2008年06月15日

インデックス投資から考えるヘッジファンド

 インデックス投資の考え方からヘッジファンドをながめてみましょう。
 平均的にはアクティブファンドがインデックスファンドを下回るということは、誰も株式市場を出し抜けないということです。ならば、ヘッジファンドが市場を出し抜けると考えることは間違いということになります。
 強いヘッジファンド教が間違い
2008.6.11 http://otsu.seesaa.net/article/100134698.html
というのはこういうことです。
 ヘッジファンドが株式などの「空売り」という手段を活かすことができるとしても、そもそもいつどういう場合に「空売り」していいのかという問題があります。単純なアクティブファンドの運用すらインデックス運用を上回ることがむずかしいということは、プロでも株式の銘柄や売買のタイミングを見極めることがむずかしいとうことを意味しています。その場合、なぜ「空売り」が有利なのでしょうか。空売りの場合は銘柄とタイミングがわかると仮定することは論理的な説明ではありません。
 マーケットニュートラルの技法はどうでしょうか。割高な株を空売りし、同時に割安な株を買い持ちするというわけです。売買対象の一方がインデックスの場合もあります。普通のアクティブファンドは、割安株を保有し、割高になったら売るというアプローチをとります。それがうまく行かない(インデックス投資を上回れない)ということがほぼ証明されているときに、反対方向の取引を組み入れたからといって好成績を収めることができるでしょうか。いえいえ、そんなことはやはりありえないと思います。
 しかし、弱いヘッジファンド教の考え方ならば、空売りは「あり」だということになります。市場のわずかなすきをねらってマーケットニュートラルの手法で投資した場合、インデックスを上回るリターンがなくても、インデックスと異なる値動きになるのは当然ですから、それはそれで意味があることになります。
 最近読んだ山崎元氏の「ホンネの投資教室」
https://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/investment/yamazaki/in05_report_yamazaki_20080606.html
で、新たにトレーディング手法が開発されても、その有効性が3〜4年もすると半減してしまうということなども興味深い話でした。長期的に有効な(インデックス投資に優る)手法はないとしても、短期的には有効だということがあるわけで、それをねらうヘッジファンドは意味がある投資先かもしれません。(うまく行くという保証はないわけですが。)

 ヘッジファンドの否定論者は、だいたいインデックス投資の考え方を基準にして否定しているようです。たとえば、成功報酬制で手数料が高い、アクティブに運用しても市場を出し抜けるわけがない、レバレッジを効かしたハイリスクな投資をしていて危険だ……といった意見です。
 しかし、そもそも運用方針(仕組みや考え方)が違うものを、別の立場から否定できるのでしょうか。乙にはここがよくわかりません。
 インデックスファンド教も宗教の一つですから、その立場の人がいることは理解できますし、乙も、その考え方に近いのですが、必ずしもインデックスファンド教に入信して完全に信じ切っているわけではありません。


posted by 乙 at 05:33| Comment(3) | TrackBack(1) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。共感しながら読ませていただきました(^^♪

「○○教」という表現がいいですね。ある意味分かり安いです。
持ち家派と賃貸派みないな(笑)

国際分散投資をしていますけど、インデックスも持ち、個別も持つ。積立もすればスポットもする。
何かに偏るのがスタンスではない投資も、自分の中で軸があればいいですよね(^^♪

Posted by うさみみ at 2008年06月15日 17:10
こんばんは。

明らかに銘柄選択能力に優れ、常に市場平均を上回る成績を残す人たちもいると思います。私はほぼインデックス派(少し個別株)なのですが、良いファンドマネージャーを見つけることが難しい、というのが最大の理由だと思います。

とても興味深く拝読させていただきました。
Posted by at 2008年06月15日 20:36
ヘッジファンドの勉強に非常に参考にさせていただいています。

ヘッジファンドって、一口で語れない位、ほんと多様なんですよね。

先日、乙さんも読まれている『ヘッジファンド投資入門』(ジェームズ・オーウェン)を中古で手に入れたところです。

この本の表紙の裏には「ヘッジファンドは、本質的に保守的な投資手段である」と著者の言葉が書いてありました。
Posted by レバレッジ君 at 2008年06月16日 00:14
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