、日本語への通訳が付きました。通訳者は Walton 社の社員で日本語が達者な(アメリカ系の?)白人でしたが、こういう人たちの人件費は相当なものでしょう。こんなにコストをかけていいのでしょうか。プレゼンではパワーポイントを駆使していましたが、これまた作成には相当なコストがかかっていると感じました。同じものを世界中で使い回せば安上がりになるのでしょうか。あれもこれも一見豪華ですが、こういうコストは投資家が負担していると考えるべきで、乙はマイナスにとらえます。豪華な説明会は、詐欺的投資話によく出てくるもので、乙などはかえってうさんくさく感じます。英語で話すならば、資料も全部英語で、通訳なしでいいのではないでしょうか。香港の方はカナダにも住んでいたことがあるとのことで、流暢な英語を話していましたが、とても聞き取りやすかったと思います。
第2に、カナダの開発話が有限である点です。トロント周辺に典型的に見られるように、どんどん人口が増えていて、住宅に対する需要が強いというのはその通りでしょう。しかし、それが無限に続くわけではありません。いつかは需要が減ることがあり得ます。Walton 社のように開発前の更地を大量に保有してデベロッパーに売却していくビジネスモデルはいつかは限界を迎えます。それがいつなのか、わかりません。今は順調であっても、今後もずっと順調だとはいえません。こういうビジネスモデルはある日突然破綻するものですから、安心して資金を突っ込むべきとは思えません。1口が1万カナダドルくらいになるように小口に分散して世界中から投資家を募っていますが、まあいいところでしょう。何口も購入するのは危ないように感じています。
それにしても、過去の話を聞く限りにおいて、相当な実績を上げてきているようで、自分の投資案件がどのようになるのか、あと数年程度で出口が見えそうですが、楽しみでもあり不安でもあります。