その中に、こんな話があります。(一部引用します。)
たとえば、買値よりも 10% 値上がりしたら売るという利益確定の基準を決めたとします。これに対して、損切りの基準が「20% 以上値下がりしたら売る」というものだとしたら、期待する利益よりも損失が大きくなってしまいます。仮に利益確定と損切りの回数が同じになるとすれば、資産は減る一方です。
利益確定と損切りの最適な基準を特定することは困難ですが、例えば損切りの基準を利益確定の基準の半分にすれば、「5勝10敗で損益はトントン」というイメージになります。
乙は、これは間違いだと思います。
第1段落で仮定したように、「買値よりも 10% 値上がりしたら売り、20% 以上値下がりしたら売る」というものだとしたら、利益確定と損切りの回数が同じになるはずはありません。株価の変動がランダムだとすれば、10% 値上がりする確率(回数)のほうが、20% 値下がりする確率(回数)よりも大きくなります。
問題は、10% 値上がりする確率は、20% 値下がりする確率の2倍かということになります。2倍以上大きければ、「買値よりも 10% 値上がりしたら売り、20% 以上値下がりしたら売る」という方針でいいことになりますし、2倍以下なら、この方針ではダメだということになります。
阿部氏は上の引用部分の第1段落では1倍だと考えているようです。それでは「ダメ」という結論になります。もっとも、第2段落ではちょうど2倍と考えているようです。
この問題については、以前、乙のブログに書いたことがあるので、ご参照ください。「株の売買における利食いと損切り(1)」
2007.9.16 http://otsu.seesaa.net/article/55103375.html
です。
結論からいうと、株価がランダムに上下するという条件の下では、10% 値上がりする確率は、20% 値下がりする確率の2倍よりもほんの少し大きいのです。したがって、「買値よりも 10% 値上がりしたら売り、20% 以上値下がりしたら売る」という方針で問題はないというのが乙の考えです。
阿部智沙子氏は「プロ」だそうですから(記事の副題に「プロに聞く」と書いてあります)、シロートの乙の考えと比べてはいけませんが、乙は、阿部氏が根拠を示さずに主張しているように思えてなりません。乙は根拠を示して阿部氏と反対の主張をしていますが、阿部氏の乙に対する「反論」をお聞きしたいものです。プロらしい反論が出てくるものと期待します。
プロはシロートのブログを読んでくれないので、乙が阿部氏の「反論」をお聞きすることはほとんど期待ゼロなのですが、……。
2008.8.25 追記
この話の続きを
http://otsu.seesaa.net/article/105303133.html
に書きました。よろしければ、ご参照ください。
【関連する記事】
- 松屋フーズホールディングスの株主総会に出席
- ジャステックの株式の公開買付と売却
- ベネフィット・ワンの株式の公開買付と売却
- ジャステックの株主総会に出席
- 東芝の株式の公開買付に応募(続)
- 東芝の株式の公開買付に応募
- 銚子丸の株主総会@幕張メッセ
- 銚子丸の株主総会のお土産が減額されている
- 一部の株式を売却予定
- WOWOW の株主総会に出席
- 銚子丸の株主総会
- WOWOW の株式優待の変更
- 東京電力の株はディフェンシブ銘柄だったのか
- WOWOW 株主アンケート
- ワタミの株主優待を使おうと思って(続)
- ワタミの株主優待を使おうと思って
- ローソン株1株だけ買い増し
- ワタミの株主通信
- 株主総会の案内
- カッパ・クリエイトの株主優待
その前提条件が正しいかどうかは、触れられていません。
この記事がシリーズなら、次回で、その部分が正しくないと説明する可能性はあります。
とはいうものの、全文を読んだ乙川様の印象が正しいとは思います。
コメント、ありがとうございます。
第1段落での問題ですが、乙も、「仮に利益確定と損切りの回数が同じになるとすれば、資産は減る一方です。」は正しいと思います。「A ならば B」の形をしていますから、A が成り立つ限りにおいて B が成り立ちます。
