レバレッジをかけたハイリスクなアプローチのヘッジファンドもあれば、ローリスクなアプローチを採用する(と称する)ヘッジファンドもあります。両者を一緒くたにして「だからヘッジファンドは……」と述べることは正しい態度ではないと思います。
ヘッジファンド全体をながめると、手数料が高いと思います。運用サイドからの見方では、一般的な投資信託やミューチュアルファンドを運用する場合に必要な資金量に比べれば、ヘッジファンドはその数分の一程度の資金でも運用が可能なようです。それだけ手数料が高いというわけです。これは運用サイドに有利に働きます。ということは、そのまま投資家には不利だということになります。
ところが、投資家サイドでながめてみると、ヘッジファンド全体に投資しているわけではなく、一部のヘッジファンドに投資しているわけで、事情がちがいます。現実に高い運用成績を残しているヘッジファンドの場合、それを解約していいかといわれると、判断が鈍ります。
もっとも、アクティブファンドの場合も事情が似ており、どのアクティブファンドを選ぶかという点で、投資家に選択眼があるとは仮定できません。自分が投資しているアクティブファンドが好成績を上げたからといってそのファンドマネージャーが優秀だとは必ずしも言えません。しかし、人はしばしばそういう誤解をします。
ヘッジファンドも同様かもしれません。
それぞれのヘッジファンドが「自分のところは、これこれのアプローチを取っていて、……」と宣伝しています。あまり投資方針を詳しく説明しないというのも、秘密主義めかして投資家を誘っているだけで、実は、そういう優れたアプローチなどというものは存在しないのかもしれません。インデックス投資の考え方では、「優れたアプローチは存在しない」はずです。
ヘッジファンドは、全体としては(通常のファンドと比べて)ハイリスクのはずです。だから、成績は大きくばらつきます。結果的に好成績を収めるヘッジファンドもたくさんある一方では、破綻するものもまたたくさんあるはずです。ヘッジファンド全体に投資することが不可能だとすると、一部のヘッジファンドに投資することになりますが、そのヘッジファンドが今後どうなるか、推定することはきわめてむずかしいと思います。だって、事前にそれがわかれば、投資するかしないか、もっと簡単に判断できるはずです。だとすると、個別のヘッジファンド投資は、やはりあたるかもしないけれどあたらないかもしれないと考えるのがいいように思います。
何だか、今回の話は結論がないような話になりました。
ラベル:ヘッジファンド