今回の話は、昨年書いた一連の記事(海外ファンドには投資するべきでない(1)〜(6))の続きです。
2019.5.16 http://otsu.seesaa.net/article/465724868.html
2019.5.15 http://otsu.seesaa.net/article/465705931.html
2019.5.14 http://otsu.seesaa.net/article/465665237.html
2019.5.13 http://otsu.seesaa.net/article/465643674.html
2019.5.12 http://otsu.seesaa.net/article/465629440.html
2019.5.11 http://otsu.seesaa.net/article/465612764.html
今回は、乙が投資していた Man AP 2XL USD-Class C Shares
2007.10.4 http://otsu.seesaa.net/article/58734981.html
のその後を結末を書いておきましょう。
このファンド、だんだん成績が悪くなり、元本を割った状態が長く続きました。
そうしたら、独自の運用が停止され、Man AP USD-Class C Shares に合併されました。何と驚きです。もう投資を継続する意味もなくなったと思いました。
しかし、損失が出ているファンドにも活用するすべがあるものです。しばらく先に、乙が定年を迎えて、年金生活に入ってから、各種の ETF などを解約しつつ生活していくことを想定していますが、その際、赤字のファンドも解約して、プラスの利益部分を圧縮することができます。その分の税金を支払わずに済むということです。乙は、そんなことを考えて、そのままにすることにしました。
すると、今度は、Man AP USD-Class C Shares の運用が停止されてしまったのです。その後の一切の処理は BNYMellon という銀行が行うことになりました。
乙は、しばらくそのままにしておいたのですが、Man 社から何かを言ってくるわけでもないし、代理店(Global price)が何かを言ってくるわけでもありません。数ヶ月以上経ち、心配になったので、代理店に連絡してみたところ、メールが届きません。解約時には代理店に連絡することになっていました。調べてみたところ、何と、代理店はすでに廃業していたのでした。投資が継続している間は代理店も運用会社 Man Investment からなにがしかの手数料(報酬)を受け取っていたはずですが、そんなことは無関係なようで、儲けにならないと見ると、会社をたたんでしまうのでしょう。いや、これは乙の憶測であって、別の事情が関係していたのかもしれません。とにかく、代理店が廃業しても、顧客に今後どうすればいいか、連絡してこないのですね。
こうなると、BNYMellon に連絡してファンドを解約するしかありません。乙から連絡して、数ヶ月かけて無事解約でき、元本を割った状態ではあるものの、現在、乙の銀行口座にしかるべき金額が振り込まれたので、正常に解約できたということになります。
この数ヶ月間で大変だったことというと、各種書類を英語で書いて送付したのですが、その中のパスポートの認証をめぐって、受け付けないといわれたことでした。パスポートの認証は、公証人役場で以前にもやったことがあります。
2019.1.30 http://otsu.seesaa.net/article/463918694.html
今回も同様に1万円以上の費用を払ってパスポートの認証をしてもらったのですが、それを受け付けないと言われてしまいました。証明(certification)の部分が、パスポートのコピーと同じ紙の上に書かれていればいいのですが、乙の送付した書類では別葉になっている点が問題視されました。もちろん、紙の入れ替えなどの偽造を防ぐために、ホッチキスで綴じられた数枚の書類に一定の文字列がパンチ(穴開け)されているのですが、それではダメだというのです。
乙は、BNYMellon の係員と英語で何通もメールのやり取りをしました。日本の実情や、これしか発行できないことなどを乙が縷々説明したのです。実にヒヤヒヤものでした。
最終的に、解約できたので、事なきを得たのですが、この経験から、海外ファンドの危険性を感じてしまいました。以下のようなことです。
一つには、海外ファンドに投資するのは簡単だけれど、解約は簡単ではなく、ファンドの運用をきちんと定期的にフォローしていないと、自分の投資したファンドがどうなっているか、追求がむずかしくなることがあります。
次に、運用が停止された場合でも、特にファンド会社から何かを言ってくるわけではなく、また当然運用資金が自動的に戻ってくるものでもなく、自分から解約を申し出ないと、何もしてもらえないということです。
さらに、日本のパスポート認証の手続きが世界的に受け入れられているかどうか、不明な場合があり、もしかして書類の準備が大変になってしまうことがあり得るということです。
乙の場合、日本の住所の証明も(英語で)求められましたが、これには銀行の残高証明書を英文で発行してもらって済ませました。しかし、こういう手段も、知っていればできますが、知らないとどうしようもないかもしれません。
特に、乙が死亡したりボケたりして、家族が代理で行うということにでもなれば、ややこしい話を英語でしなければならず、そんな面倒なことならば、投資した金額が返ってこなくてもいいやと考える人がいても不思議ではありません。
もしかすると、ファンド会社がそれをねらっているなどということもあるかもしれません。今回のようなケースでファンドの解約しないままうやむやに終わるケースがどれくらいあるでしょうか。1割程度だったとしても、ファンド会社にとっては大きいと思います。
乙は、2005年9月に申し込みましたので、14年間投資を継続したことになります。結果的に損失になりましたが、いい勉強になりました。こういう経験を14年前の乙に(タイムマシンで過去に戻って)アドバイスしてやりたい気分です。