問題はその前です。
「たとえば、買値よりも 10% 値上がりしたら売るという利益確定の基準を決めたとします。これに対して、損切りの基準が「20% 以上値下がりしたら売る」というものだとしたら、期待する利益よりも損失が大きくなってしまいます。」というのが間違っているというのが乙の主張です。
その後、考えてみると、記事の引用部分の第2段落もおかしいかもしれません。「例えば損切りの基準を利益確定の基準の半分にすれば、「5勝10敗で損益はトントン」というイメージになります。」ということは、損切り-5%、利益確定+10% とすれば、(前者は後者の2倍起こるので)5勝10敗となり、損益がトントンになると言っているように読めます。
だとすると、第1段落で損切り-20%、利益確定+10% としても10勝5敗になり、損益がトントンになるはずです。
阿部氏の記述がすでに矛盾を含んでいるように思えます。
本文を書いた阿部氏が回答すべきとは思いますが、「たとえば、買値よりも 10% 値上がりしたら売るという利益確定の基準を決めたとします。これに対して、損切りの基準が「20% 以上値下がりしたら売る」というものだとしたら、期待する利益よりも損失が大きくなってしまいます。」という文章も間違っていないように思います。
10%の値上がりと20%の値下がりを単純に比較すると、20%の値下がりのほうが大きいと言っているのだと思います。
10%の値上がりと20%の値下がりの起きる確率には一切触れず、10%と20%を比較しているのだと読み取れます。
非常に幼稚な文章だと思います。
再度のコメント、ありがとうございます。
「期待する利益よりも損失が大きくなってしまいます。」という言い方は、ことばを補えば、「期待する利益よりも期待する損失が大きくなってしまいます。」となるはずです。利益も損失も「期待する」(=これから起こる)ことを前提にしています。となると、これは確率を持ち込まないと何ともいえません。
10% の利益と 20% の損失を比べて、「後者が大きい」などというのは、子供でもわかる話で、わざわざ新聞に書くほどのことではないでしょう。
このようなレベルが低い議論にお付き合いいただきありがとうございます。
くだらないのでこのテーマに付き合いたくないとお感じになられた時点で終わらせてください。
阿部氏はこう書くべきだったのではないでしょうか?
「たとえば、買値よりも 10% 値上がりしたら売るという利益確定の基準を決めたとします。これに対して、損切りの基準が「20% 以上値下がりしたら売る」というものだとしたら、10%よりも20%のほうが大きいので(子供でもわかる話ですが)、仮に利益確定と損切りの回数が同じになるとすれば、利益よりも損失が大きくなってしまい、資産は減る一方です。
利益確定と損切りの最適な基準を特定することは困難ですが、例えば損切りの基準を利益確定の基準の半分にすれば、「5勝10敗だったとしても損益はトントン」というイメージになります。
何勝何敗になるか予想する方法については、次回に詳しく書く予定です。」
このくらい書かなければ誤解を生むのではないでしょうか?
ただ、スペースの都合上、省略したのかもしれませんし、国語力がない人なのかもしれません。
もちろん、乙川様の解釈どおり、間違った考えを持っている人かもしれません。
再度のご意見、ありがとうございます。
もしかしたら、おっしゃるように、著者の文章力の問題なのかもしれないとも思います。
文章力の問題なのか、内容的な誤認なのかは、しばしば第三者からは判断できないものかと思います。
このあたりは、阿部氏から直接ご意見をうかがいたいところですね。
阿部智沙子は完全に間違っていると思いますね。
http://homepage2.nifty.com/xx/etc0113.htm
この記事はおもしろいですね。
株価には、まだまだ研究するべき余地が残されているような気がします。
それにしても、「プロ」の言説があまりプロらしく見えないのは、一体、どういうことでしょうか。