2007.9.16 http://otsu.seesaa.net/article/55103375.html
これに基づいて、第三者の考え方を間違いだと述べたこともあります。
2008.8.13 http://otsu.seesaa.net/article/104660595.html
最近、シミュレーション自体は妥当なものであっても、その解析的説明が十分でないと考えるようになりました。そこで、今日は、再度、この問題を考えてみました。
2007.9.16 http://otsu.seesaa.net/article/55103375.html
では、次のように述べています。
このことを納得するためには、正規分布の形を考える必要があります。いわゆる釣り鐘型ということですね。平均値(分布の中心)付近では出現確率の違いが小さいけれど、平均値から外れると出現確率の違いが大きくなる形のことです。これによって、騰落率0%のとき、3対7になるというわけです。
この説明は、正規分布曲線の縦方向の「高さ」に着目して説明しています。しかし、確率の問題ですから、平均値(分布の中心)からある程度離れたところから先の「面積」で説明しなければなりません。
「10% の損切り」が起こる確率というのは、-10% よりもマイナス側の面積であると考えます。「20% の利食い」が起こる確率は、+20% よりもプラス側の面積です。
もちろん、利食いと損切りが10%対20%がいいのか、5%対10%がいいのかという問題も解決したいところです。
さて、正規分布表
http://www.biwako.shiga-u.ac.jp/sensei/mnaka/ut/normdisttab.html
http://www.koka.ac.jp/morigiwa/sjs/standard_normal_distribution.htm
では、Z という標準得点が基準になって面積が表になっています。+10% とか、-20% というのを標準得点に換算しなければなりませんが、これは、データの標準偏差がわかれば、それで割り算することで Z に変換できます。
えいやっとばかり、10% を Z=0.6 と仮定してみましょう。20% は Z=1.2 となります。標準偏差が 16.67% 程度と仮定していることになります。
Z=-1.2 よりも左側の面積は、Z=1.2 よりも右側の面積と一致します。
Z=1.2 よりも右側の面積は 1-0.8849=0.1151 になります。
Z=0.6 よりも右側の面積は 1-0.7257=0.2743 になります。
両者の面積の比率を求めると、
1.2 以上の面積=0.1151/(0.1151+0.2743)=0.2956
0.6 以上の面積=0.2743/(0.1151+0.2743)=0.7044
となり、両者は3対7の比率で起こることになります。標準偏差が 16.67% 程度の場合、損切り -20%、利食い +10% とすれば、前者が3割、後者が7割の確率で起こりますから、わずかながら儲けが出ることになります。
以前の乙のシミュレーションは、このあたりのことを求めていたのではないかと思われます。
2008.8.26 追記
この話の続きを
http://otsu.seesaa.net/article/105435979.html
に書きました。ご参照ください。