ネットでも公表されています。
http://www.cmam.co.jp/fund/report/report00886.pdf
さて、このファンドの運用結果がどうだったのか、ざっと見てみました。
p.2 基準価額とベンチマークの推移が掲載されています。2010年5月ころにベンチマークが下がったのに、基準価額はさほど下がらず、この影響がずっと続いたので、結果的にベンチマークよりも成績がよくなっています。ベンチマークの騰落率が△6.5% だったのに対して、ファンドの騰落率が△4.9% ということで、1.6% も上回っています。p.2 の最下行に「ベンチマークとの乖離が生じた主な要因は、キャッシュ要因によるものです。」と書いてあります。乙にはこれが理解できませんでした。ベンチマークが下がったときに、基準価額が下がらなかったということは、キャッシュとして持っている部分が多かったというのでしょうか。
もしかして、5月ころに株式の配当が出たということかと思いましたが、p.1 に明記してあるように、ベンチマークは配当込みの TOPIX ですから、配当が影響しているわけではありません。
p.3 では、「当ファンドの運用につきましては、中央三井日本株式マザーファンドの受益証券へほぼ100%投資しました。」と書いてあります。つまり、このファンドは手元にキャッシュはほとんど持たないのです。p.7 では、95.9% がマザーファンドに投資され、4.1% がコール・ローン等、その他となっています。
p.3 の下の方のマザーファンドの騰落率(当該ファンドの決算期にあわせて計算)を見ると、△6.4% となっています。ベンチマークの騰落率が△6.5% ですから、ほぼそのままということになります。
なお、マザーファンドの基準価額の推移(p.10)を見ると、ベンチマークとほぼ重なっています。インデックスファンドとしてきわめて望ましい運用をしています。
以上のことをまとめていうと、ベビーファンドの騰落率がマザーファンドのそれを 1.6% も上回るのに、ベビーファンドの資金は全部マザーファンドに投資され、マザーファンドの騰落率はベンチマークとほぼ同じということです。このことから、乙はベビーファンドの騰落率がベンチマークを上回ったことが理解できません。どなたか、おわかりの方がいらしたら、教えてください。
さて、このファンドのコストですが、p.5 にあるように、1万口当たりの費用を見ると、信託報酬が 28 円で、売買委託手数料や保管費用は 0 円です。実際はコストがかかっているのでしょうが、0.5 円未満ということで、四捨五入したら 0 円となるのでしょう。すばらしい話です。p.5 の最下行にあるように、売買高比率が 0.10 と低く、じっと株式を持ったまま売買をあまりしていないことがわかります。だから余計なコストがかからないというわけです。
マザーファンドのコストは p.14 に書いてありますが、0 円です。大いにけっこうです。
p.28 にあるように、マザーファンドはきわめて大きいもので、CMAM日本株式インデックスeなんて、ごくごく小さいベビーファンドに過ぎません。こういうマザーファンドに個人が投資できるという意味で、このファンドはとてもいいと思います。
参考記事:
http://www.lay-up.net/archives/blog-entry-911-1102172129.html