2011年04月06日

辛坊正記・辛坊治郎(2011.1)『日本経済の不都合な真実』幻冬舎

 乙が読んだ本です。「生き残り7つの提言」という副題がついています。
 前著『日本経済の真実』
2010.8.1 http://otsu.seesaa.net/article/158083591.html
の続編です。
 第1章 日本国債はなぜ暴落しないのか
 第2章 君には破綻の足音が聞こえないか
 第3章 20世紀の二大経済学者に学ぶ不況の原因と対策
 第4章 日本を強くする7つの提言
という4章で構成されています。
 第1章では、政府紙幣を発行することについて、暴論だとしています。乙は、発行してもいいと考えていますので、
2009.2.11 http://otsu.seesaa.net/article/114032329.html
ここは著者たちと意見が異なりました。乙は、政府紙幣を限定的に発行するなら、副作用は小さいと思いますが、著者たちは政府や政治家を信じていないようです。
 全体に、あまり意外な話もなく、妥当な考え方が述べられているように思いました。7つの提言というのも、よくいわれていることです。
 1 供給サイドを強くせよ
 2 法人税を抜本的に引き下げよ
 3 日本的雇用慣行を根本から変えよ
 4 内需重視! の掛け声に騙されるな
 5 FTA を推進せよ
 6 規制緩和を強力に進めよ
 7 不透明な日本流規制をやめさせよ
それぞれの具体的な内容を知りたい方は本書を一読するといいでしょう。
 これらの提言はもっともなのですが、それが実行できるかといえば、まず無理です。日本のあり方を根本から変えなければならず、社会がきしみます。誰もそのようなリスクを取りたがらないのです。総理大臣が旗を振って、みんながついていくようなことにでもならない限り、そういう変革は無理というものです。今の政治家では特にそう思います。
 どうしたらいいか、よくわかりません。
 まずは、選挙区の定数を是正して一人一票を実現し、今の政治家の基盤をくずすところあたりから始めないとダメでしょうか。いや、これまた難問なのですが、……。


posted by 乙 at 04:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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